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Insights-ヒント集![]() ![]() Please Wait Insights:豆知識やヒントの共有正しい情報を得られれば、何時間もの作業やフラストレーションを軽減することができます。しかしそのような貴重な知識の多くは、教科書には載ってなく、授業で教えられているものでもありません。またオンラインソースを検索しても簡単に見つけられるものでもありません。これらの知識の多くは経験から得られることが多く、フォトニクスの世界で働く人々の頭の中やラボノートの中にとどめられています。 当社ではこのような経験から得られたヒントや豆知識、ガイドライン、実践的なテクニックを集め、Insightsというヒント集にまとめました。現段階で集めたヒント集は下記のリンクや上のタブからご覧いただけます。こちらのページは随時更新して内容を拡充してまいります。
フォトニクス
光路アライメント
光学実験のベストプラクティス
設計
光ファイバ
積分球
レーザ
Lens Mounts
モーションコントロール
軸外放物面(OAP)ミラー
Optical Isolators and the Faraday Effect
フォトダイオード
偏波保持ファイバ
偏光
リフレクタ
デバイス制御のためのソフトウェアと書込みプログラム
Video Insights(How-to動画集)
フォトニクスとは
最終更新日:2019年12月4日 1
レーザのポインティング角度を補正する手順とはキネマティックマウントのピッチ(チップ)とヨー(ティルト)を調整することで、レーザ角度の微細な補正を行うことができます。この角度調整は、コリメートされたレーザ光を光学テーブル表面などの基準面に対して、あるいはテーブルのタップ穴のラインに沿ってなどその面の特定の方向に対して水平にアライメントするときなどで行います。 ![]() Click to Enlarge 図2:ビームは、光学テーブルのタップ穴のラインに対して平行になるようアライメントすることができます。キネマティックマウントのヨー調整でビーム角度を調整し、ルーラをタップ穴のラインに沿ってスライドさせるときに、ビームがルーラの縦の基準線上に保持されるようにします。 ![]() Click to Enlarge 図1:ビーム方向を光学テーブルの表面に対して水平にするには、レーザ用キネマティックマウントのピッチ調整を使用します(図2)。ビームがテーブル表面に対して平行になっている状態は、ビーム高がレーザ前面に近い位置(左)と遠い位置(右)でパワー測定値が同じであることを確認することで行います。 動画3:コリメートレーザーパッケージPL202からのビームのポインティング角度は、レーザのキネマティックマウントKM100のピッチ(チップ)とヨー(ティルト)アジャスタと、ルーラBHM1の水平と垂直線を使用して補正しました。その結果、ビームは光学テーブルの表面に対して平行かつタップ穴のラインに沿って伝搬します。 マウントのアジャスタを使用する前に その後、レーザを支えるポストやポストホルダなどのオプトメカニクス部品を調整することで、レーザの高さ、位置、向きの粗調整を行います。 調整後はすべての固定ネジが締め付けられていることを確認してください。 ビームをテーブル表面に対して平行にする場合 まず光源から近い位置と遠い位置のビームの高さを測定します(図1)。2つの間の距離が長ければ長いほど、確度は高くなります。 2つの位置のビーム高が一致するまで、キネマティックマウントのピッチを繰り返し調整します。 動画3の例では、光源に近いビーム高は当初82 mmでしたが、最初のピッチ調整で83 mmに上がっています。 水平のビームを任意の高さに調整した後は、レーザを支えるオプトメカニクス部品をその高さに調整します。または2つのステアリングミラーをレーザの後ろに置き、違う方法でアライメントすることもできます。ステアリングミラーは特にレーザのビームの高さと方向を固定して使用する場合のビーム出力方向の調整に有用です。 ビームをタップ穴列に沿った向きにする アライメントツールにより、タップ穴列を基準線としたレーザ出力方向を調整できます。ルーラの底辺の端をタップ穴列に合わせて配置します(図2)。 テーブル上の基準線に対するビームの角度は、レーザースポッ位置トとルーラの垂直基準線の差を見ることで確認できます。 垂直基準線として、ルーラ端や目盛端では不十分な場合には、取付けブラケットBHMA1を使用して水平置き型のルーラを取り付けることができます。 動画3では、ルーラをタップ穴列に並行に移動し、レーザ照射位置をルーラーの1 mm単位の目盛の端に一致させるようにアライメントします。ルーラを基準線の遠い方の位置に移動させると、ルーラのビーム位置も水平方向に移動します。ルーラを遠い方の位置に配置した後、ビーム端が1 mm単位の目盛に一致するまでマウントのヨーを調整します。その後ルーラを光源の近くに移動させ、ビームの位置調整の結果を見ます。このプロセスは必要に応じて反復で行われています。 ビームアライメントに関する追加情報はこちらの動画ページでご覧ください。 最終更新日:2020年10月12日
2つのミラーを使用して異なる光路にレーザ光をアライメントする方法1つ目のステアリングミラーは、新しい光路上に配置された2つ目のミラーに向けてビームを反射します。2つ目のステアリングミラーは、新しい光路に沿うようにアライメントします。2つのステアリングミラーでレーザ光をアライメントする手順は、Walking the Beam(ビームの移動)として説明することがあり、その結果はFolded Beam Path(折りたたまれたビーム路)と呼ばれることがあります。動画4の例では、ビームを新しい光路にアライメントするために2つのアイリスが使用されています。新しい光路は光学テーブル面に対して平行で、タップ穴列に沿っています。 ![]() Click to Enlarge 図3:1つ目のミラーから反射されたビームは、x軸ならびにy軸まわりに、それぞれ θおよびψ回転すれば、2つ目のミラーに入射します。どちらの角度も2つ目のミラーの中心位置(座標x2 , y2 , z2 )に影響を及ぼします。1つ目のミラーのx軸周りの回転は、マウントのピッチ(チップ)アクチュエータの移動範囲によって制限されますが、その移動範囲は、2つ目のミラーの位置と高さも制限します。 ![]() Click to Enlarge 図 5:2つ目のキネマティックミラーマウントのアジャスタは、2つ目のアイリスにビームをアライメントするのに使用します。 ![]() Click to Enlarge 図4:1つ目のキネマティックミラーマウントのアジャスタを調整して、1つ目のアイリスの開口部にレーザースポットを合わせています。 動画4:キネマティックマウントKM100の2つのミラーが、コリメートレーザーパッケージPL202からの光を2つのアイリスIDA25によって規定された光路に誘導します。観察用のスクリーンとして2つ目のアイリスの後ろに置かれたルーラBHM1上にビームスポットが現れ、また、2つのアイリスの開口部周辺にボヤっ光が当たっている 状態みなればビームがアライメントされている状態とみなせます。 ミラーの高さの設定 アイリスのセットアップ アイリスが閉じているときの(小さな)開口部は、完全な中心位置にない場合があります。そのため、ビームに面するアイリスの左右を交換すると、開口の位置がシフトする場合があります。ビームに面するアイリスの面を決めたらセットアップから使用まで同じ面を使用することを推奨します。 コンポーネントの配置と粗調整 新しい光路に2つ目のミラーを配置後、両方のアイリスを光路上に置いてください。1つ目のアイリスは2つ目のミラーの近くに、2つ目のアイリスは2つ目のミラーからできるだけ遠くに配置してください。 2つのミラーの高さはそのまま維持し、またヨーのアジャスタは触らずに1つ目のミラーを回転させて、光を2つ目のミラーに向けます。1つ目のミラーのピッチアジャスタを調整して、レーザースポットを2つ目のミラーの中心近くに移動させます。その後、2つ目のミラーを回転させて、ビームを新しい光路にある程度向けます。 最初に光路上に光を当て、その後、向きを調整します。 次に2つ目のミラーでビームをステアリングして、新しい光路とアライメントさせます。2つ目のミラーのアジャスタを調整して、レーザースポットを2つ目のアイリスの開口部に移動します(図5)。ピッチアジャスタがビームの高さを調整し、ヨーアジャスタがビームを横方向に移動します。2つ目のアイリスでレーザースポットが消えてしまう場合、2つ目のミラーのレーザースポットが新しい光路から離れています。 1つ目のミラーのアジャスタを調整しながら2つ目のミラー上のビーム位置を変え、1つ目のアイリスの開口部の中心にレーザースポットがあたるようにします。2つ目のミラーのアジャスタ調整を再開して、2つ目のアイリスの開口部にレーザースポットを向けます。これをレーザービームが両方のアイリスの中心を通るまで繰り返します(動画4)。アジャスタのどれかが調整範囲の制限に近づいてしまったら、ミラーの1つ、あるいは両方の位置を変え、アライメント手順を繰り返してください。 ヨー軸のアジャスタが制限に近づいた場合、反射ビーム方向を記録しておき、ヨーアジャスタを調整範囲の中央に回転させます。反射ビーム方向が記録した位置になるようミラーマウントの向きを変えます。ミラーが回転できない場合、ビームが新しい光路にほぼ沿うよう1つあるいは両方のミラーの位置を変えます。ビームの向きが微細に調整できるまでこのアライメント手順を繰り返します。 ピッチ軸のアジャスタが制限に近づいた場合、2つのミラーの間の距離を長くするか、入射路あるいは新しい光路の高さの差を小さくします。どちらの方法でもアライメント手順が繰り返された後、ピッチアジャスタが調整範囲の中心の近くに配置されます。 ビームアライメントに関する追加情報はこちらの動画ページでご覧ください。 最終更新日:2020年10月22日
2つのビームステアリングミラー間に必要な距離2つのステアリングミラーの間に必要な距離(図6)は、1つ目のミラーから反射するビームの傾斜と、2つのミラーの高さの差によって決まります。必要な距離を把握することは、ブレッドボードや光学テーブル上のセットアップのスペースを見積もるのに重要です。 入射ビームに対する1つ目のミラーのピッチ(tip)だけを使用した簡単な計算をしがちですが、ヨー(tilt)を無視してしまうと、ミラー間の必要な距離がかなり低く見積もられる場合があります。下の例では、マウント全体ポスト軸を中心に回転することでヨー調整を行い、マウントのアジャスタでピッチ調整を行うという仮定で距離が計算されています(図7)。この手法はしばしばミラーを初期配置するときに使用されます。 ![]() Click to Enlarge 図 7:ヨーアジャスタを使用する代わりに、ポスト軸中心にマウント全体を回転させることで、初期のミラー調整(ヨー)を行います(左図)。これによりマウントがX、Y、Z軸と入射光に対して回転します。マウントのピッチアジャスタがミラーのピッチを調整し(右)、マウントのX、Y、Z軸に対してミラーの向きを変えます。上の写真はミラーマウントKS2と位置保持用ポストカラーRMCです。 ![]() Click to Enlarge 図 6:1つ目のミラーが入射ビームを反射して2つ目のミラーに送ります。2つのミラー間に必要な距離は、1つ目のミラーのピッチとヨーの両方に依存します。これらのミラーマウントKM100は±4°の範囲に渡りピッチとヨーの調整が可能です。 ![]() Click to Enlarge 図9:これらの値は、図8で説明するセットアップを使用して計算されています。ただし1つ目のミラーのピッチ角は1°と仮定しています。この結果では、ピッチを小さくすると、2つのミラーの間に必要な距離が長くなることを示しています。しかし、アジャスタが調整範囲の制限いっぱいまで使用すると安定性が悪くなることを考慮すると、距離をある程度長くすることを許容しても良さそうです。 ![]() Click to Enlarge 図8:この例では2つ目のミラーのテーブル上の配置に関して、入射ビームより12.7 mm低い(y2 = -0.5")位置にあるときでもに反射ビームが受光できる位置を決めるのが目標です。1つ目のミラーのピッチはアジャスタの最大調整範囲である4°と仮定しています。マウント全体をポスト軸中心に回転させ、1つ目のミラーのヨーを変えます。マウントのヨーアジャスタを使用しないのは、ヨー角度は4°以上必要で、かつこのステップではミラーの向きの微調整が必要ないからです。 ![]() Click to Enlarge 図10:このグラフはテーブル面を上から見た位置を示しています。1つ目のミラー(星印)が始点です。枠内で定義されている曲線は2つ目のミラーの位置のいくつかの例を示しており、2つ目のミラーは1つ目のミラーよりも12.7 mm低い高さ(y2)でビームを受光します。ミラー間の距離は、ピッチ角が一定でも1つ目のミラーのヨー角によって大幅に長くなります。 ヨーとピッチを適用する ここの例ではまず調整の最初ステップを行い、その後のピッチとヨーの調整は異なる方法を用いることを想定しています。必要なヨー角度がマウントのアジャスタのヨーの調整範囲よりも大きいことが多いため、ポスト軸中心にマウント全体を回転させることでヨー調整を行います(図7、左)。これでマウントに対する入射ビームの角度が変わります。ヨーアジャスタは使用せず、マウントのピッチアジャスタだけ使用します。ピッチアジャスタは、入射ビームとマウントにおけるすべての軸の両方に対して、ミラーの向きを変えます(図7、右)。 ミラーの向きは通常、ポスト軸中心にマウントを回転させることなく、マウントのピッチとヨーのアジャスタを使用して微調整をします。両方のアジャスタを使用することは、ここでご紹介している方法例とは異なる効果でミラーの向きを変えます。 反射ビーム上の点の座標 ポストとX軸周りの回転角度(それぞれ 変数Aはスケールファクタです。大きければ大きいほど点とミラーの間の距離は長くなります。この例では、既知の高さの変化(y2 )をx2およびz2 の算出に使っています。 例:ステアリングミラーのセットアップ この例では、どちらの光路も光学テーブルに対して平行ですが、新しい光路は入射路よりも12.7 mm低くなっています。ミラーはキネマティックマウントKM100に固定されており、マウントはポストホルダで固定したポストの上に取り付けられています(図6)。マウントのピッチとヨーのアジャスタはそれぞれ調整範囲に±4°の制限があります。この範囲は最初にミラーのピッチを設定するには十分ですが、ミラーのヨーには十分ではありません。代わりに入射ビームとミラー間のヨーは、ポスト軸中心にマウント全体を回転させることで調整します。これによりヨーの調整範囲の制限がなくなります。 図8では、2つ目のミラーのx2 とz2 座標が、1つ目のミラーのヨー角に対してプロットされています。これらの値は、新しい光路の任意の高さ 図10では、2つ目のミラーのx2とz2 の座標を光学テーブルの位置としてプロットしています。テーブルを上からみたときの位置です。1つ目のミラーの位置は星印、グレーの円は星印中心の同心円です。矢印は反射光の方向で、いずれも異なるヨー角度に相当します。枠内で定義されている曲線は異なるいくつかのピッチ角と、ビーム高の差-12.7 mmに対して算出されています。曲線をグレーの円と比較すると、ヨー角が大きくなると2つのミラーの間の距離を長くする必要があることが示されています。ピッチ角が小さくなっても距離を長くする必要があります。 ビームアライメントに関する追加情報はこちらの動画ページでご覧ください。 最終更新日:2021年1月5日
Insights:光学実験のベストプラクティススクロールするか下のリンクをクリックすると、実験室での実習時のヒントや機器セットアップ時の注意点等がご覧いただけます。
テーブルクランプ:保持力を最大にする方法
![]() Click to Enlarge 図 2:L1 > L2であるため、物体を保持する力は負荷した力(FTotal)の半分よりも大きくなります。クランプCL2/Mの左側の脚の長さは、物体の高さにあわせて調整可能です。そのためクランプの上面と取付け面を平行にすることができます**。 ![]() Click to Enlarge 図 1:L1 < L2であるため、物体を保持する力は負荷した力(FTotal)の半分よりも小さくなります。上のクランプはCL5Aです。 クランプのスロット内の締め付けネジの位置が物体から離れすぎていると、クランプされている物体は動きやすくなります。ネジの位置を適切にすることにより、クランプされた物体の位置ずれを防止することができます。 クランプ力を最大化するためには、ネジをできるだけ物体の近くに配置してください**。 これは、CL5A(図1)やCL2/M(図2)のようなクランプを用いた場合、トルクのかかったネジによって加わる力(FTotal)は2点に分配されるためです。 クランプ力F2が物体にかかります。F2の値がFTotalの何%になるかは、以下で説明するようにL1とL2に依存します。残りの力(F1)は、クランプの反対側の端にかかります。 これらの2つの力は、次の式によって求められます。
これらの式は、物体とネジ間の距離が小さくなると物体にかかるクランプ力が大きくなることを示しています。L1とL2が等しいとき、締め付けられたネジによってかかる力は、F1とF2に等しく分配されます。 **クランプ力を最大化するには、図1および図2に示すように、クランプの上面と物体に接触する面のどちらも、取付け面に対して平行でなければなりません。 クランプと物体間の接触面が取付け面に対して平行ではない場合、物体にかかる力は、物体を取付け面に押し付ける力と、取付け面に沿う方向に押す力とに分解されます。取付け面に沿う方向の力は、物体を移動せるのに十分な場合と、それほどではない場合があります。 物体の高さに対応させるために、CL2/Mのようなクランプではその一端の脚がネジになっており、高さ調整が可能になっています(図2参照)。クランプと取付け面の間のネジ山の数は物体の高さに応じて調整しますが、同時にクランプの上面が光学テーブルに対して水平になるように調整する必要があります。 最終更新日:2019年12月4日 1
光学テーブル:テーブルクランプとテーブル面の歪みについて
![]() Click to Enlarge 図3:Nexusテーブル/ブレッドボードの断面図。(1)上板、(2)下板、(3)サイドパネル、(4)サイドレール、(5)ハニカムコア。ステンレススチールの上板と下板の厚さは5 mmです。 ![]() Click to Enlarge 図 5:ネジにトルクをかけるとテーブルの上板を上方向に引っ張る力が発生します。上に引っ張られた板が取付け面を傾けるため、物体に角度偏差を生じさせる可能性があります。上の図では、分かりやすくするために誇張して示しています。 ![]() Click to Enlarge 図 4:CL5Aのような標準的なテーブルクランプでは、一端のみがテーブル面に接触します。反対の端は固定する物体と接触します。 2つの端の間にはブリッジ(隙間)が形成されます。クランプ力を加えるネジは表示されていません。 ![]() Click to Enlarge 図 6:クランプアームPOLARIS-CA1/Mには取付けネジを挿入するスロットと、取り付けるポストを固定するためのネジが付いています。また、上面と底面は同じ形状です。クランプアームが取付け面と接触する面はほぼループ状につながっているため、ブリッジ(隙間)による影響はほとんど生じません。 テーブルクランプ(クランプフォークも含む)は、複合構造の光学テーブルの取付け面よりも剛性が高くなっています。ネジに加えるトルクを大きくしていくと、その力でテーブルクランプの背の部分が曲がると想像するかもしれません。しかしネジがテーブルクランプを変形させる前に、テーブルの上板を上に引っ張るため、上板がフラットではなくなります。そのためコンポーネントを光学テーブルに固定する際、テーブルクランプは慎重に使用しなければなりません。クランプアームはテーブルクランプの代わりにご使用いただけるもので、下記の説明の通り、テーブルの取付け面を変形させにくい製品です。 光学テーブルの構造 テーブルクランプ ネジにトルクをかけることによってクランプを固定するとき、ネジはテーブルの上板を上方向に引っ張ります(図5参照)。 ネジにかけるトルクをさらに大きくすると、テーブルの上板が上に持ち上がります。テーブルの上板が持ち上がることはテーブルに恒久的なダメージを与えるリスクがあるだけでなく、クランプで固定している光学部品のアライメントも乱してしまう場合があります。テーブルの上板が持ち上がると、クランプされている物体の下の取付け面は傾きます。 クランプアーム 図6のクランプアームと、テーブルクランプには2つの大きな違いがあります。1つは光学テーブルに接触する面(赤で表示)で、もう1つはポストを固定する方法です。 光学テーブルに接触する面(クランプのベース周り)は、ほぼループ状につながっています。クランプをテーブルに取り付けたときの接触面は、テーブルに対してフラットな平面になります。ループとして不連続な部分は、ポストをグリップするための幅の狭いスロットのみです。 テーブルクランプで使用するネジは1本だけですが、この設計では2本のネジを使用します。1本のネジ(表示されていません)でクランプをテーブルに固定し、もう1本のネジ(表示されています)でポストをグリップします。1本のネジが両方の機能を果たす必要がないため、クランプする物体と光学テーブルの間のブリッジ(隙間)は必要なくなります。 クランプの接触面はループ状で、全表面が接触しているわけではありませんが、取付け面の変形はほとんど無視できる程度です。これは接触面の内側の空洞の部分が狭く、またクランプの両サイドで囲まれているため、テーブルを上に引っ張る力に対して抵抗できることによります。
最終更新日:2019年12月4日 2
ワッシャ:オプトメカニクスに使用する場合![]() Click to Enlarge 図8:スロットを損傷させないよう、ボルトを挿入する前にワッシャを入れてください。ワッシャの丸みを帯びた滑らかな面をスロット側に向けて置き、フラットな粗い面がボルト頭部と接触するようにします。滑らかな面は、アルマイト処理された表面を傷つけることなく、容易に移動できるように設計されています。上の図はベースBA2(/M)です。 ![]() Click to Enlarge 図7:ワッシャの直径はボルト頭部より35%大きくなっています。これによりベースBA2/Mのスロットにオーバーラップする面積はボルトの6倍になります。ワッシャはボルトの力をより広い面積に分散することで、スロットがえぐられるのを防止する役目をはたします。 標準的なキャップスクリュの頭部は、ネジの外径よりもそれほど大きくはありません(図7)。例えば1/4-20"ネジの頭の径は0.365~0.375インチ(約9.27~9.53 mm)で、このネジ用の貫通穴の径は0.264インチ(約6.71 mm)です。 デバイスを固定するためにネジを直接貫通穴に入れて締め付けると、力が貫通穴のエッジ部分にかかり、ネジでデバイスのエッジ部分をえぐってしまう場合がよくあります(図7)。 このエッジ部分が恒久的に変形してしまった場合、ネジの頭はえぐられた溝に戻ろうとするため、デバイスを精密に調整しようとしても、デバイスは元の位置に戻ってしまいます。 円形の貫通穴の場合は、ネジに対してデバイスを移動させようとするものではないので、このような変形による問題は生じないことが期待できます。 しかしスロットの場合には、スロットに沿ってどの位置にでもデバイスを固定できなければなりません。ワッシャを使用すると、力がスロットのエッジから離れる方向に分散されるので、スロットが変形しにくくなります。図7では、ワッシャがもたらす効果を図示しています。ベースBA2/Mのスロットと頭の径が0.37インチ(約9.4 mm)のキャップスクリュの接触面積は0.010 in2(約6.5 mm2)です。径0.5インチ(12.7 mm)のワッシャを使用すると接触面積は0.064 in2(約41.3 mm2)となり、6倍ほど大きくなります。 当社のワッシャには、それぞれの面に特徴があります(図8)。1つの面はフラットで粗く、もう1つの面は丸みを帯びていて研磨されています。丸みを帯びた研磨された面を、アルマイト処理されたデバイスの面に向けて置いてください。 ネジを締め付けるときに、ネジの頭でワッシャがアルマイト処理された面に対して回転する場合があります。 フラットで粗い面をアルマイト処理された面に押し付けた場合、摩擦でその表面を傷つける場合があります。しかし、丸みを帯びた面を接触させた場合、滑らかな面による摩擦は小さいため傷がつきにくく、デバイスの外観がより長く保たれます。 最終更新日:2019年12月4日 3
電気信号:AC結合 vs DC結合
![]() Click to Enlarge 図9:信号のDCオフセットは信号の平均値です。青い線(ACのみ)の平均振幅は0なので、DCオフセットはありません。赤い信号(ACとDC)は、赤い信号のACオフセットが0ではないこと以外、青い信号と同一です。DC結合は赤い信号を変化させることなく通過させます。AC結合ではDCオフセットを除去し、信号の低周波成分を減衰させます。 機器にAC結合とDC結合の電気入力の選択肢がある場合、変調信号入力に対して、DC結合の方がよい選択であることが多々あります。 可能な場合、DC入力をご使用ください なお、DC入力であっても、信号の歪みがないことは保証されませんのでご留意ください。歪みはデバイスの帯域幅の不足や、終端でのインピーダンスの不一致などほかの理由で起こる場合があります。 ![]() Click to Enlarge 図 11:上のグラフの青い曲線のように変調信号によってはDC成分がなくても、少なくない量の低周波成分は存在します。この信号がAC結合のハイパスフィルタによってフィルタイングされると、結果信号に歪みが生じます。緑の線はその1例です。 ![]() Click to Enlarge 図 10:コンデンサがベースのハイパスフィルタの周波数応答性をモデル化しています。カットオフ周波数(Fc)は35 Hzで、図11の信号のフィルタリングに使用されました。信号の繰り返し周波数は 200 Hzです。 AC入力を使用する理由 AC入力を使用する場合 図10で示すように、AC結合はDCオフセットを除去するだけでなく、関心のある低周波成分も減衰させる場合があります。AC結合は結果、信号の歪みにつながる場合があります。ハイパスフィルタの影響を説明するため、図11では繰り返し周波数が200 Hzのバイナリ信号を、カットオフ周波数(Fc)35 Hzのハイパスフィルタでフィルタリングする前と後のグラフを示しています。 AC結合のデジタル通信信号では、DCオフセットのないDCバランスのとれた信号を使用することによりこの問題を軽減しています。信号のDCバランスが取れていない場合、一連の信号は高い信号レベルに張り付いてしまう場合があります。これにより、信号が静電フィルタリングの影響を受け、non-zeroのDCレベルが生じることがあり、その結果、ビットエラーをもたらされます。 最終更新日:2019年12月4日 4
ファイバーコリメータ:アダプタを使って取り付ける場合
![]() Click to Enlarge 図12:上の図では各コンポーネントをネジで結合しています。ファイバーコネクタのネジを緩めると、意図せずほかの部品同士の接続まで緩めてしまう場合があるため、当社ではほかの2箇所の接続部を接着剤で固定することをお勧めしています。 ファイバーコリメータは、ファイバ出力型光源から光学系に光を入射するときによく使用されます。当社では様々な種類のファイバーコリメーターパッケージをご用意しております。その一部のパッケージはネジの無い滑らかなバレル(トリプレットコリメータなど)になっていますが、ほかにはバレルの先端にミリ規格のネジ(非球面コリメータなど)が付いているものがございます。 通常当社では、どちらのパッケージにも、バレルを2線接触で保持するタイプの、先端がナイロン製の止めネジ(セットスクリュ)が付いたアダプタの使用をお勧めしております。 一方、ファイバーコリメータをマウントにねじ込むことができる、外ネジ付きのアダプタ(AD1109F)もございます。 しかし、このようなアダプタを使用した場合、ネジによる接続が重なってきます(ネジ付きファイバーコネクタ、ネジ付きコリメータ、そしてネジ付きアダプタ)。その結果、ファイバーコネクタを緩めるときに注意しないと、その他のネジによる接続部分まで緩めてしまい、セットアップに原因不明な不安定性が生じる場合があります。 そのため、このような取り付け方をしたい場合には、当社ではネジ付きファイバーコリメータとネジ付きマウントを接着剤で固定することをお勧めしています。 最終更新日:2019年12月4日 5
移動ステージ中央の大きな取付穴はどのように使用するか移動ステージには、ステージの周辺よりも中央寄りの位置に、光学テーブルやブレッドボードへの取付け穴が配置されているものがあります。そのようなステージの場合、取付け面に固定したり外したりする際に、上部プレートを下部(ベース)プレートの中心に合わせる必要があります。そのとき、上部プレートの大きな貫通穴と下部プレートの小さな貫通穴は1つのザグリ穴のような形になります。 その状態でキャップスクリュを上部プレートの大きな穴から挿入し、取付け面にねじ込んでステージを固定します。ここでは直線移動ステージMT1B(/M)を用いてその方法をご紹介しています。ステージを取り外すときは、同じ穴を使用してネジを緩めて外します。 ![]() Click to Enlarge 図14:ステージ上部プレートの2つの大きな貫通穴から、ステージ下部プレートの取付け穴を利用することができます。 ![]() Click to Enlarge 図13:ステージ下部プレートの中央付近の貫通穴は、ステージを光学テーブルやブレッドボードに固定するための取付け穴です。 動画1:直線移動ステージMT1B(/M)を光学テーブルに固定する手順 ![]() Click to Enlarge 図15:ステージ上部プレートの大きな貫通穴から5 mmボール(六角)ドライバを差し込み、挿入したM6キャップスクリュを締めてステージを固定することができます。 取付け穴の位置について しかし、取付け穴を利用するには、上部プレートと下部プレートの位置を合わせる必要があります。アジャスタで上部プレートの位置合わせを行いますが、このとき上部プレートの大きな貫通穴と下部プレートの小さな貫通穴の中心を一致させ、ザグリ穴のような形にします。キャップスクリュをネジの部分から上部プレートの貫通穴に挿入すると、ネジはスムーズに下部プレートの取付け穴に入ります。 最初にステージを固定してからコンポーネント類を取り付けてください 上部プレートは下部プレートに対して移動するため、使用しているときは一般に上部プレートが妨げになって取付け穴のネジは操作できません。また、ステージに取り付けたコンポーネントにより、概して上部プレートの貫通穴の一方または両方が塞がれてしまいます。そのため、実験の途中でステージの取付け位置を変更することには不便が伴う場合があります。従って、コンポーネント類をステージに取り付ける前に、ステージを適切な位置に固定することを推奨します。 他の選択肢として、MTシリーズ用のMT401/Mのようなベースプレートを使用すれば、ステージの周囲に塞がれることのない取付けスロットを確保できます。ステージをここで説明したようにベースプレートに固定してから、ベースプレートの取付けスロットを使用して取付け面に固定します。 取付け方法を動画でご覧ください 最終更新日:2020年9月8日
直線ステージ取付けスロットの使い方直線移動ステージの下部プレートの4隅に取付けスロットがある場合、通常そのうちの2つ以上の取付けスロットは上部プレートに妨げられて使用することができません。素早く4つの全てのスロットを使用するには、まずマイクロメータまたはアクチュエータで上部プレートを手元側に引き寄せて2つの取付けスロットを露出させ、次に上部プレートを逆方向に手で押し出して他の2つの取付けスロットを露出させる方法があります。そうした後、ロッキングプレートの固定ネジを締めて上部プレートの位置を固定します。ここでは直線移動ステージXR25P(/M)を用いてその方法をご紹介しています。 ![]() Click to Enlarge 図 17:この写真では、マイクロメータの反対側の側面に付いている長方形のスロット付きロッキングプレートが見えています。また、手前の2つの取付けスロットは露出していますが、後ろ側の2つの取付けスロットは上部プレートに覆われて利用できない様子も見えます。 ![]() Click to Enlarge 図16:上部プレートがマイクロメータで最も引き寄せられたとき、ステージの片側の2つの取付けスロットが露出して利用できるようになります。どちらのスロットにもM6キャップスクリュとワッシャを取付けられます。ステージの反対側の2つの取付けスロットは、上部プレートに妨げられて利用できません。 動画2:直線移動ステージXR25P(/M)を光学テーブルに固定する手順 ![]() Click to Enlarge 図18:上部プレートを引き寄せた位置から最も押し出した位置まで移動させると、他の2つの取付けスロットが露出して利用できるようになります。ロッキングプレートのネジを2 mm六角レンチで締め付けて、上部プレートの位置を固定します。 2つの取付けスロットが利用できるように上部プレートを移動させる 4つの全てのスロットを素早く利用するには、まずマイクロメータやその他のアジャスタを使用して、上部プレートを手元側の位置に引き寄せます。そうすることで2つの取付けスロットが露出し、M6キャップスクリュとワッシャを締めたり緩めたりすることができます。図17でご覧いただけるように、上部プレートがこの位置にあるときは、ステージの反対側の取付けスロットは上部プレートに妨げられて利用できません。 ほかの取付けスロットを利用するために上部プレートを手で押して固定します 上部プレートは、下部プレートのもう一方の取付けスロットが露出する位置まで押してください。次にロッキングプレートのネジを締め付け(図18)、上部プレートの位置を固定します。上部プレートを固定したら、露出した取付けスロットへのM6キャップスクリュとワッシャの取付け・取外しが可能になります。 ステージを破損させないために 手順は動画をご覧ください 最終更新日:2020年9月8日
移動ステージはアジャスタから伝わる振動を絶縁できるか移動ステージは、アジャスタからの振動を下部(ベース)プレートに結合させることで、可動部である上部プレートには影響しにくいように設計することができます。アジャスタを固定するバレルクランプをベースプレートに取り付けることにより、アジャスタの操作時にステージに取り付けられたオプトメカニクス部品が受ける振動を最小に抑えることができます。 ![]() Click to Enlarge 図2:上の写真ではアジャスターネジを取り外しているため、上部プレートがバレルクランプから独立していることがより分かりやすくなっています。上部プレートは手前側の位置に戻っており、下部プレートに取り付けられているバレルクランプのベースよりも高い位置にあります。 ![]() Click to Enlarge 図1:直線移動ステージMT1B(/M)のバレルクランプが見えます。クランプは下部プレートに取り付けられているため、上部プレートはアジャスターネジに触れたときの振動から絶縁されています。 ステージとアジャスタの接触について アクチュエータとオプトメカニクス部品が取り付けられている上部プレートが直接接触するのは、アクチュエータ先端の1点のみです。この接触は強固な接続ではないため、アクチュエータと上部プレート間の振動の結合は弱くなります。同様に、上部プレートと下部プレートの接触点も強固ではないため、振動は効率的には伝わりません。 移動ステージに関するその他の情報 最終更新日:2020年9月2日
ポストホルダ: 穴の内側の長方形の溝について
![]() Click to Enlarge 図4:上から見た図。ポストとポストホルダの間の3つの接触点(赤で表示)で、ポストのYZ軸に対する移動や回転を止めています。X軸に対する移動や回転は摩擦力で抑止されます。 ![]() Click to Enlarge 図 3:当社のポストホルダの穴の内側には鋭いエッジの溝が加工されています。 ![]() 図 5:ブローチには上図のように刃が並んでおり、その高さは徐々に高くなっています。刃を材料に接触させ、機械でブローチを表面の端から端まで引っ張ります。各刃はそれぞれ少量の材料を削りとり、ブローチ加工された溝の深さは刃全体の高さの差と同じになります。 当社の全てのポストホルダには、穴の内側に沿って平行なエッジを有する溝が作られています(図3)。止めネジ(セットスクリュ)を締め付けることで、ポストが溝の2つのエッジに押し付けられます(図4)。エッジ間の距離が広いため(ポストホルダ内径の約半分)、ポストはエッジに対して安定に保持され、また再現性も得られます。 溝の2つのエッジに接触することでY軸とZ軸に対する移動と回転が止められるため、ポストの6つの自由度のうちの4つが拘束されます。また、ポスト側面と溝のエッジ間の摩擦により、残りの2つの自由度であるX軸に対する移動と回転が抑止されます。 穴の内側に溝が無い場合には、ポストとポストホルダの接触は1本の線になります。ポストにはZ軸回りの回転とY軸に沿った移動の自由度が残り、その位置は安定しません。 この不安定さによる光学セットアップ内の各部品位置のシフト量がサブマイクロメートルのレベルであったとしても、累積することでシステムの性能に重大な悪影響を及ぼす場合があります。また、システムを頻繁に再アライメントする必要が生じるかもしれません。 ブローチ加工 溝の滑らかで直線状のエッジは、ブローチ加工と呼ばれる機械加工によって作ることができます。ブローチ(図5)は鋸に似ていますが、その刃の高さは徐々に高くなっています。 表面に沿ってブローチを引っ張ると、各刃はそれぞれ少量の材料を削り取ります。ブローチによって切削される溝の深さは、刃全体の高さの差(H2 - H1)に等しくなります。 溝を作るうえでブローチ加工が他の加工方法に比べて好まれる理由は、直線状の加工が可能であるほかに大量生産にも対応できるためです。 最終更新日:2019年12月11日 1
ベースは、アンダーカットのある面を下向きに置くと安定します
![]() Click to Enlarge 図7この図はベースの下側を示しており、赤く表示された箇所がアンダーカットです。この部分を切除することで、極めて平坦なパッドを実現できます。 ![]() Click to Enlarge 図 6:適切な安定性を得るため、ベースはアンダーカットがある面を光学テーブルまたはブレッドボードに向けて取り付けてください。 ![]() Click to Enlarge 図9:当社のデバイスに付いているパッドは、ボルトで固定したときに安定性が向上します。パッドは非常に平坦で、アンダーカット(赤で表示)から突き出た形になっています。アンダーカットによりテーブルやブレッドボードとの接触面積が制限されます。 ![]() Click to Enlarge 図 8:ステージやその他のデバイスの取付けプラットフォームにはパッドがありません。 アンダーカットはBA2/Mのようなベースの下側の面に機械加工されます(図6と7)。アンダーカットによりパッドと呼ばれる脚ができます。最大限の安定性を得るため、パッドがテーブルやブレッドボードに接触するようにベースを置いてください。 ベースの上側の面にはアンダーカットは無く、部品取付け用の面になっています。 ベースを上下逆に取り付けると、ベースがテーブルやブレッドボード上で動いたり、その他の機械的な不安定性が生じたりする場合があります。 パッドの平面度 この工程で生じる摩擦熱でパッドが加熱され、平面度はそれによって影響をうけます。アンダーカットでパッドの表面積を小さくすることで、この工程での発熱量が抑えられます。 機械加工においては、発生する熱を最小限に留めることは有益です。金属は加熱されると膨張しますが、機械加工中に発生する不均一な加熱により、部品の寸法が歪む場合があります。加工中に部品の寸法が歪むと、冷却後の部品には高いスポットやその他の望ましくない形状が残る可能性があります。そのような部品を使用すると、不安定性やミスアライメントにつながる場合があります。 精密な機器やデバイスのパッド 最終更新日:2019年12月9日 2
Insights:光ファイバスクロールするか下のリンクをクリックすると、光ファイバを使用するセットアップを設計する際に考慮すべき点がご覧いただけます。
NAはファイバの受光角を表す指標となり得るか![]() Click to Enlarge 図1:入射角が≤θmaxの光線は、コアとクラッドの界面で全反射(TIR)するため、マルチモードファイバのコア内に閉じ込められます。全反射する条件は、ncore > nclad です。 ![]() Click to Enlarge 図2:コアとクラッドの境界での光の作用は、コアとクラッドの屈折率に依存し、端面に入射された光がコア内に結合するかを決定します。NAは幾何学的計算と、図の上にある2つの式を用いて求められます。 開口数(NA)は、ほとんどのマルチモードファイバにおいて図1のように最大の受光角を表します。この関係性はシングルモードファイバにおいては適用することができません。 受光角とNA 入射角が≤θmaxの光線は、ファイバのコアとクラッド間の境界において全反射(TIR)します。これらの光線はファイバ内を伝搬していくので、コア内に閉じ込められたままとなります。 入射角がθmaxよりも大きい光線については、コアとクラッド間の境界で屈折し、部分的に透過する成分が生じます。この光はしばらくの間クラッド内を伝搬する場合がありますが、最終的にはファイバから損失していきます。 関係性は幾何学によって定義されます コアncore とクラッドnclad の屈折率が重要な役割を果たします。全反射が起きるにはncoreがnclad よりも大きくなければなりません。その差が大きければ大きいほど、NAと最大受光角も大きくなります。 入射角とファイバのモード シングルモードファイバではご利用いただけません シングルモードファイバの導波モードは1つ、次数が最も小さいモードで、入射角が0°の光によって励起されます。しかし、NAを計算すると、その値は0ではありません。光線モデルでは、シングルモードファイバから放射、または結合される光線の広がり角を正確に予測することもできません。ビームの広がりは回折効果によって起こりますが、光線モデルにおいては考慮されていません。しかし、波動光学モデルによれば説明可能です。ガウシアンビームの伝搬モデルを使用すれば高確度でビームの広がり角を求めることができます。 最終更新日:2020年1月20日 1
MFDがシングルモードファイバにおいて重要な結合パラメータである理由とは![]() Click to Enlarge 図3:最大の結合効率でシングルモードファイバに結合するためには、光が軸上のガウシアンビームで、ウェスト位置がファイバの端面にあり、ウェスト径がMFDと等しくなる必要があります。ファイバの出射光もこれらの特性によりガウス分布に近い形状となります。シングルモードファイバにおいて、開口数(NA)の使用した光線モデルは、結合状態を決定するには不適切です。ここでは半径( ρ )におけるモード強度(I )プロファイルが示されています。 光はシングルモードファイバを伝搬していくと、そのビーム断面の強度分布はガウス分布に似た形状となります。モードフィールド径(MFD)はこの強度プロファイルの幅を表します。入射ビームがこの強度プロファイルに合致すればするほど、より効率よく多くの光がファイバに結合します。入射されるガウシアンビームのビームウェストがMFDと等しいと、とりわけ高い結合効率が得られます。 ガウシアンビームの伝搬モデルにおいてMFDをビームウェストにすることで、確度の高い入射ビームパラメータと出射ビームの広がり角を得ることができます。 結合条件の決定 シングルモードファイバの導波モードは1つであり、波動光学解析によってモードをベッセル関数で表すことができます。ガウス関数とベッセル関数の振幅プロファイルは、非常によく似ており[1]、代わりにガウス関数を使用すると正確な結果をもたらしながら、ファイバのモードのモデリングが簡易化されるので便利です。 図3では、入射光が導波モードに結合するために一致しなければならないシングルモードファイバの断面方向の強度分布を示しています。強度(I )プロファイルは、径方向距離( ρ )のガウス関数にほぼ一致します。MFDは、ファイバ長に沿って一定で、e-2とピーク強度の積に等しい強度の幅です。モードフィールド径(MFD)内は、ビームパワーの約86%が含まれます。 次数が最も小さい横モードだけが放射されるレーザ出力光はガウシアンビームとなるため、このレーザ光はシングルモードファイバに良い結合効率で結合できます。 シングルモードファイバへの光の結合 結合効率が小さくなるのは、ビームウェスト径とMFDが一致しない、端面のモーダルスポットによりビームの断面のプロファイルが歪んだり、中心がずれている、光がファイバの軸に沿って誘導されていない場合に起こります。 参考文献 最終更新日:2020年2月28日 2
NAによりシングルモードファイバからのビーム広がり角がわかるか開口数(NA)を使用してシングルモードファイバから出射される、あるいはシングルモードファイバに結合する光円錐を概算する場合、大きな誤差が生じる場合があります。広がり角はガウシアンビーム伝搬モデルを使用した方がより良い概算値が得られます。このモデルにより、広がり角を算出し、用途に適したビームスポットサイズを得ることができます。 シングルモードファイバにおけるモードフィールド径(MFD)内は、ビームパワーの約86%が含まれるため、MFDによりスポットサイズを決めることは、シングルモードファイバから光をコリメートしたり、光を集光する際の適切な定義であるとされています。一次近似でファーフィールドで測定されたとき、
は、広がり角または受光角(θSM )(単位:ラジアン)です。これは1/2ビーム角で、波長
ガウシアンビームによるアプローチ この光はガウシアンビームに似ており、モデル化ができます。放射光がガウシアンビームと同様に伝搬するのは、光の導波モードがガウス分布に近似しているからです。 ガウシアンビームの広がり角は、光線として作用する光を想定して計算された広がり角度とは実質的に異なります。光線モデルを使用した場合、広がり角は sin-1(NA)となります。しかし、NAと広がり角の関係性は高次マルチモードファイバのみ有効です。 図4では、NAを使用して広がり角を計算すると大きな違いが生じる可能性を示しています。 ガウシアンビームでは、広がり角はビームパワーの86%を含む領域とされており、この領域の境界円における強度は、ピーク強度の1/e2となっています。 図4の右の式は、シングルモードファイバ端面から出射されるビームの広がり角を正確にモデル化するガウシアンビームの式です。計算に使用するファイバのMFD、NAならびに動作波長を含む値はグラフ下に記載されています。ビーム発散角は、1/e2半径によって定義されたビームサイズの変化により算出されています。ビームサイズは、z < zRの距離においては非線形で、ファーフィールド(z >> zR)においてはほぼ線形に変化します。 グラフに記載されている角度は各曲線の傾斜から計算されました。式(1)で求めたファーフィールドの概算が使用された場合、広がり角は0.098ラジアン(5.61°)です。 参考文献 最終更新日:2020年2月28日 3
シングルモードファイバへの結合光量![]() Click to Enlarge 図6:シングルモードファイバへの光の結合効率を低下させる条件とは、入射ビームと、ファイバ導波モードの光学特性の類似性を損なわせるあらゆる状態です。 ![]() Click to Enlarge 図5:最大の結合効率でシングルモードファイバに結合するためには、光は軸上のガウシアンビームで、ウェスト位置がファイバの端面にあり、ウェスト径がMFDと等しくなる必要があります。 入射ビームの角度、位置、強度プロファイルの調整により、シングルモードファイバへの光の結合効率を向上させることができます。ファイバの端面が平坦かつファイバの長軸方向に対して垂直であることを想定し、結合効率は下記の基準を満たすビームにおいて最適化されます(図5参照)。
これらの理想的な結合条件からかけ離れた状態を図6で示しています。 これらのビーム特性は、シングルモードファイバの導波モード [1]の波動光学論に従っています。 光源による結合効率の制限 マルチモードファイバーレーザまたは広帯域光源からシングルモードファイバの導波モードに結合された光は、光がファイバ端面のコア領域に集光されたとしても結合効率は低くなります。 これらの光源からの光の大部分は、ファイバから漏れ出します。 結合効率が低い要因は、これらのマルチモード光源の光の一部のみしかシングルモードファイバの導波モードの特性に合致しないからです。光源の光を空間的にフィルタリングすることで、ファイバのコアに結合される光の量を見積もることはできます。シングルモードファイバが受光できるのは、最大でもフィルタを通ったガウシアンビームの光のみとなります。 マルチモード光源の光のファイバーコアへの結合効率は、シングルモードファイバの代わりにマルチモードファイバを使用すると改善します。 参考文献 最終更新日:2020年1月17日 4
最大受光角はマルチモードファイバのコア全体に渡り一定かこれはファイバの種類によって異なります。ステップインデックスマルチモードファイバは、ファイバのコアのどの位置においても最大受光角は同じです。反対にグレーデッドインデックスマルチモードファイバは、コアの中心部のみで、入射角が最大範囲である光線を受光します。最大受光角は、中心から離れるにつれ小さくなり、クラッドの境界近くでは0°に近くなります。 ![]() Click to Enlarge 図7: ステップインデックスマルチモードファイバの屈折率( n )は、コア全体に渡り一定です。グレーデッドインデックスマルチモードファイバの屈折率はコアに渡り変動します。最大の屈折率は通常、コアの中心です。 ![]() Click to Enlarge 図 9:グレーデッドインデックスマルチモードファイバの受光角は半径( ρ )によって異なります。なぜならコアの屈折率が径方向の距離によって変動するからです。通常、最大受光角は中心付近、0°に近い最小受光角はクラッドの境界付近で起こります ![]() Click to Enlarge 図 8:ステップインデックスマルチモードファイバは、角度が≤|θmax |の入射光を良好な結合効率でコアに受光します。最大受光角はコア半径( ρ )に渡り一定です。ファイバ端が空気に接していることを想定しています。 ステップインデックスマルチモードファイバ 光が入射されるのがコアの中心だろうと端だろうと、ステップインデックスマルチモードファイバは、ファイバの軸に対して±θmaxの角度内の光円錐を受光します。 グレーデッドインデックスマルチモードファイバ 図9では、コアの屈折率により角度が制限されている光錐を示しています。最大の角度の広がり ステップインデックスか、グレーデッドインデックスか? しかし、グレーデッドインデックスのプロファイルにより、すべての導波モードで同じような伝搬速度が得られるため、ビームがファイバを伝送する際のモード分散が小さくなります。 できるだけ多くの量の光をマルチモードファイバに結合する必要がある用途で、モード分散に敏感ではない場合には、ステップインデックスマルチモードファイバの方がより良い選択となります。逆のケースにおいてはグレーデッドインデックスマルチモードファイバを検討する必要があります。 参考文献 最終更新日:2019年1月2日 5
積分球によって放射されるUV蛍光ならびに青色蛍光![]() Click to Enlarge 図1:各波長における典型的な蛍光収量は、励起波長の強度より4桁程度低くなっています。[4] 蛍光スペクトルの収量は、積分球内で発光する蛍光の強度と励起波長の強度により決まります。収量(Yield)は積分球の内面全体で励起した蛍光量(波長に依存)を励起光の強度で割って計算します。 データご提供:Dr. Ping-Shine Shaw, Physics Laboratory, National Institute of Standards and Technology, Gaithersburg, MD 20899, USA. 積分球内面のコーティングにはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用されています。この素材は白色ですが、幅広い波長において高い、かつ平坦な反射率と、化学的不活性があることなどの理由から好まれます。 しかし、積分球はPTFEならびにPTFEよりも反射率が低い硫酸バリウムでコーティングされており、UV光を照射した場合、低量ではありますがUVならびに青色の蛍光を発光することにご留意ください。[1-3] PTFE内の炭化水素 蛍光波長域と強度 使用への影響 蛍光の影響の最小化 参考文献 最終更新日:2020年1月22日 1
試料交換誤差について
![]() Click to Enlarge 図 2:拡散試料の透過率と反射率を上記のように測定することによって、試料交換誤差に起因する試料スペクトル歪みがもたらされる可能性があります。問題は基準試料と測定したい試料測定時の、試料領域の反射率が異なることです。 ![]() Click to Enlarge 図 3:上の実験構成では、積分球内の条件が基準試料測定時と測定したい試料測定時で同じのため、試料交換誤差の影響は受けません。基準試料測定時、光は(R)に沿って通り、(S)に沿っては通りません。反対に測定したい試料測定時、光は(S)に沿って通り、(R)に沿っては通りません。 積分球を使用することにより光学試料の透過ならびに拡散反射スペクトルの絶対値が測定できます。これらのスペクトルは、測定したい試料と基準とする試料の両方のスペクトルを測定することによって求められます。 基準試料の測定は、照射光源のスペクトルを知る上で必要です。基準試料のスキャンで得られた値により、測定したい試料の測定値から光源のスペクトル測定値を差し引くことができます。 光源の基準測定は、透過率データの場合、試料を配置せずに測定し、反射率測定の場合には高反射の基準試料を置き、測定します。 この試料測定や基準試料測定時において試料交換誤差が生じた場合、この誤差の影響がない実験手法でない限り、補正された試料スペクトルの確度に悪影響を及ぼす場合があります。 試料交換誤差をもたらす条件 試料交換誤差は、測定手順の中で、積分球内の試料をほかの試料に交換することがあるときに懸念されます。例えば、拡散反射を測定しているとき(図2下)、最初の測定は基準試料を積分球内に取り付けて実施するとします。次にこの試料を取り外して測定したい試料に交換し、2回目の測定を行います。そして両方のデータセットを利用して、試料の補正拡散反射率(絶対値)を求めます。 この手順では、試料スペクトルに歪みが生じます。測定したい試料と基準試料の吸収ならびに散乱特性が異なるため、これらを交換することで積分球内の試料面部分の反射率が変わってきます。2つの測定において積分球の平均反射率が変わってくるため、基準試料と測定したい試料には完全な互換性がありません。 解決策1:測定したい試料と基準試料を同時に取付ける 光源は積分球の外側に配置し、測定したい試料と基準試料の両方を順次測定します。試料からの正反射、あるいは透過ビームは、積分球の外に誘導されているため、拡散光のみが検知されます。積分球の内面(の条件)は、どちらの測定でも同じのため、試料交換時の誤差の懸念はありません。 解決策2:試料用ポートならびに基準ポートから測定する この手順では合計で4回の測定が必要です。基準試料を設置時、2つの異なるポートから測定を行います。1回目の測定では基準試料が視野内にある方向から測定し、2回目の測定では試料が視野内に無い方向から測定します。その後測定したい試料に交換し、同様の測定を繰り返します。これらの測定値を利用して下記[1]に説明する計算をすることにより、試料交換時の誤差は取り除かれます。 参考文献 最終更新日:2019年12月4日 2
Insights:レーザスクロールするか下のリンクをクリックして動作レーザや取り付けるときのヒントについてご覧ください。
コリメート光は常にレーザ軸に平行に放射されているか
レーザは、レーザーパッケージの長軸に対して平行なビームを放射しない場合があります。この角度偏差はポインティング角度(θp)と呼ばれており、動画1で説明しています。角度偏差は、レーザの配置にピッチ(チップ)とヨー(ティルト)調整付きのキネマティックマウントを使用すると、補償することができます。 動画1:ポインティング角度(θp)は、コリメートされたレーザ光(赤い矢印)の方向と、レーザ筐体(点線)の長軸との間の角度偏差です。この軸はコリメータまたはコリメートされたレーザーパッケージの前面に対して垂直です。 動画2:コリメートレーザーパッケージPL202にアダプタAD11NTを取り付けることにより、ピッチ(チップ)とヨー(ティルト)調整を可能にするマウントKM100にレーザを固定するこができます。 角度偏差 レーザが円筒形の筐体に納められている場合、この偏差はレーザをV溝付きマウントに置いて測定することができます。レーザを長軸周りに回転させ、レーザースポットの軌跡の円の直径を記録するのです。コリメートレーザーパッケージの仕様にはよく最大角度偏差が示されています。 角度補正にキネマティックマウントを使用 キネマティックマウントがレーザ筐体の外径に直接取り付け可能な場合があります。 キネマティックV字型マウントは、Ø38 mm(Ø1.5インチ)ポスト用V字型クランプも含め、アダプタを使用せずに様々な径の筐体に対応できるよう構成可能です。 そのほかのキネマティックマウントは径が固定の内孔です。レーザの筐体とマウントの内孔に対応するアダプタは、円筒形やSMネジ付き部品用など様々な種類をご用意しております。 アダプタの取り付け マウントの内孔の背面にはストッパが付いているので、アダプタをアジャスタ側ではないマウントの面に取り付ける必要があります。ストッパはØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)光学素子を内孔に固定するのに役立ちますが、Ø25.4 mm(Ø1インチ)アダプタをマウント内孔の後ろ側から取り付けるのを防ぐ役割もあります。 アダプタにはレーザを固定するナイロンチップ付きの止めネジ(セットスクリュ)が付いており、またマウントにもアダプタを固定するナイロンチップ付き止めネジが付いています。ナイロンチップ付き止めネジを採用しているのは、表面に傷を付け、摩耗させないよう取り付けた部品をしっかり保持するためです。 そのほかにもポインティング角度の補正に関する情報が 最終更新日:2020年10月12日
量子カスケードレーザ(QCL)とインターバンドカスケードレーザ(ICL):印加電流のリミットと発熱によるロールオーバ
![]() Click to Enlarge 図1:QCLのL-I(光出力-駆動電流)曲線例。QCLとICLレーザで典型的な非線形の勾配と、ロールオーバーの領域が見られます。動作パラメータがレーザ発振領域から発生する熱負荷を決定し、それがピーク出力に影響します。こちらのレーザは25 °Cに温度制御されたマウントに取り付けられています。 ![]() Click to Enlarge 図2:これらのQCLのL-I曲線は、マウント温度がピーク動作電流値に影響をおよぼすことを示していますが、一方で温度制御マウントを使用しても、ロールオーバ値を超え、レーザを損傷しかねない駆動電流が印加される可能性を排除できないことを示しています。 量子カスケードレーザ(QCL)とインターバンドカスケードレーザ(ICL)で測定された光出力-駆動電流特性(L-I)曲線には、図1の赤枠部分に示すロールオーバの領域があります。 ロールオーバの領域にはレーザのピーク出力が含まれます。こちらの例の駆動電流はちょうど500 mAの部分にあたります。この値より高い駆動電流は、レーザを損傷する危険性があります。 レーザ動作 電子がレーザのエネルギの準位を降りるとき、電子は光子の形でエネルギを放出しますが、電子は光子を放出する代わりに半導体素材に熱を与えることによってもエネルギを放出します。 熱の蓄積 レーザ発振領域の熱は、逆に電子によって吸収される場合もあります。このように余分なエネルギが加わることにより、電子がしかるべきエネルギ準位に落ちずに散乱してしまう場合があります。その後、散乱した電子は通常エネルギを光子ではなく、熱として放出します。 レーザの発振領域の温度が上がるにつれ、電子はさらに散乱し、熱ではなく光を生成する電子の割合は小さくなります。温度の上昇はまた、レーザのエネルギ準位にも変化を及ぼし、結果、電子が光子を生成しにくくする場合もあります。これらがともに作用し、レーザ発振領域の温度が上昇し、レーザが電流をレーザ光に変換する効率が低下します。 動作リミットは熱負荷によって決定 レーザ発振領域の温度の管理には通常、温度制御マウントが必要です。しかし、半導体素材の熱伝導率は高くないため、熱がレーザ発振領域に蓄積することがあります。図2で示すように、マウントの温度はピーク出力に影響を与えますが、ロールオーバを防ぐことはできません。 QCLおよびICLの最大駆動電流と最大光出力は、動作条件に依存します。なぜなら動作条件がレーザ発振領域の熱負荷を決定するからです。 最終更新日:2019年12月4日 1
HeNeレーザ:取扱いならびに取付けガイドライン
![]() Click to Enlarge 図 3:HeNeレーザの外部筐体は、レーザ共振器の部品と機械的に結合しています。外部筐体への応力は、レーザ共振器部品のミスアライメントと、破損につながる可能性があり、出力ビーム(赤い矢印)の質とパワーに悪影響をおよぼし、最悪、レーザの故障につながる場合があります。
HeNeレーザは、損傷を防ぐために慎重な取扱いと取付けが必要です。 レーザ筐体には決して曲げ力を加えてはなりません。レーザの外部筐体への応力は、レーザ共振器内部品のミスアライメントや、損傷につながる場合があります。これにより下記に影響をおよぼす恐れがあります。
工場では、HeNeレーザを輸送時の衝撃や振動から保護するための梱包が行われ、十分に保護されておりますが、HeNeレーザの損傷につながるような応力がかかってしまう可能性は、お客様が直接取り扱うときに最も高くなります。 HeNeレーザの最適な性能維持のため、落としたり、力づくで取付け具に挿入しないようにしてください。マウントへの取り付け、ケージ部品やリングアクセサリの使用による筐体の固定、輸送、保管時には十分にご注意ください。 HeNeレーザを丁寧に扱うことにより、長期にわたって最適な性能を得ることができます。 最終更新日:2019年12月4日 2
チョッパーホイールを使用したビームサイズ測定
![]() Click to Enlarge 図5:ブレードは ![]() Click to Enlarge 図4:上記に示すセットアップでおおよそのビームサイズの測定が可能です。チョッパーホイールのブレードがビーム横切るとき、S字状の曲線がオシロスコープに現れます。 ![]() Click to Enlarge 図7:ガウシアンビームの直径は1/e2強度の幅で表されます。 ![]() Click to Enlarge 図6:信号の立ち上がり時間(tr )は、通常、強度の10%~90%の時間で定義されます。立ち上がり時間はホイールの回転速度とビーム径に依存します。 カメラや走査スリット型ビームプロファイラはビームサイズやビーム形状を特性化するツールですが、ビームサイズが小さすぎたり、動作範囲外の波長においては正確な測定を行うことができません。 ビームサイズの正確な測定にはチョッパーホイールやフォトディテクタ、オシロスコープが使用されます(図4)。回転するチョッパーホイールがビームを通過すると、S字状の軌跡がオシロスコープに表示されます。 ブレードがθ の角度を掃引すると、S曲線の立ち上がりまたは立ち下がり時間は、ブレードの移動方向に沿ったビームのサイズに比例します(図5)。 ホイールの中心からR の距離にあるブレードエッジ上の点は、ビームサイズにほぼ等しい弧の長さ分(Rθ )、ビームを横切ります。 このビームサイズ測定をするためには、ディテクタとオシロスコープを合わせた応答を、信号の変化の速度よりもはるかに速くする必要があります。 例:S曲線の立ち上がりエッジ 最終更新日:2020年1月13日 3
Insights into Mounting Lenses to Thorlabs' Scientific CamerasScroll down to read about using adapters to create compatibility between lenses and cameras of different mount types, with a focus on Thorlabs' scientific cameras.
Can C-mount and CS-mount cameras and lenses be used with each other?
![]() Click to Enlarge Figure 1: C-mount lenses and cameras have the same flange focal distance (FFD), 17.526 mm. This ensures light through the lens focuses on the camera's sensor. Both components have 1.000"-32 threads, sometimes referred to as "C-mount threads". ![]() Click to Enlarge Figure 2: CS-mount lenses and cameras have the same flange focal distance (FFD), 12.526 mm. This ensures light through the lens focuses on the camera's sensor. Their 1.000"-32 threads are identical to threads on C-mount components, sometimes referred to as "C-mount threads." The C-mount and CS-mount camera system standards both include 1.000"-32 threads, but the two mount types have different flange focal distances (FFD, also known as flange focal depth, flange focal length, register, flange back distance, and flange-to-film distance). The FFD is 17.526 mm for the C-mount and 12.526 mm for the CS-mount (Figures 1 and 2, respectively). Since their flange focal distances are different, the C-mount and CS-mount components are not directly interchangeable. However, with an adapter, it is possible to use a C-mount lens with a CS-mount camera. Mixing and Matching With an adapter, a C-mount lens can be used with a CS-mount camera (Figures 3 and 4). The adapter increases the separation between the lens and the camera's sensor by 5.0 mm, to ensure the lens' focal plane aligns with the camera's sensor plane. In contrast, the shorter FFD of CS-mount lenses makes them incompatible for use with C-mount cameras (Figure 5). The lens and camera housings prevent the lens from mounting close enough to the camera sensor to provide an in-focus image, and no adapter can bring the lens closer. It is critical to check the lens and camera parameters to determine whether the components are compatible, an adapter is required, or the components cannot be made compatible. 1.000"-32 Threads Measuring Flange Focal Distance ![]() Click to Enlarge Figure 5: A CS-mount lens is not directly compatible with a C-mount camera, since the light focuses before the camera's sensor. Adapters are not useful, since the solution would require shrinking the flange focal distance of the camera (blue arrow). ![]() Click to Enlarge Figure 4: An adapter with the proper thickness moves the C-mount lens away from the CS-mount camera's sensor by an optimal amount, which is indicated by the length of the purple arrow. This allows the lens to focus light on the camera's sensor, despite the difference in FFD. ![]() Click to Enlarge Figure 3: A C-mount lens and a CS-mount camera are not directly compatible, since their flange focal distances, indicated by the blue and yellow arrows, respectively, are different. This arrangement will result in blurry images, since the light will not focus on the camera's sensor. Date of Last Edit: July 21, 2020
Do Thorlabs' scientific cameras need an adapter?
![]() Click to Enlarge Figure 6: An adapter can be used to optimally position a C-mount lens on a camera whose flange focal distance is less than 17.526 mm. This sketch is based on a Zelux camera and its SM1A10Z adapter. ![]() Click to Enlarge Figure 7: An adapter can be used to optimally position a CS-mount lens on a camera whose flange focal distance is less than 12.526 mm. This sketch is based on a Zelux camera and its SM1A10 adapter. All Kiralux™ and Quantalux® scientific cameras are factory set to accept C-mount lenses. When the attached C-mount adapters are removed from the passively cooled cameras, the SM1 (1.035"-40) internal threads in their flanges can be used. The Zelux scientific cameras also have SM1 internal threads in their mounting flanges, as well as the option to use a C-mount or CS-mount adapter. The SM1 threads integrated into the camera housings are intended to facilitate the use of lens assemblies created from Thorlabs components. Adapters can also be used to convert from the camera's C-mount configurations. When designing an application-specific lens assembly or considering the use of an adapter not specifically designed for the camera, it is important to ensure that the flange focal distances (FFD) of the camera and lens match, as well as that the camera's sensor size accommodates the desired field of view (FOV). Made for Each Other: Cameras and Their Adapters While any adapter converting from SM1 to 1.000"-32 threads makes it possible to attach a C-mount or CS-mount lens to one of these cameras, not every thread adapter aligns the lens' focal plane with a specific camera's sensor plane. In some cases, no adapter can align these planes. For example, of these scientific cameras, only the Zelux can be configured for CS-mount lenses. The position of the lens' focal plane is determined by a combination of the lens' FFD, which is measured in air, and any refractive elements between the lens and the camera's sensor. When light focused by the lens passes through a refractive element, instead of just travelling through air, the physical focal plane is shifted to longer distances by an amount that can be calculated. The adapter must add enough separation to compensate for both the camera's FFD, when it is too short, and the focal shift caused by any windows or filters inserted between the lens and sensor. Flexiblity and Quick Fixes: Adjustable C-Mount Adapter A benefit of the adjustable C-mount adapter is that it can tune the spacing between the lens and camera over a 1.8 mm range, when the window / filter and retaining ring are in place. Changing the spacing can compensate for different effects that otherwise misalign the camera's sensor plane and the lens' focal plane. These effects include material expansion and contraction due to temperature changes, positioning errors from tolerance stacking, and focal shifts caused by a substitute window or filter with a different thickness or refractive index. Adjusting the camera's adapter may be necessary to obtain sharp images of objects at infinity. When an object is at infinity, the incoming rays are parallel, and location of the focus defines the FFD of the lens. Since the actual FFDs of lenses and cameras may not match their intended FFDs, the focal plane for objects at infinity may be shifted from the sensor plane, resulting in a blurry image. If it is impossible to get a sharp image of objects at infinity, despite tuning the lens focus, try adjusting the camera's adapter. This can compensate for shifts due to tolerance and environmental effects and bring the image into focus. Date of Last Edit: Aug. 2, 2020
Why can the FFD be smaller than the distance separating the camera's flange and sensor?
Flange focal distance (FFD) values for cameras and lenses assume only air fills the space between the lens and the camera's sensor plane. If windows and / or filters are inserted between the lens and camera sensor, it may be necessary to increase the distance separating the camera's flange and sensor planes to a value beyond the specified FFD. A span equal to the FFD may be too short, because refraction through windows and filters bends the light's path and shifts the focal plane farther away. If making changes to the optics between the lens and camera sensor, the resulting focal plane shift should be calculated to determine whether the separation between lens and camera should be adjusted to maintain good alignment. Note that good alignment is necessary for, but cannot guarantee, an in-focus image, since new optics may introduce aberrations and other effects resulting in unacceptable image quality. ![]() Click to Enlarge Figure 9: Refraction causes the ray's angle with the optical axis to be shallower in the medium than in air (θm vs. θo ), due to the differences in refractive indices (nm vs. no ). After travelling a distance d in the medium, the ray is only hm closer to the axis. Due to this, the ray intersects the axis Δf beyond the f point. ![]() Click to Enlarge Figure 8: A ray travelling through air intersects the optical axis at point f. The ray is ho closer to the axis after it travels across distance d. The refractive index of the air is no .
![]() Click to Enlarge Figure 11: Tolerance and / or temperature effects may result in the lens and camera having different FFDs. If the FFD of the lens is shorter, images of objects at infinity will be excluded from the focal range. Since the system cannot focus on them, they will be blurry. ![]() Click to Enlarge Figure 10: When their flange focal distances (FFD) are the same, the camera's sensor plane and the lens' focal plane are perfectly aligned. Images of objects at infinity coincide with one limit of the system's focal range. A Case of the Bends: Focal Shift Due to Refraction When an optic with plane-parallel sides and a higher refractive index While travelling through the optic, the ray approaches the optical axis at a slower rate than a ray travelling the same distance in air. After exiting the optic, the ray's angle with the axis is again θo , the same as a ray that did not pass through the optic. However, the ray exits the optic farther away from the axis than if it had never passed through it. Since the ray refracted by the optic is farther away, it crosses the axis at a point shifted Δf beyond the other ray's crossing. Increasing the optic's thickness widens the separation between the two rays, which increases Δf. To Infinity and Beyond Different effects, including temperature changes and tolerance stacking, can result in the lens and / or camera not exactly meeting the FFD specification. When the lens' actual FFD is shorter than the camera's, the camera system can no longer obtain sharp images of objects at infinity (Figure 11). This offset can also result if an optic is removed from between the lens and camera sensor. An approach some lenses use to compensate for this is to allow the user to vary the lens focus to points "beyond" infinity. This does not refer to a physical distance, it just allows the lens to push its focal plane farther away. Thorlabs' Kiralux™ and Quantalux® cameras include adjustable C-mount adapters to allow the spacing to be tuned as needed. If the lens' FFD is larger than the camera's, images of objects at infinity fall within the system's focal range, but some closer objects that should be within this range will be excluded. This situation can be caused by inserting optics between the lens and camera sensor. If objects at infinity can still be imaged, this can often be acceptable. Not Just Theory: Camera Design Example
Date of Last Edit: July 31, 2020
How can a manual translation stage be motorized?The movement of Thorlabs' manual translation stages is driven by a micrometer or other adjuster, which can be replaced with a motorized actuator that has a compatible travel range and barrel diameter. Before making the substitution, it is important to fully retract the installed adjuster to protect the stage from the mechanical shock of a sudden release of spring energy. Video Clip 1: It is important to completely retract the installed micrometer or other adjuster as the first step. If the adjuster is extended when it is released from the stage, the top plate of the stage will be propelled backwards into a hard stop. The mechanical shock may damage the stage. Video Clip 3: After the micrometer on the XR25P stage is completely retracted, the locking cap screw on the stage's barrel clamp can be loosened with a 5/64" (2 mm) hex key and the adjuster removed. The barrel of the motorized actuator, which is the DC-servo-motor-driven Z825B in this example, is then inserted and the locking setscrew is tightened until snug. Video Clip 2: After the adjustment screw on the MT1B stage is completely retracted, the locking cap screw on the stage's barrel clamp can be loosened with a 3/32" hex key and the adjuster removed. The barrel of the motorized actuator, which is the stepper-motor-driven ZFS13B in this example, is then inserted and the locking setscrew is tightened until snug. Check Barrel Diameter and Travel Range Compatibility The travel range of the actuator must not exceed that of the stage. An actuator with a larger travel range can potentially force the stage to extend beyond its limit, which may damage both the stage and the actuator's motor. An actuator with a shorter travel range will cause no mechanical harm to itself or the stage, but the stage's travel range will be reduced. The MT1B and XR25P linear translation stages included in this demonstration have travel ranges of 0.5" and 1" (13 mm and 25 mm), respectively. Retract the Adjuster to Avoid Damaging the Stage An extended position is dangerous due to the force exerted by the stage's internal springs. The spring force keeps the top plate, or moving world, in contact with the tip of the adjuster (Clip 1). If the adjuster is extended when it is released from the stage, the spring force on the top plate will propel it backwards into a hard stop. The mechanical shock of this collision can be severe and potentially misalign the stage's components, affect the ball bearings, and introduce angular deviations to the stage's travel. Make the Replacement Insert the barrel of the motorized actuator and tighten the locking cap screw until it is snug, but not too tight. The spring load on the top plate should not be able to push the actuator out of the barrel clamp, but the locking screw should not be so tight that it deforms the barrel, which could affect the linearity of the actuator. Want additional Insights on translation stages? Date of Last Edit: Sept. 8, 2020
デジタルマイクロメータからの位置情報の記録
![]() Click to Enlarge 図 2:上のSBC-COMMパッケージは、デジタルマイクロメータ DM713に表示される位置データを記録するのにご使用いただけます。 ![]() Click to Enlarge 図1: バビネソレイユ補償板SBC-VIS(左)にはデジタルマイクロメータDM713(右)が付属しており、補償板のリターダンスを調整するのに使用されます。 DM713などのデジタルマイクロメータは、1つのオプトメカニクスを特定の距離だけ移動するのに便利です。例えば、均等な間隔で試料内の点に光を集光するために、対物レンズの前で試料を保持した移動ステージを移動させる場合があります。 しかし、同時にその位置を記録したい場合もあります。1つの方法は、マイクロメータを開始位置(0)に設定し、必要な距離を移動させてその距離を表示させることです。 DM713のみを使用した場合には、表示を読んで記録するという手順が追加されますが、これは表示が見えないような暗い実験室内では面倒な作業になることがあります。それに対する1つの解決策は、RS-232 インターフェイスケーブルが付属する当社のSBC-COMMを使用することです。 当社では、DM713で距離を連続的に測定するためのプログラムを、Visual C#®およびLabVIEW®を用いて作成する方法を解説したソフトウェアアプリケーションノートを作成しています。 ほかの解決策としては、Mitutoyo®製のSPCケーブル05CZA662と、プッシュボタンおよびUSBインターフェイスケーブルが付いたUSBインプットツールIT-016Uを別途ご購入いただく方法がございます。このデバイスを使用すると、任意のテキスト入力ソフトウェアパッケージを開き、1つのプッシュボタンを押すことで、デバイスがキーボードのように機能してソフトウェアに数値を入力することができます。 最終更新日:2019年12月4日 1
Insights:軸外放物面(OAP)ミラースクロールするか下のリンクをクリックすると、軸外放物面(OAP)ミラーの利点や使用方法についてご覧いただけます。
なぜ球面ミラーの代わりに放物面ミラーを使うのか?
![]() Click to Enlarge 図2:球面ミラーでは、コリメート光のすべての光線が1つの点を通過するように反射することはできません。焦点体積内での光線同士の交差点を、いくつか選んで黒点で示しています。 ![]() Click to Enlarge 図 1:放物面ミラーでは、コリメート光のすべての光線が1つの焦点に集められます。 放物面ミラーは、点光源からの光をコリメートしたりコリメート光を集光したりする場合には、球面ミラーよりも優れた性能を有します。 コリメート光の集光 点光源からの光のコリメート 点光源を球面ミラーの焦点体積内に置いたときには、ミラーから出てくる光は放物面ミラーと比較してそれほど良くコリメートされません。点光源からの各光線は、球面ミラーで反射されたときには完全な平行にはなりませんが、球面ミラー表面上の近い点で反射された2本の光線は遠い点で反射された2本の光線よりも平行に近い状態になります。そのため、反射面積を小さくすればコリメート光としての品質は向上します。これは焦点体積内の光源から放射される光の角度範囲を制限することと等価です。 放物面ミラーと球面ミラーの選択について 最終更新日:2019年12月4日 1
軸外放物面ミラーの利点
![]() Click to Enlarge 図4:軸外放物面(OAP)ミラーは、大きな放物面の一部分と考えられます。どちらも焦点は同じですが、OAPミラーのほうがよりアクセスしやすくなっています。 ![]() Click to Enlarge 図3:軸対称放物面ミラーの焦点は反射面に近く、また一般に反射面に囲まれているため、焦点にアクセスしにくくなっています。 通常の軸対称放物面ミラーと軸外放物面ミラーは、どちらも1つの焦点を有します。軸外放物面ミラーの利点は、対称な放物面ミラーと違って焦点にアクセスしやすいことです。 焦点周りに対称な通常の放物面ミラーを使用する場合、いくつかのマイナス面があります(図3)。1つは、一般にミラーの側面が妨げとなり、焦点にアクセスできないことです。もう1つは、ミラーを発散光のコリメートに使用したとき、光源の筐体がコリメート光の一部をブロックすることです。特にミラーの光軸に対して小さな角度で放射された光がブロックされます。 軸外放物面ミラー(図4)を使用するのは、このような問題の解決策の1つです。このミラーの反射面の形状は放物面ですが、焦点周りに対称ではありません。OAPミラーの反射面は、焦点から離れた位置にある親放物面(Parent Parabola)上の一部分に対応します。どの部分の面を選択するかは、焦点とミラー中心間の角度や距離に対する要求に依存します。 最終更新日:2019年12月4日
軸外し角
![]() Click to Enlarge 図 6:放物面の幅は、軸に垂直な焦点を通る線に基づいて測定するのが一般的です。 ![]() Click to Enlarge 図 5:こちらのOAPミラーの軸外し角は90°です。 ![]() Click to Enlarge 図8:放物面の幅を小さくすると軸外し角が大きくなります。図6と比較してみてください。 ![]() Click to Enlarge 図7:放物面の軸に近い部分を選択すると軸外し角は小さくなります。 OAPミラーの軸外し角(θ )は、ミラーの光軸と集光軸の間の角度です。この角度は、OAPミラーとして使用される親放物面(Parent Parabola)上のセグメントと、親放物面の幅(図6)に依存します。図5におけるOAPミラーの軸外し角は90°です。 放物面セグメントと焦点の近接について 親放物面上のセグメントの位置によって焦点距離も変化します。焦点に近い放物面セグメントを選択すると、ミラー中心と焦点の間の距離が短くなります。 親放物面の幅 親放物面の幅は焦点距離にも影響します。放物面の幅が大きくなると、焦点距離は長くなります。 軸外し角について 最終更新日:2019年12月4日 3
コリメート光の集光、点光源からの光のコリメート
![]() Click to Enlarge 図 9:OAPミラーの集光軸と光軸は一致せず、平行でもありません。 ![]() Click to Enlarge 図 11:入射するコリメートビームがミラーの光軸に対して平行でない場合、回折限界スポットは得られません。集光する領域が広がってしまいます。 ![]() Click to Enlarge 図 10:入射するコリメートビームが放物面ミラーやOAPミラーの光軸に対して平行な場合、光は回折限界スポットに集光されます。 放物面ミラーや軸外放物面(OAP)ミラーでは、適切なビームが適切な軸に沿って入射された場合にのみ、期待するコリメートビームや回折限界集光スポットが得られます。 放物面ミラーとOAPミラーの比較 OAPミラーの光軸は親放物面の光軸に対して平行ですが、互いに離れています。しかし、OAPミラーの焦点と親放物面の焦点とは一致しています。 OAPミラーの集光軸は焦点とOAPミラーの中心を通ります。OAPミラーの集光軸と光軸は平行ではありません。一方、反射面が親放物面の光軸の中心にある標準的な放物面ミラーでは、それらの軸は一致しています。 コリメート光の集光 入射するコリメート光が光軸に対して平行でない場合は、1点に集光されません(図11参照)。 OAPミラーの集光軸に沿ってコリメート光を入射したり、あるいは光軸に対して平行ではない光を入射したりすると、光を回折限界スポットに集光することはできないため、当社ではそのような使い方はお勧めしていません。 点光源からの光のコリメート 点光源をOAPミラーの光軸上に置いたり、焦点ではない位置に置いたりした場合は、点光源からの光を良好にコリメートすることはできません。 OAPミラーは、その原点がミラーの焦点と一致するような球面波もコリメートすることができます。 最終更新日:2019年12月4日 4
OAPミラーの光軸と集光軸の特定方法
![]() Click to Enlarge 図13:光軸の方向はミラー基板のベースに対して垂直であることに留意することで特定できます。焦点位置は、光軸に対して平行に入射するコリメート光の光線を考慮することで推定できます。これらの光線は、局所面法線に対して対称な方向に反射され、ミラーの焦点を通過します。 ![]() Click to Enlarge 図 12:OAPミラーのベースはフラットで、その形状は円形であり、側面の高さは一定ではありません。フラットなベースはミラーの光軸に対して垂直です。上はMPD2151-P01です。 軸外放物面(OAP)ミラーを使用するときに、光軸と集光軸を特定するのが困難な場合があります。特にミラーの放物面の曲面が見えにくい場合には困難です(図12参照)。 ミラー基板の物理的な特性や寸法は、ミラーを配置したりアライメントしたりする際の指標として有用です。 ミラー基板のベース側はフラットで、形状は円形です。光軸はそのフラットなベースに対して垂直です。従って、コリメート光はベース面に対して垂直に入射する必要があります。 基板の側面は高い部分と低い部分があり、反射面は傾斜しています。反射面の様々な位置での面法線は、表面を目視することで大まかに推定することができます(図13)。 焦点位置は、光軸に対して平行に入射したコリメート光の光線が、ミラーの表面で反射される様子を考えることで推定することができます。入射光は面法線に対して対称な方向に反射されます。そして反射光は焦点を通ります。ミラー側面の高い位置と低い位置の近傍からの2本の光線をイメージして追跡することで、焦点の位置を推定できます。 当社のOAPミラーの取付けおよびアライメントの方法 最終更新日:2019年12月4日 5
OAPミラーをペアで使用すると像のリレーやビームへのアクセスが可能になります
![]() Click to Enlarge 図15:OAPミラーのペアを用いると、1本のファイバから光を出射させ、他のファイバにその光を入射することができます。これにより、バルク光学素子を光路に挿入する必要があるときなどに、ビームにアクセスすることが可能になります。ファイバのコア径は小さいため、ファイバ端面から出射される光は点光源に近くなります。 ![]() Click to Enlarge 図14:OAPミラーのペアはイメージング用としてや、ビームのリレー用として使用することができます。 像のリレー 2つのOAPミラーを使用した場合、ミラー間の距離の調整が容易になります。コリメート光の光路は、フィルタや他の光学素子を挿入するのにも便利です。もう1つの利点は、2つのミラー間の距離を調整することで、システムのアライメントを乱すことなく、ソース面上やターゲット面上の焦点位置を移動することができることです。 ファイバーネットワーク内のビームへのアクセス このシステムをセットアップするとき、ファイバ端面のコアがそれぞれソース側とターゲット側の焦点と一致するようにアライメントしなければなりません。また、両方のミラーでコリメートされた光の光路は同一線上にあり、完全にオーバーラップする必要があります。 この構成はファイバ用光学フィルタ/減衰器マウントの基本形です。 最終更新日:2019年12月4日
OAPミラーの取付けとアライメント
![]() Click to Enlarge 図 17:OAPミラーを使用して点光源をコリメートするとき、出力ビームにシヤリング干渉計を置くと、アライメントが容易になります。 ![]() Click to Enlarge 図 16:OAPミラーの反射面の形状は、親放物面の焦点から離れた位置を中心とする親放物面の一部分に一致します。そのため、OAPミラーの反射面は回転対称ではありません。ミラーを取付けるときには、ミラーがその光軸周りに回転しないように注意しなければなりません。 OAPミラーは回転対称ではありません。これは、ミラーの反射面として親放物面の焦点から離れた一部分を用いているためです(図16参照)。反射面のこの非対称性により、OAPミラーが回転すると焦点位置も回転します。そのようなことが生じれば光学システムの性能低下につながるため、ミラーは反射面が光軸周りに回転しないように固定する必要があります。 ミラーの光学性能は、他の5つの自由度のアライメントについても、そのドリフトの影響を受けます。アライメントのドリフトを防止する方法の1つは、キネマティックマウントではなく、固定マウントを使用することです。 シヤリング干渉計は、OAPミラーを点光源の入射光にアライメントするときに役立ちます。この干渉計はコリメート光の品質を評価するために出力ビーム上に置かれます(図17)。コリメートビームの品質が最適化させると、アライメントも最適化されています。 最終更新日:2019年12月4日
OAPミラーをベースにした反射型コリメータにおける光の方向性![]() Click to Enlarge 図 19:コリメータの反射光学素子はOAPミラーです。ミラー基板は赤で示されています。この反射面は、放物面の頂点から離れた位置の放物面の一部分です。親放物面とOAPミラーの焦点は一致しています。 ![]() Click to Enlarge 図18:当社ではファイバーコネクタ用のポートと、光軸に対して平行に伝搬するコリメートされた自由空間光用のポートを備えた、反射型コリメータをご用意しています。 当社の反射型コリメータの2つのポートは入れ替えることができません。1つのポートには光ファイバのコネクタを取付けますが、そこでは発散光を放出する点光源であることが要求されます。もう1つのポートはコリメートされた自由空間光用として設計されています(図18参照)。 自由空間光用ポート ファイバーコネクタ用ポート 光の方向性について 最終更新日:2019年12月4日
How can the strength of a material's Faraday effect be measured?
Since the Faraday effect causes the polarization state of light to rotate as it propagates through a material in the presence of a magnetic field, one approach to determining the effect's strength in a material is to input linearly polarized light, apply a strong magnetic field through the material, and observe the induced change in the orientation of the output polarization state. It is not necessary to directly measure the output polarization state to determine the change in its orientation. Instead, the output light can be analyzed by measuring the optical power transmitted through a rotating linear polarizer. The measured power oscillates with a phase dependent on the orientation of the linear polarization state incident on the rotating polarizer. This was demonstrated using a CdMgTe crystal. Measurements of light output from the crystal were used to calculate its Verdet constant, which characterizes the strength of a material's Faraday effect. ![]() Click to Enlarge Figure 1: Faraday effect measurements can be made with the sample placed between a linearly polarized light source and a polarization-sensitive detection system. The CdMgTe crystal was approximately a third of the length of the annulus magnet's bore, and the plastic sample holder was used to position and immobilize the crystal at the center of the bore. In the detection system, the optical power sensor was placed as close as possible to the output side of the linear polarizer, which was installed in an indexed rotation mount. An advantage of this setup is that it requires minimal alignment. ![]() Click to Enlarge Figure 3: Optical power measurements were made while rotating the detection polarizer's transmission axis in 2° increments. Data were acquired with the magnet out of (triangles) and in (squares) the setup. Malus' law (solid lines) was used to model a to fit each curve. The phase shift ![]() Click to Enlarge Figure 2: The crystal under test was placed in the bore of the annulus magnet (left). The 2.2 mm long crystal was positioned in the center of the 6.35 mm long bore, where the magnetic field was strongest, most uniform, and directed along the N-S axis (right).
Faraday Rotation This intrinsic material parameter, which is wavelength and temperature dependent, characterizes the strength of the material's Faraday effect. When the Verdet constant is known, the Faraday rotation (Δθ ), due to different magnetic field strengths and material lengths can be calculated. One approach to obtaining the Verdet constant is to measure the Faraday rotation for a specific material length and a known magnetic field strength. Faraday Effect Measurement The linearly polarized light source consisted of a collimated fiber-coupled laser whose 785 nm emission was transmitted through a fixed linear polarizer. An annulus super magnet was used in order to provide a magnetic field strong enough to induce a measurable Faraday rotation. The crystal was mounted in the center of the magnet's bore, as that is where the magnetic field is the strongest (Figure 2). The light output from the crystal was transmitted through a second linear polarizer, which was secured in an indexed rotation mount, and to a power sensor. The power sensor was positioned as close as possible to the output side of the linear polarizer. Two measurement sets were acquired, one with, and the other without, the magnet in the setup. Each data set (Figure 3) recorded average power measurements taken at 2° increments of the second linear polarizer's transmission axis angle. The curves oscillate with the same period but are phase shifted Calculate the Verdet Constant
in which Io is the intensity of the incident light and The magnetic field strength (B ) was 5800 Gauss at the center of the magnet's bore, the crystal's length (L ) was 0.22 cm, and the Faraday rotation angle Content contributed by and based on work performed by Zoya Shafique.
立ち上がり時間に対する波長の影響
![]() Click to Enlarge 図2: シリコン、ゲルマニウム、インジウムガリウムヒ素(In0.53Ga0.47As)の吸収係数と侵入深さ(典型値)のグラフです。侵入深さは吸収係数の逆数です。 ![]() Click to Enlarge 図 1:PN接合のディテクタへの光の平均侵入深さは波長によって異なります。侵入深さは吸収係数に関係しますが、その吸収係数は波長に依存します(図2)。 フォトダイオードに光が入射したとき、空気/半導体界面からのフレネル反射で反射されなった光子は、半導体材料内を伝搬していきます。 光子は、吸収されるか、あるいは最後の末端に到達するまで伝搬を続けます。光子が吸収された場合には、電荷担体のペアが生成されます。 空乏領域内で生成された電荷担体は、ほぼ即座に光電流に寄与することができます。しかし、空乏領域以外で生成された電荷担体の場合は、空乏領域まで移動するのに余分なステップを踏む必要があります。この移動に要する時間が拡散時間です。図1では、青色と赤色の光子がP型とN型の領域でそれぞれ電荷担体を生成しています。これらは空乏領域まで拡散しなければなりません。 半導体に入射した光子が吸収される確率は吸収係数に基づいて決まります。図2では、ディテクタに使用される様々な材料における、吸収係数と侵入深さの波長依存性を示しています。 入射光波長が長くなると、吸収係数が小さくなります。これは、より長波長の光子は、吸収されて電荷担体のペアを生成するまでに、平均的により長い距離を伝搬することを意味します。また、電荷担体が空乏領域に到達するまでの距離が長くなれば、立ち上がり時間も長くなります。 図3~5は、シリコン、InGaAs、およびゲルマニウムのフォトダイオードで測定された立ち上がり時間のグラフです。Siフォトダイオードのグラフでは、800 nm未満の波長域での傾斜はほぼ平坦です。これは、表面付近で吸収された光子の拡散時間は無視できることを示唆しています。800 nm以上では立ち上がり時間は急激に大きくなります。Siフォトダイオードの800 nmでの侵入深さは9 µm(図2)であるため、これはセンサの上部から空乏領域の底部までの距離が9 µmより小さいことを示唆しています。 ![]() Click to Enlarge 図4: InGaAsフォトディテクタの立ち上がり時間 ![]() Click to Enlarge 図3: Siフォトディテクタの立ち上がり時間 最終更新日:2019年12月4日 1
Insights:偏波保持(PM)ファイバスクロールするか下のリンクをクリックすると、偏波保持ファイバの出射光についての解説をご覧いただけます。
偏波保持ファイバはすべての入射偏光状態を維持するか
偏波保持(PM)ファイバは、ファイバの2つの直交軸のうちの1つに対して平行に偏光する直線偏光しか維持しません。偏波保持ファイバで直線偏光の方向が重要なのは、偏波保持ファイバの2つの直交軸の屈折率が異なるからです。屈折率が高い方向(スロー軸)に沿って偏光する光は、直交方向(ファスト軸)に沿って偏光する光よりも遅く進みます。 直線偏光として入射した光線が、これらの2つの軸のいずれかに平行な偏光でない場合、ファイバから出射する光は楕円偏光します。しかし楕円偏光状態はファイバ長に渡る温度と応力の変化に依存するため、予測ができず、かつ安定しません。 ![]() Click to Enlarge 図1:偏波保持ファイバーパッチケーブルの出射光を偏光計によりポアンカレ球表示。矢印で示されている点は、直線偏光とファイバ軸の1つが適切にアラインメントされている結果です。これらの入射状態はファイバによって維持されています。その他の点は楕円偏光状態を示し、入射偏光方向がファイバ軸の1つに平行ではないときの結果です。 偏波保持ファイバは光を偏光しない 直線偏光子には2つの直交軸が規定されていますが、これらは偏波保持ファイバのスロー軸とファスト軸に相当するものではありません。直線偏光子の場合、軸の1つに対して平行に偏光する光は減衰し、もう1つの軸に対して平行に偏光する光が透過します。1つの偏光成分のみが透過するので、出射光は直線偏光となります。 偏波保持ファイバは直交する偏光成分のどちらも透過させ、どちらかを減衰させることはないため、直線偏光子としてはご使用いただけません。 波長板との比較 偏波保持ファイバと波長板は、スロー軸に平行な偏光成分をファスト軸に平行な偏光成分より遅らせることで、光の偏光状態を変化させます。しかし、偏波保持ファイバはファイバにかかる温度や応力の変化によりこの遅延が変動するため、波長板の代わりに使用することはできません。 出射偏光状態 図のデータの軌跡は、直線偏光の偏光方向を光軸の周りで1回転させて生成しました。軌跡がオーバーラップしないのは、ファイバの温度が毎回、回転後に変化したからです。ファイバの温度の感度により、温度が変化する度に異なる楕円偏光状態を得ます。なお、各軌跡が黒矢印の点を通過することをご確認ください。これは入射時の直線偏光状態がファイバ軸の1つによくアライメントされているとき、出射時の偏光状態が温度や応力の変化に依存しないことを示しています。 最終更新日:2020年8月6日
偏波保持ファイバはどのようにして直線偏光を維持するのか
偏波保持(PM)ファイバでは直交する「スロー軸」と「ファスト軸」の間の屈折率の差(複屈折性)が著しく、この複屈折性により偏波保持ファイバが入射光の偏光状態を維持することができます。しかし、入射偏光状態は、2つのファイバ軸のうちの1つに平行にアライメントされていなければ維持することはできません。 偏波保持ファイバはその複屈折性により、ファイバのスロー軸とファスト軸で速度差、より正確に言えば伝搬定数差があり、偏光を保持するためにはスロー軸・ファスト軸に対して平行な偏光とする必要があります。光が直交偏光に切り替わるためには、光の速度(伝搬定数)も直交軸の条件に合う必要が出てきます。ファイバの複屈折を小さくしないと、このような速度変化は起きにくくなります。このようにして、複屈折を有するファイバでは、偏光が維持されます。 ![]() Click to Enlarge 図 3:ボウタイ型ファイバでは、2本のウェッジ型ストレスロッドを使用してコアで張力を得て、複屈折にしています。スロー軸に沿った応力は、製造後のファイバが冷却されていくにつれ、ストレスロッドがクラッドよりも収縮するために付与されます。 ![]() Click to Enlarge 図2:PANDA型偏波保持ファイバは、2本の円柱型ストレスロッドを使用してコアで張力を得て、複屈折にしています。スロー軸に沿った応力は、製造後のファイバが冷却されていくにつれ、ストレスロッドがクラッドよりも収縮するために付与されます。 ![]() Click to Enlarge 図 4:マイクロベンドを最小化するにはきれいに緩く巻き付けてください(上)。マイクロベンドは、巻き付けたファイバによる凸凹面を横切って巻き付けることにより生じます(下)。 応力の効果について これらの製品では、ストレスロッドと呼ばれるガラスの構造がファイバの全長に渡り、ファイバのコアに平行に伸びています。図2と3の断面図で見ると、ストレスロッドとファイバのコアは直線状に配置されています。製造後のファイバが冷却されていくにつれ、ストレスロッド内のガラスは、周りのクラッド内のガラスよりも収縮されます。ストレスロッドの収縮からの引っ張りにより、コアでは張力が生じ(スロー軸)、直交方向(ファスト軸)にはコアよりも小さい応力がかかります。そのため2つの軸では屈折率差が生じます。 応力低下ともたらす影響について コアでの張力は、ファイバを小さく巻きつけたり、急激に曲げたり、あるいは凸凹の面に固定するなど、取扱い方によって生じる応力によっても低下する場合があります。局所的な応力付与部におけるマイクロベンドが直交偏光に散乱光を入射し、消光比が低下します。マイクロベンドはファイバの不適切な巻き付け方(図4)、あるいはファイバ素線を表面に押し付けることによって起こる場合があります。 一般的にファイバーコネクタは消光比を低下させます。それは、ファイバを固定するために硬化した樹脂化合物が非対称性の応力の原因となったり、化合物内の樹脂泡がファイバに圧力をかけたり、またファイバとフェルールの内孔が接触し圧力が加わる場合があるからです。一般的に各メーカはファイバの消光比を最大化するために、これらの応力を抑える手段をとっていますが、これらの応力は完全に除去することはできません。 形状複屈折ファイバ 偏波保持フォトニック結晶ファイバを含む形状複屈折ファイバは、すべての用途に適しているわけではありません。楕円形のコアと減衰量、そして小さなモードサイズは通信用途には適しませんが、ファイバーセンサでよく使用されています。 参考文献 最終更新日:2020年9月11日
PANDA型およびボウタイ型偏波保持ファイバからの出射光の消光比(ER)を制限する要因
![]() Click to Enlarge 図 6:クロストークの影響により、偏波保持ファイバは一般的にやや楕円形状の偏光を出射します。偏波保持ファイバの温度を変えることで、出射する楕円偏光の状態を制御することができます。偏光の測定値はポアンカレ球上で円の軌跡をたどり、出射光の特性化に使用することができます。 ![]() Click to Enlarge 図 7:3つの異なるデータの軌跡がポアンカレ球にプロットされています。いずれも入射偏光状態と偏波保持ファイバ軸の間の角度の不一致を示しています。軌跡はヒートガンを用いてファイバの温度を変化させ、出射偏光状態を回転させることで取得しました。角度の不一致度が減少するにつれ、温度に依存する偏光状態の範囲が小さくなり、消光比が増加します。各軌跡の消光比はdBで表されています。 PANDA型およびボウタイ型の偏波保持ファイバは、不適切なファイバへの光入力結合、ファイバにかかる外部応力の影響、あるいは不完全な状態のファイバの作用により、出射光の消光比(ER)が入射光と比べて低くなる場合があります。光の一部が直交偏光状態に変換されると、消光比は低下します。 ミスアライメントによるクロストーク量の概算 ミスアライメントによるクロストーク量は大きく、出射偏光を測定中にファイバの温度を変化させることで概算することができます。出射光に直交する両方の偏光成分が含まれる場合、その成分の間の遅延は温度によって変動します。温度の変化に応じて出射光の楕円偏光が変化します。 温度の依存する偏光の測定値をポアンカレ球にプロットすると、その軌跡は円になります(図6と7)。ミスアライメントによるクロストーク量の概算値は、図6における角度(2φ)から求められます。 2φは楕円化の具合を表しています。半角(φ )をラジアンで表すと、クロストークの概算量(dB)は、下記の式で求められます。 Cross Talk (dB) ≈ -20 log (tan(φ )). 光源とファイバ間のアライメントを改善する方法の1つは、温度に依存するファイバの出射偏光状態の変動が最小限に抑えられるところまで、光源の偏光角度を光軸周りで回転調整することです。 出射光の消光比の概算 消光比(ER)の概算値は様々な式で求めることができます。 ERδ (dB) ≈ -20 log (tan(φ + |δ |)). 上記の1つ目の式は、ミスアライメントによるクロストーク量の求め方と似ていますが、不完全な状態のファイバによるクロストーク、マイクロベンド、その他ファイバの長さ方向に渡り付与される影響が含まれています。これらの影響により、円の軌跡の中心がポアンカレ球の赤道から2δ角度分だけ変位します。
上記はより確度の高い式で、偏光強度を合計の強度を割った偏光度(DOP)が含まれています。 参考文献 最終更新日:2020年9月11日
ビート長とは?ビート長が偏波消光比の代わりに偏波保持ファイバの仕様として明記されている理由
偏波保持(PM)ファイバの出射光の偏波消光比(PER)は、ファイバ製造メーカにとって明記することが難しい仕様です。その理由は、このパラメータがファイバ長、入射光の状態、偏光、アライメントに依存するからです。ビート長はこれらの要素に依存しないため、偏波保持ファイバのポテンシャルを数値化するのに便利なパラメータです。ビート長は短いほどよく、偏波保持ファイバとその動作温度を選択するうえで参照できる有用なパラメータです。ビート長により偏波保持ファイバの性能のポテンシャルに関する情報が得られますが、実際の性能とファイバの出射光のPERは、最終的にファイバの配置に依存します。 ![]() Click to Enlarge 図8:青と緑の曲線はそれぞれ偏波保持ファイバのスロー軸とファスト軸に平行に偏光する波を表しています。2つの軸の屈折率が異なるため、2つの波はファイバの光軸(グレーの線)に沿った距離に応じて異なる周期で振動します。ビート長は、空気中で測定される2つの赤い球の間の距離です。左の球は2つの波の基準となる位相(この例の場合0°)、右の球は次の両方の波が同じ位相にある位置です。ファイバの複屈折性が一定である限り、ビート長はファイバ長に沿ったあらゆる位置において同じです。 偏波保持ファイバのビート長 これらの2つの正弦波の位相は、0~2 ビート長は、2つの位相の差により決まる測定値です。これは図8で表しています。ここでは基準点において両方の波の位相が0°となっています。ビート長は、この基準点から、次に両方の波が同時に基準点と同じ位相に戻るまでの距離です。ビート長(Lp )は、 波長( ビート長の典型値について 以前は、ビート長が1 mm未満の偏波保持ファイバは、楕円のコアと、標準的なシングルモードファイバに比べて著しく小さいモードフィールド径を持ちました。しかし、多くの用途では、円状のコアと標準的なシングルモードファイバに近いモードフィールド径を持つファイバが必要とされます。これらの基準を満たし、性能の良い偏波保持ファイバのビート長は1 mm~数ミリの間となります。標準的なシングルモードファイバにも測定可能なビート長がありますが、それはメートル単位の長さとなります。これは、コアは完全な円状の断面にはなっていないことに起因しています。コアの楕円率はわずかで、ファイバ長に沿ってランダムに変化するため、標準的なシングルモードファイバは、偏波保持ファイバとしては有用ではありません。 ビートパターン これらの波は互いに直交して偏光するため、振幅のビートパターンは生じません。振幅のビートパターンが生じるのは、2つの波に互いに平行に偏光する成分を持つときのみです。同じ理由により、フォトディテクタを使用して周期の異なる2つの直交して偏光する波を合わせた強度を測定するとき、干渉成分がゼロに等しい信号を得ます。 参考文献 最終更新日:2020年9月17日
ストレスロッド(応力付与ロッド)タイプの偏波保持ファイバの温度依存性![]() Click to Enlarge 図9:パンダ型の偏波保持ファイバにはクラッドにストレスロッド(応力付与ロッド)が存在します。これらの円筒径のロッドは、コアに対して平行に配置されています。ファイバの温度が加工時の温度より下がるにつれ、ストレスロッドのガラスは周りのクラッドよりも収縮するため、コアがスロー軸に沿って引っ張られます。
![]() Click to Enlarge 図 11:図10では、複屈折性の温度による変化のみが大きな影響があったため、図10の赤線のみをここに示しています。これらの値は、温度の変化によってファイバ長が増加し、ファイバの複屈折性が一定であることを仮定して計算されています。 ![]() Click to Enlarge 図10:パンダ型偏波保持ファイバを伝搬する直交の偏光成分の間の相対遅延(y軸)は、ファイバの温度が変化すると変動(x軸)します。温度が上昇すると、偏波保持性能は低下します。性能は温度が下がることで向上します。青線と赤線の数値は、それぞれ複屈折性とファイバ長のみが温度によって変化することを仮定して計算されています。 偏波保持ファイバの直交するスロー軸とファスト軸の間の屈折率の差が大きければ大きいほど、偏波保持性能は良くなります。しかし、温度が上昇するにつれてコアの張力が下がるため、この差(複屈折性)は減少します。ファイバの複屈折性の減少は、温度の上昇にほぼ比例します。 温度依存の複屈折性 比例定数(
ガラスの温度差の関係式で、温度差は液状からガラス状に変化するときの温度( 温度の影響の概算 これは出射偏光状態を決定する2つの直交成分の間の相対遅延によるものです。遅延はファイバの複屈折性とファイバ長に依存しますが、このどちらも温度に依存性があります。しかし、ファイバの偏波保持性能に大きな影響を与えるのは複屈折性の変化のみです。 これら2つの出射偏光状態への影響は、表の式を使用して求めました。動作波長は1550 nm、ファイバはパンダ型ファイバ(PM980-XP)で長さ2 m 計算結果は図10と11のグラフに示しています。遅延(y軸)は温度の変化(x軸)によって変動します。これは、温度に依存する遅延をモニタすることで、温度に依存するファイバの複屈折性と、ファイバが偏光を維持するポテンシャルについての情報が得られることを示しています。 温度とビート長 は波長( 参考文献 最終更新日:2020年9月16日
垂直成分と平行成分の識別に使用されるラベルについて
図1:偏光は2つの成分のベクトルの和として説明されます。その成分の1つは、入射面と平行な電界振動面、もう一つは入射面と垂直な電界振動面です。なお、電界はビームの伝搬方向に対しても直交に振動します。 偏光が面に対して入射されるときには、よく垂直成分と平行成分で説明されます。これらの成分は互いに、そして光の伝搬方向に対して直交します(図1)。 垂直成分と平行成分に用いられるラベルや記号は、どちらがどちらだか分からなくなる場合があります。表では垂直成分と平行成分に使用されているラベルの一覧がご覧いただけます。 垂直ならびに平行方向は入射面を基準にして定義されています。図1の動画ではビームが表面から反射されている図で説明しています。入射面は、入射光と反射光の両方を含む面として定義されます。垂直方向は入射面に対して垂直、平行方向は入射面内に平行です。 垂直成分ならびに平行成分の電界は互いに直交する面で振動します。垂直成分の電界は入射面に対して垂直な面で、平行成分の電界は入射面内に平行な面で振動します。偏光は垂直成分と平行成分のベクトルの和です。 垂直入射光 最終更新日:2020年3月5日 1
楕円偏光に対する偏光状態の影響
![]() Click to Enlarge 図 3:電場( ![]() Click to Enlarge 図2:電場( ![]() Click to Enlarge 図 4:観察者が図3の起点から伝搬しているビームを見ている場合、回転する電場ベクトルの先端は楕円を描いています。この楕円は角度Ψとχで表すことができます。この図で式( 楕円偏光は偏光状態を可視化する方法の1つです。 レーザービームが伝搬するとき、電場ベクトルの先端は偏光状態によって決定する3次元の軌道に沿って移動します。光軸方向に垂直な断面への射影を見ると、ベクトルの先端が2次元の楕円軌道をたどりながら伝搬軸の周りを回転しているように見えます。 この軌道の形が楕円偏光です。この軌道は直線偏光では直線、円偏光では円になります。 光の成分 電場ベクトルは移動するとき伝搬軸の周りを回転し(図3)、その長さは回転角度によって異なります。Ex - Eyの伝搬軸に垂直な断面への射影を見るとき、ベクトルの先端は楕円偏光の曲線を描きます(図4)。 楕円偏光 楕円偏光は長辺と短辺がEoxとEoy のそれぞれの振幅ExとEyの2倍に等しい長方形で囲われています。この長方形ではそれぞれの直交成分に含まれた光の割合についての情報が得られます。 偏光状態に応じた特定の楕円偏光の特徴を決定するには、Ex とEy の位相遅延も考慮する必要があります。偏光状態の情報を表している楕円における重要なパラメータはEx軸に対する長軸の角度と、長軸と短軸の長さの比になります。 楕円の長軸とEx軸の間の角度(ψ )、方位角、傾斜角、回転角、傾き角、アジマス角を含め多くの名称で呼ばれています。-90°から90°の間で変動し、EoxとEoyが等しいときには±45°となります。 楕円偏光の楕円率は、長軸と短軸の長さの比率(ε )です。方位は一般的に角度で表されるため、楕円率も角度( χ )表すと便利です。楕円率は、直線偏光のゼロ( χ = 0°)、この場合はδ = 0、から円偏光の1( χ = 45°)、この場合はδ = 電場ベクトルの先端は、伝搬するときに右回り(時計回り)または左回り(反時計回り)に回転します。これは光のらせん性、ヘリシティとして知られており、右回りの偏光は正のヘリシティ、左回りの偏光は負のヘリシティを持ちます。方向は、時間がゼロのとき(Et=0 )のEベクトルの値と、(T )の1/4遅い時間(Et=T/4 )のEベクトルの値を使用して求めることができます。クロス積( ![]() Click for Details 図5:楕円偏光の楕円率と方位角により、電場の直交成分ExとEyの位相差(δ )の情報が分かります。上記の楕円は両成分のピークの振幅が等しい場合を示しています。Eベクトルの回転方向は、楕円偏光の矢印で示されています。それぞれの楕円率と方位角についてがご覧いただけます。 最終更新日:2020年7月7日
偏光状態を表すのにポアンカレ球が役に立つ理由
![]() Click to Enlarge 図 5:偏光状態が方位角(S1軸基準)と楕円率(赤道基準)を用いてポアンカレ球にマッピングされています。偏光状態の半径は、光が完全な偏光のとき(無偏光が含まれていない)に最大値となります。 ![]() Click to Enlarge 図 6:球面の赤道(青線)上にマッピングされた偏光状態(青い円)は、完全な直線偏光です。S3軸上で±1の値でマッピングされた偏光状態(緑の円)は、円偏光です。直線でも円偏光でもない楕円偏光状態は球体のその他の領域でマッピングされています。 ポアンカレ球には、経緯と緯度を利用して地球儀上の位置を特定するのと同じように偏光状態がマッピングされます。ポアンカレ球での座標は2つの角度(方位角、楕円率)と半径を使用して特定されます。方位角と楕円率のパラメータは、偏光状態を表す楕円偏光からとります。半径は光の偏光度から求められます。最大値は完全な偏光に相当する1です。 ポアンカレ球と楕円偏光はどちらも偏光状態の可視化と偏光の観察に役立ちます。しかしポアンカレ球の大きな利点は、偏光状態の変化の計算が簡素化されることです。 ポアンカレ球のデータポイント 半径1は、球面に相当し、光が完全に偏光していることを示します。半径は無偏光の割合が増えると、小さくなります。偏光度(DOP)は、偏光強度を合計の強度で割った値です。 偏光状態のストークスパラメータ(S1、S2、S3)は偏光状態のデカルト座標に相当します(下表をご覧ください)。 2つの偏光状態の計算方法
参考文献 最終更新日:2020年9月11日
Insights:リフレクタスクロールするか下のリンクをクリックすると、推奨されるミラー径のほか、レトロリフレクタや金コーティング付きレトロリフレクタ内の光路などについてご覧いただけます。
レーザのビーム径に基づいてミラー径を選択するルールはあるか
レーザのビーム径はミラーの有効径よりも大幅に小さくなければなりません(図1)。ビーム径はミラー径の1/3以下に制限するのが一般的なルールです。このようなルールに従うことで、ビームがミラー表面の周辺でコーティングの境界と相互作用したり、あるいは光学素子のエッジでクリップされたりすることで収差が生じるリスクを制限することができます。 ![]() Click to Enlarge 図1:ミラーの有効径は、ビーム径よりも大きい必要があります。一般的なルールでは、ビームの1/e2径より少なくとも3倍以上大きい径のミラーを使用することを推奨しています。 ![]() Click to Enlarge 図2:径の大きなミラーを使用すると、レーザースポットが完全にミラーの中心にない時や、斜めからの入射によりビーム径が引き延ばされた時にも、柔軟に対応してビーム品質を維持することができます。 ビーム径と光パワー ミラーはビームの全パワーを反射するのに十分な大きさの直径(D )を有するのが最適です。反射されるパワーの比率(PT )は、 のように、Dと1/e2ビーム強度の径(d )、またはミラーの半径(r )と1/e2ビーム強度の半径(w )を使用して求められます。[1] ミラーの径がビームの1/e2径より1.52倍大きい場合、ミラーはパワーの99%を反射できます。ミラー径を大きくしてビーム径の2倍にした場合、パワーの99.96%を反射します。ビームが完全にミラーの中心にない場合、反射される光の割合は小さくなります。 ビーム位置と有効径 ミラー径がビーム径の2倍あり、かつビームが完全にミラーの中心にある場合、ビームの光学的品質は維持され、ビームのほぼすべてのパワーが反射されます。しかし、何らかのミスアライメントがあれば、ビームの品質は影響を受けます。より大きなミラーを使用すると、アライメント時に柔軟性が得られ、ビームが完全に有効径の中心にない場合にも対応できます。そのため、ビーム径より少なくとも3倍以上大きい有効径を有するミラーを使用することが有用です。 ビームアライメントに関する追加情報は 参考文献 最終更新日:2020年10月12日
ビームのアライメントはレトロリフレクタを通過するビーム光路にどのような影響を及ぼすか
![]() Click to Enlarge 図4:ビームが反射されるシークエンスは6通りあります。そのシークエンスは最初にビームが反射される領域によって決まります。上の図は、レトロリフレクタのノーマル軸(本文参照)とほぼ平行な入射ビームに適用されます。矢印はビームの光路、点は反射される位置を示しています。 ![]() Click to Enlarge 図 3:図ではコーナーキューブの3つの反射面をそれぞれ色分けして示し、さらにその半分の面を数字で示しています。レトロリフレクタは、入射ビームをそれぞれの面で反射し、入射ビームに平行なビームを出射するように設計されています。 ![]() Click to Enlarge 図6:最初に反射される位置を赤色の面の斜線より下の位置にシフトすると、次は黄色の面で反射されます。青色の面での3回目の反射の後、ビームは図5の出射ビームと平行に出射しますが、その出射面は変化しています。 ![]() Click to Enlarge 図5:ビームがレトロリフレクタのノーマル軸に平行に入射し、最初に赤色の面の斜線より上の位置で反射されたときは、次に青色の面で反射されます。その後、ビームは黄色の面で反射され、レトロリフレクタから出射します。 コーナーキューブから出射したビームは、入射ビームに対して平行に、しかし入射ビームとは反対方向に伝搬します。入射ビームはコーナーキューブの頂点、あるいは3面のうちの1つの面上の1点にアライメントすることができます。 入射ビームが頂点にアライメントされているときは、入射ビームと出射ビームは同一線上にあります。入射ビームのスポットが頂点と重ならないときは、2つのビームは分離します。 レトロリフレクタの面の1つにアライメントされた入射ビームは、その面で反射されたのち、レトロリフレクタから出射されるまでに他の2つの面で反射されます。入射角により、ビームが3つの異なる面で反射されるシークエンスは6通りあります。レトロリフレクタ内を通過する光路を選択することは、ビーム位置を最適化し、また偏光に対する影響を最小化するという観点から、非常に有用です。 ビームを特定のシークエンスで反射させたいときには、1つの面に入射するようにビームをアライメントするだけでは不十分です。ビームをその面の適切な半分の面内に入射しなければなりません。 ビーム光路の追跡 6通りある反射のシークエンスは、入射角によって異なります。図4はノーマル軸にほぼ平行に入射するビームに対して適用されます。これらの図では中空レトロリフレクタが使用されていますが、反射のシークエンスはプリズムミラーにも当てはまります。 最初に反射された位置により、ビームがレトロリフレクタ内で反射されるシークエンスが決まります。ビームは常に入射面とは異なる面から出射します。 例 図5のように、入射ビームが最初に斜線より上の位置で反射されたときは、最後の反射面は水平な面(黄色)になります。一方、入射ビームが最初に斜線より下の位置で反射されたときは、最後の反射面はもう一つの垂直な面(青色)になります。この2つのケースで、出射するビームは互いに平行ですが、その位置は異なっています。 最終更新日:2020年7月8日
レトロリフレクタープリズムの裏面を金属コーティングする理由は
![]() Click for Details 図8:垂直偏光ビームを内部全反射型のレトロリフレクタープリズム(PS975M)と、裏面に金コーティングが施されたレトロリフレクタープリズム(PS975M-M01B)に入射した結果を示しています。各出射ビームの偏光楕円は、ビームが3回目に反射する領域に示されています。水平軸に対する楕円率( χ )と方位角( ψ )のグラフはこちらをご覧ください。 ![]() Click to Enlarge 図 7:水平偏光のビームを内部全反射型のレトロリフレクタープリズム(PS975M)と、裏面に金コーティングが施されたレトロリフレクタープリズム(PS975M-M01B)に入射した結果を示しています。各出射ビームの偏光楕円は、ビームが3回目に反射する領域に示されています。水平軸に対する楕円率( χ )と方位角( ψ )のグラフはこちらをクリックしてご覧ください。 ![]() Click to Enlarge 図10:レトロリフレクタは入射光の一部を、入射光の偏光とは直交する偏光に変換します。裏面が金コーティングされたレトロリフレクタープリズム(PS975M-M01B)から出射する光の90%以上は、入射時の偏光状態を維持していました。内部全反射型のレトロリフレクタープリズム(PS975M)の場合、その割合は光路に大きく依存し、80%を超えることはありませんでした。 ![]() Click to Enlarge 図 9:レトロリフレクタは、入射ビームが各面で1回反射されるように設計されています。ビームが図7および8の面(紙面)に対してほぼ垂直に入射したとき、ビームは6通りの光路のうちの1つをたどります。 レトロリフレクタープリズムの裏面に金属コーティングが施されていると、出射ビームにおける偏光の変化が大幅に抑えられます。 これは、鏡面反射と内部全反射の違いによるものです。鏡面反射はガラスとガラスよりも屈折率の大きな金属の界面で生じ、内部全反射(TIR)が生じるには裏面側に空気のような屈折率の小さな物質が必要です。 ガラスと金属の界面において発生する鏡面反射では、内部全反射に比べて入射ビームの偏光楕円率が良く保存されます。 偏光と光路 これらの図のレトロリフレクタの各反射面は、紙面に垂直な軸に対してそれぞれが同等に対面するように向かい合っています。図9は、入射ビームが図の面(紙面)に対して垂直な場合について、ビームが入射してから出射するまでの反射の順序を示しています。 出射光の偏光状態 図7と8の出射ビームの偏光状態は、偏光楕円を用いて表されています。それぞれの出射ビームの偏光楕円は、3回目に反射される領域内に示されています。 出射ビームは入射ビームと同じ偏光状態を持つことが理想的です。しかしこれらの測定結果は、レトロリフレクタが入射光の一部を、入射光の偏光とは直交する偏光に変換していることを示しています。図10のグラフは、出射ビーム中における、入射光の偏光方向と平行な偏光成分の割合の測定値です。 裏面に金コーティングが施されたレトロリフレクタープリズムでは、入射した直線偏光の偏光状態が大変よく維持されます。 最終更新日:2020年7月7日
コーナーキューブへの入射角は出射ビームのパワーに影響を及ぼすか
![]() Click to Enlarge 図 12:ガラスと空気の屈折率は異なるため、ビームは前面で反射します。反射された光は出射するまでにレトロリフレクタ内を複数回通過する場合があります。重ねられたコヒーレント光により干渉が生じます。 ![]() Click to Enlarge 図11:コーナーキューブレトロリフレクタを通過するビームは後方の3つの面で反射され、その順序はビームの入射位置によって決定されます。上図に示す入射ビームの入射角は0°で、頂点から外れています。 レトロリフレクタープリズムからの出射光のパワーは、入射角(AOI)が変化すると平均値のまわりで振動する場合があります。これは、多重反射干渉によるもので、光源のコヒーレント長がレトロリフレクタ内の光路長の2倍以上あるときに生じることがあります。 レトロリフレクタの前面に反射防止コーティングが施されていると、この変動はすべての入射角において大幅に小さくなります。金属コーティングされた中空レトロリフレクタの出射ビームパワーは、入射角にほぼ依存しません。 光路 入射角は、レトロリフレクタの前面に垂直な軸を基準にしています。この軸は頂点を通り、また3つの反射面から等距離にあります。 前面での反射 ガラス製のレトロリフレクタが空気に囲まれているとき、入射光の約96%はレトロリフレクタ内を1回通過(図12の1st Pass)して最初に出射する主たるビームとなり、約0.16%はレトロリフレクタ内をもう1巡(図12の3rd Pass)してから出射します。さらに巡回する光の強度は、ここでは無視できます。 干渉の条件
![]() Click to Enlarge 図14:出射光パワーの入射角依存性の、コーナーキューブレトロリフレクタの種類による差異。図13と同じ方法で測定したデータを、同様に同じスケールで規格化し、見やすいように各グラフを垂直方向にシフトして示しています。前面にARコーティングが施されているリフレクタ ![]() Click to Enlarge 図13:内部全反射レトロリフレクタープリズム(PS975M)の出射光パワーの入射角依存性(測定値)。入射ビームの光源は1064 nmレーザ光源DBR1064Sで、そのコヒーレンス長は数メートルです。 最大の振幅は入射角0°付近にみられ、ここでは1st Passと3rd Passの出射光は重なっていました。1/e2ビーム径は、レトロリフレクタの前面から30 cmの位置で、±1°より大きい入射角では重なりませんでした。 コーナーキューブレトロリフレクタの比較 図13は内部全反射レトロリフレクタープリズムの測定値で、グラフは規格化されています。入射角が大きくなると、1st Passと3rd Passの出射ビームは互いに離れていきました。入射角が約±1°より大きくなると、ビームの1/e2径は重ならなくなりました。これにより振幅は入射角の増加とともに小さくなりました。ディテクタの位置をレトロリフレクタの前面に近付けると、振動が著しい入射角の範囲は大きくなります。 図14では、図13のグラフにほかの3種類のレトロリフレクタの測定データを加えています。同じスケールに規格化していますが、見やすいよう垂直方向にシフトさせています。この結果から、前面にARコーティングを施すと、レトロリフレクタープリズムからの出射光におけるパワー変動の振幅を抑えられることが分かります。中空レトロリフレクタの出射光パワーが変動しないのは、前面に物質の境界面が無いためです。 最終更新日:2020年7月7日
デジタルマイクロメータDM713: LabVIEWおよびC#プログラミングリファレンス
![]() Click to Enlarge 図 1:デジタルマイクロメータDM713の測定値を読み取るためのプログラムを、Visual C#やLabVIEWで書くことができます。プログラミングリファレンスをダウンロードすると、その詳細な例をご覧頂けます。 デジタルマイクロメータDM713(図1)と通信する方法を紹介したプログラミングリファレンスをご提供しています。1つはLabVIEW用、もう1つはVisual C#用です。どちらのリファレンスにも、プログラムを作成するまでを順を追って説明したセクションと、説明無しで全プログラムテキストを簡潔に記載したセクションが含まれています。
最終更新日:2019年12月4日 1
フォトニクス実験のためのHow-To動画集何かを学ぶ上で、誰かが行っているのを見ることが最良の方法である場合があります。ここではそのような動画を提供し、私たちが実験室でよく使用しているコツや秘訣、方法などを共有していきたいと考えています。ご質問等がございましたら当社までご連絡ください。
光学テーブルに対するレーザービームの高さ調整
レーザービームが光学テーブルの表面に水平に伝搬するようにアライメントする方法を2つご紹介します。 最初の方法では、レーザービームのあおり調整(チップ&チルト)を行い、ポインティング角度の調整を行います。ルーラを使用して、レーザービームの高さを調整するとともに、テーブルのタップ穴の列に沿うように向きを調整します。 2つ目の方法として、この調整済みのビームを用いて、固定されたレーザ光源からのビームの向きと高さの両方を変更する方法を実演します。異なる高さに設定された2つのミラーを用いて、ビームをテーブルの別のタップ穴の列に沿うように向けます。次に、2つのアイリスを用いて、ビームの高さを2つ目のミラーの高さに合わせます。 ここで使用しているコンポーネントは、レーザーモジュールPL202、キネマティックマウントKM100、アダプタAD11NT、ルーラBHM1、ミラーPF10-03-P01、アイリスIDA25です。 最終更新日:2020年9月8日
パワーメータの精度を高めるための、波長、レンジ、およびゼロオフセットパラメータの設定方法
パワーメータはパワーセンサへの入射光に合わせて設定を構成する必要があります。パワーメータを設定する際の重要な3つのパラメータは、光の中心波長、測定しようとする光パワーの最大値、および周囲の光を検出することによるゼロオフセットです。 この3つのパラメータの設定方法とその設定時に考慮すべき事項について、パワーメータPM400、ファイバ出力レーザ光源S3FC520、光パワーセンサS120Cを用いて実演と解説をしています。 必ず所属する研究機関等のレーザ安全ガイドラインに従ってください。この実演で使用されている低パワーの光源とは異なる他のレーザ光源を使用した場合は、後方反射によってレーザが損傷する可能性があります。人体やレーザに対して危険な迷光反射の影響は、不要なときにはレーザービームをブロックすることで軽減することができます。 最終更新日:2020年9月24日
移動ステージの設置方法と電動アクチュエータの取付け方
ここでは、移動ステージに取付けられている手動アジャスタを電動アクチュエータに交換する方法を、2つの例で実演しています。ここでご紹介している方法を用いることで、ステージを傷つけることなくアジャスタを交換できます。 最初の例では、移動量12.7 mmのリニア移動ステージMT1B/Mを使用します。調整ネジをステッピングモーターアクチュエータZFS13Bに交換します。動画後半の2番目の例では、移動量25.4 mmのリニア移動ステージXR25P/Mのマイクロメータを、DCサーボモーターアクチュエータZ825Bに交換します。 また、これらのステージをテーブルやブレッドボードに取り付ける際の最適な方法や、ロッキングプレートの使用方法についてもご紹介しています。 最終更新日:2020年9月4日
ポストホルダをテーブルまたはベースに固定するときに注意すべきネジの長さについて
ポストホルダをベースやテーブルに固定する際に、ネジがポストホルダの底部から突き出ていて困ることがあります。そのようなネジが突き出た状態では、ポストホルダの高さ調整範囲が制限されてしまいます。さらに、ポストをポストホルダ内で回転したときに、意図せずに突き出たネジにポストをねじ込んでしまう場合もあります。 これを防ぐ方法は、ポストホルダを固定するためのセットスクリュまたはキャップスクリュを選ぶ際に、それらのネジの長さを考慮に入れることです。この動画では、ポストホルダの底部から突き出たネジによって生じる問題と、その解決方法をご紹介します。また、ポストホルダをベースに固定する場合とテーブルに直接固定する場合についての比較も行っています。 ここで使用しているコンポーネントは、Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)ポストホルダ、ベースBA2/M、Ø12 mm~Ø12.7 mmポスト、キャップスクリュ、セットスクリュ、およびアイリスです。 最終更新日:2020年9月24日
フリースペース型アイソレータのレーザ波長に応じた調整
ファラデーアイソレータを調整することで、光源からの光パワーを適切に透過させ、光源に向かって戻る反射光を効果的に抑えることができます。この実演では、動作波長範囲が510 nm~550 nmの偏光依存性を有するフリースペース型アイソレータ これらの光学アイソレータからは直線偏光が出射され、また入射光が直線偏光のときに最良の性能が得られます。 必ず所属する研究機関等のレーザ安全ガイドラインに従ってください。この実演で使用されている低パワーの光源とは異なる他のレーザ光源を使用した場合は、後方反射によってレーザが損傷する可能性があります。人体やレーザに対して危険な迷光反射の影響は、不要なときにはレーザービームをブロックすることで軽減することができます。 最終更新日:2020年9月10日
直線偏光子の軸をテーブルに対して垂直または平行にアライメントする方法
多くの光学セットアップの光路は、光学テーブルに対して平行になるようにセットします。この場合、一般には入射面 とp偏光の向きはテーブル面に対して平行に、s偏光の向きはテーブル面に対して垂直になります。したがって、pまたはs偏光が通過するようにアライメントされた偏光子の軸は、テーブル面に対してそれぞれ平行または垂直になるようにアライメントされます。 偏光子を透過する光パワーの読み取り値を用いて、偏光子の軸を光学テーブルに対して垂直になるようにアライメントする手順について、説明と実演を行います。次に、偏光子の軸をテーブル面に水平にアライメントする3つの方法の概要について説明し、直交する偏光子を使用した方法を実演しています。より正確な測定値を得るためのヒントやコツについてもご紹介しています。 ここで使用しているコンポーネントは、コリメートされたレーザ、偏光ビームスプリッタ、直線偏光子、精密回転マウント、光パワーセンサ、およびパワーメータです。また、ポスト用カラーとルーラも使用しています。 最終更新日:2020年10月23日
ハンドヘルド型スクライブを使用して大きな直径の石英ファイバをクリーブする方法
ハンドヘルド型スクライブを用いて大きな直径の光学ファイバを手でクリーブすることで、光学的品質の優れたファイバ端を得ることができます。コア径400 µmのマルチモードファイバを使用してその手順を実演します。 ファイバ端から保護ポリマのバッファを除去し、ファイバをフラットな面に固定します。次に、ハンドヘルド型スクライブでファイバの外側の面に切り込みを入れます。スクライブでは、ファイバのコア部分から離れたファイバのクラッド部分に、浅く切り込みが入るようにしてください。直径の小さなファイバをクリーブする場合は、力を加減しながらゆっくりとスクライブを行い、切り込みを深く入れすぎないようにしてください。スクライブを動かさず、軽くファイバに押し付けるだけで十分な場合もあります。切り込みを入れた部分を挟んで縦方向に力を加えてクリーブします。 アイルーペを使ってファイバ端の状態を目視で評価する方法も実演しています。品質の良い端面はファイバの縦軸に対して垂直でフラットな面になっています。クリーブされた端面からの出射光をスクリーンで観察し、その強度分布から端面の品質に関する情報を得る方法なども紹介しています。 ここで使用しているコンポーネントは、ファイバーバッファーストリップ用ツール、ルビー製スクライブ、 an SMAファイバ素線ターミネータ、アイルーペ(倍率10倍)、ファイバーグリッパ、ファイバ出力型LED、観察スクリーン、簡単脱着式調整可能ファイバークランプ、および自立型プラットフォームです。 最終更新日:2020年11月3日
光ファイバ用コンポーネントの挿入損失測定
挿入損失は、光ファイバーネットワークにデバイスを追加することで発生する光パワーの低下を測定することで得られます。デバイスの挿入損失の原因となる光学的損失には、素材固有の特性による反射、吸収、散乱のほか、マイクロベンディング損失および曲げ損失、分岐比、接続損失、コネクタ損失などが含まれます。 動画では、シングルエンド挿入損失の測定方法を実演しています。このアプローチでは、まず参照用ケーブルを光源に取り付け、そのケーブルから出力される光パワーを測定します。次に、アダプタを使用して試験対象のコンポーネントを参照用ケーブルに取り付けます。取付けられたコンポーネントの選択した出力ポートからの光パワーを測定します。挿入損失は、このパワーの読み取り値と参照用ケーブルからの出力光パワーの測定値との比を求め、その比をデシベル(dB)単位で表します。 シングルエンド挿入損失の測定値には光がデバイスに結合する際の損失が含まれますが、その主たる原因がアダプタ内のファイバーコアのミスアライメントによる場合が多く見られます。しかし、この測定値には、デバイスからの出力光がファイバーネットワークの次のコンポーネントに結合するときに発生する損失と同じタイプの損失は含まれていません。また、挿入損失は波長に依存し、測定時のデバイスの入力ポートおよび出力ポートの組み合わせによって異なるということにもご注意ください。これは、分岐比、曲げ損失、吸収、散乱、反射、および2つのポート間の光路に沿った他のすべての減衰要因の違いによるものです。 ここで使用しているコンポーネントは、ファイバ出力型レーザ光源、アダプタ、ファイバ出力光源用パワーセンサ、パワーメータ、分岐比50:50のファイバーカプラ、シングルモードファイバーパッチケーブルです。 最終更新日:2020年12月3日
1/4波長板を使用して円偏光に変換する方法
直線偏光ビーム対して1/4波長板を置くことで円偏光に変換できますが、いくつかの条件を満たす必要があります。1つは光の波長が波長板の動作範囲内にあることです。もう1つは、波長板の直交するスロー軸とファスト軸が、直線偏光の偏光方向に対して45° の位置にセットされていることです。この条件が満たされたとき、入射光の2つの軸に平行な成分の強度は等しくなります。波長板は、スロー軸に平行な成分を、ファスト軸に平行な成分に対して1/4波長分( 動画の最初では、直線偏光の偏光方向を波長板のファスト軸、スロー軸、およびその間の角度に設定して入射したときに得られる結果を図解しています。角度や向きは、光の伝搬方向の逆方向から光源を視る見方で描かれています。次に、入射光側の偏光子と出射光側の偏光子を互いに直交する方向に設定し、偏光によって変化するパワーを測定する手順を紹介します。波長板を2つの偏光子の間に挿入し、向きを変えてその影響を調べます。波長板から出射された円偏光の品質は、2番目の偏光子の透過軸を回転させることで確認できます。回転したときのパワーの読み取り値の変化が小さければ、光はより円偏光に近いことになります。 このデモンストレーションでは、HeNeレーザ(光アイソレータ付き)、V字型クランプマウント、精密回転マウント、1/4波長板、フィルム型直線偏光子、パワーセンサ、パワーセンサ用SM1ネジ付きアダプタ、SM1レンズチューブおよび光パワーメータを使用しています。 最終更新日:2020年12月30日
直線偏光子を入射面に対して45°にアライメントする方法
直線偏光子の透過軸は、2枚の直線偏光子を補助的に使用することで、入射面に対して45°に設定することができます。まず、補助的な2枚の直線偏光子の軸を、入射面に対してそれぞれ平行および垂直になるようにアライメントします。次に3枚目の偏光子の透過軸を回転させて前述の2枚の偏光子の軸に対して45°の角度にすると、その透過軸は入射面に対して45°になります。 動画では、入射面が光学テーブルに対して平行な場合について実演しています。1枚目の偏光子の軸をテーブルに対して平行にアライメントする手順では、偏光子を垂直軸の周りに180°回転させる操作を繰り返し行う必要があります。直線偏光子アセンブリは長方形のベースを用いており、固定式位置決めプレート(フォーク)を用いてコーナの位置決めができます。このフォークにより、偏光子アセンブリを垂直軸回りに反転させた後も、素早く正確に元の位置に設置できます。180°の反転操作のたびに、偏光子の透過軸を最初は手動で回転させ、最後にはマウントに取付けられているマイクロメータ(mic)で微調整します。1枚目の偏光子の軸がアライメントできたら、2枚目の偏光子の軸をそれに直交させます。このとき、2枚目の偏光子の透過光は最小になります。 3枚目の偏光子を他の2枚の偏光子の間に設置し、透過軸を回転させます。その回転角度により3枚の偏光子を透過する光のパワーは変化し、入射面に対して45°のときに透過光パワーは最大になります。この結果を確認し、またディテクタで検出される可能性のある最大光パワーを見積もる一つの方法として、余弦二乗法則(マリュスの法則)を利用する方法があります。これを利用することで、直線偏光子への入射光が直線偏光の場合の出射光パワーを算出することができます。 このデモンストレーションでは、コリメート型レーザーモジュール、フィルム型直線偏光子、精密回転マウント、パワーセンサ、パワーセンサ用SM1ネジ付きアダプタ、SM1レンズチューブ、光パワーメータを使用しています。 最終更新日:2021年2月8日
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This particular Insight resulted from someone in the lab accidentally using the fiber's NA to estimate the 1/e2 beam size after a collimating lens, and our desire to prevent others from making the same mistake. For collimating light from and focusing light into a single mode fiber, using the 1/e2 point to define spot size appeared to be the most applicable, since the fiber's mode field diameter is defined in terms of the 1/e2 point. We provided a direct comparison between the divergence angles corresponding to this radius and those calculated from the NA to emphasize the significant difference in the two results, which if unexpected could lead to errors.
To your point, if the radius enclosing 99% of the beam's power were drawn, this radius would be a factor of ~1.5 times larger than the radius to the 1/e2 point. Applying this case to the Insight example, the divergence angle in the far field would be 8.3°, which is even larger than the angle calculated using the ray optics NA approach. This is another crucial point to consider when choosing the collimating/focusing lens and we will be using your feedback to expand our collection of Insights in the near future.