Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)スイベル式ポストホルダー

- Precision Wide, Square Relief Provides a Highly
Stable Two-Line Contact with the Mounting Post - Each Post Holder Includes One Spring-Loaded
Hex Locking Thumbscrew
TS25H
UPH6
UPH4
UPH3
UPH2
UPH1.5
UPH1
Front
Back
UPH2
360° Continuously
Adjustable
Magnets in Base Provide Holding
Force Before Lock Down

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Figure 1.1 スイベル式ポストホルダの特長
特長
- アセンブリ構築にかかる時間を短縮
- バネ付きつまみネジがポストを仮固定
- スイベル式クランプフォークと磁石付きベースによってアライメントが簡単
当社のØ12 mm~Ø12.7 mmスイベル式ポストホルダは、光学テーブルまたはブレッドボード上にØ12 mm~Ø12.7 mm光学ポストを取付けやすくする設計になっています。このポストホルダにはスイベル式ベースが付いており、ブレッドボード上の取付け穴の位置を選びません。ベース部分の磁石によって、最終的な位置決めの前に仮固定が可能です。また、ベースには穴が空いているので、ポストを光学テーブルに接触するまで下げて高さ調整することが可能です。
このポストホルダは、当社の標準型のポストホルダと基本的に同じ特長を有しています。Figure 1.1にあるように、部品の長さ全体に垂直に広めのリリーフカット(逃げ加工)が施されています。これによってポストとポストホルダが2本の線で接触するので高い安定性を得ることができます。このリリーフカットがない設計のポストホルダでは、保持力が弱く、時間経過とともにポストの位置が下方向にずれる可能性があります。各ポストホルダには5 mmの六角バネ式つまみネジが1個付いています。つまみネジは追加購入も可能です(下記参照)。
当社の標準型のポストホルダは当社のスイベルベースアダプタをお使いいただくことでスイベル式ポストホルダに変換できます。
Insights:光学実験のベストプラクティス
こちらのページでは実験セットアップ時の下記の注意点についてご覧いただけます。
- テーブルクランプ:保持力を最大にする方法
- 光学テーブル:テーブルクランプとテーブル面の歪みについて
- ポストホルダ: 穴の内側の長方形の溝について
このほかにも実験・実習や機器に関するヒントをまとめて掲載しています。こちらからご覧ください。
テーブルクランプ:保持力を最大にする方法

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図2:L1 > L2であるため、物体を保持する力は負荷した力(FTotal)の半分よりも大きくなります。クランプCL2/Mの左側の脚の長さは、物体の高さにあわせて調整可能です。そのためクランプの上面と取付け面を平行にすることができます**

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図1: L1 < L2であるため、物体を保持する力は負荷した力(FTotal)の半分よりも小さくなります。上のクランプはCL5Aです。
クランプのスロット内の締め付けネジの位置が物体から離れすぎていると、クランプされている物体は動きやすくなります。ネジの位置を適切にすることにより、クランプされた物体の位置ずれを防止することができます。
クランプ力を最大化するためには、ネジをできるだけ物体の近くに配置してください。**
これはCL5A(図1)やCL2/M(図2)のようなクランプを用いた場合、トルクのかかったネジによって加わる力(FTotal)は2点に分配されるためです。
クランプ力F2が物体にかかります。F2の値がFTotalの何%になるかは、以下で説明するようにL1とL2に依存します。残りの力(F1)は、クランプの反対側の端にかかります。
これらの2つの力は、次の式によって求められます。
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もう一方の接点にかかる力: | ![]() |
これらの式は、物体とネジ間の距離が小さくなると物体にかかるクランプ力が大きくなることを示しています。L1とL2が等しいとき、締め付けられたネジによってかかる力は、 F1とF2に等しく分配されます。
**クランプ力を最大化するには、図1および図2に示すように、クランプの上面と物体に接触する面のどちらも、取付け面に対して平行でなければなりません。
クランプと物体間の接触面が取付け面に対して平行ではない場合、物体にかかる力は、物体を取付け面に押し付ける力と、取付け面に沿う方向に押す力とに分解されます。取付け面に沿う方向の力は、物体を移動せるのに十分な場合と、それほどではない場合があります。
物体の高さに対応させるために、CL2/Mのようなクランプではその一端の脚がネジになっており、高さ調整が可能になっています(図2参照)。クランプと取付け面の間のネジ山の数は物体の高さに応じて調整しますが、同時にクランプの上面が光学テーブルに対して水平になるように調整する必要があります。
最終更新日:2019年12月4日
光学テーブル:テーブルクランプとテーブル面の歪みについて

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図3:Nexusテーブル/ブレッドボードの断面図。(1)上板、(2)下板、(3)サイドパネル、(4)サイドレール、(5)ハニカムコア。ステンレススチールの上板と下板の厚さは5 mmです。
テーブルクランプ(クランプフォークも含む)は、複合構造の光学テーブルの取付け面よりも剛性が高くなっています。ネジに加えるトルクを大きくしていくと、その力でテーブルクランプの背の部分が曲がると想像するかもしれません。しかしネジがテーブルクランプを変形させる前に、テーブルの上板を上に引っ張るため、上板がフラットではなくなります。そのためコンポーネントを光学テーブルに固定する際、テーブルクランプは慎重に使用しなければなりません。クランプアームはテーブルクランプの代わりにご使用いただけるもので、下記の説明の通り、テーブルの取付け面を変形させにくい製品です。
光学テーブルの構造
複合構造の光学テーブルとブレッドボード(図3参照)は、振動を減衰させながら剛性の高い構造となるよう設計されています。厚さ5 mmのステンレススチール製の上板はフラットな面となるよう製造されていますが、局所的な力が加わると変形する可能性があります。上板が変形すると光学部品は水平に設置できなくなり、光学系のアライメントや性能に悪影響を及ぼす場合があります。
テーブルクランプ
標準的なテーブルクランプは、一端がテーブル表面上に、もう一端は物体上に置かれます(図4)。この2つの端の間には、テーブル表面からクランプまでの隙間が生じます。このブリッジ(隙間)により、1本のネジでクランプをテーブルに固定すると同時に、物体を保持する力を発生することができます。
ネジにトルクをかけることによってクランプを固定するとき、ネジはテーブルの上板を上方向に引っ張ります(図5参照)。
ネジにかけるトルクをさらに大きくすると、テーブルの上板が上に持ち上がります。テーブルの上板が持ち上がることはテーブルに恒久的なダメージを与えるリスクがあるだけでなく、クランプで固定している光学部品のアライメントも乱してしまう場合があります。テーブルの上板が持ち上がると、クランプされている物体の下の取付け面は傾きます。

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図6:クランプアームPOLARIS-CA1/Mには取付けネジを挿入するスロットと、取り付けるポストを固定するためのネジが付いています。また、上面と底面は同じ形状です。クランプアームが取付け面と接触する面はほぼループ状につながっているため、ブリッジ(隙間)による影響はほとんど生じません。

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図5:ネジにトルクをかけるとテーブルの上板を上方向に引っ張る力が発生します。上に引っ張られた板が取付け面を傾けるため、物体に角度偏差を生じさせる可能性があります。上の図では、分かりやすくするために誇張して示しています。

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図4:CL5Aのような標準的なテーブルクランプでは、一端のみがテーブル面に接触します。反対の端は固定する物体と接触します。 2つの端の間にはブリッジ(隙間)が形成されます。クランプ力を加えるネジは表示されていません。
クランプアーム
POLARIS-CA1/Mなどのクランプアーム(図6参照)は、取付け面の変形を最小限に抑制しながらポストを固定するように設計されています。
図6のクランプアームと、テーブルクランプには2つの大きな違いがあります。1つは光学テーブルに接触する面(赤で表示)で、もう1つはポストを固定する方法です。
光学テーブルに接触する面(クランプのベース周り)は、ほぼループ状につながっています。クランプをテーブルに取り付けたときの接触面は、テーブルに対してフラットな平面になります。ループとして不連続な部分は、ポストをグリップするための幅の狭いスロットのみです。
テーブルクランプで使用するネジは1本だけですが、この設計では2本のネジを使用します。1本のネジ(表示されていません)でクランプをテーブルに固定し、もう1本のネジ(表示されています)でポストをグリップします。1本のネジが両方の機能を果たす必要がないため、クランプする物体と光学テーブルの間のブリッジ(隙間)は必要なくなります。
クランプの接触面はループ状で、全表面が接触しているわけではありませんが、取付け面の変形はほとんど無視できる程度です。これは接触面の内側の空洞の部分が狭く、またクランプの両サイドで囲まれているため、テーブルを上に引っ張る力に対して抵抗できることによります。
最終更新日:2019年12月9日
ポストホルダ: 穴の内側の長方形の溝について

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図8:上から見た図。ポストとポストホルダの間の3つの接触点(赤で表示)で、ポストのYZ軸に対する移動や回転を止めています。X軸に対する移動や回転は摩擦力で抑止されます。

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図7:当社のポストホルダの穴の内側には鋭いエッジの溝が加工されています。

図9:ブローチには上図のように刃が並んでおり、その高さは徐々に高くなっています。刃を材料に接触させ、機械でブローチを表面の端から端まで引っ張ります。各刃はそれぞれ少量の材料を削りとり、ブローチ加工された溝の深さは刃全体の高さの差と同じになります。
当社の全てのポストホルダには、穴の内側に沿って平行なエッジを有する溝が作られています(図7)。止めネジ(セットスクリュ)を締め付けることで、ポストが溝の2つのエッジに押し付けられます(図8)。エッジ間の距離が広いため(ポストホルダ内径の約半分)、ポストはエッジに対して安定に保持され、また再現性も得られます。
溝の2つのエッジに接触することでY軸とZ軸に対する移動と回転が止められるため、ポストの6つの自由度のうちの4つが拘束されます。また、ポスト側面と溝のエッジ間の摩擦により、残りの2つの自由度であるX軸に対する移動と回転が抑止されます。
穴の内側に溝が無い場合には、ポストとポストホルダの接触は1本の線になります。ポストにはZ軸回りの回転とY軸に沿った移動の自由度が残り、その位置は安定しません。
この不安定さによる光学セットアップ内の各部品位置のシフト量がサブマイクロメートルのレベルであったとしても、累積することでシステムの性能に重大な悪影響を及ぼす場合があります。また、システムを頻繁に再アライメントする必要が生じるかもしれません。
ブローチ加工
ポストを安定に保持するためには、溝のエッジは直線状でなければならず、隆起や凹凸があってはなりません。これらのポストホルダの溝は、ミクロンスケールで見ても直線状の鋭いエッジを有しています。エッジの直線性が不完全な場合には、ポストがホルダ内で動いたり、ホルダ内でのポストの位置再現性が得られなくなったりする場合があります。
溝の滑らかで直線状のエッジは、ブローチ加工と呼ばれる機械加工によって作ることができます。ブローチ(図9)は鋸に似ていますが、その刃の高さは徐々に高くなっています。
表面に沿ってブローチを引っ張ると、各刃はそれぞれ少量の材料を削り取ります。ブローチによって切削される溝の深さは、刃全体の高さの差(H2 - H1)に等しくなります。
溝を作るうえでブローチ加工が他の加工方法に比べて好まれる理由は、直線状の加工が可能であるほかに大量生産にも対応できるためです。
最終更新日:2019年12月11日
Posted Comments: | |
tcohen
 (posted 2012-02-29 15:51:00.0) Response from Tim at Thorlabs: Thank you for your feedback. The TR50/M will be able to fit in the UPH2/M and you will be able to adjust its height with the thumbscrew. However, because the length of the post is shorter than the length of the post holder, the TR50/M will be under the top of the UPH2/M when sitting near the bottom. If this is a concern, we do offer shorter UPH at http://www.thorlabs.com/NewGroupPage9.cfm?ObjectGroup_ID=1982&pn=UPH1 and taller posts at http://www.thorlabs.com/NewGroupPage9.cfm?ObjectGroup_ID=1266. user
 (posted 2012-02-28 11:55:56.0) TR50/M (50 mm) is compatible with UPH2/M(50.8 mm) or not? Is it possible to use TR50/M (50 mm) with UPH2/M(50.8 mm)? Thank you. mathieu.perrin
 (posted 2010-03-24 16:37:30.0) The universal post holder is a component I personally highly recommend. No need to find a clamp, no need to change everything when you realize youre not right in front of the hole, magnets give a certain stiffness while allowing to move the optics parallel to the table : setting up an experiment suddenly becomes twice easier! |


- ベースが360°回転するのでアライメント用の取付け穴の選択が容易
- ポストがベースを貫通するのでビーム高さを最小にすることが可能
- ベースの強力な磁石によって、光学テーブルへの固定前に仮固定が可能
- 位置決めを容易にするバネ付き六角固定つまみネジ
- 30 mm~75 mmの製品は5個入りパックでもご用意
当社のスイベル式ポストホルダは、新しいアセンブリを簡単に作ることができる特長を有しています。ポストホルダのスイベル式ベースによって、光学マウントを所望の位置に置いてベースを旋回できるので、光学テーブル上の配置に便利な取付け穴を選択することができます。また、ポストホルダのベースには強力な保持力の磁石が付いているので、最終的な位置固定の前に暫定的な位置決めが可能です。また、ベースには穴が空いているので、Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)のTRシリーズポストを光学テーブルに接触するまで下げて最大限の高さ調整が可能です。このスイベル式ポストホルダには、バネ式六角固定つまみネジTS6H/M(5 mm)が付いています。このつまみネジは最大トルク(3.2 N·m)を超えて締め付けないでください。ニーズの高いポストホルダ製品は、5個入りパックでもご提供しています。
こちらのポストを磁石無しでご希望の場合は当社までお問い合わせください。

Specification | |
---|---|
Maximum Torquea | 28 in·lbs (3.2 N·m) |

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Figure 214B つまみネジTS25Hの分解図

Figure 214A つまみネジの図面
このアルマイト加工アルミニウム製つまみネジには、バネが組み込まれたDelrin®†チップが付いており、最終的な位置調整を行なうまでポストの位置をしっかりと保持します。その後5 mm(TS6H/M用)ボール(六角)ドライバを用いて、ポストが動かないようにしっかり固定できます。ボールドライバのサイズは、つまみネジ部分に刻印されているので識別が簡単です。
TS6H/MにはM6 x 1.0ネジが付いており、当社のØ12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)ポストホルダに対応しています。推奨最大トルクは3.2 N·mです。ネジの頭がつぶれる可能性があるので、つまみネジの締付けにL型六角レンチの使用はお勧めいたしません。
バネ付きチップが無しのつまみネジをご要望の場合は、真空対応つまみネジをお勧めいたします。あるいは、1.5 mmのボールドライバを用いてつまみネジ前面にある止めネジ(セットスクリュ)を緩め、チップを取り外すこともできます。Figure 214Bで示されている順序で、バネとチップを取り外すことができます。ただし、その際つまみネジの接触面の中央には穴が開き、真空対応つまみネジの接触面とは異なった形体になります。
つまみネジは1個、または5個入りのセットで別売しています。
†Delrin®はDuPont Polymers社の登録商標です。

- Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)ポストホルダをスイベル式ポストホルダータイプのマウントに変換
- 360°回転するスイベルベースと既存のポストホルダを、M6キャップスクリュで固定
- ベースの磁石により、初期セットアップ時にブレッドボード上に光学部品の仮固定が可能
- 5個入りパックでもご用意
こちらの360°スイベルベースアダプタを使用すると、当社のØ12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)用の標準ポストホルダに、スイベル機能と磁石による仮固定の機能を付加することができます。これにより光学システムの組み立て時間を短縮することができます。また、スイベル設計なので、狭いスペースに多数の光学部品を取り付けるのに適しています。こちらのアダプタはアルマイト加工のアルミニウム製です。また、上記のスイベル式ポストホルダではポストの位置をテーブル面まで下げられましたが、こちらのアダプタの場合はそこまでの高さ調整機能はございませんのでご注意ください。