顕微鏡コンデンサーがイメージ分解能に与える影響
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コンデンサの開口数(NA)は、顕微鏡の分解能に影響を与えるか
コンデンサの開口数(NA)は、顕微鏡の分解能に大きな影響を与えます。その理由は、試料への光の入射角の範囲が、試料を透過する、あるいは試料で反射される光の角度範囲に影響を与えるためです。分解能を最適化するための一般的な方法は、少なくとも対物レンズのNAと同等以上のNAを有するコンデンサを使用することです。言い換えると、コンデンサによって形成される光の円錐の頂角は、対物レンズが受光する角度範囲と一致するか、またはそれ以上でなければなりません。
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図2:落射照明顕微鏡では、対物レンズから光が試料に照射されます。対物レンズは試料からの反射光や散乱光を集光する役割も果たします。そのため、図1とは異なり、照射の角度とイメージングの角度はどちらも対物レンズのみに依存します。
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図1:透過型顕微鏡では、光源からの光はコンデンサ光学系を通して試料に照射されます。その透過光は対物レンズによって集光されます。集光された光から、カメラあるいは接眼レンズを用いて像が生成されます。
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図3:コンデンサから試料上の1点に入射する光(左、薄黄色)、試料を透過する光(右、点線)、および対物レンズが集光可能な光の範囲(右、オレンジ色)を示す円錐。円錐の角度は光軸からの角度です。試料に入射する光の円錐の半頂角と試料を透過する光の円錐の半頂角がほぼ同じ
コンデンサと対物レンズ
透過型顕微鏡では、コンデンサは光源からの光を集光して試料に照射します(図1)。コンデンサ光学系には通常いくつかの光学素子が含まれ、アライメントすることで試料面を均一に照明することができます。対物レンズは試料面の反対側に位置し、試料を透過した光を集光します。この集光された光から、接眼レンズあるいはカメラを用いて像が生成されます。
これに代わって、対物レンズが試料への光の照射と試料からの光の集光の役割を共に果たすように、顕微鏡を構成することもできます(図2)。この場合には独立したコンデンサ光学系はありません。
開口数(NA)
コンデンサは試料面に対して光を様々な角度から照射します(図3)。試料上の1点を頂点とし、コンデンサからの光の円を底面とする円錐を用いて、光の入射角範囲(θcd )を定量化することができます。試料上の点を透過した光の角度範囲は、入射した光の角度範囲とほぼ同じです。対物レンズが集光できる角度範囲(θobj )は、それとは異なる円錐を用いて示すことができます。
これらの角度範囲は、次のレンズの開口数(NA)の式を用いて定量化することができます。
NA = n sin(θ ),
NAは円錐の半頂角(θ )と、周囲の媒質の屈折率(n )に依存します。NAが大きいほど、角度範囲を示す円錐は広がります。 この角度は光軸からの角度です。
例えば、対物レンズのNAが0.7で、レンズと試料の間が空気(
分解能
顕微鏡の分解能(δ )、「どれくらいまで近接した2点を分離してイメージングできるか」という性能を表します。この最小距離を見積るときに、一般的に
という式が用いられますが、ここには波長
NAcd ≤ NAobj の場合には、修正された式、
を用いることでより良い近似値が得られます。またこの式はコンデンサのNAが分解能にとって重要であることを示しています。
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 最終更新日:2021年6月9日 |
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