偏光状態を表す偏光楕円表示
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偏光楕円に対する偏光状態の影響
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図2:電場()が伝搬するとき、ベクトルの先端はらせんの軌道をたどります。この場合、伝搬は z軸に沿っており、ベクトルはプラス(時計周り)のらせん軌道をたどります。
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図1:電場()は2つの直交成分(ExとEy )の和とその2つの位相差
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図3:観察者が図2の起点から伝搬しているビームを見ている場合、回転する電場ベクトルの先端は楕円を描いています。この楕円は角度Ψとχで表すことができます。この図で式( /λ - ωt )は()により表されています。ここでλは波長、ωは角周波数、そしてtは時間です。
偏光楕円は偏光状態を可視化する方法の1つです。
レーザービームが伝搬するとき、電場ベクトルの先端は偏光状態によって決定する3次元の軌道に沿って移動します。光軸方向に垂直な断面への射影を見ると、ベクトルの先端が2次元の楕円軌道をたどりながら伝搬軸の周りを回転しているように見えます。
この軌道の形が偏光楕円です。この軌道は直線偏光では直線、円偏光では円になります。
光の成分
電場ベクトル()は、その直交成分Ex とEy で表すことができます。図1では直線偏光でも円偏光でもない偏光楕円を図解しています。ExおよびEyの直交成分は異なる振幅を持っており、ExとEy 間の位相差(δ )は/2の整数倍ではありません。ExとEy の値は周期的に増加したり減少したりしますが、同期せずに変動し、その範囲は異なります。
電場ベクトルは移動するとき伝搬軸の周りを回転し(図2)、その長さは回転角度によって異なります。Ex - Eyの伝搬軸に垂直な断面への射影を見るとき、ベクトルの先端は偏光楕円の曲線を描きます(図3)。
偏光楕円
観察者側から見るビームは、反対方向から見るのとは異なった偏光楕円となります。このため、観察者がどの方向から見ているのか特定する必要があります。ここでは観察者側から見ているビームを想定しています。
偏光楕円は長辺と短辺がEoxとEoy のそれぞれの振幅ExとEyの2倍に等しい長方形で囲われています。この長方形ではそれぞれの直交成分に含まれた光の割合についての情報が得られます。
偏光状態に応じた特定の偏光楕円の特徴を決定するには、Ex とEy の位相遅延も考慮する必要があります。偏光状態の情報を表している楕円における重要なパラメータはEx軸に対する長軸の角度と、長軸と短軸の長さの比になります。
楕円の長軸とEx軸の間の角度(ψ )、方位角、傾斜角、回転角、傾き角、アジマス角を含め多くの名称で呼ばれています。-90°から90°の間で変動し、EoxとEoyが等しいときには±45°となります。
偏光楕円の楕円率は、長軸と短軸の長さの比率(ε )です。方位は一般的に角度で表されるため、楕円率も角度( χ )表すと便利です。楕円率は、直線偏光のゼロ( χ = 0°)、この場合はδ = 0、から円偏光の1( χ = 45°)、この場合はδ = /2、までの値を取ります。
電場ベクトルの先端は、伝搬するときに右回り(時計回り)または左回り(反時計回り)に回転します。これは光のらせん性、ヘリシティとして知られており、右回りの偏光は正のヘリシティ、左回りの偏光は負のヘリシティを持ちます。方向は、時間がゼロのとき(Et=0 )のEベクトルの値と、(T )の1/4遅い時間(Et=T/4 )のEベクトルの値を使用して求めることができます。クロス積(
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図 4:偏光楕円の楕円率と方位角により、電場の直交成分ExとEyの位相差(δ )の情報が分かります。上記の楕円は両成分のピークの振幅が等しい場合を示しています。Eベクトルの回転方向は、偏光楕円の矢印で示されています。それぞれの楕円率と方位角についてがご覧いただけます。
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 最終更新日:2020年7月7日 |
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