シングルモードファイバー結合時のモードフィールド径の重要性


シングルモードファイバー結合時のモードフィールド径の重要性


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MFDがシングルモードファイバにおいて重要な結合パラメータである理由とは?

MFD of a single mode optical fiber
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図1:最大の結合効率でシングルモードファイバに結合するためには、光が軸上のガウシアンビームで、ウェスト位置がファイバの端面にあり、ウェスト径がMFDと等しくなる必要があります。ファイバの出射光もこれらの特性によりガウス分布に近い形状となります。シングルモードファイバにおいて、開口数(NA)の使用した光線モデルは、結合状態を決定するには不適切です。ここでは半径( ρ )におけるモード強度(I )プロファイルが示されています。

光はシングルモードファイバを伝搬していくと、そのビーム断面の強度分布はガウス分布に似た形状となります。モードフィールド径(MFD)はこの強度プロファイルの幅を表します。入射ビームがこの強度プロファイルに合致すればするほど、より効率よく多くの光がファイバに結合します。入射されるガウシアンビームのビームウェストがMFDと等しいと、とりわけ高い結合効率が得られます。

ガウシアンビームの伝搬ガウシアンビームの伝搬モデルにおいてMFDをビームウェストにすることで、確度の高い入射ビームパラメータと出射ビームの広がり角を得ることができます。

結合条件の決定
光ファイバの利点は、ファイバの導波モードによって伝播される光が放射線状には広がらず、最小限の減衰で伝搬していくことです。光をファイバの導波モードに結合するには、入射ビームと導波モードの特性を一致させる必要があります。導波モードに結合しない光はファイバの外に放射されます。光がファイバから漏れ出したと言えるのです。

シングルモードファイバの導波モードは1つであり、波動光学解析によってモードをベッセル関数で表すことができます。ガウス関数とベッセル関数の振幅プロファイルは、非常によく似ており[1]、代わりにガウス関数を使用すると正確な結果をもたらしながら、ファイバのモードのモデリングが簡易化されるので便利です。

図1では、入射光が導波モードに結合するために一致しなければならないシングルモードファイバの断面方向の強度分布を示しています。強度()ロファイルは、径方向距離( ρ )のガウス関数にほぼ一致します。MFDは、ファイバ長に沿って一定で、e-2とピーク強度の積に等しい強度の幅です。モードフィールド径(MFD)内は、ビームパワーの約86%が含まれます。

次数が最も小さい横モードだけが放射されるレーザ出力光はガウシアンビームとなるため、このレーザ光はシングルモードファイバに良い結合効率で結合できます。

シングルモードファイバへの光の結合
シングルモードファイバのコアに効率よく光を結合するには、入射するガウシアンビームのウェストをファイバの端面に合せてください。ビームウェストの強度プロファイルは、モードの断面の強度の特性と重複し、合致しなければなりません。入射ビームに必要なパラメータは、ガウシアンビームの伝搬モデルとファイバのMFDから求めることができます。

結合効率が小さくなるのは、ビームウェスト径とMFDが一致しない、端面のモーダルスポットによりビームの断面のプロファイルが歪んだり、中心がずれている、光がファイバの軸に沿って誘導されていない場合に起こります。

参考文献
[1] Andrew M. Kowalevicz Jr. and Frank Bucholtz, Beam Divergence from an SMF-28 Optical Fiber (NRL/MR/5650--06-8996) (Naval Research Laboratory, Washington, DC, 2006).

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最終更新日:2020年2月28日


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