CマウントとCSマウントのレンズの特徴と互換性
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CマウントとCSマウントのカメラとレンズに互換性はあるか
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図1:Cマウントのレンズとカメラのフランジバックは同じで、17.526 mmです。そのためレンズを通る光は必ずカメラのセンサ上に焦点を結びます。どちらのコンポーネントにも1.000"-32ネジが付いており、これらは「C-マウントネジ」とも呼ばれます。
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図2:CSマウントのレンズとカメラのフランジバックは同じで、12.526 mmです。そのためレンズを通る光は必ずカメラのセンサ上に焦点を結びます。1.000"-32ネジはCマウントのコンポーネントに付いているネジと同じで、これらは「Cマウントネジ」とも呼ばれます。
CマウントとCSマウントのカメラシステムにはどちらも1.000"-32ネジが付いていますが、この2つのマウントのフランジバック(フランジ焦点距離/FFD、フランジ焦点深度、フランジ-フィルム間距離などとも呼ばれる)は異なります。Cマウントのフランジバックは17.526 mm(図1)、CSマウントのフランジバックは12.526 mm(図2)です。
フランジバックが異なるため、CマウントとCSマウントのコンポーネントには互換性がありません。しかしアダプタを用いることによってCマウントレンズをCSマウントカメラに使用することは可能です。
CマウントとCSマウントの組み合わせ
CマウントとCSマウントのネジ規格は同じですが、マウントの種類が異なるレンズとカメラを直接取り付けることはできません。直接取り付けると、フランジバックが異なるためレンズの焦点面がカメラのセンサ面と一致せず、象がぼやけます。
アダプタを使用することで、CマウントレンズをCSマウントカメラに使用することはできます(図3、4)。アダプタによりレンズとカメラのセンサの間隔が5.0 mmだけ長くなり、レンズの焦点面を確実にカメラのセンサ面に一致させることができます。
一方、フランジバックの短いCSマウントレンズは、Cマウントカメラには使用できません(図5)。レンズとカメラの筐体が干渉してカメラのセンサに焦点が合う位置までレンズを近づけることができず、またレンズを近づけられるようなアダプタはありません。
レンズとカメラのパラメータを確認し、互換性のあるコンポーネントなのかどうか、アダプタが必要かどうか、また互換性を持たせる手段はないかを判断することが重要です。
1.000"-32ネジ
インチ規格のネジは、その径とTPI(1インチあたりのネジ山数)によって正確に表現されています。これらの両方のマウントのネジ径は1.000インチ、TPIは32です。Cマウント製品の普及により、1.000"-32ネジは「Cマウントネジ」と呼ばれることがあります。しかし、CSマウントデバイスにも同じネジが用いられているため、この用語は混乱を招く場合があります。
フランジバックについて
フランジバックの値はレンズとカメラの両方について与えられます(図1、2)。レンズの場合、フランジバックはレンズのフランジ面から焦点面までの距離です。フランジ面はレンズ後方のフラットな面で、1.000"-32外ネジとその起点で交差しています。カメラの場合、フランジバックはカメラの前面からセンサ面までの距離です。 レンズがアダプタ無しでカメラに取り付けられているとき、カメラ前方のフランジ面とレンズ後方の面は接触しています。
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図5:CSマウントレンズをCマウントカメラに直接取り付けると、光はカメラのセンサの手前で焦点を結びます。この場合はフランジバックを青色の矢印の距離だけ短くする必要がありますが、これはアダプタなどでは対処できません。
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図4:紫色の矢印が示す距離に相当する適切な厚さのアダプタを使用すると、Cマウントレンズの位置はCSマウントカメラのセンサから最適な位置に配置されます。これによりフランジバックが異なっても、光はカメラのセンサ上に焦点を結ぶことができます。
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図3:CマウントレンズとCSマウントカメラは、レンズのフランジバック(青色の矢印)とカメラのフランジバック(黄色の矢印)が異なるため、直接取り付けることはできません。光はカメラのセンサ上に焦点を結ばす、像がぼやけます。
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 最終更新日:2020年7月21日 |
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