ポアンカレ球を用いた偏光状態表示
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偏光状態を表すのにポアンカレ球が役に立つ理由
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図1:偏光状態が方位角(S1軸基準)と楕円率(赤道基準)を用いてポアンカレ球にマッピングされています。偏光状態の半径は、光が完全な偏光のとき(無偏光が含まれていない)に最大値となります。
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図2:球面の赤道(青線)上にマッピングされた偏光状態(青い円)は、完全な直線偏光です。S3軸上で±1の値でマッピングされた偏光状態(緑の円)は、円偏光です。直線でも円偏光でもない楕円偏光状態は球体のその他の領域でマッピングされています。
ポアンカレ球には、経緯と緯度を利用して地球儀上の位置を特定するのと同じように偏光状態がマッピングされます。ポアンカレ球での座標は2つの角度(方位角、楕円率)と半径を使用して特定されます。方位角と楕円率のパラメータは、偏光状態を表す楕円偏光からとります。半径は光の偏光度から求められます。最大値は完全な偏光に相当する1です。
ポアンカレ球と楕円偏光はどちらも偏光状態の可視化と偏光の観察に役立ちます。しかしポアンカレ球の大きな利点は、偏光状態の変化の計算が簡素化されることです。
ポアンカレ球のデータポイント
方位角
半径1は、球面に相当し、光が完全に偏光していることを示します。半径は無偏光の割合が増えると、小さくなります。偏光度(DOP)は、偏光強度を合計の強度で割った値です。
偏光状態のストークスパラメータ(S1、S2、S3)は偏光状態のデカルト座標に相当します(下表をご覧ください)。
2つの偏光状態の計算方法
ポアンカレ球面上にプロットされた2つの偏光状態を1本の弧でつなぎ、球面三角法を用いてそれぞれの方位角および楕円率の差を計算することができます。これは偏光素子と相互作用した後の光の偏光状態を予測したり、任意の偏光状態を得るために偏光素子が与えるべき方位角と楕円率を決定するのに便利な方法です。
Cartesian to Poincaré Sphere Coordinates | |||
S1 = cos(2χ)*cos(2ψ) | |||
S2 = cos(2χ)sin(2ψ) | |||
S3 = sin(2χ) | |||
Selected Polarization States | Azimuth/2a | Ellipticity/2a | (S1, S2, S3) |
Horizontal Linear | ψ = 0 | χ = 0 | (1, 0, 0) |
+45° Linear | ψ = | χ = 0 | (0, 1, 0) |
Vertical Linear | ψ = | χ = 0 | (-1, 0, 0) |
-45° Linear | ψ = 3 | χ = 0 | (0, -1, 0) |
Right Circular | ψ = 0 | χ = | (0, 0, 1) |
Left Circular | ψ = 0 | χ = - | (0, 0, -1) |
参考文献
[1] Edward Collett, Polarized Light in Fiber Optics (Elsevier, Inc., New York, 2007) pp. 45-53.
[2] Russell A. Chipman, Wai-Sze Tiffany Lam, and Garam Young, Polarized Light and Optical Systems (CRC Press, New York, 2019) pp. 80-83.
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 最終更新日:2020年9月11日 |
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