シングルモードファイバーへの結合効率を上げる方法
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シングルモードファイバへの結合光量
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図2:シングルモードファイバへの光の結合効率を低下させる条件とは、入射ビームと、ファイバ導波モードの光学特性の類似性を損なわせるあらゆる状態です。
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図1:最大の結合効率でシングルモードファイバに結合するためには、光は軸上のガウシアンビームで、ウェスト位置がファイバの端面にあり、ウェスト径がMFDと等しくなる必要があります。
入射ビームの角度、位置、強度プロファイルの調整により、シングルモードファイバへの光の結合効率を向上させることができます。ファイバの端面が平坦かつファイバの長軸方向に対して垂直であることを想定し、結合効率は下記の基準を満たすビームにおいて最適化されます(図1参照)。
- ガウス分布の強度プロファイル
- ファイバ端面に垂直入射
- ビームウェストがファイバ端面にある
- ビームウェストの中心位置がファイバのコアにある
- ビームウェスト径がファイバのモードフィールド径(MFD)と等しい
これらの理想的な結合条件からかけ離れた状態を図2で示しています。
これらのビーム特性は、シングルモードファイバの導波モードの波動光学論に従っています。[1]
光源による結合効率の制限
次数が最も低い横モードを放射するレーザのみがガウス分布に近似するビームを生成し、そして結合効率の良い光をシングルモードファイバに結合することができます。
マルチモードファイバーレーザまたは広帯域光源からシングルモードファイバの導波モードに結合された光は、光がファイバ端面のコア領域に集光されたとしても結合効率は低くなります。 これらの光源からの光の大部分は、ファイバから漏れ出します。
結合効率が低い要因は、これらのマルチモード光源の光の一部のみしかシングルモードファイバの導波モードの特性に合致しないからです。光源の光を空間的にフィルタリングすることで、ファイバのコアに結合される光の量を見積もることはできます。シングルモードファイバが受光できるのは、最大でもフィルタを通ったガウシアンビームの光のみとなります。
マルチモード光源の光のファイバーコアへの結合効率は、シングルモードファイバの代わりにマルチモードファイバを使用すると改善します。
参考文献
[1] Andrew M. Kowalevicz Jr. and Frank Bucholtz, Beam Divergence from an SMF-28 Optical Fiber (NRL/MR/5650--06-8996) (Naval Research Laboratory, Washington, DC, 2006).
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 最終更新日:2020年1月17日 |
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