高出力対応集光対物レンズMicroSpot®、UVレーザ用

- Excimer-Grade UV Fused Silica and CaF2 Lens Elements
- Air-Spaced Designs with High Damage Thresholds
- AR Coatings to Optimize Transmission
- 3X to 50X Magnifications Available
LMUL-20X-UVB
20X, Long Working Distance, UV Achromatic Objective
LMU-40X-NUV
40X, UV Achromatic Objective
Application Idea
Two Focusing Objectives Mounted in a CSN200 Dual-Objective Nosepiece
Through Use of a Thread Adapter

Please Wait
Objective Lens Selection Guide |
---|
Objectives |
Super Apochromatic Microscope Objectives Microscopy Objectives, Dry Microscopy Objectives, Oil Immersion Physiology Objectives, Water Dipping or Immersion Phase Contrast Objectives Long Working Distance Objectives Reflective Microscopy Objectives UV Focusing Objectives VIS and NIR Focusing Objectives |
Scan Lenses and Tube Lenses |
Scan Lenses F-Theta Scan Lenses Infinity-Corrected Tube Lenses |
![]() |
---|
下の型番横の赤いアイコンをクリックするとZemaxファイルをダウンロードいただけます。また、こちらからは当社の全てのZemaxファイルの一括ダウンロードが可能です。 |

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この図ではラベル、作動距離、および同焦点距離を示しています。刻印されている仕様の様式は、対物レンズや製造メーカによって異なります(顕微鏡用対物レンズの種類については、「対物レンズのチュートリアル」タブをご覧ください)。
特長
- 焦点のスポットサイズ:≤5 µm(理論値)
- 入射側開口:≥3.4 mm
- 無限共役比設計
- ネジ付き筐体
- エアスペース型設計
用途
- レーザ刻印
- レーザ切断
- 3Dフォトリソグラフィ
- 3Dプリント
- ウェハのダイシングおよび検査
- レーザ誘起ブレークダウン分光法
UVアクロマティック集光対物レンズMicroSpot®は、UVエキシマレーザなどのUV光源と組み合わせて、レーザによる切断や刻印の用途にご使用いただける設計です。これらの対物レンズで使用されているレンズの材質は、高品質で吸収の少ないエキシマグレードの溶融石英とCaF2です。これらのレンズはARコーティングが施され、狭帯域または広帯域の波長範囲に対応しています(詳細は下の焦点シフト vs. ARコーティング性能のグラフをご覧ください)。対物レンズはW26 x 0.706ネジまたはRMSネジ付きです。他のネジ規格でご使用の場合は、顕微鏡対物レンズ用ネジアダプタのページをご覧ください。
集光対物レンズは強い光パワーが必要な様々な用途にご使用いただけます。集光されたエキシマ光源からの光は、特に眼科手術やフォトリソグラフィ、産業用のレーザ切断などに使用されます。 下記のセクションでは対物レンズの種類ごとに適した用途をご紹介しています。なお、こちらの対物レンズをシステムに組み込む場合、対物レンズのラベルに記載された倍率は、TTL200-UVBのような焦点距離200 mmのチューブレンズと共に使用することを想定して計算されていますのでご注意ください。
下のグラフは、当社のUV集光対物レンズMicroSpot®の透過率と焦点距離の移動量(FLS)を示しています。 透過率のグラフは各対物レンズの全透過率を示しています。 青い網掛け領域は、各対物レンズの光学素子に施したARコーティングの波長範囲を示しています。
長作動距離、アクロマティックUV集光対物レンズ

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生データはこちらからダウンロードいただけます。
LMULシリーズ対物レンズには、ご要望に応じてカスタム仕様によるVコーティングを施すことが可能です。このコーティングは、可視波長域において適度な透過率を保ちながら、下記のレーザ波長において透過率がピークとなるように設計されています。上記の焦点距離の移動量も記載された対物レンズの倍率において有効です。お見積りや納期については当社までお問い合わせください。
アクロマティックUV集光対物レンズ
狭帯域UV集光対物レンズ
狭帯域UV集光対物レンズ、レーザーライン対応ARコーティング付き
Chromatic Aberration Correction per ISO Standard 19012-2 | ||
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Objective Class | Common Abbreviations | Axial Focal Shift Tolerancesa |
Achromat | ACH, ACHRO, ACHROMAT | |δC' - δF'| ≤ 2 x δob |
Semiapochromat (or Fluorite) | SEMIAPO, FL, FLU | |δC' - δF'| ≤ 2 x δob |δF' - δe| ≤ 2.5 x δob |δC' - δe| ≤ 2.5 x δob |
Apochromat | APO | |δC' - δF'| ≤ 2 x δob |δF' - δe| ≤ δob |δC' - δe| ≤ δob |
Super Apochromat | SAPO | See Footnote b |
Improved Visible Apochromat | VIS+ | See Footnotes b and c |
顕微鏡用対物レンズの各部名称
各部名称をクリックすると詳細をご覧いただけます。
上の顕微鏡用対物レンズは1例です。アスタリスク(*)で示されている機構はすべての対物レンズに備わっているわけではありません。必要性や用途に応じて、追加されたり、位置が変更されたり、あるいは削除されたりしています。
対物レンズのチュートリアル
このチュートリアルでは対物レンズの様々な機構や表示、およびそれらが示す対物レンズの性能について説明します。
対物レンズの種類と収差補正
対物レンズは一般にその種類によって分類されています。対物レンズの種類によって、対物レンズがどのようにイメージング収差を補正するかが簡単に分かります。 対物レンズの種類によって示される収差補正には、像面湾曲と色収差の2つがあります。
像面湾曲(またはペッツヴァルの湾曲)は、対物レンズの焦点面が球面状に湾曲している状態を表します。この収差があるレンズでは、像面の中心に焦点を合わせると四隅が焦点から外れてしまうため、ワイドフィールド観察やレーザ走査などが困難になります。種類が「Plan」から始まる対物レンズの場合は、その焦点面が平面になるように補正されています。
また結像に際して色収差が生じる場合があり、そのときには1点から放射された光は波長により分散して1点に焦点を結びません。対物レンズによっては、性能と設計の複雑性の間でバランスをとるために、有限数のターゲット波長においてそれらの収差を補正するものがあります。
5種類の一般的な対物レンズを右表に示します。このうち3種類のみがISO 19012-2: Microscopes -- Designation of Microscope Objectives -- Chromatic Correctionで定義されています。より良い性能を表すために、当社ではISO規格には無い2つの種類を追加しています。
浸漬方法
詳細についてはそれぞれの対物レンズの画像をクリックしてご覧ください。
対物レンズは、イメージングのための光が透過する媒質によって分類することができます。ドライ対物レンズは空気中で使用しますが、液浸(DippingまたはImmersion)対物レンズは対物レンズと試料の間に液体を介在させて使用するように設計されています。
用語解説 | |
---|---|
後方焦点距離と無限遠補正 | 後方焦点距離は、中間結像面の位置を定義します。最新の対物レンズではこの面が無限遠の位置に置かれ(無限遠補正と呼ばれる)、そのようなレンズには(∞)が記されています。無限遠補正対物レンズは、対物レンズと接眼レンズの間にチューブレンズを挿入して使用するように設計されています。顕微鏡システムの互換性向上に加えて、このような無限遠補正された空間が対物レンズとチューブレンズの間にあることで、ほかのモジュール(ビームスプリッタ、フィルタ、同焦点距離エクステンダなど)を光路内に配置することが可能になります。 なお、旧型の対物レンズや特殊なタイプの対物レンズは、有限の後方焦点距離で設計されている場合があります。当初、有限の後方焦点距離の対物レンズは、顕微鏡の接眼レンズに直接対応するように作られていました。 |
入射瞳径(EP) | 入射瞳径(EP)は有効口径とも呼ばれ、対物レンズを適切に機能させるために使用すべき適切なビーム径に対応します。 EP = 2 × NA × Effective Focal Length (入射瞳径 = 2 × 開口数(NA) × 有効焦点距離) |
視野数と視野 | 視野数は、物体空間の視野の直径(mm単位)に対物レンズの倍率を乗じた値です。 Field Number = Field of View Diameter × Magnification(視野数= 視野直径 × 倍率) |
倍率 | 対物レンズの倍率(M)はチューブレンズの焦点距離(L)を対物レンズの焦点距離(F)で割った値です。有効焦点距離はEFLと略記されることがあります。 M = L / EFL . システムの総合倍率は、対物レンズの倍率に接眼レンズまたはカメラチューブの倍率を乗じて得られます。顕微鏡用対物レンズ筐体に示されている倍率は、その対物レンズに対応する焦点距離のチューブレンズと組み合わせてお使いになる場合にのみ正しい値です。対物レンズには、倍率を示す色のリングが付いています。これは比較的どのメーカでも共通しています。詳細は上の「顕微鏡用対物レンズの各部名称」をご覧ください。 |
開口数(NA) | 開口数は、対物レンズの最大受光角を表す無次元量です。一般的には下の式で表されます。 NA = ni × sinθa ここでθaは対物レンズの最大受光角度の1/2(半角)、niは媒質の屈折率です。典型的な媒質は空気ですが、水や油などほかの物質の場合もあります。 |
作動距離 | 作動距離(WD)は対物レンズの設計に依存しており、対物レンズの前面から試料の上部(カバーガラスを使用しない場合)まで、またはカバーガラスの上部までの距離を表します。対物レンズに刻印されているカバーガラスの厚さの仕様値により、カバーガラスを使用すべきかどうかが分かります。 |

カメラで画像を表示する場合、システム倍率は対物レンズの倍率とカメラチューブの倍率の積です。三眼鏡筒で画像を表示する時のシステム倍率は、対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率の積です。
Manufacturer | Tube Lens Focal Length |
---|---|
Leica | f = 200 mm |
Mitutoyo | f = 200 mm |
Nikon | f = 200 mm |
Olympus | f = 180 mm |
Thorlabs | f = 200 mm |
Zeiss | f = 165 mm |
倍率と試料領域の計算方法
倍率
システムの倍率はシステム内の各光学素子の倍率の積で求めます。倍率のある光学素子には右図の通り、対物レンズ、カメラチューブ、そして三眼鏡筒の接眼レンズが含まれます。なお、各製品仕様に記載されている倍率は通常、すべて同じメーカの光学素子を使用した時のみ有効であることにご留意ください。同じメーカの光学素子を使用していない場合、システムの倍率は下記の通り、まず対物レンズの有効倍率を求めたあと算出する必要があります。
下記の例をお手持ちの顕微鏡に応用する場合には、上のMagnification and FOV Calculator(赤いボタンをクリック)をダウンロードしてご使用ください。こちらの計算用エクセルファイルはマクロを使用したスプレッドシートになっています。計算を行う際はマクロを有効にする必要があります。マクロを有効にするには、ファイルを開いて、上部にある黄色いメッセージバー上の「編集を有効にする」ボタンをクリックしてください。
例1:カメラの倍率
試料をカメラでイメージングする場合、イメージは対物レンズとカメラチューブによって拡大されます。倍率が20倍のNikon製対物レンズと倍率が0.75倍のNikon製カメラチューブを使用している場合、カメラの倍率は20倍 × 0.75倍 = 15倍となります。
例2:三眼鏡筒の倍率
三眼鏡筒を通して試料をイメージングする場合、イメージは対物レンズの倍率と三眼鏡筒内の接眼レンズによって拡大されます。倍率が20倍のNikon製対物レンズと接眼レンズの倍率が10倍のNikon製三眼鏡筒を使用している場合、接眼レンズでの倍率は20倍 × 10倍 = 200倍となります。なお、右図のように接眼レンズでの像はカメラチューブを通りません。
メーカが異なる対物レンズと顕微鏡を使用する場合
倍率は根源的な値ではなく、特定のチューブレンズの焦点距離を推定して計算し、導き出す値です。右の表のように各顕微鏡メーカはチューブレンズに様々な焦点距離を設定しています。そのため異なるメーカの光学素子を組み合わせる場合、システムの倍率を算出するには対物レンズの有効倍率を計算する必要があります。
対物レンズの有効倍率は式1で求められます。
![]() | (Eq. 1) |
ここでDesign Magnificationは対物レンズに印字されている倍率、fTube Lens in Microscopeは使用する顕微鏡内のチューブレンズの焦点距離、fDesign Tube Lens of ObjectiveはDesign Magnificationを算出するために対物レンズのメーカが使用したチューブレンズの焦点距離です。焦点距離は右表に記載されています。
Leica、Mitutoyo、Nikonならびに当社ではチューブレンズの焦点距離は同じです。これらのメーカの光学素子を組み合わせた場合、倍率の変換は必要ありません。対物レンズの有効倍率が算出されたら、上記のようにシステムの倍率が計算できます。
例3:三眼鏡筒の倍率(異なるメーカを使用)
三眼鏡筒を通して試料をイメージングする場合、イメージは対物レンズの倍率と三眼鏡筒内の接眼レンズによって拡大されます。この例では倍率が20倍のOlympus製対物レンズと接眼レンズの倍率が10倍のNikon製三眼鏡筒を使用します。
式1と右の表によりNikon製顕微鏡内のOlympus製対物レンズの有効倍率を下記の通り計算しました。
![]() |
Olympus製対物レンズの有効倍率は22.2倍で、三眼鏡筒の接眼レンズの倍率は10倍なので、接眼レンズでの倍率は、22.2倍 × 10倍 = 222倍となります。

カメラでイメージングする試料領域
試料をカメラでイメージングする場合、試料領域の寸法はカメラセンサの寸法とシステム倍率を使用して下の式2で求められます。
![]() | (Eq. 2) |
カメラセンサの寸法はメーカが提供しています。またシステム倍率は対物レンズの倍率とカメラチューブの倍率の積です(例1をご参照ください)。必要に応じ、対物レンズの倍率を例3のように調整します。
倍率が高くなればなるほど分解能も向上しますが、視野は狭くなります。倍率と視野の関係性については右の図でご覧いただけます。
例4:試料領域
当社のサイエンティフィックカメラ1501M-USB(旧製品)内のカメラセンサの寸法は8.98 mm × 6.71 mmです。このカメラを例1のNikon製対物レンズと三眼鏡筒に使用した場合、システム倍率は15倍となります。イメージングの領域は下記の通りになります。
![]() |
試料領域例
下のマウス腎臓の画像はすべて同じ対物レンズとカメラを使用して取得しました。ただし、カメラチューブのみ違う製品を使用しています。左から右の画像にいくにつれカメラチューブの倍率が下がっていますが、視野が広くなる分、細部も小さくなり見にくくなることが分かります。

図1: ガウシアンビームの強度プロファイルはゼロに漸近する形状であるため、スポットサイズの定義として半値全幅(FWHM)または1/e2幅が慣習として用いられています。このチュートリアルでは後者の定義を使用しています。
スポットサイズのチュートリアル
レンズや対物レンズによって集光されたレーザービームのスポットサイズは、多くの用途において重要なパラメータです。このチュートリアルでは、初期のビーム径と入射瞳径の比(トランケーション比)が与える集光スポットサイズへの影響と、集光スポットサイズをこの比の関数として表した計算式について説明します。集光素子を透過するパワーもトランケーション比に依存するため、スポットサイズとパワー透過率の最適なバランスはその用途に依存します。
当社の集光対物レンズについては、入射するガウシアンビームのビーム径(1/e2)と入射瞳径が等しいときの集光スポットサイズの推定値を提示しています。この条件での集光スポットサイズは、s ≈ 1.83λN、またはその等価な式としてのs ≈ 1.83λ/(2*NA)によって求められます。ここでN、NA はそれぞれ対物レンズのf値と開口数で、このときに透過する光パワーは入射ビームの86%です。
ガウシアンビームプロファイル
レーザービームは一般に横方向の強度プロファイルを有し、それは下記のガウス関数で近似できます。,
ここで、wはビームの半幅、すなわちビームウェスト半径です。このビームウェスト半径は、慣習により強度が軸上の最大値I0から I0/e2 ≈ 0.14I0に減少した地点までの半径(r)として定義されています。レーザービームのスポットサイズはビームウェスト半径の2倍で定義され、このスポットサイズの円内にはビームの全強度の86%が含まれます。
レーザービームを対物レンズで集光したとき、得られるスポットサイズ(s)は、光の波長(λ)、対物レンズに入射するビームの直径(S)、対物レンズの焦点距離(f)および対物レンズの入射瞳径(D)に依存します。ここまでで、無次元パラメータとして、集光距離と入射瞳径の比である(N = f/D)と、ビーム径と入射瞳径の比であるトランケーション比(T = S/D)が導入されています。f値は対物レンズによって決まる値ですが、トランケーション比は入射ビーム径の大きさを変えることで調整が可能です。
スポットサイズとトランケーション比
集光スポットサイズは、波長、トランケーション比、およびf値を用いて次の式で表されます。
ここでK(T)は、スポットサイズ係数と呼ばれ、トランケーション比(ビーム径と入射瞳径の比)の関数です[1]。集光の強度プロファイルを計算し、さらに個別のTの値に対する集光スポットサイズを求め、そのような数値計算によって得られたKの値を、下の図2に黒い四角でプロットしています。以下で説明するように、青い実線と破線はガウシアンビームの理論によって予測された係数、灰色の線はエアリーディスクの強度プロファイルに対するKの値、赤い線は T ≥ 0.5における計算値に対する多項式フィッティングを示しています。

図2: T < 0.5 の青い網掛け領域は、ガウシアンビームの理論により集光スポットサイズを正確に推定できることを示しています。しかし、それ以上の領域ではトランケーション(ケラレ)の影響は無視できず、実際のスポットサイズは大きくなります。T → ∞では、係数は灰色の実線で示すエアリーディスクによる値の1.6449に漸近します。

図3:ビーム径Sのガウシアンビームが直径Dの入射開口を通過するときのパワー透過率を、トランケーション比T = S/Dの関数として示しています。青い網掛け領域は、トランケーションによるスポットサイズへの影響が無視できる領域を示しています。
Tの大きい極限(T → ∞)と小さい極限(T → 0)では、Kの値はよく知られている理論値に漸近します。小さなT、すなわち入射するガウシアンビームのビーム径よりも入射瞳が非常に大きい場合には、Kは1.27/Tに従います。ガウシアンビームの伝搬理論[2] から、ガウシアンビームを集光して得られる最小スポットサイズとしてs ≈ 1.27λf/Sが得られます。ここにDを代入してNおよびTで表すように書き変えると、この式は上のスポットサイズの式と同じ形のs = (1.27/T)λNとなり、その結果K = 1.27/Tが得られます。上の図2から分かるように、T ≈ 0.5以下、すなわち入射瞳径Dが入射ビーム径Sの2倍以上の場合には、この式により集光スポットサイズを正確に予測することができます。T = 0.5では、数値計算の結果と青い点線の偏差が示すように、この式でのKの値は過小評価となります。

図4: エアリーディスクプロファイルのスポットサイズは、一般に最初に強度がゼロになる半径によって定義されます。半径をλNの単位で表すと、その値は1.22λNとなり、そのスポットサイズは2.44λNになります。同じプロファイルの1/e2半径は0.82245λNとなり、そのスポットサイズは1.6449λNになります。
Tが大きくなると、開口に当たるビーム強度はより均一になります。その結果として、集光スポットの強度プロファイルは、ガウシアンプロファイルからエアリーディスクプロファイルに移行します。大きいTの極限では、このことがKの値に反映され、では一定値1.6449に漸近します。図4に示すように、この値はエアリーディスクの1/e2 スポットサイズに対応し、良く知られている最初の強度極小値に対応する2.44λNではありません。[3]
Tの中間の値は多くの用途で当てはまる値ですが、そこでのKの正確な理論値は得られません。その代わりとして、数値計算結果に対して2つの項で多項式フィッティングした式(上図の赤い線)があります。各項の係数は下の表に示します。(この多項式フィッティングでは1/Tを独立変数として使用しました)。この式は、T ≥ 0.5 でのKの推定に使用できます。
Spot Size Coefficient, K(T) | |
---|---|
Truncation Ratio | Equation |
T < 0.5 (Gaussian Regime) | ![]() |
T ≥ 0.5 (Intermediate and Uniform/Airy Regimes) | ![]() |
スポットサイズとパワー透過率
上の結果は、Tの中間領域でTを増加させると、より小さなスポットサイズが得られることを示しています。しかし、そうすると入射開口を通過する光パワーを減少させることになり、それではスポットサイズを小さくする価値が無いかもしれません。直径Dの入射瞳を通過するパワーをTの関数として表したグラフが図3です。T = 1、すなわちガウシアンビームのスポットサイズと入射瞳径が同じであるときに、透過するパワーは入射パワーの86%です。Tを1から2に増加させると、スポットサイズは≈ 9%小さくなりますが、透過するパワーは86%から40%に減少します。
スポットサイズとパワー透過率の最適なバランスは用途に依存します。当社では、提供している全ての集光用対物レンズについて、入射するガウシアンビームのビーム径と入射瞳径が等しいとき、すなわちT = 1における集光スポットサイズの推定値を提示しています。このときのスポットサイズは、s ≈ 1.83λNまたはs ≈ 1.83λ/(2*NA)で与えられます(ここで、NおよびNAは、それぞれ対物レンズのf値および開口数です)。
参考文献
[1] Hakan Urey, "Spot size, depth-of-focus, and diffraction ring intensity formulas for truncated Gaussian beams," Appl. Opt. 43, 620-625 (2004)
[2] Sidney A. Self, "Focusing of spherical Gaussian beams," Appl. Opt. 22, 658-661 (1983)
[3] Eugene Hecht, "Optics," 4th Ed., Addison-Wesley (2002)
AR Coating Suffix | Pulsed Damage Threshold |
---|---|
-UVB | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) |
-NUV | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) |
-266 | 5.0 J/cm2 (266 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.127 mm) |
-351 | 10 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.406 mm) |
高出力対応集光対物レンズARコーティングの損傷閾値データ
こちらの対物レンズの損傷閾値の制限要因はARコーティングです。右の仕様は、当社の高出力対応集光対物レンズの光学面に施された反射防止コーティングの測定値です。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。

上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。

Example Test Data | |||
---|---|---|---|
Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
---|---|---|---|---|
Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

Figure 71A ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(Figure 71A参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
レーザの安全性とクラス分類
レーザを取り扱う際には、安全に関わる器具や装置を適切に取扱い、使用することが重要です。ヒトの目は損傷しやすく、レーザ光のパワーレベルが非常に低い場合でも障害を引き起こします。当社では豊富な種類の安全に関わるアクセサリをご提供しており、そのような事故や負傷のリスクの低減にお使いいただけます。可視域から近赤外域のスペクトルでのレーザ発光がヒトの網膜に損傷を与えうるリスクは極めて高くなります。これはその帯域の光が目の角膜やレンズを透過し、レンズがレーザーエネルギを、網膜上に集束してしまうことがあるためです。
安全な作業および安全に関わるアクセサリ
- クラス3または4のレーザを取り扱う場合は、必ずレーザ用保護メガネを装着してください。
- 当社では、レーザのクラスにかかわらず、安全上無視できないパワーレベルのレーザ光線を取り扱う場合は、ネジ回しなどの金属製の器具が偶然に光の方向を変えて再び目に入ってしまうこともあるので、レーザ用保護メガネを必ずご使用いただくようにお勧めしております。
- 特定の波長に対応するように設計されたレーザ保護眼鏡は、装着者を想定外のレーザ反射から保護するために、レーザ装置付近では常に装着してください。
- レーザ保護眼鏡には、保護機能が有効な波長範囲およびその帯域での最小光学濃度が刻印されています。
- レーザ保護カーテンやレーザー安全保護用布は実験室内での高エネルギーレーザの遮光にご使用いただけます。
- 遮光用マテリアルは、直接光と反射光の両方を実験装置の領域に封じ込めて外に逃しません。
- 当社の筺体システムは、その内部に光学セットアップを収納し、レーザ光を封じ込めて危険性を最小限に抑えます。
- ピグテール付き半導体レーザは、他のファイバに接続、もしくは他のファイバとの接続を外す際には、レーザ出力をOFFにしてください。パワーレベルが10 mW以上の場合には特にご注意ください。
- いかなるビーム光も、テーブルの範囲で終端させる必要があります。また、レーザ使用中には、研究室の扉は必ず閉じていなければなりません。
- レーザ光の高さは、目線の高さに設定しないでください。
- 実験は光学テーブル上で、全てのレーザービームが水平を保って直進するように設定してください。
- ビーム光路の近くで作業する人は、光を反射する不要な装飾品やアクセサリ(指輪、時計など)をはずしてください。
- レンズや他の光学装置が、入射光の一部を、前面や背面で反射する場合がありますのでご注意ください。
- あらゆる作業において、レーザは必要最小限のパワーで動作するようにご留意ください。
- アライメントは、可能な限りレーザの出力パワーを低減して作業を行ってください。
- ビームパワーを抑えるためにビームシャッタや フィルタをお使いください。
- レーザのセットアップの近くや実験室には、適切なレーザ標識やラベルを掲示してください。
- クラス3Rやクラス4のレーザ(安全確保用のインターロックが必要となるレーザーレベルの場合)で作業する場合は、警告灯をご用意ください。
- ビームトラップの代用品としてレーザービュワーカードを使用したりしないでください。
レーザ製品のクラス分け
レーザ製品は、目などの損傷を引き起こす可能性に基づいてクラス分けされています。国際電気標準会議(The International Electrotechnical Commission 「IEC」)は、電気、電子工学技術関連分野の国際規格の策定および普及を行う国際機関で、IEC60825-1は、レーザ製品の安全性を規定するIEC規格です。レーザ製品のクラス分けは下記の通りです
Class | Description | Warning Label |
---|---|---|
1 | ビーム内観察用の光学機器の使用を含む、通常の条件下での使用において、安全とみなされているクラス。このクラスのレーザ製品は、通常の使用範囲内では、人体被害を及ぼすエネルギーレベルのレーザを発光することがないので、最大許容露光量(MPE)を超えることはありません。このクラス1のレーザ製品には、筐体等を開かない限り、作業者がレーザに露光することがないような、完全に囲われた高出力レーザも含まれます。 | ![]() |
1M | クラス1Mのレーザは、安全であるが、望遠鏡や顕微鏡と併用した場合は危険な製品になり得ます。この分類に入る製品からのレーザ光は、直径の大きな光や拡散光を発光し、ビーム径を小さくするために光を集束する光学素子やイメージング用の光学素子を使わない限り、通常はMPEを超えることはありません。しかし、光を再び集光した場合は被害が増大する可能性があるので、このクラスの製品であっても、別の分類となる場合があります。 | ![]() |
2 | クラス2のレーザ製品は、その出力が最大1 mWの可視域での連続放射光に限定されます。瞬目反射によって露光が0.25秒までに制限されるので、安全と判断されるクラスです。このクラスの光は、可視域(400~700 nm)に限定されます。 | ![]() |
2M | このクラスのレーザ製品のビーム光は、瞬目反射があるので、光学機器を通して見ない限り安全であると分類されています。このクラスは、レーザ光の半径が大きい場合や拡散光にも適用されます。 | ![]() |
3R | クラス3Rのレーザ製品は、直接および鏡面反射の観察条件下で危険な可視光および不可視光を発生します。特にレンズ等の光学機器を使用しているときにビームを直接見ると、目が損傷を受ける可能性があります。ビーム内観察が行われなければ、このクラスのレーザ製品は安全とみなされます。このクラスでは、MPE値を超える場合がありますが、被害のリスクレベルが低いクラスです。可視域の連続光のレーザの出力パワーは、このレベルでは5 mWまでとされています。 | ![]() |
3B | クラス3Bのレーザは、直接ビームを見た場合に危険なクラスです。拡散反射は通常は有害になることはありませんが、高出力のクラス3Bレーザを使用した場合、有害となる場合もあります。このクラスで装置を安全に操作するには、ビームを直接見る可能性のあるときにレーザ保護眼鏡を装着してください。このクラスのレーザ機器にはキースイッチと安全保護装置を設け、さらにレーザ安全表示を使用し、安全照明がONにならない限りレーザがONにならないようにすることが求められます。Class 3Bの上限に近いパワーを出力するレーザ製品は、やけどを引き起こすおそれもあります。 | ![]() |
4 | このクラスのレーザは、皮膚と目の両方に損傷を与える場合があり、これは拡散反射光でも起こりうるとみなされています。このような被害は、ビームが間接的に当たった場合や非鏡面反射でも起こることがあり、艶消し面での反射でも発生することがあります。このレベルのレーザ機器は細心の注意を持って扱われる必要があります。さらに、可燃性の材質を発火させることもあるので、火災のリスクもあるレーザであるとみなされています。クラス4のレーザには、キースイッチと安全保護装置が必要です。 | ![]() |
全てのクラス2以上のレーザ機器には、上記が規定する標識以外に、この三角の警告標識が表示されていなければいけません。 | ![]() |
Posted Comments: | |
Ori Golani
 (posted 2022-02-22 19:45:53.777) Can you please provide the transmission and focal shift for LMU-5X-NUV and LMU-20X-NUV at 1030nm wavelength?
Is the power loss caused due to absorption, or simply reflection? cdolbashian
 (posted 2022-03-08 11:13:13.0) Thank you for reaching out to us Ori. I have contacted you directly to discuss the focal shift and theoretical transmission at the specified wavelength. The power losses are mainly due to reflection of the -NUV coating. user
 (posted 2021-11-16 10:56:12.24) What is the tolerance on parafocal length of LMU-5X-NUV (63.8 mm) ? YLohia
 (posted 2021-11-23 02:04:47.0) Thank you for contacting Thorlabs. I have reached out to you directly with this information. Paul Godijn
 (posted 2021-04-22 04:56:05.033) Best sales
Can you give me the spot size,
I want to build an installation that can detect cut lines in a coating.
With a linear slide I let this laser move over the surface.
That way I can measure the mutual distance of these cuts.
The linear carriage to be used has a displacement accuracy of +/- 2 mu The cut itself is +/- 260 microns wide and I am supposed to be able to locate the deepest point.
Thank you in advance,
Sincerely,
Paul Godijn.
Paul.Godijn@MacdermidAlpha.com YLohia
 (posted 2021-04-22 11:25:26.0) Hello Paul, thank you for contacting Thorlabs. Please see the specs table below. We specify the focused spot size for the LMUL-50X-UVB to be 0.7 µm at the center wavelength, assuming the entrance aperture is filled and the input beam profile is Gaussian. Jhon Vera
 (posted 2021-01-25 21:51:43.943) Hello, we want to use the LMU-15X-UVB for a 4 W power appliction. The described transmission is around ~90% for the 343 nm wavelength. Will the other ~10 % be absorbed by the AR coating? Do you have some kind of thermal effect measurement or absorption measurement? YLohia
 (posted 2021-01-28 10:39:50.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. Losses in the LMU-15X-UVB are distributed over multiple optical surfaces and the losses mostly come from surface reflections, so thermal effects of absorption can be neglected. Unfortunately, we don't have any thermal effect measurements for this objective lens. d00245003
 (posted 2018-10-14 00:06:47.433) Is it possible to use the LMU-15X-193 in the vacuum environment (~5e-6 Torr) YLohia
 (posted 2018-10-15 12:00:38.0) Hello, unfortunately, the LMU-15X-193 is not recommended for vacuum use. We may be able to offer a special vacuum compatible version of this depending on your requirements. We will reach out to you directly to discuss this. jasmine.sears
 (posted 2018-02-26 18:39:10.123) What is the back focal distance of the LMU-20X-NUV objective? llamb
 (posted 2018-04-05 09:16:24.0) Thank you for contacting Thorlabs. Could you please clarify what you mean by the back focal distance? The back focal length is usually specified from the last lens surface, which is inside the objective housing in this case. If you are looking for the parfocal length (the distance from the mounting surface to the focus), this is 39.1 mm for the LMU-20X-NUV. I have reached out to you directly as well. dominik
 (posted 2016-07-14 21:16:31.887) Can I get a 40x objective with a narrow band pass filter at around 213? What coating are available for the 40x ones leo.basset
 (posted 2016-05-24 08:16:35.057) Is it possible to use these for imaging applications or are they limited to focusing light? besembeson
 (posted 2016-05-25 12:20:32.0) Response from Bweh at Thorlabs USA: These are designed for focusing applications, which will typically be for high power monochromatic sources. Except your imaging application is with a monochromatic source at the design wavelength, the image will suffer from spherical and chromatic aberrations. I will recommend considering the other objectives we provide designed for general imaging applications. hussainm1
 (posted 2016-03-15 12:39:57.987) What is the transmittance of both broadband and narrowband 20x objective at wavelength range 800-900 nm? besembeson
 (posted 2016-03-17 11:21:44.0) Response from Bweh at Thorlabs USA: I will contact you with an estimate. user
 (posted 2015-08-02 16:29:58.373) what is the thread of those? myanakas
 (posted 2015-08-03 10:03:51.0) Response from Mike at Thorlabs: Thank you for your feedback. Each of our High-Power UV Focusing Objectives have an externally RMS-threaded (0.800"-36) Housing. Since contact information was not provided I was unable to contact you directly. If you are in need of further assistance please contact our technical support department at TechSupport@Thorlabs.com user
 (posted 2014-05-07 09:47:49.857) What is focus length of tube lens if considering magnifications? 200mm ? 180mm? jlow
 (posted 2014-05-07 11:33:04.0) Response from Jeremy at Thorlabs: The tube lens focal length is 200mm. klee
 (posted 2009-10-15 10:23:07.0) A response from Ken at Thorlabs to cjohansson: The link is working now. cjohansson
 (posted 2009-10-15 09:26:27.0) the link to "visible imaging objectives" in the selection guide is broken. |

- 240~360 nm用ARコーティング付き
- 倍率:10倍、20倍または50倍
- 回折限界性能
- NA:0.25、0.36または0.42
- W26 x 0.706外ネジ、ネジ深さ5 mm
こちらの対物レンズは、軸上焦点シフトを小さくしつつ、長い作動距離を確保しています。UV域と可視域で色収差が最適化されるように設計されています。 有効径全体にわたり回折限界性能が保証されています。この対物レンズはレーザ切断、医療用レーザの集光、分光測定などの用途に適しています。また、狭帯域のUVレーザを照射して行う明視野イメージングのような、走査型のマイクロイメージングの用途にもご使用いただけます。 こちらの対物レンズには、蓋OC2M26と容器OC24で構成された付属の対物レンズ用ケースに収めて送付いたします。カスタム仕様のARコーティングも可能です。当社までご連絡ください。広帯域近紫外域(325 nm~500 nm)、デュアルバンド(266および532 nm)、レーザーライン(248 nm、266 nm、355 nmまたは 532 nm)などにも対応可能です。詳細は「グラフ」タブをご覧ください。
Item # | AR Coating Range | Ma | WD | EFL | PFL | NA | EPb | Spot Sizec | OFN | Typical Transmission | Max Reflectance per Surfaced | Pulsed Damage Threshold | Design Tube Lens Focal Lengthe |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LMUL-10X-UVB | 240 - 360 nm | 10X | 20.0 mm | 20 mm | 95.0 mm | 0.25 | 10.0 mm | 1.3 µm | 24 | ![]() Raw Data | (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | 200 mm |
LMUL-20X-UVB | 20X | 15.3 mm | 10 mm | 0.36 | 7.2 mm | 0.9 µm | ![]() Raw Data | ||||||
LMUL-50X-UVB | 50X | 12.0 mm | 4 mm | 0.42 | 3.4 mm | 0.8 µm | ![]() Raw Data |


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生データはこちらからダウンロードいただけます。
- ARコーティング付き:240~360 nm、325~500 nm
- 倍率:5倍、20倍、40倍
- 開口の70 %までのビーム径に対して回折限界に近い性能
- NA:0.12~0.50
- RMS (0.800"-36)外ネジ、ネジ深さ3.8 mm
こちらの倍率5倍、20倍、40倍の対物レンズは、ARコーティングの波長範囲に渡って軸焦点シフトが最小に抑えられるよう波長補正されています。回折限界性能は、各対物レンズの開口の70 %までのビーム径で得られます。こちらの対物レンズは、多色光の集光に適しているため、分光、ウェハ検査、外科的レーザ用途に便利です。視野が小さいため、イメージング用途においては性能が制限されます。
これらの対物レンズは、RMS外ネジ付きのため、当社のファイバ入射システムほか、RMSマウントHCS013を使用することにより当社のあらゆるフレクシャーステージに取り付けが可能です。対物レンズ用ケース(蓋OC2RMSおよび容器OC22)と、アルミニウム製キャップ(RMSCP1)は別売りでご提供しております。
Item # | AR Coating Range | Ma | WD | EFL | PFL | NA | EPb | Spot Sizec | OFN | Typical Transmission | Max Reflectance per Surfaced | Pulsed Damage Threshold | Design Tube Lens Focal Lengthe |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LMU-5X-UVB | 240 - 360 nm | 5X | 37.3 mm | 39.8 mm | 63.7 mm | 0.12 | 9.9 mm | 3 µm | 18 | ![]() Raw Data | < 1.5% (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | 200 mm |
LMU-5X-NUV | 325 - 500 nm | 5X | 37.5 mm | 39.9 mm | 63.8 mm | 0.12 | 9.9 mm | 4 µm | 18 | ![]() Raw Data | < 1.0% (325 - 500 nm) | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) | |
LMU-20X-UVB | 240 - 360 nm | 20X | 4.1 mm | 9.9 mm | 39.1 mm | 0.39 | 8.0 mm | 1 µm | 5 | ![]() Raw Data | < 1.5% (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | |
LMU-20X-NUV | 325 - 500 nm | 20X | 4.1 mm | 10.1 mm | 39.1 mm | 0.38 | 8.0 mm | 1 µm | 5 | ![]() Raw Data | < 1.0% (325 - 500 nm) | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) | |
LMU-40X-UVB | 240 - 360 nm | 40X | 0.8 mm | 5.2 mm | 34.4 mm | 0.49 | 5.1 mm | 1 µm | 10 | ![]() Raw Data | < 1.5% (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | |
LMU-40X-NUV | 325 - 500 nm | 40X | 0.8 mm | 5.3 mm | 34.5 mm | 0.47 | 5.1 mm | 1 µm | 10 | ![]() Raw Data | < 1.0% (325 - 500 nm) | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) |


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生データはこちらからダウンロードいただけます。
- ARコーティング付き:240~360 nm、325~500 nm
- 倍率:3倍、10倍、15倍
- 開口の70 %までのビーム径に対して回折限界に近い性能
- NA:0.08~0.31
- RMS (0.800"-36)外ネジ、ネジ深さ3.8 mm
こちらの対物レンズの倍率は、3倍、10倍、15倍です。単色光向け設計のため、最適な光学性能を得るためには、ARコーティングの波長範囲内の狭帯域レーザを使用してください。回折限界性能は、各対物レンズの開口の70 %までのビーム径で得られます。また当社では、さらに狭帯域コーティングの対物レンズもご用意しております(下記参照)。
これらの対物レンズは、RMS外ネジ付きのため、当社のファイバ入射システムほか、RMSマウントHCS013を使用することにより当社のあらゆるフレクシャーステージに取り付けが可能です。対物レンズ用ケース(蓋OC2RMSおよび容器OC22)と、アルミニウム製キャップ(RMSCP1)は別売りでご提供しております。
Item # | AR Coating Range | Ma | WD | EFL | PFL | NA | EPb | Spot Sizec | OFN | Typical Transmission | Max Reflectance per Surfaced | Pulsed Damage Threshold | Design Tube Lens Focal Lengthe |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LMU-3X-UVB | 240 - 360 nm | 3X | 50.1 mm | 60.4 mm | 76.3 mm | 0.08 | 9.9 mm | 4 µm | 15 | ![]() Raw Data | < 1.5% (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | 200 mm |
LMU-3X-NUV | 325 - 500 nm | 3X | 50.7 mm | 61.0 mm | 76.9 mm | 0.08 | 9.9 mm | 6 µm | 17 | ![]() Raw Data | < 1.0% (325 - 500 nm) | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) | |
LMU-10X-UVB | 240 - 360 nm | 10X | 15.0 mm | 20.5 mm | 47.2 mm | 0.24 | 9.9 mm | 2 µm | 11 | ![]() Raw Data | < 1.5% (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | |
LMU-10X-NUV | 325 - 500 nm | 10X | 15.6 mm | 21.2 mm | 47.7 mm | 0.23 | 9.9 mm | 1 µm | 13 | ![]() Raw Data | < 1.0% (325 - 500 nm) | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) | |
LMU-15X-UVB | 240 - 360 nm | 15X | 8.3 mm | 13.6 mm | 44.7 mm | 0.31 | 8.5 mm | 1 µm | 12 | ![]() Raw Data | < 1.5% (240 - 360 nm) | 5.0 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 20 Hz, Ø0.342 mm) | |
LMU-15X-NUV | 325 - 500 nm | 15X | 8.6 mm | 14.1 mm | 45.1 mm | 0.30 | 8.5 mm | 2 µm | 13 | ![]() Raw Data | < 1.0% (325 - 500 nm) | 3.0 J/cm2 (355 nm, 6.6 ns, 20 Hz, Ø0.206 mm) |


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生データはこちらからダウンロードいただけます。
- ARコーティング付き:192~194 nm、240~260 nm、248~287 nm、325~380 nm
- 倍率:3倍、10倍、15倍
- 開口の70 %までのビーム径に対して回折限界に近い性能
- NA:0.08~0.35
- RMS (0.800"-36)外ネジ、ネジ深さ3.8 mm
こちらの倍率3倍、10倍、15倍の対物レンズは、Excimerレーザーラインを中心にした狭帯域で、1面当たりの反射率が最大<1%で損傷閾値が高いARコーティング処理がされています。そのため、レーザ切断や、高出力での部品のマイクロマシニング(微細加工)に適しています。
これらの対物レンズは、RMS外ネジ付きのため、当社の ファイバ入射システムほか、RMSマウントHCS013を使用することにより当社のあらゆるフレクシャーステージに取り付けが可能です。対物レンズ用ケース(蓋OC2RMSおよび容器OC22)と、アルミニウム製キャップ(RMSCP1)は別売りでご提供しております。
Item # | AR Coating Range | Ma | WD | EFL | PFL | NA | EPb | Spot Sizec | OFN | Typical Transmission | Max Reflectance per Surfaced | Pulsed Damage Threshold | Design Tube Lens Focal Lengthe |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LMU-3X-193 | 192 - 194 nm | 3X | 48.6 mm | 59.0 mm | 74.7 mm | 0.08 | 9.9 mm | 2 µm | 12 | ![]() Raw Data | < 0.3% (192 - 194 nm) | - | 200 mm |
LMU-3X-248 | 240 - 260 nm | 3X | 49.5 mm | 59.8 mm | 75.7 mm | 0.08 | 9.9 mm | 3 µm | 15 | ![]() Raw Data | < 0.5% (240 - 260 nm) | - | |
LMU-3X-266 | 248 - 287 nm | 3X | 49.7 mm | 60.0 mm | 75.9 mm | 0.08 | 9.9 mm | 3 µm | 16 | ![]() Raw Data | < 0.7% (248 - 287 nm) < 0.2% (256 - 275 nm) | 5.0 J/cm2 (266 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.127 mm) | |
LMU-3X-351 | 325 - 380 nm | 3X | 50.5 mm | 60.7 mm | 76.6 mm | 0.08 | 9.9 mm | 4 µm | 18 | ![]() Raw Data | < 0.7% (325 - 380 nm) < 0.2% (335 - 362 nm) | 10 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.406 mm) | |
LMU-10X-193 | 192 - 194 nm | 10X | 13.2 mm | 18.2 mm | 45.3 mm | 0.27 | 9.9 mm | 1 µm | 9 | ![]() Raw Data | < 0.3% (192 - 194 nm) | - | |
LMU-10X-248 | 240 - 260 nm | 10X | 14.5 mm | 19.8 mm | 46.6 mm | 0.25 | 9.9 mm | 1 µm | 11 | ![]() Raw Data | < 0.5% (240 - 260 nm) | - | |
LMU-10X-266 | 248 - 287 nm | 10X | 14.7 mm | 20.1 mm | 46.8 mm | 0.25 | 9.9 mm | 1 µm | 12 | ![]() Raw Data | < 0.7% (248 - 287 nm) < 0.2% (256 - 275 nm) | 5.0 J/cm2 (266 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.127 mm) | |
LMU-10X-351 | 325 - 380 nm | 10X | 15.4 mm | 20.9 mm | 47.5 mm | 0.24 | 9.9 mm | 1 µm | 14 | ![]() Raw Data | < 0.7% (325 - 380 nm) < 0.2% (335 - 362 nm) | 10 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.406 mm) | |
LMU-15X-193 | 192 - 194 nm | 15X | 7.2 mm | 12.0 mm | 43.7 mm | 0.35 | 8.5 mm | 1 µm | 9 | ![]() Raw Data | < 0.3% (192 - 194 nm) | - | |
LMU-15X-248 | 240 - 260 nm | 15X | 8.0 mm | 13.1 mm | 44.4 mm | 0.32 | 8.5 mm | 1 µm | 12 | ![]() Raw Data | < 0.5% (240 - 260 nm) | - | |
LMU-15X-266 | 248 - 287 nm | 15X | 8.1 mm | 13.3 mm | 44.5 mm | 0.32 | 8.5 mm | 1 µm | 13 | ![]() Raw Data | < 0.7% (248 - 287 nm) < 0.2% (256 - 275 nm) | 5.0 J/cm2 (266 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.127 mm) | |
LMU-15X-351 | 325 - 380 nm | 15X | 8.5 mm | 13.9 mm | 44.9 mm | 0.31 | 8.5 mm | 1 µm | 13 | ![]() Raw Data | < 0.7% (325 - 380 nm) < 0.2% (335 - 362 nm) | 10 J/cm2 (355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.406 mm) |