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光学素子の取扱いについてのチュートリアル


光学素子の取扱いについてのチュートリアル


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光学素子のラインナップはこちらをご覧ください。

光学部品の取扱とクリーニングの手順

光学素子は非常にデリケートな性質のものであるので、その性能と製品寿命を最大限とするため に特別な手順に従った取り扱いが求められます。日々使用する中で光学素子には、埃、水や皮膚の皮脂が付着する場合があります。このような汚れが付くこと で、光学面での過度な散乱や、入射放射光の吸収が起こり、透過または反射に損失が生じます。また、結果的に光学面上にホットスポットが発生し、素子が恒久 的に損傷する場合もあります。コーティングされた光学素子では、特にこのような損傷が起こりがちです。

このチュートリアルガイドでは、多く の光学素子に共通の取扱方法やクリーニング方法についてご説明します。一方でご使用になる光学素子の材料やサイズなどによって、それぞれに適した取扱やク リーニングの方法が求められます。ある光学素子に対しては何の問題もないようなことが、他の光学素子に致命的な損傷を与える場合があります。したがって当 社では、光学素子のクリーニングを実施する前にこのガイドにしっかりと目を通していただくことを推奨しております。このガイド中で光学素子のタイプや分類 が明確に言及されていない場合は、取扱やクリーニングの方法について、光学素子のメーカにお問い合わせください。


取扱い方法

製品を正しく取り扱うことで、結果的にクリーニング頻度を少なくし、その光学素子の製品寿命を最大限に伸ばすこともできます。まず光学素子の梱包を 解く際には、清潔で温度が十分に管理された環境で箱を開梱してください。光学素子は決して素手で触らないでください。皮脂によって光学素子の表面が恒久的 に損傷を受ける場合があるため、取り扱いの際には手袋をご利用ください。さらに小さな光学素子に関しては光学ピンセットや真空ピンセットを使えば作業が容 易になる場合があります。光学素子を保持方法とは別に、光学素子の保管の際は、できる限り光学面以外の面、例えば光学素子のすりガラス面等を接触面として ください。

重要: ホログラフィック回折格子、刻線回折格子、保護膜無の金属表面鏡やペリクルビームスプリッタの光学面(これら以外の製品でもご注意ください)は、決して手 や光学素子取扱用の道具で触れないようにしてください。これらは非常に繊細な製品で、わずかな物理的接触でも損傷します。

注意:  結 晶を用いた製品の多くは(方解石偏光子、ビーム分離プリズム、ニオブ酸リチウムウェハやEO変調器等) 温度に敏感で、熱衝撃によってヒビが入る場合があります。したがってこのような製品を開梱時には、開梱の前段階で製品もその中身も熱平衡状態にある必要が あります。これらの結晶は従来の光学部品と比較してはるかに柔らかい場合があるため、クリーニングの際にはさらに注意して取り扱っていただくようにお願い いたします。


保管

光学素子は決して硬い材質の表面上に置いてはいけません。光学素子の材質あるいは表面処理が削れてしまう可能性があります。光学素子を保管する際には、多 くの場合レンズ用ティッシュに包んでその光学素子に適した保管用の箱に納めておく必要があります。通常その箱は湿度や汚染度が低く、温度管理された環境で 保管されることが求められます。光学素子はキズが付きやすくて汚れやすく、また湿りやすい性質があるので、光学素子には適切な保管方法が不可欠です。


検査

光学素子は、一般的に使用前とクリーニングの前後に検査する必要があります。多くの場合、汚れや表面の損傷は小さいので、光学素子の検査には拡大用デバイ スを使用します。拡大用のデバイス使用時でも、光学表面上に明るい光を投射して、表面上の汚れや損傷からの鏡面反射を増大させると見やすくなります。

反射コーティング表面を検査する際には、検査者は光学素子を視線に対して平行に近い位置に保持してください。表面を直視するよりも表面全体を見渡す ことで、反射効果を排除して汚れを発見できます。レンズ等の研磨面を有する素子では、検査者の視線に対して直角に保持すれば、光学素子の中を見通すことが できます。

汚れのない光学面に損傷がある時は、光学素子上の損傷の大きさをスクラッチ&ディグパドル(Scratch-Dig Paddle)上のサンプルサイズと比較することにより、スクラッチ&ディグなどの損傷の大きさを分類することができます。表面上のキズ等がメーカのスクラッチ&ディグパドルより大きい場合は、要求されている性能の実現には光学素子の交換が必要となる場合があります。


クリーニング手順

メーカが推奨するクリーニングや取扱手順書等がある場合は、必ずその指示に従ってください。光学素子のクリーニ ングの際には、取扱上の注意の順守が前提であるので、上記のクリーニングガイドラインを実行する際には、同様に取扱上の手順も厳守してください。光学素子 のクリーニング方法や取扱が不適切であると、素子に恒久的な損傷を与えてしまう可能性がございますので、ご注意ください。

光学素子をクリー ニングする際には、素子を精査して汚れの性質や深刻度を確認してから作業を開始してください。光学素子のクリーニング工程では、素子の表面に溶媒や物理的 接触を適用するので、頻度の高いクリーニングは、光学表面に損傷を与える場合があります。したがってこの事前の検査は必ず実施してください。

光 学素子に複数の種類の汚れが付着している場合、一種類の汚れを取り除いている間に、別の汚れが光学素子に損傷を与えてしまう場合があるので、汚れを除去す る順番も重要です。例えば光学素子が油と埃で汚れている場合、汚れをふき取る際に付着した埃を引きずることで表面を傷つけてしまうことが考えられます。

 

光学素子の表面から異物等を吹き飛ばす
埃等の表面への付着度が小さい汚れに対しては、他のクリーニング 方法よりも先に、気体で吹き飛ばす方法を適用してください。この方法では、不活性ダスティング(埃除去)ガスやブロアを使います。埃を息で吹き飛ばすこと はしないでください。唾液からの水滴が光学表面に付着する可能性があります。

不活性ダスティングガスを使用する際には、クリーニング前とそ の最中にスプレ缶を立ててご使用ください。使用前と使用中には缶を振ってはいけません。またガスを吹き付け始めの時点では、ノズルを直接光学素子に向けな いようにご留意ください。このような点に注意することで不活性ガスの光学素子表面への付着が防げます。スプレ缶を用いる場合は、缶を光学素子から15 cm 程度離して、間欠的にガスを吹き付けてください。不活性ガスの缶ノズルは、光学表面に対して斜め方向から左右に振りながら吹き付けてください。吹き付け対 象面積が広い場合は、光学素子の表面に8の字を描くように吹き付けると効果的です。

このクリーニング方法は殆ど全ての光学素子に適用してい ただけます。ホログラフィック回折格子、刻線回折格子、保護膜無の金属表面鏡、方解石ポラライザやペリクルビームスプリッタの光学面に関しては、物理的な 接触で損傷を与えるのでこれが唯一認められているクリーニング方法です。これは非接触で溶剤を使わないので殆ど全ての光学素子に対して、第一に実施してい ただきたいクリーニング方法です。

注意: ペリクルビームスプリッタ上の厚さ2 μmのニトロセルロース膜は極端に脆く、表面に吹き付けられる空気の力で簡単に損傷を受けます。このような光学素子に対してスプレ缶を用いる際には、膜が損傷を受けないように缶を十分に離してからご使用ください。

注意: 方解石ポラライザの研磨済み出射面は非常にデリケートで、過度に空気を表面に吹き付けると損傷を受ける可能性があります。

その他のクリーニング方法

光 学素子の表面への吹き付けで十分に汚れが取り除けない場合は、次に述べるクリーニング方法をお試しください。光学素子のクリーニングの際には、必ず清潔な 拭取り布や光学素子対応のグレードの溶剤をつかって、汚れで光学素子が損傷を受けないようにして下さい。拭取り布は、使用可能な溶剤を含ませて使って、決 して乾いたままでは使用しないでください。条件を満たす拭取り用の製品には(柔らかい順番に)綿100%製品(Webril拭取り布や綿ボール等)、レン ズ用ティッシュや綿棒があります。

クリーニングで使用できる典型的な溶剤としては、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコールがありま す。殆どの溶剤が、人体に対して有害又は可燃性があるか、その両方の性質を有するので、いずれの溶剤も十分に注意してご使用ください。またどの溶剤に関し ても、使用前に製品データシートやMSDSシートを注意してお読みください。

光学素子の洗浄
メー カが認めている方法であれば、指紋や大きな埃は、光学素子用の洗剤を蒸留水で希釈した溶剤に浸漬して取り除くことができます。光学素子をその溶剤に漬けて おく際には、汚れを除去するために必要な時間を超えて浸漬しておかないようにしてください。浸漬後には、光学素子を不純物のない蒸留水で濯いでください。 光学素子によっては、ドロップアンドドラッグ法(下記)やレンズ用ティッシュによるふき取りの前に、アセトンやメタノールを塗布して乾燥時間を短縮するこ とも可能です。洗浄用の溶剤は、乾燥中に光学素子上に溜まってしまうと、痕が筋のように残ってしまうことがおこるので、溜まってしまわないようにご留意く ださい。

ドロップアンドドラッグ
ドロップアンドドラッグというクリーニング方法は周 囲の面に対して高い位置にある平坦な光学素子に適しています。まず光学素子を精査して汚れの位置を確認してください。この作業をすることで、光学素子の表 面上で汚れを長距離ドラッグする(ひきずる)必要がなくなり、最短のドラッグ距離で汚れを表面上から取り除くことができるようになります。この検査後に、 表面に弱い横方向の力がかかっても光学素子が動かない程度に光学素子を保持または下に置きます。次に、未使用で清潔なレンズ用ティッシュを光学素子の上に (接触せずに)かざしてください。レンズ用ティッシュを引っ張ることで光学素子上を撫でるように動かすことができるように配置するイメージです。次にク リーニング用として認証されている速乾性の溶剤を1,2 滴、光学素子の上にかざしたレンズ用ティッシュに垂らしてください。溶剤の重みでレンズ用ティッシュが光学表面に接触するようになるので、ゆっくりと確実 に濡れたレンズ用ティッシュを引きずるようにドラッグして、レンズ用ティッシュが光学素子から離れてしまわないように注意してください。ドラッグ動作は、 レンズ用ティッシュが光学表面の端からはずれる位置まで続けてください。

レンズ用ティッシュが適量の溶剤を含んでいれば、レンズ用ティッ シュはドラッグ動作が終わるまで濡れた状態を保ちながらも、ドラッグ動作後に目で見えるような吹き筋を残しません。光学素子を精査して必要に応じてこの作 業を繰り返してください。ただしその際には新たにレンズ用ティッシュをご用意いただき、同じものは繰り返し使用しないでください。このクリーニング方法で はレンズ用ティッシュが素子表面にわずかしか接触しないことから、多くの場合採用されています。この方法は、光学素子の表面に小さな粒子や油分が付着した 場合に有効です。付着した汚れの濃度が高い場合では、しばしばクリーニング手順の繰り返しが必要となります。

鉗子又はアプリケータをレンズ用ティッシュと合わせて使用する方法
この方法は、光学素子の取付面や曲面において溶剤を使用したい場合に採用されています。まず、光学素子を精査して汚れの位置を確認してください。大きな汚れを必要以上に広い面積で引きずらなくてもよいように、拭き動作の道筋を決めます。レンズ用ティッシュを使用する場合、レンズに接触するティッシュ部分に手が触れないようにしてティッシュを折りたたむように注意してください。折りたたんだレンズ用ティッシュは鉗子で挟んで、光学素子の表面上を滑らかに動かすことができるようにします。次に溶剤を何滴かレンズ用ティッシュ上に落として、ティッシュが濡れてはいるが、溶剤が垂れていない状態であることを確認してください。溶剤の量が多すぎる場合は、適切な方法でレンズ用ティッシュから溶剤を振り落としてください。その後、滑らかな動作でレンズ用ティッシュを使って光学素子の表面を拭いてください。

拭取り動作中は、レンズ用ティッシュをゆっくりと連続的に回転させてください。この動作によって、光学表面に接触するティッシュ部分が絶えず違う部分となり、溜まった汚れを上に向けて表面から離していくことができます。拭取り作業後には、汚れや拭き筋が残っていないかを確認して、必要であれば新しいレンズ用ティッシュを用いてクリーニング動作を繰り返してください。拭き筋は、レンズ用ティッシュが過度の溶剤を含んでいる場合や、ティッシュの角部分で拭いたレンズ表面箇所で残りやすくなっています。レンズティッシュの角部分によって拭き筋ができてしまった場合は、さらに大きなアプリケータを使うか光学表面上の拭いた部分に境目が残らないように拭き動作の道筋を考えてください。拭く道筋がらせん状やS字である時は、拭き動作が終わるまで光学素子が乾き切らないように、乾燥速度が遅い溶剤を使わなければならない場合があります。

Webril拭き取り布を使用したクリーニング
Webril拭き取り布は、柔らかい綿100 %の拭きとり布で、当社では殆どの光学素子のクリーニングに適しているとして推奨しています。この布は多くの量の溶剤を含んで、レンズ用ティッシュや綿棒型アプリケータと比較して乾燥速度が遅いだけではなく、他の拭き取り布のようにすぐにバラバラになることがありません。この布の周縁部では糸くずが残っている場合があるので、クリーニングの際には必ず折りたたんでご使用ください。

小さな光学素子のクリーニングでは、折り曲げられた部分が先端にくるようにWebril拭取り布を巻いて円筒形状にし、先端部分に溶剤を含ませてそこを拭取り部分としてご使用ください。大きな光学素子のクリーニングでは、まず拭き布を概ね60 mm x 100 mmの3等分に切ってください。そして30 mm x 100 mmとなるように半分に折ってから、端から約25 mm折り曲げます。最後に曲げ部分の端に溶剤を含ませて、その端を利用して光学表面を拭いてクリーニングしてください。ポンプ式の瓶入りデイスペンサを使えば、片方の手で光学素子を持ちながら、もう一方の手で拭き布に溶剤を含ませることができます。

クリーニングの最中は手袋をご使用ください。片方の手で光学素子を持ち上げて、拭き筋が残らないようにWebril拭き布を軽く、継続的且つゆっくりと光学表面全体を拭きます。拭き筋が残らないようにするには、溶剤の量、拭き布に加わる圧力、さらに拭き布を動かす速度を調整しなければいけない場合もあります。溶剤によって必要な拭きとり時間も変化します。例えばアセトンを使用する時、アルコールより速く乾くので、拭き動作を若干速くしなければなりません。


光学素子の取扱・クリーニングに使用するツール

  1. 手袋 : 手袋は殆どのマウント無の光学素子の取扱時に不可欠です。通常、光学素子取扱用の手袋は、糸くずが出ないものか、パウダが付いていないラテックス製です。
  2. ピンセット:比較的小さな光学素子の取扱では、光学ピンセットや真空ピンセットの使用が一般的です。光学ピンセットは小さくて硬い物体の保持に向くように設計されており、滑らずに、物体を保持している感覚が手に伝わりやすくできています。さらに光学ピンセットの先端部分は、光学素子をキズつけにくい材質(炭素樹脂)から作られています。真空ピンセットでは光学素子の保持に吸着カップを利用しています。通常このピンセットの先端には様々な種類があり、特定の形や大きさの光学部品が持てるようになっています。さらにこのピンセットでは、真空を利用して光学素子を保持するので、一般の光学ピンセットとは違って光学素子に加える圧力について心配する必要がなく、多くのユーザが取扱いやすいと感じています。
  3. Webril拭き布: 綿100%で作られている製品なので、この拭き布は光学素子やその他の製品面のクリーニングにご使用いただけます。端の部分からは糸くずがでる場合がありますが、拭き布を畳んで、光学素子のクリーニングに利用すればこの問題は解決します。また、この拭き布は柔らかいので、光学素子を上に置いて作業することにも適しています。
  4. レンズ用ティッシュ: レンズ用ティッシュは、柔らかくて光学素子の表面を傷つけないので、安心して様々な種類の光学素子の取扱やクリーニングにご使用いただけます。レンズ用ティッシュは、保管用の箱に入れる際に光学素子を包む用途としてもご利用いただけます。
  5. 光学素子保管用ケース: 光学素子保管用の箱には通常、発泡スチロールや成型プラスチック製のインサートがあり、このインサートには光学素子が箱内で動かないような工夫や光学面が硬い物質の表面に当たらないような工夫があります。光学素子の多くは、レンズ用ティッシュに包んで保管用ケースで収納する必要があります。通常において光学素子が小さい場合では、光学素子を包む方法ではなく畳んで被せる方が簡単です。
  6. 拡大鏡: 拡大鏡ルーペ は、小さな光学素子を検査するために使います。光学素子の表面状態や清潔さが確認できるので、適切なクリーニング方法を決めるときに便利な道具です。また、拡大鏡で見て確認できる程度の大きさの損傷がある時、その光学素子は交換が必要となる可能性があります。
  7. スクラッチ&ディグパドル(Scratch-Dig Paddle): 殆どの光学素子には、指定のスクラッチ&ディグのトレランスがあるので、素子表面の光学的品質を判断することができます。スクラッチ&ディグパドル上には較正された光学不良が一通りあり、スクラッチ傷の幅や深さを見極めるうえで役立ちます。スクラッチ&ディグパドル上のサンプルと光学表面上の不良を比較することで、その素子がメーカの仕様を満たせるかを判断できます。仕様を満足させらない時、その光学素子は返品または取替が必要な場合があります。
  8. 不活性ダスティングガス: スプレ缶入の不活性ダスティングガスは、光学素子表面に完全には付着していない埃等の汚れの除去に最適です。この製品の代わりにエアーを吹きかけることができるのがブロアです。スプレ缶入の不活性ダスティングガスを用いれば、安定した加圧ガスを吹き付けることが可能で、べったりと付着していない汚れであれば吹き飛ばすことができます。しかしながら、ガスは加圧された小型の容器から放出されるために、しばしば周囲の環境よりも温度が低くなります(断熱膨張効果)。その結果、このガスを吹き付けると光学素子の表面が冷却される場合があります。また、噴射されるガスの中には、高圧の缶内に存在する液体のまま飛び出す成分も含まれ、それが光学素子の表面に吹き着けられ、汚染してしまう可能性があります。ブロアを使えば、温度冷却や高圧ガスの問題は解決しますが、吹き付ける空気中に光学素子の表面に付着しうる汚れが含まれてしまう場合があります。光学表面に直に触ってクリーニングできない素子のときは、このような吹き付けを用いた方法が唯一のクリーニング方法である場合があります。
  9. 鉗子: 鉗子は小型のロック可能なクランプで、クリーニングの際などにレンズ用ティッシュを保持するためにしばしば使われます。鉗子使用時には光学素子の表面に傷をつけやすいので、鉗子が決して光学表面に接触しないように十分に注意してください。
  10. 綿棒型アプリケータ 鉗子の代わりに綿棒型アプリケータを使用する方もいます。これは通常15 cm長の木製の棒で、一方の端に綿がついており、様々なクリーニング用溶剤の塗布に使えます。これらのアプリケータは、コネクタで終端されたファイバ端面等の非常に小さな光学面のクリーニングに特に便利です。しかし、ファイバ端面よりも大きな面積の表面では、拭き筋がないように仕上げるのが難しくなっていきます。注意: 綿棒型アプリケータは、ドラッグストアなどで販売されている綿棒とは異なります。これらは高品質のアプリケータで、光学素子上に汚れを残さず、ドラッグストア等で販売されている製品では起こりがちなアプリケータ繊維(多くの場合、綿材質)による研磨キズも発生しません。
  11. 光学素子用クリーニング溶剤: 光学素子のクリーニングに用いられる溶剤は様々で、蒸留水、メタノールやプロパノールがあります。場合によっては低刺激の洗剤を蒸留水に足して使う時もあります。最近開発された溶剤として、精密光学素子クリーナ、ファイバ洗浄用液体やファイバークリーナをご提供しています。溶剤によっては汚れが含まれていて、クリーニングの最中に光学素子にその汚れが溜まってしまう場合があるので、光学素子用の溶剤に限定して使用されることが重要です。またその溶剤の中でも必ずメーカが認めている溶剤だけをご使用ください。その他の製品を使用すれば光学素子が損傷する可能性があります。例えば多くの光学素子に用いられている接着剤はアセトンで溶けてしまうので、そのような素子をアセトンでクリーニングしてしまうと、恒久的な損傷が起こってしまうことがあります。

重要注意事項

  • クリーニングの前には必ず光学素子の温度が下がっていることを確認してください。
  • ここに記載された取扱方法は常に順守してください。
  • 接着された光学素子は、浸漬してクリーニングしないようにしてください。

クリーニング用の溶剤を使う場合は、十分にご注意ください。人体に有害である場合や可燃性を有する場合があるので、取扱を始める前にラベル表示を注意してご一読ください。光学素子は、適切に取り扱ってクリーニングすることで製品寿命を最大にすることができます。光学素子の取扱やクリーニングに関してご質問等ある場合は、当社にご相談ください。

レーザによる損傷閾値について

このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。

テスト方法

当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。

初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。

LIDT metallic mirror
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
LIDT BB1-E02
Example Test Data
Fluence# of Tested LocationsLocations with DamageLocations Without Damage
1.50 J/cm210010
1.75 J/cm210010
2.00 J/cm210010
2.25 J/cm21019
3.00 J/cm21019
5.00 J/cm21091

試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。

CWレーザと長パルスレーザ

光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。

パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。

Linear Power Density Scaling

線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

Intensity Distribution

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。

ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。

  1. レーザの波長
  2. ビーム径(1/e2)
  3. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
  4. レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)

ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。

ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。

次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。

CW Wavelength Scaling

この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。

パルスレーザ

先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。

パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。

Pulse Durationt < 10-9 s10-9 < t < 10-7 s10-7 < t < 10-4 st > 10-4 s
Damage MechanismAvalanche IonizationDielectric BreakdownDielectric Breakdown or ThermalThermal
Relevant Damage SpecificationN/APulsedPulsed and CWCW

お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。

Energy Density Scaling

エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。

  1. レーザの波長
  2. ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
  3. レーザのパルス幅
  4. パルスの繰返周波数(prf)
  5. 実際に使用するビーム径(1/e2 )
  6. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)

ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。

次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。

Pulse Wavelength Scaling

 

波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。

ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。

次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。

Pulse Length Scaling

お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。


[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1997).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).

レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

Intensity Distribution
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。

CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。

CW Wavelength Scaling

しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。

アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。

CW Wavelength Scaling

LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。

ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。

Pulse Energy Density

上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。

このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:

Pulse Length Scaling

この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。

ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。

Pulse Wavelength Scaling

スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。

マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。

この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。


Posted Comments:
sarafazli1990  (posted 2017-06-26 09:37:13.68)
Hello. We bought an optical lens from THORLABS company and I cleaned the lens with Aceton(and not ethanol!) As the lens is a coated lens, I want to be sure that it is still coated and I did not remove the coating by using Aceton! Would you please help me? The lens features: LA1805-A, D=25.4, F=30, N-B k7A coated Plano-convex lens- W043402 Warm regards, S.Fazli
tfrisch  (posted 2017-06-27 03:02:18.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. Acetone is a common solvent used to clean optics, and I would not expect damage from using it with an AR coated singlet lens.
user  (posted 2016-01-23 06:20:07.337)
will be nice if this was a pdf - easy to download and save.
myanakas  (posted 2016-01-25 08:39:54.0)
Response from Mike at Thorlabs: Thank you for your feedback. We are currently planning on making many of our technical publications into downloadable PDFs. We do not have a time line set for when these will be finished, but we can send you the document directly when completed. Please contact techsupport@thorlabs.com if you would like more information or would like to leave contact information.
user  (posted 2015-12-08 16:08:21.39)
I was thinking it would also be helpful to have a diagram showing how the Plano Lenses should be mounted in the lens mount. Should the flat side be against the back lip or the ring?
jlow  (posted 2015-12-08 04:22:15.0)
Response from Jeremy at Thorlabs: It doesn't matter the orientation of the lens within the mount. The orientation within the mount depends on the application and how it is going to be used with the rest of the setup. The main thing is to make sure the curved side to be facing the collimated beam.
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