光ファイバーパワーメータの特長
- InGaAs(PM20CとPM20CH)またはSi(PM20A)センサ
- 波長範囲:
400~1100 nm (Si)
800~1700 nm (InGaAs) - パワー範囲:
PM20A用 -60 dBm ~ +16 dBm (1 nW~40 mW)
PM20C用 -60 dBm ~ +13 dBm (1 nW~20 mW)
PM20CH用 -50 dBm ~ +23 dBm (10 nW~200 mW) - 交換可能なファイバーコネクタとFCアダプタが付属(FC/APC、SC、ST、LC、SMAアダプタは別途ご注文ください)
- W、dBm、dBで表示される絶対および相対測定
- 5 nmステップのNISTトレーサブル波長校正
- 1回の充電による操作時間:50時間
光ファイバーパワーメータPM20シリーズは、400~1700 nmの波長範囲と-60 dBmから +23 dBm(1 nW~200 mW)のパワー範囲をカバーする光ファイバ用途向けの丈夫でフル機能をもつ携帯型装置です。頑丈な筺体、内部センサ、およびスタンドが付いているので、現場や実験室での使用に適しています。
機能性
効率的な低消費電力回路によって、バッテリは長持ちします。8桁のLCDは、パワーの読み取りが簡単です。デバイスの操作はラベル表示されたキーパッドで行ないますので簡単です。本パワーメータは、波長設定、相対測定、パワー表示、および自動シャットダウン機能があります。PM20は充電可能な内蔵NiMHバッテリまたは付属のACアダプタから電力を供給します。ユニットにはFC/PCおよびFC/APCに対応のFCファイバーアダプタが付属します。殆どの工業規格ファイバーアダプタ(FC/APC、SMA、SC、ST、FCおよびLC)を簡単に取り付けてお使いいただけます。これらのアダプタは別途ご購入いただけます。なお、このパワーメータのセンサーサイズは2 mmと小さく、また本体にはポストに取り付けるためのネジ穴を配備していないため、FCアダプタを外して自由空間で使用する場合、検出部へのビームアライメントは難しくなります。自由空間のアプリケーションには、本体のポスト取り付け穴で位置の固定が可能であり、かつ受光サイズがØ9.5mmあるPM160シリーズのご利用をお勧めします。
各パワーメータには、センサ内蔵コンソール、FCファイバーアダプタ(FC/PCまたはFC/APCに対応)、12VDC電源(PMPS12)、Certificate of Calibration(校正証明書)、および操作マニュアルが付属します。
Power Meter Item # | PM20A | PM20C | PM20CH |
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Sensor Specifications |
Optical Power Range | -60 dBm to 16 dBm (1 nW - 40 mW) | -60 dBm to 13 dBm (1 nW - 20 mW) | -50 dBm to 23 dBm (10 nW - 200 mW) |
Spectral Range | 400 - 1100 nm | 800 - 1700 nm |
Detector Type | Silicon | InGaAs |
Sensor Size | 3.6 x 3.6 mm | Ø2 mm |
Input Aperture | 3.6 x 3.6 mm | Ø2 mm |
Aperture Thread | SM05 Thread (0.535"-40) for Fiber Adapters Fiber Adapter Included for FC Connectors (FC/PC or FC/APC) |
Measurement Uncertainty | ±0.25 dB |
Measurement Standard | NIST Traceable |
Optical Damage Threshold | 50 W/cm² |
General Console Specifications |
Detector Compatibility | - |
Display Type | Alphanumeric 8-Digits LCD |
Display Format | 4 Digit Read Out with Units and Symbols |
Power Units | dBm, dB, nW, µW, mW |
Resolution | 14 bit |
Sample Rate | 10 Hz |
Dimensions (H x W x D) w/ Holster | 125 x 80 x 39 mm (4.9" x 3.1" x 1.5") |
Weight | 0.2 kg (0.44 lbs) |
Operating Temperature | 5 °C to 40 °C (Non-Condensing) |
Storage Temperature | -20 °C to 70 °C |
Power Management |
Battery Operation | Internal NiMH Battery Pack, 150 mAh, 6 V |
Operating Time | 50+ Hours |
Shutdown | Manual, Auto 5 Minutes, or Auto 60 Minutes |
Charger | 3-Hour Battery Charger Included |
Charger Power Supply | Input: 85 - 265 VAC, 50 - 60 Hz; Output: 12 VDC @ 0.85 A |
パルスレーザ:パワーとエネルギーの計算
パルスレーザからの放射光が、使用するデバイスや用途に適合するかどうかを判断する上で、レーザの製造元から提供されていないパラメータを参照しなければならない場合があります。このような場合、一般には入手可能な情報から必要なパラメータを算出することが可能です。次のような場合を含めて、必要な結果を得るには、ピークパルスパワー、平均パワー、パルスエネルギ、その他の関連するパラメータを必要とすることがあります。
- 生物試料を損傷させないように保護する
- フォトディテクタなどのセンサにダメージを与えることなくパルスレーザ光を測定する
- 物質内で蛍光や非線形効果を得るために励起を行う
パルスレーザ光のパラメータは下の図1および表に示します。参照用として、計算式の一覧を以下に示します。資料を ダウンロードしていただくと、これらの計算式のほかに、パルスレーザ光の概要、異なるパラメータ間の関係性、および計算式の適用例がご覧いただけます。

Click to Enlarge図1: パルスレーザ光の特性を記述するためのパラメータを、上のグラフと下の表に示します。パルスエネルギ (E)は、パルス曲線の下側の黄色の領域の面積に対応します。このパルスエネルギは斜線で表された領域の面積とも一致します。
パラメータ | シンボル | 単位 | 説明 |
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パルスエネルギ | E | ジュール[J] | | レーザの1周期中に放射される1パルスの全放射エネルギ。 パルスエネルギはグラフの黄色の領域の面積に等しく、 これは斜線部分の面積とも一致します。 | |
周期 | Δt | 秒 [s] | | 1つのパルスの開始から次のパルスの開始までの時間 | |
平均パワー | Pavg | ワット[W] | | パルスとして放射されたエネルギが、1周期にわたって 均一に広がっていたと仮定したときの、 光パワーの大きさ(光パワー軸上の高さ) | |
瞬時パワー | P | ワット[W] | | 特定の時点における光パワー | |
ピークパワー | Ppeak | ワット [W] | | レーザから出力される最大の瞬時パワー | |
パルス幅 |  | 秒 [s] | | パルスの開始から終了までの時間。一般的にはパルス形状の 半値全幅(FWHM)を基準にしています。 パルス持続時間とも呼ばれます。 | |
繰り返し周波数 | frep | ヘルツ [Hz] | | パルス光が放射される頻度を周波数で表示した量。 周期とは逆数の関係です。 | |
計算例
下記のパルスレーザ光を測定するのに、最大入力ピークパワーが75 mW
のディテクタを使用するのは安全かどうかを計算してみます。
- 平均パワー: 1 mW
- 繰り返し周波数: 85 MHz
- パルス幅: 10 fs
1パルスあたりのエネルギは、

と低いようですが、ピークパワーは、

となります。このピークパワーはディテクタの
最大入力ピークパワーよりも5桁ほど大きく、
従って、上記のパルスレーザ光を測定するのに
このディテクタを使用するのは安全ではありません。