コリメート光のビーム径を拡大してビーム広がり角を小さくする方法
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レーザービーム径を拡大することで効果的にビーム径を縮小できるか?
ビームエキスパンダは、ウェストが小さく発散の大きな入射光をウェストが大きく発散の小さな光に変換します。そのため、ビームエキスパンダから離れた位置における出射光のビーム径を、入射光がそのまま伝搬したときのビーム径に比べて小さくすることができます。回折効果により、ビーム径は距離によって変化します。ウェストの小さなビームのビーム広がり角は大きいため、ビームエキスパンダを使用してウェスト径を大きくすることで、ビームがウェスト部分から離れるにつれてビーム径が大きくなる割合を小さくすることができます。ビームエキスパンダは、ビームの広がり角を小さくして、出射光のウェスト位置から離れた位置でのビーム径が特定の値を超えないようにするためによく使用されます。
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図1:入射光のウェスト径は出射光のウェスト径よりも小さいです。しかし、ウェスト径の小さな入射光の伝搬に伴うビーム径の変化は、ウェスト径の大きな出射光の変化に比べて十分に大きいです。上図のような限られた領域内でも、入射光の径は出射光の径よりも大きくなります。
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図2:ビームウェストから遠く離れると、ビームの広がり角はほぼ一定になります。本文で説明されているように、この角度
ビームエキスパンダ(およびレデューサ)
ビームエキスパンダ(およびレデューサ)に、あるウェスト径のコリメート光を入射すると、異なるウェスト径のコリメート光を出射します。拡大率あるいは倍率(m)は、
で与えられ、これはビームエキスパンダの前後のビームウェスト径
入射光および出射光のウェスト位置におけるビームの断面を測定することで、ウェスト径を推定できます。出射ビームのウェスト位置は、多くの場合はメーカによって特定されていますが、不明な場合にはビームエキスパンダの出射部近傍でのビーム径を測定し、それをウェスト径の近似値として使用することができます。
ビーム広がり角
レーザ光のビーム径は、つねにウェスト部分で最小になります。ウェストから離れると、ビーム径は回折効果により大きくなりますが、伝搬に伴うその増加の割合がビームの広がり角に対応します。ビームウェストから遠く離れると、広がり角はほぼ一定になります(図2参照)。この広がり角(θ、単位:ラジアン)は、以下の式で表されます。
この値は、波長
ビームエキスパンダまたはレデューサにおける入射ビームと出射ビームの広がり角の違いは、ビーム拡大率
で表されます。ここで、θin は入射ビームの広がり角、θoutは出射ビームの広がり角ですが、いずれもビームウェストから遠く離れた位置における値です。
ビームエキスパンダ(m > 1)の場合、出射ビームのウェスト径は入射ビームのウェスト径よりも大きくなり、出射ビームの広がり角は入射ビームの広がり角より小さくなります。出射ビームの広がり角が小さくなるため、ビームエキスパンダはアプリケーションで規定された最大ビーム径を超えることなく、自由空間光をより長い距離にわたって伝搬させるのによく用いられます。
ビームレデューサ(m < 1)の場合は、入射ビームよりも小さなウェスト径と大きな広がり角の出射ビームが得られます。その結果、出射ビーム径はビームレデューサの出射部近傍では小さくなりますが、光の伝搬に伴いビーム径は入射ビームよりも急速に大きくなります。ビームレデューサを使用する場合、光軸に沿ってビーム径をチェックし、ビーム径がアプリケーションにおいて許容される最大ビーム径を超えないことを確認することが重要です。
ビームのクリッピング防止
ビームエキスパンダ近傍の出射ビーム径は、多くの場合、出射ビームのウェスト径の良い近似値になっています。ビームエキスパンダから遠く離れるとビーム径は大きくなり、ビームのクリッピングやその他の予期しない影響が生じる恐れがあります。ビーム径
出射ビームのウェストからの重要な距離
「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。 | 最終更新日:2021年8月23日 |
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