動画:フォトニクス実験の方法


動画:フォトニクス実験の方法


Please Wait

 

 

フォトニクス実験のためのHow-To動画集

何かを学ぶ上で、誰かが行っているのを見ることが最良の方法である場合があります。ここではそのような動画を提供し、私たちが実験室でよく使用しているコツや秘訣、方法などを共有していきたいと考えています。ご質問等は当社までご連絡ください。

※動画は英語の音声、日本語の字幕付きでご覧いただけます(一部除く)。

 

レーザのアライメントとセットアップ:

偏光:

光学素子と光デバイス:

光ファイバ:

オプトメカニクス:

ソフトウェアのチュートリアル:

 

最終更新日:2024年5月7日

 

 

レーザのアライメント方法

 

  

レーザービームが光学テーブルの表面に水平に伝搬するようにアライメントする方法を2つご紹介します。

最初の方法では、レーザービームのあおり調整(チップ&チルト)を行い、ポインティング角度の調整を行います。ルーラを使用して、レーザービームの高さを調整するとともに、テーブルのタップ穴の列に沿うように向きを調整します。

2つ目の方法として、この調整済みのビームを用いて、固定されたレーザ光源からのビームの向きと高さの両方を変更する方法を実演します。異なる高さに設定された2つのミラーを用いて、ビームをテーブルの別のタップ穴の列に沿うように向けます。次に、2つのアイリスを用いて、ビームの高さを2つ目のミラーの高さに合わせます。

Products Featured During Demonstration
Laser ModuleKinematic MountsIrises
Adapter (Laser to Mount)MirrorsRuler

最終更新日:2020年9月8日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

1

 

 

精度を高めるための光パワーメーターパラメータの設定方法

 

  

パワーメータはパワーセンサへの入射光に合わせて設定を構成する必要があります。パワーメータを設定する際の重要な3つのパラメータは、光の中心波長、測定しようとする光パワーの最大値、および周囲の光を検出することによるゼロオフセットです。

この3つのパラメータの設定方法とそれらを設定時に考慮すべき事項についてを実演し、解説をしています。

必ず所属する研究機関等のレーザ安全ガイドラインに従ってください。この実演で使用されている低パワーの光源とは異なる他のレーザ光源を使用した場合は、後方反射によってレーザが損傷する可能性があります。人体やレーザに対して危険な迷光反射の影響は、不要なときにはレーザービームをブロックすることで軽減することができます。

最終更新日:2020年9月24日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

2

 

 

手動ステージを電動ステージに変える方法

 

  

ここでは、移動ステージに取付けられている手動アジャスタを電動アクチュエータに交換する方法を、2つの例で実演しています。ここでご紹介している方法を用いることで、ステージを傷つけることなくアジャスタを交換できます。

最初の例では、移動量12.7 mmのリニア移動ステージMT1B(/M)を使用します。調整ネジをステッピングモーターアクチュエータZFS13Bに交換します。動画後半の2番目の例では、移動量25.4 mmのリニア移動ステージXR25P(/M)のマイクロメータを、DCサーボモーターアクチュエータに交換します。

また、これらのステージをテーブルやブレッドボードに取り付ける際の最適な方法や、ロッキングプレートの使用方法についてもご紹介しています。

Products Featured During First Half of Demonstration
Products Featured During Second Half of Demonstration
Linear Translation StageStepper-Motor-Driven ActuatorLinear Translation StageDC-Servo-Motor-Driven Actuator

最終更新日:2023年11月11日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

3

 

 

ポストホルダを光学テーブル、ベース、ブレッドボードなどにボルトで固定するときの注意点

 

  

ポストホルダをベースやテーブルに固定する際に、ネジがポストホルダの底部から突き出ていて困ることがあります。そのようなネジが突き出た状態では、ポストホルダの高さ調整範囲が制限されてしまいます。さらに、ポストをポストホルダ内で回転したときに、意図せずに突き出たネジにポストをねじ込んでしまう場合もあります。

これを防ぐ方法は、ポストホルダを固定するためのセットスクリュまたはキャップスクリュを選ぶ際に、それらのネジの長さを考慮に入れることです。この動画では、ポストホルダの底部から突き出たネジによって生じる問題と、その解決方法をご紹介します。また、ポストホルダをベースに固定する場合とテーブルに直接固定する場合についての比較も行っています。

こちらの動画の続編では、オプトメカニクスを使用して光学系に安定した基礎を構築し、またコンポーネントの偶発的な損傷を防ぐのに役立つヒントなどをご覧いただきます。

最終更新日:2022年4月28日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

4

 

 

光アイソレータの調整方法

 

  

ファラデーアイソレータを調整することで、光源からの光パワーを適切に透過させ、光源に向かって戻る反射光を効果的に抑えることができます。この実演では、動作波長範囲が510 nm~550 nmの偏光依存性を有するフリースペース型アイソレータと、520 nmのコリメート光を出力する直線偏光レーザを使用しています。

これらの光学アイソレータからは直線偏光が出射され、また入射光が直線偏光のときに最良の性能が得られます。

必ず所属する研究機関等のレーザ安全ガイドラインに従ってください。この実演で使用されている低パワーの光源とは異なる他のレーザ光源を使用した場合は、後方反射によってレーザが損傷する可能性があります。人体やレーザに対して危険な迷光反射の影響は、不要なときにはレーザービームをブロックすることで軽減することができます。

最終更新日:2020年9月10日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

5

 

 

直線偏光子の軸をテーブルに対して垂直または平行にアライメントする方法

 

  

多くの光学セットアップの光路は、光学テーブルに対して平行になるようにセットします。この場合、一般には入射面とp偏光の向きはテーブル面に対して平行に、s偏光の向きはテーブル面に対して垂直になります。したがって、pまたはs偏光が通過するようにアライメントされた偏光子の軸は、テーブル面に対してそれぞれ平行または垂直になるようにアライメントされます。

偏光子を透過する光パワーの読み取り値を用いて、偏光子の軸を光学テーブルに対して垂直になるようにアライメントする手順について、説明と実演を行います。次に、偏光子の軸をテーブル面に水平にアライメントする3つの方法の概要について説明し、直交する偏光子を使用した方法を実演しています。より正確な測定値を得るためのヒントやコツについてもご紹介しています。

最終更新日:2020年10月23日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

6

 

 

ハンドヘルド型スクライブを使用して大きな直径の石英ファイバをクリーブする方法

 

  

ハンドヘルド型スクライブを用いて大きな直径の光学ファイバを手でクリーブすることで、光学的品質の優れたファイバ端を得ることができます。コア径400 µmのマルチモードファイバを使用してその手順を実演します。

ファイバ端から保護ポリマのバッファを除去し、ファイバをフラットな面に固定します。次に、ハンドヘルド型スクライブでファイバの外側の面に切り込みを入れます。スクライブでは、ファイバのコア部分から離れたファイバのクラッド部分に、浅く切り込みが入るようにしてください。直径の小さなファイバをクリーブする場合は、力を加減しながらゆっくりとスクライブを行い、切り込みを深く入れすぎないようにしてください。スクライブを動かさず、軽くファイバに押し付けるだけで十分な場合もあります。切り込みを入れた部分を挟んで縦方向に力を加えてクリーブします。

アイルーペを使ってファイバ端の状態を目視で評価する方法も実演しています。品質の良い端面はファイバの縦軸に対して垂直でフラットな面になっています。クリーブされた端面からの出射光をスクリーンで観察し、その強度分布から端面の品質に関する情報を得る方法なども紹介しています。

最終更新日:2020年11月3日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

7

 

 

光ファイバ用コンポーネントの挿入損失測定

 


  

挿入損失は、光ファイバーネットワークにデバイスを追加することで発生する光パワーの低下を測定することで得られます。デバイスの挿入損失の原因となる光学的損失には、素材固有の特性による反射、吸収、散乱のほか、マイクロベンディング損失および曲げ損失、分岐比、接続損失、コネクタ損失などが含まれます。

動画では、シングルエンド挿入損失の測定方法を実演しています。このアプローチでは、まず参照用ケーブルを光源に取り付け、そのケーブルから出力される光パワーを測定します。次に、アダプタを使用して試験対象のコンポーネントを参照用ケーブルに取り付けます。取付けられたコンポーネントの選択した出力ポートからの光パワーを測定します。挿入損失は、このパワーの読み取り値と参照用ケーブルからの出力光パワーの測定値との比を求め、その比をデシベル(dB)単位で表します。

シングルエンド挿入損失の測定値には光がデバイスに結合する際の損失が含まれますが、その主たる原因がアダプタ内のファイバーコアのミスアライメントによる場合が多く見られます。しかし、この測定値には、デバイスからの出力光がファイバーネットワークの次のコンポーネントに結合するときに発生する損失と同じタイプの損失は含まれていません。また、挿入損失は波長に依存し、測定時のデバイスの入力ポートおよび出力ポートの組み合わせによって異なるということにもご注意ください。これは、分岐比、曲げ損失、吸収、散乱、反射、および2つのポート間の光路に沿った他のすべての減衰要因の違いによるものです。

最終更新日:2020年12月3日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

8

 

 

1/4波長板を使用して円偏光に変換する方法

 


  

直線偏光ビーム対して1/4波長板を置くことで円偏光に変換できますが、いくつかの条件を満たす必要があります。1つは光の波長が波長板の動作範囲内にあることです。もう1つは、波長板の直交するスロー軸とファスト軸が、直線偏光の偏光方向に対して45° の位置にセットされていることです。この条件が満たされたとき、入射光の2つの軸に平行な成分の強度は等しくなります。波長板は、スロー軸に平行な成分を、ファスト軸に平行な成分に対して1/4波長分(/2)だけ遅延させます。この遅延効果により、直線偏光は波長板で円偏光に変換されます。

動画の最初では、直線偏光の偏光方向を波長板のファスト軸、スロー軸、およびその間の角度に設定して入射したときに得られる結果を図解しています。角度や向きは、光の伝搬方向の逆方向から光源を視る見方で描かれています。次に、入射光側の偏光子と出射光側の偏光子を互いに直交する方向に設定し、偏光によって変化するパワーを測定する手順を紹介します。波長板を2つの偏光子の間に挿入し、向きを変えてその影響を調べます。波長板から出射された円偏光の品質は、2番目の偏光子の透過軸を回転させることで確認できます。回転したときのパワーの読み取り値の変化が小さければ、光はより円偏光に近いことになります。

最終更新日:2020年12月30日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

9

 

 

直線偏光子を入射面に対して45°にアライメントする方法

 

  

直線偏光子の透過軸は、2枚の直線偏光子を補助的に使用することで、入射面に対して45°に設定することができます。まず、補助的な2枚の直線偏光子の軸を、入射面に対してそれぞれ平行および垂直になるようにアライメントします。次に3枚目の偏光子の透過軸を回転させて前述の2枚の偏光子の軸に対して45°の角度にすると、その透過軸は入射面に対して45°になります。

動画では、入射面が光学テーブルに対して平行な場合について実演しています。1枚目の偏光子の軸をテーブルに対して平行にアライメントする手順では、偏光子を垂直軸の周りに180°回転させる操作を繰り返し行う必要があります。直線偏光子アセンブリは長方形のベースを用いており、固定式位置決めプレート(フォーク)を用いてコーナの位置決めができます。このフォークにより、偏光子アセンブリを垂直軸回りに反転させた後も、素早く正確に元の位置に設置できます。180°の反転操作のたびに、偏光子の透過軸を最初は手動で回転させ、最後にはマウントに取付けられているマイクロメータ(mic)で微調整します。1枚目の偏光子の軸がアライメントできたら、2枚目の偏光子の軸をそれに直交させます。このとき、2枚目の偏光子の透過光は最小になります。

3枚目の偏光子を他の2枚の偏光子の間に設置し、透過軸を回転させます。その回転角度により3枚の偏光子を透過する光のパワーは変化し、入射面に対して45°のときに透過光パワーは最大になります。この結果を確認し、またディテクタで検出される可能性のある最大光パワーを見積もる1つの方法として、余弦二乗法則(マリュスの法則)を利用する方法があります。これを利用することで、直線偏光子への入射光が直線偏光の場合の出射光パワーを算出することができます。

最終更新日:2021年2月8日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

10

 

 

2本のシングルモードファイバ間にコリメートされた自由空間光を生成するための
ファイバーコリメータのアライメント方法

 

  

光ファイバのセットアップの間に2つのコリメートレンズを挿入することによって、様々なビームへの操作が可能な自由空間光を得ることができます。1つ目のコリメータは出射側ファイバからの発散光を受光し、それによってコリメートされた自由空間ビームは2つ目のコリメータに向けてほぼ一定の径で伝搬します。2つ目のコリメータは自由空間ビームを受光し、受光側のファイバに結合します。こちらの動画においてペアで使用されているコリメーターパッケージのように、ファイバを直接ファイバーコネクタに接続するように設計されている製品がございます。

出射側のファイバからの光を100%の効率で受光側のファイバに結合できれば理想ですが、実際には常に反射、散乱、吸収、ミスアライメントなどによって損失が生じます。通常、光損失の最も大きな原因となるミスアライメントは、こちらの動画でご紹介しているアライメント法や安定化の方法により最小化することができます。

この動画では、出射側のファイバとしてシングルモードファイバを使用しています。2つ目のコリメータに入射する光パワーと、受光側のファイバから出射される光のパワーを測定しています。受光側のファイバがコア径50 µmのマルチモードファイバの場合、アライメントを行うことで、2つ目のコリメータに入射した光パワーの91%が受光側ファイバからの出射光として測定されました。受光側のファイバがシングルモードファイバの場合、この値は86%になりました。動画では、コリメータの設計の違いと、その違いがコリメート光の特性に及ぼす影響などについてもご説明しています。

最終更新日:2021年4月1日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

11

 

 

TO-Can型半導体レーザのセットアップ方法(Viewer Inspired)

 

  

TO-Can型半導体レーザをマウント内に取り付けて、温度と電流の制御下で動作するように設定する際、誤ってレーザに損傷を与えたり破損したりする可能性が多くあります。このガイドでは、人体と半導体レーザを損傷の危険から守る方法を順を追ってご説明しています。

静電気放電(ESD)によるレーザ破損の危険を避けるために、ESDストラップをご提供していますが、これはストラップが接地し、正しく装着されている場合にのみ有効です。動画のようにストラップを装着すると、ストラップの金属プレート部分が常に肌に接触される状態になります。静電気の生じやすい環境やクリーンルーム環境で使用する場合は、ローションで肌に潤いを与えるとより良いでしょう。

TO-Can型半導体レーザは、間違ったサイズのソケットに無理やり押し込もうとすると破損する可能性があります。そのため、動画で紹介しているピンの寸法を参考にし、適切なマウントを見つけてください。 半導体レーザに誤った方向で電流を流すことも危険なため、ソケット内のレーザを正しい向きにし、マウントのスイッチの極性を正しく設定することも重要です。通常、電流ドライバにも極性の設定があります。ダイオードの方向と、マウントおよびドライバの設定については、レーザのピン配列もしくは回路図に記載の情報を確認して決定してください。記号の意味はビデオ内で説明されています。

過剰な動作温度と駆動電流はどちらも危険ですが、正しく設定された電流および温度コントローラを使用することでリスクは低減されます。そのセットアップについては動画で実演されています。電流ドライバを設定する際に誤解が生じやすい2つのパラメータや、最大パワーおよび最大電流を適切に使用する方法も示されています。

最終更新日:2021年5月7日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

12

 

ピグテール付きバタフライパッケージ型半導体レーザのセットアップ(Viewer Inspired)

 

バタフライパッケージ型の半導体レーザは、TECコントローラと電流コントローラ付きのマウントに取り付けることにより、コンパクトなパッケージで精密な制御が可能となります。このマウントにより、レーザの取り扱いはより簡単で安全になりますが、レーザをマウントに取り付ける際には様々な注意が必要です。こちらの動画では半導体レーザの取り付けや設定に関するガイドとなっています。始めに様々な関連部品について説明し、温度制御、最大電流リミット設定など、レーザ操作に必要な手順をご紹介します。

こちらのでデモでは「セットアップの手順では触れられていない有益な情報」についても説明しています。例えば、静電気防止用ESDストラップの着用、熱グリースをいつ使用するかの判断方法、熱グリースの適量、レーザのピンとマウントの電気接続方法、マウントから簡単にレーザを取外す方法、取り付けたレーザのファイバーピグテールの保護方法、APCコネクタのクリーニング方法、レーザの仕様書に書かれたSteinhart-Hart式サーミスタの値の使用、レーザの電流リミットの設定値を決定するためのパワー測定などについて説明しています。

最終更新日:2021年6月17日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

13

 

 

 

1/4波長板のファスト軸とスロー軸を区別する方法

 

波長板には2つの軸があります。スロー軸に平行な偏光成分は、それに直交するファスト軸に平行な偏光成分に対して遅延します。波長板のリターダンスがこの遅延量を決定します。複数の交差する偏光子を使用することで軸を特定することはできますが(動画参照)、それがファスト軸とスロー軸のどちらであるかについては識別できません。しかし、セットアップにミラーを追加し、光パワーの計算値と測定値を比較することで、ファスト軸とスロー軸を区別することができます。この方法はあらゆるリターダンスの波長板に適用できますが、右の動画では1/4波長板を使用しています。

この動画では、測定用セットアップの概要と、光学部品のアライメントや向きに関する慣習などについて解説しています。結果の正確な解釈は、偏光子と検光子の透過軸が平行か直交(交差)かなど、セットアップの詳細に依存します。ここの動画では交差偏光子が使用されており、この方法について解説している論文[1]とは異なります。

波長板のファスト軸およびスロー軸は、システムを透過する光パワーの測定値と、理論曲線1組とを比較することで確認します。これらの曲線を算出するのに必要なフレネル反射の式やその他の数式が提示されています。これらの曲線を計算するには反射面の屈折率も必要です。なお、複素屈折率の虚数部の符号は、好みの慣習に従って正でも負でもかまいません。どちらでもご使用いただけますが、符号により曲線についての解釈が異なることにはご留意ください。この動画では正の符号を用いています。

[1] Petre Ctlin Logoftu, "Simple method for determining the fast axis of a wave plate," Opt. Eng. 44, 3316-3318 (2002).

最終更新日:2022年3月25日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

14

 

 

Visual Studio®プロジェクト作成とC#プログラミング: Kinesis® BBD300シリーズコントローラを使用して

 

デバイスをリモート操作するためのソースコードを書く際の最大のハードルの1つとして、プログラムを開始し、接続するデバイスを初期化することがあげられるでしょう。こちらのKinesis®ソフトウェアパッケージのチュートリアル動画では、C#および.NET Frameworkを使用して新しいVisual Studio®プロジェクトを作成し、接続したデバイスを初期化する方法について手順を追って説明します。ここでは2軸ステージに接続したモーションコントローラBBD300シリーズを使用しています。動画では基本的な動作シーケンスがプログラムに追加され、コード実行のテストに使用されています。

デモでは新たにVisual Studioプロジェクトを作成し、必要なDLLを追加する方法について説明するところから始まります。ここの例では接続しているコントローラは1台のみです。コントローラのシャーシとチャンネルをそれぞれ初期化する必要があるため、プログラムは、2段階初期化プロセスが実行されるように書かれています。各チャンネルは接続したステージの1軸に接続します。

このデモでは、コントローラの2つのチャンネルのうちの1つが初期化されるため、2軸ステージは1方向に動作するようになります。動作コマンドでは、カスタムの速度と位置設定が規定されています。また動作シーケンス完了後、シャットダウンシーケンスを実行する指令も含まれています。メソッドによりエラーがスローされた場合に、プログラムに命令を供給するために、Try-Catchブロックがコードに追加されています。コマンドと位置のステータス情報がユーザに提供され、コンソール画面にステータスメッセージが示されます。

これらの手順は、同じコントローラとXYステージを使用する双方向ラスタスキャンを実行するプログラムのベースとして使用されています(下記動画参照)。

最終更新日:2021年11月17日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

15

 

 

偏光計を構築して、ストークス値と偏光状態を特定する方法(Viewer Inspired)

 

偏光計は光の偏光状態を測定するのに用いる光学ツールで、直線偏光子、1/4波長板、パワーセンサ、およびパワーメータを用いて構築できます。この動画では手動式偏光計の2種類の構築方法(古典的な方法と、回転式波長板を使用した方法)を紹介し、両方の方法でレーザービームの偏光状態を測定しています。[1] どちらの方法でも、測定された偏光状態は4つのストークスパラメータを用いて記述されます。この動画では、直線偏光や円偏光などの異なる偏光状態とストークスパラメータとの関係についても解説しています。 

この動画における左偏光と右偏光は、光の伝搬方向とは逆向きに光源方向を見たときに、時間とともに回転する偏光ベクトルの回転方向で定義しています。動画では、観察面を伝搬するビームに対して垂直な面に固定して示すことで、このルールを図解しています。ビームがこの観察面を通過すると、ビームの瞬間的な偏光ベクトルの先端がその面上で軌跡を描きます。その軌跡は時間の関数として描かれ、軌跡が描かれる方向は光の回転方向(左偏光または右偏光)に対応します。軌跡の形状は偏光楕円を表し、これは光の偏光状態を表す便利で一般的な方法です。偏光楕円とストークスパラメータの関係についても解説しています。 

これらの偏光計を構築するのに用いた直線偏光子と波長板の透過軸は、撮影前にテーブルに対してアライメントされています。アライメント手順については下記のリンクから動画でご覧いただけます。

[1] Beth Schaefer, Edward Collett, Robert Smyth, Daniel Barrett, and Beth Fraher "Measuring the Stokes polarization parameters," Am. J. Phys. 75, 163-168 (2007).

最終更新日:2021年10月19日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

16

 

 

Visual Studio®とC#プログラミングによるラスタスキャン: Kinesis® BBD300シリーズコントローラを使用して

 

XY電動ステージの利点は、リモート制御でラスタスキャンなどパターン化されたスキャンを特定の領域で実行できることです。動画では、BBD300シリーズモーターコントローラが接続した2軸ステージをステップ走査の双方向ラスタスキャンパターンで動かすためのプログラムを、当社のソフトウェアパッケージKinesis®利用して作成する方法を詳細に説明しています。プログラムは、C#、.NET framework、Visual Studio®の開発環境で書かれています。

こちらのチュートリアルは上の動画Visual Studioプロジェクト作成とC#プログラミング: Kinesis BBD300シリーズコントローラの内容をベースに構築されています。様々なラスタスキャンパターンと手法の概要を説明した後、Visual Studioプロジェクト作成の動画で説明されている手順の簡単なデモがあります。これにはライブラリの参照、プロジェクトプラットフォームの設定、コントローラのシャーシと2つのチャンネルの初期化が含まれています。

移動には3つの要素が実行されます。1つは選択したステージ軸をホーム位置に戻し、もう1つは、ステージを特定の位置に移動させるために使用します。3つ目はジョグを実行し、ステージを特定の軸に沿って特定のステップサイズで移動させる方法です。ラスタスキャンは、最初にステージを初期位置に移動させ、その後、ステージのX軸およびY軸に沿ってジョグにより実行されます。コードをデバッグするためのサンプルが示されています。これにより、ステップ走査の双方向ラスタスキャンが正常に実行されるようになります。 

最終更新日:2021年11月17日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

17

 

 

軸外放物面(OAP)ミラーをアライメントしてビームをコリメートする(Viewer Inspired)

 

軸外放物面(OAP)ミラーは発散光をコリメートするのによく使用されますが、ミラーのアライメントでは苦労することがあります。これはアライメント作業において調整しなければならない事項が複数あるためです。この動画では、アライメントの手順を個別のステップに分割して説明し、またミラーと光源を適切に配置するコツなども説明しています。さらに、適切なアライメントとミラーの形状や配置との関係について説明し、様々なミスアライメントによってビーム形状に生じる典型的な影響を観測用スクリーンでお見せしています。

動画では、光ファイバからの発散光をOAPミラーに入射し、その入射光とコリメートされた反射ビームが光学テーブル面と平行な面内を伝搬するようにするように調整しています。そのため、重要な最初のステップは、光源の高さとミラーマウントの取付け穴の中心を、必要とするコリメート光の高さに設定することです。次に、ミラーを回転させて反射光の面をテーブル面と平行になるようにし、続いてファイバの端面をミラーの焦点に移動させるという作業を、反復して行います。

最終更新日:2021年12月14日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

18

 

 

Visual Studio®とC#プログラミングによるカメラのセットアップと画像取得

 

サイエンティフィックカメラをセットアップに組み込むときに、ハードウェアトリガ機能を用いて画像の取得と保存を自動で行うと便利です。その仕組みは、当社のサイエンティフィックカメラに付属するソフトウェア開発キット(SDK)を使用することで実現できます。ここでは、サイエンティフィックカメラの動作を制御するためのSDKの使い方について、C#で書かれたVisual Studio®のコンソールアプリケーション、およびサイエンティフィックカメラ、LED、LEDドライバ、PCなどのセットアップを使用して実演を行っています。

まずセットアップの一般的な概要説明を行い、次にLEDドライバがLEDに対してパルスを送信すると同時にTTL信号を出力する動作を5回行うようにシステムを構成する様子を見ていただきます。光源から光をパルス光とすることで試料の露光時間を制限することができます。TTL信号は画像取得と試料の光照射とを同期させるのに用いられます。TTLハードウェアトリガ信号はケーブルでカメラに接続します。

次に、何も書かれていないVisual Studioコンソールアプリケーションを開き、1行ごとに入力されるコードを説明します。このプログラムは、PCに接続されている使用可能な全てのカメラを検出できます。その中から1つのカメラを選択し、そのパラメータをこのセットアップ用として構成します。露光時間はLEDのパルス幅よりもわずかに短く設定し、ハードウェアトリガ信号を受信したときに1枚の画像が取得されるように指定します。各画像はビットマップファイルとして保存され、取得される画像は全部で5枚です。最後にプログラムを実行し、LEDの個別のパルスに対応した5枚の画像が取得されます。

DLLおよび参考資料のファイルパス

  • プロジェクトのセットアップ中に追加されたDLL: C:\Program Files\Thorlabs\Scientific Imaging\Scientific Camera Support\Scientific Camera Interfaces
  • カメラでサポートされている機能などについての詳細資料: C:\Program Files\Thorlabs\Scientific Imaging\Documentation\Scientific Camera Documents

最終更新日:2022年1月24日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

19

 

 

FiberBench上でのFiberPortのアライメント(Viewer Inspired)

 

この動画では、FiberBench上で2つのFiberPortをアライメントする手順を実演しています。この手順では、Zθネジなどの様々な調整ネジの機能が互いにカップリングしていることを考慮に入れています。3つのZθネジのいずれかを調整すると、レンズの向き(角度)とZ軸上の位置の両方が影響を受けます。3つのZθネジを1組のセットとして調整することで、最終的にレンズの角度方向またはZ軸上の位置のどちらか一方のみを調整するような動かし方が可能になります。

例えば、3つのZθネジを全く同じ量だけ同じ方向に動かすと、レンズはその向き(角度)は変えることなく、Z軸に沿って移動します。動画では、必要に応じてアライメント手順をカスタマイズできるように、これ以外の方法やその他の調整方法もご紹介しています。

FiberPortを互いにアライメントする前に、FiberPort内のレンズを事前に調整して、光ファイバからの光をコリメートしておく必要があります。FiberPortは予めアライメントしてから発送しますので、未使用のFiberPortをお使いになる場合にはこの手順は必要ありません。アライメントの手順としては、まずXY軸のアジャスタを調整し、次にZθアジャスタの調整に進みます。アライメント手順が複雑にならないように、Zθアジャスタの調整を始めたら、XYアジャスタの位置は変更しないことをお勧めします。

ファイバに結合する光パワーを計測し、それをアライメント状態のモニタとして使用します。しかし、調整したときにパワーが減少しても、必ずしも手順の失敗を示すものではないことにご留意ください。全体における最大値へ向かう途中の、局所的な極小値の場合があります。この動画では、アライメント状態の解釈や調査をするためのヒントを示すだけでなく、一貫した調整をするためのアドバイスも行っています。

最終更新日:2022年2月15日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

20

 

 

KF(QR)真空フランジの使い方

 

2つのKFフランジ付き真空用部品は、フランジ間のOリングを圧縮して接続します。この真空接続部のリークレートを最小化するには、フラットなフランジ面が滑らかでクリーンであること、またOリングに傷がなく柔軟性があることが必要です。この動画ではKFフランジ付き部品の接続方法と取外し方をご紹介し、合わせてこれらの真空フランジの取扱い、保守、組立てにおける要点などを解説します。KFフランジを使用している真空システムは、真空度のレベルとして一般に10-8 Torr (1.33 x 10-8 mbar1.33 x 10-8 hPa)までご使用いただけます。なお、フランジの種類はKF(またはQR)で識別されますが、フランジのサイズは最初にKF、DN、またはNWと記されている場合がありますのでご注意ください。

KFフランジ付き部品を真空システムで使用するメリットは多々あります。例えば、ジェンダーレスである(オスメスの区別が無い)、サイズが標準化されている、接続や取り外しが容易である、比較的安価であるといったことがあげられます。これらのメリットの多くは、ガスケットとして機能するエラストマー製のOリングによるものです。

真空シールの性能は、フランジ表面とOリング両方の状態、Oリングへの圧縮力、Oリングの温度や使用方法の履歴など、いくつかの要因に依存します。Oリングは過剰な圧縮(>60%)や高温に曝されると、圧縮永久歪みが生じるのが早くなります。圧縮永久歪みとはOリングの形状に恒久的な変化が生じることを指し、これにはエラストマー素材が硬化することも含まれます。動画のようにOリングとフランジの表面を点検し、ダメージのある部品や硬化したOリングを交換することにより最適な性能が得られます。動画ではOリングに真空グリースを塗る方法のご紹介と、真空グリースを使用するかどうかを判断する際の考え方も解説しています。 

最終更新日: 2022年6月10日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

21

 

ベース、ポストホルダ、ポストなどを取り付ける際の注意点

 

  

光学系は通常、ポスト、ポストホルダ、ベースなどのコンポーネントを基礎にして構築されます。この基礎を設計して構築するには様々な方法があります。設計や構築の方法によっては振動の影響を受けやすくなったり、衝撃でミスアライメントが生じやすくなったりします。また、組立て方によっては偶発的にコンポーネントに損傷を与えかねません。

残念なことに様々な方法の効果は一般に全体を組み立ててからでないと分からないため、1つ1つの方法のメリットとデメリットを評価するのは困難であったり、時間がかかったりします。また、ポストやポストホルダ、ベースは慣れ親しんでいるコンポーネントであるため、ほかの方法があることすら考えないかもしれません。この動画では、当社で有益であると考え、またオプトメカニクス製品を初めて扱う方には良い出発点となるであろうと思われる方法をご紹介しています。 

このデモンストレーションでは、一般的な光学システム構築用のコンポーネントに焦点をあて、設計やそれらを使った作業に長く携わってきた経験から得られたヒントなどもご紹介します。ベースのリリーフカット、ポストの貫通穴、ワッシャを使用することのメリットなど、気付かなかったかもしれないものの目的や使い方も明らかにします。機械的安定性を向上させるために選択すべきポストやポストホルダの高さに関するガイドラインや、ポストにキネマティックマウントを取り付ける際にマウントに損傷を与えないための方法などもご提示します。そのほか、比較的大きなコンポーネントを、2本のポストホルダ、2本のポスト、およびベースを使用して取り付ける方法もデモンストレーションしています。

こちらの動画では、ポストホルダを光学テーブル、ベース、あるいはブレッドボードにボルトで固定する際に、意図しない結果を回避し、また高さの調整範囲を維持する方法もご紹介しています。

最終更新日:2022年4月29日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

22

 

レーザースペックルを利用してビームの焦点を見つける方法

 

レンズがレンズチューブ、光学マウント、ケージプレートなどに取り付けられているとき、固定している部品内でのレンズの正確な位置がわからないため、ビームの焦点位置を正確に決められずにシステムのアライメントが困難になる場合があります。このような固定用部品からの焦点位置を見つける方法の一つとして、レーザースペックルを利用する方法があります。

この動画では、まずレンズチューブ内にマウントされたレンズの焦点を、レーザースペックルを利用して見つけます。各レンズの焦点位置を見つけたら、焦点とレンズチューブ外側の肩部分までの距離を測定します。

次に、2枚のマウントされたレンズの間に空のレンズチューブを挿入して、ケプラー式ビームエキスパンダを構築してみます。これらの2枚のマウントされたレンズ間に必要なレンズチューブの長さは、先ほど測定した焦点までの距離を使用して推定します。この方法により、初めに必要なレンズチューブの全長を推測し、次にビームの状態を繰返し測定して目的の長さが得られるまで調整を行うという、ビームエキスパンダ構築時の面倒な試行錯誤を避けることができます。

ここでは、透過型のすりガラス拡散板を使用してスペックルパターンを発生させています。拡散面(すりガラス面)が、ビームサイズが最小になる焦点の位置にあるときに、スペックルのサイズが最大になります。ビームは拡散面側に入射することを推奨しています。そうすることで、拡散板の光学的厚さを考慮せずに、焦点までの距離を直接測定することができます。ビームエキスパンダを構築できたら、シヤリング干渉計を使用して、拡大されたビームのコリメート状態を微調整します。

最終更新日:2022年6月6日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

23

 

Python®によるパワーメータと回転マウントの自動化(Viewer Inspired)

 

Kinesis® K-Cube™モーターコントローラとパワーメータを自動制御するためのPythonスクリプトは、Visual Studio® Codeを用いて書かれています。このプログラムは回転マウントを180°回転させながらパワーメータで光パワーを測定することができ、可変光減衰器の特性を評価するときに必要になります。このコードは.NET Frameworkを用いて開発されたライブラリを使用するため、コードを実行するにはPython.NETのインストールが必要です。

こちらのチュートリアルでは、まずK-Cubeモーターコントローラ固有のコードを実装し、次にパワーメータのコードを実装します。両方のデバイスに必要なパッケージとクラスを特定し、また両方のデバイスの初期化手順やシャットダウンを完了するのに必要な手順を示します。さらにパワー読み取り値を取得する方法や、モータ動作中のコントローラのステータスを確認する方法などを説明します。Pythonスクリプトは、K-Cube部分のコードが完了した後と、プログラムが終了した後の2回実行されます。

K-Cubeモーターコントローラとパワーメータは、固定された互いに直交する2枚の直線偏光子の間に回転式1/2波長板を配置した光学系に対して、それを透過する光パワーを評価するように自動制御されます。1/2波長板を回転したとき、出射側の偏光子を透過する光の偏光方向は一定ですが、その光パワーは正弦波状に変化します。このプログラムによって、1/2波長板が固定されているマウントの回転角度の設定と、そのときの透過光パワーの測定が行われます。

動画のなかでVisual Studio Codeを用いて書かれたコードは、当社の公式GitHubアカウントこちらからダウンロードいただけます。

最終更新日:2022年7月26日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

24

 

 

真空対応CF(コンフラット)フランジの使い方

 

 

超高真空レベル(10-8 Torr (1.33 x 10-8 mbar、1.33 x 10-8 hPa)より高真空)を実現するための接続方法として、2つのCF(ConFlat®)フランジの間に金属ガスケット挟んで締め付ける方法があります。ここでは、その接続方法を、ファイバーフィードスルーの付いたCFフランジとCFフランジの付いたT字管のポートを使用して実演しています。真空封止の品質と真空システムを目標とする真空レベルまで排気するのに必要な時間は、ボルトが正しく締め付けられていることを確認すれば決まるというわけではありません。ここでは、良好な結果を得るのに役立つ、真空部品や真空システムを取扱うための方法もいくつかご紹介します。

ナイフエッジの損傷、ボルトの乱暴な締め方、ガスケットの再使用などは、すべてCFフランジによる真空接続部にリーク(漏れ)を発生させる可能性があります。動画で実演されている方法は、これらの要因によるリスクを軽減します。これらの要因はすべて金属ガスケットの展性(可鍛性)に関係しています。ガスケットは、ナイフエッジにおける傷などの幅の狭い急峻な形状を埋めるほどには柔らかくないため、ナイフエッジは新品のままの状態であることが重要です。ボルトを何回にも分けて徐々に締めていくのは、ガスケットの円周の厚さを均一に保つうえで効果的です。各ボルトを一度に締め付けると、ガスケットの厚さにばらつきが生じ、均一にすることが困難あるいは不可能になる場合があります。これは金属ガスケットの流動性に限界があるためであり、それによってガスケットとナイフエッジの間に隙間が生じる可能性が有ります。ガスケットは、常に新しいものを使用されることをお勧めします。前回の使用時に部分的にしか圧縮しなかった場合でも、再利用したときにはナイフエッジの輪郭に適合するのに十分な展性がない場合があります。これは圧縮により金属がひずみ硬化(加工硬化)するためです。

真空システムの接続部にリークがあると、リークチェックを行って問題箇所を特定したり、それを解決するために真空システムを再度開いたりなど、多くの時間を費やすことになりかねません。そのほか、チャンバ内部やチャンバに取り付けられたコンポーネントに破損や動作不良があると、生産的な作業が遅れる場合もあります。そのため、ファイバーフィードスルーの取扱い方などに関しても、特に注意すべき点についてご紹介しています。

ConFlat®はAgilent Technologies社の登録商標です。

最終更新日:2022年9月20日

Return to Top

本セクションへのリンクをコピーするには、こちらを右クリックしてください。

25

 

空間光変調器(SLM)の位相遅延の校正方法(Viewer Inspired)

 

シリコン(Si)空間光変調器(SLM)の反射型液晶によって生じる位相遅延(位相変調)の大きさは、印加された制御電圧、周辺環境、入射光の特性など、さまざまな要因に依存します。製造者が印加電圧に対するSLMの位相遅延を校正するときは、通常、特定の動作条件下で、特定の波長のコリメート光を特定の角度で入射して行います。使用者のセットアップや動作条件は製造者の校正条件と大きく異なることがあるため、多くの場合、アプリケーションごとにSLMの位相遅延を再校正することは有意義です。

この動画では、入射光の直線偏光の状態に影響を与えずに位相変調できるように設計された反射型SLMの位相遅延を、干渉によって校正する方法[1]をご紹介します。校正用のセットアップに必要なものは、SMLの他にはコリメートされた直線偏光の入射光とカメラだけです。

SLMの位相遅延のパターンはグレースケール値で表すのが一般的で、グレーの各濃淡が特定の位相遅延を表します。校正することで、現在の動作条件下における、各グレースケール値に対応する位相遅延が決定されます。この校正方法では、SLMのパネルの半分に均一な位相遅延が生じるようなパターンを適用します。この半分はミラー側になり、これにより反射光が得られます。残りの半分にはバイナリ位相回折格子となるようなパターンを適用し、それにより回折ビームが得られます。反射ビームと -1次回折ビームが重なり合って干渉縞が生成され、校正中はそれをモニタします。SLMのミラー側に印加される電圧を全範囲にわたって変化させると、印加電圧の変化に伴って干渉縞がシフトします。干渉縞のシフト量は位相遅延の変化量に直接関係します。

この動画に付随するもう一つの動画では、液晶層の光学特性に関する追加情報をご紹介しています。そこでは印加電圧が液晶層の屈折率に与える効果や、直線偏光の向きが異なる場合における液晶層の効果などもご説明しています。直線偏光の向きが、SLMの光軸と呼ばれる液晶層内の分子の回転面と平行でない場合には、予期しない結果が得られることになりますのでご注意ください。

[1] José Luis Martínez Fuentes, et al., "Interferometric method for phase calibration in liquid crystal spatial light modulators using a self-generated diffraction-grating," Opt. Express. 24, 14159 - 14171 (2016).

最終更新日:2023年11月29日

Return to Top

本セクションへのリンクをコピーするには、こちらを右クリックしてください。

26

 

 

シヤリングプレートコリメーションテスタを用いてレーザをコリメートする方法(Viewer Inspired)

 

 

シヤリングプレートコリメーションテスタは、光路に挿入しやすいコンパクトなシヤリング干渉計です。光路に設置することで、レーザービームのコリメート状態を評価し、かつ最適化するために使用することができます。この動画では、このデバイスの使用方法やトラブルシューティングの要領、特定のビームのコリメート状態を試験する際にアプローチの適切性を判断するための指針などをご紹介しています。

ここではコリメート用レンズとしてアクロマティック複レンズを使用していますが、そのレンズの位置を調整している間、デバイスはビーム内に納まっています。デバイス上部にあるすりガラス拡散板上に見える干渉縞は、ビームの状態(集束、発散、またはコリメート状態)を示します。

この測定方法では、光が十分にコヒーレントであること、波面収差が小さいこと、シヤリングプレートの厚さがビーム径に対して適切であることなどが求められます。また、ビームがコリメート状態を維持できる距離は無限ではないため、デバイスはコリメート光のビームのウェストからおよそ1レイリー長の範囲内に設置する必要があります。

干渉縞が見えない場合や干渉縞と判断するのが難しい場合に、問題を解決するためのアイデア等をご紹介しています。具体的には、より薄いシヤリングプレートを使用する、レンズの位置を調整する、デバイス上部に拡大ビュアーを追加する、といった解決策を示しています。また、波面収差が非常に大きい場合やコヒーレンス長が不十分な場合には、ビームのコリメーションを試験して最適化するために別の方法が必要であることも示しています。

最終更新日: 2023年3月22日

Return to Top

本セクションへのリンクをコピーするには、こちらを右クリックしてください。

27

 

 

偏波保持ファイバに結合する光の偏光方向をアライメントする方法

 

偏波保持(PM)ファイバでは、PMファイバの2つ軸のうちの1つに対して偏光方向が適切にアライメントされた直線偏光だけが、その偏光状態を維持することができます。そのため、偏波保持ファイバに光を結合するためのセットアップでは、しばしば直線偏光子と入射光の偏光方向を回転させるための何らかの手段が使用されます。この動画では、直線偏光の入射光をアライメントするための方法を2つご紹介しています。1つ目の方法では偏光計を使用し、2つ目の方法では光パワーセンサの前に直線偏光子を置いてパワーを測定します。どちらの方法もファイバの複屈折性をスムーズに増加または減少させる必要があります。そのために、この動画ではファイバを加熱または冷却しています。

光を偏波保持ファイバに結合する場合、まず最大の結合効率を得られるようにシステムを調整することが重要です(以前ご紹介したファイバーベンチファイバーコリメータの調整と同様です)。次に、動画でご紹介している2つの方法のうちのどちらかで、入射光が直線偏光であること、およびその偏光方向が偏波保持ファイバのスロー軸またはファスト軸に対して平行になっていることを確実にします。このようにアライメントすると、光はファイバの1つの軸だけに沿って進むため、偏波保持ファイバは入射光の偏光状態を維持することができます。

偏光計を使用する方法と偏光子を使用する方法の両方を用いて、偏波保持ファイバからの出射光を測定します。この動画では、より適切にアライメントされると、偏光計のデータがポアンカレ球の赤道上の点の周りでより小さな円の軌跡を描くことが示されます。それらのデータは、適切に配向された直線偏光子を透過した光パワーの測定値と並べて表示され、比較することができます。より適切にアライメントされると、光パワーの振動の振幅がより小さくなります。また、動画では偏波保持ファイバとそれに関連するポアンカレ球上での特性についても簡単に説明しています。

光と偏波保持ファイバの相互作用についての詳細はこちらをご覧ください。

最終更新日: 2023年5月1日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

28

 

 

ヘリオットセルのセットアップと構成(Viewer Inspired)

 

 

ヘリオットセル内では、光が2つの凹面ミラー間で何度も反射を繰り返します。反射されたビームは2つのミラー間をさまざまな角度で伝播し、さまざまな経路をたどってミラー上に直線形、楕円形、あるいは円形の光のスポットのパターンを形成します。セルにビームを入射/出射させるために、一般にどちらか一方または両方のミラーに穴(中央またはエッジ近傍)が開いています。ヘリオットセルは、長い光路長をコンパクトなスペース内に折りたたむことができるという利点があるため、様々な用途で用いられています。ガス吸収分光法は良く知られている用途ですが、これはビームがサンプル体積内を通過するたびに、測定データの信号対雑音(S/N)比が増大するためです。

この動画のセットアップは、開始時点では粗くアライメントされた状態です。セットアップの一方のミラーはエッジ近傍に1つの穴があり、もう一方のミラーには穴がありません。2つのミラーの焦点距離は同じです。偏光無依存型ビームスプリッタと2つのアイリスを使用して、ミラーの面が互いに平行で、かつテーブルのネジ穴の配列に対して垂直になるように調整します。この作業が完了したらミラーの角度調整は完了です。次に、入射ビームの向きとセルの長さを変えて、ミラー上でさまざまな反射パターンを得る方法をご紹介します。

入射ビームの角度とミラー間の距離は、どちらもビームがセルから出射するまでに反射する回数に影響します。特殊なケースとして、2つのミラーの焦点距離が等しく、かつミラー間の距離が焦点距離と同じ場合があります。このような構成にした場合は、入射ビームの向きに関わらず、ビームはセル内を6回通過します。このミラー間隔の状態は、入射ビームのピッチ角とヨー角、およびX軸とY軸の位置を変えたときの影響を見るのに使用します。また初期設定として、入射ビームがセルの光軸に対して平行になるようにアライメントします。次に、ビームのセル通過回数が増えるようにセルの長さを調整します。この動画では、入射ビームの向きをさらに調整して、直線形、楕円形、および円形の反射パターンを生成しています。

参考文献:
D. Herriott et al., Appl. Opt. 3, 523-526 (1964).
C.G.Tarsitano et al., Appl. Opt. 46, 6923-6935 (2007).

最終更新日:2023年7月14日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

29

 

 

LEDからの出力光をコリメートする方法

 

LEDほか広帯域のインコヒーレント光源からの光のコリメートは意外にも困難な場合があります。エミッタのサイズ、コリメートレンズの焦点距離と開口数(NA)はすべて、コリメートビームの特性に影響を及ぼします。また、レンズが適切な位置にあることを見極めるのも難しい場合があります。この動画では、NAと焦点距離の異なる2つのレンズを使用して、いくつかのコリメーションの手法のデモを行います。また、エミッタの像ほかコリメートレンズによって得られるビームの典型的な特性についても探っています。

コリメート光の2つの重要な特性は、発散角と光パワーです。デモでご覧いただけるように、2つのレンズの直径が同じ場合、焦点距離が小さい方がNAが大きいため、より多くの光を集めることができます。しかしその代償としてコリメートビームの発散角が大きくなります。発散角は発光エミッタの物理的なサイズにも影響を受けます。同じレンズを使うことを仮定すると、エミッタが大きいほどコリメートビームの発散角は大きくなります。

発散角が大きくなるということは、ビームの放射照度(単位面積あたりの光パワー)が、レンズからの距離が遠くなるほど小さくなることを意味します。そのほかにも、コリメート領域が短くなります。コリメート領域は、エミッタ全体からの光線が重なるビームの部分と説明することができ、通常はレンズの近くにあります。 レンズからの距離が離れるにつれて、発散により光線がそれぞれの起点により異なる光線束に分離し、エミッタの像が現れます。像が現れることは、薄型レンズの方程式では予測できないため想定外の場合もあり、またご用途によっては予期しないアーティファクトが発生する場合があります。

最終更新日:2024年1月12日

Return to Top

本セクションへのリンクをコピーするには、こちらを右クリックしてください。

30

 

 

追尾機能を備えた太陽撮像望遠鏡の構築

 

太陽のイメージングは人にも装置にも危険が伴いますが、望遠鏡を改造して光減衰器を組み込み、画像の光強度を安全なレベルまで下げることは可能です。さらにモータやソフトウェア制御を追加し、太陽望遠鏡の方位角と高度を自動調整して、空を移動する太陽を連続的に追尾することも可能です。この動画では、屈折式の太陽撮像望遠鏡を設計・製作してその様子をお見せします。望遠鏡の撮像装置にはカメラを使用し、モータの制御はPythonコードで行います。Pythonコードとその使い方の詳細は、当社のGitHubページからダウンロードいただけます。

望遠鏡の設計は、カメラのCMOSセンサの寸法、飽和露光量、および応答性によって制約されます。レンズの焦点距離は、センサの受光面の適切な範囲内に最大の像が得られるように選択します。この焦点距離でレンズとカメラの間隔が決まります。光の減衰量を最適化するには、センサの飽和露光量より極めて低い光強度が得られる減衰量を計算し、まずそれを適用します。次にカメラの露光時間を10ミリ秒未満に短縮できるまで、減衰量を徐々に小さくします。

追尾機能は2つの電動回転ステージを用いて実装しますが、それらのステージは3Dプリントで作成されたカスタムブラケットで直交するように接続します。カスタムブラケットの設計ファイルはこちらからダウンロードいただけます。室内で試験と大まかなアライメント調整を行った後、望遠鏡を外に持ち出して、太陽のイメージングと追尾機能の性能をお見せします。

最終更新日:2024年4月4日

Return to Top

本セクションへのリンクをコピーするには、こちらを右クリックしてください。

31

 

 

光の透過率とブリュースター角の入射角依存性

 

ガラスの表面での光の反射率は4%と仮定するのが一般的です。この経験則は垂直入射に近い場合は適用できますが、このような近似はすべての入射角に対して適切というわけではありません。また、入射光の偏光状態が反射光や透過光のパワーに与える影響についての情報もありません。このデモンストレーションでは、回転するガラスウィンドウからの反射光と透過光を観察し、フレネルの式によるモデルから得られる結果と比較しています。4%ルールの限界について調べ、反射率と透過率の偏光依存性についても探ります。

まずs偏光、次にp偏光の入射光を回転するウィンドウに入射し、光の反射率と透過率が入射光の偏光状態に依存することを明らかにします。(s偏光は入射面に垂直な直線偏光であり、p偏光は平行な直線偏光です)。そして入射したp偏光がすべて透過し、したがってs偏光のみが反射する入射角があることを示します。これはブリュースター角と呼ばれ、このデモンストレーションでは光がブリュースター角で入射するようにウィンドウの向きを調整する方法を実演しています。

また、s偏光とp偏光に対する透過率と反射率の値がわかっている場合は、入射面に対して45°の方向に直線偏光している光を用いて、非偏光に対する透過率や反射率を予測できることも示しています。

最終更新日:2024年5月7日

Return to Top

本セクションへのリンクをコピーするには、こちらを右クリックしてください。

32

 

 

金属ミラーで反射された光の偏光はどのように変化するか

 

金属ミラーは、光学セットアップ内で光の伝搬方向を調整するために頻繁に使用されます。ミラーによる反射後のビームの方向と形状については、一般にモニタして最適化しようとします。しかし、反射によるビームの偏光状態の変化までは、あまり考慮されない場合があります。偏光に依存しないアプリケーションであれば、このような変化を無視することは妥当ですが、偏光に敏感なアプリケーションであれば、予期せぬ結果を招く可能性があります。

金属表面での反射により、光の偏光状態は変化する場合があります。これは金属が、s偏光とp偏光とで屈折率が異なるという複雑な屈折率特性を有するためです。入射光が純粋なs偏光またはp偏光の場合は、反射光の偏光状態は入射光と同じになります。しかし、入射光がs偏光とp偏光が組み合わされた直線偏光の場合は、反射光は一般に楕円偏光になります。さらに、偏光状態は入射面を基準に決定されるため、ミラーを傾けるだけで入射光の偏光状態が変化してしまうという複雑さまで考慮する必要があります。

このデモンストレーションでは、これらの考え方を解説し、様々な状態の直線偏光が45°の角度で配置された保護膜付き銀ミラーで反射されたときに、偏光にどのような変化が生じるのかをご紹介します。入射光の偏光状態は、1/4波長板、直線偏光子、およびパワーセンサで構成された偏光計による測定値を用いて決定しています。ストークスパラメータを計算する際は、波長板の実際のリターダンスを考慮することで精度を高めています。反射光の偏光状態は、ターンキー式偏光計を使用して測定しています。その偏光楕円表示画面を用いて、入射する直線偏光のs偏光とp偏光間の回転に伴う偏光状態の動的な変化を、視覚的にご覧いただきます。

最終更新日:2024年10月31日

Return to Top

本セクションへのリンクのコピーはこちらから(右クリックしてください)

33

 


Posted Comments:
aroopkanti bose  (posted 2021-07-15 17:21:51.7)
Can you please add a video on SPCM20A/M appln
lmorgus  (posted 2021-07-16 09:33:53.0)
A response from Laurie at Thorlabs to aroopkanti bose: Thanks for your suggestion! Do you have a specific application in mind for a single photon counter?