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マウント付きグラントムソン偏光子


  • Wide Field of View: 40° Typical
  • Highest Grade Optical Calcite
  • Ø1/2" or Ø1" Outer Diameter Mount
  • Uncoated and AR-Coated Versions Available

GTH10M-B

GTH5M-A

Application Idea

GTH10M Polarizer, SM1L20 Lens Tube,
and RSP1 Rotation Mount Assembly

Related Items


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Item # PrefixGTH5MGTH10M
Extinction Ratioa100 000:1
SubstrateHigh Optical Grade Calciteb
Wavefront
Distortion
≤λ/4 Over Clear Aperture
Surface Qualityc20-10 Scratch-Dig
Wavelength Range350 nm to 2.3 µm
Aperture5.0 mm x 5.0 mm10.0 mm x 10.0 mm
Dimensionsd
A21.6 mm36.6 mm
B12.7 mm25.4 mm
Damage Thresholdse
Pulsed2 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.476 mm)
CW2 kW/cm (1064 nm, Ø0.092 mm)
  • 透過ビームの消光比。Extinction Ratio(消光比)は、評価する上で十分な偏光比を有する直線偏光を、その偏光面が偏光子の軸に一致するようにして入射した時の最大透過率と、そこから偏光子を90°回転させた時の最小透過率との比です。
  • リンクをクリックすると基板の仕様がご覧になれます。
  • 入射面および出射面。
  • 寸法の定義については左図をご参照ください。
  • 損傷閾値はコーティングよりも接着剤により制限されています。
注:方解石は温度の変動に弱い結晶で、熱衝撃を与えると割れます。梱包は熱平衡がとれてから(6~8時間後)開いてください。 

特長

  • 広い視野角: 典型値 40°(FOV1+FOV2、「方解石」タブ参照)
  • 高い消光比: 100 000:1 
  • コーティング無しタイプは350 nm~2.3 μm で使用
  • ARコーティング付きは350~700 nm、650~1050 nmで使用
  • 最高グレードの光学用方解石
  • 接合プリズム

当社のマウント付きグラントムソン方解石偏光子は、高い消光比を保ちつつ、方解石偏光子としてもっとも広い視野を有しています。黒色アルマイト処理した筐体のマウント付きバージョンとマウント無しのバージョン からお選びいただけます。マウント付きGTH5Mは外径12.7 mm(1/2インチ)で、当社のレンズチューブSM05L10 に取付けることができるので、この偏光子をØ12.7 mm(Ø1/2インチ)光学素子用精密回転マウントPRM05/Mのような回転ステージへ簡単に取り付けることが可能です。外径25.4 mm(1インチ)のマウント付き偏光子GTH10MでもレンズチューブSM1L20や精密回転マウントPRM1/Mを使った同様の取付けが可能です。詳細は「取付」タブをご参照ください。

コーティング無しとコーティング付きの偏光子をご用意しています。コーティング無しは350 nm~2.3 μmの波長範囲でご使用になれます。コーティング付きのタイプは350~700 nmと650~1050 nmの波長範囲で1面あたりRavg<1%です。詳細は「グラフ」タブをご参照ください。 

GT Mounted Drawing

グラントムソン偏光子は最高光学グレードの方解石製のプリズムが接合されて構成されています。無偏光光線が偏光子に入射すると、入射光は2つの結晶の接合面 で分割されます。通常光線はそれぞれの境界面で反射されて散乱し、偏光子の筐体で部分的に吸収されます。異常光線は偏光子を透過し、偏光した光を出力します。 

注:グラントムソン偏光子では、入力光最大強度は接合プリズムの境界面によって制限されます。当社では、ハイパワー用途向けに20 J/cm2までのエネルギ密度を扱うことのできるグランレーザ偏光子をご用意しています。


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生データはこちらからダウンロードいただけます。
上の透過率のグラフでは、コーティング無しのグラントムソン方解石偏光子GTH10(マウント付きの型番GTH10M)における内部損失を含む透過率の典型値をプロットしています。透過率は、偏光子の筐体にある印に沿って直線偏光された光に対して有効です。方解石は天然の材料であるため、透過率は大きく変動し、その傾向は特にUV域や赤外域で顕著です。したがって上記の性能に関するデータは製造ロット毎に変化する可能性があり、保証されている数値ではありません。
Calcite AR Coating Reflectance
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生データはこちらからダウンロードいただけます。
Glan Thompson Field of View Drawing
Glan-Thompson Calcite Polarizer
偏光状態に依存した屈折-グラントムソン方解石偏光子

当社の方解石偏光子は高品質な複屈折方解石結晶を素材としています。方解石の複屈折性により、光軸の方向に偏光した光波と光軸に対して直交する方向に偏光した光波は異なる屈折率で伝搬します。当社のマウント付きグラントムソン偏光子は、この複屈折性により1つの方向に偏光した入射光を選択的に反射および吸収し、それに直交するもう一方の偏光のみを透過します。非偏光の光が光学素子に入射すると、異常光線は偏光子を透過し、通常光線は光の波長ならびに偏光子の長さに依存した角度で反射します。反射した通常光線は散乱されて部分的に光学素子の筐体に吸収され、その結果高い偏光度の光が出力されます。

方解石偏光子は偏光スプリッタ/コンバイナとして、あるいはビーム中の直交する偏光成分を取り除く偏光素子として設計することができます。当社の方解石偏光子は、右の図のように2つのプリズムから構成されています。方解石は損傷を受けやすい柔らかい結晶なので、当社の方解石偏光子製品の多くは金属製の筺体に収めらています。これらの筺体は、ネジやアダプタを使って当社のオプトメカニクス製品へ簡単に取り付けることができます。

視野

方解石偏光子には、波長と入射方向によって視野(FOV)が変化する特性があります。アライメントやコリメートの際には、このプリズムのFOVを考慮する必要があります。

通常光線を吸収する面では、波長が増加するとFOVは減少します(FOV 1)。反対側では、波長が増加するとFOVも増加します(FOV 2)。通常、グラントムソン偏光子のFOVは、グランテーラ偏光子のFOVよりも大きくなっています。

Field of View
方解石偏光子の視野(FOV)

透過率

当社の偏光プリズムには、高品質の天然方解石のみを使用しています。これらの偏光子の典型的な透過率曲線は、「グラフ」タブ内に掲載されています。方解石は天然の素材で作られているので、結晶ごとのバラツキが透過率曲線と損傷閾値に影響を与えます。このような方解石の透過率曲線のバラツキは一般に2 μm以上の波長域で生じるので、それよりも短波長の可視域や近赤外域で使用するのには適した材質と言えます。

Thorlabs' Calcite Polarizers
Glan-Laser PolarizersGlan-Taylor PolarizersWollaston Polarizers
Mounted Glan-Thompson Polarizers
Unmounted Glan-Thompson Polarizers
Double Glan-Taylor PolarizerBeam Displacers
lens tube mounted to PRM1
図2
inserting lens tube in PRM1
図1
secure polarizer's position by using spanner wrench
図4
inserting polarizer in lens tube
図3

GTH10Mの取付け

偏光子GTH10Mは回転式マウントPRM1に取付け可能で、その際にはレンズチューブSM1L20を使用します。

  1. まず回転式マウントPRM1/Mとレンズチューブに付属する固定リングをはずします。
  2. 図1のように、レンズチューブのネジ加工された側を挿入して、回転式マウントに締め付けて取り付けます。
  3. レンズチューブを回転させて取り付けた後に(図2)マウント付き偏光子をレンズチューブの端部(回転式マウント側からではない)に挿入します(図3参照)。
  4. 次にレンズチューブに付属する固定リングを使って偏光子を所定の位置に固定します。
  5. 固定リングの締め付けにはスパナレンチSPW602がお使いいただけます(図4)。

注意: レンズチューブが長すぎる場合には、Ø25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)-SM1シリーズ変換アダプタSM1P1がレンズチューブSM1L20の代わりにお使いいただけます。

GTH5Mの取付け

GTH5Mは、上記掲載のGTH10Mの取付け手順と同じ方法で取付けができますが、GTH10Mで使用されたØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)部品の代わりにØ12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)の部品を用います。下表ではGTH5Mのマウントに必要な相当品の製品型番がリストアップされています。

DescriptionbGTH10M Item # From AboveEquivalent GTH5M Item #
Rotation MountPRM1PRM05
Lens TubeSM1L20SM05L10a
Spanner WrenchSPW602SPW603
  • レンズチューブが長すぎる場合には、Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)-SM05シリーズ変換アダプタSM05P05がレンズチューブSM05L10の代わりにお使いいただけます。
  • 表内はインチ規格の部品の組合せ例です。ミリ規格の部品の組合せについては当社までお問い合わせください。
Damage Threshold Specifications
Laser OutputDamage Thresholda
Pulsed2 J/cm2 at 1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.476 mm
CWb2 kW/cm at 1064 nm, Ø0.092 mm
  • 損傷閾値はコーティングよりも接着剤の影響を受けます。
  • ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算してください。このパワー密度の単位(単位長さあたりのパワー)が長パルスおよびCW光源に対して最も適した測定量である理由については、下記の「CWレーザと長パルスレーザ」をご覧ください。

当社のグラントムソン偏光子の損傷閾値データ

右の仕様は当社のグラントムソン偏光子の測定値です。損傷閾値の仕様はコーティングよりも接着剤の影響を受けるため、コーティングの種類が同じであれば偏光子のサイズにかかわらず同じです。

 

レーザによる損傷閾値について

このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。

テスト方法

当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。

初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。

LIDT metallic mirror
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
LIDT BB1-E02
Example Test Data
Fluence# of Tested LocationsLocations with DamageLocations Without Damage
1.50 J/cm210010
1.75 J/cm210010
2.00 J/cm210010
2.25 J/cm21019
3.00 J/cm21019
5.00 J/cm21091

試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。

CWレーザと長パルスレーザ

光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。

パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。

Linear Power Density Scaling

線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

Intensity Distribution

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。

ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。

  1. レーザの波長
  2. ビーム径(1/e2)
  3. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
  4. レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)

ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。

ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。

次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。

CW Wavelength Scaling

この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。

パルスレーザ

先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。

パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。

Pulse Durationt < 10-9 s10-9 < t < 10-7 s10-7 < t < 10-4 st > 10-4 s
Damage MechanismAvalanche IonizationDielectric BreakdownDielectric Breakdown or ThermalThermal
Relevant Damage SpecificationN/APulsedPulsed and CWCW

お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。

Energy Density Scaling

エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。

  1. レーザの波長
  2. ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
  3. レーザのパルス幅
  4. パルスの繰返周波数(prf)
  5. 実際に使用するビーム径(1/e2 )
  6. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)

ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。

次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。

Pulse Wavelength Scaling

 

波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。

ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。

次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。

Pulse Length Scaling

お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。


[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1997).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).

レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

Intensity Distribution
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。

CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。

CW Wavelength Scaling

しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。

アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。

CW Wavelength Scaling

LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。

ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。

Pulse Energy Density

上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。

このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:

Pulse Length Scaling

この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。

ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。

Pulse Wavelength Scaling

スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。

マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。

この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。

偏光子セレクションガイド

当社では、ワイヤーグリッド、フィ ルム、方解石、α-BBO、ルチル、ならびにビームスプリッタを含むさまざまな偏光子をご用意しております。 ワイヤーグリッド偏光子のラインナップは、可視域から遠赤外域にも達する波長範囲に対応します。 ナノ粒子直線フィルム偏光子は最高で100 000:1の消光比を有しています。 また、その他のフィルム偏光子は、可視域から近赤外域までの光の偏光に使用できる製品としてお手軽な価格でご提供しております。 次に当社のビームスプリッタ偏光子は反射ビームの利用や、より完全に偏光された透過ビームの使用を可能にします。 最後に、α-BBO(UV域)、方解石(可視~近赤外域)、ルチル(近赤外~中赤外域)ならびに、オルトバナジン酸イットリウム(YVO4)(近赤外域~中赤外域)偏光子は、それぞれの波長範囲で100 000:1の高い 消光比を有する製品となっております。

偏光子の種類、波長範囲、消光比、透過率、ならびにサイズについては、下の表のMore [+]をクリックしてご覧ください。

Wire Grid Polarizers
Film Polarizers
Beamsplitting Polarizers
alpha-BBO Polarizers
Calcite Polarizers
Quartz Polarizers
Magnesium Fluoride Polarizers
Yttrium Orthovanadate (YVO4) Polarizers
Rutile Polarizers
  • 透過率特性をご覧になるにはグラフのアイコンをクリックしてください。 各特性データは、ある1つの基板またはコーティングの透過率をサンプルとして示しており、その特性は保証されているものではありません。
  • 偏光軸の印付きのマウント、ネジ切り無しリング、またはシリンダに取付け済み。
  • マウント無し、または偏光軸印付きのSM05ネジ付きマウントに取付け済みのタイプをご用意。
  • マウント無し、または偏光軸印付きのSM01ネジ付きマウントに取付け済みのタイプをご用意。
  • マウント無し、またはケージシステム対応キューブに取り付け済みのタイプをご用意。
  • 方解石は天然の物質で、350 nmあたりの典型的な透過率は約75%となります(Transmission欄をご覧ください)。
  • マウント無し、またはØ12.7 mmの筐体(ネジ切りなし)に取付け済みのタイプをご用意。
  • 方解石の透過率特性は、直線偏光が偏光子筐体に記されている偏光軸とアライメントしている場合に有効です。
  • Vコーティング(1064 nm)付きの製品は、型番末尾が「-C26」となっています。
  • マウント無し、または偏光軸印付きのマウントやネジ切り無しシリンダに取付け済みのタイプをご用意。

Posted Comments:
jouni.peltoniemi  (posted 2017-08-08 09:33:24.657)
Field of view is given in two opposite directions, but what is it in 90 degree direction? Is it a sharp cut, or is the transmission varying as a function of the incident angle strongly?
tfrisch  (posted 2017-09-12 04:04:09.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. While the FOV in the pitch direction is determined by the total internal reflection condition on the prism, the yaw direction will be limited by aperture clipping of the beam which will be dependent on the beam size and polarizer length. I will reach out to you directly to discuss this.
jchristopheris  (posted 2014-02-16 13:35:36.653)
I'm using the GTH10M as a clean up polarizer on a linearly polarized laser source (Argon Ion at 514.5nm). If I measure the power of the laser after passing through the GTH10M as a function of angle there are two maxima separated by ~180 degrees as expected. However, the maxima are not the same size, which surprised me. Is there a specification for how large this effect is and how I would account for it using Jone's matrices?
jlow  (posted 2014-02-25 05:27:51.0)
Response from Jeremy at Thorlabs: This could possibly be caused by a slight misalignment or variation within our manufacturing tolerances. I will contact you to find out more about how much the difference is and how you have this setup to determine the cause.
tcohen  (posted 2012-11-22 12:19:00.0)
Response from Tim at Thorlabs: A simple mounting solution would be to hold it inside an SM05L10 lens tube. This can be rotated in, for example, the PRM05 in a way analogous to the solution for the GTH10M detailed on the “Mounting” tab.
julienarmijo  (posted 2012-11-16 10:42:07.343)
Hello. I would like to know what mounting solution is best recommended for the GTH5M. Shold we use a lens tube like you recommend to do for the GTH10M ?
bdada  (posted 2011-12-14 11:40:00.0)
Response from Buki at Thorlabs: Thank you for using our Feedback tool. The extinction ratio is 100,000:1. This information is included in a data table in the "Overview" tab of the product page: http://www.thorlabs.de/NewGroupPage9.cfm?ObjectGroup_ID=5707&pn=GTH10M-B#5710 Please contact TechSupport@thorlabs.com if you have any questions.
luis-jose.salazar  (posted 2011-12-13 17:41:58.0)
A important parameter to know is the extinction ratio. What is the value for the GTH10MB polarizer??? Thanks...

マウント付きグラントムソン偏光子、コーティング無し

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
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GTH5Mマウント付きグラントムソン方解石偏光子、開口5 mm x 5 mm
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GTH10M Support Documentation
GTH10Mマウント付きグラントムソン方解石偏光子、開口10 mm x 10 mm
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マウント付きグラントムソン偏光子、ARコーティング:350~700 nm

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マウント付きグラントムソン偏光子、ARコーティング:650~1050 nm

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GTH5M-Bマウント付きグラントムソン方解石偏光子、開口5 mm x 5 mm、ARコーティング付き650~1050 nm
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GTH10M-Bマウント付きグラントムソン方解石偏光子、開口10 mm x 10 mm、ARコーティング付き650~1050 nm
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