高速増幅ディテクタ(サーマルセンサ)、パルスレーザ用

- Wavelength Range from 190 nm to 2400 nm
- For Pulsed Lasers with Repetition Rates Up to 1 MHz
- Adjustable Gain Selection (36 dB Range)
THA100
Switchable-Gain Fast
Thermal Sensor Amplified Detector
Side View
(8 Gain Steps)
The MPD149-M01 Off-Axis Parabolic Mirror can be used to focus a collimated source in the NIR, making it ideal for use with the THA100 detector.

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Figure 1.2 幅広い波長範囲の検出用途では、軸外放物面(OAP)ミラーを使用してコリメート光源を集光し、ディテクタTHA100と組み合わせてご使用いただけます。

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Figure 1.1 ディテクタTHA100は電源LDS12Bとともに発送いたします。
特長
- 波長範囲:190~2400 nm
- 利得が切り替え可能な低ノイズ増幅器
- 高エネルギーパルス光源や断続光(強度変調光)の光源向けに最適化
- 立ち上がり時間10 ns、立ち下り時間800 ns(典型値)
- ディテクタの検出部: 78.5 mm2 (Ø10 mm)
- SM1外ネジとSM05内ネジ付き
高速増幅ディテクタ(サーマルセンサ)THA100は、信号増幅機能、利得切り替え機能が付加されたテトラチオテトラセン(TTT)ベースの増幅ディテクタで、190 nm~2400 nmのパルス検出に使用できます。短い高エネルギーのレーザーパルス用に設計されていますが、変調光源や純粋な連続発振(CW)光源の測定にもご使用いただけます。筐体側面にある回転式スイッチにより、信号増幅を35 dBまでの8つの利得段階に調整可能です。信号はBNCコネクタから出力され、最大出力電圧2 Vまたは4 Vでそれぞれ50 Ωまたはハイインピーダンス負荷で駆動可能です。

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Figure 1.3 ディテクタTHA100の背面には、吸収スペクトル(サンプル)が表示されています。
THA100のセンサ表面は薄い銅電極コーティングで、その下のTTT層との組み合わせにより、入射光子を効率的に吸収します。センサ素子は、サブミクロンのサーモパイル厚膜技術に基づき、光子吸収によって発生した熱流が材料層を垂直に通過します。TTT材は固有のゼーベック効果を示して熱エネルギーを電気エネルギーに変換するため、典型的な信号の立ち上がり時間は10 ns、信号の立ち下がり時間は800 nsとなります。 この応答時間と、ハイパワー光への耐性と高い感度特性が組み合わさり、高速製造工程のモニタリングや、繰り返し周波数1 MHzまでの超短レーザーパルスの不安定性の検出に適したディテクタとなっています。
ディテクタの広い検出部(78.5 mm2)と、100 kW/cm2までの高いピークパワー密度を取り扱える性能により、広い強度範囲と高いピークパルスエネルギーの両方を持つ光源の測定に適しています。利得設定が1(0 dB)の場合、ディテクタの感度は、1 µsより短いパルス、1500 V/Jで、CWおよび準連続発振(QCW)入力では5 mV/Wです。
ディテクタTHA10は、190 nm~2400 nmまでの広い吸収波長範囲があり、紫外(UV)~近赤外(NIR)までの波長の光を使用する用途に有用です。ディテクタのスペクトルは筐体の背面にプリントされています(Figure 1.3参照)。ディテクタTHA100のスペクトル応答性について詳細は、下の性能グラフや「仕様」タブをご覧ください。
ディテクタは薄型のため、スペースに制約のある光路でもご使用いただけます。筐体にはSM1外ネジとSM05内ネジが付いています。M4と#8-32ネジの両方が使用可能な取付け穴が2個付いており、ポストに対して垂直方向にも水平方向にも取り付けられます。また、SM1内ネジ付きカプラSM1T1 と固定リングSM1RRが1個ずつ付属するため、SM1ネジ対応アクセサリや光学素子、ケージアセンブリ用アクセサリへの取り付けに便利です。SM05内ネジは、外ネジ付きSM05レンズチューブとの接続用です(ファイバーアダプタなどの部品はSM05ネジに接続できません)。SM1外ネジ付きアダプタには付属のカプラSM1T1を使用する必要がありますが、SM1内ネジ付きアダプタは筐体に直接取り付け可能です。ファイバーアダプタやその他の光学素子を使用するときには、部品がディテクタにぶつからないようにしてください。詳細については「取付例」のタブをご覧ください。
当社では、フリースペース型とファイバ出力型ともに様々な材料の増幅ディテクタを取り揃えています。フォトディテクタ製品の全ラインナップについては「フォトディテクタ一覧」のタブをご覧ください。
Item #a | Housing Featuresb | Wavelength Range | Max Pulse Detection Rate | Voltage Output | Sensitivity | Typical Performance Plots | Active Area | Operating Temperature Range | Power Supply Included |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
THA100 | ![]() | 190 - 2400 nm | 1 MHz | 50 Ω: 0 - 2 V Hi-Z: 0 - 4 V | Pulses < 1 µs @ 1064 nm: 1500 V/Jc - 100 000 V/Jd QCWe > 2 µs @ 1064 nm: 5 mV/Wc - 300 mV/Wd | ![]() | 78.5 mm2 (Ø10 mm) | 10 to 40 °C | Yes |
Table 2.1 Specificationsa | ||
---|---|---|
Item # | THA100 | |
Detector Specifications | ||
Detector | Tetrathiotetracene (TTT) Thermal Sensor | |
Wavelength Range | 190 - 2400 nm | |
Pulse Detection | 100 nJ - 1 mJ | |
Average Power | 10 mW - 5 W | |
Energy Density | 5 mJ/cm2 (Max) | |
Average Power Density | 5 W/cm2 (Max) | |
Peak Power Density | 100 kW/cm2 (Max) | |
Max Pulse Detection Rate | 1 MHz | |
Rise Time | 10 ns (Typ.) | |
Fall Time | 800 ns (Typ.) | |
Clear Aperture | Ø9 mm | |
Detector Active Area | Ø10 mm (78.5 mm2) | |
Output Voltage | 50 Ω | 0 to 2 V |
Hi-Z | 0 to 4 V | |
Sensitivity @ 1064 nm | Pulses < 1 μs: 1500 V/Jb - 100 000 V/Jc QCWd > 2 μs: 5 mV/Wb - 300 mV/Wc | |
Offset | ±10 mV | |
Gain Adjustment | 8 Steps, 36 dB Dynamic Range (Typ.) | |
Typical Performance Plotse | ![]() | |
General Specifications | ||
Electrical Output | BNC (DC Coupled), 50 Ω Impedance | |
Housing Dimensionse | 2.79" x 2.10" x 0.89" (70.9 mm x 53.4 mm x 22.5 mm) | |
![]() | ||
Detector Surface Depthf | 0.20" (5.0 mm) | |
Weightg | 0.10 kg | |
Included Accessories | SM1T1 Coupler SM1RR Retaining Ring SM1EC2B Dust Cap LDS12B Power Supply | |
Operating Temperature | 10 to 40 °C | |
Storage Temperature | -25 to 70 °C | |
Power Supply DC Output | ±12 V @ 250 mA | |
Power Supply Input Voltage | 100 V / 120 V / 230 VAC, 50 - 60 Hz, Switchable | |
Power Supply Output Power (Rated) | 6 W (Max) |
Table 2.2 Gain Settings | |||
---|---|---|---|
Gain Step | Gain (dB) | Gain (V/J) @ 1064 nm | Noise (mVpp) |
1 | 0 | 1500 | 1 |
2 | 6 | 3000 | 1.5 |
3 | 12 | 6000 | 2 |
4 | 18 | 12 000 | 4 |
5 | 24 | 24 000 | 7.5 |
6 | 30 | 48 000 | 12 |
7 | 33 | 75 000 | 15 |
8 | 36 | 100 000 | 20 |

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Figure 3.2 TRシリーズポストに鉛直方向取り付けされたディテクタTHA100。この構成では、出力用ケーブルと電源ケーブルが光学テーブルから垂直方向に離れる方向に配線されるので、すっきりとした光学系を構築できます。

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Figure 3.1 TRシリーズポストに水平方向に取り付けられたディテクタTHA100。この構成では、ON/OFFスイッチと利得を選択するダイヤルが利用しやすいディテクタの上部に配置されます。
増幅ディテクタTHA100 の取り付けについて
ディテクタTHA100は、SM1およびSM05ネジ付きレンズチューブや、TRシリーズポストに対応し、また、ケージシステムにも組み込み可能です。このように様々な取付部品が存在するため、筐体を光学系に取り付ける方法は数多く考えられます。こちらでは一般的な取付例をご紹介します。
Ø12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)ポストシステムTRシリーズ
THA100はM4 x 0.7ネジを用いてTRシリーズポストに水平方向(Figure 3.1) にも垂直方向(Figure 3.2) にも取り付け可能です。
レンズチューブシステム
THA100には、脱着可能なSM1内ネジ付きカプラSM1T1が付属しており、光軸に沿ってSM1外ネジ付きコンポーネントを取り付けることが可能です。
ディテクタの筐体に付いているSM1外ネジとSM05内ネジから、SM1レンズチューブシステムやアクセサリが取り付け可能です(Figure 3.3参照)。アクセサリとしては特にSMネジ付きアイリスやSMネジ対応赤外(IR)・可視(VIS)域用アライメントツールが便利にご使用いただけます。また、コネクタ付きファイバと接続できる光ファイバーアダプタもご用意しています。
ケージシステム
THA100 の筐体を簡単にケージプレートに取り付ける方法は、ディテクタの筐体の前に付いているカプラSM1T1を取外し、SM1外ネジを用いることです。このSM1外ネジには、30 mmケージプレートCP33/Mなどのケージプレートを直接取り付けることができます。 その後ケージプレートCP33/Mに付属する固定リングSM1RRを、スパナレンチでケージプレートにねじ込むことで、ご希望の回転位置に締め付けられて、ディテクタの筐体と角度合わせができます(Figure 3.4参照)。
この方法でディテクタTHA100の筐体をケージプレートに取り付けた場合、ディテクタの向きを自在に変えるのは容易ではありません。しかし、アダプタを使う必要がなく、フォトダイオードをできるだけケージプレートの近くに配置できるという利点があります。これは光が発散する光学系では特に重要になります。
THA100の筐体向きを自由に変更したい場合には、カプラSM1T2を付属のアダプタSM1T1にねじ込むことで、露出しているSM1ネジをケージプレートCP33/Mにねじ込むことができ、カプラSM1T2に付属する2つのロッキングリングの1つを用いて固定できます(Figure 3.5参照)。
THA100の筐体は、カプラSM05T2の片方の面をディテクタの筐体に、もう片方の面をケージプレートSP02にねじ込むと、16 mmケージシステムにも組み込みが可能です。

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Figure 3.3 セレン化亜鉛(ZnSe)レンズLA7656-E4を収めているØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)スロット付きレンズチューブ SM1L30Cに取り付けたディテクタTHA100。レンズチューブはSM1ネジ付き30 mmケージプレートCP33(/M)を用いて30 mmケージシステムに取り付けられています。この構成により、光学調整や光信号のアライメントを簡単に行なうことができます。

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Figure 3.4 SM1T1を取り外してケージプレートCP33(/M)を取り付けたディテクタTHA100。SM1T1の固定リングを使って、ディテクタの回転方向をケージプレートと一致させています。
パルスレーザ:パワーとエネルギーの計算
パルスレーザからの放射光が、使用するデバイスや用途に適合するかどうかを判断する上で、レーザの製造元から提供されていないパラメータを参照しなければならない場合があります。このような場合、一般には入手可能な情報から必要なパラメータを算出することが可能です。次のような場合を含めて、必要な結果を得るには、ピークパルスパワー、平均パワー、パルスエネルギ、その他の関連するパラメータを必要とすることがあります。
- 生物試料を損傷させないように保護する
- フォトディテクタなどのセンサにダメージを与えることなくパルスレーザ光を測定する
- 物質内で蛍光や非線形効果を得るために励起を行う
パルスレーザ光のパラメータはFigure 170AおよびTable 170Bに示します。参照用として、計算式の一覧を以下に示します。資料を ダウンロードしていただくと、これらの計算式のほかに、パルスレーザ光の概要、異なるパラメータ間の関係性、および計算式の適用例がご覧いただけます。
計算式 | ||||
![]() | 、 | ![]() | ||
![]() | ||||
![]() | ||||
![]() | ||||
平均パワーから算出するピークパワー、ピークパワーから算出する平均パワー : | ||||
![]() | 、 | ![]() | ||
平均パワーおよびデューティーサイクルから算出するピークパワー*: | ||||
![]() | *デューティーサイクル(![]() |

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Figure 170A パルスレーザ光の特性を記述するためのパラメータを、上のグラフとTable 170Bに示します。パルスエネルギ (E)は、パルス曲線の下側の黄色の領域の面積に対応します。このパルスエネルギは斜線で表された領域の面積とも一致します。
Table 170B パルスのパラメータ | |||||
---|---|---|---|---|---|
パラメータ | シンボル | 単位 | 説明 | ||
パルスエネルギ | E | ジュール[J] | レーザの1周期中に放射される1パルスの全放射エネルギ。 パルスエネルギはグラフの黄色の領域の面積に等しく、 これは斜線部分の面積とも一致します。 | ||
周期 | Δt | 秒 [s] | 1つのパルスの開始から次のパルスの開始までの時間 | ||
平均パワー | Pavg | ワット[W] | パルスとして放射されたエネルギが、1周期にわたって 均一に広がっていたと仮定したときの、 光パワーの大きさ(光パワー軸上の高さ) | ||
瞬時パワー | P | ワット[W] | 特定の時点における光パワー | ||
ピークパワー | Ppeak | ワット [W] | レーザから出力される最大の瞬時パワー | ||
パルス幅 | ![]() | 秒 [s] | パルスの開始から終了までの時間。一般的にはパルス形状の 半値全幅(FWHM)を基準にしています。 パルス持続時間とも呼ばれます。 | ||
繰り返し周波数 | frep | ヘルツ [Hz] | パルス光が放射される頻度を周波数で表示した量。 周期とは逆数の関係です。 |
計算例
下記のパルスレーザ光を測定するのに、最大入力ピークパワーが75 mW
のディテクタを使用するのは安全かどうかを計算してみます。
- 平均パワー: 1 mW
- 繰り返し周波数: 85 MHz
- パルス幅: 10 fs
1パルスあたりのエネルギは、
と低いようですが、ピークパワーは、
となります。このピークパワーはディテクタの
最大入力ピークパワーよりも5桁ほど大きく、
従って、上記のパルスレーザ光を測定するのに
このディテクタを使用するのは安全ではありません。
Posted Comments: | |
user
 (posted 2025-06-11 18:36:31.713) Hi,
do you have any data on the absorbtion for longer wavelength? We are interested in the behaviour at 3240 nm.
Best regards jjadvani
 (posted 2025-06-13 09:30:01.0) Dear user, this detector is designed to use from 190-2400 nm. I will contact you directly to provide you further information. |
下表は、当社のフォトダイオードタイプのディテクタ、フォトコンダクティブ型ディテクタ、焦電ディテクタの一覧です。同一の列に記載されている型番の検出素子は同じです。