ピコ秒利得スイッチングレーザ
- Center Wavelengths from 450 to 1550 nm
- Picosecond Pulses, Nanosecond Pulses, or CW Operation
- <130 ps Pulse Widths and Repetition Rates up to 200 MHz
- Compact Laser Systems with Fiber-Coupled Output
GSL106A
1064 nm Picosecond
Gain-Switched Laser
Key
Switch
Power
Supply
Connector
Interlock
Pulse
Controls
Trigger
In/Out
Please Wait
Key Specificationsa | ||||
---|---|---|---|---|
Item # | Center Wavelength | Pulse Widthb | Peak Powerc | Avg. Powerd |
GSL45A | 450 ± 10 nm | < 90 ps | > 32 mW | > 0.6 mW |
1 to 65 ns | 12 mW | - | ||
GSL49A | 488 ± 10 nm | < 120 ps | > 29 mW | > 0.7 mW |
1 to 65 ns | 12 mW | - | ||
GSL52A | 520 ± 10 nm | < 120 ps | > 40 mW | > 1.0 mW |
1 to 65 ns | 15 mW | - | ||
GSL63A | 633 ± 10 nm | < 130 ps | > 75 mW | > 2.0 mW |
1 to 65 ns | 35 mW | - | ||
GSL85A | 850 ± 10 nm | < 70 ps | > 86 mW | >1.2 mW |
1 to 65 ns | 37.5 mW | |||
GSL106A | 1064 ± 10 nm | < 100 ps | > 35 mW | > 0.7 mW |
1 to 65 ns | 25 mW | - | ||
GSL131A | 1310 ± 20 nm | < 80 ps | > 43 mW | > 0.7 mW |
2 to 65 ns | 37.5 mW | - | ||
GSL155A | 1550 ± 20 nm | < 80 ps | > 37 mW | > 0.6 mW |
2 to 65 ns | 30 mW | - |
用途例
- 蛍光寿命イメージング
- 時間分解イメージング
- ファイバ増幅器のシード光源
- インパルス試験と測定
- 量子鍵配送
特長
- 中心波長:450 nm~1550 nm
- パルス幅 130 ps以下、パルス幅1~65 ns、CW光動作
- FC/APCコネクタによるファイバ出力
- 中心波長が1064 nm以下のレーザ向け精密パッチケーブルが付属
- 駆動回路と温度制御回路内蔵
- パルス同期用トリガ出力
- シングルショット~200 MHzの内部トリガおよび外部入力トリガ
利得スイッチングレーザGSLシリーズは、コンパクトなターンキー式のファイバ出力光源で、ピコ秒、ナノ秒、連続光(CW)で動作します。パルス幅が調整可能で、200 MHzの繰り返し周波数が可能な利得スイッチングパルスの生成により、このレーザは高速イメージング、蛍光寿命測定、インパルス応答試験などに適しています。GSLシリーズレーザは、当社の光ファイバ光増幅器のラインナップを使用した増幅の際のシード光源としてお使いいただけます。
半導体レーザの駆動回路と温度制御回路は内蔵されています。電源供給には電源DS15と国内用の電源プラグが付属しています。シングルモードファイバ出力で、FC/APCコネクタが付いていることにより、様々なファイバコネクタ付きデバイスに組み込み可能です。
精密コネクタ付きパッチケーブル
モードフィールド径が7 μm以下のGSLシリーズレーザには、精密コネクタ付きのパッチケーブルが付属しています(型番GSL45A、GSL49A、GSL52A、GSL63A、GSL85A、GSL106A)。詳細は「精密パッチケーブル」のタブをご覧ください。
パルス幅&繰り返し周波数制御
GSLシリーズレーザは、パルス幅をピコ秒(< 130 ps)またはナノ秒(1~65 nsの14段階で設定可能)動作、あるいは連続光(CW)動作で制御できます。パルス幅6 ns以上ではシングルショット動作も可能です。背面パネルのパルス幅制御では、パルス生成器を直接プログラミングし、付属の2.5 mmスクリュードライバで16個の位置に調整可能です。パルス幅の設定値別のパルス波形とパルス幅のグラフは「仕様」タブでご覧いただけます。
パルス幅コントロール以外にも、繰り返し周波数コントロールでは、4つの入力トリガと2つの出力トリガ設定(Hi-Zおよび50 Ω抵抗の両方の接続が可能)が選択できます。内部周波数は1 MHz、10 MHz、100 MHz、200 MHzでご用意しております。付属の2.5 mmのプラスドライバでトリガ設定をお選びください。なお、 2 nsより長いパルス幅の最大周波数は、200 MHzよりも低くなります(「仕様」タブの図と、マニュアルのSection 4参照)。
トリガ
背面パネルのSMAメスTrigger In/Outポートは、2つの機能があります。内部発振器が使用された場合、トリガポートからパルス生成に同期した信号が出力されます。ユーザートリガモードでは、SMAポートからの外部トリガ信号がパルス発生器を駆動します。ユーザートリガモードでは低周波数動作においてHi-Z、高周波数動作において50 Ω接続が可能です。
前面&背面パネルのその他の機能
前面パネルのLEDの2色(赤/青)は、レーザ出力が可能なことを示し、多くのレーザ保護メガネで視認できるよう設計されています。
背面パネルには、トリガーポート、パルス幅制御、繰り返し周波数制御のほかに、マルチカラーのステータスLEDがついており、温度安定性やエラーなど動作状態を示します。繰り返し周波数一覧も刻印されています。機能の詳細については「前面&背面パネル」タブとマニュアルをご覧ください。
GSLシリーズレーザには、キースイッチ、インターロックピン、レーザ出力のLED点灯の4秒遅延などの安全機能が搭載されています。
電気接続
外部電源DS15と国内用電源プラグが付属します。このレーザには、動作に必要なすべての駆動電子回路やセーフティインターロック、温度安定化装置が内蔵されています。詳細な内部構造図は「仕様」タブ内でご覧いただけます。
Optical Specifications | |||||||||
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Item # | GSL45A | GSL49A | GSL52A | GSL63A | GSL85A | GSL106A | GSL131A | GSL155A | |
Center Wavelength | 450 ±10 nm | 488 ± 10 nm | 520 ±10 nm | 633 ± 10 nm | 850 ± 10 nm | 1064 ± 10 nm | 1310 ± 20 nm | 1550 ± 20 nm | |
Fiber Typea | 460HP | 460HP | 460HP | SM600 | 780HP | HI1060 | SMF-28 Ultra | SMF-28 Ultra | |
Laser Class | 3B | 3B | 3B | 3B | 3B | 3B | 1M | 1M | |
Output Connector | FC/APC, 2.0 mm Narrow Key | ||||||||
Picosecond Pulse Operation | |||||||||
Average Powerb | > 0.6 mW | > 0.7 mW | > 1.0 mW | > 2.0 mW | > 1.2 mW | > 0.7 mW | > 0.7 mW | > 0.6 mW | |
Pulse Durationc | < 90 ps | < 120 ps | < 120 ps | < 130 ps | < 70 ps | < 100 ps | < 80 ps | < 80 ps | |
Spectral Linewidth | < 3 nm | < 4 nm | < 6 nm | < 3 nm | < 5 nm | < 15 nm | < 12 nm | < 20 nm | |
Repetition Rates | 200 kHz - 200 MHz | ||||||||
Peak Power (Typ. Max) | > 32 mW | > 29 mW | > 40 mW | > 75 mW | > 86 mW | > 35 mW | > 43 mW | > 37 mW | |
Power Stabilityd | < 2% Over 8 Hours | ||||||||
Nanosecond Pulse Operation | |||||||||
Pulse Durationsc | 1 - 65 ns | 2 - 65 ns | |||||||
Repetition Rates | Refer to the Graphic Belowe | ||||||||
Peak Power (Typical) | 12 mW | 12 mW | 15 mW | 35 mW | 37.5 mW | 25 mW | 37.5 mW | 30 mW | |
Continuous Wave (CW) Operation | |||||||||
Average Power | 3 mW | 5 mW | 5 mW | 15 mW | 20 mW | ||||
Typical Performance Plots (Click to View Plot) | |||||||||
Typical Pulses | < 130 ps | ||||||||
Output Spectra | < 130 ps | ||||||||
1 - 2 ns | |||||||||
CW | |||||||||
Pulse Width Control |
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上図では、各パルス幅設定において対応可能な繰り返し周波数範囲を示しています。
外部また内部からの繰り返し周波数がこの範囲外の場合には、背面のStatus LEDがアンバー色に点滅します。
Trigger Specifications | ||
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Max Input Frequencya | 200 MHz | |
Input Voltageb | 50 Ω (AC Coupled)c | 0.2 - 5.0 Vpp |
Hi-Z, 5 kΩ (DC Coupled) | VIL = 0 - 0.8 V VIH = 2.2 - 5 V | |
Output Voltage | 50 Ω | 400 mV |
Hi-Z | 800 mV | |
Max Timing Jitterd | 12 ps RMS | |
Delay from External Trigger Input to Optical Outpute | 44 ± 4 ns | |
Delay from Internal Trigger Output to Optical Outpute | 3.4 ± 1.5 ns |
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レーザ制御システムの内部構造図。駆動電子回路、セーフティインターロック、トリガ回路、温度安定化システムが示されています。マルチカラーのLEDインジケータ(赤/緑/アンバー)は、30秒~60秒間のウォームアップ中に点滅し、温度が安定すると連続点灯します。
Power, Environmental, and Physical Specifications | |
---|---|
AC Input Frequency Range to DS15 Power Supply | 50 - 60 Hz |
AC Input Voltage to DS15 Power Supply | 100 - 240 V |
DC Input Voltage Range to Laser | 14.5 - 15.5 V |
DC Input Current to Laser | 1100 mA Max |
Operating Temperature Range | 10 to 45 °C |
Storage Temperature Range | 0 to 60 °C |
Humidity Range (RH) | 5% to 85% |
Mass (Weight) | 0.80 kg (1.76 lbs) |
Dimensions (L x W x H) | 185.6 mm x 100.0 mm x 39.4 mm (7.31" x 3.94" x 1.55") |
レーザーシステムGSLシリーズの前面&背面パネル
Front Panel | |
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Call Out | Description |
1 | Laser Emission Status LED, Dual Color (Red/Blue) |
2 | FC/APC Fiber Bulkhead, 2.0 mm Narrow Key |
Back Panel | |
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Call Out | Description |
1 | Power Key Switch |
2 | Male Mini-XLR Connector for the +15 V Power Supply Jack |
3 | Laser Status Indicator LED, Tri-Color (Red/Green/Amber) |
4 | Pulse Width Selectora |
5 | Repetition Rate Selectora |
6 | Trigger In/Trigger Out (Female SMA Connector) |
7 | Interlock Jack, 2.5 mm Mono Phono (Interlock Pin Installed) |
8 | Chart of Repetition Rate Options vs. Selector Settings |
精密パッチケーブル
可視波長でシングルモードファイバを接続する際には接続損失が大きくなることがあります。これらのファイバのモードフィールド径(MFD)が7 μm以下の場合、コアの位置のわずかな偏差が大きな挿入損失につながるためです。例えば、MFDが3.5 μm、λ = 450 nmで動作するファイバ460HPでは、1 μmのミスアライメントにより、1.5 dB の挿入損失が生じる可能性があります。挿入損失を低減させるために、当社では、精密に中心出しされたピグテール付きレーザおよびそれと整合したパッチケーブルをご用意しています。なお、標準のファイバーパッチケーブルと組み合わせた場合、挿入損失の改善は保証されませんのでご注意ください。
Fiber Specifications | |||
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Item # | Fiber Type | Mode-Field Diameter | Includes Patch Cable |
GSL45A | 460HP | 3.5 ± 0.5 µm @ 515 nm | Yes |
Yes | |||
GSL49A | |||
Yes | |||
GSL52A | |||
GSL63A | SM600 | ||
3.6 to 5.3 µm @ 633 nma | Yes | ||
GSL85A | 780HP | ||
5.0 ± 0.5 µm @ 850 nm | Yes | ||
GSL106A | HI1060 | ||
6.2 ± 0.3 µm @ 1060 nm | Yes | ||
GSL131A | SMF-28 Ultra | ||
9.2 ± 0.4 µm @ 1310 nm | No | ||
GSL155A | 10.4 ± 0.5 µm @ 1550 nm |
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付属のパッチケーブルは長さ1 mで、Ø2 mmの被覆が付いています。
GSLシリーズレーザとファイバーパッチケーブルの結合について
このようなMFDが小さいファイバ向けの精密パッチケーブルでは、フェルール内でコアが正確に中心となるようにファイバ径とフェルール内径を一致させています。さらに、フェルールの内径と接続されるファイバのクラッド径も一致させています。これら2つの改善により、左下の図で示すようなコアの中心ずれが回避されます。右下の図では、ファイバSMF-28 Ultra(MFD10.4 µm)と460HP(MFD3.5 µm)の相対的なサイズの差を示しています。比較的MFDが大きいファイバSMF-28はコアの小さなミスアライメントであれば大幅な損失を招くことはありませんが、MFDが小さくなると同程度の小さなミスアライメント量でも挿入損失は大きくなるため、コアの位置の仕様をより厳しくする必要があります。
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SMF-28 Ultraと460HPの相対的なモードフィールド径イメージ
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ファイバーコネクタのコアの中心出しが不完全な場合、ファイバの接続時に挿入損失が高くなる可能性があります(画像は縮尺が異なります)。
レーザの安全性とクラス分類
レーザを取り扱う際には、安全に関わる器具や装置を適切に取扱い、使用することが重要です。ヒトの目は損傷しやすく、レーザ光のパワーレベルが非常に低い場合でも障害を引き起こします。当社では豊富な種類の安全に関わるアクセサリをご提供しており、そのような事故や負傷のリスクの低減にお使いいただけます。可視域から近赤外域のスペクトルでのレーザ発光がヒトの網膜に損傷を与えうるリスクは極めて高くなります。これはその帯域の光が目の角膜やレンズを透過し、レンズがレーザーエネルギを、網膜上に集束してしまうことがあるためです。
安全な作業および安全に関わるアクセサリ
- クラス3または4のレーザを取り扱う場合は、必ずレーザ用保護メガネを装着してください。
- 当社では、レーザのクラスにかかわらず、安全上無視できないパワーレベルのレーザ光線を取り扱う場合は、ネジ回しなどの金属製の器具が偶然に光の方向を変えて再び目に入ってしまうこともあるので、レーザ用保護メガネを必ずご使用いただくようにお勧めしております。
- 特定の波長に対応するように設計されたレーザ保護眼鏡は、装着者を想定外のレーザ反射から保護するために、レーザ装置付近では常に装着してください。
- レーザ保護眼鏡には、保護機能が有効な波長範囲およびその帯域での最小光学濃度が刻印されています。
- レーザ保護カーテンやレーザー安全保護用布は実験室内での高エネルギーレーザの遮光にご使用いただけます。
- 遮光用マテリアルは、直接光と反射光の両方を実験装置の領域に封じ込めて外に逃しません。
- 当社の筺体システムは、その内部に光学セットアップを収納し、レーザ光を封じ込めて危険性を最小限に抑えます。
- ピグテール付き半導体レーザは、他のファイバに接続、もしくは他のファイバとの接続を外す際には、レーザ出力をOFFにしてください。パワーレベルが10 mW以上の場合には特にご注意ください。
- いかなるビーム光も、テーブルの範囲で終端させる必要があります。また、レーザ使用中には、研究室の扉は必ず閉じていなければなりません。
- レーザ光の高さは、目線の高さに設定しないでください。
- 実験は光学テーブル上で、全てのレーザービームが水平を保って直進するように設定してください。
- ビーム光路の近くで作業する人は、光を反射する不要な装飾品やアクセサリ(指輪、時計など)をはずしてください。
- レンズや他の光学装置が、入射光の一部を、前面や背面で反射する場合がありますのでご注意ください。
- あらゆる作業において、レーザは必要最小限のパワーで動作するようにご留意ください。
- アライメントは、可能な限りレーザの出力パワーを低減して作業を行ってください。
- ビームパワーを抑えるためにビームシャッタや フィルタをお使いください。
- レーザのセットアップの近くや実験室には、適切なレーザ標識やラベルを掲示してください。
- クラス3Rやクラス4のレーザ(安全確保用のインターロックが必要となるレーザーレベルの場合)で作業する場合は、警告灯をご用意ください。
- ビームトラップの代用品としてレーザービュワーカードを使用したりしないでください。
レーザ製品のクラス分け
レーザ製品は、目などの損傷を引き起こす可能性に基づいてクラス分けされています。国際電気標準会議(The International Electrotechnical Commission 「IEC」)は、電気、電子工学技術関連分野の国際規格の策定および普及を行う国際機関で、IEC60825-1は、レーザ製品の安全性を規定するIEC規格です。レーザ製品のクラス分けは下記の通りです
Class | Description | Warning Label |
---|---|---|
1 | ビーム内観察用の光学機器の使用を含む、通常の条件下での使用において、安全とみなされているクラス。このクラスのレーザ製品は、通常の使用範囲内では、人体被害を及ぼすエネルギーレベルのレーザを発光することがないので、最大許容露光量(MPE)を超えることはありません。このクラス1のレーザ製品には、筐体等を開かない限り、作業者がレーザに露光することがないような、完全に囲われた高出力レーザも含まれます。 | |
1M | クラス1Mのレーザは、安全であるが、望遠鏡や顕微鏡と併用した場合は危険な製品になり得ます。この分類に入る製品からのレーザ光は、直径の大きな光や拡散光を発光し、ビーム径を小さくするために光を集束する光学素子やイメージング用の光学素子を使わない限り、通常はMPEを超えることはありません。しかし、光を再び集光した場合は被害が増大する可能性があるので、このクラスの製品であっても、別の分類となる場合があります。 | |
2 | クラス2のレーザ製品は、その出力が最大1 mWの可視域での連続放射光に限定されます。瞬目反射によって露光が0.25秒までに制限されるので、安全と判断されるクラスです。このクラスの光は、可視域(400~700 nm)に限定されます。 | |
2M | このクラスのレーザ製品のビーム光は、瞬目反射があるので、光学機器を通して見ない限り安全であると分類されています。このクラスは、レーザ光の半径が大きい場合や拡散光にも適用されます。 | |
3R | クラス3Rのレーザ製品は、直接および鏡面反射の観察条件下で危険な可視光および不可視光を発生します。特にレンズ等の光学機器を使用しているときにビームを直接見ると、目が損傷を受ける可能性があります。ビーム内観察が行われなければ、このクラスのレーザ製品は安全とみなされます。このクラスでは、MPE値を超える場合がありますが、被害のリスクレベルが低いクラスです。可視域の連続光のレーザの出力パワーは、このレベルでは5 mWまでとされています。 | |
3B | クラス3Bのレーザは、直接ビームを見た場合に危険なクラスです。拡散反射は通常は有害になることはありませんが、高出力のクラス3Bレーザを使用した場合、有害となる場合もあります。このクラスで装置を安全に操作するには、ビームを直接見る可能性のあるときにレーザ保護眼鏡を装着してください。このクラスのレーザ機器にはキースイッチと安全保護装置を設け、さらにレーザ安全表示を使用し、安全照明がONにならない限りレーザがONにならないようにすることが求められます。Class 3Bの上限に近いパワーを出力するレーザ製品は、やけどを引き起こすおそれもあります。 | |
4 | このクラスのレーザは、皮膚と目の両方に損傷を与える場合があり、これは拡散反射光でも起こりうるとみなされています。このような被害は、ビームが間接的に当たった場合や非鏡面反射でも起こることがあり、艶消し面での反射でも発生することがあります。このレベルのレーザ機器は細心の注意を持って扱われる必要があります。さらに、可燃性の材質を発火させることもあるので、火災のリスクもあるレーザであるとみなされています。クラス4のレーザには、キースイッチと安全保護装置が必要です。 | |
全てのクラス2以上のレーザ機器には、上記が規定する標識以外に、この三角の警告標識が表示されていなければいけません。 |
パルスレーザ:パワーとエネルギーの計算
パルスレーザからの放射光が、使用するデバイスや用途に適合するかどうかを判断する上で、レーザの製造元から提供されていないパラメータを参照しなければならない場合があります。このような場合、一般には入手可能な情報から必要なパラメータを算出することが可能です。次のような場合を含めて、必要な結果を得るには、ピークパルスパワー、平均パワー、パルスエネルギ、その他の関連するパラメータを必要とすることがあります。
- 生物試料を損傷させないように保護する
- フォトディテクタなどのセンサにダメージを与えることなくパルスレーザ光を測定する
- 物質内で蛍光や非線形効果を得るために励起を行う
パルスレーザ光のパラメータは下の図1および表に示します。参照用として、計算式の一覧を以下に示します。資料を ダウンロードしていただくと、これらの計算式のほかに、パルスレーザ光の概要、異なるパラメータ間の関係性、および計算式の適用例がご覧いただけます。
計算式 | ||||
、 | ||||
平均パワーから算出するピークパワー、ピークパワーから算出する平均パワー : | ||||
、 | ||||
平均パワーおよびデューティーサイクルから算出するピークパワー*: | ||||
*デューティーサイクル() はレーザのパルス光が放射されている時間の割合です。 |
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図1: パルスレーザ光の特性を記述するためのパラメータを、上のグラフと下の表に示します。パルスエネルギ (E)は、パルス曲線の下側の黄色の領域の面積に対応します。このパルスエネルギは斜線で表された領域の面積とも一致します。
パラメータ | シンボル | 単位 | 説明 | ||
---|---|---|---|---|---|
パルスエネルギ | E | ジュール[J] | レーザの1周期中に放射される1パルスの全放射エネルギ。 パルスエネルギはグラフの黄色の領域の面積に等しく、 これは斜線部分の面積とも一致します。 | ||
周期 | Δt | 秒 [s] | 1つのパルスの開始から次のパルスの開始までの時間 | ||
平均パワー | Pavg | ワット[W] | パルスとして放射されたエネルギが、1周期にわたって 均一に広がっていたと仮定したときの、 光パワーの大きさ(光パワー軸上の高さ) | ||
瞬時パワー | P | ワット[W] | 特定の時点における光パワー | ||
ピークパワー | Ppeak | ワット [W] | レーザから出力される最大の瞬時パワー | ||
パルス幅 | 秒 [s] | パルスの開始から終了までの時間。一般的にはパルス形状の 半値全幅(FWHM)を基準にしています。 パルス持続時間とも呼ばれます。 | |||
繰り返し周波数 | frep | ヘルツ [Hz] | パルス光が放射される頻度を周波数で表示した量。 周期とは逆数の関係です。 |
計算例
下記のパルスレーザ光を測定するのに、最大入力ピークパワーが75 mW
のディテクタを使用するのは安全かどうかを計算してみます。
- 平均パワー: 1 mW
- 繰り返し周波数: 85 MHz
- パルス幅: 10 fs
1パルスあたりのエネルギは、
と低いようですが、ピークパワーは、
となります。このピークパワーはディテクタの
最大入力ピークパワーよりも5桁ほど大きく、
従って、上記のパルスレーザ光を測定するのに
このディテクタを使用するのは安全ではありません。
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