スペクトルドメインOCT(SD-OCT)システム Ganymede™シリーズ
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OCT製品の改良について
当社ではOCTベースユニットを改良し、新しく下記の機能を追加しました。
- より大きな実験装置への組み込みを可能にするトリガ設定
- OCT信号をほかのデータソースと結合するためのアナログ入力
- トラブルシューティング機能を改善する内部ハードウェア診断
SD-OCTシステム用高剛性(標準型)スキャナにおけるマイクロメータのネジ部の設計を刷新し、参照アームの位置決めをより精密に行えるようになりました。
ソフトウェアThorImage®OCTに、スペックル除去フィルタ、3次元スペックル分散モード、および自動ピーク検出の新機能が追加されました。
特長
- 構成をカスタマイズできる高分解能OCTシステム
- 中心波長が880 nmのスペクトルドメインOCTシステム(仕様については下表参照)
- 最高A-スキャンレート:248 kHz
- 最大イメージング深度(空気中):3.4 mm
- 軸方向分解能(空気中):< 3.0~6.0 µm
- 最高感度:106 dB
- PCおよびThorImage®OCTソフトウェアパッケージが付属
(「ソフトウェア」タブ参照) - 予め構成された基本構成システム、またはカスタム構成
基本構成システムの他、カスタム構成も可能
- 幅広い用途向けに最適化されたベースユニットから選択可能
- 走査システムとして、高剛性スキャナと調整機能付きスキャナをご用意
- USB 3.0またはCameraLink接続によるデータ取得
- 走査レンズキットは、横方向分解能および焦点距離を用途に合わせて最適化
- 試料用Zスペーサ(オプション)は、走査レンズ-試料間の媒質が空気または液体のイメージング用途に合わせ、リング型および液浸型をご用意
- その他、スキャナ用スタンドや移動ステージなどのアクセサリもご用意
- お見積りのご依頼やシステム構築、カスタマイズに関するご相談は当社 までご連絡ください。
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、非侵襲な光学イメージング技術であり、試料の2次元断層画像および3次元ボリューム画像をリアルタイムで取得できます。この技術は、試料内の異なる層からの後方散乱光を用いて、試料の構造をµmレベルの分解能で数mmの深度まで画像化します。OCTイメージングは超音波イメージングと同様な画像取得法を光学的に実現したものと見ることができます。超音波イメージングと比較して浸透深度は浅くなりますが、高い分解能が得られるイメージング技術です。高分解能に加えて、非接触、非侵襲というOCTの特長は、生体組織、小動物や工業材料などのイメージングに適しています。
Ganymede™OCTイメージングシステムは高分解能イメージング用として必要な柔軟性を備えており、Aスキャンの最高ライン速度は248 kHzです。付属のPCにプリインストールされている64ビットソフトウェアにより、2次元および3次元のOCTデータをリアルタイムで処理して表示します。カスタム構成の場合、スキャナは、堅牢な高剛性スキャナと調整機能付きスキャナからお選びいただけます。お客様の用途に合わせて、さらにOCTシステムをカスタマイズいただける、オプションのアクセサリもご用意しています(下記参照)。また、こちらのページでご紹介しているコンポーネントをベースにした組立て済みの880 nm OCTシステムを5種類ご用意しています。
下記のコンポーネントでお手持ちの当社製OCTシステムに機能を追加し、簡単にアップグレードすることも可能です。ほとんどのシステムはアップグレード可能ですが、お手持ちのシステムをご要望に沿った用途向けに最適化するためには、当社にご相談いただくことをお勧めいたします。
下の写真をクリックするか、右の表内の製品名をクリックすると詳しい製品情報をご覧いただけます。
Ganymede Customization Options |
---|
OCT Base Unit (Computer Included) |
Scanning System |
Scan Lens Kit |
Reference Length Adapter (For Standard Scanners Only) |
Adjustable Scanner Stand |
Translation Stage |
Preconfigured Systems |
ソフトウェアThorImage®OCTの目次
- はじめに
- スキャン制御
- 画像処理オプション:OCT画像の画質向上
- データ解析:層の厚さ測定
- サードパーティーアプリケーション:OCTデータのエクスポート・再インポート
- イメージングモード
- 1Dモード:1点での測定
- 2Dモード:断面のイメージング
- 3Dモード:立体のイメージング
- ドップラーモード:ドップラーフローイメージング
- スペックル分散モード:血管造影イメージング
- 外部トリガによる画像取得:他の機器と同期した計測
- アナログ入力:他のモダリティとの同期
- ソフトウェア開発キット:カスタムプログラムの作成
- プローブ校正:構成変更時に必要
- ビデオ:ソフトウェアのレンダリング性能をご紹介するスクリーンキャスト
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ゼブラフィッシュの3Dレンダリング画像、クリップ面は変更可能
ThorImageOCTソフトウェア
- 一般的なライン走査または自由なパターン走査のための、動画によるインタラクティブな走査位置制御
- 高度なデータセット管理
- ユーザの処理ルーチンに必要な生スペクトルデータ、処理済みデータ、およびすべての校正用ファイルにアクセス可能
- 3Dデータの高速ボリュームレンダリング
- ドップラーおよびスペックル分散イメージング
- 平均化処理や走査速度の調整など、走査と画像取得用の汎用的な制御システム
ThorImageOCTは、当社の全てのOCTシステムに付属する高性能なデータ取得ソフトウェアです。Windows 64ビット版をベースにしたソフトウェアで、OCTデータの取得・表示、スキャン制御、処理の選択などを行います。さらに、測定制御、データ取得・処理、OCT画像の保存や表示のためのライブラリ一式が揃った、NI LabVIEWおよびC言語ベースのソフトウェア開発キット(SDK)も別途ご用意しております。SDKを用いることで、お客様の用途に応じて高度に専門化したOCTイメージングソフトウェアを開発することができます。
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ThorImageOCTによって様々なデータ取得パラメータの調整ができます。
スキャン制御
ThorImageOCTには数多くの走査およびデータ取得に関する制御機能があります。OCTシステムのスキャナ内に搭載されたカメラからのライブビデオ映像は、アプリケーションソフトウェアで表示することができます。2Dイメージングのスキャンラインや3Dイメージングのスキャンエリアは、表示されたビデオ映像をクリックするだけの「Draw and Scan(ドロー&スキャン)」機能により決定することができます。
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サンプルモニタ画面で、「Draw and Scan(ドロー&スキャン)」機能を用いて走査パターンを指定することができます。
Draw and Scan(ドロー&スキャン)またはロードされた.txtファイルで定義された形状で走査ができます。走査パターンは、ソフトウェアのコントロール画面(右図参照)でパラメータを指定することで調整することもできます。
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予め定義した円形の走査パターンをロードし、ソフトウェアで走査することができます。サイズはズーム機能で変更可能です。
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予め定義した三角形の走査パターンをロードし、ソフトウェアで走査することができます。サイズはズーム機能で変更可能です。
さらに処理パラメータ、平均化パラメータ、デバイスの速度や感度はデバイスプリセットを使用して設定することができます。高速プリセットを利用すれば、2Dイメージングではビデオのようなフレームレート、3Dでは高速ボリュームレンダリングが可能です。一方、プリセットで低いデータ取得速度を選択すれば高感度の画像取得が可能になります。
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スペックル除去フィルタを適用したヒトの歯のOCT画像
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ヒトの歯のOCT画像
画像処理のオプション
ThorImageOCTにはOCT画像の画質向上に特化した機能があります。データ取得中にイメージフィールド補正やアンダーサンプリングフィルタなどの処理パラメータを使用してデータを修正することも可能ですし、取得後にフィルタを使用して修正することも可能です。右のように、スペックル除去フィルタを使用すると、画像の細部構造を不鮮明にすることなくスペックルノイズを低減することができます。
さらに処理機能が必要な場合、ThorImageOCTではユーザが定義するポストプロセッシングアルゴリズムを組み込むことができます。詳細については下記のサードパーティーアプリケーションをご覧ください。
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マーカーツールを使用して層の厚さを測定することができます。
データ解析
ThorImageOCTにはデータ解析に便利なツールが付属します。マーカーツールには距離や構造のサイズを測定する機能があります。このツールはさらにライン上のOCTデータの強度プロファイルを表示するのに使用することができます。正確な距離と厚さを測定するために、物質の屈折率を設定することができます。
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ThorImageOCTのデータセット管理ウィンドウ
データセット管理
ThorImageOCTは高度なデータセット管理機能が備わっており、同時に複数のデータセットを開くことができます。データセットは、研究(もしくは検査)名と実験番号から成る識別子を使って一意的に定義されます。同じ研究名を使用することでデータセットをグループ化することができます。「Captured Datasets(取得済みデータセット)」には全てのオープンデータセットがリスト表示され、データセットの識別子、取得モード、ビデオ画像の静止画およびOCTデータのプレビューイメージをご覧になれます。
データセットはPNG、BMP、JPEG、PDF、TIFFなどの様々な画像フォーマットにエクスポートすることができます。データセットは、ポストプロセッシングに適しているRAW/SRM、FITS、VTK、VFFおよび32ビット浮動小数点TIFFなどにもエクスポート可能です。
OCTファイルはThorImageOCTのネイティブフォーマットなので、OCTデータ、サンプルのモニターデータ、および関連する全てのメタデータを1つのファイルに保存することができます。また、ThorImageOCTソフトウェアは、OCTデータを閲覧したりエクスポートしたりするために、OCTデバイスに接続されていないPCにインストールして実行することもできます。デバイスからは、例えばオフセットエラーなどを処理するために使用する追加データを含め、生データおよび処理済みデータへのフルアクセスが可能です。
Exportボタンは、ThorImageOCTのアクションツールバーからアクセスすることができます。
サードパーティーアプリケーション
PCにImageJとThorImageOCTの両方がインストールされている場合は、ImageJボタンをワンクリックするだけで取得済みのOCTデータをImageJで表示することができます。これにより、ImageJの高度な画像処理機能を必要とする場合のワークフローがスムーズになります。ExplorerボタンをクリックするだけでWindows Explorerのフォルダが開き、対象データセットが保存されているファイルが選択されます。
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ImageJでデータを平滑化した後に、ThorImageOCTのマーカーツールを使用して層の厚さを測定することができます。
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ImageJで画像に対して横方向の平滑化フィルタが適用されています。
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スペックルノイズのあるプラスチック多層膜のOCTデータ
取得したOCTデータセットは、サードパーティーのプログラムにエクスポートして変更等を行った後、ThorImageOCTソフトウェアに再度インポートすることも可能です。この機能により、ThorImageOCTソフトウェアのデータセット管理機能を使用しながら、OCT画像に対して素早くカスタマイズされた調整等を行うことができます。 右の例では、OCTデータ(左)はImageJにエクスポートされ、横方向に対して平滑化フィルタが適用されています(中央)。「External Program」のボタンを使用すると、この変更されたデータをThorImageOCTに再度インポートして、さらに解析することができます。 例えば、ピーク検出ツールを使用して層の厚さを測定することができます(右)。
イメージングモード
OCTのモードセレクタを使用すると様々なイメージングモードが選択できます。ThorImageOCTソフトウェアは、対応可能なシステムが電源ONの状態で接続されていることを検出すると、その状態で動作可能な全てのモードが選択可能になります。OCTデバイスが接続されてない場合は、OCTデータの閲覧とエクスポートが可能なData Viewingモードのみがご利用いただけます。
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1点測定のAスキャンを複数回繰り返して取得されたデータ(Mスキャン)
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1点測定で得られるスペクトルと深さの情報(Aスキャン)
1Dモード
このモードでは、1点測定によりスペクトルと深さに関する情報が得られ、またMスキャンにより試料の経時的な変化を観察することができます。
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2DモードのThorImage OCTウィンドウ
2Dモード
2Dイメージングモードでは、プローブビームを1方向に走査することで、OCTによる断面画像がリアルタイムで表示されます。高速フーリエ変換(FFT)の前または後で、ライン平均化や B-スキャン平均化が可能です。長時間測定用として時系列データ取得機能があり、この機能では画像を取得する時間間隔を調整することができます。このモードでは、カラーマップなどの画像表示パラメータも調整できます。また表示されたOCT画像のコントラストおよび明るさを自動的に計算して最適化するオプションも実装されています。
3Dモード
3Dイメージングモードでは、OCTプローブビームを試料全体に渡ってシーケンシャルに走査して2D断面の連続した画像を取得し、それらを処理して3D画像を構築します。
長時間測定用として、3D測定を連続して取得できる時系列データ取得機能もございます。測定回数やスキャンの時間間隔は調整可能です。
ThorImageOCTソフトウェアでは、3Dボリュームデータセットは、直交断面画像(下図参照)またはボリュームレンダリング画像として表示されます。
断面表示では、データが取得された方向に関係なく、直交3平面全ての断面画像がご覧になれます。また、表示する面を拡大・縮小したり、回転したりすることができます。
レンダリング表示では取得したボリュームデータセットのボリュームレンダリングを行います。この表示では、取得されたサンプルのイメージを3Dで素早く可視化できます。任意の方向で平面を切り取り、その体積内の構造を見ることも可能です。この3D画像は拡大・縮小したり、回転したりすることができます。また、色付けやダイナミックレンジの設定も調整できます。
当社の高速OCTシステムと高性能ソフトウェアの機能を組み合わせることにより、ThorImageOCTに高速ボリュームレンダリングモードを追加することができ、これは高分解能3D画像取得を行う上でのプレビューとして機能します。このモードでは、高速ボリュームレンダリングをリアルタイムで行い、試料を3Dですばやく可視化します。
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ThorImageOCTでのレンダリング表示
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ThorImageOCTでの断面表示
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反対方向の流れを有する回転するプラスチック棒の速さを示すドップラーデータセット
ドップラーモード
ドップラーOCTイメージング機能は全てのOCTシステムで標準装備されています。ドップラーモードでは、隣り合うAスキャン間の位相シフトを平均化し、粒子の運動や流れによって生じるドップラー周波数シフトを計算します。位相シフトの計算中に、横方向と軸方向のピクセル数を変更して、速度感度と分解能を変更することができます。ドップラー画像としては、OCTビームの入射方向を基準にして、前方または後方へのサンプルの流れがカラーマップでメインウィンドウに表示されます。
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マウスの脳血管のスペックル分散測定
スペックル分散モード
スペックル分散モードは、スペックルノイズの分散を利用して血管造影画像を推定するデータ取得モードです。このモードでは、大量の血流を必要とせず、またデータ取得速度にも特定の制限(window)を受けることなく、血管樹を3Dで可視化できます。スペックル分散データは、形態情報を示す強度画像の上に重ね合わせて表示することができます。多様なカラーマップを用いて、マルチモードの画像を表示させることも可能です。
外部トリガによる画像取得
ThorImageOCTとSDK APIを用いると、外部トリガによるAスキャン画像の取得が可能になります。これにより別のモダリティ(例:振動測定や同期位置測定)による測定とOCT測定とを同期させることができます。当社のCameraLinkをベースにした現行のOCTシステムでは、同期が大幅に簡素化されています(TTLレベルのトリガ信号源が必要です)。外部トリガはすべてのイメージングモードで使用することができ、ThorImageOCTの設定ダイアログで切り替えが可能です。
当社のGanymede(型番GANxxxとTelesto(型番TELxx1 & TELxx1PS)の現行のSD-OCTシステムには、ほかの実験装置と同期するための外部Bスキャントリガが付いています。
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2D表示でのアナログデータの可視化
ほかのモダリティとの同期用アナログ入力
当社のGanymede(型番GANxxx)とTelesto(型番TELxx1 & TELxx1PS)の現行のSD-OCTシステムには、他のイメージング用モダリティと組み合わせてご使用いただけるアナログ入力チャンネルが2つ付いています。他のデータソースからのアナログ信号(つまり、蛍光信号)はサンプリングされ、OCT信号と同時に表示されます。
ソフトウェア開発キット
ソフトウェア開発キット(SDK)を使用すると、柔軟性の極めて高いカスタマイズソリューションをThorImageOCTに組み込むことができます。ソフトウェア開発の経験を有する方であれば、このキットを様々なプログラミング環境で使用して、OCTシステムを特定の用途に適した形でお使いいただくことができます。 ご用意しているソフトウェア開発キット
- ANSI C、C++によるデモプログラム付き
- LabVIEW® 、デモプログラムおよびサンプルコード付き
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ThorImageOCTのプローブ校正ウィンドウ
プローブ校正
走査レンズキットを他のものに変更した場合、通常はシステムの光学パラメータの変化に合わせてプローブ設定を変更する必要があります。OCT走査システムに追加の走査レンズをご購入したときは、レンズと一緒に送付される校正用サンプルと右の画像に示されている直感的な校正手順により、新しい走査レンズに適した構成をThorImageOCTで簡単に設定できます。
ビデオ:ThorImageOCTのレンダリング性能をご紹介するスクリーンキャスト
指のOCT画像を取得し、3Dボリュームモードおよび断面モードで操作する様子を動画でご覧いただけます。
ThorImageOCTバージョン5.5についてご質問は当社までお問い合わせください。
OCTチュートリアル
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は非侵襲の光学イメージング法であり、数mmの深さまでの1次元情報(深さ方向)、2次元の断層画像、および3次元のボリューム画像を、µmレベルの深さ分解能で、かつリアルタイムで取得することができます。OCTは試料内の各層からの後方散乱光を用いて、試料の構造情報を画像化します。OCTはリアルタイムで画像を取得できますが、さらに複屈折性を利用したコントラストの改善や、オプションの拡張技術を追加することで血流の機能的画像の取得も可能です。
当社では、簡単に持ち運べるコンパクト性を維持しながら、複数の波長、画像分解能、取得速度に対応した、様々なOCTイメージングシステム開発してきました。また、お客様固有のご要望にお応えするOCTイメージングシステムをご提供できるように、様々な用途に対して最適化できる、高度にモジュール化した製品の設計を進めてきました。
用途例
芸術作品の保存
薬剤皮膜
3次元プロファイリング
In Vivo
小動物
生物学
生体組織の複屈折
マウスの肺
網膜錐体細胞
OCTイメージングは超音波測定と類似する点がありますが、測定深度が浅くなる代わりに、非常に高い分解能が得られることが特長です(図1参照)。最大15 mmのイメージング範囲、軸方向分解能5 μm以上での画像化が可能なことにより、OCTは「超音波」測定と「共焦点顕微鏡」による測定とのちょうど中間の測定装置として位置づけられます。
高分解能で深部イメージングができるという特長に加えて、OCTには非接触、非侵襲という利点もあるため、生体組織や小動物、あるいは材料といった試料の画像取得に適しています。最近、OCT分野ではフーリエドメイン OCTと呼ばれる新しい技術が開発され、1秒間に700,000ライン以上の高速イメージングが可能になっています。1
フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィ(FD-OCT、図2参照)は、光源の干渉特性を利用してサンプル中での光路長遅延を測定する、低コヒーレンス干渉法に基づいています。OCTの干渉計は、 μmレベルの分解能で断層画像を得るために、サンプルから反射光と参照アームからの反射光の光路長の差を測定するように設定されています。
FD-OCTシステムは、光源と検出方式の違いによって、スペクトルドメイン OCT(SD-OCT)と波長掃引OCT(SS-OCT)の2つに分類されます。図3に示すように、いずれのシステムでも光は干渉計のサンプルアームと参照アームに分割されます。SS-OCTシステムでは狭帯域幅のコヒーレンス光を利用し、SD-OCTシステムでは広帯域幅の低コヒーレンス光を利用します。サンプル中の屈折率の変化によって生じた後方散乱光は、サンプルアーム光路のファイバに再度結合し、さらに参照アームの固定された光路長を伝搬してきた光と重ね合わされます。その結果として得られるインターフェログラム(干渉パターン)は、干渉計の検出アームを通して測定されます。
光検出器によって測定されるインターフェログラムの周波数は、サンプル中での反射体の位置の深さに関係します。そのため、測定されたインターフェログラムをフーリエ変換することで、深さ(1次元)方向の反射率プロファイル(A-スキャン)が得られます。 サンプルアームのビームでサンプルを横断して走査すると、一連のA-スキャン情報を収集することができ、2次元断層画像(B-スキャン)が得られます。
同様に、OCTのビームを別の方向にも走査すると、連続した2次元画像を収集することができ、一組の3次元体積データが得られます。FD-OCTを用いると、2次元画像はミリ秒程度で得られ、3次元画像でも現在では1秒以下で得られます。
スペクトルドメインOCT(SD-OCT)と波長掃引OCT(SS-OCT)
SD-OCTと SS-OCTは同じ基本原理に基づいていますが、OCTのインターフェログラム生成の技術的アプローチが異なっています。SD-OCTは可動部を持たないために機械的な安定性に優れており、位相雑音が低くなります。幅広い種類のラインカメラが利用できるため、様々な画像取得速度や感度を有するSD-OCTシステムの開発が可能です。
SS-OCTシステムでは、周波数掃引光源とフォトディテクタを用いて、同様のインターフェログラムを高速で生成します。レーザ光源の波長掃引が高速なため、各波長で高いピークパワーの光をサンプルに照射することができ、光損傷のリスクをほとんど伴わずに感度を高めることができます。
フーリエドメイン OCTの信号処理プロセス
フーリエドメインOCTでは、インターフェログラムは光周波数の関数として検出されます。参照アーム内の光遅延は固定されているため、サンプルの異なる深さからの反射光により異なる周波数成分の干渉パターンが生成されます。そして、フーリエ変換により異なる深さからの反射信号を分離する事で、サンプルの深さ方向プロファイルを得ることができます(A スキャン)。
1V.Jayaraman, J. Jiang, H.Li, P. Heim, G. Cole, B. Potsaid, J. Fujimoto, and A. Cable, "OCT Imaging up to 760 kHz Axial Scan Rate Using Single-Mode 1310 nm MEMs-Tunable VCSELs with 100 nm Tuning Range," CLEO 2011 - Laser Applications to Photonic Applications, paper PDPB2 (2011).
デモルームやオンラインデモのご予約は
当社までご連絡ください。
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デモルーム例(ドイツオフィス)
OCTイメージングシステム:デモルーム・オンラインデモのご案内
ソーラボのアプリケーションスペシャリストや技術者は、日本やOCTシステムの製造施設があるドイツを始め、世界各地でお客様の実験用途に適したOCTシステムをお選びいただくためのお手伝いをいたします。当社では、お客様のニーズに合わせたOCTシステムの構成をご提案いたします。試料をお送りいただければ、いくつかのオプション構成で取得した測定画像をご提供することも可能です。
実際にOCTシステムを無償でお試しいただけるデモルームをご用意しています。オンラインデモも承ります。デモルームやオンラインデモのご予約、お問い合わせは当社までご連絡ください。
デモルームのご案内
(クリックすると詳細がご覧いただけます)
日本 (東京都練馬区)
ソーラボジャパン株式会社
東京都練馬区北町3-6-3
お問い合わせ
- Tel: +81-3-6915-7701
- Email: techsupport.jp@thorlabs.com
デモルーム常設システム *ほかのデモをご希望の場合もご相談ください。
- スペクトルドメインOCT(SD-OCT)システムGanymede™
Lübeck, Germany
Thorlabs GmbH
Maria-Goeppert-Straße 9
23562 Lübeck
Customer Support
- Phone: +49 (0) 8131-5956-40840
- Email: oct@thorlabs.com
Demo Rooms
- Ganymede™ Series SD-OCT Systems
- Telesto® Series SD-OCT Systems
- Telesto® Series PS-OCT Systems
- Atria® Series SS-OCT Systems
- Vega™ Series SS-OCT Systems
Sterling, Virginia, USA
Thorlabs Imaging Systems HQ
108 Powers Court
Sterling, VA 20166
Customer Support
- Phone: (703) 651-1700
- E-mail: ImagingTechSupport@thorlabs.com
Demo Rooms
Shanghai, China
Thorlabs China
Room A101, No. 100, Lane 2891, South Qilianshan Road
Shanghai 200331
Customer Support
- Phone: +86 (0)21-60561122
- Email: techsupport-cn@thorlabs.com
Demo Rooms
カスタマーサポート(海外)
(クリックすると詳細がご覧いただけます)
Newton, New Jersey, USA
Thorlabs HQ
56 Sparta Avenue
Newton, NJ 07860
Customer Support
- Phone: (973) 300-3000
- E-mail: techsupport@thorlabs.com
Ely, United Kingdom
Thorlabs Ltd.
1 Saint Thomas Place, Ely
Ely CB7 4EX
Customer Support
- Phone: +44 (0)1353-654440
- E-mail: techsupport.uk@thorlabs.com
Bergkirchen, Germany
Thorlabs GmbH
Münchner Weg 1
85232 Bergkirchen
Customer Support
- Phone: +49 (0) 8131-5956-0
- E-mail: europe@thorlabs.com
Maisons-Laffitte, France
Thorlabs SAS
109, rue des Cotes
Maisons-Laffitte 78600
Customer Support
- Phone: +33 (0)970 440 844
- E-mail: techsupport.fr@thorlabs.com
São Carlos, SP, Brazil
Thorlabs Vendas de Fotônicos Ltda.
Rua Rosalino Bellini, 175
Jardim Santa Paula
São Carlos, SP, 13564-050
Customer Support
- Phone: +55-16-3413 7062
- E-mail: brasil@thorlabs.com
Posted Comments: | |
Jan van Nieuwkasteele
 (posted 2023-04-04 13:52:22.167) We have a Ganymede M00290244, In the software manual a reference is made to the hardware manual of the particular instrument.
Do you have a pdf of the hardware manual of this instrument |
当社では幅広い用途に対応する様々な特長を備えたOCTイメージングシステムをご提供しております。お選びいただくOCTベースユニットと走査レンズキットによってOCTシステムの性能は大きく左右されます。軸方向分解能、Aスキャンレート、イメージング深度など、性能上の重要な特徴はOCTベースユニットの設計によってほぼ決まります。また、横方向分解能や視野などの性能は、選択する走査レンズキットによって決まります。下の表には、当社のOCTベースユニットの主な性能パラメータが掲載されています。下表内のOCTシリーズ名のリンクをクリックいただくと走査レンズキットを含めた製品詳細ページをご覧いただけます。具体的なイメージングの要件につきましてはお気軽に当社までご相談ください。
波長掃引OCTベースユニット
Base Unit Item #a | ATR206 | ATR220 | VEG210 | VEG220 |
---|---|---|---|---|
Series Name (Click for Link) | Atria® | Vega™ | ||
Key Performance Feature(s) | Long Imaging Range | High Speed | Long Imaging Range | |
High Resolution | General Purpose | High Speed | ||
Center Wavelength | 1060 nm | 1300 nm | ||
Imaging Depthb (Air/Water) | 20 mm / 15 mm | 6.0 mm / 4.5 mm | 11 mm / 8.3 mm | 8.0 mm / 6.0 mm |
Axial Resolutionb (Air/Water) | 11 µm / 8.3 µm | 14 µm / 10.6 µm | ||
A-Scan Line Rate | 60 kHz | 200 kHz | 100 kHz | 200 kHz |
Sensitivity (Max)c | 102 dB | 97 dB | 102 dB | 98 dB |
スペクトルドメインOCT ベースユニット
Base Unit Item #a | GAN111 | GAN312 | GAN612 | GAN332 | GAN632 |
---|---|---|---|---|---|
Series Name | Ganymede™ | ||||
Key Performance Feature(s) | High Resolution | High Resolution | Very High Resolution | ||
High Speed | Very High Speed | High Speed | Very High Speed | ||
Center Wavelength | 880 nm | ||||
Imaging Depthb (Air/Water) | 3.4 mm / 2.5 mm | 3.4 mm / 2.5 mm | 1.6 mm / 1.2 mm | ||
Axial Resolutionb (Air/Water) | 6.0 µm / 4.5 µm | 6.0 µm / 4.5 µm | <3.0 µm / <2.2 µm | ||
A-Scan Line Rate | 1.5 kHz to 20 kHz | 1.5 kHz to 80 kHz | 5 kHz to 248 kHz | 1.5 kHz to 80 kHz | 5 kHz to 248 kHz |
Sensitivity (Max)c | 106 dB | 106 dB | 102 dB | 106 dB | 102 dB |
Base Unit Item #a | TEL221 | TEL321 | TEL411 | TEL511 | TEL211PS | TEL221PS |
---|---|---|---|---|---|---|
Series Name (Click for Link) | Telesto® | Telesto® PS-OCT | ||||
Key Performance Feature(s) | High Resolution | High Imaging Depth | High Imaging Depth | High Resolution | ||
General Purpose | High Speed | General Purpose | High Speed | Polarization Sensitive-Imaging | ||
Center Wavelength | 1300 nm | 1315 nm | 1325 nm | 1300 nm | ||
Imaging Depthb (Air/Water) | 3.5 mm / 2.6 mm | 6.0 mm / 4.5 mm | 7.0 mm / 5.3 mm | 3.5 mm / 2.6 mm | ||
Axial Resolutionb (Air/Water) | 5.5 µm / 4.2 µm | 11.0 µm / 8.3 µm | 11.0 µm / 8.3 µm | 5.5 µm / 4.2 µm | ||
A-Scan Line Rate | 5.5 kHz to 76 kHz | 10 kHz to 146 kHz | 2.0 kHz to 120 kHz | 2.0 kHz to 240 kHz | 5.5 kHz to 76 kHz | 5.5 kHz to 76 kHz |
Sensitivity (Max) | 111 dBc | 109 dBc | 114 dBd | 109 dBc |
- 基本構成の880 nmのOCTシステム(構成コンポーネントは下表参照)
- Ganymede™シリーズの他のコンポーネントを使用してフルカスタマイズが可能
- より大きな実験装置への組み込みを可能にするトリガ設定
- OCT信号を他のデータソースと結合するためのアナログ入力
- トラブルシューティング機能を改善する内部ハードウェア診断
GanymedeシリーズのOCT基本構成システムとして5種類の製品をご用意しております。何れもGanymedeシリーズのすべてのOCTコンポーネントに対応します。GAN111C1/M、GAN312C1/M、およびGAN612C1/Mには880 nmスーパールミネッセントダイオード(SLD)が組み込まれており、高分解能のイメージングが可能です。GAN332C1/MおよびGAN632C1/Mは高分解能を必要とする高速イメージング用として設計されています。3つのスーパールミネッセントダイオードが組み込まれており、それらを組み合わせて880 nmを中心波長とする広帯域光源を構成しています。Ganymedeシステムの最高Aスキャンレートは248 kHz、感度は1.5 kHzで106 dBです。
こちらのGanymedeシリーズOCTシステムは、すべて下記のコンポーネントから構成されています。各システムとも、OCTの3つの中核的なコンポーネント(ベースユニット、走査システムと参照光路長調整用アダプタ、走査レンズキット)、および2つのオプションアクセサリ(スキャナ用スタンド、移動ステージ)から構成されています。基本構成に含まれるコンポーネントについての詳細をご覧になるには、左下の表のリンクをクリックしてください。該当する製品の説明箇所に移動することができます。
システムの詳細やカスタム構成に関するご質問は、当社までお問い合わせください。
Preconfigured System Included Componentsa | |||||
---|---|---|---|---|---|
System Item # | GAN111C1(/M) | GAN312C1(/M) | GAN332C1(/M) | GAN612C1(/M) | GAN632C1(/M) |
Base Unit | GAN111 | GAN312 | GAN332 | GAN612 | GAN632 |
Scanning System | OCTG9 (Standard Scanner) | ||||
Scan Lens Kit | OCT-LK3-BB | OCT-LK3-BB | OCT-LK2-BB | OCT-LK3-BB | OCT-LK2-BB |
Reference Length Adapter | OCT-RA3 | OCT-RA3 | OCT-RA2 | OCT-RA3 | OCT-RA2 |
Accessories: Scanner Stand and Translation Stage | Imperial Systems: OCT-STAND (Stand) and OCT-XYR1 (Stage) Metric Systems: OCT-STAND/M (Stand) and OCT-XYR1/M (Stage) |
Preconfigured System Key Specifications | |||||
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System Item # | GAN111C1(/M) | GAN312C1(/M) | GAN332C1(/M) | GAN612C1(/M) | GAN632C1(/M) |
Center Wavelength | 880 nm | ||||
Imaging Depth (Air/Water) | 3.4 mm / 2.5 mm | 3.4 mm / 2.5 mm | 1.6 mm / 1.2 mm | 3.4 mm / 2.5 mm | 1.6 mm / 1.2 mm |
Axial Resolution (Air/Water) | 6.0 µm / 4.5 µm | 6.0 µm / 4.5 µm | < 3.0 µm / < 2.2 µm | 6.0 µm / 4.5 µm | < 3.0 µm / < 2.2 µm |
Lateral Resolution | 8.0 µm | 8.0 µm | 4.0 µm | 8.0 µm | 4.0 µm |
A-Scan/Line Rate | 1.5 - 20 kHza | 1.5 - 80 kHzb | 5 - 248 kHzc | ||
Sensitivity (Max)d | 106 dB (at 1.5 kHz) | 102 dB (at 5 kHz) |
Computer Specificationsa | |||
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Base Unit Item # | GAN111 | GAN3x2 | GAN6x2 |
Operating System | Windows® 11 | ||
Processor | 4 Core, 3.6 GHz | 8 Core, 3.0 GHz | |
Memory | 16 GB | 32 GB | |
Hard Drive | 256 GB SSD | 512 GB SSD | |
Data Acquisition | USB 3.0 | USB 3.0 | CameraLink |
- イメージング速度は柔軟に選択可能、分解能は高分解能または超高分解能から選択可能
- 最高Aスキャンレート:248 kHz(下表参照)
- より大きな実験装置への組み込みを可能にするトリガ設定
- OCT信号を他のデータソースと結合するためのアナログ入力
- トラブルシューティング機能を改善する内部ハードウェア診断
OCTシステムのイメージング性能は、ベースユニットの設計とそこに組み込まれるコンポーネントに大きく依存します。当社のすべてのOCTベースユニットには、OCTエンジン、高性能PC、プリインストール済みのソフトウェア、およびソフトウェア開発キット(SDK)が含まれています。システムを動作させるには、ベースユニットとあわせて、走査システムと走査レンズキット(いずれも別売り、下記参照)が1種類ずつ必要です。
Ganymede™シリーズのOCTエンジンは、スーパールミネッセントダイオード光源、走査用電子回路、およびリニアCCDアレイをベースにした検出用分光器から構成されています。Ganymedeシリーズのベースユニットに組み込まれたカメラは高速かつ高感度で、そのAスキャンレート1.5 kHz~248 kHz、感度は1.5 kHzで106 dBです。エンジンおよび検出用部品は、411.8 mm x 325.0 mm x 143.0 mmのケースに納められています。
ベースユニットには、他の実験装置と同期ができるようにアナログ入力端子が2つ付いています。これにより、他のデータソースをOCT信号と結合したり、オーバーレイしたりすることができます。OCTベースユニットには、当社のThorImage®OCTソフトウェアで様々にプログラミングできるトリガ設定機能があります。トリガ機能としては、外部信号に応答するための入力用と、トリガ信号を送信するための出力用の両方の動作が可能です。トリガ信号は、Aスキャン、Bスキャンあるいはボリュームスキャンの開始時に送信することも、任意の回数のスキャンを行った後に送信することもできます。
高分解能イメージングベースユニット
ベースユニットGAN111、GAN312、GAN612には、880 nmスーパールミネッセントダイオード(SLD)光源が組み込まれており、空気中において3.4 mmのイメージング深度と6.0 µmの軸方向分解能が得られます。ベースユニットGAN312およびGAN612の最高Aスキャンレートは、それぞれ80 kHzおよび248 kHzです。
超高分解能イメージング用ベースユニット
超高分解能ベースユニットGAN332およびGAN632は、中心波長880 nmにおいて当社製品の中で最も高いOCTイメージング分解能を有します。3つのスーパールミネッセントダイオード(SLD)を組み合わせた広帯域の光源を使用することで、軸方向分解能として< 3 μm、空気中でのイメージング深度として1.6 mmが得られています。ベースユニットGAN332およびGAN632の最高Aスキャンレートは、それぞれ80 kHzおよび248 kHzです。これらのベースユニットは散乱試料の高分解能イメージングに適しています。
Base Unit Item # | GAN111 | GAN312 | GAN332 | GAN612 | GAN632 |
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Description | High Resolution | High Resolution | Very High Resolution | High Resolution | Very High Resolution |
Center Wavelength | 880 nm | ||||
Imaging Depth (Air/Water) | 3.4 mm / 2.5 mm | 3.4 mm / 2.5 mm | 1.6 mm / 1.2 mm | 3.4 mm / 2.5 mm | 1.6 mm / 1.2 mm |
Axial Resolution (Air/Water) | 6.0 µm / 4.5 µm | 6.0 µm / 4.5 µm | < 3.0 µm / < 2.2 µm | 6.0 µm / 4.5 µm | < 3.0 µm / < 2.2 µm |
A-Scan Line Rate | 1.5, 5, 10, & 20 kHz | 1.5, 5, 10, 20, 40, & 80 kHz | 5, 10, 25, 50, 100, 200, & 248 kHz | ||
Sensitivitya | 96 dB (at 20 kHz) to 106 dB (at 1.5 kHz) | 89 dB (at 80 kHz) 106 dB (at 1.5 kHz) | 84 dB (at 248 kHz) to 102 dB (at 5 kHz) | ||
Maximum Pixels per A-Scan | 1024 | ||||
Compatible Scanners | OCTP-900, OCTP-900/M, and OCTG9 |
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調整機能付きOCTスキャナ
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走査レンズキットと参照光路長調整用アダプタ(いずれも別売り)を取り付けた高剛性(標準型)OCTスキャナ
Scanner Type | Item # | Compatible Base Units |
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Standarda | OCTG9 | GAN111 GAN312 GAN332 GAN612 GAN632 |
User-Customizable | OCTP-900(/M) |
- OCT光源から試料への照射ビームを走査して2Dまたは3D画像を取得
- 以下の2種類をご用意
- 安定性が高く操作が容易な高剛性(標準型)スキャナ
- 走査光路のカスタマイズが可能なオープン構造の調整機能付きスキャナ
当社のOCT走査システムは、OCT光源からサンプルへの照射ビームを走査させて2次元断層画像または3次元ボリューム画像を取得できるように設計されています。OCTは生体イメージングから工業材料分析まで幅広くお使いいただけますが、それぞれの用途に応じた走査パラメータの設定が必要となります。当社ではGanymede™ ベースユニットと一緒にご使用いただく走査システムとして、高剛性スキャナと調整機能付きスキャナをご用意しています。
各スキャナには、サンプルアームならびに参照アームの付いたOCT干渉計が組み込まれています。OCT干渉計の参照アームは試料の近くに配置され、走査システムの筐体内に収納されています。それによりサンプルアームの参照アームに対する位相安定性を維持しています。試料までの距離や反射率が変化すること(例えば、水を通してイメージングする場合など)を考慮して、参照アームの光路長と光強度は調整できるようになっています。分散による画像の歪みを最小化するために、当社のOCTシステムは参照アームとサンプルアームの長さができるだけ光学的に一致するように設計されています。試料による分散の影響(例えば、水やガラスを通したイメージング)は、付属のThorImage®OCTソフトウェアを使用して補正可能です。非共通光路のセットアップをご希望される場合には、いずれのスキャナもビームスプリッタ無しで構成することが可能です。詳細は当社までお問い合わせください。
すべてのスキャナにはカメラが内蔵されており、OCT測定中にThorImage OCTソフトウェアを使用して試料のen face映像をリアルタイムで撮影することができます(詳細は「ソフトウェア」タブをご参照ください)。試料の照明には、各スキャナの出射開口部の周囲にリング状に配置された、調節可能な白色LED光源を使用します。
OCTシステムの構築にはベースユニットと走査システム、および走査レンズキットが必要です。
高剛性(標準型)スキャナ
高剛性スキャナOCTG9は、安定で操作が容易なイメージングシステム用に適しています。高剛性スキャナの筐体は堅牢で遮光性があり、ミスアライメントのリスクを最小限に抑えます。高剛性スキャナ上部には、参照アームの長さの精密な測定と調整を行うためのマイクロメーターネジが付いています。こちらのスキャナには別途参照光路長調整用アダプタをご購入いただく必要があります。
調整機能付きスキャナ
調整機能付きスキャナOCTP-900/Mはオープン構造になっており、当社の標準的なオプトメカニクス部品を使用して光路を簡単にカスタマイズできます。数箇所にSM1ネジ付きポートと#4-40タップ穴が配置されており、それぞれにSM1ネジ付き部品または30 mmケージシステム用部品を取り付けることができます。走査レンズ用ポートにはM25 x 0.75またはSM1ネジ付き部品を直接取り付けられますが、当社のネジアダプタを使用することでRMSのような他のネジ規格にも対応可能です。追加の走査および非走査用光入出射ポートを利用して、蛍光励起用レーザまたは追加の試料用照明を組み込むこともできます。
下のリンゴの画像は、Ganymede™シリーズのOCTシステムに走査レンズキットOCT-LK2-BBおよびOCT-LK3-BBを取り付けて取得したものです。 走査レンズキットは、用途に合った解像度、焦点距離のものをお選びください。
- テレセントリック走査レンズによるフラットな結像面
- 800~1100 nm対応のARコーティング付きレンズ
- 高剛性/調整機能付きスキャナ用の走査レンズキットには以下のものが含まれます。
- テレセントリック走査レンズ
- 照明用チューブ
- 赤外域ビュワーカード
- 校正用ターゲット
- 分散補償用セット
走査レンズキットにより、OCTシステムの走査レンズを簡単に交換できるため、イメージングの分解能や作動距離を用途に合わせて様々に設定することができます。 こちらのレンズキットは、OCT用テレセントリック走査レンズをベースとしているため、測定後の画像処理を用いずとも像の歪みを最小限化し、同時に試料から散乱または発する光を検出システムに最大限結合させます。下表のように、当社では高剛性スキャナ(型番 OCTG9)用および調整機能付きスキャナ(型番 OCTP-900/M)用のレンズキットを3種類ご用意しています。
各キットにはテレセントリック走査レンズ、照明用チューブ、赤外域ビュワーカード、校正用ターゲットが付属します。 照明用チューブはライトガイドとしてLED照明リングからの光を試料の領域に伝送します。赤外域ビュワーカードならびに校正用ターゲットを用いて走査ミラーおよびレンズキットの校正を行い、走査レンズを交換しても良好な画質を得られるようにします。
Item #a | Compatible Scan Lens Kit |
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OCT-RA2 | OCT-LK2-BB |
OCT-RA3 | OCT-LK3-BB |
OCT-RA4 | OCT-LK4-BB |
- 参照光路長とサンプル光路長を一致させるためのアームアダプタ
- 複数のアダプタの使用で走査レンズキットの素早い交換が可能
- 高剛性スキャナ(型番 OCTG9)には必須
こちらのアダプタを使用して高剛性スキャナOCTG9内の参照アーム光路長を調整し、使用した走査レンズにより違うサンプル光路長に一致させることができます。3種類の中から上記掲載の走査レンズキットに対応する製品をお選びください。参照光路長調整用アダプタにより、走査レンズキットを再調整せずに素早く交換することができます。適切なアダプタを選択する際の対応表を右に掲載しています。
- 試料からの最適な作動距離にスキャナを設置
- リング型(空気用)および液浸型(液体用)のZスペーサをご用意
当社では、走査システムと試料間の距離を最適に設定するための、リング型、液浸型の両タイプの試料用Zスペーサをご用意しています。ZスペーサOCT-AIR3、OCT-IMM3およびOCT-IMM4は、刻み付きリングで間隔距離の調整を行います。安定性を向上させるため、適切な位置にリングをロックすることができます。Zスペーサは数種類の中からお選びいただけます。下のスキャナおよびレンズキットとの対応表をご参照ください。
リング型Zスペーサは、スキャナと試料間のディスタンスガイドとなります。試料はスペーサのリング状の先端に接触させます。このスペーサは、空気を走査媒体とする場合のみご使用いただけます。これに対し、液浸型スペーサにはガラス板が付いており、走査領域内で試料表面に接触させます。リング型スペーサとは異なり、液浸型スペーサは液体内の試料の安定性を保ったまま試料にアクセスできます。屈折率整合した傾斜付きのガラス板を使用することで、試料表面からの強い後方反射を減少させ、画像のコントラストを向上させることができます。
Item # | Type | Adjustable | Adjustment Range | Lockable | Compatible Scanner | Compatible Scan Lens Kit |
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OCT-AIR3 | Ring (Air) | Yes | +3.5 mm / -1.0 mm | Yes | OCTG9 OCTP-900(/M) | OCT-LK3-BB |
OCT-IMM3 | Immersion | Yes | +3.4 mm / -1.1 mm | Yes | ||
OCT-IMM4 | Immersion | Yes | +1.0 mm / -17.0 mm | Yes | OCT-LK4-BB |
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集光ブロックは45°回転可能で、スキャナーヘッドを試料から離すことができます。
- 高剛性または調節機能付きスキャナ取付け用の推奨スタンド
- Ø38 mm(Ø1.5インチ)ステンレススチールポストに取り付けたZ軸粗微動可能な集光ブロック
- M6タップ穴付きの300 mm x 350 mmアルミニウム製ブレッドボード
血管造影のような振動に敏感な研究に適した、高剛性または調整機能付きスキャナを取り付けしやすいスタンドです。ポストに取付け済みの集光ブロックは、ノブでZ軸粗動(40 mm/回転)および微動(225 µm/回転)調整が可能です。 集光ブロックの下にある回転および高さ調整カラーにより45°回転し、スキャナーヘッドを試料から離して調整を行うことができます。
集光ブロックは付属のØ38 mm(Ø1.5インチ)ポストを介して300 mm x 350 mmのアルミニウム製ブレッドボードに取り付けられています。このブレッドボードにはサイドグリップとゴム製の脚がついており、簡単に持ち運びできます。オプトメカニクスを取り付けるためにM6タップ穴の配列があります。また移動ステージOCT-XYR1/M(下記掲載)をOCT-STAND/Mの走査レンズの真下に直接設置するためのM6取付け穴が4つと、Ø38 mm(Ø1.5インチ)ポストを固定するためのM6ザグリ穴が1つ付いています。
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カバープレートを取り外してタップ穴およびSM1ネジ付きの中心穴にアクセスできます。
Specifications | |
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Horizontal Load Capacity (Max) | 10 lbs (4.5 kg) |
Mounting Platform Dimensions | Ø4.18" (Ø106 mm) |
Stage Height | 1.65" (41.8 mm) |
Linear Translation Range | 1/2" (13 mm) |
Travel per Revolution | 0.025" (0.5 mm) |
Graduation | 0.001" (10 µm) per Division |
- 13 mmのXY移動ならびに360°回転が可能なオプションの移動ステージ
- 試料を取り付けるためのカバープレート付き
- カバープレートを取り外してオプトメカニクスを取付け可能
OCTイメージングの準備中ならびに実行中に試料の位置決めを正確に行うためには、精密移動および回転が必要となります。OCT-XYR1/MにはXY直線移動ステージに加え、回転式プラットフォームとクリーニングしやすい試料固定用剛性カバープレートを搭載しています。 OCT-XYR1/Mは、4隅にあるM6ザグリ穴を使用して上記掲載のOCT-STAND/Mに固定することができます。上部プレートを取り外して#4-40、M4、およびM6タップ穴、ならびにSM1ネジ付き中心穴にアクセスし、オプトメカニクス部品が取り付け可能です。試料用プレートXYR1Aには穴が無く、上面プレートの代わりとして別途ご購入いただけます。
X軸とY軸のマイクロメータの移動量は13 mmで、10 µm刻みの目盛が付いています。 ステージは、取り付けた部品の安定性を損なうことなく自由に回転・移動させることができます。回転式プラットフォームの外端に沿って刻まれている角度目盛により、ステージの角度を設定してからロック用止めネジ(2 mmの六角穴付き)で固定することができます。回転を固定しても、アクチュエータを用いてXY軸での移動は可能です。