精密二重スリット


  • Slit Width: 40, 50, or 100 µm
  • Slit Spacing: 3 or 6 Times Slit Width
  • 3 mm Slit Length
  • Stainless Steel Foils Blackened on Both Sides for Increased Absorbance

SD40K3

40 µm Slit Width,
120 µm Slit Spacing

SD100K6

100 µm Slit Width,
600 µm Slit Spacing

Application Idea

An SD40K3 Double Slit is mounted in the light path of a PL202 Laser. The transmitted interference pattern can be viewed on a screen 50 cm away.

The double slit interference pattern is visible on our EDU-VS2 Viewing Screen.

Related Items


Please Wait
Mounted Pinhole Dimensions
Click to Enlarge

Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付きステンレススチール製スリットの寸法

特長

  • Ø25.4 mm(Ø1インチ)アルミニウム製マウント付きのステンレススチールホイル製精密二重スリット
  • 黒色アルマイト処理されたアルミニウム製マウント付き
    • 外径Ø25.4 mm(Ø1インチ)、厚さ2.5 mm
    • 前面にはスリットに平行なアライメント用直線の刻印
  • スリット幅:40、50または100 µm
  • スリット間隔:スリット幅の3倍または6倍
  • スリット長:3 mm
  • カスタム仕様のスリットについては当社までお問い合わせください。

当社の黒色化ステンレススチールホイル製光学二重スリットの各スリットの長さは3 mmで、幅は40 µm、50 µm、100 µmの3種類がございます。またスリット間隔はスリット幅の3倍と6倍の2種類がございます。例えば、SD40K3の二重スリットは幅40 µm、間隔120 µm、SD40K6の二重スリットは幅40 µm、間隔240 µmです。干渉パターンや回折パターンが複数方向に生成されるのを避けるため、入射ビームのサイズがスリットの長さ(3 mm)よりも小さいことをご確認ください。ホイルはØ25.4 mm(Ø1インチ)のアルミニウム製マウントに取付けられています。

標準品の中に用途に適した製品が無い場合には、特注品も承ります。材料やスリットサイズの変更のほかに、1つのホイルに複数のスリットを加工したり、異なるスリットの配列を構成したりすることも可能です。低パワー光を使用する場合は、光を吸収する黒色化ステンレススチール製ホイルが有用です。一方、高パワー光を使用する場合は、高損傷閾値と高反射率の金メッキ銅製ホイル、高融点と低反射率のタングステン製ホイル、あるいは前面に低反射黒色コーティング(4% @800 nm)を施した高融点モリブデン製ホイルなどを必要とする場合があります。詳細は「ホイルの比較」タブおよび「グラフ」タブをご覧ください。マウントのカスタマイズも可能です。詳細は当社までお問い合わせください。

Precision Pinhole and Optical Slit Selection Guide
MaterialProduct
Blackened Stainless SteelCircular Precision Pinholes
Square Precision Pinholes
Optical Slits
Stainless Steel with
PVD Black Coating
Circular Precision Pinholes
Gold-Plated Copper Foil (Rear)
and PVD Black Coating (Front)
Circular Precision Pinholes
Tungsten FoilCircular Precision Pinholes
Molybdenum Foil (Rear) and
Absorptive Polymer Coating (Front)
Circular Precision Pinholes

精密ピンホールと光学スリット
当社では、精密ピンホール用のホイル素材として、黒色化ステンレススチール、金メッキ銅、タングステン、またはモリブデンを用いています。ステンレススチール製ホイルのピンホールは、光の吸収率を高めるために両面を黒色化処理しており、標準品としてØ1 µm~Ø9 mmの円形ピンホールと、100 µm x 100 µm~1 mm x 1 mmの正方形ピンホールをご用意しています。黒色PVDコーティング付きのステンレススチール製ピンホールは、直径5 μm~2 mmのピンホールをご用意しており、これらは真空にも対応しております。金メッキ銅製ホイルのピンホールは直径5 µm~2 mmのピンホールがあり、これらは片面が金メッキ、その反対面は黒色PVD加工されています。タングステン製ホイルのピンホールはコーティング処理されておらず、直径5 µm~2 mmのピンホールでご用意しております。モリブデン製ホイルのピンホールは直径5 µm~2 mmのピンホールをご用意しており、これらの前面には光吸収性ポリマがコーティングされています。 当社では、黒色化ステンレススチール製ホイルの光学スリットも、標準品として幅5~200 µmのスリットでご用意しております。

標準品のピンホールやスリットの中に用途に合う製品がない場合は、特注も承ります。材料、穴のサイズや形状の変更のほか、1つのホイルに複数の穴を加工したり、異なるピンホールの配列を構成したりすることも可能です。詳細は当社までお問い合わせください。ピンホールの材料特性については下の表をご覧ください。

 

材料特性
用途によってはピンホールまたはスリットの材料特性を考慮することが重要な場合があります。下の表に示すように、開口部の材料によってその融点、密度、熱伝導率などが異なります。 

Material Properties
Material300 Series Stainless SteelaCopperbTungstenMolybdenumc
Melting Point1390 - 1450 °C1085 °C3422 °C2623 °C
Density8.03 g/cm38.96 g/cm319.25 g/cm310.28 g/cm3
Brinell Hardness170 MPa878 MPa2570 MPa1500 MPa
Damage Thresholdd (10 ns Pulse, 1 kHz @ 355 nm)1.54 MW/mm24.82 MW/mm29.39 MW/mm26.34 MW/mm2
Thermal Expansion Coefficient16.2 (µm/m)/°C16.7 (µm/m)/°C4.5 (µm/m)/°C5.0 (µm/m)/°C
Specific Heat @ 20 °C485 J/(K*kg)385 J/(K*kg)134 J/(K*kg)250 J/(K*kg)
Thermal Conductivity16.2 W/(m*K)401 W/(m*K)173 W/(m*K)138 W/(m*K)
Thermal Diffusivity @ 300 K3.1 mm2/s111 mm2/s80 mm2/s54.3 mm2/s
  • ステンレススチール製のピンホールとスリットは、光の吸収率を大きくするために両面が黒色化処理されています。材料特性は主にバルクのステンレススチールの特性によって決定されます。 .
  • 金メッキ銅製のピンホールは、片面の銅基板に金が薄くコーティングされています。この面にビームが入射したとき、反射率は金の特性(77% @800 nm)になりますが、熱的な特性は主に基材の銅によって決定されます。
  • モリブデン製ピンホールの前面には光吸収性のコーティングが施されています。材料特性は主にバルクのモリブデンの特性によって決定されます。
  • 損傷閾値データはここに掲載されているバルク材のみを参照しています。

 

反射率
ホイル材料やコーティングの反射率は、様々なアプリケーションにおける性能に影響を及ぼします。下のグラフは、当社の円形や正方形の精密ピンホールと、マウント付き光学スリットに用いられている材料やコーティングの反射率を示しています。生データはこちらからダウンロードいただけます。

金メッキ銅ホイル製の円形精密ピンホールの前面は、低反射の黒色PVDコーティングが施されています。背面は銅ホイルを金メッキした状態のままです。モリブデン製ホイルの円形ピンホールも、前面には低反射の光吸収性ポリマがコーティングされていますが、背面はコーティングされていません。 

反射率のグラフ

下のグラフはマウント付き光学スリットに使用されている黒色化ステンレススチールの反射率を示しています。反射率の生データはこちらからダウンロードいただけます。

Destructive InterferenceClick to Enlarge
図2: 2つの逆位相の正弦波。
上の2つの曲線を加算すると、下の段の結果が得られます。両方の波が逆位相の場合は、干渉により波は弱められます(破壊的干渉)。
Constructive InterferenceClick to Enlarge
図1: 2つの同位相の正弦波。上の2つの曲線を加算すると、下の段の結果が得られます。両方の波が同位相の場合は、干渉により波は強められます(建設的干渉)。
Double Slit Interference PatternClick to Enlarge
図3: 平面波が一対のスリットに入射すると、各スリットは検出スクリーンに向かって光を放射する点光源の役割を果たします。スクリーン上で光の強度を観察すると、2つのスリットからの光の干渉により、明暗が交互に現れるパターンが得られます。
Double Slit Ray DiagramClick to Enlarge
図4: 2つのスリットは距離 dだけ離れ、検出スクリーンから距離Lの位置にあります。両スリットからスクリーン上の特定の点yまでの光路差Δxにより、さまざまなレベルの建設的干渉と破壊的干渉が生じます。
Double Slit Interference Pattern Plot
Click to Enlarge

図5: この図は、距離dだけ離れた一対の光学的に小さなスリットに波長λの光を入射したときに、
そこから距離Lだけ離れたスクリーン上で観測される光の強度を示しています。
Single Slit Ray Schematic
Click to Enlarge

図6:波長λの光を幅aのスリットに入射したときに、3種類の角度の方向に出射する光の様子を
示しています。(a)は角度 0°の場合です。(b) は干渉縞の最初の暗部となる角度に対応し、
(c)は中心以外の最初の明部となる角度に対応します。
Finite Double Slit Diffraction PatternClick to Enlarge
図8:スリット幅a、スリット間隔d=3aの二重スリットに対して波長λの光を入射したときに、検出スクリーン上で観測される強度分布を、水平からの角度θの関数としてプロットしています。
Single Slit Diffraction PatternClick to Enlarge
図7:波長λの光を幅
のスリットに入射したときに、検出スクリーン上で観測される強度分布を、水平からの角度θの関数としてプロットしています。

二重スリットにおける干渉と回折

建設的干渉と破壊的干渉

光は波と粒子の両方の性質で正確に記述されます。そのような光の性質により、光の操作方法や観察可能な現象が決定されます。波の基本的な性質として、重ね合わせの原理が成立することがあげられます。この性質により、同じ空間に多数の波があっても、特定の点で観測される振幅は、その位置における各波のベクトル和になります。これは建設的干渉および破壊的干渉という現象を通じて簡単に観察することができます。図1と図2に示す2つの正弦波について考えてみましょう。これらがどのように干渉するかは、それぞれの波の各点での振幅を読み取り、それらの値を加算することで決定できます。図1では2つの波が完全に同位相のため、ピークは同じ位置に生じます。このような波を加算したときには、波長は同じですが振幅が2倍の波が得られます。これは建設的干渉として知られています。図2では2つの波に180°の位相差があります。一方の波が山(ピーク)のとき、もう一方の波は谷になります。したがって、これらの波を加算すると効果的に相殺され、すべての点で振幅が0になります。これは破壊的干渉として知られています。

ヤングの二重スリット実験は、2つの光源間での干渉現象を実証し、これにより光の波と粒子の二重性を調べることができるようになりました。二重スリット干渉の背後にある理論を展開するために、2つの平行な開口を考えてみます。ただし、それらの開口の幅は、開口間の間隔dに比べて非常に小さいものとします。平面波を二重スリットに入射すると、それぞれの開口を通過する光はホイヘンスの原理に従って球面波を発生させる点光源のように機能します。二重スリットの面から垂直方向に距離Lだけ離れたスクリーンで光を観察すると、考慮すべき興味深い点をいくつか見ることができます。2つのスリットから等距離にあるスクリーン上の点y0では、両スリットからの光路長が同じであるため光は同位相となり、スクリーン上に建設的干渉が生じて明るい点が現れます。この位置から上または下に移動すると、光路差が変化するのに伴って、2つの干渉光の位相差も変化します(この変化は上下対象です)。光路差Δxが光源の波長の半分に等しくなると、両スリットからの光の位相差は180°になります。その結果、完全な破壊的干渉が生じて、スクリーン上には干渉縞の暗い部分が現れます。中心からさらに移動すると、光路長がさらに1/2波長分だけ異なる点に到達し、両スリットからの光は再び同位相になります。これにより、建設的干渉が生じて、スクリーン上には別の強度ピークが現れます。これらの交互に現れる干渉縞の明暗は、二重スリットの干渉パターンとして知られています(図3参照)。

図4から、中心点y0を基準にして干渉縞の明部と暗部の位置yが求められます。光路差Δx、スリット間隔d、および検出スクリーンに対する角度θの関係は三角関数で次のように表すことができます。

Double Slit Path Length Difference

ここで、最初の強度極小値(干渉縞の暗部)が検出される角度では、光路差が入射波長λの半分に等しくなります。この角度は、スクリーンまでの垂直距離Lと干渉縞の最初の暗部の位置yを用いて次のように表すこともできます。

Double Slit Path Length Difference

ここで、干渉縞の最初の暗部において光路差がλ/2になるという条件を適用し、さらに小角近似を適用すると(十分に小さい角度の場合にはsin(θ) ≅ tan(θ))、次の結果が得られます。

Double Slit Path Length Difference

これに続く強度の極小位置と極大位置を求めるときも、同じ原理を適用できます。干渉縞の中心以外の最初の明部は光路長が1波長λだけ異なる位置に現れ、次の暗部はさらに1/2波長だけ離れた3λ/2の位置に現れます。整数mを用いて一般化すると、干渉縞の明部の位置は次の式で表されます。

Double Slit Path Length Difference

一方、干渉縞の暗部の位置は次の式で表されます。

Double Slit Path Length Difference

ここでmは整数です。m=0のとき、0次の強度最大位置として中心点y0からの距離y0が得られます。上記の最初に見つかる強度極小の点は、0次の極小と呼ばれます。波長λ、スリット間隔d、スクリーンまでの距離Lのとき、光の一般的な強度パターンは図5のようになります。

上記の定式化では、2つのスリットが限りなく小さいことを仮定しています。スリットのサイズが有限であることは、実際には強度パターンを決定するうえで重要な役割を果たします。図6は、幅aの有限サイズの1つのスリットから、異なる角度で出射していく光を示しています。上で説明した干渉と同じ原理により、スリット内での位置によって検出スクリーンまでの光路長が異なります。そのため、単一スリットによる回折と呼ばれる現象が発生します。図6の(a)のように、光がθ=0でスリットを真っすぐに通過する場合、スリットの中心からある程度離れた各点には、それぞれその反対側に同位相になるペアがあります。そのためスクリーンの位置で強めあうことになり、中心に強い最大値が現れます。

(b)のsin(θ)=λ/aの場合は、スリット内の各点で発生する光にとって、スクリーン上の同じ点までの光路長が異なります。スリットの上部と底部からの光の光路差は1波長であり、中心点では両方の位相から1/2波長分だけずれます。スリット底部のすぐ上の点からの光を考えてみると、それが到着するスクリーン上の点には、a/2上側から位相差180°の光が来ます。このように、この場合の各点には干渉により弱め合う別の点があるため、単一スリットによる干渉縞の最初の暗部が生じます。二重スリットのパターンと同様に、整数をmで表したとき、次の式を満たす角度においてmの強度極小値が得られます。

Double Slit Path Length Difference

次に、(c)のsin(θ)=3λ/2aの場合を考えると、スリットの上部と底部の光路差は3λ/2になります。スリットの上から3分の2のところで、光はスリットの上部に対してちょうど1波長だけずれてスクリーンに到着するため、互いに強め合う干渉が生じます。これらの2つの点からわずかに下にある2点を選んで見てみると、やはり同じ相対位相を有します。そのため、このスリットから出射するほとんどの光は、互いに強め合うように干渉する光を有することになり、強度が極大値を示すことになります。しかし、中央の最大値の場合とは異なり、すべての光が強め合うわけではありません。従って、干渉縞中央の最大値よりも小さな極大値が両側に現れることになります。このように、波長λの光が幅aの単一スリットを通過したときの強度パターンは次の式で表されます。

Double Slit Path Length Difference

ここで、

Double Slit Path Length Difference

この式で得られる強度変化のグラフを図7に示します。

二重スリットは実際には有限幅のスリットのペアであり、それらを通過した光は互いに干渉する前に個別に回折をします。スリット間隔dがスリット幅aよりも大きい場合は、極大になる位置は点光源近似による結果ym = mλL/dと同じになりますが、各ピークの強度は回折により減少します。有限の二重スリットの回折パターンは、二重スリット干渉パターンと単一スリット回折パターンのそれぞれの理論式の積を計算することで得られます。スリット間隔がスリット幅の3倍の場合(型番末尾にK3が付いている二重スリットなど)の計算結果を図8に示します。一般に、「理想的」な二重スリットの強度パターンは、個々のスリット幅によって決定される回折波のパターン内に収まります。

レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

Intensity Distribution
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。

CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。

CW Wavelength Scaling

しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。

アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。

CW Wavelength Scaling

LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。

ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。

Pulse Energy Density

上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。

このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:

Pulse Length Scaling

この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。

ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。

Pulse Wavelength Scaling

スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。

マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。

この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。


Posted Comments:
No Comments Posted
Apertures Selection Guide
Aperture TypeRepresentative Image
(Click to Enlarge)
DescriptionAperture Sizes Available from Stocka
Single Precision Pinholesa
Circular Pinholes in Stainless Steel FoilsØ1 µm to Ø9 mm
Circular Pinholes in Stainless Steel Foils,
Vacuum Compatible
Ø5 µm to Ø2 mm
Circular Pinholes in Gold-Plated Copper FoilsØ5 µm to Ø2 mm
Circular Pinholes in Tungsten FoilsØ5 µm to Ø2 mm
Circular Pinholes in Molybdenum FoilsØ5 µm to Ø2 mm
Square Pinholes in Stainless Steel Foils100 to 1000 µm Square
SlitsaSlits in Stainless Steel Foils3 mm Slit Lengths: 5 to 500 µm Widths
10 mm Slit Lengths: 20 to 500 µm Widths
Double Slits in Stainless Steel Foils3 mm Slit Lengths with 40, 50, or 100 µm Widths,
Spacing of 3X or 6X the Slit Width
Half-AperturesMounted, Half-Aperture Foils

Half-Apertures for Knife-Edge Scan Measurements

Annular AperturesAnnular Aperture Obstruction Targets on
Quartz Substrates with Chrome Masks
Ø1 mm Apertures with ε Ratiosb from 0.05 to 0.85
Ø2 mm Aperture with ε Ratiob of 0.85
Pinhole WheelsManual, Mounted, Chrome-Plated Fused Silica Disks
with Lithographically Etched Pinholes
Each Disk has 16 Pinholes from Ø25 µm to Ø2 mm and
Four Annular Apertures (Ø100 µm Hole, 50 µm Obstruction)
Motorized Pinhole Wheels with Chrome-Plated Glass Disks
with Lithographically Etched Pinholes
Each Disk has 16 Pinholes from Ø25 µm to Ø2 mm and
Four Annular Apertures (Ø100 µm Hole, 50 µm Obstruction)
Pinhole KitsStainless Steel Precision Pinhole KitsKits of Ten Circular Pinholes in Stainless
Steel Foils Covering Ø5 µm to Ø9 mm
  • 精密シングルピンホールとスリットの開口サイズ、ホイル材料、形状、およびピンホール配置は、特注で変更することも可能です。詳細は当社までお問い合わせください。
  • オブストラクション径のピンホール径に対する比率
Back to Top

光学二重スリット、長さ3 mm、スリット幅:スリット間隔=1:3

  • 光学スリットの幅は40、50、100 µmの3種類
  • スリット幅とスリット間隔の比は1:3
  • スリット長は3 mm
  • 光の吸収率を高めるためにステンレススチール製ホイルの両面を黒染め化成処理

こちらでご用意しているマウント付き光学スリットのスリット幅とスリット間隔は、それぞれ幅40 µm/間隔120 µm、幅50 µm/間隔150 µm、幅100 µm/間隔300 µmです。これらのスリットは両面が黒染め化成処理されたステンレススチール製ホイルを加工して作られています。ホイルは、外径Ø25.4 mm(Ø1インチ)、厚さ2.5 mmの黒色アルマイト処理されたアルミニウム製マウントに取り付けられています。 マウントの前面には型番、スリット幅、スリット幅とスリット間隔の比、およびスリットに平行なアライメント用直線が刻印されています。

小さなピンセットやプライヤを用いて固定リングを外すと、スリットをマウントから取り外すことができます。しかし、ホイルはとても薄い(50 µm)ので取扱いにはご注意ください。

Item #Slit WidthToleranceSlit SpacingToleranceSlit LengthFoil ThicknessFoil DiameterFoil MaterialHousing Material
SD40K340 µm±3 µm120 µm±10 µm3 mm50 µm0.38"
(9.6 mm)
300 Series Stainless Steel,
Black-Oxide Conversion Coating
6061-T6 Aluminum
SD50K350 µm±3 µm150 µm±10 µm
SD100K3100 µm±4 µm300 µm±20 µm
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
SD40K3 Support Documentation
SD40K3Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付き二重スリット、スリット幅40 µm、スリット間隔120 µm
¥22,219
7-10 Days
SD50K3 Support Documentation
SD50K3Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付き二重スリット、スリット幅50 µm、スリット間隔150 µm
¥22,219
Today
SD100K3 Support Documentation
SD100K3Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付き二重スリット、スリット幅100 µm、スリット間隔300 µm
¥22,219
7-10 Days
Back to Top

光学二重スリット、長さ3 mm、スリット幅:スリット間隔=1:6

  • 光学スリットの幅は40、50、100 µmの3種類
  • スリット幅とスリット間隔の比は1:6
  • スリット長は3 mm
  • 光の吸収率を高めるためにステンレススチール製ホイルの両面を黒染め化成処理

こちらでご用意しているマウント付き光学スリットのスリット幅とスリット間隔は、それぞれ幅40 µm/間隔240 µm、幅50 µm/間隔300 µm、幅100 µm/間隔600 µmです。これらのスリットは両面が黒染め化成処理されたステンレススチール製ホイルを加工して作られています。ホイルは、外径Ø25.4 mm(Ø1インチ)、厚さ2.5 mmの黒色アルマイト処理されたアルミニウム製マウントに取り付けられています。 マウントの前面には型番、スリット幅、スリット幅とスリット間隔の比、およびスリットに平行なアライメント用直線が刻印されています。

小さなピンセットやプライヤを用いて固定リングを外すと、スリットをマウントから取り外すことができます。しかし、ホイルはとても薄い(50 µm)ので取扱いにはご注意ください。

Item #Slit WidthToleranceSlit SpacingToleranceSlit LengthFoil ThicknessFoil DiameterFoil MaterialHousing Material
SD40K640 µm±3 µm240 µm±20 µm3 mm50 µm0.38"
(9.6 mm)
300 Series Stainless Steel,
Black-Oxide Conversion Coating
6061-T6 Aluminum
SD50K650 µm±3 µm300 µm±20 µm
SD100K6100 µm±4 µm600 µm±30 µm
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
SD40K6 Support Documentation
SD40K6Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付き二重スリット、スリット幅40 µm、スリット間隔240 µm
¥22,219
7-10 Days
SD50K6 Support Documentation
SD50K6Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付き二重スリット、スリット幅50 µm、スリット間隔300 µm
¥22,219
7-10 Days
SD100K6 Support Documentation
SD100K6Ø25.4 mm(Ø1インチ)マウント付き二重スリット、スリット幅100 µm、スリット間隔600 µm
¥22,219
7-10 Days