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走査型ファブリペロー干渉計![]()
SA201 Voltage Controller
SA210-8B 10 GHz FSR, 820 - 1275 nm SA200-2B 1.5 GHz FSR, 290 - 355 nm & 520 - 545 nm Application Idea Mounting components on an optical rail system reduces the degrees of freedom while aligning the beam to the cavity. The SA200, focusing lens, and laser are each mounted to an XT66C4 clamping platform which centers the optical axis over the XT66-500 rail axis. ![]() Please Wait ![]() 共焦点ファブリペロー干渉計の概略図 ![]() 各ファブリペロー干渉計は熱安定性に優れたインバー(Invar®)製共振器が採用されています。 特長
走査型ファブリペロー(FP)干渉計は、CWレーザの微細なスペクトル特性を調べるのに適したスペクトラムアナライザです。当社では、フリースペクトルレンジ(FSR)が1.5 GHzまたは10 GHzの干渉計をご用意しております。分解能はFSRとフィネスによって1 MHz未満~67 MHzの範囲で変化します。これらの物理量に関する詳細やそのファブリペロー干渉計での扱い方については、「ファブリペローチュートリアル」のタブをご覧ください。 共焦点ファブリペロー共振器は、特定の周波数の光のみを透過します。この透過周波数は、ピエゾトランスデューサで共振器長を調整することでチューニングできます(右図参照)。透過光強度はフォトダイオードで測定され、コントローラSA201内のトランスインピーダンスアンプ(または同等のアンプ)で増幅されたのち、オシロスコープまたはデータ収集カードによって表示または記録されます。各ファブリペロー干渉計には、BNCコネクタで終端されたピエゾ制御用ケーブルが付属しています。 SA30-144、SA200-18CおよびSA210-18CのミラーはIRグレードの溶融石英(Infrasil®)製、SA200-30CのミラーはYAG製、その他のモデルのミラーはすべてUV溶融石英製です。 ファブリペロー干渉計は熱的安定性に優れたインバー製で、温度変動に伴うミスアライメントを抑制します。 SA200ならびにSA30シリーズにはSM1ネジ、SA210シリーズにはSM05ネジがそれぞれの背面に付いており、共にディテクタを取り付けることができます。SA200-30Cを除くすべての走査型ファブリペロー干渉計にはフォトダイオードディテクタが付属し、そのほかにディテクタと増幅器を接続するためのSMA-BNCケーブルも付属します。フォトダイオードは、アライメント調整やディテクタ交換のために取り外すことができます。 アライメント ニアコンフォーカル設計のSA30シリーズでは、干渉計を適切にアライメントするために追加の手順が必要です。このシステムでは、透過モードの観察中に高次モードを抑制するため、さらに微調整が必要となります。詳細は「アライメントガイド」タブをご覧ください。 コントローラ 下のグラフの青線は、当社のファブリペロー干渉計のミラーの反射率を示しています。ミラーフィネス(Mirror Finesse)は、ミラーの反射率によって決まるフィネスを示しています。ほぼ完全にアライメントされたシステムでは、ファブリペロー共振器のフィネスはミラーの反射率によって制限され、フィネスの値は下のグラフに近づきます。フィネスについての詳細は「ファブリペローチュートリアル」タブをご参照ください。 ミラーの実際の反射率はコーティングロットにより規定スペクトル領域内では僅かに異なり、領域外では大幅に異なることがあります。キャビティのフィネスは他の要素によって変わります。詳細は「ファブリペローチュートリアル」タブをご参照ください。 UV~中赤外域(200 nm~4700 nm)におけるカスタム仕様のミラーコーティングも、ご要望に応じて承ります。グラフに示したコーティングでご用途に適した製品が無い場合は、当社までお問い合わせください。 干渉計(フィネス ≥1500)反射率とミラーフィネスの理論値。ミラーフィネスは「ファブリペローチュートリアル」タブの(8)の式を用いて計算されています。なお、機器の実際のフィネスには、基板の表面品質のフィネスも考慮する必要があるため、こちらの曲線の値よりも低くなります(「ファブリペローチュートリアル」タブの(10)の式参照)。 干渉計(フィネス> 150または> 200)反射率とミラーフィネスの理論値。ミラーフィネスは「ファブリペローチュートリアル」タブの(8)の式を用いて計算されています。なお、機器の実際のフィネスには、基板の表面品質のフィネスも考慮する必要があるため、こちらの曲線の値よりも低くなります(「ファブリペローチュートリアル」タブの(10)の式参照)。 ![]() Click to Enlarge 反射率データの測定値とミラーフィネスの計算値はこちらからダウンロードいただけます。 このデータでは、空気中の水蒸気による吸収によって測定に不確かさが生じるため、2.65~2.7 µmの波長範囲で平滑化されています。
下記では当社のファブリペロー干渉計のアライメント方法の概要を説明しています。下のリンクから特定の説明に飛ぶことができます。 ![]() Click to Enlarge 図2:SA210シリーズ干渉計の中心は機器本体の溝で示されています。 ![]() Click to Enlarge 図1:SA200シリーズ干渉計の中心は機器本体の溝で示されています。 SA30シリーズの本体と溝はSA200シリーズと同じです。 一般的な取扱い当社の走査型ファブリペロー干渉計は、機器を標準のキネマティックミラーマウント(SA200とSA30シリーズにはKS2、SA210シリーズにはKS1)に取り付け、それを折り返しミラーの後の自由空間ビーム中に配置することでアライメントすることができます。共振器を走査しながら、共振器が入射ビームに対してアライメントされるまでミラーとFP干渉計の位置を繰り返し調整してください。共振器をビームに対してアライメントした後、ビームウエストが共振器の中心において規定値となるようにレンズ位置を調整してください。共振器の外側の筐体には、共振器の中心の位置を示す溝が付いています(図1および2参照)。 SA30シリーズの推奨するビームウェストとレンズ ![]() Click to Enlarge 図3:&集光レンズに入射されるビームのウェスト径(w0inc)と、干渉計中心位置における推奨ビームウェスト径(w0rec)の図解。 このときw0incはレンズの入射されるビームウェスト径、w0recは干渉計の中心における推奨ビームウェスト径、z0incはレンズに入射するビームのレイリ長、λは入射ビームの波長、 fはレンズの焦点距離です。よくコリメートされたビーム、つまり入射ビームのレイリ長がレンズの焦点距離より大幅に大きく、ビームがほとんど広がっていかない場合、式(1)は下記のように近似されます。 レンズは距離D分 中心の溝から離してください。これによりよくコリメートされたビームの場合、D = fに近似されます。なお、ガウシアンビームのレイリ長はz0 = πw02/λ(w0がビームウェスト径、λが入射光の波長)によって求められます。 SA30シリーズに推奨するウェスト径は下記の式で求められます。 このときRはミラーの曲面半径(50 mm)、dは2つのレゾネーターミラー間の距離(50 mm)、λは入射ビームの波長です2。
自由空間ビームの走査型ファブリペロー干渉計へのカップリング![]() Click to Enlarge 図4:SA210シリーズFP干渉計と自由空間ビームのカップリング用システム ![]() Click to Enlarge 図5:SA200シリーズFP干渉計と自由空間ビームのカップリング用システム
![]() Click to Enlarge 図6:フリップミラーを起こすと(左)、ビームをインターセプトして光を干渉計の方向に向けます。 フリップミラーを倒すと(右)、ビームを下流の光学系の方向に向けることができます。 図4はSA210シリーズFP干渉計を自由空間ビームの光学系に組み込むためのセットアップです。図5はSA200シリーズを使用する場合の同様なセットアップです。フリップマウントと干渉計用キネマティックマウントを使用して、簡単に組み込むことができます。フリップミラーの利点は、光学素子や装置を移動させることなく、必要に応じて、光源のスペクトルを測定できる機能を持たせたまま、通常の光学動作が可能になることです。通常動作の間は、ビームの光路を妨げないようミラーを倒し、ビームの伝播を邪魔しないようにできます。必要な時には、ミラーを起こしてビームを遮断し、干渉計のほうに導くことができます(図6)。図4のシステムではミラーを1枚使用しています。そのフリップミラーでビームをインターセプトし、ビームを集光レンズとキネマティックマウントに取り付けられた干渉計の方向に向けています。スペースと必要部品が最小限に抑えられており、セットアップがコンパクトで便利です。 SA210シリーズFP干渉計はキネマティックマウントKC1/Mに取り付けられます(KS1も同様にお使いいただけます)。一方、SA200シリーズFP干渉計はキネマティックマウントKC2/Mに取り付けられます(KS2も同様にお使いいただけます)。図4と図5ではマウント付きレンズをレンズマウントLMR1(/M)に取り付けていますが、マウント無しレンズもマウントに取り付けられます。使用する光学素子(ミラーおよびレンズ)はシステムの波長によって決まります。 アライメント手順 ビームを90°の角度で反射するようにフリップミラーアセンブリを配置し、M6ネジでテーブルに固定します。まず、ビームが開口の中心に入るように干渉計を取り付けて下さい。アライメントのガイドとしてアイリスをお使いいただくことも可能です。干渉計の中心線の高さがビームの高さにうまく合っている場合、最初の配置でも概ね上手く機能するので、次に示す共振器長走査により信号が見えるはずです。その後、フリップミラーのキネマティックマウントと、干渉計のキネマティックマウントを調整してビームを適切なアライメントに誘導します。 ファブリペロー干渉計の制御ボックス(コントローラ)の電源を入れて共振器長の走査を開始します(ピークが1つ以上表示されるように振幅は10 V以上に設定)。走査する理由は、共振器長が入射ビームの波長に共鳴した時にしか光が透過しないためです。ディテクタの出力とトリガ(またはランピング信号)をオシロスコープに接続します。この時点で信号が検出されない場合、共振器を大まかに位置合わせするためにファブリペロー共振器の後ろからディテクタを取り除かなければならない可能性があります。干渉計の後ろに配置されたアイリスをアライメントのガイドとしてお使いいただくこともできます。しかし、光学素子を最初に配置する際に十分な注意を払っていただけるのであれば、このようなことは必要ないはずです。干渉計を保持しているキネマティックマウントとフリップミラーを用いて、FP共振器が正しくアライメントされるまでビームの高さと方向を調整します。 ビームウエストがFP共振器の中央(FPの筐体に溝で示されています。図1および2参照)に来るように、光路中の適切な位置にレンズ(上表に従ってください)を設置します。レンズの高さと位置は、入射開口の中心にビームが入射するように調整してください。ミラーと干渉計のマウントを調整して、信号が適切なレベルに戻るよう調整します。 SA30シリーズ特有の追加のアライメント手順 SA201シリーズの制御ボックスの出力スペクトルが内蔵フィルタの影響を受けないようご注意ください。すべての利得設定において時間ベースのFWHMモード幅の最小値は4 µsです。この値に近づいてきた場合、SA201でより低い増幅レベルに変更するか、PZT設定(振幅、立ち上がり時間、または掃引拡張)を変更し、掃引速度を下げます。 ![]() この図ではまだ高次の横モードが現れています。このセットアップでは適切なアライメントを実現するために更なる調整が必要です。 ![]() この図では高次モードは抑制されています。このセットアップは適切にアライメントされています。 参考文献
接続こちらでは、ファブリペロー干渉計、制御ボックスSA201、およびオシロスコープの接続について説明します。SA201はファブリペロー共振器の共振器長を制御するピエゾトランデューサにランプ信号を送ります。オシロスコープは、走査型ファブリペロー干渉計とコントローラからの出力を観測するために使用します。 ![]() Click to Enlarge SA200ならびにSA30シリーズファブリペロー干渉計の推奨セットアップ(右図のSA200-30Cを除く) ![]() Click to Enlarge ファブリペロー干渉計SA200-30Cの推奨セットアップ
SA30、SA200、SA210シリーズ走査型ファブリペロー干渉計ピエゾ入力端子(ランプ信号入力) -BNCオス型最大入力電圧150 Vフォトダイオード出力端子 - SMAメス型
走査型ファブリペロー干渉計用制御ボックスSA201トリガ出力端子‐BNCメス型このトリガ出力信号はオシロスコープの外部トリガとして使えます。この出力信号は50 Ω終端のケーブルやオシロスコープのような高インピーダンス負荷の機器に接続できます。トリガ信号としては、スキャンの開始時とスキャン(ランプ信号)の中間点でエッジ信号が出力されます。 出力端子‐BNCメス型このBNC出力端子はSA200の走査ピエゾ駆動用で、出力範囲は1~45 Vです。負荷0.6 μFのピエゾに対して、出力電圧の全範囲を1 msのランプレートで駆動できます。出力回路を損傷しないように、出力電流は内部で制限されています。 PD増幅器入力用BNC端子このBNC入力端子は、SA200シリーズに付属しているフォトディテクタと増幅回路とのインターフェイスとして使用します。このフォトダイオード用の増幅器は、当社のフォトディテクタと組み合わせて使用するように設計されていますが、お客様のお手持ちのフォトディテクタにお使いいただくこともできます。その場合は、必ずBNCの中心コンタクトをフォトダイオードのカソードに、BNCシェルをフォトダイオードのアノードに接続してください(バイアス無し)。バイアスディテクタを使用するときには、必ずBNCシェルはバイアス電源の接地側に接続し、回路を正常に動作させるためにバイアス電圧はマイナスにしてください。 PD増幅器出力端子‐BNCこのBNC端子は増幅器の出力端子で、オシロスコープに直接接続して共振器のスペクトルをモニタできます。増幅器の利得は前面パネルのDETECTOR制御ノブで設定できます。増幅器の出力回路には50 Ωの直列抵抗が付いており、50 Ωの同軸ケーブルを使用するとノイズが最小になります。最適な測定を行うために、オシロスコープの入力に50 Ω負荷抵抗を付けることを推奨しています。なお、50 Ω負荷抵抗を付けた場合、増幅器の利得は半分になります。 オシロスコープの時間スケールの校正![]() ファブリペロー干渉計を透過した光は、「接続」タブの手順を踏むことでオシロスコープ画面に表示させることができます。測定結果が光周波数で決定されるため、レーザまたは共振器のモード幅の定量的測定を行う前に、オシロスコープの時間スケールを校正する必要があります。 図1と図2では1.5 GHz干渉計SA200-12Bを使用して時間スケールを手動で校正するプロセスが示されています。図1では干渉計のフリースペクトルレンジ(FSR)全体を、1.5 GHzで離れている2つのピークとともに示しています。また、黄色の直線はランプ電圧を示しています。ピーク間の時間を測定することで(ここでは3.2 ms)、正確な校正値が算出できます。この例では、468.8 MHz/msとなります。時間スケールの校正値が分かったら、片方のピークを拡大してFWHMを測定することができます(図2参照)。この例で測定されたFWHMは10 µs(0.010 ms)で、線幅は4.7 MHzとなります。 より高度なオシロスコープの一部では、線幅と周期分析は自動で行われます。このようなオシロスコープでは一般的に、図3のように情報はスクリーン上に表示されます(この場合は、1番下に表示されています)。 FSRもしくは線幅を波長の単位で表すと良い場合があります。下記の式により変換します。 ![]() このときδλは空間上のFSRまたは線幅、δνは周波数内のFSRまたは線幅、λはレーザ波長、cは光の速度です。例えば、図2での1550 nmレーザの1.5 GHzのFSRが分かります。このFSRを波長へ変換すると0.0121 nmとなります。同様に、図3の線幅5.1 MHzからは線幅0.000038 nmが得られます。 なお、当社では工場でフィネスの校正を行っており、校正証明書が各ユニットに添付されています。 ![]() 図2:このグラフはレーザの実際の信号状態を拡大したもので、レーザ線幅と共振器のフィネスの畳み込みの結果です。ここではオシロスコープの時間基準が図1の状態から校正されて468.8 MHz/msになっています。したがって、この干渉計のFWHMは、0.010 ms x 468.8 MHz/ms=4.7 MHzとなります。 ![]() 図3:こちらは、パルス幅と間隔を自動解析したスコープ上のFSRのグラフです。黄色の線はランプ電圧を示し、青い線はFSRを示しています。 走査型ファブリぺロ干渉計ファブリぺロー干渉計は、高分解能分光用の光共振器です。透過スペクトルの微細な特徴を高精度で検出および分解できるため、狭い線幅で狭い間隔のスペクトルピークを有するレーザ共振器の共振モードを決定するために使用されます。 空間モード構造![]() Click to Enlarge 図1:低次TEMモードの空間モード構造。図は「Further Development of NICE-OHMs」2から再現しています。 ファブリペロー干渉計の最も一般的な構成は、高反射ながら一部を透過する2枚の球面ミラーを向かい合わせた共振器です。このタイプの共振器は以下の一連のパラメータによって特徴づけられます。
入射側のミラーを通過して共振器に入った光波は、ミラーの反射によって2つのミラー間を何度も往復します。この間、光波には強め合う干渉と弱め合う干渉が生じます。強めあう干渉は光波を増強し、共振器内の電界を大きくします。これは、定在波が共振器ミラー間に形成される場合に起こり、その時、共振器の長さLは波長の半分の整数倍qλ/ 2 に等しくなっています。この基準を満たしていない波長は共振されず、干渉を受けて弱まっていきます。 近軸波動方程式の一般的なガウシアンビームの解を仮定することにより、下記の周波数νqmnのみが共振器内に存在できることを示すことができます1。 ここで、q、m、nはモード数で、0以上の整数となります。cは光の速さです。共振器のgパラメータg1,2は下記の式で求められます。 ここで凹面ミラーに対してはR1,2>0、凸面ミラーに対してはR1,2<0となります。これらの周波数は、m,n次のTEMモードまたはエルミート・ガウシアンモードと呼ばれ、通常TEMm,nで表されます。モード数mおよびnは横モードに関連付けられ、光軸に垂直な強度パターンを表しますが、qは縦モードに対応します。m=n=0の TEM00モードは、基本TEMモードまたは縦モードと呼ばれ、m,n>0のTEMモードは、高次TEMモードと呼ばれます。図1では、さまざまなモードにおける空間強度パターンを示しています。インデックスmおよびnは、それぞれ垂直方向および水平方向のノード数に対応します。近赤外領域の光の場合、パラメータqは106のオーダーとなります。共振器のgパラメータはいわゆる安定性基準によく使われます。共振器は、そのgパラメータが0 ≤ g1g2≤ 1の条件を満たしているとき共振器は安定していると言われます。1 ファブリペロー干渉計の透過スペクトル![]() Click to Enlarge 図 2: ミラーの反射率が99.7%、80%、4%ファブリペロー干渉計のモードスペクトルはそれぞれ青、赤、緑の曲線で示されています。反射率99.7%は、1.5 GHzのFSR(フリースペクトルレンジ)を有するSA200シリーズを使用した時の値です。反射率4%は、平行する2枚のガラス面の間の反射から発生した典型的な「フリンジ効果」を示します。 光が基本TEM00モードに一致する空間モードの場合(つまり、ガウシアンビームの波面がミラー表面と完全に一致し、入射ビームが共振器の光軸にアライメントされている場合)、高次モード(m,n>0)は発生しません。共振器の透過スペクトルは、パラメータqの値によって互いに異なるTEM00モードのみで構成されています。2つの連続したTEM00のνq00およびνq+1 00は共振器のFSR(フリースペクトルレンジ)と呼ばれ、下記の式で表されます。 この式は、2つのミラーで構成されるすべての線形共振器に適用されます。モードqから離調した周波数Δq = ν-νqに対する共振器の伝送強度Itは有名なエアリの公式3で求めることができます。 ここでI0は機器に入射する光の強度です。それ以外の値は上記と同様です。右の図2は、ファブリペロー干渉計の典型的な透過スペクトルを示しています。上の式をもとに、オンレゾナンスでの透過Tcresは下記の式で表されます。 これにより、オンレゾナンスでの透過はミラーの透過率だけでなく、反射率と損失係数にも依存することが明らかになります。すべてのミラーの係数はt1,2 + r1,2 + l1,2 = 1 の数式によってお互いに関連づいています。r1,2のセットに対して最大の透過率を得るために、吸収損失は可能な限り低く保たれています。 式(1)、(2)から、高次横モードの位置はミラーの間隔Lおよびミラーの曲率半径R1,2に大きく依存することがわかります。2枚のミラーの半径が等しい場合(R1 = R2 = R)や、ミラー間の距離がミラーの径と等しい場合(L= R)は特殊なケースとなり、共振器は共焦点共振器と呼ばれます。図3は、光軸との距離がHで光軸と平行に共振器に入射するビームの典型的な光線追跡を示しています。 当社のすべてのファブリペロー干渉計はこのような共焦点干渉計の設計がベースになっています。この構成では、上の式(1) を次のように簡略化できます。 この式から2つの重要な結論を導き出すことができます。まず、すべてのモードは縮退しています。つまり、基本TEM00モードと同じ周波数を共有する高次のTEMモードが存在します(例えば、TEMq' 00、 TEMq'-1 02、TEMq'-1 11、TEMq'-1 20、TEMq'-2 40、TEMq'-2 31、TEMq'-2 22…はすべて同じ周波数を共有しています)。次に、スペクトルは規則的な等距離モードの構造を示し、2つの連続するモード間の間隔はc/4Lで表されます。空間モードマッチングのために特別な注意が払われなければ、高次モードの圧縮はほとんど起きません。その結果、2つの連続した基本モード(TEMq00とTEMq+1 00)の間にいくつかの高次モードが存在し、モード間の間隔が等しいことにより、FSRがc/4Lと等しく見えます。高次モードの存在を説明するために、当社のファブリペロー干渉計のFSRに指定されたすべての値は、いわゆる共焦点フリースペクトルレンジνFSR,conf = c/4Lを参照しています。図3の矢印はνFSRとνFSR,confの違いを強調しています。 共振器の光軸に沿った注意深いアライメントと、入射光のほぼ完全な空間モードマッチングにより、スペクトル内のほかのすべてのモードを消すことができます。下の図4は、ほぼ完全なモードマッチングの構成を示しています。高次モードもまだ存在していますが、基本モードよりも小さくなっています。アライメントをさらに調整すると、最終的にはスペクトル内にあるほかのすべてのモードが識別されます。 ![]() Click to Enlarge 図3:共焦点ファブリペロー共振器の概略図。径R1 = R2(茶色の矢印)のミラーは、ミラーの半径に等しい距離Lだけ離れています。緑の実線は高さHで共振器に入る軸外入射ビームの光線追跡です。黄緑色の点線は2枚目のミラーを透過したビームを示しています。1枚目のミラーを透過した光は図に表示されていません。 ![]() Click to Enlarge 図4:ほぼ完全な空間モードマッチングを有する共焦点共振器のスペクトル。基本モードのみが励起されると、ほかのモードはすべて消滅します。TEMqmnのラベルは、特定の周波数に含まれる1つのモードのみを示します。すべてのモードは縮退しており、本文で説明されているように、同じ周波数を共有する他のモードがあります。 フィネスとモード幅(分解能)ファブリペロー干渉計の性能は、ミラーの反射率に大きく依存しますa。低反射ミラーは、より広い透過ピークを生成しますが、高反射ミラーは、より狭い透過ピークを生成します。ミラーの反射率は、干渉計が透過スペクトルの特性を識別するため性能に大きな影響を与えます。ファブリペロー干渉計において、FSR(フリースペクトルレンジ)以上に重要な2つの値はフィネスとモード幅です。同一の反射係数rを有するミラーのフィネスFは、下記の式で求めることができます。 共焦点干渉計の場合、フィネスを次のように表わすと便利な場合があります。 フィネスが高い干渉計は、フィネスが低い干渉計よりも狭い透過ピークを生成します。つまり、フィネスが高くなると干渉計の解像度が向上し、近接した透過ピークをより簡単に識別できるようになります。レイリ基準(図5参照)によると、ピークが各ピークの半値全幅(FWHM)で分離されている場合(ΓFWHMで示します)、2つの同一のローレンツ曲線を識別可能です。FWHMモード幅は分解能とも呼ばれ、下記の式で共焦点共振器のフィネスとFSRに関連していることが示されます。 これは、識別される2つのピーク間の最小許容間隔の基準値です。例えば、FSRが1.5 GHz、フィネスが250の干渉計のFWHMは6 MHzであるため、ピーク値が少なくとも6 MHz離れていれば、透過スペクトルの特性を識別することができます。可視光の場合、これはおよそ10 fm(10-14 m)の波長分解能に相当します。 当社では1550 nmで反射率99.9969%の結晶コーティングミラーをご用意しています。これは反射係数0.999984またはフィネス196,348に相当します。これらの結晶コーティングミラーを使用した干渉計では約7.6 kHzの分解能が得られることになり、これは上で例示した同じ1.5 GHzのFSRを有する干渉計よりも4桁ほど鋭い信号が得られることになります。 フィネスに関する追加考察測定して得られたフィネスには、ミラー反射率フィネス(上記ではシンプルにFで表されています)、ミラーの表面品質フィネス(FQ)、ミラーの照明条件(ビームアライメントと直径)依存フィネス(Fi)といういくつかの寄与因子があります。システム全体のフィネス(Ft)は次の式4で求められます。 多くの場合、反射フィネス(式8)が実効的なフィネスとして使用されますが、これは他の要因が無視できる場合に限ります。当社の干渉計は、適切な照明で操作する場合、反射フィネスが支配的になります。b 数式(10)の第2項にはFQが含まれていますが、これはミラーの表面の凹凸を表わす数値で、スペクトルの左右対称の幅の広がりを意味します。このような凹凸があると、ビーム位置により光路長がばらつき、ピーク形状が不明瞭となります。共振器ミラー基板の製造工程では、共振器に関して当社が指定している総フィネスの仕様値と比較してFQの影響が無視できるほど小さくなるよう工夫がされています。つまり、基板の表面形状がフィネスの制限要因になることはありません。 ビーム径が拡大するにつれ、また入射ビームの光軸からのオフセットが大きくなるにつれ、数式(10)の最終項の照明フィネスFiが干渉計の分解能を悪化させます。フィネスが Fiの項に制限される時、測定ピークは非対称となります。この非対称は、軸上の光線と軸外の光線の光路長の差に起因し、ミラー間隔が異なるため、最大透過基準を満たさなくなるという結果をもたらします。 Fiによる光路長変動の影響を定量化するために、理想的な単色入射、単位振幅を有する波長のデルタ関数、光軸と同軸にファブリペロー型共振器への入力、光線半径がaである光を想定します。光が干渉計にH = +eの位置で入射したときに、eがゼロではないが無限小の場合、透過スペクトルからの差分は最小限になります。一方で、H = +a の位置で光が共振器に入る時、透過出力スペクトルはシフトします。これは共振器の光路長が概算でa4/R3短くなるからです。入射光線の強度が均一だとすると、透過スペクトルは光路長のシフトの影響で、強度が均一かつ広がって見えます。結果として、入射波長のデルタ関数によって、FWHMが H4/R3の出力ピークが生成されます(Ref. 6参照)。 ![]() Click to Enlarge 図6:式(12)を使用して、ファブリペロー干渉計SA200およびSA210におけるビーム径2Hと総フィネスFtの関係を示したグラフ。フィネスは633 nmの波長λで計算しています。 Fiのみが総フィネスに大きく影響すると仮定すると、上記の理想的な入射光線の場合には、Fiを計算するために数式(9)を用いることができます。FSRの代わりにλ/4、そしてFWHMの代わりに(H4/R3)を代入すると下記の数式が求められます。 1つの縦モードから次のモードに変化するために、共振器がλ/4拡大することを考えれば、FSRにλ/4を代入する理由がわかります。実際のスペクトル分布を持つ入射光線の場合は、このようなシフトが連続的に起きていると考えられます。なお、シフトは常に一方向である点にご注意ください。このためにビーム径が大きすぎたり、アライメントが悪い場合には、非対称であったり、広がったスペクトルが観察されます。 高反射ミラーを使用した場合の総フィネス(r ≈ 1)は式(10)を用いて求められます。この式にはFおよびFiから受ける大きな影響も含まれています(注:FqがFtに与える影響はごくわずかであるとみなしています)。 式(12)によって、ファブリペロー干渉計の総フィネスに対するビーム径の影響が予測できるため(一般的に予測値は大きくなっています)、いくつかの仮定を行ってみました。まず、ビーム径とミラー径が等しいと仮定します。実際には、ビームの直径は通常、ミラーの直径よりも大幅に小さく、これにより球面収差が低減します5。次に、光が限りなく小さなウエストサイズに集光される場合を仮定します。単色光の場合でも、最小ウエストサイズは回折によって制限され、マルチモードの用途では、焦点でウエストサイズが非常に大きくなることがあります。図6は、キャビティ長がそれぞれ50 mmと7.5 mmのファブリペロー干渉計SA200およびSA210について、633 nmにおける式(12)のプロットを示しています。グラフの軌跡は、反射率フィネスがSA200では250、SA210では180であると想定して描かれていますが、この数値は干渉計に使用されるミラーの典型値です。 キャビティリングダウン時間とキャビティ内電力の蓄積光波は共振器内を何度も往復するため、光は一定時間内部に蓄積され、入射側または出射側のいずれかのミラーに当たる際に、そのエネルギのごく一部が漏れます。つまり、光波には共振器内での一定の寿命があります。この寿命はキャビティリングダウン時間またはキャビティ蓄積時間τcavと呼ばれ、下記の式で表されます。 この式からτcavが増加すると共振器のフィネスも増加することがわかります。つまり、フィネスおよびミラーの反射率が高くなるほど、光が増幅器内に蓄積される時間が長くなります。同様に、もう1つの重要な数量はいわゆる共振器内電力の蓄積で、共振器内強度Icの比および下記の入射強度によって定義されます。 入射強度は、インピーダンス整合共振器(つまり、オンレゾナンスでの反射を消滅させる)ではF/πで求められます。これは下記の式によって内部共振器と関連付けられます。 共振器内に保存されるパワーがフィネスとともに増加するという事実は、高い入射パワーを持つビームをファブリペロー干渉計で評価する場合に留意する必要があります。 スペクトル解像力とエテンデュ干渉計のスペクトル解像力はスペクトル分解能を定量化する基準であり、レイリ基準の拡張です。スペクトル解像力SRは下記の数式で表します: ここでνは光の周波数、λは波長です。共焦点ファブリペロー干渉計では SRを下記の数式で求めることができます: ここで、Fは干渉計のフィネス、Rはミラーの曲率半径、λは波長です。しかしながら干渉計が走査モードであるときに、干渉計がこの最大プロファイルを達成するには、ディテクタの開口が限りなく小さくなる必要があります。開口が大きくなるにつれて、スペクトル分解能は低下します。スペクトル分解能と干渉計のエテンデュとのバランスの最適化が求められます。エテンデュ(U)は、干渉計の集光力を表す数値です。光源がレーザである場合、エテンデュによって干渉計とレーザ光線のアライメントのトレランスがわかります。エテンデュとは、許容される最大の立体角(Ω)と許容される最大開口の面積(A)との積で定義されます。共焦点システムにおいてエテンデュは下記の数式で求められます: ここで、Fは干渉計のフィネス、λは波長、Lはミラー間の間隔です。干渉計を適切に使用するには、分解能とエテンデュのバランスを保つ必要があります。適切な数値でバランスを保つには、スペクトル分解能が70% (0.7*SR) となるまでミラーの開口を増大させます(Ref. 4)。この条件では「理想の」エテンデュはπ2λR/Fとなり、この時のRはミラー半径となります。 参考文献
脚注
当社の走査型ファブリぺロー干渉計は幅広い用途にお使いいただくことができます。そのうちの3つの使用例について以下でご紹介いたします。線幅の測定例は、シングルモードのスペクトルを放射するレーザ、または非重複モードのマルチモードレーザからの個別モードに有効です。 使用例1:走査によるレーザーモードの線幅の測定「校正」タブで説明されているように、レーザーモードの線幅の測定は、オシロスコープを使用して、時間軸の校正、モードの拡大、半値全幅(FWHM)の測定をすることで実施できます。ただし、この測定を行う際に考慮すべき型が3つあります。それらは、下表のように、レーザ線幅ΓFWHMlaserとファブリペロー共振器モード幅ΓFWHMの比によって規定されます。
使用例2:サイドオブモードロックによるレーザーモード線幅の決定レーザ線幅の推定値は、ファブリペロー共振器モードの傾きを把握し、レーザーモードと共振器モードが互いにオフセットしているときに発生する強度変動を測定することで決定できます。この手法を用いる場合、レーザ線幅がファブリペロー共振器のモード幅よりも大幅に小さい必要があります。例えば、通常の方法では、レーザ線幅が500 kHzの時、分解能が7.5 MHzのSA200を使用して線幅を決定することはできません。こちらのセクションで説明する測定方法は、ピュアDC出力を行わないコントローラSA201では実行できないことに注意ください。代わりに、一定かつ安定したDC出力が可能な低ノイズPZTドライバ(例えば シングルチャンネルの開ループピエゾコントローラMDT694B)を使用する必要があります。 下の図は、この手法で使用される強度ノイズを示しています。図1では、レーザ(赤)がファブリペロー共振器モード(グレー)の中心にくるようにチューニングされています。レーザには、FWHMによって定義される周波数ノイズΔνがもともと存在し、これにより、干渉計を透過する光の強度が変動します。レーザのFWHMからファブリペロー共振器モードのプロファイルまでの黒い点線は、周波数の変動(青い矢印)が強度に僅かなノイズ(赤い矢印)をもたらすことを示しています。図2に示すように、同量の周波数ノイズΔνに対して、共振器モードの中心からずれてチューニングされたレーザは、より大きな強度ノイズΔVを生成します。 ![]() Click to Enlarge 図1:周波数-ノイズ間の振幅変換。レーザが共振器モードの中心にチューニングされている時、周波数ノイズΔν (青い矢印)は、少量の強度ノイズΔV (赤い矢印)を生成します。ファブリペロー共振器に記載されているグレーのピークは共振器モード、赤いピークはレーザモードをそれぞれ示しています。 ![]() Click to Enlarge 図2:周波数-ノイズ間の振幅変換。レーザが共振器モードの中心からずれてチューニングされている時、図1と同じ周波数ノイズΔν (青い矢印)は、より大きな強度ノイズΔV (赤い矢印)を生成します。グレーのピークはファブリペロー共振器モード、赤いピークはレーザーモードをそれぞれ示しています。 レーザはファブリペロー共振器モードの中心からずれてチューニングされているため、電圧変動を共振器モードの勾配に関連付けることで線幅を推定することができます。図3はこの関係を視覚的に示しています。緑の線は、この計算によって等しいと想定される2つの勾配を示しています。ファブリペロー共振器モードではローレンツ曲線がみられます1。 ![]() Click to Enlarge 図3:ローレンツファブリーペロー共振器モードプロファイルの勾配と強度ノイズの関係。グレー、赤、緑の線はそれぞれ共振器モード、レーザーモード、勾配を示します。青い矢印は周波数ノイズ ΓFWHMlaser(図2のΔν )、赤い矢印は強度ノイズΔVを示します。 ここで、ΓLはモードの半値全幅(FWHM)、Δνはν-νqです。このスペクトルに1次導関数を用いると、HWHMポイント(図3のポイント)での共振器モードの勾配γ’q,Lは下記のようになります。 ファブリペロー共振器のΓL は、 ΓFWHM/2によって計算できます。これについては「チュートリアル」タブの式(8)をご参照ください。また、当社のすべてのファブリペロー干渉計の仕様にも記載されています。レーザの線幅(FWHM)ΓFWHM laserは、下記の式で求められます。 ここで、ΔVはオシロスコープの読み取り値から決定できる強度の変化、γ'q,L(-ΓL)はHWHMポイントにおける共振器モードの勾配、係数Cは、測定値に存在するノイズタイプのピーク-ピーク値とRMS(二乗平均の平方根)の関係の推定値を表します。ホワイトノイズの場合、係数Cはsqrt(2)であることがわかります。係数Cによりレーザの線幅が過大評価されるため、計算された線幅が実際の物理値よりも小さくなることはありません。 使用例3:モードスペクトルの測定この走査型ファブリペロー干渉計は、高解像度のスペクトルアナライザとして、レーザの性能をモニタする用途にご使用いただけます。製造現場では、製造中に使用して、サイドモードが十分に抑制されているか、または望ましい変調度が得られるかを確認することができます。また、教育現場でもご使用いただけます。具体的には、HeNeレーザのウォーミングアップ中にHeNe共振器モードを観察したり、フリースペクトルレンジ(FSR)やHeNe内の共振器の実効長などの特性を決定したりすることができます。 レーザーのモードスペクトルよりもFSRが大きい干渉計を選択することの重要性を示すために、下の図4および図5では、ランダム偏光レーザHNL100RBによるHeNeスペクトルのシミュレーション結果と、干渉計SA210-5BおよびSA200-5Bによる検出結果の違いをを示しています。約1.3 GHz幅の利得プロファイルを有するHeNeレーザのスペクトルの検出にはSA210-5Bがより適しています。そこでは、ファブリペロー共振器の10 GHz間隔で連続する2つのモードによってスペクトルが検知されています。レーザの各モードはグレーで表示され、図の赤い点線はレーザの利得プロファイルを示しています。赤い点線は利得プロファイルのエンベロープ部を強調するために含まれていますが、スコープには表示されないことにご注意ください。これに対し、1.5 GHzのフリースペクトルレンジを有するSA200-5Bで見ると、レーザのプロファイルは重なります。利得プロファイルを示す線はオシロスコープ上に表示されないため、個々のレーザースペクトルを隣接するスペクトルから区別することは困難です。これは利得プロファイルが走査型ファブリペロー干渉計のフリースペクトルレンジと同程度であるためです。図4の黒い点線は、有効なゲインの閾値を示しています。この閾値を超えるモードのみが発振し、スペクトルに表示されることにご注意ください。レーザがウォームアップすると、HeNe共振器が熱膨張により膨張し、共振器の共振周波数が変化します。その結果、利得プロファイルより低次のモードは移動し、中心に向うほど強くなり、閾値を下回ると消滅します。 ![]() Click to Enlarge 図4:約1.3 GHzの利得プロファイルでHeNeレーザのモードスペクトルを検出するSA210-5Bの2つの連続モードを示すシミュレーション。利得プロファイルよりも大幅に大きい10 GHzのFSRでは、レーザースペクトルは重なりません。赤い点線、グレーの実線および黒い点線は、それぞれ利得プロファイル、縦モードおよび利得閾値を示しています。 ![]() Click to Enlarge 図5:約1.3 GHzの利得プロファイルでHeNeレーザのモードスペクトルを検出するSA200-5Bの2つの連続モードを示すシミュレーション。1.5 GHzのFSRでは、観測されたレーザースペクトルが互いに重なり、情報を抽出することが困難になります。赤い点線、グレーの実線および黒い点線は、それぞれ利得プロファイル、縦モードおよび利得閾値を示しています。 参考文献
![]() ![]() Click to Enlarge SA30シリーズ干渉計のミラーの反射特性
SA30シリーズのファブリペロー干渉計のフリースペクトルレンジは1.5 GHzです。フィネスは最小で1500、分解能は1 MHz未満です。コーティングの波長範囲は6種類ご用意しております。下表をご覧ください。これらのコーティングの波長特性の詳細は「グラフ」タブをご参照ください。 UV~中赤外域(200 nm~4700 nm)におけるカスタム仕様のミラーコーティングも、ご要望に応じて承ります。下表に必要とするコーティングが無い場合には、当社までお問い合わせください。
![]() ![]() Click to Enlarge SA200シリーズ干渉計のミラーの反射特性
SA200シリーズのファブリペロー干渉計のフリースペクトルレンジは1.5 GHzです。フィネスは最小で200、分解能は7.5 GHzです。 290~4400 nmの波長域で光学コーティングを7種類ご用意しております。これにはデュアル波長コーティングの製品(SA200-2B)が含まれます。下の表と右のグラフをご参照ください。詳細は「グラフ」タブをご覧ください。UV~中赤外域(200 nm~4700 nm)におけるカスタム仕様のミラーコーティングも、ご要望に応じて承ります。下表に必要とするコーティングが無い場合には、当社までお問い合わせください。 SA200-18Cに付属するフォトダイオードディテクタは1.8~2.6 µmの波長に感度があります。この製品のミラーの反射率は2.6~2.8 µmにおいても99.0%を超えるため、ほかのディテクタと交換すればより広い波長範囲で使用可能です。その目的に適したものとして、当社ではPDA10PT-ECのご使用をお勧めしています。ファブリペロー干渉計にはレンズチューブ用カプラSM1T2を用いて取り付けることができます。 SA200-30Cは3.0~4.4 µm用にコーティングされており、ディテクタは付属しておりません。当社では2.7~5.0 µmの波長域に感度のあるHgCdTe増幅フォトディテクタPDAVJ5のご使用をお勧めしています。PDAVJ5はSM1外ネジ付き、SA200-30CはSM1内ネジ付きのため、追加のネジアダプタ無しで直接取り付けることができます。 なおPDAVJ5にはトランスインピーダンスアンプが内蔵されているため、干渉計をご使用になるときに、ディテクタの出力をコントローラSA201のトランスインピーダンスアンプに接続しないでください。また、SA200-30Bに入射する光パワーは、PDAVJ5内のダイオードを飽和させないために200 µW以下にしてください。
![]() ![]() Click to Enlarge SA210シリーズ干渉計のミラーの反射特性
SA210シリーズファブリペロー干渉計のフリースペクトルレンジは10 GHzです。フィネスは最小で150、分解能は67 MHzとなっています。350 nm~2600 nmの波長域で5種類の波長範囲用をご用意しています。下の表と右のグラフをご参照ください。詳細は、「グラフ」タブをご覧ください。UV~中赤外域(200 nm~4700 nm)におけるカスタム仕様のミラーコーティングも、ご要望に応じて承ります。下表に必要とするコーティングが無い場合には、当社までお問い合わせください。 注:SA210-18Cに付属するフォトダイオードディテクタは1.8~2.6 µmの波長に対応します。このデバイスのミラーの反射率は2.6~2.8 µmにおいても99.0%を超えるため、ほかのディテクタと交換するとより広い波長範囲で使用が可能となります。この場合、レンズチューブカプラSM1T2を使用してファブリペロー干渉計に取り付けが可能なディテクタPDA10PT-ECをお勧めいたします。
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SA201は、安定性に優れた低ノイズのランプ電圧を発生させて当社のファブリペロー干渉計を制御するように設計されています。このランプ信号は2つのキャビティーミラー間の走査のために使われます。 このコントローラはAC電源を100、115、230 Vからスイッチ選択可能であり、さらに、走査の範囲と速度を選択することができます。また、オフセット制御によって、オシロスコープ上に表示されるスペクトルを左右にシフトさせることが可能です。 出力トリガによって、ランプ波形の開始点または中点でオシロスコープに外部トリガを与えることができます。オシロスコープを中点からトリガすることができるので、表示したいスペクトルコンポーネントをスクリーン中央に置いて、オシロスコープの時間軸の拡大が簡単に行えます。信号を再び中央に置くため にオフセットを行なう必要はありません。オシロスコープは対象ポイントのあたりを拡大します。コントローラには、ランプ信号の長さにより1倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍と倍率が大変便利な目盛付ズームが付いています。TTLトリガ出力によって、ランプ波形の開始点または中点でオシロスコープを外部にトリガすることができます。 SA201には、キャビティの透過率をモニタするために使われる高精度の光検出器の増幅回路も付属します。アンプは、オシロスコープのような高インピーダンス負荷を駆動する際に、10 kV/A、100 kV/A、1000 kV/Aの調整可能なトランスインピーダンスゲインを提供します。 コントローラからの出力同期信号を使うことによって、オシロスコープは入射レーザのスペクトルを表示することができます。ディテクタ回路にはブランキング回路が組み込まれていて、鋸歯状波の立ち下がりの間、フォトダイオードの応答をブロックします。 尚、SA201には国内対応の電源ケーブルが付属しています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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