TECファイバーパッチケーブル


  • SM Patch Cables with Thermally-Expanded Core (TEC) on One End
  • Designed for Easier Coupling from Free Space
  • 980 - 1250 nm or 1460 - 1620 nm Wavelength Range
  • AR Coating on TEC End Reduces Coupling Loss

P1-1060TEC-2

TEC Fiber Patch Cable with FC/PC Connectors

P6-1550TEC-2

TEC Fiber Patch Cable with Ø2.5 mm Ferrule and Scissor-Cut Ends

TEC Fiber Cores are Thermally Expanded via Heating to Ease Coupling from Free Space

Related Items


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Item #
Prefix
TEC End
(AR Coated)
Uncoated
End
P1FC/PC (Black Boot)FC/PC
P5FC/PC (Black Boot)FC/APC
P6Ø2.5 mm Ferrule with Slotted FlangeScissor Cut
Stock Single Mode Patch Cables Selection Guide
Standard CablesFC/PC to FC/PC
FC/APC to FC/APC
Hybrid
AR-Coated Patch Cables
Thermally-Expanded-Core (TEC) Patch Cables
HR-Coated Patch Cables
Beamsplitter-Coated Patch Cables
MIR Fluoride Fiber Patch Cables
Custom Patch Cables
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自由空間光をファイバーパッチケーブル
P1-1550TEC-2に結合

特長

  • 熱によるコア拡大でモードフィールド径(MFD)が大きくなり、より簡単に光結合が可能
  • シングルモードファイバの光学特性を維持したまま自由空間光の結合が可能
  • 動作波長範囲:980~1250 nmまたは1460~1620 nm
  • TECファイバ端には結合損失を低減するARコーティング付き
  • 下記のパッチケーブルを標準品としてご用意しております。
    • 2.0 mmナローキー付き、FC/PC(TEC側)とFC/PCコネクタ
    • 2.0 mmナローキー付き、FC/PC(TEC側)とFC/APCコネクタ
    • Ø2.5 mmフェルール、スロット付きフランジ(TEC側)、反対側は終端処理なし(ハサミによる切断面)
  • カスタム仕様のパッチケーブルについては当社までお問い合わせください。

当社のTEC(Thermally-Expanded-Core;熱によるコア拡大)ファイバーパッチケーブルは、自由空間光を結合した際、位置ずれによる影響がシングルモードと比べて少ない製品です。当社のVytranファイバ加工技術を活用して、標準的なシングルモードファイバの片端に熱を加え、コアサイズを2.5 mm以上に拡大させることによって作られたファイバです。この特長により自由空間光の結合の用途では、ファイバのシングルモードと光学特性を維持しつつ拡大したコア端で、より大きいモードフィールド径のビームに対応可能となります(性能試験については「光結合の性能」のタブをご覧ください)。TECファイバはファイバーベースの光アイソレータ、波長可変フィルタ、可変光減衰器などに用いられます。 

TECファイバーパッチケーブルは様々な種類を標準品としてご用意しております。波長範囲は980~1250 nm、または1460~1620 nmの2種類がございます。TECファイバ端はARコーティング付きで、仕様の波長範囲における平均反射率は<0.5%です。このコーティングにより、自由空間光を結合する際の損失が低減されます。このファイバ端にはシュリンクラップラベルが付いており、主な仕様が記載されています。コネクタの種類としては2.0 mmナローキー付きFC/PC、FC/APCコネクタ、Ø2.5 mmフェルール、ならびに融着接続用に終端処理無し(ハサミによる切断面)があります。片端がØ2.5 mmフェルール、もう片端がハサミによる切断面のパッチケーブルはØ900 µmチューブ、FC/PCならびにFC/APCコネクタ付きパッチケーブルはØ3 mmチューブで被覆されています(ご提供可能なファイバ端の組み合わせについては右上の表をご覧ください)。

カスタム仕様のパッチケーブルもご提供可能です。 詳細については当社までお問い合わせください。

ARコーティング端は、自由空間光の結合などの用途に合わせて設計されており、コネクタの相互接続に使用して端面が接触すると損傷しますのでご注意ください。また、ARコーティング付きのため、高出力の用途ではTECファイバーパッチケーブルをご使用にならないでください。

コーティングを損傷させることなく、ARコーティング付きのコネクタ端面をクリーニングする方法はいくつかあります。コネクタの先端に静かに圧縮空気を吹きかける方法が適していますが、イソプロパノールやメタノールを浸したリントフリー布 もしくはファイバーコネクタークリーナ FCC-7020を用いて静かに拭く方法もあります。乾いた布等は、ARコーティングに損傷を与える可能性があるのでご使用にならないでください。

Custom Patch Cables
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結合性能の測定用セットアップの写真

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結合性能の測定用セットアップ図

結合性能

TECファイバは片端のコア径が拡大されているため、自由空間光をファイバに結合した際、標準的なシングルモードファイバに比べて位置ずれによる影響が少なくなっております。比較のために、自由空間光をTECパッチケーブルに結合した際の結合損失と、標準的なパッチケーブルに結合した際の結合損失について、X軸とZ軸のオフセットを変動させながら測定しました(右の図をご覧ください)。標準ファイバならびにTECファイバへの光結合には非球面レンズC151TMD-Cを使用しています。ファイバ1060XPを使用したケーブルとパッチケーブルP1-1060TEC-2は980 nmならびに1064 nmでテストしました。またはファイバ1550BHPを使用したケーブルとパッチケーブルP1-1550TEC-2は1550 nmでテストしています。入射ビームに応じたパッチケーブルの移動には3軸ステージMBT616Dを使用しました。 

下のグラフはテストしたパッチケーブルの結合性能を示しています。全般的にX軸またはZ軸のオフセット値が同じの場合、TECファイバーパッチケーブルの結合損失の方が標準的なファイバよりも低くなっております。X軸またはZ軸のオフセット値が0 µmの場合、標準的なファイバとTECパッチケーブルは同様の性能を示しています。要約すると、試験結果によりTECファイバは標準的なファイバに比べてファイバの位置オフセットによる影響が少なく、かつファイバが適切な位置にある場合でも結合損失が同レベルであることを示してます。なお、こちらの測定結果は典型値で、製造時の公差によりケーブルの性能にバラツキがある場合があります。


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標準ファイバ1060XPとTECファイバP1-1060TEC-2の結合性能の比較グラフ

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標準ファイバ1060XPとTECファイバP1-1060TEC-2の結合性能の比較グラフ

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標準ファイバ1550BHPとTECファイバP1-1550TEC-2の結合性能の比較グラフ
MFD Definition
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左の図は、ファイバを伝搬するビームの出力光強度のプロファイルを示しています。右の図は、標準的なビームの強度プロファイルで、図中にMFDおよびコア径を示しています。

モードフィールド径の定義

モードフィールド径(MFD)はシングルモードファイバを伝搬する ビームサイズの測定値です。 波長、コア半径、およびコアとクラッドの屈折率によって決まります。 光ファイバ内ではほとんどの光がファイバのコアに閉じ込められますが、クラッド内もわずかに伝搬します。 ガウス出力分布において、光出力が最大値に対し1/e2減少したところの直径がMFDとなります。

MFDの測定
MFD はファーフィールド可変開口法(VAMFF)によって測定します。 開口がファイバ出力のファーフィールドに配置され、その強度が測定されます。 ビームに小さな開口が連続配置して、各開口の強度を測定します。データは、光出力対開口の半角の正弦(またはSMファイバの開口数)としてプロットされます。

MFDは次に、特定の出力分布形状を想定しない数理モデルのペーターマンⅡの定義で決定されます。 ニアフィールドにおけるMFDは、ハンケル変換を用いてこのファーフィールド測定法から求められます。

レーザによる石英ファイバの損傷

このチュートリアルではコネクタ無し(素線)ファイバ、コネクタ付きファイバ、およびレーザ光源に接続するその他のファイバ部品に関連する損傷メカニズムを詳しく説明しています。そのメカニズムには、空気/ガラス界面(自由空間結合時、またはコネクタ使用時)ならびにファイバ内における損傷が含まれます。ファイバ素線、パッチケーブル、または溶融型カプラなどのファイバ部品の場合、損傷につながる複数の可能性(例:コネクタ、ファイバ端面、機器そのもの)があります。ファイバが対処できる最大パワーは、常にそれらの損傷メカニズムの中の最小の限界値以下に制限されます。

損傷閾値はスケーリング則や一般的なルールを用いて推定することはできますが、ファイバの損傷閾値の絶対値は利用方法やユーザ定義に大きく依存します。このガイドは、損傷リスクを最小に抑える安全なパワーレベルを推定するためにご利用いただくことができます。適切な準備と取扱い方法に関するガイドラインにすべて従えば、ファイバ部品は規定された最大パワーレベルで使うことができます。最大パワーの値が規定されていない場合は、部品を安全に使用するために下表の「実用的な安全レベル」の範囲に留めてご使用ください。 パワー処理能力を低下させ、ファイバ部品に損傷を与える可能性がある要因は、ファイバ結合時のミスアライメント、ファイバ端面の汚れ、あるいはファイバそのものの欠陥などですが、これらに限られるわけではありません。特定の用途におけるファイバのパワー処理能力に関するお問い合わせは当社までご連絡ください。

Power Handling Limitations Imposed by Optical Fiber
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損傷のないファイバ端
Power Handling Limitations Imposed by Optical Fiber
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損傷のあるファイバ端

空気/ガラス界面における損傷

空気/ガラス界面ではいくつかの損傷メカニズムが存在する可能性があります。自由空間結合の時、またはコネクタで2本のファイバを結合した時、光はこの界面に入射します。高強度の光は端面を損傷し、ファイバのパワー処理能力の低下や恒久的な損傷につながる場合があります。コネクタ付きのファイバで、コネクタがエポキシ接着剤でファイバに固定されている場合、高強度の光によって発生した熱により接着剤が焼けて、ファイバ端面に残留物が残る可能性があります。

Estimated Optical Power Densities on Air / Glass Interfacea
TypeTheoretical Damage ThresholdbPractical Safe Levelc
CW
(Average Power)
~1 MW/cm2~250 kW/cm2
10 ns Pulsed
(Peak Power)
~5 GW/cm2~1 GW/cm2
  • すべての値はコネクタ無し(素線)の石英ファイバに対する仕様で、クリーンな状態のファイバ端面への自由空間結合に適用されます。
  • 損傷リスク無しでファイバ端面に入射できる最大パワー密度の推定値です。これはシステムに大きく依存するため、ハイパワーで使用する前に光学系内のファイバ部品の性能ならびに信頼性の確認をお客様ご自身で実施していただく必要があります。
  • ほとんどの使用状態でファイバを損傷することなく端面に入射できる安全なパワー密度の推定値です。

ファイバ素線端面での損傷メカニズム

ファイバ端面での損傷メカニズムはバルクの光学素子の場合と同様なモデル化ができ、UV溶融石英(UVFS)基板の標準的な損傷閾値を石英ファイバに当てはめることができます。しかしバルクの光学素子とは異なり、光ファイバの空気/ガラス界面においてこの問題に関係する表面積やビーム径は非常に小さく、特にシングルモードファイバの場合はそれが顕著です。 パワー密度が与えられたとき、ファイバに入射するパワーは、小さいビーム径に対しては小さくする必要があります。

右の表では光パワー密度に対する2つの閾値が記載されています。理論的な損傷閾値と「実用的な安全レベル」です。一般に、理論的損傷閾値は、ファイバ端面の状態も結合状態も非常に良いという条件で、損傷のリスク無しにファイバの端面に入射できる最大パワー密度の推定値を表しています。「実用的な安全レベル」のパワー密度は、ファイバ損傷のリスクが極めて小さくなる値を示しています。ファイバまたはファイバ部品をこの実用的な安全レベルを超えて使用することは可能ですが、その時は取扱い上の注意事項を適切に守り、使用前にローパワーで性能をテストする必要があります。

シングルモードの実効面積の計算
シングルモードファイバの実効面積は、モードフィールド径(MFD)、すなわちファイバ内の光が伝搬する部分の断面積によって定義されます。この面積にはファイバのコアとクラッドの一部が含まれます。シングルモードファイバとの結合効率を良くするためには、入射ビーム径をファイバのモードフィールド径に合致させなければなりません。

例として、シングルモードファイバSM400を400 nmで使用した時のモードフィールド径(MFD)は約Ø3 µmで、SMF-28 Ultraを1550 nmで使用したときのモードフィールド径(MFD)はØ10.5 µmです。これらのファイバの実効面積は下記の通り計算します。

SM400 Fiber: Area = Pi x (MFD/2)2 = Pi x (1.5 µm)2 = 7.07 µm= 7.07 x 10-8 cm2

 SMF-28 Ultra Fiber: Area = Pi x (MFD/2)2 = Pi x (5.25 µm)2 = 86.6 µm= 8.66 x 10-7 cm2

ファイバ端面が対応できるパワーを推定するには、パワー密度に実効面積を乗じます。なおこの計算は均一な強度プロファイルを想定しています。しかしほとんどのレーザービームでは、シングルモード内でガウス分布を示すため、ビームの端よりも中央のパワー密度が高くなります。よって、これらの計算は損傷閾値または実用的安全レベルに対応するパワーとは若干異なることを考慮する必要があります。連続光源を想定して上記のパワー密度の推定値を使用すると、それぞれのパワーは下記のように求められます。

SM400 Fiber: 7.07 x 10-8 cm2 x 1 MW/cm2 = 7.1 x 10-8 MW = 71 mW (理論的損傷閾値)
     7.07 x 10-8 cm2 x 250 kW/cm2 = 1.8 x 10-5 kW = 18 mW (実用的な安全レベル)

SMF-28 Ultra Fiber: 8.66 x 10-7 cm2 x 1 MW/cm2 = 8.7 x 10-7 MW = 870 mW (理論的損傷閾値)
           8.66 x 10-7 cm2 x 250 kW/cm2 = 2.1 x 10-4 kW = 210 mW (実用的な安全レベル)

マルチモードの実効面積
マルチモードファイバの実効面積は、そのコア径によって定義されますが、一般にシングルモードファイバのMFDよりもはるかに大きくなります。当社では最適な結合を得るためにコア径のおよそ70~80%にビームを集光することをお勧めしています。マルチモードファイバでは実効面積が大きくなるほどファイバ端面でのパワー密度は下がるので、より大きな光パワー(通常キロワットオーダ)を入射しても損傷は生じません。

フェルール・コネクタ付きファイバに関する損傷メカニズム

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コネクタ付きシングルモード石英ファイバに入力可能なパワー処理限界値(概算)を示したグラフ。各線はそれぞれの損傷メカニズムに応じたパワーレベルの推定値を示しています。 入力可能な最大パワーは、損傷メカニズムごとに制限されるパワーのうちの一番小さな値(実線で表示)によって制限されます。

コネクタ付きファイバのパワー処理能力に関しては、ほかにも考慮すべき点があります。ファイバは通常、エポキシ接着剤でセラミック製またはスチール製のフェルールに取り付けられています。光がコネクタを通してファイバに結合されると、コアに入射せずにファイバを伝搬する光は散乱されてファイバの外層からフェルール内へ、さらにフェルール内でファイバを保持する接着剤へと伝搬します。光の強度が大きいとエポキシ接着剤が焼け、それが蒸発して残留物がコネクタ端面に付着します。これによりファイバ端面に局所的に光を吸収する部分ができ、それに伴って結合効率が減少して散乱が増加するため、さらなる損傷の原因となります。

エポキシ接着剤に関連する損傷は、いくつかの理由により波長に依存します。一般に、光の散乱は長波長よりも短波長で大きくなります。短波長用のMFDの小さなシングルモードファイバへの結合時には、ミスアライメントに伴ってより多くの散乱光が発生する可能性があります。

エポキシ樹脂が焼損するリスクを最小に抑えるために、ファイバ端面付近のファイバとフェルール間にエポキシ接着剤の無いエアギャップを有するファイバーコネクタを構築することができます。当社の高出力用マルチモードファイバーパッチケーブルでは、このような設計のコネクタを使用しております。

複数の損傷メカニズムがあるときのパワー処理限界値を求める方法

ファイバーケーブルまたはファイバ部品において複数の損傷要因がある場合(例:ファイバーパッチケーブル)、入力可能なパワーの最大値は必ずファイバ部品構成要素ごとの損傷閾値の中の一番小さな値により決まります。この値が一般的にはパッチケーブルの端面に入射可能な最大のパワーを表します(出力パワーではありません)。 

右のグラフは、シングルモードパッチケーブルにおけるファイバ端面での損傷とコネクタでの損傷に伴うパワー処理限界の推定値を例示しています。 ある波長におけるコネクタ付きファイバの総合的なパワー処理限界値は、その波長に対する2つの制限値の小さい方の値(実線)によって制限されます。488 nm付近で使用しているシングルモードファイバは主にファイバ端面の損傷(青い実線)によって制限されますが、1550 nmで使用しているファイバはコネクタの損傷(赤い実線)によって制限されます。

マルチモードファイバの実効面積はコア径で定義され、シングルモードファイバの実効面積より大きくなります。その結果、ファイバ端面のパワー密度が小さくなり、大きな光パワー(通常キロワットオーダ)を入射してもファイバに損傷は生じません(グラフには表示されていません)。しかし、フェルール・コネクタの損傷による限界値は変わらないため、マルチモードファイバが処理できる最大パワーはフェルールとコネクタによって制限されることになります。

上記の値は、取り扱いやアライメントが適切で、それらによる損傷が生じない場合のパワーレベルです。また、ファイバはここに記載されているパワーレベルを超えて使用されることもあります。しかし、そのような使い方をする場合は一般に専門的な知識が必要で、まずローパワーでテストして損傷のリスクを最小限に抑える必要があります。その場合においても、ハイパワーで使用するファイバ部品は消耗品と捉えた方が良いでしょう。

ファイバ内の損傷閾値

空気/ガラス界面で発生する損傷に加え、ファイバのパワー処理能力はファイバ内で発生する損傷メカニズムによっても制限されます。この制限はファイバ自体が本質的に有するもので、すべてのファイバ部品に適用されます。ファイバ内の損傷は、曲げ損失による損傷とフォトダークニングによる損傷の2つに分類されます。

曲げ損失
ファイバが鋭く曲げられると、コア内を伝搬する光がコア/クラッド界面において反射する際に、その反射角が全反射臨界角よりも大きくなります。曲げ損失は、このように内部全反射ができなくなることにより生じる損失です。このような状況下では、光はファイバから局所的に漏れだします。漏れる光のパワー密度は一般に大きく、ファイバのコーティングや補強チューブが焼損する可能性があります。

特殊ファイバに分類されるダブルクラッドファイバは、コアに加えてファイバのクラッド(2層目)も導波路として機能するため、曲げ損失による損傷のリスクが抑えられます。クラッドと被覆の界面の臨界角をコアとクラッドの界面の臨界角より大きくすることで、コアから漏れた光はクラッド内に緩く閉じ込められます。その後、光はセンチメートルからメートルオーダーの距離に渡って漏れ出しますが、局所的ではないため損傷リスクは最小に留められます。当社ではメガワットレベルの大きなパワーにも対応するNA 0.22のダブルクラッドマルチモードファイバを製造、販売しております。

フォトダークニング
もう1つのファイバ内の損傷メカニズムとして、特にコアにゲルマニウムが添加されたファイバをUVや短波長の可視光で使用した時に起こるフォトダークニングまたはソラリゼーションがあります。これらの波長で使用されたファイバは時間の経過とともに減衰量が増加します。 フォトダークニングが発生するメカニズムはほとんど分かっていませんが、その現象を緩和するファイバはいくつか開発されています。例えば、水酸イオン(OH)が非常に低いファイバはフォトダークニングに耐性があることが分かっています。またフッ化物などのほかの添加物もフォトダークニングを低減させる効果があります。

しかし、上記の対応をとったとしても、UV光や短波長に使用したファイバはいずれフォトダークニングが生じます。よってこれらの波長で使用するファイバは消耗品としてお考えください。

光ファイバの準備ならびに取扱い方法

一般的なクリーニングならびに操作ガイドライン
この一般的なクリーニングならびに操作ガイドラインはすべてのファイバ製品向けにお勧めしております。さらに付属資料やマニュアルに記載された個々の製品に特化したガイドラインも遵守してください。損傷閾値の計算は、すべてのクリーニングおよび取扱い手順に適切に従ったときにのみ適用することができます。

  1. (コネクタ付き、またはファイバ素線に関わらず)ファイバを設置または組み込む前に、すべての光源はOFFにしてください。これにより、損傷の可能性のあるコネクタまたはファイバの脆弱な部分に集光されたビームが入射しないようにすることができます。

  2. ファイバやコネクタ端面の品質がファイバのパワー処理能力に直結します。ファイバを光学系に接続する前に必ずファイバ端を点検してください。端面はきれいで、入射光の散乱を招く汚れや汚染物質があってはなりません。ファイバ素線は使用前にクリーブし、クリーブの状態が良好であることを確認するためにファイバ端面の点検をしてください。

  3. ファイバを光学系に融着接続する場合、ハイパワーで使用する前にまずローパワーで融着接続の状態が良いことを確認してください。融着接続の品質が良くないと接続面での散乱が増え、ファイバ損傷の原因となる場合があります。

  4. システムのアライメントや光結合の最適化などの作業はローパワーで行ってください。これによりファイバの(コア以外の)他の部分の露光が最小に抑えられます。ハイパワーのビームがクラッド、被覆またはコネクタに集光された場合、散乱光による損傷が発生する可能性があります。

ハイパワーでファイバを使用するための要点
光ファイバやファイバ部品は一般には安全なパワー限界値内で使用する必要がありますが、アライメントや端面のクリーニングがとても良い理想的な条件下では、ファイバ部品のパワー限界値を上げることができる場合があります。入力または出力パワーを増加させる前に、システム内のファイバ部品の性能と安定性を確認し、またすべての安全ならびに操作に関する指示に従わなければなりません。下記はファイバ内またはファイバ部品内の光パワーをの増大させること加を検討していするときに役立つご提案です。

  1. ファイバースプライサを使用してファイバ部品をシステムに融着接続すると、空気/ファイバ界面での損傷の可能性を最小化できます。品質の高い融着接続が実現されるよう、すべて適切なガイドラインに則って実施する必要があります。融着接続の状態が悪いと、散乱や融着接続面での局所的な加熱などが発生し、ファイバを損傷する可能性があります。

  2. ファイバまたはファイバ部品の接続後、ローパワーでシステムのテストやアライメントを実施してください。システムパワーを必要な出力パワーまで徐々に上昇させ、その間、定期的にすべての部品が適切にアライメントされ、結合効率が入力パワーによって変動していないことを確認します。

  3. ファイバを鋭く曲げると曲げ損失が発生し、ファイバのストレスを受けた部分から光が漏れる可能性があります。ハイパワーで使用している時は、大量の光が小さな局所領域(歪みのある領域)から流出すると局所的に加熱され、ファイバが損傷する可能性があります。使用中はファイバの曲げが生じないよう配慮し、曲げ損失を最小限に抑えてください。

  4. また、用途に適したファイバを選ぶことも損傷防止に役立ちます。例えば、ラージモードエリアファイバは、標準的なシングルモードファイバをハイパワー光用として用いる場合の良い代替品となります。優れたビーム品質を有しながらMFDも大きいため、空気/ファイバ界面でのパワー密度は小さくなります。

  5. ステップインデックスシングルモード石英ファイバは、一般にUV光やピークパワーの大きなパルス光には使用しませんが、これはその用途に伴う空間パワー密度が大きいためです。


Posted Comments:
Samuele Grandi  (posted 2023-08-21 16:00:36.73)
Would it be possible to have a custom option for light in the visible? Around 600nm
jdelia  (posted 2023-08-22 01:41:44.0)
Thank you for contacting Thorlabs. You can request customized items by emailing your local tech support team. I have contacted you directly to discuss the feasibility of this request.
Suk Hyun Kim  (posted 2023-03-06 11:46:19.403)
I would like ask questions on damage thresold. I want to use this product P1-1550TEC-2 for laser coupling into the fiber. The warning sign says, "Additionally, because of the AR coating, TEC fiber patch cables should not be used for high-power applications." Here is my question. What is the criteria of high-power? the Mode Field Diameter of the product P1-1550TEC-2 is 20um at the TEC side, giving cross section around 314 um2. The Theoretical Damage Threshold is 3.14 Watt. This is the range I want to use. It it OK to use laser beam with power 1~2 Watt, or is it prevented for AR coating?
jgreschler  (posted 2023-03-13 08:18:38.0)
Thank you for reaching out to Thorlabs. The 1-2W range for these patch cables is considered high power, it would not be suitable for applications at those power ranges. I have reached out to you directly to discuss possible alternatives which will work for your power range.
S. M.  (posted 2022-11-02 15:54:19.34)
What is the return loss of the TEC AR end facette as compared to an APC connector end facette?
user  (posted 2022-03-21 12:18:50.61)
Hello. I am interested in coupling light (532 nm) from a reflective collimator in to a single mode fiber. Once I achieve a good coupling efficiency, I would like to start working with broad band light of range 450 nm to 650 nm. But I am unable to achieve high coupling efficiency with 532 nm due to small mode field diameter of the fiber. I think these TEC fibers are promising. Do you think these fibers suits for my application and can be produced for 450 nm to 650 nm?. Thanks.
jgreschler  (posted 2022-03-22 11:13:29.0)
Thank you for reaching out to Thorlabs. In general, yes, the thermally expanded cores facilitate easier coupling, though many issues with single mode coupling can also be addressed with the method of coupling. I have reached out to you directly to discuss methods of improving coupling efficiency.
user  (posted 2020-07-25 12:30:40.797)
In a previous answer to a question in this section, you said that the measurements in the "Coupling Performance" section were made using the same C151TMD-C lens for both standard SMF and TEC fiber. However, according to your "Choosing a Lens for Fiber Coupling" guide, you need to choose your focal length depending on the MTF of the fiber, so you cannot use the same lens to compare the coupling performance. I am interested in comparing the coupling performance when using the correct lens for each fiber.
nbayconich  (posted 2020-07-27 01:51:22.0)
Thank you for contacting Thorlabs. Fiber coupling performance will depend on several factors such as the source wavelength, beam diameter and the selected lens’ focal length which determine the size of your focused spot. Ideally you will want to select a lens which will yield a focused spot similar in size to the fiber’s MFD to guarantee high coupling efficiency. The TEC end of these types of fiber cables initially has a much larger MFD than a standard fiber so it allows the user some error in their alignment hence the lower coupling loss vs. axis offset seen in the TEC fibers compared to the standard fibers. You can use the same lens for both the TEC P1-1060TEC-2 and a standard 1060XP fiber cable, to guarantee a high coupling efficiency make sure to select a lens which produces a focused spot similar in size to the “standard” MFD size of the selected fiber cable.
Alberto Carrasco  (posted 2019-08-28 14:34:29.83)
Do you have or can you make these fibers with polarization-maintaining behavior?
YLohia  (posted 2019-08-28 10:20:16.0)
Hello Alberto, thank you for contacting Thorlabs. I will reach out to you directly to discuss the possibility of offering this customization.
Alberto Carrasco  (posted 2019-08-28 14:29:27.85)
Can you say what specific lens you used in the coupling performance measurements? It' a very important parameter to understand those measurements. Thank you.
YLohia  (posted 2019-08-28 10:40:34.0)
Hello, a C151TMD-C aspheric lens was used to couple light into both standard and TEC fibers (see "Coupling Performance" tab for more information).
jeroen.missinne  (posted 2018-03-14 16:27:38.077)
Hello, I would be interested in a SMF-28 with a TEC on 1 end. However, I would need a MFD of 50um at the TEC side. Is it possible to provide this and if yes, at which price? The TEC end may be a ferrule, ideally AR coated for operation around 1550nm. The SMF-28 should have a FC/APC connector. Thanks for the info.
YLohia  (posted 2018-03-30 11:46:32.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. We will reach out to you directly to discuss the possibility of doing this.
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TECファイバーパッチケーブル、980 nm~1250 nm

Item #Fiber TypeOperating WavelengthMode Field DiameteraAR CoatingbMax AttenuationcNAdCladding/Coating DiameterConnectorsJacket
TECStandardTECStandard
P1-1060TEC-21060XP980 - 1250 nm12.4 ± 1.0 µm 6.2 ± 0.5 µm 850 - 1250 nm
Ravg < 0.5%
≤2.1 dB/km @ 980 nm
≤1.5 dB/km @ 1060 nm
0.07 0.14 125 ± 0.5 µm /
245 ± 10 µm
FC/PC (TEC) to FC/PCØ3 mm
FT030-Y
P5-1060TEC-2FC/PC (TEC) to FC/APC
P6-1060TEC-2Ø2.5 mm Ferrule (TEC) to Scissor CutØ900 µm
  • モードフィールド径は1060 nmでの典型値です。
  • このパッチケーブルは、TECファイバ端にのみARコーティングが施されています。
  • Max Attenuationは端部(コネクタ部やTEC部)以外の部分における損失値の仕様です。
  • コアが拡大するファイバ端ではMDFは大きくなるので、NAは若干小さくなります。TECファイバ端における値は計算値です。
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
P1-1060TEC-2 Support Documentation
P1-1060TEC-2TEC Fiber Patch Cable, 980 - 1250 nm, AR-Coated FC/PC (TEC) to FC/PC, 2 m Long
¥50,634
7-10 Days
P5-1060TEC-2 Support Documentation
P5-1060TEC-2TEC Fiber Patch Cable, 980 - 1250 nm, AR-Coated FC/PC (TEC) to FC/APC, 2 m Long
¥49,802
7-10 Days
P6-1060TEC-2 Support Documentation
P6-1060TEC-2TEC Fiber Patch Cable, 980 - 1250 nm, AR-Coated Ø2.5 mm Ferrule (TEC) to Scissor Cut, 2 m Long
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TECファイバーパッチケーブル、1460 nm~1620 nm

Item #Fiber TypeOperating WavelengthMode Field DiameteraAR CoatingbMax 
Attenuationc
NAdCladding/Coating DiameterConnectorsJacket
TECStandardTECStandard
P1-1550TEC-21550BHP1460 - 1620 nm19.0 ± 1.0 µm9.5 ± 0.5 µm 1050 - 1620 nm
Ravg < 0.5%
0.5 dB/km @ 1550 nm0.06 0.13 125 ± 1.0 µm / 
245 ± 15 µm
FC/PC (TEC) to FC/PCØ3 mm
FT030-Y
P5-1550TEC-2FC/PC (TEC) to FC/APC
P6-1550TEC-2Ø2.5 mm Ferrule (TEC) to Scissor CutØ900 µm
  • モードフィールド径は1550 nmでの典型値です。
  • このパッチケーブルは、TECファイバ端にのみARコーティングが施されています。
  • Max Attenuationは端部(コネクタ部やTEC部)以外の部分における損失値の仕様です。
  • コアが拡大するファイバ端ではMDFは大きくなるので、NAは若干小さくなります。TECファイバ端における値は計算値です。 
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
P1-1550TEC-2 Support Documentation
P1-1550TEC-2TEC Fiber Patch Cable, 1460 - 1620 nm, AR-Coated FC/PC (TEC) to FC/PC, 2 m Long
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P5-1550TEC-2 Support Documentation
P5-1550TEC-2TEC Fiber Patch Cable, 1460 - 1620 nm, AR-Coated FC/PC (TEC) to FC/APC, 2 m Long
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P6-1550TEC-2TEC Fiber Patch Cable, 1460 - 1620 nm, AR-Coated Ø2.5 mm Ferrule (TEC) to Scissor Cut, 2 m Long
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