BBO結晶、SPDC(自発的パラメトリック下方変換)用
- Optimized for Type I and Type II Spontaneous Parametric Down Conversion
- Source for Polarization Entangled Photons or Heralded Single Photons
- Cut for Normal Incidence with 405 nm, 532 nm, or 775 nm Pump Lasers
- Available in Thicknesses of 1.00 mm, 2.00 mm, and 3.00 mm
When one of these β-BBO Crystals is mounted in the RSP1 mount, the crystal will be centered over the 8-32 (M4) hole in the mount's base without the need for spacers.
NLCQ1
1.00 mm Thick, θ = 29.2°
5.0 mm Aperture
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Key Common Specificationsa | |
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Material | β-BBO (beta-BaB2O4) |
Aperture | Ø5.0 mm |
Clear Aperture | > Ø4.0 mm |
Transmitted Wavefront Error | λ/3 @ 632.8 nm Over Clear Aperture |
Surface Quality | 20-10 Scratch-Dig |
Optic Axis Angleb Tolerance | ±0.5° |
特長
- 自発的パラメトリック下方変換(SPDC)用に最適化されたβ-BBO (beta-BaB2O4)結晶
- タイプIまたはタイプII のSPDC
- コリニアおよびノンコリニアでのSPDC
- 405 nm、532 nm、または775 nmの励起(ポンプ)レーザ用に設計
- 筐体には回転軸と偏光方向の刻印
当社の自発的パラメトリック下方変換(SPDC)用に最適化されたβ-BBO 結晶は、タイプIまたはタイプIIの自発的パラメトリック下方変換(SPDC)用に設計されています。この非線形プロセスでは、エネルギーの高い励起光の単一光子が、エネルギーと運動量の両方を保存しながら、よりエネルギーの低いシグナル光とアイドラ光の光子ペアに周波数下方変換されます。SPDCは一般的に偏光エンタングル光子対の光源として、あるいは伝令付き単一光子源として使用されています。タイプIのSPDCから出力されるシグナル光とアイドラ光の偏光は同じであり、励起光の偏光と直交します。タイプIIのSPDCから出力されるシグナル光とアイドラ光の偏光は、互いに直交しています。タイプIまたはタイプIIのSPDC用結晶をご用意しており、コリニアおよびノンコリニアの両方に対応する製品もございます。これらは励起波長405 nm、532 nm、または775 nm用に設計されています。
SPDCは和周波発生(SFG)の逆過程であり、縮退している場合は第2高調波発生(SHG)の逆過程になります。そのため、こちらのBBO結晶は、第2高調波発生用に設計された結晶と非常によく似ています。主な違いは結晶の長さ(厚さ)です。SHG用の結晶は、典型的なパルス持続時間内での群速度の差で生じるウォークオフに対応するように設計されています。対照的に、SPDCの過程ではそのような制限はありません。そのため、より高い効率(より多くのシグナル・アイドラ光子数)を得るために厚い結晶を使用することができますが、そうすると一方で光子の波長-位置の相関が不明瞭になります。要求条件の異なる様々なアプリケーションに対応できるように、SPDC用に最適化されたBBO結晶として、厚さ1.00 mm、2.00 mm、および3.00 mmの製品をご用意しています。
各結晶には、励起光、シグナル光、およびアイドラ光の全波長において低反射率となるような反射防止(AR)コーティングが施されています。ARコーティングの性能については、「仕様」タブのグラフをご覧ください。こちらの結晶は、開口径Ø5.0 mmのØ25.4 mm(Ø1インチ)筐体に取り付けられています。筐体には、入射する励起ビームの偏光状態と伝搬方向に対して、結晶を位相整合させるのを補助するために、アライメント用ガイドが刻印されています(下記の「SPDCを最適化するためのアライメント方法」のセクションをご覧ください)。
励起光子とシグナル・アイドラ光子を分離するために(特にコリニアSPDCの場合)、光学濃度の高いロングパスフィルタをご使用ください。7以上の光学濃度が推奨されますが、この濃度は一般に1枚のフィルタでは得られません。これらの結晶では可視~近赤外域のシグナル光子とアイドラ光子を生成しますが、この波長域ではシングルフォトン検出モジュールSPDMAなどが単一光子の実用的な検出器です。
SPDCを最適化するためのアライメント方法
各結晶の筐体前面には、入射する励起ビームの偏光方向(2ωと表示)と、それに直交するSPDCで生成されるシグナル光・アイドラ光の偏光方向(1ωと表示)が刻印されています。BBO結晶の前にゼロオーダの1/2波長板を置いて、直線偏光している励起ビームの偏光方向を回転調整し、結晶の2ω軸に一致させることができます。 筐体中央のRotation Axisと書かれた線は、励起ビームの伝搬方向と結晶の光学軸の間の角度を調整するために結晶を回転させる軸を示しています。
当社では、これらの結晶を回転マウント RSP1/M に取り付け、さらにそれを手動回転ステージ (型番 XRNR1/M や RP01/M など)に取り付けることを推奨しています(左下の写真参照)。結晶の筐体をマウントRSP1/Mに取り付けたとき、スペーサや追加の固定リングを使用しなくても、結晶はマウント底面のM4ネジ穴の真上の中心に配置されます。そのため結晶は回転ステージRP01/Mの中心に配置され、位相整合角を最適化するために必要な入射角の微調整が可能になります。こちらの例では、結晶は水平方向に偏光した励起ビーム用の向きに設定されています。
β-BBOのSPDC過程を最適化するための位相整合は、励起ビームの偏光を結晶の主軸である異常光の軸(2ωと表示)に平行に合わせ、次に光学軸と励起ビームの伝搬方向の間の角度を調整することで達成されます。下記の結晶の光学軸と表面法線の間の角度は、表に記載されている設計波長の光を垂直入射したときに、位相整合が最適化されるように設定されています。コリニアまたはノンコリニアで要求された位相整合条件を達成するには、励起光の入射角を表面法線の回りに±1°の範囲で微調整する必要があります。より大きな角度調整を行えば、異なる波長の励起レーザとの位相整合が可能になります。入射光角度(AOI)と位相整合波長の関係は「仕様」タブのグラフでご覧ください。
使用方法および取扱い方法
BBO結晶を取り扱うときは、常に手袋を装着して慎重に行ってください。BBO結晶は傷つきやすく、吸湿性があります。そのため、湿度の高い環境といった周囲の過剰な水分から保護する必要があります。高湿度環境においては、乾燥剤の使用は結晶の寿命を延ばすうえで有用です。埃の除去は、必要に応じて清潔で乾燥した空気を軽く吹きかけるだけにすることをお勧めします。手順は、 光学素子の取扱いについてのチュートリアルにおける「光学素子の表面から異物等を吹き飛ばす」のセクションで詳しく説明されています。
Item # | NLCQ1 | NLCQ2 | NLCQ3 | NLCQ4 | NLCQ5 | NLCQ6 | NLCQ7 | NLCQ8 | NLC07 | |
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Material | β-BBO (beta-BaB2O4) | |||||||||
Crystal Thickness | 1.00 mm | 2.00 mm | 3.00 mm | 1.00 mm | 2.00 mm | 3.00 mm | 3.00 mm | 3.00 mm | 3.00 mm | |
Crystal Thickness Tolerance | ±0.05 mm | ±0.05 mm | ±0.05 mm | ±0.05 mm | ±0.05 mm | |||||
Angle of Optic Axisa (θ) | 29.2° | 41.8° | 26.9° | 22.2° | 19.8° | |||||
Optic Axis Anglea (θ) Tolerance | ±0.5° | ±0.5° | ±0.5° | ±0.5° | ±0.5° | |||||
Application | Type-I SPDC | Type-II SPDC | Type-I SPDC | Type-I SPDC | Type-I SPDC | |||||
Collinear vs Noncollinear | Both | Both | Collinear | Collinear | Both | |||||
Pump Wavelength at AOI = 0° | 405 nm | 405 nm | 405 nm | 532 nm | 775 nm | |||||
Signal Wavelength at AOI = 0° | 810 nm | 810 nm | 586 nm | 810 nm | 1550 nm | |||||
Idler Wavelength at AOI = 0° | 810 nm | 810 nm | 1310 nm | 1550 nm | 1550 nm | |||||
Angle of Incidence Tuning Sensitivityb | ||||||||||
AR Coating, Entrance Face, 0° AOI | R< 0.5% at 405 and 810 nm | R< 0.5% at 405 nm | R< 1% at 532 nm | Ravg< 4% 650 - 850 nm and 1300-1700 nm | ||||||
AR Coating, Exit Face, 0° AOI | R<3% at 586 and 1310 nm | R<2.5% at 810 and 1550 nm | ||||||||
AR Coating Curves | Raw Data | Raw Data | Raw Data | Raw Data | ||||||
Laser Induced Damage Threshold | 9.5 J/cm2 (532 nm, 5.3 ns, 100 Hz, Ø218 μm) | 0.6 J/cm2 (1550 nm, 52 fs FWHM, S-Pol, 104 Pulses) | ||||||||
Aperture Diameter | Ø5.0 mm | |||||||||
Clear Aperture | > Ø4.0 mm | |||||||||
Mounted Diameter | 1" (25.4 mm) | |||||||||
Surface Quality | 20-10 Scratch-Dig | |||||||||
Transmitted Wavefront Error | λ/3 @ 632.8 nm Over Clear Aperture |
Physical and Optical Properties | ||
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Material | β-BBO (beta-BaB2O4) | |
Crystal Structure | Trigonal, Space Group R3c | |
Transparency Range | 189 - 3500 nm | |
Second-Order Nonlinear Coefficients | d21 = 2.2 pm/V d31 = 0.08 pm/V d22 = 2.2 pm/V | |
Nonlinear Refractive Index (Kerr Index)a | 4.9 x 10−20 m2/W @ 1032 nm | |
Sellmeier Coefficientsb | Ordinary Ray | |
Extraordinary Ray | ||
Thermal Conductivity | 1.2 W / m ⋅ K (⊥ C) 1.6 W / m ⋅ K (|| C) | |
Mohs Hardness | 4.5 Mohs | |
Density | 3.85 g/cm3 |
Posted Comments: | |
No Comments Posted |
Key Specifications for SPDC Applicationsa | ||||
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Item # | NLCQ1 | NLCQ2 | NLCQ3 | |
Crystal Thickness | 1.00 mm | 2.00 mm | 3.00 mm | |
Angle of Optic Axis (θ)b | 29.2° ± 0.5° | |||
Application | Type-I SPDC | |||
AR Coating (AOI = 0°) | R< 0.5% at 405 and 810 nm | |||
AR Coating Curves | Raw Data | |||
Pump Wavelength (2ω) | AOI = 0° | 405 nm | ||
SPDC Signal / Idler Wavelength (1ω) | AOI = 0° | 810 nm / 810 nm |
- 405 nm、810 nmのARコーティングの施されたマウント付き結晶
- 光学軸の角度:29.2°
- 励起光を垂直入射したときの位相整合波長が、励起光波長405 nm、シグナル光・アイドラ光波長810 nmとなるように結晶をカット
このβ-BBO結晶は、タイプI 位相整合で中心波長405 nmの入射ビームから810 nmのSPDC光が得られるように設計されています。厚さは1.00、2.00、および3.00 mmの結晶をご用意しています。結晶には励起光、シグナル光およびアイドラ光の全波長域で表面反射を低減するARコーティングが施されています。これらのマウント付き結晶は、ナノ秒レーザ(型番NPL41Bなど)、Ti:サファイアレーザの2倍波、または405 nm半導体レーザ(型番L405P20など)で励起できます。
Key Specifications for SPDC Applicationsa | ||||
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Item # | NLCQ4 | NLCQ5 | NLCQ6 | |
Crystal Thickness | 1.00 mm | 2.00 mm | 3.00 mm | |
Angle of Optic Axis (θ)b | 41.8° ± 0.5° | |||
Application | Type-II SPDC | |||
AR Coating (AOI = 0°) | R< 0.5% at 405 and 810 nm | |||
AR Coating Curves | Raw Data | |||
Pump Wavelength (2ω) | AOI = 0° | 405 nm | ||
SPDC Signal / Idler Wavelength (1ω) | AOI = 0° | 810 nm / 810 nm |
- 405 nm、810 nmのARコーティングの施されたマウント付き結晶
- 光学軸の角度:41.8°
- 励起光を垂直入射したときの位相整合波長が、励起光波長405 nm、シグナル光・アイドラ光波長810 nmとなるように結晶をカット
このβ-BBO結晶は、タイプII 位相整合で中心波長405 nmの入射ビームから810 nmのSPDC光が得られるように設計されています。厚さは1.00、2.00、および3.00 mmの結晶をご用意しています。結晶には励起光、シグナル光およびアイドラ光の全波長域で表面反射を低減するARコーティングが施されています。これらのマウント付き結晶は、ナノ秒レーザ(型番NPL41Bなど)、Ti:サファイアレーザの2倍波、または405 nm半導体レーザ(型番L405P20など)で励起できます。
Key Specifications for SPDC Applicationsa | ||||
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Item # | NLCQ7 | |||
Crystal Thickness | 3.00 mm | |||
Angle of Optic Axis (θ)b | 26.9° ± 0.5° | |||
Application | Type-I SPDC | |||
AR Coating (AOI = 0°) | R< 0.5% at 405 nm R< 3% at 586 and 1310 nm | |||
AR Coating Curves | Raw Data | |||
Pump Wavelength (2ω) | AOI = 0° | 405 nm | ||
SPDC Signal / Idler Wavelength (1ω) | AOI = 0° | 586 nm / 1310 nm |
- 405 nm、586 nm、1310 nmのARコーティングが施されたマウント付き結晶
- 光学軸の角度:26.9°
- 励起光を垂直入射したときの位相整合波長が、励起光波長405 nm、シグナル光波長586 nm、アイドラ光波長1310 nmとなるように結晶をカット
このβ-BBO結晶は、タイプI 位相整合で中心波長405 nmの入射ビームから586 nmと1310 nmの SPDC光が得られるように設計されています。厚さは3.00 mmの結晶をご用意しています。結晶には励起光、シグナル光およびアイドラ光の全波長域で表面反射を低減するARコーティングが施されています。これらのマウント付き結晶は、ナノ秒レーザ(型番NPL41Bなど)、Ti:サファイアレーザの2倍波、または405 nm半導体レーザ(型番L405P20など)で励起できます。
Key Specifications for SPDC Applicationsa | ||||
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Item # | NLCQ8 | |||
Crystal Thickness | 3.00 mm | |||
Angle of Optic Axis (θ)b | 22.2° ± 0.5° | |||
Application | Type-I SPDC | |||
AR Coating (AOI = 0°) | R< 1% at 532 nm R< 2.5% at 810 and 1550 nm | |||
AR Coating Curves | Raw Data | |||
Pump Wavelength (2ω) | AOI = 0° | 532 nm | ||
SPDC Signal / Idler Wavelength (1ω) | AOI = 0° | 810 nm / 1550 nm |
- 532 nm、810 nm、1550 nmのARコーティングが施されたマウント付き結晶
- 光学軸の角度:22.2°
- 励起光を垂直入射したときの位相整合波長が、励起光波長532 nm、シグナル光波長810 nm、アイドラ光波長1550 nmとなるように結晶をカット
このβ-BBO結晶は、タイプI位相整合で中心波長532 nmの入射ビームから810 nmと1550 nmのSPDC光が得られるように設計されています。厚さは3.00 mmで、励起光、シグナル光、アイドラ光の全波長域で表面反射を低減するARコーティングが施されています。このマウント付き結晶は、Nd:YAGレーザの2倍波(532 nm)や、半導体レーザ(型番DJ532-40など)で励起できます。
Key Specifications for SPDC Applicationsa | ||||
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Item # | NLC07 | |||
Crystal Thickness | 3.00 mm | |||
Angle of Optic Axis (θ)b | 19.8° ± 0.5° | |||
Application | Type-I SPDC | |||
AR Coating (AOI = 0°) | Ravg< 4%, 650 - 850 nm and 1300-1700 nm | |||
AR Coating Curves | Raw Data | |||
Pump Wavelength (2ω) | AOI = 0° | 775 nm | ||
SPDC Signal / Idler Wavelength (1ω) | AOI = 0° | 1550 nm / 1550 nm |
- 775 nm、1550 nmのARコーティングの施されたマウント付き結晶
- 光学軸の角度:19.8°
- 励起光を垂直入射したときの位相整合波長が、励起光波長775 nm、シグナル光・アイドラ光波長1550 nmとなるように結晶をカット
このβ-BBO結晶は通常第2高調波発生(SHG)用として使用されていますが、その逆過程を利用して、中心波長775 nmの入射ビームから1550 nm のタイプI SPDC光を生成することも可能です。厚さは3.00 mmで、励起光、シグナル光、アイドラ光の全波長域で表面反射を低減するARコーティングが施されています。このマウント付き結晶はTi:サファイアレーザ、1550 nmレーザ(型番FSL1550など)の2倍波、または半導体レーザ(型番DBR780PNなど)で励起できます。この結晶は第2高調波発生用BBO結晶のページでもご覧いただけます。