イッテルビウム添加偏波保持ファイバー


  • Ytterbium-Doped Polarization-Maintaining Fiber for Fiber Lasers and Amplifiers 
  • 920 nm Absorption and 1000 - 1100 nm Emission Wavelength Range
  • Cladding- or Core-Pumped Single- or Large-Mode-Area 
  • Matched Passive Fibers Available

YB1200-10/125DC-PM

Image of Fiber End Face of an Yb-Doped Active Fiber

Slope Efficiency Plot for a Ytterbium-Doped, Double-Clad Polarization-Maintaining (PM) Fiber

Related Items


Please Wait
Item #TypeCladding
Type
Absorption
@ 920 nm
Pump
Type
Core DiameterMFDaCladding
Diameter
YB300-6/125-PMSMbSingle75 ± 10 dB/mc,dCore5.5 µmd7.0 ± 0.5 µm125 ± 2 µm
YB1200-6/125DC-PMDouble0.55 ± 0.1 dB/mCladding-7.0 ± 0.5 μm125 ± 1 μm
YB1200-10/125DC-PMLMAe1.7 ± 0.3 dB/m10.0 ± 1.0 μm-
YB800-20/125DC-PM5.1 ± 0.75 dB/m20.0 ± 1.5 µm15.0 ± 1.0 µm125 ± 1.0 µm
YB1200-25/250DC-PM2.3 ± 0.3 dB/m25.0 ± 1.5 μm-250 ± 6 μm
  • 1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径
  • シングルモード
  • コアでの吸収
  • 公称値
  • ラージモードエリア

特長

  • 約1000 nm~1100 nmのファイバーレーザおよび増幅器用イッテルビウム添加シリカファイバ
  • シングルモード(SM)ファイバとラージモードエリア(LMA)ファイバをご用意
  • パルス動作で1 mW~20 W以上の出力用のクラッド励起設計
  • 高いコア励起吸収を有するコア励起シングルクラッド設計
  • 融着接続可能なSMまたはLMAパッシブファイバも下に掲載
  • クラッド径Ø125またはØ250の標準規格アクティブファイバ
  • PANDA状の応力付与により偏波保持動作が可能

当社では、光増幅器、ASE光源や高出力パルス、CWファイバーレーザに使用でき、mWレベルから20 W以上の出力範囲、および1000~1100 nmの波長範囲で機能するイッテルビウム添加の偏波保持光ファイバをご提供しています。これらのファイバは、フィンランドのnLight社にて、最新の添加ファイバ製造技術Liekki Direct Nanoparticle Deposition (DND)を利用して製造されています。Lekki DND技術は、短いファイバ長、コアのバーンアウトが無いフラットな屈折率プロファイル、大きなコア対クラッド比(ラージモードエリアダブルクラッドファイバ)など、先進のファイバ用途の要件を満たした設計となっています。このファイバは偏波保持のためPANDA状の応力を付与しています。こちらのページのアクティブファイバとコア、クラッド、NAが一致したパッシブファイバもご用意しております。アクティブファイバの入出力光の伝送に使用されます。

Custom Fiber Patch Cables
Click for Details
ダブルクラッドファイバの動作原理

当社のイッテルビウム添加偏波保持ファイバは、コア励起シングルクラッド設計またはクラッド励起ダブルクラッド設計でご用意しています。コア励起ファイバは、低出力の用途にご使用いただけ、ほかのシングルモードファイバとの接続性に優れています。クラッド励起ダブルクラッドファイバは、コア励起アクティブファイバに比べ、より効率的かつ高出力になっています。クラッド励起ファイバは、ダブルクラッドで、ファイバのコーティングが第2クラッドの役割をし、第1クラッドが導波路として機能しています。一般的に、ダブルクラッドファイバは、発光用途では、低NAシングルモード(SM)もしくはラージモードエリア(LMA)のコアを有しており、光増幅用途では、高NAでマルチモードの第1クラッドを有しています。

当社では、偏波無依存型の標準的なイッテルビウム添加ファイバもご用意しています。

Ytterbium PM Fiber Cross Section Cladding Pumped
Click for Details

イッテルビウム添加、偏波保持、クラッド励起ファイバの断面図
Active Fibers Selection Guide
Ytterbium-Doped SM and LMAYtterbium-Doped PMErbium-Doped SM and LMAErbium-Doped PM

コア励起、シングルクラッド、シングルモードPMファイバ

Item #YB300-6/125-PM
Cladding GeometryRound, PANDA
Mode Field Diameter (MFD)a7.0 ± 0.5 µm
Peak Core Absorption @ 976 nmb300 dB/m
Core Diameterb5.5 µm
Cladding Diameter125 ± 2 µm
Coating Diameter245 ± 15 µm
Core Numerical Aperture (NA)0.12b
Core Backgroud Loss @ 1200 nm≤25 dB/km
Coating MaterialDual-Coated High-Index Acrylate
Cut-Off Wavelengthb860 ± 70 nm
Core Concentricity Error≤1.0 µm
Proof Test≥100 kpsi
Birefringence≥2.0 x 10-4
Core IndexProprietaryc
Cladding IndexProprietaryc
  • この仕様は、1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径となっています。
  • 公称値
  • この仕様については開示されておりませんのでご了承ください。

クラッド励起、ダブルクラッド、シングルモードおよびラージモードエリアPMファイバ

Item #YB1200-6/125DC-PMYB1200-10/125DC-PMYB800-20/125DC-PMYB1200-25/250DC-PM
Cladding GeometryRound, PANDA
Mode Field Diameter (MFD)7.0 ± 0.5 μma-15.0 ± 1.0 μma-
Peak Cladding Absorption @ 976 nmb
2.4 dB/m7.4 dB/m21.9 dB/m9.9 dB/m
Cladding Absorption @ 920 nm0.55 ± 0.1 dB/m1.7 ± 0.3 dB/m5.1 ± 0.75 dB/m2.3 ± 0.3 dB/m
Core Diameter-10.0 ± 1.0 µm20.0 ± 1.5 µm25.0 ± 1.5 µm
Cladding Diameter125 ± 1 μm125 ± 1 μm125 ± 1.0 µm250 ± 6 μm
Coating (Second Cladding) Diameter245 ± 15 μm245 ± 15 μm245 ± 15 µm350 ± 15 μm
Core Numerical Aperture (NA)0.12b0.080 ± 0.0050.065 ± 0.0040.062 ± 0.005
Cladding NA-≥0.48≥0.48≥0.48
Core Background Loss @ 1200 nm≤25 dB/km
Coating MaterialDual-Coated Low-Index Acrylate
Core Concentricity Error≤1.0 μm
Proof Test≥100 kpsi
Birefringence≥2.0 x 10-4≥1.4 x 10-4≥0.8 x 10-4≥1.6 x 10-4
Core IndexProprietaryc
Cladding IndexProprietaryc
  • この仕様は、1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径となっています。
  • 公称値
  • この仕様については開示されておりませんのでご了承ください。

融着接続可能なSMおよびLMAパッシブファイバ

Item #P-6/125DC-PMP-10/125DC-PMP-20/125DC-PMP-25/250DC-PM
Matching Active FiberYB1200-6/125DC-PMYB1200-10/125DC-PMYB800-20/125DC-PMYB1200-25/250DC-PM
Cladding GeometryRound, Panda
Mode Field Diameter (MFD)7.0 ± 0.5 µma-15.0 ± 1.0 µm-
Core Diameter-10.0 ± 1 µm-25.0 ± 1.5 µm
Cladding Diameter125 ± 2 μm125.0 ± 1 μm125.0 ± 1 µm250 ± 3 µm
Coating (Second Cladding) Diameter245 ± 15 μm245 ± 15 μm245 ± 1 µm350 ± 15 µm
Core Numerical Aperture (NA)0.12b0.08 ± 0.005-0.070 ± 0.005
Cladding NA≥0.48
Core Background Loss @ 1200 nm≤5.0 dB/km≤15 dB/km≤5.0 dB/km
Coating MaterialDual-Coated Low-Index Acrylate
Core Concentricity Error≤1.0 μm
Proof Test≥100 kpsi
Birefringence≥2.0 x 10-4≥1.4 x 10-4≥0.8 x 10-4≥1.6 x 10-4
Core IndexProprietaryc
Cladding IndexProprietaryc
  • この仕様は、1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径となっています。
  • 公称値
  • この仕様については開示されておりませんのでご了承ください。

参考文献

添加ファイバーレーザやファイバーアンプの研究は盛んに行われており、多くの進展が報告されています。 以下の文献は、ファイバーレーザやアンプの構成に際し有益な情報を提供しています。

2012

 

Bryce Samson, George Oulundsen, Adrian Carter, and Steven R. Bowman, "OPTICAL FIBER FABRICATION: Holmium-doped silica fiber designs extend fiber lasers beyond 2 µm," Laser Focus World, August 1, 2012

2011

 

Jianwu Ding, Bryce Samson, Adrian Carter, Chiachi Wang, Kanishka Tankala, "A Monolithic Thulium Doped Single Mode Fiber Laser with 1.5ns Pulsewidth and 8kW Peak Power," Proc. SPIE 7914, Fiber Lasers VIII: Technology, Systems, and Applications, 79140X (February 10, 2011); doi:10.1117/12.876867

2010

 

Timothy S. McComb, Pankaj Kadwani, R. Andrew Sims, Lawrence Shah, Christina C. C. Willis, Gavin Frith, Vikas Sudesh, Bryce Samson, Martin Richardson, "Amplification of Picosecond Pulses Generated in a Carbon Nanotube Modelocked Thulium Fiber Laser," in Lasers, Sources and Related Photonic Devices, OSA Technical Digest Series (CD) (Optical Society of America, 2010), paper AMB10.

G. Frith, A. Carter, B. Samson, J. Faroni, K Farley, K Tankala and G. E. Town, "Mitigation of photodegradation in 790nm-pumped Tm-doped fibers," Proc. SPIE 7580, Fiber Lasers VII: Technology, Systems, and Applications, 75800A (February 17, 2010); doi:10.1117/12.846230

Thomas Ehrenreich, Ryan Laveille, Imtiaz Majid, and Kanishka Tankala, Glen Rines, Peter Moulton "1-kW All-Glass Tm:fiber Laser," SPIE Photonics West 2010: LASE Presentation, Session 16: Late-Breaking News, January 29, 2010

2009

 

Gavin Frith, Adrian Carter, Bryce Samson, and Graham Town, "Design considerations for short-wavelength operation of 790-nm-pumped Tm-doped fibers," Appl. Opt. 48, 5072-5075 (2009)

S.D. Jackson, "The spectroscopic and energy transfer characteristics of the rare earth ions used fr silicate glass fibre lasers operating in the shortwave infrared," Laser & Photon. Rev., 3: 466–482. doi: 10.1002/lpor.200810058

Peter F. Moulton, Glen A. Rines, Evgueni V. Slobodtchikov, Kevin F. Wall, Gavin Frith, Bryce Samson, and Adrian L.G. Carter, "Tm-Doped Fiber Lasers: Fundamentals and Power Scaling," IEEE Journal of Selected Topics in quantum Electronics, Vol. 15, No. 1, Jan/Feb 2009

2006

 

Alexander Hemming, Shayne Bennetts, Nikita Simakov , John Haub, Adrian Carter, "Development of resonantly cladding-pumped holmium-doped fibre lasers," Proc. SPIE 8237, Fiber Lasers IX: Technology, Systems, and Applications, 82371J (February 9, 2012); doi:10.1117/12.909458

W. Torruellas, Y. Chen, B. McIntosh, J. Farroni, K. Tankala, S. Webster, D. Hagan, M. J. Soileau, M. Messerly, J. Dawson, "High peak power Ytterbium doped fiber amplifiers," Proc. SPIE 6102, Fiber Lasers III: Technology, Systems, and Applications, 61020N (February 23, 2006); doi:10.1117/12.646571

レーザによる石英ファイバの損傷

このチュートリアルではコネクタ無し(素線)ファイバ、コネクタ付きファイバ、およびレーザ光源に接続するその他のファイバ部品に関連する損傷メカニズムを詳しく説明しています。そのメカニズムには、空気/ガラス界面(自由空間結合時、またはコネクタ使用時)ならびにファイバ内における損傷が含まれます。ファイバ素線、パッチケーブル、または溶融型カプラなどのファイバ部品の場合、損傷につながる複数の可能性(例:コネクタ、ファイバ端面、機器そのもの)があります。ファイバが対処できる最大パワーは、常にそれらの損傷メカニズムの中の最小の限界値以下に制限されます。

損傷閾値はスケーリング則や一般的なルールを用いて推定することはできますが、ファイバの損傷閾値の絶対値は利用方法やユーザ定義に大きく依存します。このガイドは、損傷リスクを最小に抑える安全なパワーレベルを推定するためにご利用いただくことができます。適切な準備と取扱い方法に関するガイドラインにすべて従えば、ファイバ部品は規定された最大パワーレベルで使うことができます。最大パワーの値が規定されていない場合は、部品を安全に使用するために下表の「実用的な安全レベル」の範囲に留めてご使用ください。 パワー処理能力を低下させ、ファイバ部品に損傷を与える可能性がある要因は、ファイバ結合時のミスアライメント、ファイバ端面の汚れ、あるいはファイバそのものの欠陥などですが、これらに限られるわけではありません。特定の用途におけるファイバのパワー処理能力に関するお問い合わせは当社までご連絡ください。

Power Handling Limitations Imposed by Optical Fiber
Click to Enlarge

損傷のないファイバ端
Power Handling Limitations Imposed by Optical Fiber
Click to Enlarge

損傷のあるファイバ端

空気/ガラス界面における損傷

空気/ガラス界面ではいくつかの損傷メカニズムが存在する可能性があります。自由空間結合の時、またはコネクタで2本のファイバを結合した時、光はこの界面に入射します。高強度の光は端面を損傷し、ファイバのパワー処理能力の低下や恒久的な損傷につながる場合があります。コネクタ付きのファイバで、コネクタがエポキシ接着剤でファイバに固定されている場合、高強度の光によって発生した熱により接着剤が焼けて、ファイバ端面に残留物が残る可能性があります。

Estimated Optical Power Densities on Air / Glass Interfacea
TypeTheoretical Damage ThresholdbPractical Safe Levelc
CW
(Average Power)
~1 MW/cm2~250 kW/cm2
10 ns Pulsed
(Peak Power)
~5 GW/cm2~1 GW/cm2
  • すべての値はコネクタ無し(素線)の石英ファイバに対する仕様で、クリーンな状態のファイバ端面への自由空間結合に適用されます。
  • 損傷リスク無しでファイバ端面に入射できる最大パワー密度の推定値です。これはシステムに大きく依存するため、ハイパワーで使用する前に光学系内のファイバ部品の性能ならびに信頼性の確認をお客様ご自身で実施していただく必要があります。
  • ほとんどの使用状態でファイバを損傷することなく端面に入射できる安全なパワー密度の推定値です。

ファイバ素線端面での損傷メカニズム

ファイバ端面での損傷メカニズムはバルクの光学素子の場合と同様なモデル化ができ、UV溶融石英(UVFS)基板の標準的な損傷閾値を石英ファイバに当てはめることができます。しかしバルクの光学素子とは異なり、光ファイバの空気/ガラス界面においてこの問題に関係する表面積やビーム径は非常に小さく、特にシングルモードファイバの場合はそれが顕著です。 パワー密度が与えられたとき、ファイバに入射するパワーは、小さいビーム径に対しては小さくする必要があります。

右の表では光パワー密度に対する2つの閾値が記載されています。理論的な損傷閾値と「実用的な安全レベル」です。一般に、理論的損傷閾値は、ファイバ端面の状態も結合状態も非常に良いという条件で、損傷のリスク無しにファイバの端面に入射できる最大パワー密度の推定値を表しています。「実用的な安全レベル」のパワー密度は、ファイバ損傷のリスクが極めて小さくなる値を示しています。ファイバまたはファイバ部品をこの実用的な安全レベルを超えて使用することは可能ですが、その時は取扱い上の注意事項を適切に守り、使用前にローパワーで性能をテストする必要があります。

シングルモードの実効面積の計算
シングルモードファイバの実効面積は、モードフィールド径(MFD)、すなわちファイバ内の光が伝搬する部分の断面積によって定義されます。この面積にはファイバのコアとクラッドの一部が含まれます。シングルモードファイバとの結合効率を良くするためには、入射ビーム径をファイバのモードフィールド径に合致させなければなりません。

例として、シングルモードファイバSM400を400 nmで使用した時のモードフィールド径(MFD)は約Ø3 µmで、SMF-28 Ultraを1550 nmで使用したときのモードフィールド径(MFD)はØ10.5 µmです。これらのファイバの実効面積は下記の通り計算します。

SM400 Fiber: Area = Pi x (MFD/2)2 = Pi x (1.5 µm)2 = 7.07 µm= 7.07 x 10-8 cm2

 SMF-28 Ultra Fiber: Area = Pi x (MFD/2)2 = Pi x (5.25 µm)2 = 86.6 µm= 8.66 x 10-7 cm2

ファイバ端面が対応できるパワーを推定するには、パワー密度に実効面積を乗じます。なおこの計算は均一な強度プロファイルを想定しています。しかしほとんどのレーザービームでは、シングルモード内でガウス分布を示すため、ビームの端よりも中央のパワー密度が高くなります。よって、これらの計算は損傷閾値または実用的安全レベルに対応するパワーとは若干異なることを考慮する必要があります。連続光源を想定して上記のパワー密度の推定値を使用すると、それぞれのパワーは下記のように求められます。

SM400 Fiber: 7.07 x 10-8 cm2 x 1 MW/cm2 = 7.1 x 10-8 MW = 71 mW (理論的損傷閾値)
     7.07 x 10-8 cm2 x 250 kW/cm2 = 1.8 x 10-5 kW = 18 mW (実用的な安全レベル)

SMF-28 Ultra Fiber: 8.66 x 10-7 cm2 x 1 MW/cm2 = 8.7 x 10-7 MW = 870 mW (理論的損傷閾値)
           8.66 x 10-7 cm2 x 250 kW/cm2 = 2.1 x 10-4 kW = 210 mW (実用的な安全レベル)

マルチモードの実効面積
マルチモードファイバの実効面積は、そのコア径によって定義されますが、一般にシングルモードファイバのMFDよりもはるかに大きくなります。当社では最適な結合を得るためにコア径のおよそ70~80%にビームを集光することをお勧めしています。マルチモードファイバでは実効面積が大きくなるほどファイバ端面でのパワー密度は下がるので、より大きな光パワー(通常キロワットオーダ)を入射しても損傷は生じません。

フェルール・コネクタ付きファイバに関する損傷メカニズム

Click to Enlarge
コネクタ付きシングルモード石英ファイバに入力可能なパワー処理限界値(概算)を示したグラフ。各線はそれぞれの損傷メカニズムに応じたパワーレベルの推定値を示しています。 入力可能な最大パワーは、損傷メカニズムごとに制限されるパワーのうちの一番小さな値(実線で表示)によって制限されます。

コネクタ付きファイバのパワー処理能力に関しては、ほかにも考慮すべき点があります。ファイバは通常、エポキシ接着剤でセラミック製またはスチール製のフェルールに取り付けられています。光がコネクタを通してファイバに結合されると、コアに入射せずにファイバを伝搬する光は散乱されてファイバの外層からフェルール内へ、さらにフェルール内でファイバを保持する接着剤へと伝搬します。光の強度が大きいとエポキシ接着剤が焼け、それが蒸発して残留物がコネクタ端面に付着します。これによりファイバ端面に局所的に光を吸収する部分ができ、それに伴って結合効率が減少して散乱が増加するため、さらなる損傷の原因となります。

エポキシ接着剤に関連する損傷は、いくつかの理由により波長に依存します。一般に、光の散乱は長波長よりも短波長で大きくなります。短波長用のMFDの小さなシングルモードファイバへの結合時には、ミスアライメントに伴ってより多くの散乱光が発生する可能性があります。

エポキシ樹脂が焼損するリスクを最小に抑えるために、ファイバ端面付近のファイバとフェルール間にエポキシ接着剤の無いエアギャップを有するファイバーコネクタを構築することができます。当社の高出力用マルチモードファイバーパッチケーブルでは、このような設計のコネクタを使用しております。

複数の損傷メカニズムがあるときのパワー処理限界値を求める方法

ファイバーケーブルまたはファイバ部品において複数の損傷要因がある場合(例:ファイバーパッチケーブル)、入力可能なパワーの最大値は必ずファイバ部品構成要素ごとの損傷閾値の中の一番小さな値により決まります。この値が一般的にはパッチケーブルの端面に入射可能な最大のパワーを表します(出力パワーではありません)。 

右のグラフは、シングルモードパッチケーブルにおけるファイバ端面での損傷とコネクタでの損傷に伴うパワー処理限界の推定値を例示しています。 ある波長におけるコネクタ付きファイバの総合的なパワー処理限界値は、その波長に対する2つの制限値の小さい方の値(実線)によって制限されます。488 nm付近で使用しているシングルモードファイバは主にファイバ端面の損傷(青い実線)によって制限されますが、1550 nmで使用しているファイバはコネクタの損傷(赤い実線)によって制限されます。

マルチモードファイバの実効面積はコア径で定義され、シングルモードファイバの実効面積より大きくなります。その結果、ファイバ端面のパワー密度が小さくなり、大きな光パワー(通常キロワットオーダ)を入射してもファイバに損傷は生じません(グラフには表示されていません)。しかし、フェルール・コネクタの損傷による限界値は変わらないため、マルチモードファイバが処理できる最大パワーはフェルールとコネクタによって制限されることになります。

上記の値は、取り扱いやアライメントが適切で、それらによる損傷が生じない場合のパワーレベルです。また、ファイバはここに記載されているパワーレベルを超えて使用されることもあります。しかし、そのような使い方をする場合は一般に専門的な知識が必要で、まずローパワーでテストして損傷のリスクを最小限に抑える必要があります。その場合においても、ハイパワーで使用するファイバ部品は消耗品と捉えた方が良いでしょう。

ファイバ内の損傷閾値

空気/ガラス界面で発生する損傷に加え、ファイバのパワー処理能力はファイバ内で発生する損傷メカニズムによっても制限されます。この制限はファイバ自体が本質的に有するもので、すべてのファイバ部品に適用されます。ファイバ内の損傷は、曲げ損失による損傷とフォトダークニングによる損傷の2つに分類されます。

曲げ損失
ファイバが鋭く曲げられると、コア内を伝搬する光がコア/クラッド界面において反射する際に、その反射角が全反射臨界角よりも大きくなります。曲げ損失は、このように内部全反射ができなくなることにより生じる損失です。このような状況下では、光はファイバから局所的に漏れだします。漏れる光のパワー密度は一般に大きく、ファイバのコーティングや補強チューブが焼損する可能性があります。

特殊ファイバに分類されるダブルクラッドファイバは、コアに加えてファイバのクラッド(2層目)も導波路として機能するため、曲げ損失による損傷のリスクが抑えられます。クラッドと被覆の界面の臨界角をコアとクラッドの界面の臨界角より大きくすることで、コアから漏れた光はクラッド内に緩く閉じ込められます。その後、光はセンチメートルからメートルオーダーの距離に渡って漏れ出しますが、局所的ではないため損傷リスクは最小に留められます。当社ではメガワットレベルの大きなパワーにも対応するNA 0.22のダブルクラッドマルチモードファイバを製造、販売しております。

フォトダークニング
もう1つのファイバ内の損傷メカニズムとして、特にコアにゲルマニウムが添加されたファイバをUVや短波長の可視光で使用した時に起こるフォトダークニングまたはソラリゼーションがあります。これらの波長で使用されたファイバは時間の経過とともに減衰量が増加します。 フォトダークニングが発生するメカニズムはほとんど分かっていませんが、その現象を緩和するファイバはいくつか開発されています。例えば、水酸イオン(OH)が非常に低いファイバはフォトダークニングに耐性があることが分かっています。またフッ化物などのほかの添加物もフォトダークニングを低減させる効果があります。

しかし、上記の対応をとったとしても、UV光や短波長に使用したファイバはいずれフォトダークニングが生じます。よってこれらの波長で使用するファイバは消耗品としてお考えください。

光ファイバの準備ならびに取扱い方法

一般的なクリーニングならびに操作ガイドライン
この一般的なクリーニングならびに操作ガイドラインはすべてのファイバ製品向けにお勧めしております。さらに付属資料やマニュアルに記載された個々の製品に特化したガイドラインも遵守してください。損傷閾値の計算は、すべてのクリーニングおよび取扱い手順に適切に従ったときにのみ適用することができます。

  1. (コネクタ付き、またはファイバ素線に関わらず)ファイバを設置または組み込む前に、すべての光源はOFFにしてください。これにより、損傷の可能性のあるコネクタまたはファイバの脆弱な部分に集光されたビームが入射しないようにすることができます。

  2. ファイバやコネクタ端面の品質がファイバのパワー処理能力に直結します。ファイバを光学系に接続する前に必ずファイバ端を点検してください。端面はきれいで、入射光の散乱を招く汚れや汚染物質があってはなりません。ファイバ素線は使用前にクリーブし、クリーブの状態が良好であることを確認するためにファイバ端面の点検をしてください。

  3. ファイバを光学系に融着接続する場合、ハイパワーで使用する前にまずローパワーで融着接続の状態が良いことを確認してください。融着接続の品質が良くないと接続面での散乱が増え、ファイバ損傷の原因となる場合があります。

  4. システムのアライメントや光結合の最適化などの作業はローパワーで行ってください。これによりファイバの(コア以外の)他の部分の露光が最小に抑えられます。ハイパワーのビームがクラッド、被覆またはコネクタに集光された場合、散乱光による損傷が発生する可能性があります。

ハイパワーでファイバを使用するための要点
光ファイバやファイバ部品は一般には安全なパワー限界値内で使用する必要がありますが、アライメントや端面のクリーニングがとても良い理想的な条件下では、ファイバ部品のパワー限界値を上げることができる場合があります。入力または出力パワーを増加させる前に、システム内のファイバ部品の性能と安定性を確認し、またすべての安全ならびに操作に関する指示に従わなければなりません。下記はファイバ内またはファイバ部品内の光パワーをの増大させること加を検討していするときに役立つご提案です。

  1. ファイバースプライサを使用してファイバ部品をシステムに融着接続すると、空気/ファイバ界面での損傷の可能性を最小化できます。品質の高い融着接続が実現されるよう、すべて適切なガイドラインに則って実施する必要があります。融着接続の状態が悪いと、散乱や融着接続面での局所的な加熱などが発生し、ファイバを損傷する可能性があります。

  2. ファイバまたはファイバ部品の接続後、ローパワーでシステムのテストやアライメントを実施してください。システムパワーを必要な出力パワーまで徐々に上昇させ、その間、定期的にすべての部品が適切にアライメントされ、結合効率が入力パワーによって変動していないことを確認します。

  3. ファイバを鋭く曲げると曲げ損失が発生し、ファイバのストレスを受けた部分から光が漏れる可能性があります。ハイパワーで使用している時は、大量の光が小さな局所領域(歪みのある領域)から流出すると局所的に加熱され、ファイバが損傷する可能性があります。使用中はファイバの曲げが生じないよう配慮し、曲げ損失を最小限に抑えてください。

  4. また、用途に適したファイバを選ぶことも損傷防止に役立ちます。例えば、ラージモードエリアファイバは、標準的なシングルモードファイバをハイパワー光用として用いる場合の良い代替品となります。優れたビーム品質を有しながらMFDも大きいため、空気/ファイバ界面でのパワー密度は小さくなります。

  5. ステップインデックスシングルモード石英ファイバは、一般にUV光やピークパワーの大きなパルス光には使用しませんが、これはその用途に伴う空間パワー密度が大きいためです。


Posted Comments:
jlow  (posted 2014-08-28 03:32:46.0)
Response from Jeremy at Thorlabs: We typically only sell this by the meter. We might have some smaller pieces available though. I will check on this and contact you directly.
Buki at Thorlabs  (posted 2011-01-27 02:38:16.0)
Thank you for your feedback, Robin. There may have been a delay between when you clicked on the tab and when it loaded. The Documents and drawings tab worked fine when we tested it on both the .com and .hk sites. Please try again and contact TechSupport@thorlabs.com if youre still having problems accessing the files.
rw  (posted 2011-01-26 12:05:35.0)
Hi, From this page: http://www.thorlabs.hk/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=1785 there is a link to Documents and Drawings: http://www.thorlabs.hk/1785Documents%20&%20Drawings but your server reports there is no such page. Cheers - Robin
Back to Top

イッテルビウム添加ファイバ、コア励起、偏波保持、シングルクラッド

  • 高いコア励起吸収:75 ± 10 dB/m @ 920 nm
  • 標準的なシングルモードファイバとの高い接続性
  • 非常に高いフォトダークニング耐性

イッテルビウム添加シングルモード、シングルクラッドファイバLiekki YB300-6/125-PMは、低平均出力のファイバーレーザおよび増幅器の用途にご使用いただけます。高いコア励起吸収と非常に高いフォトダークニング耐性を有し、当社のPM980-XPまたはSM980-5.8-125ファイバのような標準的なシングルモードファイバとの接続性に優れています。ファイバ増幅器用のコア励起プリアンプや、周波数を2倍にして使用するための赤外(IR)入力光源としてご使用いただけます。対応するパッシブファイバは下でご紹介しております。

Item #aCladding GeometryAbsorption
@ 920 nm
Core DiameterMFDbCladding DiameterCoating DiameterCore NAc
YB300-6/125-PMRound, PANDA75 ± 10 dB/m5.5 ± 1.0 µm7.0 ± 0.5 µm125 ± 2 µm245 ± 15 µm0.12
  • 仕様の詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • この仕様は、1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径となっています。
  • 公称値
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
YB300-6/125-PM Support Documentation
YB300-6/125-PMYtterbium-Doped PM Single Mode Single-Clad Fiber, 7.0 µm MFD
¥13,726
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
Back to Top

イッテルビウム添加偏波保持ファイバ、クラッド励起、ダブルクラッド

Yb Core-Pumped Efficiency
Click to Enlarge

そのほかのファイバのスロープ効率を示したグラフは下の表でご覧いただけます。

用途例

  • 低コストマーキングレーザ
  • 高い平均出力パルスの増幅器
  • 中~高出力パルスレーザ、およびCWレーザ
  • 材料加工
  • レーザ距離測定(LIDAR)

特長

  • クラッド励起設計
  • シングルモード(SM)またはラージモードエリア(LMA)動作
  • 高励起吸収と低いフォトダークニング

これらのイッテルビウム添加ダブルクラッドファイバは、20 Wまでの中程度から高出力パルス光のファイバ増幅器として適しています。対応するパッシブファイバは下でご紹介しております。

主な特長
YB1200-6/125DC-PM通信用途向けと同様の形状により、回折格子やコンバイナのような標準的なコンポーネントにご使用いただけます。
YB1200-10/125DC-PM高いクラッド吸収とシングルモードコアにより、光ファイバ光増幅器に適しています。
YB800-20/125DC-PM高いクラッド吸収により、大きなコア対クラッド比を必要とする短パルスの用途に適しています。
YB1200-25/250DC-PM高いクラッド吸収と高効率により、高い平均出力パルスの増幅器にご使用いただけます。
Item #aCladding
Geometry
Absorption
@ 920 nm
Core DiameterMFDCladding
Diameter
Coating
(Second Cladding)
Diameter
Core
NA
Cladding
NA
Slope
Efficiency
Plot
YB1200-6/125DC-PMRound, PANDA0.55 ± 0.1 dB/m-7.0 ± 0.5 µmb125 ± 1 µm245 ± 15 µm0.12c-
YB1200-10/125DC-PM1.7 ± 0.3 dB/m10.0 ± 1.0 µm-0.080 ± 0.005≥0.48
YB800-20/125DC-PM5.1 ± 0.75 dB/m20.0 ± 1.5 µm15.0 ± 1.0 µmb125 ± 1.0 µm0.065 ± 0.004-
YB1200-25/250DC-PM2.3 ± 0.3 dB/m25.0 ± 1.5 µm-250 ± 6 µm350 ± 15 µm0.062 ± 0.005
  • 仕様の詳細は「仕様」タブをご覧ください
  • この仕様は、1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径となっています。
  • 公称値
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
YB1200-6/125DC-PM Support Documentation
YB1200-6/125DC-PMYtterbium-Doped PM Single Mode Double-Clad Fiber, 7 µm MFD
¥14,726
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
YB1200-10/125DC-PM Support Documentation
YB1200-10/125DC-PM Ytterbium-Doped PM LMA Double-Clad Fiber, 10 µm Core Diameter
¥30,952
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
YB800-20/125DC-PM Support Documentation
YB800-20/125DC-PMYtterbium-Doped PM LMA Double-Clad Fiber, 20 µm Core Diameter
¥42,318
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
YB1200-25/250DC-PM Support Documentation
YB1200-25/250DC-PMYtterbium-Doped PM LMA Double-Clad Fiber, 25 µm Core Diameter
¥55,059
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
Back to Top

偏波保持パッシブダブルクラッドファイバ、ダブルクラッドファイバ接続用

  • 希土類添加アクティブファイバと接続可能
  • シングルモード(SM)とラージモードエリア(LMA)ファイバをご用意
  • 標準規格構造のため取扱いが容易
  • 偏波保持型

このパッシブPM(偏波保持)ファイバは、上記のシングルクラッドアクティブファイバYB300-6/125-PM、ダブルクラッドアクティブファイバYB1200-6/125DC-PM、YB1200-10/125DC-PM、YB800-20/125DC-PM、YB1200-25/250DC-PMを融着接続するように設計されています。コア径や開口数は上記のアクティブファイバとマッチするようになっており、ファイバーレーザやファイバ増幅器システム全体を通して優れたビーム品質が維持できます。

パッシブファイバは屈折率の低いアクリレート樹脂でコーティングされており、アクティブファイバの励起を可能にしています。ご要望に応じて、屈折率の高いアクリレートをコーティングしたファイバもご提供しております。詳細については当社までご相談ください。

Item #aCompatible
Active Fiber
Cladding
Geometry
Core
Diameter
MFDCladding
Diameter
Coating
(Second Cladding) Diameter
Core
NA
Cladding NAProof Test
P-6/125DC-PMYB300-6/125-PM
YB1200-6/125DC-PM
Round,
Panda
-7.0 ± 0.5 µmb125 ± 2 µm245 ± 15 µm0.12
(Nominal)
≥0.48≥100 kpsi
P-10/125DC-PMYB1200-10/125DC-PM10.0 ± 1 µm-125.0 ± 1 µm0.08 ± 0.005
P-20/125DC-PMYB800-20/125DC-PM-15.0 ± 1.0 µmb125.0 ± 1 µm-
P-25/250DC-PMYB1200-25/250DC-PM25.0 ± 1.5 µm-250 ± 3 µm350 ± 15 µm0.070 ± 0.005
  • 仕様の詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • コア径の仕様は、1060 nmにおけるニアフィールドでのモードフィールド径となっています。
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
P-6/125DC-PM Support Documentation
P-6/125DC-PMPassive PM Single Mode Double-Clad Fiber, 7 µm Core, Matched to YB1200-6/125DC-PM
¥3,814
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
P-10/125DC-PM Support Documentation
P-10/125DC-PMPassive PM LMA Double-Clad Fiber, 10 µm Core, Matched to YB1200-10/125DC-PM
¥4,165
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
P-20/125DC-PM Support Documentation
P-20/125DC-PMPassive PM LMA Double-Clad Fiber, 20 µm Core, Matched to YB800-20/125DC-PM
¥8,384
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
P-25/250DC-PM Support Documentation
P-25/250DC-PMPassive PM LMA Double-Clad Fiber, 25 µm Core, Matched to YB1200-25/250DC-PM
¥14,885
Per Meter
Volume Pricing
7-10 Days
Last Edited: Jan 09, 2014 Author: Dave Gardner