低ノイズ、ターンキー式レーザーシステム、780 nmまたは795 nm

- High-Power, Turnkey, Single-Frequency Laser Systems
- Wavelengths Targeting Rb at 780 nm (D2) or 795 nm (D1)
- 2.4 nm Temperature Tuning Range
- >25 GHz DC Current Modulation Tuning Range
DBR78TK
Low-Noise, Turnkey Laser System, 780 nm
The frequency noise spectral density gives a Lorentzian linewidth of 235 kHz for the DBR78TK Laser and 147 kHz for the DBR79TK Laser.

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Key Specifications | ||
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Item # | DBR78TK | DBR79TK |
Center Wavelength | 780.2 nm | 794.8 nm |
Output Powera,b | > 30 mW | |
Typical Linewidth | < 400 kHz | |
DC Current Tuning Range (Typical) | 39 GHz | 26 GHz |
Typical RINc | -150 dBc/Hz | |
Temperature Tuning Range | 2.4 nm |
用途例
- ルビジウム冷却
- ルビジウム再励起
- 中性原子量子コンピューティング
- ルビジウムリュードベリ状態
- ルビジウム分光法
- SPDC結晶励起
特長
- ルビジウム遷移に適した高出力のターンキー式単一周波数レーザ装置
- 出荷時にルビジウムD2(型番DBR78TK)またはD1(型番DBR79TK)公称真空遷移に設定
- 相対強度ノイズと線幅を最小化する低ノイズの駆動エレクトロニクス
- DC電流、AC電流、レーザ温度用のアナログ変調入力
- 内蔵のアイソレータが、後方反射光の影響を最小限に抑制
- USB 2.0を介したコマンドラインインターフェイスにより、リモート動作および設定値の調整が可能
単一周波数動作のターンキー式低ノイズレーザーシステムDBR78TK、DBR79TKには、分布ブラッグ反射型(DBR)半導体レーザDBR780PNまたはDBR795PNが内蔵されており、ベンチトップ型装置の筐体内には低ノイズドライバと温度安定化装置があります。レーザの線幅と相対強度ノイズ(RIN)を最小化するために、このレーザには、電流ノイズを最小化するように設計された駆動用電子回路が搭載されています。レーザの出力部には、レーザの後方反射の影響を最小化するためのアイソレータも内蔵されています。
各DBRシステムは、ルビジウムの原子遷移線と一致する波長で30 mW以上の光出力を提供するよう、出荷時に駆動電流と温度が設定されています。各レーザには、予め設定された動作条件で測定された試験データシートが付属します。サンプルデータはこちらからご覧いただけます。また、これらのレーザーシステムの波長と出力パワーは、デバイス前面のアナログポートまたはUSB通信によるコマンドの送信によって、レーザーチップの電流または温度を調整することによってもチューニングできます(下記の「リモート操作」セクション参照)。これらのレーザの電流と温度チューニングの詳細については、「グラフ」と「仕様」のタブをご覧ください。
これらのレーザは、FC/APCバルクヘッド(2.0 mmナローキー)出力コネクタ付きのファイバ出力型です。最良の性能を得るために、ファイバPM780-HPを組み込んだ偏波保持FC/APCファイバーパッチケーブルのご使用をお勧めいたします。なお、偏光軸はバルクヘッドコネクタのナローキーにアライメントされています。
システムは、12 VDC、4 A入力で動作します。 各レーザには 電源DS12が付属しています。デバイスに含まれる製品のリストについては、「発送品リスト 」タブをご覧ください。
また、1310 nmと1550 nmの分布帰還型(DFB)および超低ノイズ(ULN)の単一周波数半導体レーザのターンキー式タイプもご用意しています。DBR、DFBおよびULNの単一周波数半導体レーザの製品リストについては当社までお問い合わせください。これらの単一周波数半導体レーザの特長については「SFL概要」タブをご覧ください。
リモート操作
ユニット背面のUSBポート、またはRS-485通信プロトコル用のDサブ9ピンコネクタ経由でレーザをPC(付属しません)に接続し、コマンドラインインターフェイスを使用することで、リモート操作も可能です。レーザのON/OFFの切り替えや、ステータスインジケータの読み取りなどの基本的な機能に加えて、コマンドラインを使用してレーザの動作設定値を変更することができます。コマンドの一覧についてはレーザのマニュアルでご覧いただけます。USB 2.0 Type-A - Mini-BケーブルUSB-AB-72は各デバイスに付属しています。RS-485通信プロトコル用のDサブ9ピンコネクタ(オス)は、システムの背面パネルにあります。Dサブ9ピンコネクタのピンの配列については「ピン配列」タブをご参照ください。
用途
こちらのレーザは、周波数ロック用途を念頭に設計されています。レーザ周波数ロックでは、周波数チューニング可能な半導体レーザが、ルビジウム基準ガスセルを通して、逆伝搬する励起(ポンプ)ビームとプローブビームに分割されます。この技術によって、ドップラー広がり吸収プロファイルの中で、ラムディップとして知られる狭い超微細構造が分離し、レーザ周波数安定化のためのシャープな誤差信号が生成されます。これらのレーザを、デジタルサーボコントローラDSC1や差分フォトディテクタPDB210Aなどの変調やフィードバックを行う電子回路と組み合わせることで、原子時計、レーザ冷却、量子センシングなどの用途に不可欠な、原子遷移への強固で長期的な周波数ロックが可能になります。
これらのレーザは、当社のBBO結晶やPPKTP結晶を励起してSPDC(自発的パラメトリック下方変換)を実現し、偏光エンタングル光子対やヘラルド単一光子を生成するためにも使用できます。
Item # | DBR78TK | DBR79TK |
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Laser Specificationsa | ||
Center Wavelengthb | 780.2 nm | 794.8 nm |
Output Powerc,d | > 30 mW | |
Linewidthe | < 400 kHz | |
DC Current Modulation Tuning Range (Typical) | 39 GHz | 26 GHz |
Relative Intensity Noise (RIN)f | -150 dBc/Hz | |
Side-Mode Suppression Ratio (SMSR) | > 30 dB (Typ. 50 dB) | |
Polarization Extinction Ratio (PER) | > 16 dB | |
Output Isolation | > 25 dB | |
Threshold Current | 30 mA (Typ. 45 mA) | |
Current Tuning Coefficient | 0.002 nm/mA | 0.0014 nm/mA |
Temperature Tuning | 0.06 nm/°C | |
Slope Efficiency | 0.25 W/A | |
Temperature Tuning Range | 2.4 nm | |
Fiber Specifications | ||
Output Fiber Typeg | PM780-HP | |
Output Fiber Connectors | FC/APC Compatible, 2.0 mm Narrow Key | |
External Modulation Specifications | ||
Current Modulation Rate (AC and DC) | 2 mA/V (AC), 4 mA/V (DC) | |
Temperature Modulation Rate | Firmware Adjustable (Default = 0.2 °C/V) | |
External Voltage Range (All Modulation Ports) | -5 V to 5 V | |
Input Impedance (All Modulation Ports) | 1 kΩ | |
AC Current Modulation Frequency Range | 2 kHz to 20 MHz | |
DC Current Modulation Frequency Range | DC to 5 MHz | |
Temperature Modulation Bandwidth | 1 Hz |
Absolute Maximum Ratings | ||
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Item # | DBR78TK | DBR79TK |
Absolute Maximum Output Power | 45 mW | |
Operating Chip Temperature | 5 °C to 45 °C | |
Storage Temperature | -10 °C to 65 °C |
General Specifications | ||
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Item # | DBR78TK | DBR79TK |
Input Voltage | 12 V (from DS12 Power Supply) | |
Input Power | 20 W (Max) | |
Dimensions (W x D x H) | 10.00" x 5.31" x 2.93" (254.0 mm x 135.0 mm x 74.4 mm) | |
Weight | 4.7 lbs (2.1 kg) | |
Laser Class | 3B |
Figure 3.1、3.2は、低ノイズ単一周波数レーザーシステムの相対強度ノイズ(RIN)と周波数ノイズを表しています。

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Figure 3.2 レーザーシステムDBR78TKとDBR79TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の周波数ノイズのデータ例。

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Figure 3.1 レーザーシステムDBR78TKとDBR79TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の典型的な低周波の相対強度ノイズ(RIN)。この測定は100 kHzを超える周波数ではノイズフロアの制限を受けます。
Figure 3.3、3.4は、低ノイズレーザーシステムDBR78TKとDBR79TKの典型的な性能を示しています。各デバイスには個別の性能データが記載されたデータシートが付属します。データシートのサンプルはこちらからご覧いただけます。

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Figure 3.3 レーザーシステムDBR78TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の出力パワーと電流の関係を表したデータ例。

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Figure 3.4 レーザーシステムDBR79TKを工場出荷時の設定条件で動作させた場合の出力パワーと電流の関係を表したデータ例。
Figure 3.5、3.6は、レーザーシステムDBR78TKとDBR79TKの典型的なチューニングレンジにおける例です。 各デバイスには個別の性能データが記載されたデータシートが付属します。データシートのサンプルはこちらからご覧いただけます。Figure 3.7、3.8は、各レーザのターゲットルビジウム遷移の吸収スペクトルと、それぞれの電流変調のチューニングレンジを重ね合わせて示しています。レーザの温度を調整して、電流変調のチューニングレンジの中心位置を移動させる事ができます。

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Figure 3.7 中心波長780.24 nmのルビジウムの吸収スペクトル。青色に網掛けされた領域は、レーザDBR78TKの電流変調のチューニングレンジを示しています。

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Figure 3.8 中心波長795 nmのルビジウムの吸収スペクトル。青色に網掛けされた領域は、レーザDBR79TKの電流変調のチューニングレンジを示しています。

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Figure 4.2 ターンキー式DBRレーザDBR78TKの背面パネル

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Figure 4.1 ターンキー式DBRレーザDBR78TKの前面パネル
Front Panel | |
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Call Out | Description |
1 | Status Indicator LEDs |
2 | Laser Output Port (FC/APC, 2.0 mm Narrow Key, PM Fiber Output) |
3 | Laser Enable Key |
4 | AC Current Modulation Input (SMA Female) |
5 | DC Current Modulation Input (SMA Female) |
6 | Temperature Control Modulation Input (SMA Female) |
Back Panel | |
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Call Out | Description |
1 | RS-485 Communication (DB-9 Male) |
2 | USB Communication (USB Mini-B) |
3 | Remote Interlock Pin (2.5 mm Mono Phono Female) |
4 | Power Switch |
5 | DC Input (M8 Connector for the DS12 Power Supply) |
レーザDBR78TKとDBR79TKのピン配列
全変調入力
SMAメス型

入力電圧: -5 V~5 V
入力インピーダンス: 1 kΩ
詳細は「仕様」タブをご覧ください。
RS-485による通信
Dサブオス型9ピンコネクタ 
Pin Assignment | |
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Pin | Output Signal |
1 | RS-485 Half-Duplex T/R+ |
2 | RS-485 Half-Duplex T/R- |
3 | Not Connected |
4 | Not Connected |
5 | Ground |
6 | Not Connected |
7 | Ground |
8a | Do Not Connect |
9a | Do Not Connect |

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Figure 6.1 レーザシステムDBR78TKおよびアクセサリ
ECL、DFB、VHG安定化、DBRならびにハイブリッドの単一周波数レーザ(SFL)

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Figure 7.1 ECLは、利得チップの外側に回折格子があります。
多くの用途では、単一周波数動作の調整が必要になります。単一周波数出力を得るための半導体レーザとしては現在、外部共振型(ECL)、分布帰還型(DFB)、体積型ホログラフィック回折格子型(VHG)、分布ブラッグ反射型(DBR)の主に4種類のレーザがあります。どれも回折格子を使用したフィードバックによって単一周波数を出力します。外部共振型(ECL)ではさらにファイバーブラッググレーティング(FBG)を組み合わせたハイブリッド製品がございます。しかしそれぞれ回折格子のフィードバック構造が異なるので、出力や帯域幅、ならびにサイドモード抑圧比(SMSR)などの性能が異なります。下記では、単一周波数半導体レーザの主な違いについて述べています。
外部共振型レーザ
外部共振型レーザ(ECL)は、その構造により多くの標準的な自由空間半導体レーザに対応します。これにより、ECLは内部の半導体レーザ利得素子に応じて様々な波長で使用できます。半導体レーザの出力光はレンズによってコリメートされ、回折格子に入射されます(Figure 7.1参照)。回折格子はフィードバック(反射)を生じさせ、安定した出力波長を選択するために用いられます。適切な光学設計により外部共振器が単一縦モードのレーザ光のみを選択するため、単一周波数で高いサイドモード抑圧比(SMSR > 45 dB)のレーザが出力されます。
ECLのメリットの1つに比較的長い共振器長が超狭線幅(< 1 MHz)をもたらすことがあります。また、様々な半導体レーザを組み込むことができるので、青色ならびに赤色波長において狭線幅の光を放出できる数少ない方式の1つとなっております。広いチューニングレンジ(100 nm以上)を得ることができますが、ECLの機械設計、ならびに半導体レーザの反射防止(AR)コーティングの質によってモードホップする傾向があります。

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Figure 7.2 DFBレーザにはアクティブゲイン媒体の長さに沿って、ブラッグ反射鏡が形成されています。
分布帰還型レーザ
分布帰還型(DFB)レーザ(近赤外および中赤外でご提供可能)は半導体レーザ構造内に回折格子が組み込まれているレーザとなっております(Figure 7.2参照)。アクティブ領域と密結合する波形の周期構造がブラッグ反射鏡として働き、単一縦型のレーザ光モードを選択します。アクティブ領域がブラッグ周波数近くで十分な利得を得られれば、端面反射鏡は必要なく、代わりにブラッグ反射鏡が全ての光フィードバックならびにモード選択に用いられることになります。この「内蔵型」の光選択によってDFBレーザは、幅広い温度ならびに電流範囲で単一周波数動作を得ることができるのです。DFBレーザにはモード選択の補助や歩留り向上のためによく位相シフト部分がレーザ構造内に用いられています。
DFBのレーザ波長は、ブラッグ波長とほぼ等しくなっております。
ここで、λは波長、neffは有効屈折率、Λは回折格子の周期です。レーザ波長は、有効屈折率を変えることによってチューニングができます。有効屈折率の変化はDFBレーザの温度ならびに駆動電流のチューニングによって得られます。
DFBレーザは、850 nmでは約2 nm、1550 nmでは約4 nm、中赤外域(4.00~11.00 µm)では少なくとも1 cm-1の比較的狭いチューニングレンジとなります。しかし、このチューニングレンジにわたり単一周波数動作が得られています。つまりこれがモードホップ無しの連続したチューニングレンジであることを意味します。この特長により、DFBは光ファイバ通信やセンサなど、様々な用途で広く使用されています。DFBの共振器長は比較的短いため、線幅の典型値は1 MHz~10 MHzの範囲内となります。また、回折格子の構造とアクティブ領域が同じ領域にあるため、DFBの最大光出力は、ECLやDBRレーザに比べて低くなっております。

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Figure 7.3 VHGレーザの体積型ホログラフィック回折格子は、アクティブゲイン媒体の外側にあります。
体積型ホログラフィック回折格子型安定化レーザ
体積型ホログラフィック回折格子型(VHG)安定化レーザもブラッグ反射鏡を使用しますが、この場合は、透過型回折格子は半導体レーザ出力の前に置かれます(Figure 7.3参照)。この回折格子は半導体レーザの一部ではないため、半導体レーザからは熱的に分離することが可能で、デバイスの波長安定性が向上します。回折格子は、通常は複数種類の屈折率の光学材料(通常はガラス)を周期的に積層する構成です。ブラッグの条件を満たす波長の光だけが反射してレーザ共振器に戻り、それにより非常に高い波長安定性を有するレーザになります。VHG安定化レーザは、高パワーにおいて、DFBレーザと同様の線幅で出力可能で、広い範囲の電流および温度にわたって波長がロックされます。

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Figure 7.4 DBRレーザのブラッグ反射鏡はアクティブゲイン媒体の外側にあります。
分布反射型レーザ
分布反射型(DBR)レーザは、DFBレーザと同様、回折格子が内部に組み込まれています。しかしDFBレーザの回折格子はアクティブ(利得)領域に沿っているのに対し、DBRレーザの回折格子は、アクティブ領域の外側に位置しています(Figure 7.4参照)。一般的にDBRレーザは典型的なDFBレーザにはない様々な領域を組み込むことが可能なので制御範囲とチューニングレンジがより広くなります。例えばマルチ電極DBRレーザには位相制御領域があり、回折格子周期や半導体レーザ駆動電流制御とは独立して、位相のみを制御することが可能です。この制御を共に使用することによってDBRレーザは幅広いチューニングレンジで単一周波数動作が可能となります。例えば高性能なサンプルグレーティングDBRレーザのチューニングレンジは最大30~40 nmになりえます。DFBレーザと異なりモードホップフリーではないため、入射ならびに温度を維持できるよう慎重な制御が必要です。
制御構造が複雑なマルチ電極DBRレーザに対し、構造をよりシンプルにした単電極のみで設計されたDBRレーザもあります。単電極DBRレーザには、回折格子ならびに位相制御の複雑構造はありませんが、チューニングレンジはマルチ電極に比べて狭くなります。チューニングレンジはDFBレーザと同程度になり、駆動電流や温度によってモードホップも生じます。モードホップのデメリットはありますが、回折格子がデバイスの長さと同じでなければいけない制限はないため、DFBレーザと比べて光出力が大きいなどのメリットもあります。DBRならびにDFBのレーザの線幅は同程度です。当社では現在単電極DBRレーザのみをご提供しております。
超低ノイズハイブリッドレーザ
当社の超低ノイズ(ULN)ハイブリッドレーザは、SAF利得チップが通常より長さのあるファイバーブラッググレーティング(FBG)に結合されています。こちらのレーザは外部共振型(ECL)に似たレーザ共振器をファイバの長さ方向に沿って作るよう設計されています。この共振器によりULNシリーズハイブリッドレーザの線幅は約100 Hzと非常に狭く、また相対強度ノイズも-165 dBc/Hz(典型値)と低くなります。ファイバーブラッググレーティング(FBG)の熱的分離を保つ構造を取り、そこで利得媒質から放出される光を部分的に反射させます。格子周期はFBGに熱(その結果かかる熱応力)を加えることで変動させることができます。利得媒質とFBGを独立に温度調整できる構成から、温利得媒質の温度を安定させながら、独立してレーザ出力波長を温度でチューニングします。レーザの構成が優れた低ノイズ性能を発揮するため、レーザ本体がノイズの制限要因になることはないでしょう。レーザの環境をモニタし、振動や音響振動などノイズに寄与する要因を制限し、レーザを低ノイズ電流源で駆動して使用することが重要です。

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Figure 7.5 当社のハイブリッドレーザは、ファイバーブラッググレーティング(FBG)が利得媒質に結合しています。
結論
ECL、DFB、VHG、DBRならびにハイブリッドレーザは、設計されたチューニングレンジで単一周波数を発振します。ECLは、DFBやDBRレーザよりも幅広い波長の選択が可能となります。モードホップする傾向がありますが、狭い線幅(< 1 MHz)をもたらします。適切に設計された機器では、ECLによって超広帯域幅(100 nm以上)をもたらすことも可能です。
DFBレーザは最も安定した単一周波数レーザです。DFBのレーザーチューニングレンジ(5 nm以下)内ではモードホップフリーの性能を発揮するため、単一周波数レーザとして最もご要望の多いレーザです。DFBレーザ特有の連続グレーティングフィードバック構造のため、光出力は最も低くなっております。
VHGレーザは、広い範囲の温度および電流にわたって、波長性能が安定しているため、DFBレーザの典型値よりも高いパワーが可能です。この安定性によりOEM用途(組み込み用途)での使用にも適しています。
単電極DBRレーザもDFBレーザ(チューニングレンジ5 nm以下)に似た線幅とチューニングレンジです。出力が大きくできる一方で、単電極DBRレーザはチューニング曲線で周期的なモードホップを発生します。
ハイブリッドレーザでは、けた外れの狭線幅と、ノイズが非常に低い信号を得ることができます。この利点を利用するためには、振動ならびに音響振動など不要なノイズ源からレーザを隔離し、低ノイズ電流源で駆動することが必要です。
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- 中心波長:780 nmまたは795 nm
- ルビジウムのD2(型番DBR78TK)またはD1(型番DBR79TK)の公称真空遷移における出力パワー:30 mW以上
- 電流変調のチューニングレンジ:25 GHz DC以上
- 温度による波長調整範囲:2.4 nm
- ローレンツ線幅:400 kHz以下
- 相対強度ノイズ(RIN):-150 dBc/Hz(典型値)
- 30 dB SMSR(典型値)
当社のレーザDBR78TK、DBR79TKはターンキー式の低ノイズレーザ装置です。バタフライパッケージに収められた分布ブラッグ反射(DBR)型の半導体レーザが内蔵されており、ベンチトップ型の筐体内には高性能な低ノイズドライバと温度安定化装置があります。 DBR78TKは、ルビジウムのD2原子遷移線に一致する780.2 nmを中心波長とし、DBR79TKはルビジウムのD1遷移線に一致する794.8 nmを中心としています。レーザのケース温度は第3の温度安定化回路によって安定化されているため、システムが標準的な実験室環境で使用される場合、長期的な出力と波長の安定性をもたらします。典型的な性能仕様についてはTable G1.2のInfoアイコン()をご覧ください。