石英ウェッジデポラライザーのチュートリアル


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出力ビームの偏光状態における空間周期
ポラライザからの出力ビームの偏光状態空間周期性は、直線偏光状態の単色光源を使用することで簡単に確認できます。 この空間周期性を生成するためには、直線偏光の単色ビームのビームウェストは6 mmより大きくなければなりません。 この効果を確認するには、ビームの伝搬方向がデポラライザの厚みのあるウェッジに対して垂直に入射するように、石英ウェッジデポラライザを設置します。
光線の空間周期性を検知するには、光線が石英ウェッジデポラライザから出た所に直線偏光子(アナライザ)を設置してください。 強度のバラツキはFigure 1.2 と 1.4 と 1.6が示すように帯状となります。 このように帯状となるのは、素子の厚みがウェッジにより変わり、偏光回転量は厚みにより変わることから、ウェッジの傾斜部に沿った形になるためです。 入射光やデポラライザ角度に関するいくつかの例を下記で説明します。
例1:
最初の例では、635 nmで直線偏光状態の光源から出るビームウェストが20 mmの光線を取り上げます。 光はデポラライザの厚いウェッジに対して垂直に入射すると、厚いウェッジの光軸(ファスト軸)と同じ方向に偏光されます。 薄いウェッジの光軸は、入射光の偏光状態に対しても厚いウェッジの光軸に対しても、同様に45oの角度となります。 このような向きである場合、ウェッジの傾斜部も入射光の偏光に対して平行な向きとなります。
厚いウェッジと薄いウェッジの光軸とそれに対する入射光の偏光状態の方向を図解しているのがFigure 1.1です。 入射光の偏光状態を表わしているのが赤い線で、厚いウェッジの光軸が青い線、薄いウェッジの光軸が緑の線です。 デポラライザの図の上部にある真っすぐな線(青い実線)は、厚いウェッジの光軸に対して垂直な切断面です。 図の右側の真っすぐな線(青い点線)は、薄いウェッジの光軸に対して垂直な切断面です。
Figure 1.2は、空間に依存する偏光角度の理論的プロット図です。 このカラープロット図は、上記で説明した入射ビームの特性に基づいたデポラライザからの出射ビームの偏光角度を示しています。
この帯状の疑似カラープロットは、同一の偏光状態における異なる領域を図解しており、偏光状態が水平軸(入射光の偏光状態に対して垂直)と完全に一致している場合から垂直軸(入射光の偏光状態に対して平行)と完全に一致している場合までのバラツキを図解しています。 2つの偏光状態の刻みはこの場合は約2 mmです。 帯の向きは必ず厚いウェッジの光軸に対して垂直であり、この場合は入射光の偏光状態に対しても垂直です。
Figure 1.1 厚いウェッジの光軸に平行な入力偏光状態
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Figure 1.2 厚いウェッジの光軸に平行な直線偏光状態の入射光が、デポラライザ透過後に示す計算上の疑似カラープロット
例2:
この例では、前述と同じ直線偏光の光源を使用していますが、入力偏光状態は薄いウェッジの光軸に対して平行で、厚いウェッジの光軸に対して45°の方向となります。 入射時の偏光状態、そして厚いウェッジと薄いウェッジの光軸との位置 関係はFigure 1.3で図解されています。 入射光偏光状態を表わしているのが赤い線で、厚いウェッジの光軸が青で薄いウェッジの光軸が緑です。 デポラライザの図の上部にある真っすぐな線(青い実線)は、厚いウェッジの光軸に対して垂直な切断面です。 図の右側の真っすぐな線(青い点線)は、薄いウェッジの光軸に対して垂直な切断面です。
石英ウェッジデポラライザを透過する光の光源と方向に関する計算結果を表しているのがFigure 1.4です。 Figure 1.2と同様に疑似カラープロッ トで示された帯は、同一の偏光状態における異なる空間依存領域を図解しています。 ここでは、帯の方向が厚いウェッジの光軸(そしてウェッジの傾斜部)に対 して垂直であることにご留意ください。 さらに入射光の方向は帯の方向に対しては何の影響もありません。
入力偏光状態を回転させて影響があるのは、帯の特定の偏光状態に限定されます。 これを確認するのは簡単で、Figure 1.2 と 1.4の垂直軸における0 mmでの帯を比較してください。 Figure 1.2では、0 mmにおける帯の角度は45oであるのに対し、Figure 1.4では0 mmにおける帯の角度は90oです。
Figure 1.3 薄いウェッジの光軸に平行な入力偏光状態

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Figure 1.4 薄いウェッジの光軸に平行な直線偏光状態の入射光が、デポラライザ透過後に示す計算上の疑似カラープロット
例3:
この最後の例では、入射光は例1と同じ特性を有します。 しかしながら石英ウェッジデポラライザは45o回転しているので、入射の偏光状態は薄いウェッジの光軸に対して平行となります。 これらの条件を図示したのがFigure 1.5です。 入射光線の偏光(赤い矢印)は例1と同様に厚いウェッジに入射しますが、薄いウェッジ面に対しては垂直となります。
Figure 1.6の疑似カラープロットは、上記の入射光が石英ウェッジデポラライザを透過した状態の計算結果を表わします。 帯の向きがFigure 1.2 と 1.4と全く違うことが確認できます。 パターンが45o傾くのは、帯が厚いウェッジの光軸とウェッジの傾斜部の両方に対して垂直な方向にそっていることに起因します。
Figure 1.5 薄いウェッジの光軸に平行で且つウェッジ表面に対して45oの入力偏光状態
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Figure 1.6 薄いウェッジの光軸に平行な直線偏光の入射光が、ウェッジ表面に対して45oの角度でデポラライザを透過した後に示す計算上の疑似カラープロット
| Depolarizer Comparison Table | ||
|---|---|---|
| Depolarizer Type | LCP Patterned Retarder | Quartz-Wedge Design |
| Effective Beam Size | Down to Ø0.5 mm | Down to Ø6 mm |
| Surface Quality | 60-40 Scratch-Dig | 10-5 Scratch Dig |
| Thickness | 3.2 mm (0.13") | 7.35 mm (0.289") |
| Available Wavelengths | 350 - 700 nm (AR Coated) 650 - 1050 nm (AR Coated) 1050 - 1700 nm (AR Coated) | 190 - 2500 nm (Uncoated) 350 - 700 nm (AR Coated) 650 - 1050 nm (AR Coated) 1050 - 1700 nm (AR Coated) |
下のグラフでは、液晶ポリマ(LCP)のデポラライザと当社の石英ウェッジデポラライザの偏光度(DOP)を比較しています。液晶ポリマのデポラライザは、石英ウェッジデポラライザと比較して、入射角の変動に対して性能が安定しており、またサイズが小さいビームの偏光を効果的にデポラライズします。よって特にレーザの用途に有効です。一方、石英ウェッジのデポラライザは、表面品質ならびに損傷閾値が高くなっております。また、楕円偏光や円偏光のデポラライズについてはより高い性能を発揮します。
偏光度vs.ビームサイズ

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Figure 2.1 DPP25-Aは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Aは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、532 nmの半導体レーザーモジュールCPS532(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。

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Figure 2.2 DPP25-Bは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Bは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、780 nmの半導体レーザーモジュールCPS192(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。

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Figure 2.3 DPP25-Cは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Cは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、1310 nm旧製品の半導体レーザーモジュールMCLS1-1310(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。
偏光度(DOP)vs.波長

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Figure 2.4 DPP25-Aは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Aは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、ビームサイズがØ4 mmの3種類の異なるレーザを使用して3種類の波長で行いました。レーザの種類と波長は以下の通りです: 405 nm(CPS405、FWHM帯域幅:1 nm)、532 nm(CPS532、FWHM帯域幅:1 nm)、633 nm(HRS015(旧製品)、FWHM帯域幅:<10 pm)

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Figure 2.5 DPP25-Bは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Bは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、ビームサイズがØ4 mmの3種類の異なるレーザを使用して3種類の波長で行いました。レーザの種類と波長は以下の通りです: 670 nm(CPS186、FWHM帯域幅:1 nm)、780 nm(CPS192、FWHM帯域幅:1 nm)、980 nm(CPS980、FWHM帯域幅:1 nm)。

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Figure 2.6 DPP25-Cは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Cは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、ビームサイズがØ4 mmの3種類の異なるレーザを使用して3種類の波長で行いました。レーザの種類と波長は以下の通りです: 1064 nm(FWHM帯域幅:1.5 nm)、1310 nm(旧製品の半導体レーザーモジュールMCLS1-1310、FWHM帯域幅:1 nm)、1550 nm(T-Cube™旧製品TLS001-1550、FWHM帯域幅:1 nm)。
透過率
偏光度(DOP)vs.入射角

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Figure 2.10 DPP25-Aは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Aは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、ビームサイズØ1 mm、532 nmの半導体レーザーモジュールCPS532(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。

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Figure 2.11 DPP25-Bは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Bは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、ビームサイズØ1 mm、780 nmの半導体レーザーモジュールCPS192(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。

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Figure 2.12 DPP25-Cは液晶ポリマのデポラライザで、DPU-25-Cは当社の石英ウェッジデポラライザの1つです。このテストでは、ビームサイズØ1 mm、1310 nmの旧製品半導体レーザーモジュールMCLS1-1310(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。
偏光度(DOP)vs.回転角度
Figure 2.13 では、デポラライザが回転したときの偏光度の変動例を示しています。実際の性能は製品毎に異なり、また、ビームの照射位置によっても違ってきます。デポラライザを表面に垂直な軸の周りを回転させると、偏光度(DOP)が変動します。しかし、全体的にはØ0.5 mmのビームにおける液晶ポリマーデポラライザの偏光度は、石英ウェッジ設計のデポラライザより低くなります。型番に-Bと-Cがつくデポララライザも同様の結果が得られます。

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Figure 2.13 このグラフは、デポラライザを回転させた際の特性を示しています。このテストでは、ビームサイズØ0.5 mm、532 nmの半導体レーザーモジュールCPS532(FWHM帯域幅:1 nm)を使用しました。石英ウェッジのデポラライザの0°は、厚い方のウェッジのファスト軸を示している切欠きと平行方向になります。液晶ポリマのデポラライザの0°は、ファスト軸方向に平行な線となります(ファスト軸方向を示している図は「概要」タブでご覧いただけます)。
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