Fシータ(FΘ)のチュートリアル


Fシータ(FΘ)のチュートリアル


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Fシータ(FΘ)レンズ

Fシータ(FΘ)レンズは、レーザ走査や刻印システムが高い性能を発揮できるように設計されています。 このレンズは、レーザによる刻印やラベリングシステム、ならびにレーザ転写やレーザ加工に適しています。 レーザ走査や刻印の多くの用途において、最良の結果を得るためには平坦な像面が求められます。 球面レンズは円形面に沿ってのみしか結像ができません(図1A参照)。 この問題は平坦な像面を走査するレンズ系によって解消することができます。 しかし、ビームの変位は有効焦点距離(f)と偏向角θの正接[f × tan (θ)、図1 B参照]によって決まります。

この場合、変位と偏向角の非線形な関係は適切なソフトウェアのアルゴリズムで補正できますが、最も有効な解決策は線形な変位(つまり、一定の走査速度)を実現することです。 Fシータ(FΘ)レンズは、たる型の湾曲収差を得られるよう設計されているのでビーム変位はθに対して線形となります(f*θ、図1 C参照)。 このシンプルな関係により複雑な電子装置による補正が不要となり、速くて比較的費用がかからないコンパクトな走査システムが可能になるのです。

Scan Lenses
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図1:走査レンズ

Fシータ(FΘ)レンズは、レーザ走査にまつわる多くの問題を解決します。 またFシータ(FΘ)レンズのコンパクトな設計により、平坦な像面を作るために必要な光学部品の数を減らすことができます。 このレンズによってより小さいスポットサイズが得られるので、走査や印刷においては高解像度、刻印や溶接では高強度につながります。 さらに重要なことは、解像度や強度を決めるスポットサイズが像面全体に渡ってほぼ一定であることです。

走査レンズのセットアップ

レーザ走査システムは、レーザービームのウェストサイズ(集光されたスポット径)およびビームウェストの正確な位置決めについて精密な制御ができるよう最適化されています。 通常レーザ走査システムには、機能によって1枚ないし2枚の走査ミラーが組み込まれます。 例えば走査ミラーが1枚のシステムでは、ミラーはFシータ(FΘ)レンズの入射瞳の位置に置かれます。 ミラーが2枚のシステムの場合では、Fシータ(FΘ)レンズの入射瞳が2枚のミラーの間の位置に置かれます。 Fシータ(FΘ)レンズの性能を最大限に引き出すには、ミラー間の距離を最小限に抑える必要があります。

走査レンズ特性

Fシータ(FΘ)レンズを選択するにあたり、考慮すべき重要な要素として動作波長、スポットサイズ、そして走査範囲直径(SFD)があります。 これらのパラメータをふまえて、走査システムの入射ビーム径、走査ミラーの偏向、ミラーの配置や位置などに更なる制約が加わります。

F-Theta Distortion and Curvature
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図2:像面湾曲とFシータ(FΘ)湾曲収差

走査範囲直径(SFD)、または走査長は、レンズによってビームが集光される正方形の像面の対角線の長さです。 どれくらいのSFDが欲しいかにより、偏向(ならびに焦点距離)が決められます。 出射ビームの走査角度(OSA)は、走査レンズを透過後の出射ビームと像面の垂線の間の角度です。 OSAは像面のいたる場所で変わりますが、この違いは、走査や刻印といったプロセスの性能に大きく影響するものではありません。 またテレセントリックレンズの場合、OSAは常にゼロとなります。 背面焦点距離(BFL)は、実際のレンズ(外側の素子)の頂部から近軸の焦点までの距離です。 背面作動距離(BWD)は、単にレンズの筐体の端から近軸の焦点までの距離です。

もう1つ考慮すべき重要なパラメータは、像面の歪みと湾曲です。 Fシータ(FΘ)レンズは平坦な像面を得られるように設計されていますが、実際のレンズは理論上の基準を満たすことはほとんどありません。 若干の歪みと湾曲は存在します。 図2ではFシータ(FΘ)レンズFTH100-1064のパラメータを示しています。ここで、焦点距離は100 mm、最大偏向角は28°です。 走査角度に応じた像面湾曲をミリ単位で、Fシータ(FΘ)湾曲収差を%で表しています。 走査システムを構築する際には通常、湾曲がゼロになる地点をスキャン範囲の中間に置くと、走査中の湾曲の発生を小さくすることができます。

まとめ

先に述べたとおり、レーザーシステムでは必要な解像度を得るために適切なスポットサイズを得ることと、平坦な像面のどの場所でもスポットを正確に位置決めすることが達成すべき目標となります。 回折限界性能を有する走査レンズのスポットサイズは、一般的に以下の式で算出します。

Spot Size

スポットサイズは1/e2ビーム径、λはレーザの波長、fはレンズの有効焦点距離、Aは入射瞳径です。 Cは、瞳の照度ならびに入射ビームの裾切りに関連する定数です(ガウシアンビームでは、入射ビームが1/e2径で裾切り時 C = 1.83となります)。

また焦点距離は、以下の通り、走査範囲の直径にも影響を及ぼします。

Scan Size

Lは正方形の走査範囲の対角線長、θはラジアンで表した最大偏向角度、そしてfはレンズの有効焦点距離(EFL)です。 システムでθを最大にすれば焦点距離を最少に抑えることができます。 これは光学素子のサイズを抑え、コンパクトでコスト効率の良いシステムをつくる上で、Lを維持するための方法として一般的に推奨されています。 さらに、走査ミラーのモータの不安定な動きによって生じるFシータ(FΘ)湾曲収差は、EFLを短くすることによって小さくすることができます。


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