顕微鏡対物レンズ、走査レンズ、チューブレンズのチュートリアル


顕微鏡対物レンズ、走査レンズ、チューブレンズのチュートリアル


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このページでは、顕微鏡対物レンズの機能、仕様、そして光学系内の動作に関連するチュートリアルがご覧いただけます。下の目次のリンクをクリックするか、上のタブをクリックしてください。

目次

対物レンズ、走査レンズ、チューブレンズの製品ラインナップはこちらからご覧いただけます。

対物レンズの表示


注:上の図は典型的な対物レンズの刻印ですが、こちらはあくまで例としてご参照ください。刻印されている仕様の書式や内容は、対物レンズごとに、もしくはメーカごとに異なります。
Magnification Color Codes
Immersion Media Color Codes

対物レンズの種類

当社では、様々な研究ニーズに合わせていくつかのタイプの対物レンズをご用意しています。ここでは、それぞれのタイプの対物レンズの特長と利点を説明します。

ドライ、液浸、in vivo観察用対物レンズ
ここでは対物レンズの先端とカバーガラスの間に存在する媒質について触れます。ドライタイプの対物レンズは、対物レンズと試料の間には空気を満たしていることを前提に設計されています。油浸対物レンズの場合、対物レンズと試料のカバーガラスの間にはMOIL-30のような液浸油を満たす必要があります。油浸はNAを1.0より大きくするために必要とされます。カバーガラス用水浸対物レンズ(Water Immersion)は対物レンズと試料の間に水滴入りのカバーガラスを使用する設計であるのに対し、in vivo観察用水浸対物レンズ(Water Dipping)は試料と直接接触する設計となっています。尚、液浸対物レンズやin vivo観察用対物レンズが媒質のない状態で使用された場合、像の品質は非常に低くなることにご注意ください。

プランアクロマートおよびプランアポクロマート対物レンズ
「プラン」とは対物レンズの視野にわたって平坦な像を作り出すための収差補正が行われたことを意味しています。また、「アクロマート」はレンズ設計において色収差の補正がなされていることを意味しています。こちらの対物レンズでは2つの波長に対する色収差補正と、1つの波長に対する球面補正がなされています。プランアクロマート対物レンズは緑の光に対して最も優れた像を作り出します。また、アポクロマート対物レンズは3~5の波長に対する色収差補正と、2~4の波長に対する球面収差補正がなされています。白色光を使用したカラー顕微鏡写真撮影の場合、プランアクロマート対物レンズは十分な像を作り出しますが、より補正がなされているプランアポクロマート対物レンズやプランフルオール対物レンズ(後述)には及びません。

プランフルオール(プランフルオリート)対物レンズ
プランフルオール対物レンズは、プランセミアポクロマート対物レンズや、プラン蛍光対物レンズ、プランフルオリート対物レンズとも呼ばれ、視野にわたって平坦な像を作り出します。プランフルオール対物レンズは、2~4波長において色収差、3~4波長において球面収差を補正します。プランアクロマート対物レンズよりも多くの波長において収差を補正した上、設計波長の間の波長範囲でも収差が少なくなっています。これらの対物レンズはカラー顕微鏡写真撮影の用途にも適しています。

スーパーアポクロマート対物レンズ
当社のスーパーアポクロマート対物レンズは可視域全体で軸上色収差が補正されています。これらの対物レンズでは、広い視野全体にわたり、ビネットの無い回折限界の軸上色性能が得られます。開口数(NA)が高いため、ワイドフィールド観察・撮像や光量の低い環境での使用に適しています。

用語解説

倍率(Magnification)
対物レンズの倍率はレンズチューブの焦点距離(L)を対物レンズの焦点距離(F)で割った値です。

M = L / F

システムの総合倍率は、対物レンズの倍率に接眼レンズまたはカメラチューブの倍率を乗じます。 顕微鏡用対物レンズ筐体に示されている仕様の倍率は、対物レンズを対応するチューブレンズの焦点距離でお使いになる限り正確です。

開口数(NA)
開口数は、対物レンズの最大受光角を表す無次元量です。一般的には下記の式で表します。

NA = ni × sinθa

θaは対物レンズの最大受光角度の半分(半角)、niは媒質の屈折率です。媒質は通常空気ですが、水や油、ほかの物質の場合もあります。

同焦点距離(Parfocal Length)
対物レンズ上部(取付けネジの底)からカバーガラス(カバーガラスを使用しない場合は、試料)までの距離です。同焦点距離は製造会社によって、また同じ会社の製品でも異なることがあります。例として、当社では同焦点距離が60 mmと90 mmの対物レンズを製造していますが、多くのOlympus製およびZeiss製対物レンズの同焦点距離は45 mm、Nikon製およびLeica製対物レンズの標準的な同焦点距離は60 mmです。また、同焦点距離が75 mmの特大対物レンズを製造しているメーカもあります。 同焦点距離が異なる対物レンズを使用する必要がある場合には、同焦点距離エクステンダもご用意しています。

作動距離(Working Distance)
対物レンズの先端からカバーガラスの近い方の面までの距離で、対物レンズの設計により異なります。対物レンズに刻印されているカバーガラスの厚さの仕様値によりカバーガラスを使用すべきかが分かります。


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このグラフは632.8 nmでの画質におけるカバーガラスの効果を示しています。

視野数(Field Number; FN)
視野数は、視野(mm単位)に対物レンズの倍率を乗じた数に相当します。

FN = Field of View Diameter × Magnification

カバーガラスの補正(Coverslip Correction)と補正リング(Correction Collar)
一般的なカバーガラスは、0.17 mmの厚みで設計されていますが、製造工程でのバラツキにより異なる場合があります。いくつかの対物レンズに付いている補正リング(カラー)は、内部の光学素子の位置を調整することにより厚さの違うカバーガラスに使用されます。尚、多くの対物レンズではカバーガラスの補正が可変ではありません(例えば、厚さ0.17 mmの標準のカバーガラスとのみ使用できる設計の対物レンズもあります)。その場合、対物レンズには補正リングは付いていません。

右のグラフは、632.8 nmの光における球面収差の大きさと使用するカバーガラスの厚さの関係を示しています。厚さ0.17 mmの一般的なカバーガラスを使用する場合、NA 0.40までの対物レンズではカバーガラスによる球面収差は回折限界を超えることはありません。

Widefield Viewing Optical Path
カメラで画像を表示する場合、システム倍率は対物レンズの倍率とカメラチューブの倍率の積です。三眼鏡筒で画像を表示する時のシステム倍率は、対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率の積です。
Magnification & FOV Calculator
ManufacturerTube Lens
Focal Length
Leicaf = 200 mm
Mitutoyof = 200 mm
Nikonf = 200 mm
Olympusf = 180 mm
Thorlabsf = 200 mm
Zeissf = 165 mm

緑色の欄のメーカはf = 200 mmのチューブレンズを使用しておりません。

倍率と試料領域の計算方法

倍率

システムの倍率はシステム内の各光学素子の倍率の積で求めます。倍率のある光学素子には右図の通り、対物レンズ、カメラチューブ、そして三眼鏡筒の接眼レンズが含まれます。なお、各製品仕様に記載されている倍率は通常、すべて同じメーカの光学素子を使用した時のみ有効であることにご留意ください。同じメーカの光学素子を使用していない場合、システムの倍率は下記の通り、まず対物レンズの有効倍率を求めたあと算出する必要があります。

下記の例をお手持ちの顕微鏡に応用する場合には、上のMagnification and FOV Calculator(赤いボタンをクリック)をダウンロードしてご使用ください。こちらの計算用エクセルファイルはマクロを使用したスプレッドシートになっています。計算を行う際はマクロを有効にする必要があります。マクロを有効にするには、ファイルを開いて、上部にある黄色いメッセージバー上の「編集を有効にする」ボタンをクリックしてください。

例1:カメラの倍率
試料をカメラでイメージングする場合、イメージは対物レンズとカメラチューブによって拡大されます。倍率が20倍のNikon製対物レンズと倍率が0.75倍のNikon製カメラチューブを使用している場合、カメラの倍率は20倍 × 0.75倍 = 15倍となります。

例2:三眼鏡筒の倍率
三眼鏡筒を通して試料をイメージングする場合、イメージは対物レンズの倍率と三眼鏡筒内の接眼レンズによって拡大されます。倍率が20倍のNikon製対物レンズと接眼レンズの倍率が10倍のNikon製三眼鏡筒を使用している場合、接眼レンズでの倍率は20倍 × 10倍 = 200倍となります。なお、右図のように接眼レンズでの像はカメラチューブを通りません。

メーカが異なる対物レンズと顕微鏡を使用する場合

倍率は根源的な値ではなく、特定のチューブレンズの焦点距離を推定して計算し、導き出す値です。右の表のように各顕微鏡メーカはチューブレンズに様々な焦点距離を設定しています。そのため異なるメーカの光学素子を組み合わせる場合、システムの倍率を算出するには対物レンズの有効倍率を計算する必要があります。

対物レンズの有効倍率は式1で求められます。

Equation 1(Eq. 1)

ここでDesign Magnificationは対物レンズに印字されている倍率、fTube Lens in Microscopeは使用する顕微鏡内のチューブレンズの焦点距離、fDesign Tube Lens of ObjectiveはDesign Magnificationを算出するために対物レンズのメーカが使用したチューブレンズの焦点距離です。焦点距離は右表に記載されています。

Leica、Mitutoyo、Nikonならびに当社ではチューブレンズの焦点距離は同じです。これらのメーカの光学素子を組み合わせた場合、倍率の変換は必要ありません。対物レンズの有効倍率が算出されたら、上記のようにシステムの倍率が計算できます。

例3:三眼鏡筒の倍率(異なるメーカを使用)
三眼鏡筒を通して試料をイメージングする場合、イメージは対物レンズの倍率と三眼鏡筒内の接眼レンズによって拡大されます。この例では倍率が20倍のOlympus製対物レンズと接眼レンズの倍率が10倍のNikon製三眼鏡筒を使用します。

式1と右の表によりNikon製顕微鏡内のOlympus製対物レンズの有効倍率を下記の通り計算しました。

Equation 2

Olympus製対物レンズの有効倍率は22.2倍で、三眼鏡筒の接眼レンズの倍率は10倍なので、接眼レンズでの倍率は、22.2倍 × 10倍 = 222倍となります。


Image Area on Camera

カメラでイメージングする試料領域

試料をカメラでイメージングする場合、試料領域の寸法はカメラセンサの寸法とシステム倍率を使用して下の式2で求められます。

Equation 5(Eq. 2)

カメラセンサの寸法はメーカが提供しています。またシステム倍率は対物レンズの倍率とカメラチューブの倍率の積です(例1をご参照ください)。必要に応じ、対物レンズの倍率を例3のように調整します。

倍率が高くなればなるほど分解能も向上しますが、視野は狭くなります。倍率と視野の関係性については右の図でご覧いただけます。

例4:試料領域
当社のサイエンティフィックカメラ1501M-USB(旧製品)内のカメラセンサの寸法は8.98 mm × 6.71 mmです。このカメラを例1のNikon製対物レンズと三眼鏡筒に使用した場合、システム倍率は15倍となります。イメージングの領域は下記の通りになります。

Equation 6

試料領域例

下のマウス腎臓の画像はすべて同じ対物レンズとカメラを使用して取得しました。ただし、カメラチューブのみ違う製品を使用しています。左から右の画像にいくにつれカメラチューブの倍率が下がっていますが、視野が広くなる分、細部も小さくなり見にくくなることが分かります。

Image with 1X Camera Tube
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倍率1倍のカメラチューブで取得(型番 WFA4100)
Image with 1X Camera Tube
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倍率0.75倍のカメラチューブで取得(型番 WFA4101)
Image with 1X Camera Tube
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倍率0.5倍のカメラチューブで取得(型番 WFA4102)

分解能のチュートリアル

多くのイメージングにおいて、対物レンズの分解能は重要なパラメータです。このチュートリアルでは、対物レンズの分解能を定義するために使用されるさまざまな約束事について説明します。当社のサイトに掲載しているすべてのイメージング用対物レンズには、レイリー分解能の理論値を示しています。ここに示すそれ以外の基準に基づく記述方法は、情報提供の目的で提示しています。

分解能

対物レンズの分解能は、物体の近接した構造を識別する性能を表します。これは多くの場合、2つの点光源で構成される物体を想定し、これらの2つの点光源を分解できる最小間隔を求めることによって理論的に定量化します。点光源をイメージングしてみると、単体の明るい点となることはなく、回折の影響を受けて幅の広い強度プロファイルとして現れます。このプロファイルはエアリーディスクとして知られ、強度の高い中央のピークと、それを囲む強度の低いリングから構成されます。そのため、2つの互いに近接する点光源から生成されるイメージは、2つの重なり合うエアリーディスクプロファイルから構成されることになります。したがって、対物レンズの分解能は2つのプロファイルを一意的に識別できる最小間隔によって決めることができます。どのような状態であれば2つのプロファイルが分解されたとするのかという点について、基本的な基準はありません。しかし、実際に使用されている基準は幾つかあります。顕微鏡イメージングの分野で最も一般的に使用されている基準としては、レイリーの基準とアッベの基準の2つがあります。その他の基準としては、天文学の分野でより一般的に用いられているスパローの基準があります。

レイリーの基準

レイリーの基準では、一方の強度プロファイルの最初の極小値の位置が、もう一方の強度プロファイルの最大値の位置と一致したときに、2つの重なり合うエアリーディスクプロファイルが分解されたとします[1]。エアリーディスクの最初の強度の極小値は、中心の最大値から半径1.22λf/Dの位置に生じることを示すことができます。ここで、λは光の波長、fは対物レンズの焦点距離、Dは入射瞳の直径です。したがって、開口数(NA = 0.5*D/f)を用いて、レイリー分解能は次の式で表されます。

rR = 0.61λ/NA

レイリー分解能に等しい距離だけ離れた2つのエアリーディスクの理想的なイメージを左下に示します。光源はインコヒーレント光源であると仮定しています。この図の2つの最大値を通る水平な線に沿って、その強度分布をグラフ化すると右側の図が得られます。この強度プロファイルの図における垂直の点線により、一方のエアリーディスクの最大値の位置と、もう一方のエアリーディスクの最初の極小値の位置が一致していることが分かります。2つの最大値の間には極小値があり、それにより2つの白いピークの間には灰色の領域が現れています。

Rayleigh CriterionClick to Enlarge
左:2つの点光源がレイリー分解能によって分離されたとき、それらは分解されたとみなします。2つの白いピークの間に灰色の領域がはっきりと見えます。
上:垂直の点線により、一方の強度プロファイルの最大値の位置が、もう一方の強度プロファイルの最初の極小値の位置と一致していることが分かります。
Intensity Pattern for Rayleigh Criteria

当社では、ウェブサイトに掲載しているすべてのイメージング用対物レンズについて、そのレイリー分解能の理論値を個別の製品説明ページでご提示しています。

アッベの基準

アッベの理論では、画像形成を回折の二重プロセスとして表現します[2]。そのフレームワークでは、2つの構造が距離dだけ離れているとき、それらを分解するには少なくとも0次と1次の両方の回折光が対物レンズの開口部を通過する必要があるとします。1次回折光はsin(θ1) = λ/dで表される角度θ1の方向に現れるため、分解可能な最小の物体間距離、すなわち対物レンズの分解能はd = λ/n*sin(α)で与えられます。ここで、αは対物レンズの半開口角、係数nはイメージング媒体の屈折率です。この結果は、実際の限界に対して2倍の過大評価をしています。理由は、0次光とともに対物レンズを通過しなければならない1次光は少なくとも1つあればよいわけですが、ここでは両方の1次光を通過させているためです。上記の結果を2で除し、さらに開口数の定義(NA = n*sin(α))を使用することで、有名なアッベの分解能限界が得られます。

rA = 0.5λ/NA

下の画像は、アッベの分解能限界で分離された2つのエアリーディスクを表しています。レイリー限界と比較して、原点における強度の減少を識別するのは大分困難になります。右側の強度分布図を見ると、中心の強度の減少はわずか2%です。

Abbe CriterionClick to Enlarge
左:アッベの分解能限界によって分離された2つの点光源 最大値と中央の極小値の間のコントラストは観察可能ではありますが、レイリー限界と比較するとはるかに弱くなっています。
上:このグラフでは2つの最大値の間に小さな強度の減少が見られます。
Intensity Pattern for Abbe Criteria

スパローの基準

2つの点光源の間の距離がレイリーまたはアッベの分解能基準に対応する場合、重ね合わせられた強度プロファイルにおける2つの最大値の間の原点に極小値が見えます。そういった意味では、これらの評価基準では2つの点光源を分解することができています。しかし、点光源間の距離がアッベの分解能限界を超えてさらに小さくなると、2つの独立した最大値は1つの中央の最大値に一体化され、2つの光源からの寄与を個々に分解することができなくなります。スパローの基準では、中央の極小値が中央の最大値に変化したときに分解能限界に達したとします。

スパローの分解能限界では、重ね合わせられた強度プロファイルの中心は平坦になります。これは、位置に関する微分係数が原点でゼロになることを意味します。しかし、原点でのこの1次微分係数は、重ね合わせられた強度プロファイルの極小値または最大値であるため、常にゼロです(厳密に言えば、これは2つの光源の強度が等しい場合にのみ当てはまります)。従って、原点の強度が極小値から最大値に変化するときにスパローの分解能限界に到達したことになるため、このときに2次微分係数の符号が正から負に変化する必要があります。このようにスパローの基準は2次微分係数に課される条件となり、2次微分係数がゼロのときに分解能限界に到達することになります[3]。 この条件を2つのエアリーディスクが重ね合わせられた強度プロファイルに適用すると、スパロー分解能が次のように得られます。

rS = 0.47λ/NA

左下の画像は、スパローの分解能限界の距離に置かれた2つのエアリーディスクのイメージを示しています。上記のように2つのピークの間では強度が一定であり、原点での強度のくぼみはありません。右側のグラフでは、原点付近で強度が一定であることを確認できます。

Sparrow CriterionClick to Enlarge
左:スパローの分解能限界によって分離された2つのエアリーディスクのプロファイル レイリーやアッベの限界とは異なり、原点で強度は減少しません。
上:スパローの分解能限界では、重ね合わせられた強度分布は原点付近で一定になります。ここではスケールが1に規格化されています。
Intensity Pattern for Sparrow Criteria

参考文献
[1] Eugene Hecht, "Optics," 4th Ed., Addison-Wesley (2002)
[2] S.G. Lipson, H. Lipson, and D.S. Tannhauser, "Optical Physics," 3rd Ed., Cambridge University Press (1995)
[3] C.M. Sparrow, "On Spectroscopic Resolving Power," Astrophys. J. 44, 76-87 (1916)

Gaussian Spot SizesClick to Enlarge
Figure 1: A Gaussian intensity profile only asymptotically approaches zero, so the spot size is defined by convention as either the full-width at half-maximum (FWHM) or 1/e2 value. We use the latter convention in this tutorial.

Spot Size Tutorial

The spot size achieved by focusing a laser beam with a lens or objective is an important parameter in many applications. This tutorial describes how the ratio of the initial beam diameter to the entrance pupil diameter, known as the truncation ratio, affects the focused spot size and provides expressions for calculating the spot size as a function of this ratio. Because the power transmitted by the focusing optic also depends upon the truncation ratio, the optimal balance between spot size and power transmission will depend upon the given application.

For each focusing objective that Thorlabs provides, we provide an estimate of the focused spot size when the incident Gaussian spot size (1/e2) is the same as the diameter of the entrance pupil. With this choice, the focused spot size is given by:
s ≈ 1.83λN, or equivalently, s ≈ 1.83λ/(2*NA), where NA is the numerical aperture of the objective; and the transmitted power is 86% of that of the incident beam.

Gaussian Beam Profile

Laser beams typically have a tranverse intensity profile that may be approximated by a Gaussian function,
Gaussian Intensity Profile Equation,
where w is the beam half-width or beam waist radius, conventionally defined as the radius (r) at which the intensity has decreased from its maximum axial value of I0 to I0/e2 ≈ 0.14I0. The spot size of a laser beam may be defined as twice the beam waist radius, and the corresponding circle with diameter equal to the spot size thus contains 86% of the beam's total intensity.

When a laser beam is focused by an objective, the resulting spot size (s) will depend upon the wavelength of the light (λ), the beam diameter as it enters the objective (S), the focal length of the objective (f), and the entrance pupil diameter of the objective (D). Dimensionless parameters are formed by taking the ratio of the focal length to the entrance pupil diameter and the ratio of the beam diameter to the entrance pupil diameter, which are known respectively as the f-number (N = f/D) and the truncation ratio (T = S/D). The f-number is fixed for a given objective, while the truncation ratio may be tuned by increasing or decreasing the incident beam diameter.

Spot Size vs. Truncation Ratio

The focused spot size is expressed in terms of the wavelength, truncation ratio, and f-number as
Spot Size Equation
where K(T) is called the spot size coefficient and is a function of the truncation ratio [1]. In Figure 2 below, numerically computed values for K, obtained by calculating the focused intensity profile and extracting the focused spot size for discrete values of T, are plotted as black squares. As discussed in detail below, the solid-and-dashed blue line represents the coefficient predicted by Gaussian beam theory, the gray line represents the value of K for an Airy disk intensity profile, and the red line is a polynomial fit to the numerical values for T ≥ 0.5.

Spot Size Coefficient vs Truncation RatioClick to Enlarge
Figure 2: The shaded blue region below T < 0.5 indicates where Gaussian beam theory provides an accurate estimate of the focused spot size; however, above this value the effects of truncation cannot be neglected and the actual spot size is larger. As T → ∞, the coefficient approaches the Airy disk value of 1.6449 as indicated by the solid gray line.
Spot Size Coefficient vs Truncation RatioClick to Enlarge
Figure 3: The power transmitted through an entrance aperture of diameter D by a Gaussian beam with spot size S as a function of the truncation ratio T = S/D. The shaded blue region corresponds to the region where truncation effects on the spot size are negligible.

In both the large (T → ∞) and small (T → 0) limits, K approaches well-known theoretical results. For small T, which corresponds to an entrance pupil much larger than the Gaussian spot, K obeys the relation 1.27/T. This can be obtained from Gaussian beam propagation theory [2] which predicts that the minimum spot size a Gaussian beam can be focused to is s ≈ 1.27λf/S. By inserting factors of D to write this in terms of N and T, this expression can be cast into the same form as the spot size equation above, s = (1.27/T)λN, giving the result K = 1.27/T. As seen in Figure 2 above, this accurately predicts the focused spot size up to T ≈ 0.5, when the entrance pupil diameter D is twice as large as the spot size S. Above T = 0.5, it underestimates the value of K, as indicated by the deviation of the dashed blue line from the numerical results. 

Airy Disk Spot SizesClick to Enlarge
Figure 4: The spot size of an Airy disk profile is typically defined by the radius where the first intensity zero occurs. When the radius is expressed in units of λN, this corresponds to a radius of 1.22λN, or a spot size of 2.44λN. The 1/e2 radius for the same profile is 0.82245λN, or a spot size of 1.6449λN.

As T is increased, the illumination of the aperture becomes more and more uniform. The resulting intensity profile of the focused spot will therefore transition from a Gaussian profile to an Airy disk profile. In the large T limit, this is reflected in the value of K, which approaches a constant value of 1.6449 as T → ∞. This value corresponds to the 1/e2 spot size of an Airy disk instead of the better-known 2.44λN value which is where the first intensity minimum occurs, as shown in Figure 4 [3].

For intermediate values of T, which is the range in which most applications will fall, there is no exact theoretical result for K. Instead, the red line above represents a two-term polynomial fit to the numerical results, the coefficients of which are specified in the table below (the polynomial fit was performed using 1/T as the independent variable). This expression may be used to estimate K for T ≥ 0.5.

Spot Size Coefficient, K(T)
Truncation Ratio Equation
T < 0.5
(Gaussian Regime)
K Coefficient for Small T
T ≥ 0.5
(Intermediate and Uniform/Airy Regimes)
K Coefficient for Small T

Power Transmission and Spot Size

The results presented above suggest that, in the intermediate T regime, a smaller spot size may be achieved by increasing T. This, however, comes at the cost of reducing the overall power transmitted through the entrance aperture, and reductions in spot size may not be worth the loss in power. The power transmitted through an entrance pupil of diameter D as a function of T is plotted above in Figure 3. Already at T = 1, when the Gaussian spot size has the same diameter as the entrance pupil, the transmitted power is 86% of the incident power. By increasing T from 1 to 2, the spot size is reduced by only ≈ 9%, while the transmitted power decreases from 86% to 40%.

The optimal balance between spot size and power transmission will depend upon the given application. For each focusing objective that Thorlabs offers, we provide an estimate of the spot size using T = 1, when the Gaussian spot size is the same as the diameter of the entrance pupil. With this choice, the spot size is given by: s ≈ 1.83λN, or equivalently, s ≈ 1.83λ/(2*NA), where NA is the numerical aperture of the objective.

References
[1] Hakan Urey, "Spot size, depth-of-focus, and diffraction ring intensity formulas for truncated Gaussian beams," Appl. Opt. 43, 620-625 (2004)
[2] Sidney A. Self, "Focusing of spherical Gaussian beams," Appl. Opt. 22, 658-661 (1983)
[3] Eugene Hecht, "Optics," 4th Ed., Addison-Wesley (2002)

走査レンズは共焦点レーザ走査型顕微鏡、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、多光子イメージングシステムほか様々なレーザーイメージングシステムに使用されています。これらの用途では、レンズの後方開口部(入射瞳)から入射したレーザ光が角度走査されます。これにより、レンズの視野内の結像面に形成されたスポットが移動します。テレセントリックレンズ以外のレンズを使用して像面の焦点を走査すると、顕著な収差が引き起こされ、生成画像の画質は著しく損なわれます。テレセントリック走査レンズは、各走査位置において均一なスポットサイズを生成するので、高画質な試料像が得られます。

一般的に、レーザ走査顕微鏡システムは走査レンズとチューブレンズを対で使用し、無限遠補正の光学システムを構築します。しかし多くのOCTシステムは、チューブレンズ無しで走査レンズを使用する設計です。レンズ CLS-SLSL50-CLS2SL50-2P2そしてSL50-3Pは、当社の共焦点レーザ型走査顕微鏡ならびに多光子顕微鏡システム向け、そしてLSMシリーズのレンズはOCTイメージングシステム向けに最適化されています。走査システムにおけるチューブレンズの有無については後述しています。

Scan and Tube Lens Integration
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上の図はチューブレンズTL200-2P2 と焦点距離200 mmのテレセントリックチューブレンズを使用した場合のレンズ間の距離を示しています。なおSL50-CLS2を使用した場合、走査面における入射瞳は最大Ø4 mmとなります。

一般的なレーザ走査顕微鏡に組み込んだ走査レンズ

右の図ではレーザ走査顕微鏡における走査レンズとチューブレンズ間の適切な距離を示しています。図の左側の走査面に位置する走査ミラーは、レーザービームを走査レンズに誘導します。走査レンズへの入射角度により、走査レンズとチューブレンズITL200の間に位置する中間の像面の焦点位置が決まります。チューブレンズは光を収集し、コリメートする位置にあります(無限焦点)。コリメート光は対物レンズを通り、試料面で焦点を結びます。試料面で散乱または放射された光は対物レンズにより集光され、ディテクタに誘導されます。左下の画像では走査レンズCLS-SLをチューブレンズとともに使用しています。画像をクリックするとCLS-SLとチューブレンズITL200を使用した場合の正確なレンズ間の距離がご覧いただけます。 

この光学システム設計の特長は、走査レンズとチューブレンズを組み合わせることによってコリメート光が生成されることです。チューブレンズの光が無限遠で集光されるため、チューブレンズに対する対物レンズの位置を移動させても、試料面での画質には影響がありません。 これにより光学システムを高い柔軟性で設計することが可能となります。チューブレンズを使用しない場合、走査レンズは対物レンズと同様に機能し、中間の像面は試料面となります。画質を維持したまま走査レンズに対して像面の位置を大きく動かすことは非常に困難です。 

右下では、走査距離とチューブレンズと対物レンズの間の距離の関係性について図で示しています。完全な4f光学系(例としてCLS-SLを使用)において、d1 = 52 mm(最小走査距離)ならびにd2 = f2です。しかし実際のシステムはこの完全なアライメントから若干逸脱しています。例えば多くの市販の顕微鏡では、チューブレンズと対物レンズの間の距離(d2)は、焦点距離(f2)と等しくはありません。よって距離の調整が必要になる場合があります。右下の図では走査距離とチューブレンズと対物レンズの間の距離がそれぞれδ1ならびにδ2と少しずつ移動していることを示しています。これらの値の関係性はδd1 = -δd2*(f1/f2)2です。

CLS-SL Schematic
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チューブレンズCLS-SLをITL200と対物レンズとともに組み込んだレーザ走査システム
CLS-SL Schematic
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一般的なレーザ走査システムでのレンズ配置

OCTシステムに組み込んだ走査レンズ

LSM走査レンズを使用したOCTイメージングシステムの設計で重要な点ですが、設計波長、同焦点面距離、走査距離、入射瞳寸法や走査角度を考慮して使用すると画質が最大限に向上できます)。 一般的に入射ビーム径が大きくなると焦点サイズは小さくなります。しかし、ビネット効果や収差の増大によりビーム径が大きくなるにつれ、走査角度の範囲は狭くなります。ビーム径が入射瞳寸法より小さい場合スポットサイズは仕様値よりも大きくなり、逆に径が寸法より大きい場合はビームが蹴られてしまいます。

ガルバノミラーが1つしかないイメージングシステムでは、走査レンズの入射瞳の中心は、ガルバノミラーの回転軸と一致していなければなりません。ガルバノミラーを1つだけ使用する場合、走査距離はレンズの取付け面からミラーの回転軸までの測定距離となります。これは左下の図で示されています。

イメージジングシステム内にガルバノミラーが2つある場合は(1個はX方向の走査用、もう1個がY方向走査用)、右下の図のように入射瞳が2つのガルバノミラーの間に位置する必要があります。この場合、走査距離は、レンズの取付け面からレンズ(d1)に近い方のミラーの回転軸に、このミラーの回転軸から入射瞳までの距離(d2)を加えた値になります。ここで重要なのは2個のガルバノミラーの間の距離が最小であることです。入射瞳とビームステアリングのピボットポイントが一致していない場合、イメージ品質は劣化します。この現象の主な原因は、試料上をスキャンするビーム光の光路長のバラツキです。下図はイメージングシステムにおいて、ガルバノミラーが1個の場合と2個の場合を示しています。

2d galvo mirror schematic
ガルバノミラーを1つだけ使用した場合、入射瞳は
ミラーの回転軸の位置にきます。
1d galvo mirror setup
ガルバノミラーを2つ使用した場合、入射瞳は
ミラーとミラーの間に位置します。

Posted Comments:
user  (posted 2021-07-10 05:46:52.447)
I am building my own tube lens. It seems to focus fine, however, I can only detect the signal from the sample on the glass but not under a coverslip. Is there any explanation why? There is still room to put the sample located under the coverslip in the lens tube focal point.
YLohia  (posted 2021-07-15 11:03:53.0)
Hello, it appears that your system is not well aligned and the sample is not in focus. Another possibility is that your coverslip surface has some defects and is scattering your signal.
Qiaoqiao Xue  (posted 2019-09-26 19:42:26.333)
Unable to open scanning lens LSM02, thread too tight
YLohia  (posted 2019-10-14 09:09:57.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. We have reached out to you directly to gather more information to troubleshoot your issue.