3D Doppler OCT Provides Feedback on Two-Photon Activated Photosensitizers

(3DドップラーOCTによる二光子活性化光増感剤のフィードバック)

 

主な研究者:

H. A. Collins, M. Khurana, E. H. Moriyama, A. Mariampillai, E. Dahlstedt, M. Balaz, M. K. Kuimova, M. Drobizhev, V. X. D. Yang, D. Phillips, A. Rebane, B. C. Wilson, and H. L. Anderson

 光線力学療法(PDT)は、癌だけでなく、加齢に伴う皮膚の斑点など、組織の異常成長によって特徴付けられる病気などを治療するために使用される治療技術です。光感受性薬は、癌細胞を除去するために使用されます。この薬剤は特定の波長の光を照射することによって活性化されます。

Figure 1a

(a)

Figure 1b

(b)

1.

背面皮下脂肪窓チャンバを使用して血管系を露出させたマウスの血流の三次元レンダリングSS-OCT画像。TPE用に設計された光増感剤が使用されました。それぞれの画像において、小さな白い枠により示されている箇所に、920 nm(<3 mW)の光が照射されました。標的の血管の血流は左から右へと流れます。ドップラOCTによる三次元レンダリング画像は、赤で示されています。処置前 (a)と処置後 (b) は、新しい光増感剤の二光子励起がもたらした血流の閉塞を示しています。治療前に撮影された顕微鏡画像にレンダリングが施されています。

従来、一光子励起が PDT技術に使用されてきましたが、 最近では、二光子励起(TPE) の利点、即ち、光強度に依存する二段階励起で、より深部組織への浸透を可能にする特長のため、TPEは特定の部位の治療に適した方法となりました。TPEは二つの光子が同じ焦点領域に照射される場所でのみ起こるため、この技術によって、治療領域の空間的な標的化が可能になります。

最近、ある研究グループが、当社の1325 nm波長掃引OCT (SS-OCT) イメージングシステムを用いて、背中に皮膚開窓を有する麻酔されたヌードマウスに対する体内PDT処置の結果を評価しました。Collinsらは、 TPE用に設計した光増感剤を用いて、血管閉塞を引き起こすことに成功しました。10 mg/kgの光増感剤をマウスに注射した後、関心体積には920 nm (300 fs、 90 MHz、39 mW)の光を15分間照射しました。

TPEの前後に得られた血管の3DドップラーOCT画像を取得しました(図1を参照)。 血管の3D画像の作成において83 μm x 83 μm画像を得るために、横断走査が1000回行われました。 移動する赤血球によって引き起こされたドップラ周波数シフトを観察することで、研究者たちは100 μm/s程度の低流速を観察することができました。

ここでの結果は、SS-OCTイメージングシステムが二光子PDT処置の前後に血管系の非侵襲的三次元視覚化を行うことが可能であることを示しました。以前の共焦点または実体顕微鏡の技術を使用していた際は、こような画像は入手不可能でした。さらにこの結果は、二光子PDT処置が目的となる血管の閉塞に対して、実行可能であることを示しています。

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参考文献:

1) H. A. Collins, M. Khurana, E. H. Moriyama, A. Mariampillai, E. Dahlstedt, M. Balaz, M. K. Kuimova, M. Drobizhev, V. X. D. Yang, D. Phillips, A. Rebane, B. C. Wilson, and H. L. Anderson, Nature Photonics. 2 (2008) 420-424.

All procedures were carried out via the approved protocol of the University Health Network, Toronto.


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