アキシコンレンズ、UV溶融石英(UVFS)
- Transforms a Collimated Beam into a Ring
- Apex Rounding Diameter: <1.5 mm
- Uncoated or AR Coated Options Available
AX2520-B
650 - 1050 nm, Ø1"
AX251-UV
245 - 400 nm, Ø1"
AX125-C
1050 - 1700 nm, Ø1/2"
Application Idea
AX2520-B Prism in a CP35 Cage Plate
AX2540-A
350 - 700 nm, Ø1"
Please Wait
Common Specifications | |
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Substrate Material | UV Fused Silicaa |
Diameter | 1/2" (12.7 mm) or 1" (25.4 mm) |
Diameter Tolerance | +0.0 / -0.1 mm |
Apex Rounding Diameter (S1) | < 1.5 mm |
Surface Quality (S1, S2) | 40-20 Scratch-Dig |
Surface Flatness (S2) | < λ 10 at 633 nm |
Surface Deviation (RMS) (S1) | < 0.05 µm |
Surface Roughness (RMS) (S1) | < 6 Å |
Clear Aperture (S1, S2) | > 90% of Diameter |
Edge Thickness | 5.0 mm |
Edge Thickness Tolerance | +0.1/-0.0 mm |
Center Thickness Tolerance | +0.1/-0.0 mm |
Angular Tolerance | ±0.01° |
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上図ではこのページで使用されている厚さおよび角度の定義について記載しています。
特長
- Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)、Ø25.4 mm(Ø1インチ)
- 0.5°、1.0°、2.0°、5.0°、10.0°、20.0°、40.0°の角度αから選択可能
- コーティング無し、またはARコーティング付き
用途
- レーザードリル/トレパニング
- 光トラッピング
- 光コヒーレンストモグラフィ(OCT)
- 角膜手術
- 望遠鏡
アキシコンレンズ(円錐レンズ)は回転対称プリズムとも呼ばれ、片面が円錐状でもう片面が平面になっています。一般にベッセル型強度プロファイルのビームや円錐状の非発散ビームを生成するのに使われます。コリメート光をリング形状に変換するには、平坦な面をコリメートされた光源に向けます。
円錐レンズはスネルの法則に従って光を偏向させるので、偏向角は次の式で求められます:
ここで、nはガラスの屈折率、αはプリズムの角度(Physical Angle)、ßは偏向されたビームと光軸の間の角度です。空気の屈折率は1と仮定しています。この相互作用の様子を右の図に示します。詳細については、「ビーム形状」タブをご覧ください。
精密研磨加工された円錐レンズの角度は0.5°~40°からお選びいただけます。これらのレンズは、高品質のUV溶融石英製で、高出力レーザ用に適しています。円錐レンズは、コーティング無しか、両面に-UV(245~400 nm)、-A(350~700 nm)、-B(650~1050 nm)、-C(1050~1700 nm)の4種類の反射防止(AR)コーティングのいずれかを施しています。これらのコーティングによってレンズ表面の反射を低減し(Ravg < 0.5%)、透過率を高めます。コーティング無しの円錐レンズや特注のコーティングに関しては、当社までお問い合わせください。
円錐レンズのカスタマイズ
当社の溶融石英円錐(アキシコン)レンズはアメリカ、ニュージャージー州ニュートンの製造施設で製造されています。 自社で製造することにより製造の全工程を管理できるため、頂点の丸みの径を最小に抑えることが可能です。詳細については「ビーム形状」タブをご覧ください。当社の光学素子部門は幅広い製造能力で、組み込み用途(OEM用途)向けや少量生産にも対応しており、様々なカスタム光学素子を提供することができます。角度αやコーティングのカスタマイズも可能です。研磨後の当社独自の工程により、頂点の丸みは直径0.7 mmまで、イレギュラリティは10 nm(RMS)まで加工することができます。カスタムオーダについては当社までお問い合わせください。
当社では7~12 µm用広帯域コーティング付きのセレン化亜鉛(ZnSe)製アキシコンレンズもご用意しております。
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アキシコンレンズによって生成されるビーム
- ベッセルビーム: 非回折ビーム
- リング状のビーム:レーザードリルに適したビーム
図1:0次ベッセル関数の絶対値。真のベッセルビームは、各リングのエネルギーが中央のピークと同じでなければならないため、無限のエネルギーが必要です。
ベッセルビームは同心円状のリングで構成された非回折ビームで、各リングのパワーは中心の円と同じです。ベッセルビームは無限のエネルギーを必要とするため、技術的には生成することができません。ベッセルビームのエネルギー分布に似たビームは、アキシコンレンズにガウシアンビームを入射し、円錐面に近い位置でのビームを投影すると得られます。右の図1は、0次の第1種ベッセル関数の絶対値を示しています。
レンズからさらに遠い位置のビームを投影すると、1つのリング状ビームが得られます。ビームは実際には円錐状になっています(つまり、レンズから遠くなると径が大きくなります)が、リングの厚さは一定に保たれます(図2参照)。リングの厚さは入射ビーム径の1/2です。このタイプのビームは、しばしばレーザードリルに応用されます。
図2:アキシコンレンズの光線追跡図
頂点の丸みの最小化
ベッセルビームとリング状のガウシアンビームの強度分布は、レンズ先端の不完全さによる影響を受けます。先端が丸みを帯びている場合、0次ベッセルビームの中央ローブは空間的な強度の不変性を保てずに変化し1、また中空ガウシアンビームでは中心あるいは2番目のリングに向かって減衰していく非対称なリングになります2。頂点の丸みを最小にするために、当社ではアキシコンレンズを自社で製造しております。自社で製造することにより製造の全工程を管理できるため、頂点の丸みを直径0.7 mmまで最小化することができました。
図4:当社のアキシコンレンズ(上)と2つの一般的なアキシコンレンズ(中央、下)を用いてスクリーン上で観測されたリング状のビーム。当社のアキシコンレンズで生成されたリングでは短い距離(少ないピクセル数)で強度が高い値から低い値に変化していますが、一般的なアキシコンレンズの場合にはより長い距離(多くのピクセル数)にわたって変化しています。白い水平の線は、左のグラフ(強度プロファイル)を描くためにデータを抽出した位置を示しています。
アキシコンレンズの先端の不完全性は出力ビームの特性に影響します。そのため、当社のアキシコンレンズの品質を示すために、それによって得られた中空ガウシアンビームを、2つの一般的なアキシコンレンズによって得られたビームと比較しました。 リング状のビームは図3の実験セットアップを用いて生成できます。ここでは、633 nmレーザ、ガリレオ式のアクロマティックビームエキスパンダGBE05-A(5倍)、 SM2ネジ付きリング作動アイリスSM2D25D、アキシコンレンズ(AX2520、およびα角20°の一般的なアキシコンレンズ2個)、ポリエステル製観測スクリーンEDU-VS1(/M)を使用しています。適切な性能を得るため、アキシコンレンズに入射するレーザは小径のコリメートビームでなければなりません。そのようなビームは、コリメートビームを拡大して2.0 mmに設定したアイリスを通すことで得られます。得られたビームの形状は、ファーフィールドの位置にあるスクリーンに投影されます。スクリーンは移動しやすいよう、アリ溝式光学レール上にスナップオン式レールキャリアを用いて取り付けました。
図4に3つのアキシコンレンズで得られたリング状のガウシアンビームの像を示します。当社のアキシコンレンズ (図4、上)では、リングのエッジと中央の暗い部分とのコントラストが高く、明瞭なリングが生成されていることが定性的に分かります。一方、他社製のアキシコンレンズで生成されるリングの品質は様々です。図4の中央に示されたアキシコンレンズのリングは、強度の高い領域と低い領域のコントラストが低くなっています。主たるリングの強度が弱く、リング内には強度がゼロではない部分が見られます。2番目の一般的なアキシコンレンズ(図4、下)では、明瞭なリングが生成されていますが、リングのエッジと中央の暗い部分とのコントラストがは低くなっています。
ビームの強度変化を強調するため、疑似カラー化した画像の生成とラインプロファイルの抽出を行いました。図4では、オリジナル画像(左)と疑似カラー画像(右)を並べて表示しています。白線は強度プロファイルのデータを取得した位置を示しており、そのピクセル情報は図5に示しています。 3つのアキシコンレンズのライン強度を比較すると、当社のアキシコンレンズが最もシャープな強度ピークを有していることがわかります。すなわち、最小のピクセル数で強度が明から暗に変わるため、最高のコントラストが得られます。一般的なアキシコンレンズでは、明るいエッジから中心部のゼロ強度まで変化するのにより多くのピクセル数を要しています。それは、非対称のピークから徐々に小さくなっていくテールから見ることができます。これにより、明るいリングと中空の暗い部分とのコントラストが低くなっています。なお、リングの中心にゼロでないピークが生じるのは予期される事象であることにご留意ください。高い強度エッジを有し、リング以外での強度をゼロにできるのは、完全で理想的なアキシコンレンズだけです。頂点の丸みの直径を小さくし、アキシコンレンズ表面の不完全性を抑制することで、高強度の領域と非ゼロ強度の中心とのコントラストを向上させることができます。
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図5: 図4のリング状ビーム画像から抽出したラインプロファイル。当社のアキシコンレンズは、明るいエッジから中心のゼロ強度までの変化が最も急峻で、最も鋭い強度ピークを生成することができます。強度は任意のユニットで表されており、これは絶対値の測定結果ではありません。位置についても任意のユニットで表示されていますが、これはピクセル数に関連付けられています。
参考文献
- O. Brzobohatý, T. Cižmár, and P. Zemánek, "High quality quasi-Bessel beam generated by round-tip axicon," Optics Express, Vol. 16, No. 17, pp.12688-12700, 2008.
- B. Dépret, P. Verkerk, and D. Hennequin, "Characterization and modelling of the hollow beam produced by a real conical lens," Optics Communications, Vol. 211, pp. 31-38, 2002.
Damage Threshold Specifications | ||
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Coating Designation (Item # Suffix) | Damage Threshold | |
-UV | Pulsed | 5.0 J/cm2 at 355 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.350 mm |
-A | Pulsed | 7.5 J/cm2 at 532 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.491 mm |
CWa,b | 550 W/cm (532 nm, Ø1.000 mm) | |
-B | Pulsed | 0.246 J/cm2 at 800 nm, 99 fs, 1 kHz, Ø0.166 mm 7.5 J/cm2 at 810 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.133 mm |
CWa,b | 20 kW/cm (1070 nm, Ø0.974 mm) | |
-C | Pulsed | 7.5 J/cm2 at 1542 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø0.189 mm |
CWa,b | 350 W/cm (1540 nm, Ø1.030 mm) |
当社のUV溶融石英(UVFS)製アキシコンレンズの損傷閾値データ
右の仕様は当社のUV溶融石英レンズの測定値です。損傷閾値の仕様はレンズのサイズにかかわらず全てのUV溶融石英レンズで同じです。
レーザによる損傷閾値について
このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。
テスト方法
当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。
初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
Example Test Data | |||
---|---|---|---|
Fluence | # of Tested Locations | Locations with Damage | Locations Without Damage |
1.50 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
1.75 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.00 J/cm2 | 10 | 0 | 10 |
2.25 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
3.00 J/cm2 | 10 | 1 | 9 |
5.00 J/cm2 | 10 | 9 | 1 |
試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。
CWレーザと長パルスレーザ
光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。
パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。
繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。
ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。
- レーザの波長
- ビーム径(1/e2)
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
- レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。
ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。
次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。
この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。
パルスレーザ
先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。
パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。
Pulse Duration | t < 10-9 s | 10-9 < t < 10-7 s | 10-7 < t < 10-4 s | t > 10-4 s |
---|---|---|---|---|
Damage Mechanism | Avalanche Ionization | Dielectric Breakdown | Dielectric Breakdown or Thermal | Thermal |
Relevant Damage Specification | No Comparison (See Above) | Pulsed | Pulsed and CW | CW |
お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。
- レーザの波長
- ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
- レーザのパルス幅
- パルスの繰返周波数(prf)
- 実際に使用するビーム径(1/e2 )
- ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。
次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。
波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。
ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。
次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。
お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。
当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。
[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).
レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。
ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。
CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。
しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(右のグラフ参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。
アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。
LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。
ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。
上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。
このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:
この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。
ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。
スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。
マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。
この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。
Posted Comments: | |
user
 (posted 2023-04-18 09:04:03.437) Good morning.
I want to try one of your axicons to turn the 1064 or 532 nm gaussian output beam (approx. 7 mm in diameter) of a pulsed Nd:YAG laser into a ring. Such ring will be additionally expanding and refocussed. Some colleagues have warn me that the axicon itself will focussed the laser beam. I am not happy with that, as my beam will be at least 70 mJ/pulse.
Could you please let me know if your axicons will focussed my the axicon, of if there is any consideration I should take to avoid this effect?
Thanks in advance.
Jose M. Vadillo cdolbashian
 (posted 2023-04-26 09:56:47.0) Thank you for reaching out to you with this inquiry! Unfortunately for both this device and the vortex wave plate (which can create a donut-like intensity profile), the beam will pass through a tight focus, either at the lens surface or at a focal point beyond it. Perhaps you would have some luck using a multimode fiber and modifying the launch conditions to generate a donut-like output. user
 (posted 2022-10-27 23:48:31.58) As you know, researchers always use a axicon or SLM to generate Bessel beam and use a Fourier lens(L1) to transform it into a ring. In most cases, there is always a 4f set up, consisting of two lenses with the same focal length(L2、L3), which transmits the ring to the back focal plane of the objective. Recently I tried the set up and found the ring in the focal plane of L1. However, I can't find Bessel beam in the focal plane of L2. To my surprise, when I move back the CCD, I found the Bessel beam in the plane twice focal length away L2. I want to consult you whether you have met the same situation. I would sincerely appreciate you if you can reply to this question. ksosnowski
 (posted 2022-11-11 05:03:12.0) Hello, thanks for reaching out to Thorlabs. This seems to be a mixup with the conjugate planes of your system. I have reached out directly to discuss this further. Hung Wei Liu
 (posted 2022-10-20 18:02:09.63) Hello, I have a question about the different physical angle of axicon. I want to know the disadvantage about the small physical angle of axicon. cdolbashian
 (posted 2022-10-24 09:36:09.0) Thank you for reaching out to us with this inquiry. I have reached out to you directly to discuss this more. The small physical angle increases the depth of focus and decreases the divergence angle for the generated Bessel ring. seongjun park
 (posted 2022-08-17 11:31:17.473) I am wondering the edge thickness and center thickness tolerances are both ranging from +0.1/-0.0 mm, not +0.1/-0.1. cdolbashian
 (posted 2022-09-07 02:38:45.0) Thank you for your inquiry regarding our tolerancing. The asymmetric tolerances are simply due to our machining process. 18840853650
 (posted 2017-09-08 10:09:15.43) 你好,
我购买了一款AX255-C的锥透镜,想仿真一下1310nm和527nm激光通过该锥透镜后的光斑发布效果,即贝塞尔光发布情况,但是你们给的ZEMAX文件版本太高我用不了,所以想咨询一下你们可以帮我仿真一下这个效果嘛?
非常感谢,期待您的回信。 tfrisch
 (posted 2017-09-15 01:16:54.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. I will have a representative from our office in China reach out to you about an appropriate format for this optical model. daniel.comparat
 (posted 2016-04-12 13:57:18.56) We found that the center is not precisely machined. For small diameter initial beams (1 mm) the axcicon is more like a lens.
I send you an e-mail to the tehnical department to have more news, but I did not received any answer.
Could you try to contact them.
Best
Daniel Comparat besembeson
 (posted 2016-04-13 09:57:52.0) Response from Bweh at Thorlabs USA: We contacted you yesterday to get more details about your application and observations, which may be related to the precision level of the apex rounding of our axicons. andreas.boenke
 (posted 2016-01-19 14:21:19.817) Dear Sirs,
can you please provide information about the max. radius of the axicon tip area with significant deviation from the theoretical shape (causing aberrated beam portion) ?
This would be interesting for
AX2510-A
AX255-A
AX252-A
Thank you for your help.
Best regards,
Andreas Boenke besembeson
 (posted 2016-01-21 11:17:59.0) Response from Bweh at Thorlabs USA: I will be contacting you with this information. user
 (posted 2015-11-19 13:23:45.527) A tutorial, or some other explanation (ABCD matrix for example) on axicons in the prism guide would be helpful. myanakas
 (posted 2015-11-19 09:05:51.0) Response from Mike at Thorlabs: Thank you for your feedback. We will look into adding this information to our Prism Guide in the future. dennis-weller
 (posted 2013-07-02 11:50:34.36) Can you please send me Zemax-Files of you axicon lenses?
Thanks in anticipation! cdaly
 (posted 2013-07-09 09:29:00.0) Thank you for your feedback. We've just updated the webpage to include these files now. tcohen
 (posted 2013-01-03 15:07:00.0) Response from Tim at Thorlabs: The rings could be a result from imperfections in the tip of the axicon, however, the quality of the tip of these optics are unrivaled in the industry and would make this an unlikely reason. Misalignment could contribute. Possibly you are seeing artifacts of the Bessel beam that is generated when a Gaussian beam is inputted. This is touched upon under the “Beam Shape tab on this page. We will work to improve the discussion on this page to better explain the performance of these parts and options you may have to achieve desirable results. We will contact you to troubleshoot this artifact in your setup. totlab
 (posted 2012-12-11 23:05:54.373) We bought a axicon and found the ring is not so clean, and several smaller rings are in the inner side. The laser beam is collimated and dia=2mm.
Is it because the imperfection of the tip of the axicon? I found no dust or damage on the surface. jjurado
 (posted 2011-02-04 10:57:00.0) Response from Javier at Thorlabs to info: Thank you very much for contacting us with your inquiry. Since axicons produce a ring-shaped beam, they work well for replacing the dark field patch stop in a dark field microscope. Although we have not yet developed an application in dark field microscopy using axicons, there have been several publications in this field. You can find one of these publications through the following link: http://spiedigitallibrary.org/jbo/resource/1/jbopfo/v13/i4/p044024_s1?isAuthorized=no info
 (posted 2011-02-03 14:54:44.0) Would this be a good lens to use in a the light source path of a dark field microscope? |
プリズムのセレクションガイド
当社では、光の反射、反転、回転、分散、偏向、コリメートなどのために、様々なプリズムをご用意しています。下記に掲載されていないプリズムのタイプや基板などについては、当社までお問い合わせください。
ビームステアリング用プリズム
プリズム | 材質 | 偏向 | 反転 | 逆転または 回転 | 図解 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
直角プリズム | N-BK7, UV溶融石英(UVFS), フッ化カルシウム(CaF2), セレン化亜鉛(ZnSe) | 90° | 90° | No | 90°リフレクタで、望遠鏡やペリスコープなどの光学システムに使用可能 | |
180° | 180° | No | 180°リフレクタで、入射光角に無依存。 非反転ミラーで、双眼鏡で使用可能。 | |||
内部全反射型 レトロリフレクタ (マウント無し、 マウント付き) 鏡面反射型 レトロリフレクタ (マウント無し、 マウント付き) | N-BK7 | 180° | 180° | No | 180°リフレクタで、入射光角に無依存。 ビームアライメントやビームデリバリで使用。向きの制御が難しい状況でミラーの代替品として使用可能 | |
マウント無し ペンタプリズム および マウント付き ペンタプリズム | N-BK7 | 90° | No | No | 90°リフレクタで、ビームプロファイルの逆転や反転無し。 アライメントや光調整に使用可能。 | |
ルーフプリズム | N-BK7 | 90° | 90° | 180o 回転 | 90°リフレクタで、像を反転し回転(像が左右上下反対になります)。 アライメントや光調整に使用可能。 | |
マウント無し ダブプリズム および マウント付き ダブプリズム | N-BK7 | No | 180° | 2回のプリズム回転 | ダブプリズムは、光の入射面によって像を反転、逆転または回転します。 ビーム回転子の回転方向を決定 | |
180° | 180° | No | 非逆転ミラーとして機能するプリズム 光学系におけるレトロリフレクタや直角(180°偏向)プリズムと同じ特性。 | |||
ウェッジプリズム | N-BK7 | 2°~10°のモデル | No | No | ビームステアリング用途。 1つのウェッジプリズムを回転するとき、光線を偏向角の2倍の角度で円に沿って動かすことが可能。 | |
No | No | 可変ビームステアリングへの応用。 両方のウェッジを回転した時、光線を、偏向角の4倍の角度で円弧状に動かすことが可能。 | ||||
プリズムカプラ | ルチル(TiO2) またはGGG | 可変a | No | No | 光をフィルムに向けて結合するために屈折率の高い基材を使用。 ルチルは nfilm > 1.8に使用。 GGGは nfilm < 1.8に使用。 |
分散プリズム
プリズム | 材質 | 偏向 | 反転 | 逆転または 回転 | 図解 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
等辺プリズム | F2, N-F2、N-SF11, フッ化カルシウム, セレン化亜鉛(ZnSe) | 可変a | No | No | 分散プリズムは回折格子の代替が可能。 白色光を可視領域に分岐するために使用。 | |
分散補償 プリズムペア | UV溶融石英, フッ化カルシウム(CaF2), SF10, N-SF14 | 可変式垂直オフセット | No | No | 超短パルスレーザーシステムにおけるパルス広がりの補償。 分散補償や波長調整用の光学フィルタとして使用可能。 | |
ペロン・ブロカ プリズム | N-BK7, UV溶融石英, フッ化カルシウム | 90° | 90° | No | 光線の波長分離に使用。90°の位置で出射。 レーザ高調波の分離、群速度分散の補償に使用。 |
ビーム操作用プリズム
プリズム | 材質 | 偏向 | 反転 | 逆転または 回転 | 図解 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
アナモルフィック プリズムペア | N-KZFS8, N-SF11 | 可変式垂直オフセット | No | No | 単軸に沿った可変倍率。 楕円形ビームのコリメートに使用(例:半導体レーザ)。 入射ビームを単軸に縮小・拡大して、楕円形ビームを円形ビームに変換。 | |
円錐(アキシコン)レンズ(UVFS, ZnSe) | UV溶融石英(UVFS)またはセレン化亜鉛(ZnSe) | 可変a | No | No | コリメート光源からベッセル型の強度プロファイルの円錐状の非発散ビームを生成。 |
偏光状態変更用プリズム(偏光子)
プリズム | 材質 | 偏向 | 反転 | 逆転または 回転 | 図解 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
グランテーラ、 グランレーザ、α-BBO グランレーザ偏光子 | グランテーラ: 方解石 グランレーザ: α-BBO, 方解石 | p 偏光 - 0° s 偏光 - 112°a | No | No | プリズムを2個使った構成と複屈折方解石を使用し、非常に消光比の高い直線偏光を生成。 プリズムの境目でs偏光が完全に内部反射されるのに対し、p偏光は透過。 | |
ルチル偏光子 | ルチル(TiO2) | s偏光 - 0° p偏光は筐体によって吸収 | No | No | プリズムを2個使った構成と複屈折ルチル(TiO2)を使用し、非常に消光比の高い直線偏光を生成。 プリズムの境目でp偏光が完全に内部反射されるのに対し、s偏光は透過。
| |
ダブルグランテーラ偏光子 | 方解石 | p偏光 - 0° s偏光は筐体によって吸収 | No | No | プリズムを3個使った構成の複屈折方解石を使用し、大きな見込み角で最大の偏光効率を得る。 プリズムの境目でs偏光が完全に内部反射されるのに対し、p偏光は透過。 | |
グラントムソン 偏光子 | 方解石 | p偏光 - 0° s偏光は筐体によって吸収 | No | No | プリズムを2個使った構成の複屈折方解石を使用し、高い消光比を維持しながら最大視野を実現。 プリズムの境目でs偏光が完全に内部反射されるのに対し、p偏光は透過。 | |
ウォラストンプリズム、ウォラストン偏光子 | 石英, フッ化マグネシウム, α-BBO, 方解石, YVO4 | 対称形のp偏光および s偏光の偏角 | No | No | プリズムを2個使った構成の複屈折方解石を使用し、ビーム移動偏光子で最大の偏角を実現。 s偏光とp偏光は、プリズムから対称方向に偏位。ウォラストンプリズムは分光計や偏光アナライザで使用。 | |
ロションプリズム | フッ化マグネシウム , YVO4 | 常光: 0° 異常光:偏角方向 | No | No | プリズムを2個使った構成でMgF2またはYVO4が小さい偏角で高い消光比をもたらします。 異常光は入力光と同じ光軸を伝搬しますが、常光は偏光しません。 | |
ビーム分離 プリズム | 方解石 | 2.7または4.0 mmのビーム移動 | No | No | プリズムを1個使った構成の複屈折方解石を使用し、入射ビームを2本の直交する偏光ビームに分岐。 s偏光とp偏光は2.7または4.0 mmで分離。ビーム分離プリズムは、90°分割ができない場合に偏光ビームスプリッタとして使用可能。 | |
フレネル・ロム リターダ | N-BK7 | 直線偏光から円偏光へ 垂直オフセット | No | No | λ/4フレネル・ロムリターダは、直線偏光入力を円偏光出力に変換。 複屈折波長板と比較して、幅広い波長でなλ/4リターダンス。 | |
直線偏光を90°回転 | No | No | λ/2フレネル・ロムリターダは、直線偏光を90°回転。 複屈折波長板と比較して、幅広い波長で均一なλ/2リターダンス。 |
ビームスプリッタープリズム
プリズム | 材質 | 偏向 | 反転 | 逆転または 回転 | 図解 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
ビームスプリッターキューブ | N-BK7 | 分岐比50:50、0°と 90° sおよびp偏光が互いに10%以内 | No | No | プリズムを2個使った構成と、誘電体コーテイングにより、ほぼ偏光無依存で分岐比は50:50。 仕様波長範囲内では、偏光無依存型のビームスプリッタとして機能。 | |
偏光ビームスプリッターキューブ | N-BK7, UV溶融石英, N-SF1 | p偏光 - 0° s偏光 - 90° | No | No | プリズムを2個使った構成と、誘電体コーテイングにより、p偏光を透過し、s偏光を反射。 高度に偏光する際には、透過光を利用。 |
この円錐レンズはコーティング無し、動作波長範囲は185 nm~2.1 µmです。これらのレンズに使用されている材料(UV溶融石英)はUV~近赤外域の用途に適しています。また、UV溶融石英(UVFS)は、N-BK7よりも高い均一性と低い熱膨張係数を有しています。
この円錐レンズには245~400 nmの波長用にARコーティングが施されています。UV域で高い透過率を示すよう設計されているので、多くのUV域用途にお使いいただけます。また、使用されている基板(UV溶融石英)もUV域での透過率に優れています。
Item # | Diameter | Physical Angle (α) | Deflection Angle (β)a | Center Thickness (tc) | AR Coatingb | AR Coating Plotb | Reference Drawing |
---|---|---|---|---|---|---|---|
AX251-UV | Ø1" (Ø25.4 mm) | 1.0° | 0.481° | 5.2 mm | 245 - 400 nm Ravg<0.5% | Raw Data |
この円錐レンズには350~700 nmの波長用にARコーティングが施されています。近紫外域(NUV)スペクトルおよびすべての可視域における使用に適したレンズです。そのため、HeNeレーザなどの可視光レーザとお使いいただけます。
この円錐レンズには650~1050 nmの波長用にARコーティングが施されているので、光ピンセット(トラップ)や角膜手術など多くの近赤外(NIR)用途にお使いいただけます。
この円錐レンズには1050~1700 nmの波長用にARコーティングが施されているので、近赤外域(NIR)での用途に適しています。この波長域は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、 光ピンセット(トラップ)、レーザ穴あけなどの用途で一般的に使用される波長をカバーしています。こうした用途では、円錐レンズをお使いいただくことでサンプルアーム内の焦点深度を増すことができます。