量子暗号擬似実習用キット


  • Designed for Education, Demonstration, and Classroom Use
  • Easy-to-Use Kits Include Components Plus Free Educational Materials
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動画では量子暗号疑似実習用キットの概要と、それに付属する教材の中で実施される実験の様子をご覧いただけます。
EDU-QCRY1 Webinar

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偏光状態でエンコードされたバイナリ情報は、センサーモジュールによって検知(青色LEDの点灯で示されます)。 

量子暗号疑似実習用キット

  • 教育、実習、授業用に設計
  • 全てのハードウェアに加えて、詳細なマニュアルと教材が含まれたキット
  • 組立・使用方法が簡単

実験内容

  • 偏光を利用した情報の暗号化と送信について学習
  • 秘密の通信が可能な暗号鍵の作成
  • 暗号化、送信、秘密メッセージの解読
  • 盗聴によって発生する通信エラーとその検知についての検証
  • 暗号化プロトコルBB84の実習

量子暗号疑似実習キットEDU-QCRY1/Mには、暗号化プロトコルBB84に基づくデータ通信用セットアップの組み立てに必要な部品が含まれています。この暗号手法では、送信者および受信者が両者しか知らない暗号鍵を作成し、盗聴があればそれを検知することが可能です。 この疑似実験では、1/2波長板および偏光ビームスプリッタを用いて操作された情報のビットを、光の偏光に載せて送信します。この教育用キットには、送信者(Alice)、受信者(Bob)、盗聴者(Eve)の役割を構成するのに必要な、レーザ、1/2波長板、偏光ビームスプリッタならびにディテクタが付属しています。

なお、こちらの製品は量子暗号の重要な原理について模擬実験を行うための古典的なキットです。量子暗号実験の疑似的なセットアップとして、単一光子の代わりにパルスレーザを用います。このキットにはシングルフォトンディテクタは付属しておりません。

Thorlabs教育用製品とキット

教育用実験キットシリーズは、最先端の研究のみならず、多くの古典的な実験を網羅することにより、物理学、光学、フォトニクスの学習を促進させることを目的としています。いずれの教育用キットにも必要な部品が全て含まれており、詳しいセットアップの手順だけでなく教育内容も盛り込まれたマニュアルが付属します。これらのキットの価格は構成部品の合計金額で設定されており、付属の教材は無料でご提供しています。

: マニュアルと教材は英語でご用意しております。 ご不明な点は当社までお問い合わせください。

このキットでは、実験を通して量子暗号ならびに暗号化プロトコルBB84の基本事項を実習することを目指しています。この実験で、学生は偏光状態を利用してメッセージをバイナリにエンコードし、BB84プロトコルで暗号化する方法を学びます。

BB84プロトコル
BB84プロトコルは、ワンタイムパッドとして知られる暗号化技術と量子鍵配送を組み合わせた通信スキームです。ワンタイムパッド方式を使用してメッセージを暗号化するには、バイナリ化したメッセージにバイナリの暗号鍵(0と1から構成)を加算します。この鍵またはメッセージには解読方法やパターンはないので、この暗号化方法を使用すれば、暗号化されたメッセージを公衆通信回線を使用して送信することができます。

ただし、AliceおよびBobのみしか暗号鍵を知らないことを保証できるようにすることと、盗聴者(Eve)に暗号鍵を傍受されないようにすることが基本的な課題となります。暗号化プロトコルBB84では、量子鍵配送(QKD)により暗号鍵がAliceとBob以外には知られないことを保証します。QKDは量子物理学の原理を利用しており、単一光子に1ビットの情報をエンコードすることで情報をコピーできないようにします。Eveによって傍受される度に、光子の状態は必ず変化します。このことから、BB84プロトコルによって真に安全性が確立された暗号化送信が実現します。

偏光を使用したBB84プロトコルのモデル構築
EDU-QCRY1/Mは、光の偏光を利用してBB84方式のモデルを構築します(下の図参照)。ビット形式のデータは、パルスレーザの偏光状態を変化させることでエンコードされます。さらに詳しく言うと、このビットはビットの値を特定の偏光角度に変換する基底の偏光ペア(+またはxで表示)によってエンコードされます。+基底は0°および90°の偏光で表され、x基底は-45°および45°の偏光で表されます。各ペアの偏光の一方が「0」のビットを表し、もう一方が「1」のビットを表します。Aliceはパルス光を生成し、さらにビットと基底をエンコードするために1/2波長板で偏光状態を設定し、情報を送信します。受信者(Bob)は1/2波長板とビームスプリッタを使用して、送られてきた情報を「0」または「1」に変換します。ビットと基底は通信ごとにランダムに選択されますが、基底を比較することで、AliceとBobはお互いにしかわからない独自の暗号鍵を生成することができます。

この実験では、盗聴者(Eve)はAliceからの通信を受信して同じ信号をBobに送信するモジュールで表されます。公衆の「通信」を使用しているのでEveは自由に盗聴を行えますが、学生はそれがなぜ盗聴者の存在を明らかにするエラーの原因になるのかを学習します。盗聴は暗号鍵の送信中に検知されるため、AliceとBobはそこで盗聴者がいないことを確認できれば、傍受される心配もなくメッセージを送信できることになります。


この概略図は、量子暗号化キットEDU-QCRY/MのAlice、EveおよびBobのモジュールを表しています。偏光ローテータによって偏光状態を変化させ、特定の基底で「1」または「0」をエンコードします。もう一方の偏光ローテータによって受信された光は、ビームスプリッタによって適切な検出器に送られます。

単一光子と古典的な光の違いについて
盗聴者(Eve)に対する完全なセキュリティは、BB84プロトコルに従って単一光子を用いて通信を行った場合にのみ、量子複製不可能定理によって保証されます。この定理では、未知の量子状態については、その状態を変更することなく完全な複製を作ることはできないとされています。その結果、EveはAliceからの光子の状態を変更せずに複製することはできず、状態の変更されない光子をBobに送信しながら解読するために複製を保存するといったことはできません。

なお、量子暗号疑似実習用キットEDU-QCRY1/Mでは、パルスレーザ、つまり古典的な光を使用しています。プロトコルのシーケンスは本物の量子暗号化システムと全く同じですが、実際に完全な暗号システムとしてご使用いただけるわけではありません。Eveは伝送されている光の一部を解読用に分離し、残りの信号をBobに送信することで、気づかれることなく盗聴することができます。

このタブでは、量子暗号疑似実験キットEDU-QCRY1/Mを使用して行うことができる例題を掲載しています。学生向けの練習問題ならびにワークシートについての詳細は、マニュアルをご参照ください。

 

BasisBitPolarization
+0
190°
×0-45°
145°

この例ではAlice、Bob間での暗号鍵を作成し、10ビット、2文字の暗号化されたメッセージをBB84プロトコルを使用して送信する方法について説明しています。

暗号鍵の作成
まず、Aliceが鍵送信用のビットと基底(+または×)のシークエンスをランダムに選択します。ビットと基底の組合せにより、Aliceが送信するパルス光の偏光角度が決まります(可能な組合せについては右の表をご覧ください)。 表1は18組のランダムに選択されたビットと基底の組合せと、それぞれに対応する偏光角度を示しています。偏光角度の求め方については、マニュアルをご参照ください。

Table 1: Transmitting (Alice)
Index123456789101112131415161718
Alice's Basis (Random)××+×+++××+×××++×+×
Alice's Bit (Random)100110011101000101
Polarization Angle45°-45°45°90°45°45°90°-45°45°-45°45°45°

同時に、Bobは情報を受信するために使用するランダムな基底の組合せを選択します。これらの基底はAliceとは独立して選択し、一致する必要はありません。送受信が完了したら、AliceとBobは使用した基底を比較します。Aliceが選択した基底と一致した場合(表2で緑に色付けされています)は、BobはAliceが選択したのと同じ値を得ることができます。しかし基底が一致しない場合には、Bobは0または1をランダムに受信することになります。そのため、それらのビットは破棄され、残りの緑で色づけされたビットがAliceとBobの間での暗号鍵となります。

Table 2: Receiving (Bob)
Index123456789101112131415161718
Bob's Basis (Random)+×××+++×+××++×+++×
Bob's Bit (From Alice)101110011101010001

この例では、暗号鍵は次のような配列になります: "0 1 1 0 0 1 0 0 0 1"

暗号鍵を使用した暗号化メッセージの送信
ここでは、2文字のメッセージ「QM」を、上記の暗号鍵を使用して送信する方法を説明します。まず、各文字は表3のように5ビットのバイナリ表示に変換します(すべてのアルファベットのバイナリ表示を示した表はマニュアルの第9章にございます)。 この例ではバイナリ形式でアルファベット文字を送信していますが、理論的にはどのような文字情報でもバイナリ配列でエンコードすることが可能です。

メッセージを暗号化するには、Aliceはメッセージと暗号鍵のバイナリ加算をする必要があります(加算のルールについては下の表をご参照ください)。その結果得られた10ビットのメッセージは、公衆回線を使用してAliceからBobに送信できますが、その際は事前に合意した基底を使用します(つまり、AliceとBobは+または×のどちらの基底を使用するかを決めます)。送受信完了後、Bobは暗号鍵を用いて暗号化されたメッセージ鍵にバイナリ値を加算してメッセージをデコードします。このバイナリ加算で値は元に戻るので、初めのバイナリメッセージが再現されます。

Table 3: Sending an Encrypted Message
LetteraQM
Binary Message1000001100
Encryption Key0110010001
Encrypted Messageb1110011101
  • この例では、1文字を5ビットの配列で表しています。すべてのアルファベットのバイナリ表示はマニュアルの第9章に掲載されています。
  • 暗号化メッセージはメッセージと暗号鍵をバイナリ加算して作成します。
Binary Addition Rules
0 + 0 = 0
0 + 1 = 1
1 + 0 = 1
1 + 1 = 0
 

しかし、安全にメッセージを送信するこの方法は、盗聴者が暗号鍵について知らない事を前提としています。上述の通信は公衆通信回線を介して行っているため、EveはAliceとBob間の通信を傍受して暗号鍵を盗もうとすることができます。しかし、そうすると盗聴による通信エラーが発生します。 BB84プロトコルでは、基底を比較(表2参照)した後、AliceとBobは暗号鍵の試験用の領域を比較します。Eveの盗聴によって発生したエラーは、この試験用の領域を比較することでAliceとBobに発見され、彼らに盗聴者の存在を知らせます。詳しい例についてはマニュアルのセクション6.2をご参照ください。

量子暗号疑似実験キットの構成部品

当社の量子暗号実験キットはインチおよびミリ規格の両方でご提供しています。ミリ規格とインチ規格で型番が異なる場合、ミリ規格の型番ならびに寸法はインチ規格の型番横とカッコ内にそれぞれ記されています。

Kit Components
EDU-QCRY1
Item #
EDU-QCRY1/M
Item #
DescriptionQty.
MB8MB2020/MAluminum Breadboard
8" x 8" (20 cm x 20 cm)
1
MB810MB2025/MAluminum Breadboard
8" x 10" (20 cm x 25 cm)
1
MB1218MB3045/MAluminum Breadboard
12" x 18" (30 cm x 45 cm)
1
BA1BA1/MPost Holder Base10
PH2PH50/MPost Holder, 2" (50 mm) Long5
PH1.5PH40/MPost Holder, 1.5" (40 mm) Long6
UPH2UPH50/MUniversal Post Holder, 2" (50 mm) Long2
TR1.5-Optical Post, 1.5" Long6
-TR30/MOptical Post, 30 mm Long4
-TR40/MOptical Post, 40 mm Long2
TR2TR50/MOptical Post, 2" (50 mm) Long7
RSP1X225-ALICEaRSP1X225/M-ALICEaØ1" Indexing Rotation Mount, 22.5° Steps2
RSP1X225-BOBaRSP1X225/M-BOBaØ1" Indexing Rotation Mount, 22.5° Steps2
PM3PM3/MClamping Arm2
BA1SBA1S/MSwivel Post Holder Base1
  • これらの部品はRSP1X225をベースにしていますが、ダイヤル面はこのキット用にカスタマイズされています。
Kit Components
EDU-QCRY1 Item #EDU-QCRY1/M Item #DescriptionQty.
AT1AT1/MAlignment Tool1
CL3CL3/MCompact Variable Height Clamp2
N/AN/AKinematic Platform Mounta2
RDF1Rubber Damping Feet (4 Pack)3
WPH10E-633Zero-Order Half-Wave Plate4
KM100Ø1" Kinematic Mount2
PBS201Polarizing Beamsplitter Cube2
AD11NTØ1" Adapter for Ø11 mm Components2
CPS635R-C2b635 nm Laser Diode Module2
BBH1Breadboard Handles1
SPW606SM1 (1.034"-40) Spanner Wrench1
N/ASensor Module4
N/ASensor Electronics Module2
N/ALaser Electronics Module2
N/A5 V Power Supply4
  • これらの部品は、KM100PM(/M)をカスタマイズしたものです。
  • この部品はCPS635Rのクラス2タイプです。

インチ規格:付属のハードウェアとネジ

Item #DescriptionQty.Item #DescriptionQty.
BD-3/16L3/16" Balldriver1-1/16" Hex Key1
-9/64" Hex Key1-5/64" Hex Key1
W25S0501/4" Washer19SH25S0381/4"-20 Cap Screw,
3/8" Long
11
SH25S0501/4"-20 Cap Screw,
1/2" Long
12SH25S0631/4"-20 Cap Screw,
5/8" Long
17
-1/4"-20 Cap Screw,
1.25" Long
2SH25S2001/4"-20 Cap Screw,
2" Long
2
AS4M8EM4 to 8-32 Thread Adapter4---

ミリ規格:付属のハードウェアとネジ

Item #DescriptionQty.Item #DescriptionQty.
BD-5ML6 mm Balldriver1-1.5 mm Hex Key1
-2 mm Hex Key1-3 mm Hex Key1
W25S050M6 Washer19SH6MS10M6 Cap Screw,
10 mm Long
11
SH6MS12M6 Cap Screw,
12 mm Long
12SH6MS16M6 Cap Screw,
16 mm Long
17
-M6 Cap Screw,
30 mm Long
2-M6 Cap Screw,
45 mm Long
2

教育キットの活用事例

当社の教育キットは、コンテンツをお客様の教育上のニーズに合わせて応用することができます。お客様がご自身の授業でこちらのキットをどのようにお使いになっているのか、是非お聞かせください。当社までご連絡いただくか、右のボタンをクリックしてフォームにご記入ください。

第2波長と「おとり状態」

BB84プロトコルの改善法として第2波長とおとり状態を利用する方法を実証するために行われたキットEDU-QCRY1/Mの応用例についてご紹介します。この情報を共有してくださったNorthern Arizona UniversityのBrit Riggs氏ならびにBertrand Cambou教授に、心から感謝を申し上げます。


変更が加えられたキットEDU-QCRY1(/M)
*画像ご提供:Brit Riggs and Professor Bertrand Cambou of Northern Arizona University

理論
BB84は良く知られている量子鍵配送(QKD)プロトコルで、単一光子の偏光状態で情報をエンコードすることで、2者が共有する暗号鍵を安全に作成することができます。BB84プロトコルを拡張する方法として、波長の異なる第2の単一光子光源を導入し、使用可能な偏光状態の数を2倍にする方法があります。単一波長システムに対する第2波長を用いたシステムの最大の利点は、2者(AliceとBob) が盗聴者(Eve)の存在を確認するために鍵の一部を犠牲にする必要がなくなることです。追加された偏光状態のサブセットは、「おとり状態」として使用することができます。Aliceはこのおとり状態を意図的に使用しませんが、Aliceの通信を傍受したEveによって生成される可能性があります。Bobが統計的に有意な数のおとり状態を検出すると、盗聴者の存在に気づきます。

当社の標準的なEDU-QCRY1/Mと同様に、このカスタマイズされた量子暗号実習用キットでも、真の量子システムの動作を模擬するためにパルスレーザを使用しています。したがって、量子安全性を有する通信セットアップではありませんが、量子暗号についての学生への教育には適しています。おとり状態と2波長のエンコードについての詳細は、こちらの要約をご覧ください。


この概略図は、Alice、EveおよびBobのモジュールに変更を加え、第2波長を組み込んだ様子を示しています。このセットアップでは、1波長あたり2つの基底と、1基底あたり4つの偏光状態を利用することができ、それらを用いて情報をエンコードできます。 ダイクロイックミラーを使用して、異なる波長を束ねて伝送し、また分離して測定します。(HWP: 1/2波長板、PBS: 偏光ビームスプリッタ)

追加する主な部品
下記のリストはキットEDU-QCRY1/Mに第2波長を組み込むために使用可能な部品を示しています。

  • CPS520(520 nm半導体レーザーモジュール):2個
  • レーザーエレクトロニクスモジュール:2個
  • センサーモジュール:4個
  • センサーエレクトロニクスモジュール:2個
  • PBS201(20 mm偏光ビームスプリッターキューブ、420~680 nm):2個
  • WPH10E-514 (Ø25.4 mm(Ø1インチ)ポリマーゼロオーダ1/2波長板、514 nm):4個
  • DMLP605 (Ø25.4 mm(Ø1インチ)ロングパスダイクロイックミラー、カットオン波長605 nm):4個

全ての部品のリストについては当社までお問い合わせください。

The EDU-QCRY1(/M) was developed in cooperation with several educators and organizations specializing in teaching quantum physics:

  • Jörn Schneider, Leibniz-Gymnasium Dormagen
  • Jan-Peter Meyn and Andreas Vetter, University Erlangen-Nuremberg (www.quantumlab.de)
  • Quantum Physics in School 2014 Meeting, Munich (www.heisenberg-gesellschaft.de)

Do you have ideas for an experiment that you would like to see implemented in an educational kit? Contact us at techsupport@thorlabs.com; we'd love to hear your ideas.

レーザの安全性とクラス分類

レーザを取り扱う際には、安全に関わる器具や装置を適切に取扱い、使用することが重要です。ヒトの目は損傷しやすく、レーザ光のパワーレベルが非常に低い場合でも障害を引き起こします。当社では豊富な種類の安全に関わるアクセサリをご提供しており、そのような事故や負傷のリスクの低減にお使いいただけます。可視域から近赤外域のスペクトルでのレーザ発光がヒトの網膜に損傷を与えうるリスクは極めて高くなります。これはその帯域の光が目の角膜やレンズを透過し、レンズがレーザーエネルギを、網膜上に集束してしまうことがあるためです。

Laser GlassesLaser CurtainsBlackout Materials
Enclosure SystemsLaser Viewing CardsAlignment Tools
Shutter and ControllersLaser Safety Signs

安全な作業および安全に関わるアクセサリ

  • クラス3または4のレーザを取り扱う場合は、必ずレーザ用保護メガネを装着してください。
  • 当社では、レーザのクラスにかかわらず、安全上無視できないパワーレベルのレーザ光線を取り扱う場合は、ネジ回しなどの金属製の器具が偶然に光の方向を変えて再び目に入ってしまうこともあるので、レーザ用保護メガネを必ずご使用いただくようにお勧めしております。
  • 特定の波長に対応するように設計されたレーザ保護眼鏡は、装着者を想定外のレーザ反射から保護するために、レーザ装置付近では常に装着してください。
  • レーザ保護眼鏡には、保護機能が有効な波長範囲およびその帯域での最小光学濃度が刻印されています。
  • レーザ保護カーテンレーザー安全保護用布は実験室内での高エネルギーレーザの遮光にご使用いただけます。
  • 遮光用マテリアルは、直接光と反射光の両方を実験装置の領域に封じ込めて外に逃しません。
  • 当社の筺体システムは、その内部に光学セットアップを収納し、レーザ光を封じ込めて危険性を最小限に抑えます。
  • ピグテール付き半導体レーザは、他のファイバに接続、もしくは他のファイバとの接続を外す際には、レーザ出力をOFFにしてください。パワーレベルが10 mW以上の場合には特にご注意ください。
  • いかなるビーム光も、テーブルの範囲で終端させる必要があります。また、レーザ使用中には、研究室の扉は必ず閉じていなければなりません。
  • レーザ光の高さは、目線の高さに設定しないでください。
  • 実験は光学テーブル上で、全てのレーザービームが水平を保って直進するように設定してください。
  • ビーム光路の近くで作業する人は、光を反射する不要な装飾品やアクセサリ(指輪、時計など)をはずしてください。
  • レンズや他の光学装置が、入射光の一部を、前面や背面で反射する場合がありますのでご注意ください。
  • あらゆる作業において、レーザは必要最小限のパワーで動作するようにご留意ください。
  • アライメントは、可能な限りレーザの出力パワーを低減して作業を行ってください。
  • ビームパワーを抑えるためにビームシャッタフィルタをお使いください。
  • レーザのセットアップの近くや実験室には、適切なレーザ標識やラベルを掲示してください。
  • クラス3Rやクラス4のレーザ(安全確保用のインターロックが必要となるレーザーレベルの場合)で作業する場合は、警告灯をご用意ください。
  • ビームトラップの代用品としてレーザービュワーカードを使用したりしないでください。

 

レーザ製品のクラス分け

レーザ製品は、目などの損傷を引き起こす可能性に基づいてクラス分けされています。国際電気標準会議(The International Electrotechnical Commission 「IEC」)は、電気、電子工学技術関連分野の国際規格の策定および普及を行う国際機関で、IEC60825-1は、レーザ製品の安全性を規定するIEC規格です。レーザ製品のクラス分けは下記の通りです

ClassDescriptionWarning Label
1ビーム内観察用の光学機器の使用を含む、通常の条件下での使用において、安全とみなされているクラス。このクラスのレーザ製品は、通常の使用範囲内では、人体被害を及ぼすエネルギーレベルのレーザを発光することがないので、最大許容露光量(MPE)を超えることはありません。このクラス1のレーザ製品には、筐体等を開かない限り、作業者がレーザに露光することがないような、完全に囲われた高出力レーザも含まれます。 Class 1
1Mクラス1Mのレーザは、安全であるが、望遠鏡や顕微鏡と併用した場合は危険な製品になり得ます。この分類に入る製品からのレーザ光は、直径の大きな光や拡散光を発光し、ビーム径を小さくするために光を集束する光学素子やイメージング用の光学素子を使わない限り、通常はMPEを超えることはありません。しかし、光を再び集光した場合は被害が増大する可能性があるので、このクラスの製品であっても、別の分類となる場合があります。 Class 1M
2クラス2のレーザ製品は、その出力が最大1 mWの可視域での連続放射光に限定されます。瞬目反射によって露光が0.25秒までに制限されるので、安全と判断されるクラスです。このクラスの光は、可視域(400~700 nm)に限定されます。 Class 2
2Mこのクラスのレーザ製品のビーム光は、瞬目反射があるので、光学機器を通して見ない限り安全であると分類されています。このクラスは、レーザ光の半径が大きい場合や拡散光にも適用されます。 Class 2M
3Rクラス3Rのレーザ製品は、直接および鏡面反射の観察条件下で危険な可視光および不可視光を発生します。特にレンズ等の光学機器を使用しているときにビームを直接見ると、目が損傷を受ける可能性があります。ビーム内観察が行われなければ、このクラスのレーザ製品は安全とみなされます。このクラスでは、MPE値を超える場合がありますが、被害のリスクレベルが低いクラスです。可視域の連続光のレーザの出力パワーは、このレベルでは5 mWまでとされています。 Class 3R
3Bクラス3Bのレーザは、直接ビームを見た場合に危険なクラスです。拡散反射は通常は有害になることはありませんが、高出力のクラス3Bレーザを使用した場合、有害となる場合もあります。このクラスで装置を安全に操作するには、ビームを直接見る可能性のあるときにレーザ保護眼鏡を装着してください。このクラスのレーザ機器にはキースイッチと安全保護装置を設け、さらにレーザ安全表示を使用し、安全照明がONにならない限りレーザがONにならないようにすることが求められます。Class 3Bの上限に近いパワーを出力するレーザ製品は、やけどを引き起こすおそれもあります。 Class 3B
4このクラスのレーザは、皮膚と目の両方に損傷を与える場合があり、これは拡散反射光でも起こりうるとみなされています。このような被害は、ビームが間接的に当たった場合や非鏡面反射でも起こることがあり、艶消し面での反射でも発生することがあります。このレベルのレーザ機器は細心の注意を持って扱われる必要があります。さらに、可燃性の材質を発火させることもあるので、火災のリスクもあるレーザであるとみなされています。クラス4のレーザには、キースイッチと安全保護装置が必要です。 Class 4
全てのクラス2以上のレーザ機器には、上記が規定する標識以外に、この三角の警告標識が表示されていなければいけません。 Warning Symbol

Posted Comments:
Willem Rovers  (posted 2024-02-27 09:50:14.333)
Best, I can no longer turn on/pulse the laser with the laser electronics unit. The LED also does not light when I connect it to power. What can be the problem?
hchow  (posted 2024-02-29 07:29:29.0)
Dear Mr. Rovers, thank you for your feedback. I believe the problem might possibly lie in the laser electronics unit like you have mentioned. I will personally reach out to you to see how best we can solve this issue. Thank you.
Josef Kölbl  (posted 2024-01-08 12:17:37.74)
Hello, we bought the thorlabs quantum cryptography analogy demo kit many years ago. And students use it almost every semester in a lab experiment. Question: Could we actually purchase the sensor module and/or the sensor electronics module and/or the laser electronics module separately? Just in case to have spare parts? In the kit components list these parts appear as N/A. Thanks, Josef.
hchow  (posted 2024-01-08 09:48:23.0)
Dear Mr. Kölbl, yes you can in fact purchase the individual components of the quantum cryptography kit if you wish to. You would just have to let us know exactly which components it is you want. Thank you.
Vin Tan  (posted 2023-10-09 16:18:44.547)
Hi, this is more of a query then feedback. I have bought the quantum cryptography educational kit earlier this year through your Singapore distributor. I would like to find out, for the sensor module, as compared to single photon detector, how big are the differences? If i would like to simulate an attack on the photon detector conceptually, am i able to use the sensor module?
fmortaheb  (posted 2023-10-09 05:16:06.0)
Thank you very much for contacting us. I'll contact you directly to discuss your application in detail.
Patrick Bales-Parks  (posted 2021-08-23 15:19:40.147)
Hello, Our University is looking at ordering a few of these kits. I would like to know if the kits come in a storage case?
soswald  (posted 2021-08-25 09:31:13.0)
Dear Patrick, thank you for your feedback. To move towards increased sustainability we have switched from plastic cases to cardboard packaging where possible. Therefore the EDU-QCRY1/M kit is shipped in cardboard boxes.
Anitha Kumari K  (posted 2021-07-20 02:18:09.563)
Dear Sir, Myself Dr.Anitha from India!! To continue my research project, I would like to procure Quantum Cryptography Analogy Demonstration Kit!! In this regard, I would like to know the Price of Quantum Cryptography Analogy Demonstration Kit and Local Vendor available in India to procure the device!! Regards, Dr. K. Anitha Kumari, ME., MBA., Ph.D. ASSOCIATE PROFESSOR Department of Information Technology PSG College of Technology Coimbatore - 641 004, TN, India. Phone: +91 9842525820
soswald  (posted 2021-07-23 03:57:52.0)
Dear Anitha, thank you for your feedback. The price of the EDU-QCRY1 kit is 3224.41 € + VAT and shipping. You can find our list of distribution partners here: https://www.thorlabs.de/distributors.cfm For India this is MEL Systems and Services Ltd. P: 91-44-24961903/904 F: 91-44-24960488 E: sales@melss.com
mike antunes  (posted 2020-10-18 13:29:49.597)
Could i get more information on this kit? I not sure how to send a message. thanks mike
nreusch  (posted 2020-10-21 04:29:33.0)
Thank you for contacting us. In the BB84 protocol, Alice and Bob generate the key for the communication. With that key, the message is encrypted. To actually send the message, it is encoded in binary, meaning 0s and 1s. Then, a pulse with, e.g., 0° orientation is defined as “0” and 90° orientation is defined as “1”. You can find a description of the experiments of this kit by clicking on the “Experiment” tab on top of the page. The manual for this kit is also free for download. Chapter 6 features detailed examples of the entire process from key generation over the transmission to the detection of an eavesdropper. If you have any further questions, please contact your local tech support team.
cyasar  (posted 2018-02-14 13:31:00.61)
Hello I am Cumali YAŞAR; I am a Ph.D. student at Çanakkale Onsekiz Mart University. I wrote a project on Quantum Key Distribution. The budget is low. We decided to buy "Quantum Cryptography Demonstration Kit" as a team. We need some information from you guys. Question -1: Do you send the technical specifications for the purchase? Question 2: Can the Quantum Cryptography Demonstration Kit be controlled by a computer? How do we get the results of the squeeze process. We thank you.
jkuchenmeister  (posted 2018-02-14 10:07:57.0)
This is a response from Jens at Thorlabs: Question 1: I'll get in touch with you via e-mail. Question 2: At the moment, the experiment does not feature a computer control. The laser pulses are released manually. The information which detector responds is given by the signal LEDs at the top of the sensor units. Please note that there is no squeeze process. The kit is a purely classical demonstration kit with a pulsed laser. There is no actual quantum physics going on. However, since the polarization state of light is similar for a classical wave and single photons, students can go through the whole BB84 protocol (preparation of the state, measurement, etc.) to understand this protocol of quantum cryptography.
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量子暗号擬似実習用キット

+1 数量 資料 型番 - インチ規格 定価(税抜) 出荷予定日
EDU-QCRY1 Support Documentation
EDU-QCRY1量子暗号疑似実習用キット(インチ規格)
¥533,482
7-10 Days
+1 数量 資料 型番 - ミリ規格 定価(税抜) 出荷予定日
EDU-QCRY1/M Support Documentation
EDU-QCRY1/M量子暗号疑似実習用キット(ミリ規格)
¥533,482
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