ピエゾ素子の製造能力


ピエゾ素子の製造能力


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Thorlabs OEM Brochure

当社では、低電圧ピエゾアクチュエータ(チップ)、多段チップ型ピエゾアクチュエータ、移動増幅機構付きピエゾアクチュエータなど、幅広い種類のピエゾ(PZT)デバイスを製造しています。中国の上海にある自社の総合製造施設では、組み込み用(OEM用)や特殊な用途向けにも精密で信頼性の高いピエゾデバイスを低価格で製造することができます。量産製造が可能なため、大量のご注文にも短いリードタイムで対応いたします。

当社の豊富な種類のPZT製品は、さまざまな分野で使用されています。

  • 半導体技術
  • オプトエレクトロニクス
  • コミュニケーションおよび集積光学
  • バイオテクノロジ、ライフサイエンステクノロジ
  • 精密機械加工
  • 医療技術、医薬品設計
  • データストレージ技術
  • ナノテクノロジ
  • ナノ製造技術、ナノオートメーション
  • 宇宙工学
  • 画像処理

ページ上のタブまたは下の写真をクリックすると、当社のピエゾ素子製造ラインおよび各製造工程における当社の取り組みをご覧いただけます。

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ピエゾアクチュエータを設計するエンジニア

ピエゾ素子の設計能力

当社には、幅広い種類のピエゾ素子やデバイスの生産を可能にする、次のような製造能力とパッケージング技術がございます:

当社では、多くの研究や産業用に幅広い種類のチップ型、多段チップ型ほかのアクチュエータを製造しております。これらには、チップ内部(in-chip)や積層上(on-stack)で絶縁されたアクチュエータ、複数のチップ型アクチュエータを接着剤で結合させた多段チップ型アクチュエータ、そして1つのモノリシックユニットに焼結された共焼成積層型アクチュエータなどが含まれます。またバイモルフ型ベンダ、閉ループ用歪ゲージ内蔵型ピエゾデバイス、多軸ポジショナなどもご提供しております。チップ型ならびに多段チップ型アクチュエータとしては断面が正方形、円形、およびリング型の製品をご提供しており、さらに横方向に変位する製品(せん断ピエゾアクチュエータ)もございます。

当社の専門家チームはピエゾデバイスの設計、製造、開発に関する豊富な専門知識を有しています。標準品以外にも、断面形状や厚さに関してカスタム仕様のチップ型や多段チップ型のピエゾアクチュエータを製造することができます。静電容量や最大電圧についてもカスタマイズが可能です。

断面の寸法は0.7 mm~85 mm、また厚さは0.5 mm~25 mmのピエゾアクチュエータを製造することができます。チップ内部(in-chip)で絶縁するタイプのアクチュエータについては、動作中に亀裂が入らないよう厚さを≤3 mmに抑えることをお勧めしています。3 mm以内の厚さであればアクティブ領域と絶縁領域の境界での応力を安全なレベル内に維持することができます。

多層構造のPZTチップ設計能力

当社の専門家チームは、多岐にわたるツールや設計技術を利用して、ピエゾアクチュエータおよびデバイスの豊富な品揃えを実現しています。下の写真のように、多層PZTチップの構築および組立ての各工程が全て当社の製造技術により管理されています。

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図1: スクリーン印刷機

内部電極のスクリーン印刷および積層
自動スクリーン印刷機(図1)で、セラミックテープの各層に内部電極を印刷します。印刷には当社の積層PZTデバイス用に設計された銀・パラジウムペーストやマスクを使用します。このような相互接続された電極付きの層を積み重ねて、多層PZTブロックを製作します。この設備は高い精度で効率的にブロックを作成できるため、量産製造が可能です。

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図2: 等方圧プレス機と準備されたPZTブロック

等方圧プレス
スクリーン印刷後、PZTブロックは真空密封された容器に収納され、等方圧プレス機内に設置されます(図2参照)。このプレス機は均一な規定圧力をPZTブロック全体にかけることでPZTデバイスの密度を増加させます。これによりデバイスの機械的特性や加工性が向上します。

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図3: PZTブロック用の切断機

切断
適切な圧をかけたPZTブロックを個々の素子に切断します。この作業はプログラム可能な切断機を使用して行います(図3参照)。ブロックは、内部電極のパターンに合わせて最終製品のサイズに切断されます。これにより、多岐にわたるカスタマイズオプションと量産製造が可能になります。

脱バインダおよび焼結
個々にカットされた部品のセラミック中には、PZTブロックを製作する際に必要であったバインダ材と残留溶媒が含まれているため、これらをクリーニングし除去する必要があります。脱バインダ(バインダーバーンアウト)は、PZTを適切に設定された熱サイクルにかけて行います。この工程によってバッチによる性能差や欠陥が除去され、当社の製造ラインのすべての製造工程における信頼性と再現性が向上します。

バインダーバーンアウトが完了すると、チップを焼結する準備が整います。この工程は高温で行いますが、この温度ではセラミック自体は溶解せず、焼結によりセラミックが結合します。この工程は、結晶を形成し成長させ、適切な密度が得られるまで続けられます。

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図4: バインダーバーンアウトおよび焼結後のPZTチップ

ラップ仕上げ
当社では厳しい寸法公差を得るために高精密のラップ盤を使用し、移動方向(伸縮方向)のPZTデバイスの厚さを管理しています。当社で使用しているラップ盤(図5参照)では、バッチ全体のチップに対する公差として5 µmが得られます。

外部電極のスクリーン印刷
PZTデバイス製造の次のステップでは、システム内で電気接続に用いられる外部電極を製作します。当社の製造工程では、電極を各デバイスにスクリーン印刷します。まず、セラミック表面を丁寧にクリーニングしてスクリーン印刷の準備をします(図6参照)。次に、セラミック表面に金属銀を印刷して外部電極を作成するための機械にセットします。

最後に、規定の温度で複数回加熱すると、銀が焼き付けられて銀電極とセラミックの結合力が強化されます。

分極
製造のこの時点では、このセラミック部品はまだピエゾデバイスではありません。焼結されたPZTチップは等方的であるため、ピエゾデバイスとしての機能を持たせるには分極処理を行う必要があります。分極処理では、デバイスの電極に強い電界を印加することで(図7参照)、セラミックのピエゾ素子特性を活性化します。

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図5: PZTチップのラップ仕上げを行うPR-Hoffman社製両面研磨機
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図6: PZTチップに電極をスクリーン印刷する様子
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図7: 焼結されたPZTチップを分極処理する様子
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図1: 変位量試験

当社で製造されたPZT製品は、発送前に数回にわたる性能試験および安全性試験を受けます。このような研究所レベルの管理システムを採用した厳しい品質管理により、当社のピエゾデバイスの高い品質と性能が実現されます。当社では以下のような試験を実施しています:

  • 性能試験(ストローク、共振周波数、インピーダンスなど)
  • 加速寿命試験(ピエゾデバイスの信頼性および平均寿命の評価)
  • 交流電流試験(絶縁強度試験)

ピエゾデバイスの変位量(ストローク)試験の方法はデバイスのサイズによって異なります。2 mm × 2 mm以上のピエゾチップの試験には、高解像度(0.03 µm)のMicro-Epsilon社製レーザ変位センサを使用します。これは非接触試験のため、試験中にチップに触れることがなく、正確な測定値が得られます。さらに小さいPZTチップ(1.5 mm × 1.5 mm以下)の場合は、レーザ干渉計を使用して変位量を測定します。この干渉計は高い精度(±0.5 ppm)および分解能(0.001 µm)を有しています。

インピーダンス、共振周波数、反共振周波数などの基本的な電気特性および性能特性は、Agilent社製のインピーダンスアナライザで測定します。

加速寿命試験では、PZTデバイスの信頼性および平均寿命を評価します。ピエゾの信頼性および適応性は、高温、高湿度および倍電圧の条件下で応答を分析して調べます。さらに、経時変化したデバイスに対する性能試験や新しいデバイスとの比較試験によって、ピエゾの信頼性および平均寿命が推定できます。

交流電流(AC)試験は、デバイスを交流電圧および機械的振動に長期間さらすことで絶縁強度を検査します。

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図4: AC試験
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図3: 加速寿命試験
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図2: 基本的な電気特性試験および性能試験
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変位量増幅機構付きPZTアクチュエータの組立て

当社のチップ積層型ピエゾアクチュエータは、独立したPZTチップから組み立てられています。ピエゾアクチュエータを組み立てるには、エポキシ樹脂とガラスビーズで複数のピエゾチップを接着します。複数のチップを直列に組み合わせることで、ピエゾアクチュエータは1個のチップよりも非常に大きなフリーストローク変位量を得ることができます。その際、チップのサブミリ秒の応答時間と低電圧駆動という特性は保持されます。チップの4つの面にはセラミックの絶縁層が付いており、一般的なエポキシ樹脂のコーティング設計に比べて製品を湿気からより良く保護します。残りの2面はスクリーン印刷による銀電極で、電気的接続のための面となっています。アクチュエータ内の各チップは精密な研磨加工が施されているため、積層の高さは±0.1 mmの精度を保持しています。また、アクチュエータには長さ75 mmのワイヤがあらかじめ取り付けられており、さらに電気絶縁性を高めるために、Kaptonテープで覆われています。

当社の移動量増幅機構付きピエゾアクチュエータは、フレクシャーマウントに積層型PZTアクチュエータを組み込んだ構成となっております。この組み合わせにより、フリーストローク変位量がテコによって増幅され、積層型アクチュエータに比べて変位量が大幅に大きくなります。この移動量増幅機構付アクチュエータは、当社のピエゾチップおよびアクチュエータのサブミリ秒の応答時間と低駆動電圧という特性を保持しています。この変位はフレクシャーマウント内のPZTアクチュエータによって生成されるため、バックラッシュは起こりません。


Posted Comments:
Xie Caijin  (posted 2019-10-12 19:36:08.897)
Do you offer piezoelectric customization service? We want to customize piezoelectirc.
llamb  (posted 2019-10-12 01:25:22.0)
Thank you for contacting Thorlabs. Yes, we do offer piezoelectric customization services. You can reach out to your local Thorlabs Technical Support team for customization inquiries (techsupport-cn@thorlabs.com). For this particular case, we will reach out to you directly to discuss your application.
jennette.manalo  (posted 2016-05-21 03:21:30.627)
Do you sell the screen printing machine for PZT? If yes, kindly provide details such as specifications, price, etc.
besembeson  (posted 2016-05-25 10:09:55.0)
Response from Bweh at Thorlabs USA: We do not provide this machine at this time. I will contact you with a recommendation.