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ラマン分光法


ラマン分光法


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ラマン分光法:アプローチ

ラマン散乱光はレイリ散乱光に比べて弱いので、弱いラマン信号を強いレイリ信号から分離することが長い間ラマン分光法の課題でした。この問題は今日ではノッチフィルタまたはエッジパスフィルタによって簡単に解決できます。同様にラマンスペクトルの記録は、CCDカメラを用いた分光器の出現により大きく進歩しました。下の写真は当社の部品で構築したラマン分光システムです。 このラマン分光システムは、テーパ付き半導体増幅器を搭載した波長可変レーザーキットTLK-L780Mが出力する、780 nmのレーザ光用に設計されました。

この側方散乱の構成では、レーザ偏光が光学テーブルに対して垂直になるよう設定されました(水平偏光は水平散乱しません)。キュベットで保持された試料は当社のキュベッドホルダCVH100に取り付けられています。キュベットの4方向から光のアクセスが可能なため、ラマン分光システムに適した製品となっています。散乱光はファイバに集光され、分光計CCS200に送られます。 右下にこの780 nmラマン分光システムで測定されたイソプロピルアルコールのラマンスペクトルをご覧いただけます。

Raman Spectrometer
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当社の部品で構成されたラマン分光システム
Raman Spectrum for Isopropyl Alcohol
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イソプロピルアルコールのラマンスペクトル。上記で説明した780 nmラマン分光計で測定。

ラマン分光法における光信号強度

ラマン分光法では光強度は重要です。ラマン散乱光はもともと弱いことに加え、1/λ4に比例する強度になります。感度ならびにデータ積算時間は出力を上げると改善します。ただしノッチフィルタまたはエッジパスフィルタが強いレイリ信号を減衰させること、光出力がデバイスの損傷ならびに飽和閾値未満であることが前提です。この要求に対応するために、当社では出力400 mWのLD785-SE400または300 mWのLD785-SEV300のように、数百mWオーダの出力パワーを有する785 nm半導体レーザーパッケージをご用意しております。

 

ラマン分光法用のレーザ光源

レーザを用いて試料内にラマン散乱光を発生させる際には、感度や測定積算時間を向上させるために十分な光出力が必要です。当社ではGaAs材料の開発や製造 プロセス開発を行ってきました。それらの開発成果をもとに、出力パワーが高く、広い波長域に対応可能な信頼性の高いデバイスを製造しています。

ラマン分光法に適したレーザ光源を以下でご紹介いたします。

GaAsベースのファブリペロー型およびDFB半導体レーザ
当社のGaAsベースの利得チップおよび半導体レーザは、機器の内部光源の置き換えによるハイパワー化で信号品質を向上させたり、カスタマイズした半導体を 組み込んで新しい機器を設計するといった可能性を引き出します。一般的にラマン分光システムには、785 nmのチップを組み込みます。当社ではØ9 mm TO-Canの785 nm半導体レーザを2種類ラインナップしています。1つは出力が400 mWの半導体レーザ(LD785-SE400)、もう1つは出力が300 mWの波長安定化半導体レーザ(LD785-SEV300)です。

用途によっては、試料のバックグラウンド蛍光ノイズと1/λ4の ラマン信号のバランスを考慮して、上記以外の波長が望ましいこともあります。GaAs材料のシステムは630 nm~1050 nmの波長を発生できるように設計されています。このように、当社のOEM製造技術によって、様々の用途に対応できる方法を見つけ出すことが可能です。 このシステムの詳細に関するお問い合わせ、および用途のご相談については当社までご連絡ください。

 

試料への光照射

上述のラマン分光法を用いた実験には、当社の豊富な品揃えのオプトメカニクス部品光学マウントおよび光学素子を使用しました。セットアップは、SM1レンズチューブおよび30 mmケージシステムを使用してブレッドボード上に構築されています。部品は、Ø12 mmならびにØ25 mmのポストアセンブリとベースを用いて取り付けています。これとは別に、当社の豊富な種類の光学レールを用いてレールシステムを構築することも可能です。標準的な光学マウントシリーズに加え、実験中に温度が変化する環境下においてアライメントの長期安定性が求められる用途では、低ドリフトキネマティックミラーマウントを用いて光学素子をシステムに取り付けることもできます。

光学素子
光をシステム内に伝搬させるための様々なミラー製品をご用意しています。広帯域および金属コーティング付きの平面ミラー以外にも、光をシステム内に集光またはコリメートする際に色収差が生じない凹面および軸外放物面ミラーも提供しています。

ラマン散乱光は、レイリ散乱光や試料からの蛍光などから発生する信号に比べて弱い信号です。不要な信号を除去するフィルタは、ラマン分光システムにおいて重要な要素となります。プレミアムエッジパスフィルタおよびバンドパスフィルタシリーズは、このシステムに適しています。 これらのラインナップには、500 nm~1000 nmのカットオフ波長に対応するロングパスフィルタや、400 nm~1064 nmの中心波長に対応するバンドパスフィルタもございます。

ファイバ
ラマン分光法の用途では、ファイバーパッチケーブルを用いると、容易に光の導入や集光が行えます。様々なコアサイズやコネクタタイプ、ケーブル長をご用意しています。ご希望の用途に適したパッチケーブルが見つからない場合は、カスタムパッチケーブルのページでカスタム仕様のパッチケーブルを設計することが可能です。

後方反射からのレーザの保護
セットアップ内の光学素子からの後方反射は、レーザのキャビティに再入射し、モードホッピングや振幅変調、周波数シフトなどを引き起こすだけでなく、レーザ光源にダメージを与える恐れもあります。光アイソレータはパッシブ型の磁気光学デバイスで、光を一方向にだけ透過させるので、アイソレータの後方(下流)で 生じる後方反射や信号から光源を保護することができます。当社の光アイソレータは、 UV域~赤外域の中心波長域でのファイバ結合タイプや自由空間入出力タイプがあります。ご希望の多いアイソレータは、ご要望に迅速にお応えできるように標準品としてご用意しておりますが、カスタム仕様のアイソレータもご提供可能です。 カスタマイズやお見積りのお問い合わせはカスタムアイソレータのページをご覧ください。

サンプルホルダ

キュベットホルダCVH100(/M)を使用すれば、上記のラマン分光システム内に試料を組み入れることができます。このホルダはマクロおよびマイクロサイズのキュベットの 両方にお使いいただけ、4つの光入力ポートが付いています。フィルタはフィルタホルダを用いてCVH100(/M)上部のスロットに装着します。キュベットホルダには、コリメート用レンズ付きのファイバーアダプタが付属しているので、出力光をファイバに結合して、ディテクタに信号を送ることができます。

検出

ラマン分光法のセットアップによって発生したスペクトルを記録することができるCCD分光計を ご用意しております。この小型の分光計にはSMAコネクタ付きの入力ポートがあり、SMA-SMAコネクタ付きパッチケーブルが付属します。 それぞれの分光計は波長および振幅強度が校正されています。分光計はソフトウェアによって制御されますが、これにはグラフィカルユーザーインターフェイスや、データの取得および分析ができる様々なドライバのセットが含まれています。

 

Vibrational States of CO2 Molecule

ラマン分光法の基礎

1928年に物理学者クリシュナンとラマンによって発見されたラマン分光法は、線形ラマン分光法からコヒーレントアンチストークスラマン分光法まで多くの技術を生み出し、分光分析の強力なツールであることが証明されています。ラマン分光法の最も一般的な用途は、分子などの振動、回転やその他の低周波モードを測定することです。

分子によるラマン散乱は非弾性です。よって、最終的なエネルギ状態と初期のエネルギ状態が異なり、その結果、分子の量子状態も異なります。 このラマン散乱は、最終的なエネルギ状態と初期のエネルギ状態が同じ(つまり、エネルギが一定)で分子の量子状態も同じであるレイリ散乱とは対照的です。レイリ散乱もラマン散乱も分子の分極率に依存しますが、分極率が大きいほど散乱断面積は大きくなります。またレイリ散乱もラマン散乱も1/λ4に比例する2次散乱過程ですが、レイリ散乱の散乱の割合は、ラマン散乱の割合より103倍のオーダで大きくなります[1]。典型的なラマン分光法においては、より強いレイリ信号が放出されますが、その信号には振動準位に関連する情報はあまり含まれていないので、ラマン信号より強いレイリ信号は取り除かれます。

Stokes and Anti-Stokes Radiation

ラマン分光法の観測には、分極率の変化が必要となるため、双極子遷移を直接的に測定できないという限界があります。よって分子の振動ならびに回転準位を全て測定するためにラマン分光法を他の技術とともに併用する場合があります。例えばCO2分子の3種類の振動準位が右に描かれていますが、ラマン活性なのはν1(対称伸縮)のみです。他の2つの振動準位(変角と非対称伸縮)は赤外活性です[2]。このようにラマン分光法と赤外分光法は相補的な関係にあります。

Raman Spectrum for Acetone
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532 nmのラマン分光システムで測定したアセトンのラマンスペクトル(下)、および一般的に公表されているスペクトル(上)。

ラマン散乱では、入射光子(hνi)が分子に吸収される過程と、分子が「仮想」準位(必ずしも定常の固有状態ではない)に励起する過程の2光子過程で説明されます。分子はこの仮想準位に励起すると脱励起し、「散乱」光子(hνs)を放出します。一般的には分子は基底状態から始まるので、散乱光子のエネルギは入射光子よりも小さくなります。放出エネルギの違いは、分子の振動、回転、電子エネルギに関連しています[2]。入射光子よりも低いエネルギを持つ散乱光子の放出をストーク放射、入射光子よりも高いエネルギの散乱光子の放出をアンチストークス放射といいます。左はストークスならびにアンチストークス放射を表した図です。アンチストークス放射では散乱過程の前の分子状態は励起状態でなければならないため、基底状態を初期状態とするストークス信号よりも、アンチストークス信号のピーク強度は低くなります。

右では当社の半導体レーザDJ532-40で取得したアセトンの典型的なラマンスペクトルを一般的に公表されているスペクトル結果と比較しています。標準的な線形ラマン分光法では複数の測定によって分子の情報を得ています。散乱放射の線幅は、測定対象の多種多様な情報取得につながります。例えば、ガス試料では、線幅はドップラ幅、衝突広がり、自然線幅等を表します。ラマンスペクトルの偏光分析でもまた、異方性や分極率テンソルについての情報が得られます。さらには、偏光分析で分子方向や振動対称性についての情報も得られます。そしてラマンスペクトル線の強度は散乱断面積や分子の初期状態における電子密度に関連します。

[1] D. W. Ball, Spectroscopy 16(2), 28 - 30 (2001)
[2] W. Demtroder: Laser Spectroscopy Volume 2, 4th Edition (Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, 2008)
[3] G. Dent and E. Smith: Modern Raman Spectroscopy: A Practical Approach, (Wiley, Chichester, United Kingdom, 2005)
[4] I. R. Lewis and H. Edwards: Handbook of Raman Spactroscopy, (CRC Press, 2001)
[5] R. L. McCreery: Raman Spectroscopy for Chemical Analysis, (John Wiley & Sons, Inc., 2000)


Posted Comments:
user  (posted 2019-05-13 10:31:38.73)
Hello, last summer for my internship I bought products through ThorLabs to build a homemade Raman Spectrometer. I was curious if you could send me the products used for this ThorLabs constructed Spectrometer with the quotes for each? Thank you!
YLohia  (posted 2019-05-13 04:50:32.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. Unfortunately, many of the key components shown in this setup have been obsoleted with no direct replacements (as of 05/2019). I will reach out to you directly to discuss your application.
chertopalovs  (posted 2017-10-24 22:43:16.72)
Dear Sir, I'm a researcher from Missouri University of Science and Technology and I'm interested in UV Raman spectrometer. Could you please send me quotations? Thank you! Kind regards, Sergii.
tfrisch  (posted 2017-11-15 11:43:05.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. I will reach out to you to discuss your application and a quote.
mojtaba.zamani.a  (posted 2017-06-20 14:20:15.643)
Is there any manual to find out which one of your products should be choose to assemble a raman spectroscopy system?
tfrisch  (posted 2017-06-27 10:39:44.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. I will reach out to you directly about your application and its requirements.
brookwork  (posted 2017-03-27 12:28:23.743)
We are an academic research team at Tennessee Tech, and we are interested in purchasing Raman spectrometers at various excitation wavelengths including 785nm, 532nm and UV excitation ranges. Could you please send us their quotations via e-mail. Thank you!
tfrisch  (posted 2017-03-31 09:38:44.0)
Hello, thank you for contacting Thorlabs. While we don't have preconfigured systems, I will reach out to you with some details on setups we have put together in the past.
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