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光学テーブルのチュートリアル


光学テーブルのチュートリアル


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当社の光学テーブルのラインナップはこちらからご覧いただけます。

Nexus Breadboard and Frame
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図1:除振機能付き支柱で支えられた光学テーブル

光学テーブルの必要性

研究対象によっては、振動のない環境で実験や測定を行う必要がしばしば生じます。しかし、エアコンやヒートポンプ、道路および鉄道システムなどの振動源は、周辺環境に連動した暗振動を発生させます。複数の部品を個別に精密かつ厳密にアライメントすることが必要な光学システムでは、振動によって性能が低下しやすくなります。

多くの実験では小さな振動が邪魔になります。例えば、レーザ用途では数ミクロンのビームウエストを必要とすることもありますが、そのスポット位置がシステムの性能に重要である場合、ミクロンレベルの振幅の振動であっても、実験がうまくいきません。また、可視光はサブミクロンの波長を有するため、インターフェロメータを使用した実験(ホログラフィなど)は、たとえサブミクロンの振幅であっても、振動が発生すると実施不可能になってしまいます。半導体ウェハを光加工や機械加工またはプロービングする際にも同様の安定性が必要とされます。移動または振動するメカニカル要素を使用した実験の場合、これらの部品は厳密にアライメントされた他のすべての光学素子から振動の影響を受けないように分離することが必要です。

光学テーブルの特性

使い易さを考えると、光学システムを取り付ける面(図1など)は、いくつかの基本的な要求を満たしている必要があります。まず、長期的に安定で、共振がない状態で光学素子の取り付けや正確なアライメントを行うためには、強固なベースが必要です。重要な光学素子に振動の影響を与えないようにしつつ、モータや移動式部品によって実験中に発生するあらゆる振動を減衰する必要があります。さらに、実験室の周囲で発生する振動から完全に隔絶する必要があります。

これらの基準が満たされていない場合、好ましくない実験結果となる可能性があります。個々の部品またはシステム全体が正しく機能しなくなることもあります。貴重なデータがランダムノイズに埋もれ、あるいは振動によるノイズによって、データの誤認識や正確でない評価がされてしまいます。

このような不本意な結果を防ぐために、様々なデザインの光学テーブルおよび光学ブレッドボードが開発されてきました。剛性に優れ、上面が平坦で、重すぎない光学テーブルが理想的です。そして、通常は、空気バネを使用した免振設置によって、周囲の暗振動から保護されます。過去においては、重量を許容レベルに保ちながら性能を向上させるために、テーブルトップの製造には花崗岩やコンクリート、木、スチールなどの単種の材料、そして、様々な複合構造(一般的ではないもの)が試されてきました。それぞれの材料には利点と欠点がありましたが、複合構造の技術を使用した時に、最良の性能を得ることができました。そのため、現在、光学テーブルトップや光学ブレッドボードには、2枚の平坦なプレートに挟まれたクラッド金属製のハニカム(図2参照)が一般的に使用されています。

Nexus Breadboard Cross Section
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図2:Nexusテーブル/ブレッドボードの断面図。(1)上面、(2)下面、(3)サイドパネル、(4)サイドレール、(5)ハニカムコア

除振

除振機能付きの支柱およびフレームは、光学テーブルやブレッドボードを建物の周囲での振動(一般的に4~100 Hzの範囲内)から除振することができます。周波数の差が大きいと、エネルギは別の形態に移行できないため、当社では、共振周波数が100 Hzを十分に上回るテーブルトップを特別に設計しました。つまり、共振周波数の差を大きくすることで、テーブルトップと支柱システムの間でエネルギの移行ができなくなります。

他の高性能製品と同様に、光学テーブルの開発および設計は性能特性を向上させるための新しいテクノロジやアイディアを常に取り入れながら進行中です。当社のテーブルは、以下の3つの領域の開発に注力して設計を行ってきました:

  • 独自のダンピング技術を用いたテーブル性能の向上
  • 用途に必要な性能がコストを上回るような費用効果の高いテーブルの開発
  • 見過ごされがちな支柱の水平方向への除振性能に対する取り組み

その結果として製品化されたのが、Nexus®シリーズの光学テーブルおよびブレッドボードのラインナップになります。テーブルは210 mm、310 mm、460 mmの厚さ、ブレッドボードは60 mmまたは110 mmの厚さをご用意しております。また、お客様独自のニーズに応じた光学テーブルのカスタマイズも行っております。各テーブルトップは実験に必要な除振のレベルに応じて、固定式の除振機能無し支柱パッシブ型空気ばね式除振装置付き支柱アクティブ型除振(自動レベル調整機能付き)装置付き支柱の中の1つと組み合わせて使用できます。

市販されている多くの光学テーブル用のアクティブ型除振機能付きシステムでは、開口部の近くにあるエアタンクを2つに分割することによって垂直方向の動きを直接減衰します。これによって水平方向の振動も減衰しますが、水平方向の振動が2つのエアタンクによるダンピング機構の垂直モードに結合されなかった場合にのみ減衰されます。結果として、水平方向の減衰は効率的ではない2次的なものとなります。当社の水平方向の除振性能を強化したアクティブ型除振装置には、水平方向の振動を直接減衰できるように特別に設計された長い振り子方式の機構が内蔵されています。

Nexus Breadboard Cross Section
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図1:実験室内の一般的な振動源

振動源

振動(一般的にはノイズと呼ばれます)は、主に以下の3つのカテゴリに分類されます:地盤振動、音響振動、作業面の荷重に直接かかる力。地盤振動には、実験セットアップが設置されている床を振動させるあらゆる振動源が含まれます。一般的な地盤振動源としては、歩行や車両交通、建物に吹き付ける風、建物内の換気扇などがあります。

地盤振動を発生させる振動源の多くは音響振動も発生させます。この2つの振動の違いは、音響振動は様々な実験中の空気圧の変化による効果の尺度であるということです。

3つ目の振動の要素は、作業面の荷重に対して直接かかる力です。これらの力は、実験セットアップには機械的に結合しますが、テーブル支柱には伝達されません。この振動要素には試料を上面に乗せた移動ステージの動きによる振動や真空システムチューブを介して作業面に伝達する振動も含まれます。

振動の特性

振動は、ランダムな振動と周期的な振動に分類されます。周期的なノイズには、連続動作する真空システムから発生する継続的な振動も含まれますが、室温に応じてスイッチがオン・オフされる空気処理システムのファンによって発生する振動も含まれます。ランダムな振動は、建物に吹き付ける風や道路で水道管を掘る削岩機の音など、予測不可能な振動に分類されます。振動が発生するタイミングに加えて、振動の周波数や振幅について認識することも重要です。一般的に、実験室周辺の振動の周波数範囲は4~100 Hzです。

多くのノイズ源が、実験セットアップの周囲振動の原因となってますが、その影響は一つのメカニズムにとどまりません。例えば、実験セットアップの横に設置した真空ポンプは、床の地盤振動と音響振動を発生させます。光学システムのノイズ源を分析する際には、これら両方の振動の周波数を考慮に入れる必要があります。ただし、機械的な結合効率は、音響源の結合効率よりも一般的に高くなっているため、全てのノイズの最も大きな要因は、通常、地盤振動と荷重に直接かかる応力になります。従って、振動吸収パッド上に真空ポンプを設置することで、振動を減少させて、他の振動源と比べて全体的なノイズをかなり小さくすることができます。

TypeFrequencyAmplitude
Air Compressors4 - 20 Hz10-2 in
Handling Equipment5 - 40 Hz10-3 in
Pumps (Vacuum,
comp or non-comp fluids)
5 - 25 Hz10-3 in
Building Services7 - 40 Hz10-4 in
Foot Traffic0.5 - 6 Hz10-5 in
Acoustics (B)100 - 10000 Hz10-2 to 10-4 in
Air currentsLabs can Vary Depending on ClassNot Applicable
Punch PressesUp to 20 Hz10-2 to 10-5 in
Transformers50 - 400 Hz10-4 to 10-5 in
ElevatorsUp to 40 Hz10-3 to 10-5 in
Building Motion46 Hz per Meter of Height, Horizontal0.1 in
Building Pressure Waves1 - 5 Hz10-5 in
Railroada5 - 20 Hz±0.15g
Highway Traffica5 - 100 Hz±0.001g
  • 重力を基準加速度として、振幅はdBで表記されています。

表1:一般的な振動源の周波数と振幅

振動源の特定

実験室では、通常、周辺ノイズのスペクトルの調査が行われます。表1では、最も一般的なノイズ源と、その周波数および振幅を掲載しています。この表から、最も大きな振幅を有する振動源や、周波数がお手持ちのシステムの共振周波数に近いかどうかなどを調べることができます。

除振システムを選ぶ前に、存在するノイズ源を認識し、上述した真空ポンプの例のように、可能ならばそのノイズ源を排除することが有益です。作業環境からノイズ源を排除することで、ノイズが減少し、除振の必要性を減らすことができます。その結果、除振システムにかけるコストの削減につながります。

例えば、図1ではオシロスコープを実験室の作業面に直接設置しています。これにより、オシロスコープのファンからの振動は実験結果に直接的な影響を及ぼします。オシロスコープを作業面に直接接触しないオーバーヘッドシェルフに設置することで、振動源を排除することができます。どのノイズ源を排除するかを考慮する場合、最も有効なのは、機械的な結合効率が高い地盤振動と作業面の荷重に直接かかる応力を排除することです。

空調システムおよび冷却ファンからの熱的外乱も、温度変化によって材料の伸長や収縮が起こることで部品間の相対運動を発生させる原因となります。一般的に、多くの空調システムでは温度を1時間あたり1℃未満しか制御できません また、実験技術によっては、空気の屈折率および密度の変化(どちらも温度に依存します)の影響を受けやすいこともあります。その場合、変動に敏感な部品の周囲に筐体システムを設置し、温度変化や空気の流れを遮ると効果的です。

振動の基準

メーカがデバイスの使用に最適な環境仕様を提供している場合は、必要な振動基準を知ることができますが、そうでない場合もあります。その場合は、Colin Gordon Associatesのような第3者機関によって一般的な基準が設けられています。下の表2では、それぞれの環境において発生する振動の程度に適した用途に加えて、各環境内で達成可能な分解能についても記載しています。図2は各環境における基準曲線のグラフで、1/3オクターブバンド中心の周波数とRMS振動速度の振幅の関係を示しています。

一般的な振動の基準

高品質な実験結果を得るために必要とされる潜在的なノイズ源および振動基準について理解すると、除振システムを構築できるようになります。実験室や周辺環境からのノイズ源を排除できない場合、システムは実験に影響を与える可能性のある周波数範囲(4~100 Hz)における全てのダイナミック入力を減衰する必要があります。また、システムはこれらのインパルスを減衰して作業面で発生するあらゆる外乱の継続時間を最小限に抑えなくてはなりません。

除振システムの選択

除振システムを選択する際、以下の2点を確認することが重要となります。

  • 環境条件:どこにテーブルを設置するか(例:地下や鉄骨ビルの上階など)
    このことは光学テーブルの支柱に必要な除振レベルを決定する際に重要です。
  • 用途に対する感度:テーブルをどのような用途で使用するか(つまり、実験の環境に対する敏感さ)
    このことは、光学テーブルに求められる剛性および内部のダンピング機能を決定する際に重要です。

表2にリストアップされている使用環境は、周辺環境から受ける影響を減少させて、様々な用途で使用できるように選択されました。


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図2:様々な振動基準におけるRMS速度と1/3オクターブバンド中心の
周波数の比較
Criterion CurveRMS Vibration
Velocity Amplitudea
Resolvable Detail Size (Line Width)Description of Use
Workshop (ISO)800 µm/s (8 - 80 Hz)N/AVibrations can be distinctly felt. Appropriate to workshops and non-sensitive areas.
Office (ISO)400 µm/s (8 - 80 Hz)N/AVibration can be felt. Appropriate to offices and non-sensitive areas.
Residential Day (ISO)200 µm/s (8 - 80 Hz)75 µmVibrations can be barely felt. Probably adequate for computer equipment, probe test equipment, and low-power to 20X microscopes.
Operating Theatre (ISO)100 µm/s (8 - 80 Hz)25 µmVibration cannot be felt. Suitable in most instances for up to 100X microscopes.
VC-A50 µm/s (8 - 80 Hz)8 µmAdequate for most optical microscopes up to 400X, microbalances, optical balances, and proximity and projection aligners.
VC-B25 µm/s (8 - 80 Hz)3 µmAppropriate for optical microscopes up to 1000X and inspection and lithography equipment (including steppers) down to 3 micron line widths.
VC-C12.5 µm/s (1 - 80 Hz)1 µmA good standard for lithography and inspection equipment down to 1 micron detail size.
VC-D6 µm/s (1 - 80 Hz)0.3 µmSuitable for the most demanding equipment, including electron microscopes (TEMs and SEMs) and E-beam systems.
VC-E3 µm/s (1 - 80 Hz)0.1 µmA difficult criterion to achieve in most instances. Assumed to be adequate for long path laser based interferometers and other systems requiring extraordinary dynamic stability.
    • 1/3オクターブバンド範囲における測定値

表2:基準曲線の解釈と適用(ご提供:Colin Gordon Associates)

図1:振動自由度1のシンプルな系:
棒は面内のみで振動するように動きが制限されています。

光学テーブル設計上の主要目的は、光学テーブル面で複数のコンポーネント間に相対運動が生じないこととなります。しかし、光学テーブルの設計について説明する前に、振動の根本的な理論やテーブルトップの振動に関して一般的に使用される用語について確認する必要があります。以下では、コンプライアンス、振動、共振、ダンピングについて説明します。

コンプライアンス

光学テーブルのテーブルトップの設計検討は、工学および物理学における実践上の問題が多分に含まれています。その検討の取り掛かりは、外力に応答する本体または構造の変形となります。この外力として、テーブルに大きな荷重が局所的に搭載された場合のテーブルトップのたわみなどの静的な力が挙げられます。一方、大気中の音響振動、テーブルトップ上の小型モータによる振動、光学テーブルの支柱を介して建物からテーブルトップに伝わる振動は動的な力も加わります。

コンプライアンスの定義

光学テーブルの振動応答を表す伝達関数としては、「コンプライアンス」が最も広く使われています。静的に一定の力が加えられる場合、コンプライアンスは加えられた力に対する変位の比として定義されます。動的に変化する力(振動)の場合、コンプライアンスは振動を発生させる力の振幅に対する励起された振動振幅の比となります。

テーブルトップのたわみは、テーブル面に取り付けられたコンポーネントの相対位置の変化によって明らかになります。従って、定義から考えれば、コンプライアンス値が低いほどたわみが小さく抑えられて、光学テーブル設計上の主要目的に近づくことがわかります。コンプライアンスは周波数に依存し、「変位/加えられた力(m/N)」の単位で測定されます。

コンプライアンス曲線

コンプライアンスを理解するには、片端がしっかり固定されていて一方向にしか振動しない棒鋼のような、振動自由度が1つしかない構造(すなわち、一方向にしか変形しない構造)で考えてみてください。例として、片端がしっかりと固定され、図1のように一方向にしか振動しないスチール製の棒の構造を考えてみます。この棒は、垂直方向にしかたわみません。

周期的な振動は全て、正弦および余弦関数と適切な振幅、周波数および位相を組み合わせて表すことができます。従って、単一周波数の正弦波振動を棒に加えた時の動きは、以下の一般方程式で表せます。

 式1

この式の左辺は強制振動システムに関連し、右辺は強制関数に関連します。

はそれぞれ、加速度、速度、動作中の質量(m)の変位(位置)を表し、cとkはそれぞれ、ダンピングと剛性のパラメータを表します。

Fは、周波数fおよび最大振幅F0の正弦波的な変動を表します。このようなシステムのコンプライアンスは一般的に、次のような式で表されます。

 式2

上の方程式をことばで表すと次のようになります(Stiffness=剛性、Mass Effects=質量効果、Damping=ダンピング)。

 式3

コンプライアンス対周波数のグラフ(図2参照)は、剛体のコンプライアンスは剛性(Stiffness)、共振(Resonance)、質量効果(Mass Effects)の 3つの領域に分離できるということを示しています。


図2: 振動自由度1の系における、コンプライアンス曲線

低周波におけるコンプライアンス:剛性(Stiffness)

ゼロまたは低い周波数の場合、質量効果とダンピングはその影響がゼロとなり、コンプライアンスは剛性1/kによって近似されます。棒の自由端に低周波の強制振動が加えられると、棒はそれに応答して曲がります。たわみの量は、棒の剛性によって決まります。そして、剛性は最終的には、棒の形状、材質の引張弾性係数(ヤング率)、棒の取付および固定方法で決まります。

あらゆる固体は固有の平衡状態または静止形状を有しています。平衡な形状は物体の位置エネルギの最小値の状態と一致します。固体に力が加えられた場合、この平衡形状から変形します。固体の位置エネルギは上昇し、このエネルギは抵抗力として平衡形に戻ろうと作用します。

棒が平衡位置からたわみ、解放される状態を考えてみます。その際、復元力が作用し、棒を平衡位置に戻します。平衡位置に達すると棒にかかる復元力はゼロになりますが、棒の運動量により、棒は元の位置を超えます。その結果、棒は平衡位置の周りで振動します。この振動は、単純な調和振動子の一例です。この振動は、共振周波数と呼ばれる固有の周波数fnで起こり、下記の式で表されます。

 式4

ここで、fnは振動の共振周波数、mは振動時に移動する質量、kはバネ(力)定数を表し、バネ定数は棒の形状および棒が製造された材料のヤング率に依存します。ダンピングを行わない場合、この振動は永久に継続します。

光学テーブルのような実際のシステムでは、このような単純な数式で共振振動を調和振動に近似させることは困難ですが、これについて考えることは関連する問題を理解する手がかりとなります。

共振点でのコンプライアンス

公式4でmを求め、それを式2に代入すると下記の数式が求められます。


図3: 単一共鳴系における励起振動と強制振動間の位相遅れの変化
 式5

ここで、

 式6

はダンピング比を表します。

式5から、強制関数の振動数が共振周波数に近い場合、コンプライアンスはほぼダンピング比を含む項によって決まります。そして、そのコンプライアンス値はかなり大きくなります。このことは物理的状況を考慮に入れることによって理解できます。強制振動周波数と棒の共振周波数が同じ場合(つまり、ffn)、強制振動の最高速度のタイミングは励起振動の最高加速のタイミングと一致します。その結果、強制振動は棒の加速度を増加させます。これにより、振動エネルギが蓄積されて、強制振動が増幅します。

この例において、共振を理解するための別の方法として、強制関数の振動数がゼロからゆっくりと増加した場合にどうなるのかを考えてみます。強制関数の振動数がゼロに近い時、棒は強制振動と同期してたわみます。振動数が増加すると、棒の動きは強制振動と同期しなくなります。これは、棒が運動量を持っているためで、加えられた力の周期的な方向の変化(つまり振動)に対応して瞬時に方向を変えることができないためです。図3のように、位相遅れは振動数とともに増加します。共振周波数において、ロッドの振動と強制振動の間の位相遅れは90°になります。一方で、振動状態においては、最大速度と最大加速度で位相差が90°になります。このことから、ロッドが最大速度になったときに、強制振動の最大加速度となります。その結果、振動入力の増幅が起こります(図2、3参照)。

強制振動の振動数が共振周波数よりも大きい領域では、この単一共鳴系のモデルにおける強制振動と励起振動間の位相差は180°となります。

実際の光学テーブルのような構造では、振動の共振モードは多数考えられます。励起振動の位相は、測定を行うテーブル内の位置や励起させる振動の種類に依存します。

高周波におけるコンプライアンス:質量効果

高周波領域では、コンプライアンスは完全にテーブルの質量(慣性)によって決まります。図2のf >> fnは、以下の式で近似値が求められます。

 式7

図4: 剛性と質量との比率を変えることにより、共振周波数が変化しています。

ここで、mは有効質量、fは強制振動の振動数を表します。

バネにつるされた単一質量の振動系のように非常に単純な系では、振動に関わる質量は簡単に値を求めることができます。ただし、実際のシステムでは、コンプライアンスの一般方程式における質量項はかなり複雑になります。例えば、光学テーブルの構造は、振動の曲げおよびたわみ共振モードが複数混在しています。そのため、テーブル上のポイントにより、発生する振動の振幅は異なります。節点では、その特定の振動ノードに対する振動の振幅はありません。このため、振動に関わる有効質量は、数値的に決定された複雑な関数になります。

 

共振周波数の調整

式4のように、共振周波数は剛性および物体の質量に依存します。質量の減少または剛性の増加により、共振周波数は図4のように高くなります。反対に、質量の増加または剛性の減少により、共振周波数は低くなります。

光学テーブルの設計において、質量および剛性のバランスは単純ですが重要な概念です。このバランスにより、振幅が小さく周波数の高い共振が実現されます。これは、単にテーブルの剛性を増加させるだけでも実現できます。しかし、剛性が質量に比例して増加した場合、共振は変化しません。共振周波数を上昇させるには、質量を最小に抑えながら剛性を最大にする必要があります。詳細については「テーブルの設計」タブをご覧ください。

ダンピング

ダンピングとは、固体の振動をゼロ振幅まで減衰させるプロセスのことです。ダンピングによってエネルギが振動から他の形態へ散逸するため、このプロセスは実際のシステムにおける振動の抑制または除振において非常に重要となる現象です。

ダンピングは、共振点またはその近く(つまり、ffnの時)でのコンプライアンス関数に大きな影響を与える共振効果です。共振点でのコンプライアンスピークの高さは、主にダンピング量によって決まります。ダンピングを行わない場合、ピークは無限に高くなります。


図1: 大きさが等しく、位相差が180°の2つの振動成分によって発生した反共振

ダンピングの種類

木やゴムなどの材料は大きな自然減衰を有しています。減衰能力の高い材料の内部の微細構造は、変形により歪みが生じ、その結果、機械的振動が熱などの別のエネルギ形態に素早く変換されるようになっています。金属はわずかな内部減衰機能を有しています。これは主に粒界辺りに存在するわずかな摩擦によるものです。

多くの場合、構造体は非常に剛性の高い支持材で構成され、自然減衰機能がほとんどないため、振動は長い間続く傾向があります。振動を抑える設計の構造体の場合、ダンピング機構を追加する必要があります。ダンピング機構をシステムに導入する方法は多数ありますが、多くの場合、摩擦を利用して振動エネルギを熱に変換しています。詳細については「テーブルの設計」タブをご覧ください。

多重共振

光学テーブルのような実際の構造体は多重共振モードを有します。このモードはしばしば結合するため、特に非対称な構造の場合、共振振動の形態は非常に複雑になります。また、それぞれの振動モードは一連の高調波を非常に多く発生させます。しかし、「コンプライアンス」タブ内で取り上げたシンプルな1次元モデルで考察してみることも重要です。

  • 低周波数(第1共振周波数より下)では、実際の構造におけるコンプライアンスは剛性によって決定されます。剛性の高い構造におけるコンプライアンスは低くなります(つまり、強制振動による振動が小さくなります)。
  • 第1共振より上の領域において、高剛性構造のおおよそのコンプライアンス値は1/(mf2)で求められますが、これには共振効果も重畳されています。
  • 様々な共振ピークにおけるコンプライアンス値は、主にそれらの共振周波数におけるダンピング量に依存し、また、振動モードに対応する有効質量によって決まります。しかし、これらのピークの相対的な高さは1/cfにほぼ比例します。

反共振

光学テーブルのように複数の振動自由度を有するシステムにおいては、コンプライアンス曲線の共振ピーク間に負のピークがよく見られます(図1参照)。これは、複数の共振ピーク間の相互作用によるものです。強制関数を変化させて見てみると、強制関数とシステムの応答振動との位相差は0°~180°の間で変化していることがわかります。これがコンプライアンス曲線におけるピークです。2つの共振ピークの端が重なった時、システムの応答性はそれぞれの共振ピークにおける応答性のフェーザ追加によって決定されます。第1共振による応答と第2共振による応答の位相差が180°で、応答の大きさがほぼ同じ場合、このポイントにおける純コンプライアンスは非常に小さくなります。負のピークは、コンプライアンス曲線内で反共振と呼ばれています。


図2: 当社の高性能光学テーブルの典型的なコンプライアンス曲線

実際のテーブルにおけるコンプライアンス

光学テーブルの性能について考える場合、理想剛体の概念が役に立ちます。この理論構造は共振しないので、コンプライアンスのピークが存在しません。「対数:対数スケール」でグラフ化した場合、理想剛体のコンプライアンスは1/fに比例し、-2の傾きを持つ直線で表されます。このコンプライアンス直線は、光学テーブル製造時の設計目標となります。実際のコンプライアンス曲線がこの直線に近いほど、動的剛性に優れていることを意味します。

次に、実際のテーブルのコンプライアンス曲線について検討します。図2は、当社の光学テーブルのテーブルトップを振動させてコーナの応答を測定した時の典型的なコンプライアンス曲線です。応答測定は光学テーブルのコーナで行われますが、これは光学テーブルの性能はコーナが最も低くなっているためで、コーナにおける測定値は通常、最悪値とみなされます。

このタイプのデータは、通常、水平および垂直のログスケールを用いたグラフで表されます。垂直方向をログスケールで表示する理由は、広範囲のコンプライアンス値に対応するためです。一方で、水平方向をログスケールで表すのは、低周波共振付近に存在するコンプライアンス曲線の重要な情報を失わずに広範囲の周波数を表示するためです。

この曲線から、何点かの優れた特性が挙げられます。周波数が低い領域(テーブルの最初の共振が発生する前)では、テーブル本体よりも主にテーブルの支柱によって決まります。また、周波数が高くなると、コンプライアンスの共振ピークが低くなっていることがわかります。原理的には、周波数が高くなるにつれ、コンプライアンス式の分母が大きくなるので(「コンプライアンス」タブ内の式2参照) 、コンプライアンス値が低くなります。これは周波数の増加に伴い、印加された強制振動によるテーブル内の励起振幅が小さくなることを示しています。低周波ピークが重要である理由は3つ挙げられます。まず、低周波ピークは最大値を持つピークで、コンプライアンスの最も弱い点に相当します。2つ目は、実験装置からの平均的な振動は150Hz以下であるという点です。0~150Hzのコンプライアンスをできるだけ低く抑えておくには、ピークができるだけ高い周波数で発生する必要があります。3つ目は、この曲線の120 Hz周辺において逆向きのピークが発生する点です。これは、前述の位相効果によって発生する典型的な反共振です。


図3: コンプライアンス Vs. 光学テーブルの長さ (異なる厚みでの比較)

光学テーブルの性能を表すには膨大な項目が必要になります。図2のような詳細なコンプライアンス曲線であっても、光学テーブルの仕様を完全に提供することはできません。テーブルのコンプライアンスの測定値は、測定デバイスを設置した位置や強制振動の接触ポイントの位置に依存するためです。例えば、強制振動を1番目の共振ピークの物理的なノード位置に加えた場合、この振動はテーブル上で共振を励起できないため、コンプライアンスの測定値は著しく減少します。

しかし、光学テーブルの性能を正確に示せるような方法でコンプライアンスを測定した場合、このグラフは、光学テーブルの性能を定量化できる2つの数字に要約されます。1つ目は1番目の共振ピークの周波数です。多くの実験室では、通常、振動周波数が0~150 Hzの振動源が使用されていますが、第1共振周波数が高くなると、それらの振動源では光学テーブルが共振励起しにくくなります。2番目は、コンプライアンス曲線の中で最も高いピーク(通常、1番初めのピーク)の高さの、その周波数における理想体のコンプライアンス値に対する比です。この高さはコンプライアンスピーク値/理想体のコンプライアンス値としてよく表示されます。この割合は共振周波数における振動の増幅(Q値)を表しています。

1つのコンプライアンス曲線では光学テーブルの性能を示すことができないということにご留意ください。コーナで測定した場合、増幅がかなり低いまたはゼロとなるモードもいくつかあります。一般的に、コンプライアンス曲線を光学テーブルのコーナで得ることは、全てのテーブル面における最悪の性能を知るのに合理的な方法です。

テーブルの剛性

低周波数における光学テーブルのコンプライアンス値は、測定中に使用した支柱構造の性能をよく表します。低周波数における光学テーブルの挙動は、通常、静荷重時の剛性(またはたわみ)として表されます。この値は、テーブル中心の変位またはテーブルトップの変形角として測定することができます。実際の値は、テーブル支柱の位置に依存します。

テーブルの厚さ

コンプライアンスはテーブルの厚さによっても変わります。図3では1.5 m x 3 mのテーブルを使用しています。厚さを210 mmから310 mmに増加すると、コンプライアンスは6 x 10-5 mm/Nから2.8 x 10-5 mm/Nに向上します。

さらに、支柱構造のたわみは長さに比例して増大します。一般的に、長さ4.25 mのテーブルを、長さ2.0 m、厚さ210 mmのテーブルと同じ単位荷重あたりの静的たわみに抑えるには、460 mmの厚さが必要です。


図1: 光学テーブルの振動モード

設計の目標

当社で製造された光学テーブルには、設計の指針となる基本的な目標が2つあります。1つはテーブルの固有振動数を可能な限り高くすること、そして、もう1つはテーブルの振動を十分に減衰させることです。テーブルの共振周波数をできる限り高く設計することの利点は、振動の振幅が共振のピークにおいて1/cfに比例することです。「ダンピング」タブで説明したように、共振周波数を増加させるには、剛性を強化し、光学テーブルの質量を減少させる必要があります。テーブルで発生する振動の持続時間および振幅を最小限に抑えるためには、テーブル内にダンピング機構を追加で構築します。

テーブルトップの振動

一般的な長方形のテーブルの低周波における振動には(周波数が低いものから高い順に)、長辺方向曲げモード、ねじれ曲げモード、短辺方向曲げモードがあります。図1では、これらの曲げモードを表示しています。(長辺方向曲げモードの1次高調波、すなわち長辺方向の曲げ2次モードも併せて表示) それぞれのモードは特徴的な共振周波数を有し、コンプライアンス曲線内でこれに一致するピークを発生させます。したがって、床またはテーブルトップの振動によって引き起こされる共振を避けるためには、テーブルの共振周波数をテーブル近くの振動源から発生する振動の周波数よりも高くすることが必要です。

長辺方向、ねじれおよび短辺方向の曲げ1次モードに加えて、それらのモードの高調波(つまり、より高い周波数の共振)が存在します。これらはコンプライアンス曲線内の曲げ1次モードの周波数(図2参照)よりも高い周波数において発生する一連のピークの原因となります。テーブル上の異なる場所では振動モードも異なり、それぞれの場所において最大変位振幅ポイント(アンチノード)および最小変位振幅ポイント(ノード)が存在します。複数の振動モードの励起が同時に発生する場合もあるため、光学テーブル表面のコンプライアンスは測定場所によって大幅に異なる複雑な関数となります。


図2: 光学テーブルの曲げ1次モードでの共振を伴った
コンプライアンス曲線

テーブルトップの材料

光学テーブルトップは、以下の基本的な3つの要件を満たす必要があります。

  • 優れた静剛性(つまり、剛性)
  • 低周波(<100 Hz)共振が存在しない 小さな質量(「コンプライアンスタブの式4参照)
    • 注: 低周波共振は振幅が大きく、実験室におけるほとんどのバックグラウンドの振動は低周波で発生します。
  • 十分なダンピング構造

長い間、科学者たちは繊細な光学実験を行うために自作でテーブルを作製してきましたが、そのテーブルは概して非常に大きなものでした。重量を現実的なレベルに保ちながら性能を向上させるために、テーブルの製造には花崗岩やコンクリート、木、スチールなどの材料、そして数多くの材料を複雑に組み合わせた複合構造が試されてきました。これらの材料にはそれぞれ利点と欠点がありました。花崗岩とコンクリートの欠点は、スラブが水蒸気を吸収しやすいため、変形しやすいことです。スチールにも、2つの顕著な欠点があります。密度が高くて複数の振動周波数と共振しやすいことと、ほとんど自然減衰しないことです。木材の性能は非常に良いのですが、時間の経過や水分によってゆがみやすいという欠点があります。

その結果、光学テーブルの構築には、異なる材料から組み立てられた複合構造(つまり、純金属の剛性やゴムの減衰性、そして木材の低い密度を有する構造体)を使用することが最適であるという結論に達しました。近年の光学テーブルは、2枚のスチール製またはアルミニウム製のプレートの間にハニカム(通常、スチール製)を挟んだ構造となっています。このプレートは硬く平坦な作業面を提供し、ハニカム構造は光学テーブルの質量をそれほど大きくせずに剛性が最大となるように設計されています。ハニカム構造はテーブルの振動を自然減衰しますが、振動の影響を受けやすい実験で使用される光学テーブル内には、通常、ダンピング機構が追加で構築されており、特に最低周波数における共振を減衰するようになっています。


図3: チューブおよびI型鋼の剛性/質量の比が大きくなります。

中空構造および中実構造における剛性の比較

スチールのような均一材質の中実棒について考えてみます。この棒が曲がると、上端が伸びて下端が圧縮されますが、棒の中心部はこの変形の影響をあまり受けません。そのため、復元力は主に棒の端部分に生じます。結果として、このタイプの変形に対する耐性は、中空構造の棒と固形の棒とではほぼ等しくなります。これらのことから、構造体の強度は構造要素の材料だけではなく形状や場所によっても異なることがわかります。この考えをさらに実証するために、I型鋼に固形の棒に加えた上述の曲げ力と同じ力を加えたときの応答を考えてみます。荷重負荷時には、上部フランジには張力がかかり、底部フランジには圧縮力がかかります。ただし、中立軸(図3で「n.a.」と表示)においては応力はゼロです。"Flange"は曲げ応力を伝搬し、"Web"はせん断力に抵抗します。フランジ間隔が大きくなるほど荷重によるたわみは少なくなります(つまり、剛性が高くなります)。したがって、光学テーブルを設計する際は、構造の形状についても検討することが重要です。

光学テーブルの設計

中空スチール製のテーブルは、質量に対する剛性が高くなっていますが、これは側面、上部および底部プレートがI型鋼と同様の役割を果たすためです。しかし、この構造には減衰性がないため、リンギングが起こりやすく、重量の高い荷重を加えると中央部にサグも発生しやすくなります。このような理由から、光学テーブル内は空洞ではなく、テーブルの減衰性と垂直方向の剛性を増加させる材料で満たされています。光学テーブルでは、内部のハニカム構造により、質量をそれほど大きくせずに高い減衰性と剛性を得ることができます。スチールやアルミニウム、フェノール、グラファイト、ケブラ、そして木材パルプでさえもすべてハニカム材料として使用されています。

ハニカム構造の理論

テーブルが、内部のスチール製プレートの上部および底部に接着された平行なスチール板で構成されている場合、テーブルはスチールシートの長辺配向の連続するI型鋼となります(図4参照)。このI型鋼の形状により、テーブルの長辺方向の剛性が著しく向上します。このI型鋼の構造を2軸に沿って製作するためには、図4のように90度に平坦なシートを差し込みます。その時、テーブルはシートに平行な両面(両軸)に対して45°の角度の曲げ応力の影響を最も受けやすくなります。これはテーブルの曲げとねじりの複合応力に弱いことを意味します。

したがって、長辺方向、短辺方向および曲げねじり複合モードに対応するには、構造内部にあるシートを中間の角度にも設定し、このモードに対応できない角度をできるだけ小さくする必要があります。シートの平行面を中間角度で追加していくことの欠点は、シートのセットが増えることでテーブルの質量も増えてしまうことです。もし、新しい平行面を何枚も追加すると、この光学テーブルは質量が大きく、自然減衰機構をほとんど持たない単なるスチール板になってしまいます。複数軸に対して剛性を有する軽量構造にするには、六角形または多孔質構造を作成することが最も現実的です。六角形の構造はシートを板金加工により容易に作成でき、曲げねじり複合モードに対応できない角度を30°にまで減少させることができます。そして、テーブルの重量も大きく増加しません。


図4: シートの構造による剛性の比較

当社の金属製ハニカム構造

当社の標準的なテーブルはすべて、厚みのあるスチール製の上部および底部プレートの間に金属製のハニカムコアを挟み込む構造となっています。当社のハニカム構造は精密に板金加工されたスチールの薄板からできていて、引っ張りに対して強靭なエポキシ接着剤で接着されています。

接着剤

複合構造の光学テーブルの性能において強度は非常に重要です。そのため、当社ではホットプレスとエポキシ接着剤を使用してスチール製のプレートをハニカム状に接合しています。この接着剤は、真空下において18時間キュアリングします。これにより、複合構造の様々な部材同士を、引っ張りに対して強靭で、またせん断力や引き剥がしに対しても非常に強力に接合することができます。

ダンピング技術

理論的に、ダンピング性能のない共振構造の固有振動数におけるコンプライアンスのピークは無限に高くなります。ダンピングシステムは、通常、振動エネルギを熱に変換してこのピークを抑制します。これにより、外乱の振幅を迅速に減衰してゼロにします。

テーブルトップに取り付けた機器は主な振動源となります(例えば、不安定なチョッパーブレードなど)。テーブルを空気ばね式除振装置(図5参照)に取り付けると、テーブルトップで誘起される振動は支柱を通じて地面に伝わりません。したがって、この振動はテーブル内部のダンピング機構により減衰されなければなりません。

光学テーブルのダンピングは複数のソースによって実現します。材料自体、特に金属製ハニカムは自然減衰機能を有しています。最先端の性能を有し、多くのダンピング用途に対応した製品にするためには、ダンピング機構を追加する必要があります。当社では、追加のダンピング機構として、テーブル中心部の必要箇所に部分的にダンパを設置しています。このダンパは、同質ではない材料から製造された特別形状の構成部位です。このダンピングの効果は非常に大きく、低周波共振コンプライアンスピークの高さが大きく低減され、1桁小さくなることもあります。

表面平坦度

多くの実験用光学テーブルでは、テーブルトップの平坦度は非常に重要です。光学テーブルの表面が平坦でない場合、テーブル上のコンポーネントは移動するたびに高さが変化してしまします。また、ベースが平坦なコンポーネントを光学テーブルに設置した場合、角度がつく可能性があります。当社の光学テーブルは、取付け面として、高精度な磁性のステンレスチール製プレートが使用されているため、非常に平坦です。各プレートは優れた平面度を保持するため、製造工程において特別に取扱われています。


図5: 光学テーブルの性能評価

アサーマル設計

当社で製造された光学テーブルの上面および底面には、それぞれに膨張係数をマッチングした磁性のステンレススチール製プレートが付いています。この設計により、熱によって発生する応力やテーブルの湾曲を最小限に抑えられます。

評価性能

前述のように、光学テーブルの性能はコンプライアンス値により数値化されます。当社の光学テーブルのコンプライアンス値はダイナミックシグナルアナライザで測定します。

コンプライアンスの測定手順
インパルスハンマを用いてテーブルまたはブレッドボードの上面に力を加え、これによって発生する振動を上面に設置した加速度計で検出します(図5参照)。加速度計からの信号はアナライザによって読み取られ、周波数応答のスペクトル(つまりコンプライアンス曲線)を得るために使用されます。光学テーブルの開発段階では、テーブルトップの多数のポイントにおけるコンプライアンス曲線を取得しますが、コーナにおけるコンプライアンスが常に最大となります。測定されたコンプライアンス曲線のデータは、テーブルトップのコーナから約150 mmの位置(小型のブレッドボードでは縁からさらに近い位置になります)に設置したセンサに取り込まれ、ハンマで打つ位置はセンサより内側になります。この位置での試験は最悪のデータ値を示しています。

個別の試験データ
各光学テーブルおよびブレドボードは試験された後に、個別の試験データおよびコンプライアンス曲線が記載されたシートとともに出荷されます。1つのサイズのコンプライアンス曲線を全体の製品に適用する業界標準に比べて、より正確なデータをご提供することができます。当社のコンプライアンス曲線のデータはテーブルのコーナに設置したセンサから取得しているため、最悪の場合のデータ値となっています。

まとめ

  • 光学テーブルは剛性が高く、質量の小さな構造であること。
  • 光学テーブルのコンプライアンス特性を理想的な剛体にできる限り近づける。
  • T共振周波数で振動を生み出す振動源の数を最小にするために、テーブルの共振周波数はできる限り高くする。
  • テーブル内部にダンピング機構を構築して、共振周波数におけるコンプライアンス値を最小にし、すべての振動を最短の時間で減衰できるようする (減衰時間はインパクトハンマ法で得られた信号の減衰特性から求めており、多くの場合はミリ秒程度の値が報告されています)。

図1:ボールおよびバネを用いた自由度1の除振/振動伝達系の例示

光学セットアップ向けに振動のない作業面を得るためには、2つの問題を解決する必要があります。1つは、「テーブルの設計」タブで説明したように、外力や振動に対する応答がゼロ(最小)であるように光学テーブルが設計されていることです。しかし、振動のない作業面を確保するにはこれだけでは不十分です。剛性の高いテーブルは変形しなくても振動する可能性があります。これは、テーブルトップ全体が光学テーブル支柱の上面で振動するためです。もう1つは、振動が床から光学テーブルトップに伝達しないように光学テーブル支柱が設計されていることです。 実際のセットアップにおいて、除振システム全体は床からの衝撃振動に常時さらされます。これらの振動は、建物内の大型機械、風や交通によって引き起こされる建物の共振(揺れ)が原因である場合もあります。

免振設置

機械的振動理論的に取り扱う場合の最もシンプルなモデルは、図1のようなボールとバネの系です。質量の大きな物体の固定面からバネによって吊り下げられた質量mのボールを例にとって考えてみましょう。ここでは振り子運動のことを考えず、ボールの垂直方向の運動のみが可能な自由度1の系と仮定します。


図2:振動自由度1の系の伝達率と周波数の比較(典型値)

建物の床の振動は、主に垂直振動と水平振動の2つに分けられます。通常、垂直成分は10~50 Hz、水平成分は1~20 Hzの範囲にあります。このような振動により実験結果に支障が出るのを防ぐために、光学テーブルの瞬間位置が床の周期運動からの影響を受けないように光学テーブルを支持することが重要です。

伝達率

振動衝撃がない場合、図1のボールは静止した位置から動きません。ボールを吊り下げている物体の質量や剛性は無限ではないため、バネを固定しているポイントが振動を始めたと仮定します。この場合、振動エネルギの一部がボールに伝わり、ボールが同じ周波数で振動する可能性があります。この運動の周波数は次の式で表されます。

 式1

ここで、fnは振動の共振周波数、mは振動する質量、kはバネ定数(バネの剛性に依存)を表します。

振動エネルギの流れは伝達関数という用語で表されます。伝達関数を用いて強制振動が励起振動を発生する効率を数値化します。その際に最適な伝達関数は「振動伝達率」で、動的入力に対する動的出力の比、つまり強制振動の振幅に対する伝達振動の振幅の比で定義されます。


図3:励起振動と強制振動の位相関係は、共振点付近で急速に変化します。

共振

上記の例では、バネの振動伝達率は強制振動の周波数に依存します。この系の理想的な振動伝達率(T)は、以下の式で求められます。

 式2

ここで、減衰比  は以下の式で定義されます。

 式3

ここで、fは強制関数の周波数、cは系の減衰特性を表すパラメータです。減衰比 の詳細は後程説明します。

図2は、周波数に対する理想的な振動伝達率のグラフです。このグラフと「コンプライアンス」タブ内のコンプライアンス伝達関数とは似ています。コンプライアンスと同様に、曲線は3つの領域に分割できます。

低い周波数では、図1のボールはバネが吊り下げられている物体の質量と同期して同じ振幅で運動を行います(つまり、式2で定義されている振動伝達率は1になります)。系はバネが剛体であるかのように作用し、その結果、ボールは大質量の振動から除振されなくなります。

強制振動の周波数が増加するにつれ、ボールの運動は強制振動と同期しなくなります。つまり、強制振動の方向が変わっても、ボールの運動方向はすぐには変わらないということです。強制振動とボールの振動間の位相遅れがちょうど 90°になると、系は固有周波数(または共振周波数)fnで振動します。

強制振動周波数がこのバネ/ボールシステムの共振周波数よりも十分大きい場合、ボールの応答はボールの質量のみによって決定されます。つまり、バネは比較的柔らかいので、振動は圧縮波としてバネに沿ってゆっくりと伝わります。この低速伝動により、強制振動の振動性質は効率的に拡散します。原則的には、高速で伝わる振動に対してゆっくりと反応することで、ボールは時間平均力を受け、振動が実変位を伴わないかぎり、この時間平均力は振動周波数が増加するにつれゼロに近づきます。振動伝達率がゼロに近づくにつれ、ボールの位置は大質量の振動に影響を受けなくなります。この時、ボールは免振状態にあります。

ダンピング

ダンピングとは、系の振動をゼロ振幅まで急速に減衰させるプロセスのことです。このプロセスは、振動の抑制や除振において非常に重要となる現象です。ダンピングによってエネルギが振動から他の形態へ散逸します。

通常、系のダンピングは臨界減衰に対する実際の減衰の比率で定義されます。臨界減衰は、衝撃力が加えられた後に共振振動を防ぐのに最低限必要な系の減衰量です。 ダンピングは、共振点またはその近くでの伝達関数に対して主に影響を与える共振効果です。


図4柔らかいバネとダンピング機構を加えた光学テーブルの理想的な免振設置

共振状態においては、

 式4

この式を使用すると、式2は以下のように簡略化できます。

 式5

式5から、共振点での伝達率のピーク高さは主にダンピング量によって決まることがわかります。ダンピングを行わない場合、ピークは無限に高くなります。ダンピング機構のない系の振動は、強制振動を取り除いても止まりません。実際には、全ての系はダンピング機構をある程度備えています。吊り下げられたボールの例では、最も簡単なダンピング方法はボールを粘性のある媒体に浸すことです。粘性媒体によるボールへの抵抗が、振動エネルギを摩擦による熱に変換します。

光学テーブルの免振設置

原理上では、ボールとバネのモデルが示すような方法を使用して光学テーブルを免振設置できます。光学テーブルを剛性の高い天井から柔らかいバネを使用して吊り下げるだけで良いのです。そうすれば、このバネ式除振システムの固有共振周波数よりずっと高い周波数では、建物の周囲振動がテーブルに伝わることはありません。この方法は実用的ではありませんが、一般的な原理を示しています。

通常、建物の周囲での振動の垂直成分は10~50 Hz、水平成分は1~20 Hzの範囲にあります。この状況で光学テーブルを免振効果があるように設置するには、共振周波数が極めて低いシステムが必要となります。残念ながら、光学テーブルは複合材を使用しても比較的重くなります(1.2 m×2.4 mで通常500 kg)。このような系では、伸縮性のあるバネと大きな振動範囲が必要となります。

除振システム」タブ内に掲載されている理想的な設置システムの図では、垂直および水平方向に低い共振周波数で振動するように床に設置された剛性のあるテーブルトップを示しています。共振周波数を建物の振動より低くすることよりも、伝達曲線における共振ピークの高さと、その結果としてピーク幅が低減されることが重要です。ダンピング機構を追加して、共振点の振動を最小に抑え整定時間を短くすることで、高さと幅は低減されます。

除振機能付き支柱は、建物や周辺環境から光学テーブルへ伝わる振動を遮断する目的で使用します。光学テーブルを免振設置するためには、次の2つの要件に対応できる取付けシステムが必要です。

  • 建物の周囲振動は低周波において発生します。したがって、取付けシステムは、免振装置として機能するために、垂直および水平方向の共振周波数を非常に低くする必要があります。
  • また、光学テーブルの共振を抑制するために、テーブルの動きを減衰する必要があります。

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図1: シンプルな空気バネ

空気バネによる垂直方向の除振

最もシンプルで、かつ高性能な光学テーブル用支柱は、空気バネを内蔵したものです。図1は、剛性円板を可変形状のエアタンク上部に取り付けたシンプルな空気バネで、動作は垂直方向に制約されています。重さのある物体を剛性の円板上に設置した場合、この物体はエアタンクの伸縮によって床の振動から除振されます。

空気バネは、従来の機械バネとは異なり、非常に小さなバネ定数を有します。空気バネ内部の復元力とたわみの関係は、空気バネのエンベロープ部の形状や材質によって異なります。空気バネ式除振装置の共振周波数は、以下の式で求められます。

 式 1

ここで、fnは振動の共振周波数、rはバネ内部のガス(空気)の比熱比、Aはピストン面積、gは重力加速度、Vはエアバッグ(またはシリンダ)の体積です。

式1からわかることは、バネの剛性(つまり、バネが支える質量の固有振動数)はバネの高さ(空気容量)に依存しますが、荷重の影響は受けないということです。したがって、荷重を変えても気圧は一定の高さに保たれるため、共振周波数は一定のままです。これは、光学テーブルにとって非常に望ましいことです。もし、光学テーブル支柱の共振周波数がバネの高さではなく荷重とともに増加する場合、光学テーブルが効率的に免振される周波数も荷重と共に増加してしまうからです。また、光学テーブル支柱の内部ダンピング機構を、荷重を考慮せずに光学テーブル支柱の共振に合わせて設計することができます。

多くの光学テーブルは4つの光学テーブル支柱で支持されているため、この支柱システム上のテーブルには複数の垂直振動モード(つまり、共振振動)が存在します。これらのモードは、各光学テーブル支柱における垂直共振モードの様々な位相の組合せで構成されています。これらの線形結合は表面の垂直方向の動きに影響を与えるだけではなく、ピッチ&ロールの動きにもつながっています。光学テーブルの振動モードの周波数は、各支柱の垂直振動の共振周波数に近くなります。結果として、光学テーブルの表面全体に関わる振動モードは、支柱の共振周波数で減衰するように設計された光学テーブル支柱内部のあらゆる機構によって減衰されます。


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図2: 当社の固定式光学テーブル支柱の機構

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図3: 当社のパッシブ型光学テーブル支柱の機構

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図4: 当社のアクティブ型光学テーブル支柱の機構

除振システムの選択

当社では、3種類(固定式、パッシブ型、アクティブ型)の光学テーブル支柱をご用意しています。高さは600 mmと700 mmの2種類から選択可能で、それぞれ厚さ310 mmと210 mmの光学テーブルに対応します。また、固定式およびアクティブ型の支柱は450 mmの高さでもご用意があり、厚さ460 mmの光学テーブルに対応します。特殊な高さの支柱のご注文も承ります。 

前述のシンプルな空気バネ設計は、低振動の環境または環境の影響をそれほど受けない実験での使用に非常に適しており、スチール製の脚のような固定式支柱システムに比べて多くの面で勝っています。しかし、以下の3つの要件には直接対応していません。(1)エアバッグの壁を変形させて得られる粘弾性ダンピングによる減衰までしか想定されていません。その結果、共振周波数における振動のピークは非常に大きくなっています。(2)水平除振の問題に積極的に取り組んだ設計ではなく、テーブルは支柱の上で揺れる設計になっています。(3)垂直方向の共振周波数は、テーブルとエアバッグ間の結合部の特性と形状に依存しますが、一般的には3~5 Hzの範囲になります。

周辺の水平振動は床からの垂直振動に比べて低い周波数で発生しやすいため(水平1~20 Hz、垂直10~50 Hz)、除振するのが難しくなります。しかし、実験室が高層ビルの上層階にある場合を除き、通常、床の水平運動は垂直振動よりもかなり小さくなります。シンプルな空気バネの設計では、自動水平出し機構や自動高さ調整機構は内蔵されていません。このため、テーブルトップに大きな荷重を載せた場合、わずかに低くなります。さらに、この荷重を中心部に設置しないと、テーブルトップが水平でなくなってしまいます。従って、除振システムの選択では、テーブルが設置される環境と振動の種類を考慮する必要があります。以下のサブセクションでは、光学テーブル支柱の機能について各タイプごとに詳しく説明しています。

固定式光学テーブル支柱

固定式光学テーブル支柱(図2参照)は、主に光学テーブルを除振する必要がない環境や用途で使用します。この場合、光学テーブルは除振機能ではなく、アプリケーションを構築するための平坦で固定されたテーブル面を提供します。

特長:

  • 優れた水平および垂直方向の安定性
  • 高耐荷重
  • 各支柱ごとに高さ調整が可能

パッシブ型光学テーブル支柱

パッシブ型光学テーブル支柱は、主に、厳密な除振を必要としない環境や用途で光学テーブルを使用する場合に選択されます。パッシブ型光学テーブル支柱(図3参照)内にある可変形状のエアタンクが、光学テーブルを10~50 Hzの周波数範囲の振動から除振します。10 Hz以上の周波数範囲における振動伝達率は0.3以下で、これはゴムまたはネオプレン製のパッドを使用した除振装置の性能を大きく上回ります。

特長:

  • シンプルで効率的な垂直振動除振装置
  • 優れた水平および垂直方向の安定性
  • 気圧の常時制御が不要(常に空気を供給する必要がありません)

各除振装置は、円筒形のスチール製支柱の上部に取り付けられた円筒形の強化ゴム製エアタンクで構成されています。除振装置内の圧力は、両側にあるシュレーダーバルブを使用して、エアタンク内の圧力を減少または増加させて調整できます。パッシブ型光学テーブル支柱のエアタンクが適切に膨張しない場合でも、円筒形のスチール製支柱が光学テーブルを支持するようになっています。エアタンク内の圧力を調整することにより、光学テーブルの高さを調整できます。

アクティブ型光学テーブル支柱

アクティブ型光学テーブル支柱は加圧されたガスを常に供給する必要があり、振動に敏感な用途および光学テーブルが相当な振動が発生する環境に設置される場合に使用します。例えば、建物の上階で実験が行われている場合、建物は揺れ、垂直および水平方向の振動が発生します。上述の固定式およびパッシブ型の光学テーブル支柱とは異なり、アクティブ型光学テーブル支柱には水平方向のダンピング機構が内蔵されています。また、アクティブ型光学テーブル支柱には自動水平出し機能が付いています。大径の独立型支柱は、支柱構造にさらなる共振を与えるタイバーを使う必要なく、安全で安定的な土台を提供します。この除振装置は垂直および水平方向の振動伝達率が低く、テーブルトップの相対運動は極めて小さくなります。

特長:

  • 優れた垂直および水平方向の除振
  • 優れた水平および垂直方向の安定性
  • 自動水平出し機能付き

デュアルチャンバ減衰空気バネ(図4参照)を使用することで、垂直方向の振動減衰を行います。テーブルは、これらのチャンバ内の空気圧によって支えられます。光学テーブルの裏側に接しているピストンは、ゴム製のローリングダイアフラムで上部の加圧チャンバから隔離されており、ピストンは水平移動せずに、摩擦なく垂直移動することができます。床やテーブルトップが振動すると、高耐性のダンパを介して、一方のチャンバから他方のチャンバへ空気が流れます。この設計により、振動伝達率が0.3となる周波数が、3 Hz程度まで低くなります。2つのチャンバ間の空気の流れが制限されることで、床とテーブル間の振動運動が減衰し、整定時間が大幅に小さくなります。チャンバ間の体積比は、光学テーブルが十分に減衰され、共振周波数が低くなるように最適化されています。

光学テーブルの水平方向の振動を減衰するシンプルな方法は、光学テーブル支柱に振り子のような動きをさせることです。振り子の共振周波数は質量の影響を受けず、以下の式で表されます。

 式 2

ここで、fnは振動の共振周波数、gは重力加速度、lは振り子の長さです。当社のアクティブ型除振装置の水平振動は、3本吊りされた垂直振動除振システムによって減衰されます。この振り子方式の設計では、水平方向に生じた変位に対する復元力として、重力を利用します。システムの共振周波数における水平方向の振動は、オイルフリーの振動吸収ダンパを用いて垂直除振装置のベースを外筒と動きをリンクさせることで減衰されます。


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図5: 当社の地震対策用固定具は、地震による横方向の動きからしっかりと保護します。

アクティブ型光学テーブル支柱は、3方弁を使用して圧縮ガスを常に供給する必要があります。この弁で支柱内のガスの圧力を調節して光学テーブルの自動水平出しを行います。静止時の光学テーブルの高さは空気チャンバ内の圧力によって決まります。システムは外乱を受けても当初の高さの±0.25 mm以内に戻ります。また、この弁はテーブル上の荷重分布の変化を自動的に補償します。このシステムによって、テーブルの高さを26 mmの範囲で調整することができるので、段差のある床にもお使いいただけます。圧縮ガスが供給されなくなると、光学テーブルの高さは光学テーブル支柱の上部でしっかりと止まるまで下がります。この場合、支柱の除振特性が機能しなくなりますが、光学テーブルは安全かつ安定的に支持されます。

光学テーブル用地震対策固定具

大きな地震の際、地震対策固定具(図5参照)は、光学テーブルおよびメインの支柱を補助的に支えて保護します。除振性能への影響が少ない設計となっていますが、固定具はテーブルの底面と床で接続固定し、メインの支柱の除振機能に影響を与えないようにする必要があります。 当社の光学テーブル用地震対策固定具は横方向の加速度を小さくし、テーブルができるだけ動かないようにします。

不安定性および振動

重心(CG)の高いシステムを空圧除振装置付きの支柱に取り付けると、特に幅が狭く厚さのあるテーブルトップの場合、不安定になる可能性があります。重心が高く、除振装置同士の設置間隔が狭い場合には、静的不安定性が生じ、テーブルは2台の除振装置間の中心を軸としてその周りを前後にゆっくりと揺れることがあります。さらに、自動水平出しシステム内で動的不安定性が生じることで、テーブルは左右に素早く揺れる場合もあります。


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図6: 上記のピラミッドのベースは、各除振装置の
中心点をつなぐことによって定義され、高さは、
隣り合う除振装置間(距離の近い方)の距離の
1/2に等しくなります。

静的不安定性

多くのテーブルシステムの重心はダイヤフラムの高さよりも高い位置にあり、除振装置はテーブルの両端に狭間隔で設置されています。テーブルトップ上の外乱によって、重心は除振装置間にある中心線から離れてゆきますが、テーブルおよびテーブル上に設置された装置の重量が大きくなることで、重心の横方向の動きは増大し、その結果、テーブルはさらに傾きます。

剛性の高い除振装置は、剛性が傾く動きに抵抗するため、安定性が高くなります。しかし、前述のように、より効果的に振動を除去できるのは柔軟性のある除振装置です。従って、除振と安定性の間にはトレードオフの関係になります。

一般的に、過度な揺れによる不安定性と振動を防ぐためには、重心(テーブルの重心も含む)は図6のピラミッド内にある必要があります。

静的不安定性はシステム内の気圧または(アクティブ型システムの場合)水平出し調整による影響を受けません。光学テーブルの安定が悪い場合の解決法は、アクセサリのシェルフを取り付けてテーブル上に配置している装置をテーブル面より下に移動するか、光学テーブル支柱間の距離を離すかのどちらかになります。

動的不安定性

アクティブ型の除振システムでは、テーブルの高さは、水平バルブを制御して、光学テーブル支柱内部にあるタンク内の空気圧を増加または減少させることで制御できます。気圧を素早く調整しすぎると、光学テーブルは振動します。この振動は、光学テーブル支柱へ出入りする空気の流れを制限することで除去できます。

光学テーブルおよび光学テーブル支柱を選ぶ際は、光学テーブル上で実施される実験の変動に対する敏感さや、テーブルおよび周辺環境に存在する振動源についてよく知ることが重要です。光学テーブル上に存在する力には静的な力(例えば、テーブルトップ上に大きな重量物を設置することで発生する湾曲またはねじれ)と、動的な力(例えば、テーブルトップに設置したモータからの振動)があります。建物自体や行き交う交通、地面のかすかな揺れ、エレベータなどの振動源から発生する動的な力はテーブルにも伝わります。光学テーブルは頑丈な構造になっており、光学テーブル面で発生する振動や光学テーブル面に伝わる振動を減衰します。また、パッシブ型およびアクティブ型の光学テーブル支柱は除振機能を有し、外部の振動がテーブル面に伝わるのを最小限に抑えます。

当社では、光学テーブルと併せてご使用いただける豊富なアクセサリをご用意しています。

  • エンクロージャ(筐体)システムは、レーザの安全性の向上、変動に敏感な機器への空気流量の制限、偶発的な接触からの機器の保護などに役立ちます。
  • オーバーヘッドシェルフを使用することで、ベンチトップ型コントローラやPC、電源などの機器を光学テーブル面から離して設置できます。これにより、光学テーブル上のスペースを空け、潜在的な振動源(冷却ファンなど)を取り除くことができます。
  • ガス取扱い用アクセサリは、パッシブ型およびアクティブ型のシステムに圧縮空気を供給する際にお使いいただけます。

当社では、光学テーブル支柱の他にブレッドボード用除振システム(下記参照)もご用意しています。光学テーブル用の除振装置と同じ形状のブレッドボード用除振装置を3タイプご用意しています。下記の各フレームとも、光学テーブル支柱と同様の機能を有しています(詳細は「除振システム」のタブをご覧ください )。


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アクティブ型ブレッドボード用フレーム

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パッシブ型ブレッドボード用フレーム

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固定型ブレッドボード用フレーム

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