パワーメーター&センサーのチュートリアル
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パワーメータ測定
パワーメータのコンソールにセンサを接続すると、そのセンサの種類とその応答特性が認識されます。 測定された出力シグナルは、センサの種類によって決まります。 さらに、当社のパワーメーターコンソールは、センサから送られた光電流または電圧を表示することもできます。 測定値と同等の値がアナログ出力端子からも提供されます。
フォトダイオードセンサ
フォトダイオードセンサは、入射光の光パワーと波長によって決まる電流を流します。 この電流は、トランスインピーダンスアンプに送られ、このアンプから入力電流に比例した電圧が出力されます。 フォトダイオードの個別の較正データ(応答特性 vs. 波長)は、このセンサのDB9コネクタの中のEEPROMに保存されています。 フォトダイオードの応答特性は波長によって決まるため、正確な測定を得るためには実際の波長が入力される必要があります。 パワーメーターコンソールは、接続されたセンサから、入力された波長の応答特性を決定し、測定した光電流から光パワーを計算します。
サーマルセンサ
サーマルセンサは、入射された光パワーに比例した電圧を送ります。 センサの個別の応答特性は、EEPROMに保存され、コンソールによって読み込まれます。 測定されたセンサの出力電圧とその応答特性に基づいて、コンソールはセンサ上に入射した光パワーを計算します。
エネルギーセンサ
エネルギーセンサは焦電効果に基づいています。 したがって、エネルギーセンサは、パルスエネルギに比例したピーク電圧を送ります。 各センサの応答特性はEEPROMに保存されます。 焦電センサを認識することにより、コンソールは自動的にピーク電圧を検知し、応答特性からそのパルスエネルギを計算します。
フォトダイオードの機能の仕方
Typical Properties of Photodiodes
Photodiode | Wavelength Range | Max Powerb |
---|---|---|
Si - UVa | 200 - 1000 nm | 3 - 5 mW |
Si | 400 - 1100 nm | |
Ge | 700 - 1800 nm | |
InGaAs | 800 - 1700 nm |
フォトダイオード(PD)は、半導体のp-n接合です。 十分なエネルギのフォトンがp-n接合部に達するとき、電子が発生し、接合部に電流が流れます。 フォトダイオードは、光起電力または光伝導モードで動作できます。 光起電力モードでは、陽極と陰極が負荷に接続され、フォトダイオードから電流が供給されます。 光伝導モードでは、フォトダイオードは反対方向にバイアスをかけられ、逆電流は入射する光パワーによって決まります。 逆バイアスによって、入射するフォトンへの反応時間は著しく減少します。 結果として、光伝導モードは高速のフォトディテクタに使用されます。 しかし、PD電流の温度依存性が、光伝導モードの不都合な点です。
パワー測定のアプリケーションにおいて、フォトダイオードセンサは光起電力モードで使用されます。 陽極と陰極はトランスインピーダンスアンプの入力装置に接続され、このアンプが光電流を電圧に変換します。 フォトダイオードは光電流を数 mAまで流すことができます。 フォトダイオードの応答特性は、入射する光パワーに対する流れる電流の比率で、通常A/Wで記載されます。この応答特性は、フォトダイオードが構成されている物質と、入射する光パワーの波長によるところが大きいです。 フォトダイオードの最大出力電流は、IPD = f (Poptical)特性の直線部分に制限されます。言い換えると、飽和によって制限されます。
測定可能な最大パワーを数10 mWに拡大するため、フォトダイオードの前面に減衰器が配置されています。 通常、この減速器は減光(ND)フィルタです。 フォトダイオードの応答特性と同様に、NDフィルタの光学濃度もまた、波長に依存します。 フォトダイオードの応答特性は経年劣化の結果、徐々に変化します。 ビーム径が極めて小さい場合には、フォトダイオードセンサの一様性のばらつきにより、出力電流における相違をもたらす可能性があります。また、ビームがPDセンサの活性領域からはみ出している場合には、測定値が正しくない可能性があります。
積分球センサの機能の仕方
積分球の内面は、幅広い波長域において高反射率を有します。 その内面は、PTFEを基盤とした高反射性のバルク材料で作られており、熱、湿気、高レベルの光照射に対する耐久性があります。
入射する光線は、球の内面から乱反射し、それが球表面全体に均等な強度分布を形成します。 フォトダイオードは、入射光が直接入射するのを避けるため、ディテクタポートの内部に格納されています。 したがって、フォトダイオードによって検出された光の損失は、ディテクタの検出部の面積を球の表面積で割った値に比例します。 dPDがディテクタの検出部の直径で、dISが積分球の内径だとすると、その損失は以下のように書き表すことができます。
サーマルパワーセンサの機能の仕方
サーマルパワーセンサはサーモカップルを内蔵し、温度勾配の中におかれた伝導体は電圧を生じるという、熱電効果(別名、ゼーベック効果)の原理を利用しています。 したがって、2つの表面の間に温度差があれば、温度勾配がその2つの表面の間に電圧を生じさせます。 この過程は、ペルチェ効果の逆転として考えることができます。
サーマルパワーセンサの内部で、入射するレーザービームのパワーはサーモカップルの入射表面により吸収され、熱に変換されます。 サーモカップルのその他の表面は、センサのラジエータに熱的に接続されているので、冷たいままです。 その2つの表面の温度勾配は、入射する光パワーによって決まります。 よって、熱い表面と冷たい表面の間に発生する電圧は、入射するパワーに比例することになります。
光パワーの測定可能な電圧への変換は、センサ表面の、光パワーを吸収して熱に変換する能力によって決まります。 吸収力を上げるため、感知部分の表面はコーティングされています。 コーティング特性は波長に無依存で(つまり、吸収効率は波長に依存しない)、高い損傷閾値(つまり、高い光パワー密度に耐えうる能力)を有していることが望ましいです。
サーマルセンサの波長依存性
サーモカップルそのものは、レーザの波長には無反応で、熱を電圧に変換するだけです。 しかし、コーティングの表面は入射する光の一部を反射し、その反射率は若干波長に依存するため、吸収性のコーティングは波長依存性を示しています。 コーティングは透明ではないため、光を通しません。よって、変換過程の効率は、単純に反射率(R)と吸収率(A)に依存すると近似することができ、ここで、R + A = 1 または A = 1- R.と仮定できます。そのため、吸収率の波長依存性は、ある波長範囲での反射率を測定することにより計算できます。
焦電センサの機能の仕方
焦電センサはサーマルディテクタに分類することができます。 サーマルディテクタは、入射光の波長に依存することなくエネルギーパルスを、電圧パルスに直接変換することができます。 このディテクタは同軸の構造を元に作られており、したがって、パルスガスレーザのような発信源からの電磁波放射による干渉を受けにくいです。
当社の焦電エネルギーセンサは、µJ領域のエネルギおよび最大0.45 J/cm2までの高エネルギ密度のパルスの広帯域測定、または最大10 kHzまでの繰返し周波数の検出など、幅広い用途にご使用いただけます。
パルスの最大繰り返し周波数は、負荷抵抗とディテクタの内部静電容量によって決まります。当社のCシリーズの焦電センサは、BNCコネクタを介して1 MΩ入力抵抗のオシロスコープに直接接続することができます。当社の標準タイプおよび高エネルギの焦電センサは、負荷の抵抗(100 kΩ負荷の抵抗器はこれに含まれます)を用いることにより、より高い繰返し周波数に対応することができ、100 Hzまでの繰返し周波数を測定することが可能です。また、高速エネルギーセンサは、1 MΩの入力抵抗用に最適化されていて、250 Hz以上の繰返し周波数を検出できます。
パワーメーターコンソールの校正
当社のパワーメーターディスプレイ装置PM100xは、フォトダイオード入力端子に、各利得段においてトレーサブル校正源(ソースメータKeithley 2611A)から既知電流、そしてサーマル及び焦電センサ入力端子には、各利得段において既知電圧を適用することによって校正されています。 各利得は、ゼロレベルおよびフルスケールの90%のレベルで調整されています。 アナログ出力は調節されていませんが、トレーサブルマルチメータ(Agilent 34461A)を使って調節・校正の間に測定されています。 セットアップ、データ取得、測定値の保存は、PCにより自動的に行われます。
フォトダイオードパワーセンサの校正
PDの応答特性とNDフィルタの損失特性は、動作波長に依存するので、PDはNDフィルタと一緒に校正する必要があります。 当社は、NISTトレーサブル校正手順を使用しています。 NISTトレーサブル参照ダイオードの応答特性の波長特性を、テスト中のセンサ、すなわちディテクタ(DuT)の応答特性と比較します。その後、テストされたセンサの応答特性は、参照ダイオードの既知の応答特性カーブから計算されます。
フォトダイオードセンサ校正配置のブロック図
光信号は、適した白色光源[200~400 nmの重水素ランプ、または350~2500 nmのクオーツタングステンハロゲンランプ(上の概略図ではQTHランプとして表示)]によって発生し、その後チョッパと単色光分光器(CornerstoneTM 260 1/4 m)に導かれます。 単色光分光器は、REF / DuTに入射する光信号の波長を、5 nm刻みで変えることができます。 測定された光電流は、高利得(40/50 dB)のトランスインピーダンスアンプの入力端子に導入され、その出力電圧が、ロックインアンプによって測定されます。 ロックインアンプの利点は、ノイズとDCオフセットが効果的に抑制され、必要な信号だけが測定されることです。 必要とされる交流信号は、単色光分光器に入る前に光源をチョッピングすることによって得られ、チョッパはロックインアンプと同期しています。 光源からDuTまでの全体の光路は、遮光器具を用いて環境光から遮断されます。
PCは、LabVIEWアプリケーションを通じて校正全体を制御し、測定された校正データを用いてDuTのEEPROMをプログラミングし、Certificate of Calibration(校正証明書)を作成します。 品質管理のために、各校正のスキャンデータは保存され、センサータイプと通し番号がわかればいつでも呼び出すことができます。 光源の総運転時間は、運転時間計測器によってカウントされ、適切なタイミングで交換されています。
校正手順:
- 校正するセンサータイプに応じて光源と参照フォトダイオードを選択します。
- 校正スキャンの前は常に、モニターダイオードでランプの経年劣化によるパワーの変化を観測します。
- 参照のスキャンを行い、参照の電流(IRef) vs. 波長が記録されます。 これにより、各波長ステップにおける光パワーの計算が可能になります。 参照フォトダイオードは、PTBまたはNISTにて毎年再校正され、PTBまたはNISTにより、トレーサビリティが与えられます。
- 参照ダイオードはDuTに置き換えられます。 波長スキャンが繰り返され、その電流(IDuT) vs. 波長が記録されます。
- DuTの全仕様波長帯に対するDuTの応答特性が、5 nm刻みで計算されます。 これらのデータセット(応答特性と波長)は、DSUBコネクタにあるセンサのメモリに保存されます。 更に、校正データは校正証明書に印刷され、当社のサーバに保存されます。
まとめ
上記のような複雑な手順により、当社の全フォトダイオードセンサ(すなわち、S12xC シリーズ、S13xC シリーズ、S14xC シリーズ)の校正が、NISTまたはPTBのトレーサビリティの方法で可能になります。 フォトダイオードは経年劣化するため、パワー測定の正確性を仕様の±5%に保つためにパワーメーターセンサを12ヵ月のサイクルで校正することをお勧めします。
サーマルパワーセンサの校正とトレーサビリティ
校正の目的は、テストするセンサ(SuT)のスペクトル応答特性の特長を明らかにすることです。 PTBやNISTによって校正されたサンプルを使用することにより、パワーセンサの校正が追跡可能(トレーサブル)になります。 応答特性は、入力する光パワーとSuTが出力する電圧間の比例係数として定義されます。 上述のように、応答特性は、吸収度の波長依存性のため、波長に依存します。したがって、測定はSuTの全範囲にわたって行われる必要があります。 校正は、2つの主な段階で構成されています。1つ目は、一定のスペクトル範囲にわたる反射率の測定で、2つ目は、既知の波長における絶対的応答特性の測定です。
266~1064 nmのコーティングの反射特性
サーマルセンサは、光強度を効果的に熱に変換する吸収層に依存しています。 この吸収層の反射性が一定のスペクトル範囲についてわかっている場合、センサの相対的スペクトルの応答特性は、正確に決まります。 この校正ステップの中で、センサの反射特性は次のセットアップを利用して調べられます。 反射率標準(REF)またはテスト下のセンサ(SuT)。
広帯域光源が、積分球に導入されます。 積分球の出力ポートは、NISTトレーサブルな認定された20%の反射率標準(REF)で覆われています。 分光器は、光ファイバを用いて、積分球(別名「バッフルポート」)のディテクタポートに接続されます。
スペクトルは、266~1064 nmの波長帯で測定され、スペクトルの強度配分が参照として用いられます。
次のステップで、反射率標準(REF)は、テスト下のセンサ(SuT)に置き換えられます。 2番目のスペクトルが測定されます。 センサの吸収体表面の反射特性のスペクトルは、2つの測定されたスペクトルの強度分布の差分として求められます。
特定の波長における絶対的応答特性の測定
NISTおよびPTBトレーサブルな参照センサを用いて、当社のサーマルヘッドの応答特性を測定します。 波長が既知のレーザのパワーを正確に決定するために、NIST/PTB参照センサが使用され、その出力電圧は記録されます。 参照センサは次に、テスト下のセンサに置き換えられ、同じ光パワーで測定を繰り返します。 測定の間、光パワーは別のモニターセンサで監視されます。 テスト下のセンサの応答特性は、参照センサとテスト下センサの測定結果の比較から導き出されます。
レーザ(最大出力100 W、1064 nmのファイバーレーザ)は、最大限の安定性を確保するために20分間ウォームアップします。 光線は、分岐比96:4のウェッジビームスプリッタを使って2つの光路に分けられます。 SuTの測定範囲によって、4%か96%かの光路が選ばれます。 上図の左には、低パワーセンサの校正の様子が描かれています。 96%の光路は、第2の参照センサで監視されています。 モニタリングは、測定中の起こり得る出力変動を監視するために必要です。 NIST/PTB参照センサは、4%の光路に置かれています。 レーザの出力が設定、モニターされ、参照センサの出力電圧は、60秒にわたり平均化されます。 この手順は、その後5回繰り返されます。
参照センサは次に、SuTに置き換えられ、上記の手順が繰り返されます。 テスト下のセンサの出力電圧は、測定され、60秒にわたり平均化されます。そして、それに続く測定が5回行われます。 NIST/PTB参照を連続的に比較し(トレーサビリティ)、これらの測定の相関をとることにより、テスト下のセンサのレーザ波長(1064 nm)での応答特性を計算することができます。 この値は、応答特性の基準点として使用されます。
まとめ
相対スペクトル応答特性を、広いスペクトル域で測定します。 次に、応答特性は、ある特定の波長において正確に決定されます。 この2つの結果を関連させるにより、266~1064 nm域での絶対的応答特性を、追跡(トレース)可能な方法で取得することが可能になります。
残りの動作波長帯(センサータイプにより、25 μmまで)の応答特性は、外挿することにより求めます。 各コーティングには、その全測定範囲に対する理論的な反射カーブがあります。 この理論的カーブは、追跡可能な方法で決定された266~1064 nm間の応答特性にフィッティングされます。 そして、テスト下センサの応答特性は、最大の仕様波長まで計算することができます。 テスト下センサのより長波長でのNIST/PTBトレーサブル校正は、ご要望によりご提供可能です。
トレーサビリティ
校正に使用される当社の全装置は、国内外の基準に帰すことができ、また、要求される基準を維持するため、定期的に再校正されています。
National Standard Lab. | NIST, NPL, or PTB | ||||||
Thorlabs Reference Standards | Agilent STDs Lab. | Silicon Power Sensor | InGaAs Power Sensor | Ge Power Sensor | Thermal Power Sensor | Pyroelectric Energy Sensor | |
DMM AG3451A | |||||||
Thorlabs Working Standards | Sourcemeter KE2611 | DMM AG34461A | |||||
Parameters | Voltage, Current | Optical Power | Optical Energy |
略称
DB9 | D-Sub connector, 9 pins | PD | Photodiode |
DuT | Device under Test | PTB | Physikalisch-Technische Bundesanstalt (NIST's German counterpart) |
EEPROM | Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory | PC | Personal Computer |
GPIB | General Purpose Interface Bus (IEEE488) | QTH | Quartz Tungsten Halogen (type of light source) |
M | Monitoring Sensor (secondary reference) | REF | Reference |
NIST | National Institute of Standards & Technology (USA) | SuT | Sensor under Test |
NPL | National Physical Laboratory (NIST's UK counterpart) | USB | Universal Serial Bus |
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ワイヤレスパワーメータPM160とiPad mini(付属していません)。PM160はApple社のモバイルデバイスを使ってリモート操作が可能です。
こちらでは当社のパワーセンサおよびエネルギーセンサのラインナップをご紹介しています。対応するパワーメーターコンソールとインターフェイスについては右下の表をご覧ください。
下記のパワーセンサおよびエネルギーセンサのラインナップのほかに、当社ではフォトダイオードまたはサーマルセンサのどちらかを内蔵するオールインワン型のワイヤレス機能付きパワーメータや小型USBパワーメータ、およびコンソール、センサーヘッド、ポスト取付け用のアクセサリを含むパワーメーターキットもご用意しております。
当社では4種類のセンサをご用意しております:
- フォトダイオードセンサ: フォトダイオードセンサは感度が波長に依存するので、単色光源もしくは単色に近い光源のパワー測定用に設計されています。このセンサから出力される電流は、入射光パワーと波長によって決まります。この電流はトランスインピーダンスアンプにより、入力電流に比例した電圧を出力します。
- サーマルセンサ: サーモパイルセンサは、広い波長範囲で比較的平坦な応答特性を持つ材料から作られているので、LEDやSLDなどの広帯域光源のパワー測定に適しています。このセンサは、入射光パワーに比例した電圧を出力します。
- サーマル位置&パワーセンサ: これらのセンサでは4つのサーモパイルセンサが正方形の4象限に配置されています。ユニットは各象限からの出力電圧を比較してビームの位置を算出します。
- 焦電エネルギーセンサ: 焦電センサは焦電効果を通じて出力電圧を発生しパルス光源の測定に適しています(ディテクタの時定数によって繰返し周波数は制限されます)。このセンサは、入力パルスエネルギに比例したピーク電圧を出力します。
Console Compatibility | ||||||||
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Console Item # | PM100A | PM100D | PM400 | PM5020 | PM101 Series | PM102 Series | PM103 Series | PM100USB |
Photodiode Power | - | |||||||
Thermal Power | - | |||||||
Thermal Position | - | - | - | - | - | |||
Pyroelectric Energy | - | a | a | - | - | a |
パワー&エネルギーセンサのセレクションガイド
当社のパワー&エネルギーセンサの仕様を比較する際には、2種類の選択をします。下の表(展開できます)では、当社のセンサを種類別に分類して(フォトダイオード、サーマル、焦電)、主な仕様を記載しています。
またその下のセレクションガイドのグラフでは、当社のフォトダイオードならびにサーマルパワーセンサの全ラインナップを波長範囲(左)そしてパワー範囲(右)で比較できるようになっています。枠内には型番とセンサの仕様の範囲が記載されています。グラフにより、特定の波長範囲またはパワー範囲に適したセンサーヘッドが特定しやすくなっております。
Photodiode Power Sensors |
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Thermal Power Sensors |
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Thermal Position & Power Sensors |
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Pyroelectric Energy Sensors |
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センサのラインナップ
(波長範囲)
センサのラインナップ
(パワー範囲)
当社では、幅広いパワーメータ&エネルギーメータ用コンソールやパワーセンサ・エネルギーセンサを操作するためのインターフェイスを取り揃えています。 主な仕様は下記でご覧いただけるので、お客様の用途に適したモデルをお選びいただけます。 下記のほかに、センサ内蔵のワイヤレスパワーメータや小型USBパワーメータもご用意しております。
当社のパワーメータ等用のコンソールやインターフェイスは、Cシリーズのセンサとお使いいただく場合は接続したセンサの種類を自動的に認識し、電流値とそれに応じた電圧値を測定します。 Cシリーズのセンサは、コネクタ内に感度特性の校正データが保存されています。 コンソールは、入射波長に対応する感度の値を読み出し、パワーもしくはエネルギの測定値を計算します。
- フォトダイオードセンサは、入射光の光パワーと波長によって決まる電流を流します。 この電流は、トランスインピーダンスアンプに送られ、このアンプから入力電流に比例した電圧が出力されます。 フォトダイオードの感度は波長に依存するため、正確なパワーの測定値を得るためには、コンソールに正しい波長を入力する必要があります。 コンソールは、接続されたセンサから、入力された波長における感度を読み取り、測定した光電流から光パワーを計算します。
- サーマルセンサは、入射された光パワーに比例した電圧を送ります。 測定されたセンサの出力電圧とその感度特性に基づいて、コンソールは入射した光パワーを計算します。
- エネルギーセンサは焦電効果に基づいています。 したがって、エネルギーセンサは、パルスエネルギに比例したピーク電圧を送ります。 エネルギーセンサが認識されると、コンソールはピーク電圧ディテクタを活用し、センサの感度特性からパルスエネルギが計算されます。
コンソールやインターフェイスはセンサが出力する電流や電圧を表示する機能も備えています。 または、測定された電流や電圧をアナログ出力で得ることもできます。
コンソール
Item # | PM100A | PM100D | PM400 | PM5020 |
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(Click Photo to Enlarge) | ||||
Key Features | Analog Power Measurements | Digital Power and Energy Measurements | Digital Power and Energy Measurements, Touchscreen Control | Dual Channel |
Compatible Sensors | Photodiode and Thermal Power | Photodiode Power, Thermal Power, and Pyroelectric Energya | Photodiode Power, Thermal Power, Thermal Power and Position, and Pyroelectric Energya | Photodiode Power, Thermal Power, Thermal Power and Position, and Pyroelectric Energy |
Housing Dimensions (H x W x D) | 7.24" x 4.29" x 1.61" (184 mm x 109 mm x 41 mm) | 7.09" x 4.13" x 1.50" (180 mm x 105 mm x 38 mm) | 5.35" x 3.78" x 1.16" (136.0 mm x 96.0 mm x 29.5 mm) | 9.97" x 4.35" x 11.56" (253.2 mm x 110.6 mm x 293.6 mm) |
Channels | 1 | 2 | ||
External Temperature Sensor Input (Sensor not Included) | - | - | Readout and Record Temperature Over Time | Readout and Record Temperature Over Time |
External Humidity Sensor Input (Sensor not Included) | - | - | Readout and Record Humidity Over Time | Readout and Record Humidity Over Time |
Input/Output Ports | - | 4 GPIO, Programmable | 4 Configurable Digital I/O Channels | |
Shutter Control | - | - | - | Support for SH05R(/M) or SH1(/M) Optical Shutter with Interlock Input |
Fan Control | - | - | - | |
Source Spectral Correction | - | - | ||
Attenuation Correction | - | - | ||
External Trigger Input | - | - | - | |
Display | ||||
Type | Mechanical Needle and LCD Display with Digital Readout | 320 x 240 Pixel Backlit Graphical LCD Display | Protected Capacitive Touchscreen with Color Display | |
Dimensions | Digital: 1.9" x 0.5" (48.2 mm x 13.2 mm) Analog: 3.54" x 1.65" (90.0 mm x 42.0 mm) | 3.17" x 2.36" (81.4 mm x 61.0 mm) | 3.7" x 2.1" (95 mm x 54 mm) | 4.32" x 2.43" (109.7 mm x 61.6 mm) |
Refresh Rate | 20 Hz | 10 Hz (Numerical) 25 Hz (Analog Simulation) | 25 Hz | |
Measurement Viewsb | ||||
Numerical | ||||
Mechanical Analog Needle | - | - | - | |
Simulated Analog Needle | - | |||
Bar Graph | - | |||
Trend Graph | - | |||
Histogram | - | - | - | |
Statistics | ||||
Memory | ||||
Type | - | SD Card | NAND Flash | SD Card |
Size | - | 2 GB | 4 GB | 8 GB |
Power | ||||
Battery | LiPo 3.7 V 1300 mAh | LiPo 3.7 V 2600 mAh | - | |
External | 5 VDC via USB or Included AC Adapter | 5 VDC via USB | Line Voltage: 100 - 240 V |
Item # | PM160 | PM160T | PM160T-HP |
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(Click to Enlarge) | |||
Detector Type | Slim Si Photodiode | Thermal | Thermal |
Wavelength Range | 400 - 1100 nm | 190 nm - 10.6 µm | 190 nm - 20 µm |
Optical Power Measurement Range | 10 nW - 2 mW Up to 200 mW w/ ND Filter | 100 µW - 2W | 10 mW - 70 Wa |
Optical Power Resolution | 100 pW (10 nW w/ Filter) | 10 µW | 1 mW |
Aperture | Ø9.5 mm | Ø10 mm | Ø25.2 mm |
Distance to Sensor From Top Surface of Housing | 1.7 mm (4.2 mm w/ Filter) | 2.6 mm | 4.5 mm |
Included Adapter | External SM05 (0.535"-40) Threads | External SM1 (1.035"-40) Threads | External SM1 (1.035"-40) Threads |
ワイヤレス、オールインワン型のハンディパワーメータ
当社ではハンディでオールインワン型(有機EL(OLED)グラフィカルディスプレイを内蔵)のワイヤレスパワーメータを3種類ご用意しております。ワイヤレスパワーメータPM160は、当社の薄型フォトダイオードセンサと同様の超薄型シリコンフォトダイオードセンサを使用しています。このセンサは、400~1100 nmの波長範囲内で10 nW~2 mWの光パワーを検出する設計となっております。デバイスに付属するスライド式NDフィルタを適用すれば、最大200 mWまで検出可能になります。NDフィルタがセンサに適用された場合、パワーメータはそれを自動的に検知、校正し、正しいパワー測定値を表示します。
ワイヤレスパワーメータPM160Tは、高感度サーマルパワーセンサーヘッドS401Cと同じサーマルディテクタを内蔵しており、広帯域のパワー測定に適しています。190 nm~10.6 µmの波長範囲で100 µW~2 Wの光パワーを検出することが可能です。
ハイパワーワイヤレスパワーメータ PM160T-HPには、190 nm~20 µmの波長範囲で10 mW~70 Wの光パワーを検出できるよう設計されているØ25.2 mmのセンサが特長です。 LED、SLD,、そして 中赤外域量子カスケードレーザなど広帯域光源と中赤外域光源に幅広くご使用いただけます。
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ワイヤレスパワーメータPM160とiPad mini(付属していません)。PM160はApple社のモバイルデバイス(iPadやiPhone)を使ってリモート操作が可能です。
ワイヤレスパワーメータ製品は、狭い場所でも使用可能で、様々な方向からの入射ビーム強度を測定できます。センサーヘッドは最大270°の回転が可能です。センサーアームを回転する際は、90°毎に戻り止めがありますが、接合機構内も十分な摩擦があるため、回転可能な範囲であればどの角度にでも合わせることができます。
センサの出力は、校正された光パワー測定値に変換され、内蔵されているOLEDディスプレイに表示されます。パワーメータはOLEDディスプレイの筐体側面の4個のボタンによって、手元操作が可能です。また、データをBluetoothまたはUSB経由で外部機器に転送することができます。各パワーメータにはWindows PCやMac PCでデータを取得、表示するためのアプリケーションソフトウェアが入ったUSBスティックが1個付属します。またApple社のApp Storeで無料提供しているOptical Power Meter Appを使用し、Bluetoothを経由してApple社のモバイルデバイス(iPadなど)からも操作が可能です。
右の表はハンディパワーメータの基本仕様について記載しています。詳細についてはこちらをクリックしてご覧ください。
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USBパワーメータPM16-121、シリコンフォトダイオードセンサ付き
小型USBパワーメータ、一般的なセンサーヘッド付き
当社製品の中で最も良く使用されているセンサーヘッドを、小型のUSBパワーメーターインターフェイスと組み合わせました。操作は当社のパワーメーターソフトウェアにより行います。センサーヘッドとして、当社の標準的なフォトダイオードセンサ、薄型フォトダイオードセンサ、積分球センサ、サーマルセンサをご用意しております。センサーヘッドには1.5メートルのケーブルが付いており、小型USBパッケージ(65 mm x 20 mm x 10 mm)に収められたパワーメータに接続されています。この超小型パワーセンサには当社のワイヤレスパワーメータPM160ならびにPM160Tと同様の電子回路が内蔵されており、Optical Power Monitorソフトウェアで制御が可能です。
標準品としてご提供している製品の波長や電圧範囲は下の表内に記載しています。 センサーヘッドは全品校正後、NISTおよびPTBトレーサブルの校正証明書を付けて出荷されます。校正および識別データはパワーメータのUSBスティックに保存されており、正確な光パワーの測定に適用されます。 当社のUSBパワーメーターインターフェイスのセンサーヘッド購入をご検討中で、下記以外のご要望がある場合は、カスタムオプションについて当社までお問い合わせください。センサおよびコンソールのラインナップについては、「センサの選択」タブ、「コンソールセレクション」タブをそれぞれご覧ください。
Item # | PM16-120 | PM16-121 | PM16-122 | PM16-130 | PM16-140 | PM16-144 | PM16-401 |
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Detector Type | Si Photodiode | Ge Photodiode | Slim Si Photodiode, Slideable ND Filter | Integrating Sphere (Si Photodiode) | Integrating Sphere (InGaAs Photodiode) | Stabilized Thermal Volume Absorber | |
Wavelength Range | 400 - 1100 nm | 700 - 1800 nm | 400 - 1100 nm | 350 - 1100 nm | 800 - 1700 nm | 190 nm - 10.6 µm | |
Optical Power Measurement Range | 50 nW - 50 mW | 500 nW - 500 mW | 50 nW - 40 mW | 500 pW - 5 mW (Up to 500 mW with Filterb) | 1 µW - 500 mW | 100 µW - 1 W (3 Wa) | |
Optical Power Resolution | <1 nW | <10 nW | <2 nW | <100 pW (10 nW with Filterb) | <1 nW | <1 µW |
パワーメーターセット
当社の一般的なパワーメーターコンソールPM100D、PM100A、PM400と、Cシリーズフォトダイオードまたはサーマルセンサ、およびポスト、ポストホルダ、ベースから構成されるポストアセンブリを組み合わせたセット製品もご提供しています。セット製品のラインナップは下の表をご覧ください。当社のセンサおよびコンソールの詳細については、「センサの選択」および「コンソールセレクション」タブをご覧ください。ラインナップしているパワーメータセット製品の詳細はこちらからご覧いただけます。
Bundle Item # | Wavelength Range | Power Range | Sensor Type (Item #) | Console Type (Item #) |
---|---|---|---|---|
PM120VA | 200 - 1100 nm | 50 nW - 50 mW | Si (S120VC) | Analog (PM100A) |
PM120D | 400 - 1100 nm | 50 nW - 50 mW | Si (S120C) | Digital (PM100D) |
PM121D | 500 nW - 500 mW | Si (S121C) | ||
PM130D | 500 pW - 500 mWa | Slim Si (S130C) | ||
PM122D | 700 - 1800 nm | 50 nW - 40 mW | Ge (S122C) | |
PM125D | 0.19 - 20 µm | 2 mW - 10 W | Thermal (S425C) |
Bundle Item # | Wavelength Range | Power Range | Sensor Type (Item #) | Console Type (Item #) |
---|---|---|---|---|
PM400K1 | 400 - 1100 nm | 50 nW - 50 mW | Si (S120C) | Touchscreen Digital (PM400) |
PM400K2 | 500 nW - 500 mW | Si (S121C) | ||
PM400K3 | 500 pW - 500 mWa | Slim Si (S130C) | ||
PM400K4 | 700 - 1800 nm | 50 nW - 40 mW | Ge (S122C) | |
PM400K5 | 0.19 - 20 µm | 2 mW - 10 W | Thermal (S425C) |
センサの選択
センサ検出部に対するビームサイズ
検出部の感度面内分布はセンサ毎に若干異なります(ただし、積分球センサは、分布が無いように設計されているため、例外となります)。この問題に対処するためには、入射ビーム径がセンサ検出部の10%以上を占めるようにします。だたし、センサ内に収まるようにご注意ください(つまり、センサ検出面に入射するビームサイズが検出部のサイズよりも大きくならないようにしてください)。高パワーまたは高エネルギービーム用には、ビーム径よりも20%~30%大きなサイズのディテクタをお選びいただくことをお勧めいたします。
ビームサイズは、光源の出力パワーおよびエネルギ密度がセンサの最大許容値以下であるかどうかにも影響を受けます。この最大定格は各センサの仕様書内に記載されています。お手持ちのビームの空間強度分布が平坦でない場合は、ビームの最も明るい領域における最大パワーまたはエネルギ密度が仕様値を超えないようにご注意ください。例えば、ガウシアン強度分布を有するビームでは、中心部におけるパワー(エネルギ)密度が仕様値を超えないようにしなければなりません。各センサに対応する仕様については「仕様の定義」タブをご覧ください。
光源の波長帯域
サーマルセンサまたは焦電センサを使用する際は、光源の波長帯域をほとんど気にする必要はありません。ただし、フォトダイオードセンサの場合、生成した電流は動作波長範囲に大きく依存します。光源の線幅が10 nmより広い場合(例えばLEDなど)、パワーメータに正しいパワー値が表示されないことがあります。
フォトダイオードセンサを使用して広帯域光源のパワー測定を正しく行うには、光源の波長帯域におけるディテクタの感度曲線はほぼリニアである必要があります。そして、動作波長範囲を光源の中心波長としてパワーメータに設定すれば、光源のスペクトルが中心波長に対して対称ならば光パワーはほぼ正しく測定できます。
後方反射
フォトダイオードやNDフィルタの表面、さらにサーマルセンサの黒色コーティング面でも、入射光の後方反射は発生します。この後方反射が半導体レーザやHeNeレーザのような装置に入力されると、光パワーの安定性に影響を及ぼす可能性があります。パワーメーターセンサをレーザ光に対してわずかに傾けて設置することで、後方反射がこのようなレーザ機器のの出力開口部に入力しないようにできます。後方反射を完全に防ぎたい場合は、当社の積分球センサのご使用をお勧めいたしまします。これにより、入射光はセンサ内にほぼ完全に吸収されます。
周辺光および迷光
周辺光または迷光は、自由空間の用途において測定精度に大きな影響を及ぼします。時間的に一定のバックグランド光は、ディテクタをゼロレベルに再設定することで除去できます。しかし、太陽光やスイッチをオン/オフする部屋の照明などのように時間的に変化する周辺光を補正することはできません。この場合、センサは周辺光や迷光から適切に遮断する必要があります。当社ではこのような用途向けに遮光用材料を幅広く取り揃えています。
周辺温度
当社の全てのパワーセンサは、室温(23 ± 5 °C)で校正されています。
すべてのセンサの感度の確度仕様が±5%以内であることを考慮すると、フォトダイオードセンサの感度は、温度にほとんど依存しないとみなせます。しかし、暗電流は温度の影響を受けやすいため、微弱光の測定では影響を受ける可能性があります。この場合は、補正の際に適切にゼロセットを行うことをお勧めいたします(詳細は各センサのマニュアルをご覧ください)。
これに対し、サーマルセンサでは、サーマルディスクとヒートシンクの間に発生するわずかな温度差にも反応します。サーマルディスクをレーザ光に長時間露光した場合、センサ周辺の空気の流れによる温度変化や、ヒートシンクの温度の上昇などにより、正確なパワー測定が妨げられることがあります。この影響を最小限に抑えるには空気の流れからセンサをできる限り遮断する必要があります。センサは、お客様のご使用条件に応じて適切にゼロセットする必要があります。例えば、短時間の測定ではセンサは測定前にゼロセットが可能です。しかし、長時間の測定では、センサが熱平衡の状態に達してからゼロセットする必要があります(例えば、露光から約10分後)。
高確度測定におけるノイズの減少
接地、ケーブル容量、温度変化、迷光および周辺光、ディテクタに起因するノイズにより測定の確度が下がることがあります。これらのノイズは微弱光の測定時に、より大きな影響を与えます。ノイズの影響を最小限に抑えるためのヒントを以下にご紹介いたします。
- パワーセンサの筐体はメータのデジタルグランドに接続されているため、地面に直接接地してください(例えば、ポストを使用するなど)。
- エネルギーセンサの筐体はパワーメータのアナロググランドに接続されているため、地面から絶縁されるように取り付けてください。
- センサーケーブルは非常に小さな電流や電圧信号を伝送するため、ケーブルが動くとケーブル容量が変わってしまいます。そのため、非常に小さな光パワーやエネルギを測定する際はケーブルを位置固定する必要があります。
- フォトダイオードの帯域幅は「Low」に設定してください。サーマルセンサのアクセラレータ回路はOFFにしてください。
- SiまたはInGaAsセンサでは、ディテクタのノイズは最小になります。
- 自由空間の用途で長時間の測定を行う場合は、周辺光の状態を一定に保つか外部光源からの光路を遮断する必要があります。
- 測定中は温度を一定に維持してください。
ファイバ光学系の測定
レーザ光は、光ファイバの先端から三角錐状に出力され、広がり角度は受光角度の2倍になります。ファイバの受光角度は以下の数式から算出できます:
ここでは、NAはファイバの開口数、nは屈折率(空気の場合、n=1)を表します。
典型的なファイバの場合、出力光の角度の合計(2Θ)は15°~25°になります。角度付きコネクタ(APC)を使用した場合、出力中心はファイバ軸に対して約4°傾きます。
正確に測定するためには、ファイバ端からディテクタに向けて拡大するビームのサイズがディテクタに収まっているように注意する必要があります。反対に、高パワーファイバーレーザのパワー密度を減少させるためには、ファイバ端とディテクタ表面間に一定の隙間を与える必要があります。
当社では、最も一般的なコネクタに対応したファイバーアダプタを提供しており、これにより標準的なフォトダイオードパワーセンサやセンサ内蔵型ワイヤレスパワーメータおよび当社のほとんどのサーマルセンサに適用できます。広がり角の大きな出力光の測定や、後方反射を防ぐことが重要な用途には、当社の積分球センサのご使用をお勧めいたします。
ファイバ光学系の測定用に特別に設計されたセンサーヘッドもご用意しております。これらのセンサーヘッドはパワーメータに直接差し込めるため、センサとコンソール間のケーブルが不要になり、ノイズの発生要素を最小限にすることができます。
エネルギーセンサご使用時の注意点
当社のエネルギーセンサは焦電効果に基づいています。センサES1xxCおよびES2xxCは、20 msの熱時定数を有しているため、センサに1 MΩの負荷が接続されているときのエネルギ測定の最大繰返し周波数は30~40 Hzとなります。高い繰返し周波数を必要とする用途向けに、最大繰返し周波数が10 kHzのセンサES3xxC、ES4xxCもございます。正確なエネルギ測定を行うために特に注意すべき点を以下に示しています。
トリガーレベル
焦電センサは、パルスのエネルギに比例したピーク電圧を有する電圧パルスを出力します。パワーメーターコンソールはピークディテクターモードでの動作時には、各パルスのエネルギを表示します。トリガーレベルは、ピークディテクタがパルスを認識する際の閾値となります(選択したパワー範囲の0~99%の間で設定できます)。その後、ピークに達するまでデータは記録されます。よって、トリガーレベルはノイズレベルより高く設定する必要があります。設定方法としては、センサを接続して任意の範囲を選択し、コンソールが光パワーの連続測定を停止するまでトリガーレベルを上昇させます。直近の測定値は表示されたままになります(エネルギ測定モードにおけるピークホールド機能)。
繰返し周波数
パルスの繰返し周波数が各センサ毎に規定されている最大値を超えないようにしてください。これは測定値がその後に続くパルスの影響を受けるのを防ぐためです。
最大繰返し周波数の増加
標準タイプのセンサES1xxCおよび高エネルギーセンサES2xxCの測定可能な最大繰返し周波数を増加させるには、エネルギーセンサをオシロスコープ(high Z入力)ならびに100 kΩ終端抵抗器と一緒に使用します。このC-シリーズ焦電センサを用いてセットアップを構成するには、まず赤いD サブコネクタからBNCコネクタを取り外します。次にBNCコネクタを100 kΩのターミネータを介してオシロスコープのハイインピーダンスY入力部に接続します。
センサES3xxCおよびES4xxCは1 MΩの負荷用に最適化されているため、この方法はお勧めいたしません。
パルス長
エネルギーセンサはサブナノ秒領域から約2 msまでの持続時間を有するパルスを検出し測定します。パルスの最大持続時間は以下の2つの要因に依存します。
- ディテクタの電気容量および負荷抵抗から求められるセンサの電気的時定数
- センサの熱時定数
一般的に、熱時定数の方が大きな影響を及ぼします。
簡単な性能テスト
エネルギーセンサは吸収体に入射した光パルスだけでなく機械的パルスにも反応します。この特性を利用して焦電センサの動作を簡単にチェックすることもできます。
- 赤い9ピンD サブコネクタを取り外し、センサのBNCケーブルをオシロスコープの入力部に取り付けます。その際、入力部がDC結合および「High-Z」(高入力インピーダンス)であることをご確認ください。適切なXおよびY解像度を選択してください。
- センサを軽くたたいてください。センサが機能していれば、オシロスコープの画面にパルスが表示されるはずです。パルスが表示されない場合、 Y sensitivityおよびトリガに設定を変更してください。それでもセンサが反応しない場合は当社までご連絡ください。
パルス信号のパワー測定
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統計データが確認できるタイプのコンソールでは、最小、最大、ならびに平均検出パワーなどのパラメータが表示されます。
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指針表示。最大および最小検出パワーがそれぞれ緑色と黄色の矢印で示されています。この機能は、フォトダイオードセンサを用いてパルス信号を検出する際に適切な出力範囲を決定するのに便利です。
パワーメータは、以下の条件下でパルス信号の平均パワーを読み取ることができます。
サーマルセンサの使用
ピークパワーは、センサの損傷閾値よりも低くなっています。この値はパルス長および繰り返し周波数の影響を受けません。サーマルセンサは非常にゆっくり反応するので、検出部へ入射した光パワーを積分します。
フォトダイオードセンサの使用
フォトダイオードセンサは、ナノ秒領域の短いパルスを識別することができます。したがって、パルスのピークパワーがセンサの最大パワーより大きくならないようにする必要があります。パルスのピークパワーが設定のパワー領域を超えた場合にはクリッピングが発生し、誤った平均値が表示されます。最小および最大値の表示機能を用いて適切なパワー領域を見つけることができます。
帯域幅の設定は特定のパルス長および繰り返し周波数におけるパワーの読み取りにも影響を与えます。帯域幅を「LOW」に設定すると表示は一定になり、「HIGH」に設定するとアナログ出力でパルスをモニタします。
フェムト秒レーザ
フェムト秒レーザの繰り返し周波数は最大数百MHzで、パルスの持続時間は数十フェムト秒です。通常、サーマルセンサは平均出力パワーを測定するのに適しています。これはパルスのエネルギが基本的に緩やかであるためです。ただし、光源がセンサの最大定格を超えていないかを確認することは重要です。センサの仕様やパルス特性を算出するための一般的な数式については「仕様の定義」のタブをご参照ください。
CW光源のトラブルシューティング
波長の設定は適切ですか?
コンソール内に入力する波長と入射した光の波長が同じであることをご確認ください。波長が正しく設定されていないと、パワーを読み取る際に大きな誤差が生じる可能性があります。また、入射した光の波長確度および精度もご確認ください。
例:フォトダイオードパワーセンサS120Cを用いて仕様の波長が405 nmの光を測定。しかし、この光の実際の出力波長は401 nmであったため、測定値には15%の誤差が生じます。
前回センサの校正を行ったのはいつですか?
センサの感度特性は時間の経過とともに変化します。フォトダイオードセンサまたはUV域用のセンサは、特に時間経過に敏感です。定期的な再校正をお勧めしております。校正頻度は用途によりますが、通常1年程度です。お手持ちのセンサの再校正のご依頼については、各センサの製品紹介ページをご覧いただくか(「センサの選択」タブ内にリンクがございます)、当社までお問い合わせください。
入射光のパワーは仕様の動作範囲内ですか?
お手持ちのセンサの仕様については仕様書をご確認ください。「分解能」の仕様と最小測定可能パワーは異なりますのでご注意ください(分解能は、検出可能な光パワー変化の最小値であり、コンソールの測定範囲を最小に設定した際に画面に表示される最小の有効数字になります)。
例:S120Cの規定の測定範囲は、50 nW~50 mWの光パワーおよび1 nWの分解能。これは、最小の測定可能パワーが50 nWであり、この測定範囲において画面に表示される最小の有効数字は1 nWとなることを意味します。
センサをゼロセットする頻度は?
フォトダイオードセンサは、検出部に光子が入射していない時でも低レベルの波長を放出しています。温度が上昇すると、SiおよびInGaAsセンサでは数nA、Geセンサでは数µAzの暗電流が徐々に発生します。
サーモパイルセンサは、暗状態(検出部に光が入射していない状態)で検出部(サーマルディスク)とセンサのヒートシンク間に温度差が生じた場合や、露光中にヒートシンクの温度が上がった場合にゼロセットする必要があります。ヒートシンクの温度が検出部の温度よりも高くなった場合、検出部に光が入射していないサーモパイルでは負電圧が発生しますが、ヒートシンクの温度が検出部の温度よりも低くなった場合は正電圧が発生します。ヒートシンクとディテクタがどちらも室温の場合、発生する電圧の典型値は数µVとなります。
センサを適切にゼロセットすることにより、暗電流の影響を防ぐことができます。詳細はセンサーヘッドのマニュアル内でご覧いただけます。
よくあるご質問
エネルギーセンサの最大繰返し周波数を増加させることは可能ですか?
250 Hz以上の繰返し周波数を必要とする用途には、最大繰返し周波数が10 kHzの当社の高速焦電センサES3xxC、ES4xxCをご検討ください。センサES1xxCおよびES2xxCの測定可能な最大繰返し周波数を増加させるには、エネルギセンサをオシロスコープ(high Z入力)ならびに100 kΩ終端抵抗器と一緒に使用します。まず、赤いD サブコネクタからBNCコネクタを取り外します。次に、BNCコネクタを100 kΩのターミネータを介してスコープのハイインピーダンスY入力部に接続します。
仕様書に記載されているフォトダイオードおよび積分球センサの最大光パワーはCWレーザとパルスレーザどちらによるものですか?
最大パワー領域はCW光源を使用した場合の仕様です。パルス光源では、フォトダイオードの飽和を避けるためには、規定のピークパワーを超えないようにしてください。
フォトダイオードベースのセンサをパルス光の測定に使用できますか?
特定の条件下において、パルス光の時間平均出力パワーを測定可能です。パルス光のピークパワーは、センサの飽和を避けるためには、仕様の最大光パワーを超えないようにしてください。詳細については、パワーメータのマニュアル内にあるThe Measurement Considerations/Power Measurement of Pulsed Signals「測定時の注意/パルス信号の光パワー測定」の章またはThe trouble shooting「トラブルシューティング」の該当部分をご覧ください。
積分球センサの原理は? パルスレーザの測定に使用できますか?
積分球センサの動作については「概要」タブをご覧ください。積分球センサは、フォトダイオードセンサと同じ条件下でパルス信号を測定できます。
センサESxxxCにエネルギが表示されません。設定をどのように変更すれば良いでしょうか? トリガーレベルとは何ですか?
測定波長範囲およびトリガーレベルが正しく設定されているかご確認ください。トリガーレベルとは測定可能な最小パルスエネルギを示し、センサーノイズを抑える役割を果たします。パルス信号を測定する際は、センサがお手持ちの光源の繰り返し周波数およびパルス長を検出できるかどうかをご確認ください。
Sensor Type | Parameters Indicating Damage Thresholds |
---|---|
Photodiode (Except Integrating Sphere) | Maximum Average Power Density Maximum Pulse Energy |
Integrating Sphere (Photodiode) | Maximum Average Power Density Maximum Pulse Energy Maximum Intermittent Power (2 min) |
Thermal Sensor | |
Pyroelectric Sensor | Maximum Power Density (Peak Power) Maximum Pulse Energy Density Maximum Average Power |
損傷閾値とは何ですか?ピークパワー値と平均パワー値のどちらを使用すれば良いでしょうか?
パルス信号を測定する際、損傷閾値はパルス持続時間やビーム径、ならびに光出力パワー(パルスエネルギ)のような様々なパラメータに依存します。パワーおよびエネルギーセンサの最大定格を超えないようにしてください。最大パワーおよびエネルギ密度については特に注意が必要です。規定値を超えた場合、センサが破損する恐れがあります。
「断続的パワーの最大値(2分間)」はセンサがハイパワー測定を行う際の仕様です。この値は測定範囲の上限を超えているため、センサで断続的ハイパワーを測定しても正しい値を読み取ることができません。ただし、この出力レベルでの露出を2分以内に抑えればセンサは損傷を受けません。パルス信号の場合、パルスの平均出力パワーがこの仕様を超えないようにしてください。これらのパラメータの算出方法については「仕様の定義」タブをご参照ください。
フェムト秒パルスの測定にはどのセンサを使用すれば良いですか?
フェムト秒パルスレーザの平均出力パワーを測定する際は、サーマルセンサを用いると最良の結果を得られます。
センサES1xxCまたはES2xxCの帯域幅を増加させる方法を教えてください。
帯域幅とパルスの最大繰返し周波数が等しければ、測定システムの入力抵抗を変更することでこのパラメータを変更できます。だたし、パワーメーターコンソールの場合は入力抵抗が1 kΩに固定されているため、最大繰返し周波数を変更することはできません。繰返し周波数を増加させるには、「センサーチュートリアル」タブ内に記載されている、センサES1xxCおよびES2xxCにオシロスコープと100 kΩ終端抵抗器を用いる方法をご参照ください。また、最大繰返し周波数が10 kHzのセンサES3xxCおよびES4xxCもご検討ください。
分解能と最小光パワーの違いは何ですか?
分解能は検出可能な光パワーの最小変化量を示します。これに対し、最小光パワーはセンサの光入力範囲の最小値を示します。「チュートリアル」タブ内の例をご参照ください。
センサの仕様
パラメータ | 定義 | センサータイプ |
---|---|---|
Wavelength Range(波長範囲) | センサが校正されている波長の範囲。 仕様のMeasurement uncertaintyは、この波長範囲においてのみ適用されます。 | 全てのセンサ |
Resolution(分解能) | 測定されたパラメータの検出可能な最小変化。Resolution(分解能)はコンソールのタイプや帯域の設定ごとに規定されており、一般的にセンサの仕様書内にある仕様表の脚注に記載されています。 | 全てのセンサ |
Measurement Uncertainty(測定確度) | このパラメータは測定確度を示し、一般的にはセンサの波長範囲全体で規定されています。複数の値が(仕様書内に)規定されているセンサータイプもありますが、これは規定の波長範囲内の各領域に対応した値になっています。 | 全てのセンサ |
Optical Power Range(出力パワーレンジ) | センサが検出可能な最小および最大のパワーが記載されています。上限値を超えるとセンサが飽和し、正確な測定ができません。パルス信号を測定する際は飽和を防ぐため、パルスのピークパワーが最大測定パワーを超えないようにします。センサの最小測定値よりも低いパワーを測定すると、ノイズの影響を受けてmeasurement uncertainty(測定確度)が悪化します。 | フォトダイオード、積分球、サーマルセンサ |
Optical Energy Range(光エネルギーレンジ) | 最小および最大の測定可能エネルギを示します。トリガーレベルをoptical energy range(光エネルギーレンジ)の最小値に近いエネルギレベル設定してパルスを測定する際には注意が必要です。センサを適切にトリガしても、センサーノイズがパルスエッジに干渉し、正確に測定できないことがあります。 | 焦電センサ |
Linearity(直線性) | 直線性は、センサ感度(センサによりA/W、V/WまたはV/J)の理想的な直線応答からの偏差を、光パワーの測定レンジに対する100分率で表します。この範囲で、出力される光電流は入射光パワーに比例します。光パワーの測定レンジ外においては、高パワー側では飽和により、低パワー側ではノイズフロアにより、センサの感度特性はそれぞれ理想的な直線から外れます。 | 全てのセンサ |
Max Average Power Density(最大平均パワー密度) | センサに損傷を与えずに入射できる単位面積あたりの平均パワー。センサの損傷を防ぐため、この値を超えてはいけません。方形パルス列ならびに円形のビーム形状を有する光源の平均パワー密度を求める計算式は、下記の「計算式」の章に記載しています。 | フォトダイオード、積分球、サーマルセンサ |
Max Pulse Energy(最大パルスエネルギ) | Max average power density(最大平均パワー密度)のパルス対応の仕様。センサの損傷を防ぐため、パルスの最大エネルギはこの値を超えてはいけません。 | フォトダイオード |
最大パルスエネルギ密度 | こちらもMax average power density(最大平均パワー密度)のパルス対応の仕様。パルスがセンサに損傷を及ぼさない最大エネルギ密度。サーマルセンサや積分球センサ以外に当社の光ファイバーセンサにも対応。ファイバ端のビーム径は非常に小さく、高いエネルギ密度を有しているため、この規定値を超えるとセンサに損傷を及ぼす恐れがあります。 | 全てのセンサ |
Max Intermittent Power (2 minutes Max)(断続的パワーの最大値 (最大2分間)) | 2分以内の照射ではセンサに損傷を及ぼさないパワーの最大値。パルス信号の場合、この値をパルス列の時間平均パワーと比較する必要があります。この仕様値は規定の最大測定範囲を超えているので、この値ではセンサは飽和し正確な測定ができません。 | 積分球、サーマルセンサ |
Max Power Density(最大パワー密度) | この値は入力パルスのピークパワーに関連しています。センサの損傷を防ぐため、この値を超えてはいけません。 | 焦電センサ |
Max Average Power(最大平均パワー) | センサの温度が過上昇せずに入力できる最大の平均パルスパワー。矩形パルス列ならびに円形のビーム形状を有する光源の平均パワーを求める計算式は、下記の「計算式」の章に記載しています。 | 焦電センサ |
コンソールの仕様
Measurement Range(測定範囲) - パワーメーターコンソールが光パワーまたはエネルギを表示できる範囲。コンソールの光パワーまたはエネルギの測定範囲は電流(フォトダイオードセンサ)または電圧(サーマルおよび焦電センサ)で表示されます。電圧または電流が光パワーまたはエネルギ測定値に変換される方法はそれぞれのセンサによって異なります。
Display Resolution(表示分解能) - 検出可能な光パワーまたはエネルギの最小変化をパワーメーターコンソールの表示画面で見ることができます。これらの値はコンソールが測定する入力パワーであるため、電流または電圧でも表示可能です。光パワー分解能は、コンソールに接続された光検出部の感度特性に依存します。
Current Input Resolution(入力電流の分解能) - この仕様値はフォトダイオードセンサに対応し、例えば、1 pA /感度(A/W)のように一般的には単位感度あたりの電流として記載されています。これは最低測定レベルにおけるコンソールの分解能が1 pAであることを意味します。この値は最低測定パワーとは異なることにご注意ください。フォトダイオードセンサの感度は波長に依存しているので、コンソールの分解能も波長に依存することになります。
例:センサS120Cの感度は930 nmにおいて7.35 × 10-2 A/W、455 nmにおいて5.05 × 10-3 A/Wです。最小測定レベルにおける分解能は、930 nmにおいて
1.1 x 10-12 A/(1.36 x 10-11 A/W) = 13.6 pW、455 nmにおいて1.1 x 10-12 A/(5.05 x 10-3 A/W) = 198 pWとなります。この値は、S120Cの最小測定光パワー(50 nW)とは異なりますのでご注意ください。
Voltage Input Resolution(入力電圧分解能) - 一般的に、パワーおよびエネルギーメータの電圧分解能は、サーモパイルセンサと焦電センサではそれぞれ別に規定されています。サーモパイルセンサでは、この値は単位感度に対する電圧となり、V/Wで表示されます。例えば、1 µV/感度(V/W)となります。フォトダイオードセンサの場合、分解能はセンサの感度に依存します。焦電センサの場合は、分解能は単位感度に対する電圧となり、V/Jで表示されます。例えば、100 µJ/感度(V/J)となります。エネルギ分解能もセンサに依存します。
Accuracy(確度) - パワーメータの確度は電圧または電流測定確度によって決まります。この値は一般的にフルスケールに対する割合で表されます(% f.s.)。コンソールの確度とセンサの確度は異なる仕様です。
波長の補正 - 正しいパワーまたはエネルギ計算値を表示するには、正しい感度特性がコンソールに入力されている必要があります。当社の校正済みセンサには、コネクタ内に感度の校正テーブルが保存されています。コンソールはこの情報にアクセスしてパワーまたはエネルギ計算を行います。カスタム仕様のセンサでは、コンソールは適切なセンサータイプ(フォトダイオード、サーマル、焦電)に設定する必要があり、感度特性を数値として入力しなければなりません。
計算式
下の計算式を利用すると、矩形パルス列で定義されているパラメータを、当社のセンサの仕様と比較することができるような値に変換できます。最初の表では、パルス幅とパルス周期を利用して繰り返し周波数ならびにデューティーサイクルを算出する方法、平均パワーとピークパワーを変換する方法、測定された光パワー値を利用して、パルスの合計エネルギを測定する方法について説明しています。2番目の表では、これらのパラメータを使用して矩形パルス列を有する円形ビームのパワーおよびエネルギ密度を算出する方法を説明しています。センサーヘッドの損傷を防ぐために、お持ちの光源のパワー密度および(または)エネルギ密度がセンサの仕様の範囲内であることをご確認ください。
Pulse Characteristic | Equation |
---|---|
Repetition Rate: fP | |
Duty Cycle: D | |
Pulse Average Power: Pav | |
Pulse Peak Power: Ppeak | |
Energy: W |
パルスのパラメータ
tP: Pulse Duration | TP: Pulse Period |
Ppeak: Pulse Peak Power | Pav: Pulse Average Power |
上図は矩形パルス列の特性についての概要です。
パワーおよびエネルギ密度
パワー密度およびエネルギ密度はそれぞれビームの単位面積あたりのパワーまたはエネルギとして定義されています。以下の表の計算式は、円形ビームのビーム径がdB、面積が下記の式であらわされることを前提としています。
円形以外のビームの面積を算出するには別の計算式を用いなくてはなりません。
平均パワー密度は、ビームが照射した面積に対するビームの平均パワーです。
Pulse Characteristic | Known Pulse Parameters | Formula |
---|---|---|
Average Power Density: Ψav | Average Power: Pav Beam Diameter: dB | |
Pulse Peak Power: Ppeak Repetition Rate: fP Pulse Duration: tP Beam Diameter: dB | ||
Pulse Energy: W Repetition Rate: fP Beam Diameter: dB | ||
Peak Power Density: Ψpeak | Pulse Peak Power: Ppeak Beam Diameter: dB | |
Pulse Energy: W Pulse Duration: tP Beam Diameter: dB | ||
Average Power: Pav Repetition Rate: fP Pulse Duration: tP Beam Diameter: dB | ||
Pulse Energy Density: ξ | Pulse Energy: W Beam Diameter: dB | |
Pulse Peak Power: Ppeak Pulse Duration: tP Beam Diameter: dB | ||
Average Power: Pav Repetition Rate: fP Beam Diameter: dB |
Posted Comments: | |
Prabhu Das
 (posted 2023-10-23 16:08:24.15) Can you help us out in applicability of Power meter and sensor product in out application - Electrical maintenance in Steel Industry. We have many laser sensors and we need a condition monitoring system to check its healthiness level. dpossin
 (posted 2023-10-25 05:35:12.0) Dear Prabu,
Thank you for your feedback. I will reach out to you in order to discuss possible solutions. user
 (posted 2021-11-09 05:49:14.057) I need to measure the total power emitted by a white light source. I do not need the power per wavelength. I just need a total estimate. Would using a photodiode (e.g. S130C) and any console (e.g. PM100D) centered around 500 nm be a good approximation? Is there any other wavelength that would represent a better approximation? The center wavelength of my spectrum or the mean sensitivity of the photodiode? soswald
 (posted 2021-11-12 05:13:37.0) Dear customer,
thank you for your feedback. For measurements of broadband sources we recommend thermal power sensors: https://www.thorlabs.de/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=3333
Their responsitivity vs. wavelength curve is flat compared to photodiodes so the measurement error by using an approximate wavelength is smaller.
The intensity-weighted center wavelength of your source's spectrum should give the best approximation. Zhiqiang Wang
 (posted 2020-03-03 23:30:09.213) How to use MATLAB to cummunicate with PM 100D power meter?
Is there some other way to read out and save the data from the power meter? nreusch
 (posted 2020-03-04 08:27:19.0) This is a response from Nicola at Thorlabs. Thank you for your inquiry. There are several ways to read out and save data from a power meter via USB port, e.g. by using the graphical user interface that we provide or by means of a program code. For MATLAB, we recommend to use the SCPI commands that are listed in the manual of PM100D. I will send you an instruction. aklossek
 (posted 2017-07-04 12:55:58.81) Dear ladies and gentlemen,
we are using a 80MHz laser with pulse width of about 6ps.
Our classic thermal sensors show laser powers that are 4-5 times higher than the actual laser power.
Do you have an idea what it's wrong and wich power meter would you suggest?
Best regards
André Klossek swick
 (posted 2017-07-05 03:48:31.0) This is a response from Sebastian at Thorlabs. Thank you for the inquiry. I have contacted you directly for assistance. mizuno.k.ae
 (posted 2017-01-28 17:34:31.257) いつもお世話になっております。東京工業大学波多野研究室の水野と申します。
センサS121C(SN16111644)およびコンソールPM100D(SNP0012879)を用いてレーザーパワー(532nm, CW)の測定を行っています。
これまで問題なく使用していましたが、コンソール表示値に不可解な挙動を見たので連絡いたします。
1. 明らかに数十mWほどのレーザーが入射しているのに表示が数uWになってしまう。この状態でコンソールの電源を切って再起動すると50mWと表示される。
2. 校正期限の切れた他社製(OPFIR)パワーメータで2.2mWと表示されている状態(目視した感覚でもその程度と思われます)で、コンソール表示は0.8mWとなる。この状態で表示レンジを変えると表示値も変わる。レンジを高いものにすると表示が2.2mWになる。
おそらくレンジ設定に関してコンソールのソフトウェアに問題があると思うのですが、
コンソールの中身をアップデートする方法などありますでしょうか?
対処方法など指示をお願い致します。 tfrisch
 (posted 2017-02-14 04:27:42.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. It looks like you are already in contact with the Tech Support Branch in our Japan office. |