反射型コリメータ、調整機能付き、保護膜付き銀コーティング
![](https://www.thorlabs.co.jp/Images/GuideImages/16883_AdjustableRCSilver_2.jpg)
- Adjustable Collimators/Couplers with a 15 mm Reflected Focal Length
- Maximum Fiber NA without Clipping the Beam: 0.30
- Free From Chromatic Aberrations
- FC/PC, FC/APC, or SMA Connector
RCF15P-P01
FC/PC Connector
RCF15S-P01
SMA Connector
Application Idea
The RCF15A-P01 Collimator is mounted in an SM1TC Lens Tube Clamp. See the Mounting Options Tab for more details.
RCF15A-P01
FC/APC Connector
![](../../images/loading-red.gif)
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![Ray Diagram Adjustable Reflective Collimator](https://www.thorlabs.co.jp/images/TabImages/Adjustable_Reflective_Collimator_Collimated_D2-400.jpg)
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光ファイバからの光をコリメートして出射 (逆向きに使用するとマルチモードまたはシングルモードファイバへの光結合が可能)
![RCF15A-P01 Labelled](https://www.thorlabs.co.jp/images/TabImages/RCF15A-P01_Labeled_A2-300.jpg)
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コリメータには、ファイバへの入射位置を調整する赤色の調整ノブが付いています。集光距離の目盛(単位m)を調整することで、ビームの状態を発散から集光まで調整可能です。詳細は「コリメータの調整」タブをご覧ください。筐体の外径30.5 mmはSM1レンズチューブの外径と同じです。
特長
- ミラーの反射帯域(450 nm~20 µm)ではコリメーションに対する色収差無し
- 多色光のマルチモードまたはシングルモードファイバへの結合に適した製品
- 反射焦点距離(Reflected Focal Length, RFL): 15 mm
- 有効径:Ø11.0 mm
- 調整可能な集光距離:-2.2 m~0.15 m
- ビームのケラレが生じない最大ファイバNA: 0.30
- Ø30.5 mmの外径は、スリップリングおよびチューブクランプに取り付け可能な寸法
- SM1外ネジおよびSM05内ネジ付きで、Ø25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)およびØ12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)のレンズチューブに取付け可能
保護膜付き銀コーティングが施された調整機能付き反射型コリメータは、90°軸外放物面(OAP)ミラーをベースにしています。保護膜付き銀ミラーは、レンズと異なり焦点距離に波長依存性が無く、450 nm~20 µmの波長範囲で優れた反射率があります(詳細は「仕様」タブ参照)。
このコリメータは、個々のファイバからの出射光のコリメーションや、シングルモードまたはマルチモードファイバへの光結合を最適化するために、ファイバ-OAP間の距離を調整する機能が付いています。コリメート光が得られる集光距離は目盛∞で示されていますが、この位置でファイバ-OAP間の距離はミラーの反射焦点距離(RFL)に設定されます(右図参照)。コリメート光のファイバへの集光も、筐体の赤色の調整ノブをこの位置の近傍で調整することで実現できます。 集光距離の範囲は-2.2 m~0.15 mで、それぞれ負と正の集光距離限界を表します。 集光距離を変更すると、ファイバの位置が移動します。調整機能付きコリメータから集光ビームや発散ビームを生成する方法については、「コリメータの調整」タブをご覧ください。
無限共役比では、OAPミラーは回折限界でのイメージングが可能です。 軸外放物ミラーを用いて集光する場合は、原理的に集光距離を変更すると光学収差が発生します。OAPミラーの独特な特性については、「Insights-OAPミラーの利点と使用方法」タブをご覧ください。これらの調整機能付き反射型コリメータは、互いに遠く離れたコリメータ同士を結合させる使い方ができます。この場合、自由空間光が2つ目のコリメータに入る前に様々な操作を行うことができ、これは長距離通信への応用にも有用です。
一般的な用途としては、シングルモードまたはマルチモードファイバからの多色光のコリメーションや、多色のコリメート光のシングルモードまたはマルチモードファイバへの結合などがあげられます。シングルモードまたはマルチモードパッチケーブルからの光をコリメートする場合、筐体による光のケラレを生じさせないために、ファイバはNA≤0.30のものをご使用ください。なお、一般にマルチモードファイバからの出射光は十分にコリメートすることはできませんのでご注意ください。ファイバからの出射光のコリメーションを最適化する方法については、「コリメートのチュートリアル」タブをご覧ください。
ミラー表面からの散乱光は最小限(633 nmで約2%)に抑えられています。これは軸外放物面ミラー製造時のダイヤモンド旋削工程により表面粗さが100 Å RMS以下に抑えられているためです。
この調整機能付き反射型コリメータの筐体にはSM05内ネジとSM1外ネジが付いており、レンズチューブシステムに簡単に組み込むことができます。このコリメータにはロッキングリングが付いており、接続したSM1ネジ付き部品を固定することができます。交換が必要な場合は、ロッキングリングSM1NT1をお勧めします。ロッキングリングを手で締め付けにくい配置になってしまった場合は、スパナレンチSPW502をロッキングリングのスロットに噛み合わせて回すことができます。詳細は「取付け例」タブをご覧ください。
当社では光の結合用およびコリメート用としてご利用いただける、シングルモード、偏波保持、およびマルチモードのファイバーパッチケーブルを
ご用意しております。 標準品の中にご用途に適したパッチケーブルが見つからない場合は、カスタムパッチケーブルもご用意できますので、
当社までお問い合わせください。
コリメータRCF15A-P01には2.2 mmワイドキー付きFC/APCコネクタが、RCF15P-P01には2.2 mmワイドキー付きFC/PCコネクタが付いています。ワイドキースロットにはワイドキーとナローキーのどちらのコネクタでも取り付けられますが、ナローキーコネクタをワイドキースロットに取り付けると、嵌合スリーブ内でコネクタがわずかに回転します。2.2 mmワイドキーFC/PCまたはFC/APCコネクタの付いたコリメーターパッケージは、公差の小さいセラミック製スリーブを使用しているため、ポインティングの再現性に優れています。そのため焦点距離の調整が容易であり、またファイバ交換の際にも大幅な再アライメントの必要がありません。なお、ナローキーの偏波保持ファイバをコリメータのワイドキーレセプタクルに接続するときには、慎重なアライメントが必要になります。
当社では、250~450 nmの波長域で高反射率のUV域強化アルミニウムコーティングの反射型コリメータや、コンパクトでケージシステムへの組み込みが容易な保護膜付き銀コーティングの反射型コリメータもご用意しています。また、当社ではこのほかにも、大口径ビーム用アクロマティックファイバーコリメータ、ズーム機能付きファイバーコリメータ、焦点固定のトリプレットレンズファイバーコリメータ、アライメント調整機能付きFiberPortコリメーターパッケージなど様々なコリメータをご用意しており、これらは広い波長範囲でご使用いただくことができます。コリメート用および結合用製品のラインナップについては「コリメーターガイド」タブをご覧ください
UV域強化アルミニウムミラー(-F01)、保護膜付き金ミラー(-M01)または保護膜無し金ミラー (-M03)を用いた調整機能付き反射型コリメータについては、当社までお問い合わせください。
Specifications | |||
---|---|---|---|
Item # | RCF15P-P01 | RCF15A-P01 | RF15S-P01 |
Fiber Connector | FC/PC | FC/APC | SMA |
Clear Aperture | Ø11.0 mm | ||
Typical Collimated Beam Diameter (1/e2)a | Ø3.1 mm (SM400 at 450 nm) Ø2.8 mm (SM600 at 633 nm) Ø3.3 mm (780HP at 780 nm) Ø2.9 mm (SMF-28-J9 at 1550 nm) Ø4.7 mm (SM1950 at 2 µm) | ||
Full Angle Beam Divergenceb | 0.011° (SM400 at 450 nm) 0.016° (SM600 at 633 nm) 0.018° (780HP at 780 nm) 0.040° (SMF-28-J9 at 1550 nm) 0.031° (SM1950 at 2 µm) | ||
Maximum Fiber Numerical Aperture (NA) | 0.30 | ||
Focusing Distance Rangec | -2.2 m to 0.15 m | ||
Fiber Adjustment Distancec | 2.2 mm | ||
Reflected Focal Length (RFL) | 15.0 mm | ||
Parent Focal Length (PFL)d | 7.5 mm | ||
Coating | Protected Silver | ||
Wavelength Range | 450 nm - 20 µm | ||
Reflectance (Avg., AOI = 45°) | > 97% (450 nm - 2 µm) > 95% (2 - 20 µm) | ||
Surface Quality | 40-20 Scratch-Dig | ||
Surface Roughness | < 100 Å RMS | ||
Reflected Wavefront Error | < λ/4 RMS at 633 nm | ||
Pointing Errore | < 10 mrad | < 10 mrad | - |
![OAP Mirror Beam Collimation](https://www.thorlabs.co.jp/images/TabImages/Off-Axis_Parabolic_Mirror_Drawing_D2-350.gif)
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反射型コリメータ内のOAPミラーによってコリメートされるビーム
コリメータの調整方法
調整機能付きコリメータの集光距離目盛が∞の位置にあるとき、軸外放物面(OAP)ミラーを用いた反射型コリメータによってコリメート光が得られます。詳細は「概要」タブの図を参照してください。この位置を中心に微調整することで、個々のファイバからの光のコリメーション(またはファイバへの光結合)を最適化することができます。コリメータRCF15x-P01からの出射光の集光距離は、-2.2 m~0.15 mの範囲で調整でき、ミラー後方からの発散光からミラー前方への収束光まで得ることができます。 以下に正の集光距離(集光ビーム)と負の集光距離(発散ビーム)の光線図を示します。
![Adjustable Reflective Collimator Diverging Beam](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/Adjustable_Reflective_Collimator_Diverging_D2-400.jpg)
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発散ビーム: 集光距離目盛上の記号∞で示されたコリメート位置から、赤色の調整ノブを負の焦点距離の方向に回転すると、ファイバは矢印で示された方向に移動します。その結果、ビームはOAPミラーの後方の点からの発散光となり、その点までの距離(メートル)は目盛の負の値で示されます。
![Adjustable Reflective Collimator Focusing Beam](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/Adjustable_Reflective_Collimator_Focused_D2-400.jpg)
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集光ビーム: 集光距離目盛上の記号∞で示されたコリメート位置から、赤色の調整ノブを正の焦点距離の方向に回転すると、ファイバは矢印で示された方向に移動します。その結果、ビームはOAPミラーの前方で集光され、そこまでの距離(メートル)が目盛の正の値で示されます。
コリメータの取付け例
RCF15x-P01の筐体の黒アルマイト加工部分の外径はØ30.5 mm(Ø1.2インチ)で、当社のSM1レンズチューブの外径と一致します。そのため、これらのコリメータはスリップリングSM1RC/MやチューブクランプSM1TCを用いて簡単にポストに取り付けたり(下の写真参照)、当社のケージシステムに組み込んだりすることができます。例えば、ケージプレートCP36を用いれば30 mmケージシステムに組み込めます。
あおり調整(チップ&チルト)が必要な場合には、コリメータをPolaris®ミラーマウントに取り付けることをお勧めします。ただし、取付けアダプタが必要な場合があります。例えば、モノリシックフレクシャーアーム保持方式のØ50.8 mm(Ø2インチ)光学素子用ミラーマウントPOLARIS-K2またはPOLARIS-K2VS2Lにコリメータを取り付ける場合は、アダプタAD2Tが必要です(下の写真参照)。一方、Ø50.8 mm(Ø2インチ)光学素子用のSM2ネジ付きマウントPOLARIS-K2Tにコリメータを取り付ける場合は、アダプタSM2A21が必要です。5軸制御をしたいときは、レンズチューブSM1L03にアダプタSM1A68 を取り付ければ、コリメータをキネマティックマウントPOLARIS-K15XYに取り付けられます。
![RCF15A-P01 Collimator in SM1TC Clamp](https://www.thorlabs.co.jp/images/TabImages/RCF15A-P01_SM1TC_R_A1-300.jpg)
Click to EnlargeレンズチューブクランプSM1TCに固定されたコリメータRCF15A-P01
レンズチューブの接続
コリメータRCF15x-P01の筐体の自由空間側にはSM05内ネジとSM1外ネジの両方が付いており、当社のレンズチューブやその他のコンポーネントを取り付けられます。例として、調整機能付きコリメータにØ12 mm~Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)レンズチューブやØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)レンズチューブを取り付けた写真が下記でご覧いただけます。
光をコリメートする方法
![RCF15x-P01 Adjustable Reflective Collimator Divergence with SM Fiber](https://www.thorlabs.co.jp/images/TabImages/RCF15x_SM_BeamDiameter_G1-325.gif)
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理論データはこちらからダウンロードいただけます。
このデータは当社のシングルモードファイバSM400、SM600、780HP、SMF-28-J9と、調整機能付き反射型コリメータRCF15x-P01を用いてコリメートしたときのビーム径を計算したものです。
調整機能付き反射型コリメータを使用してシングルモードファイバからの出射光をコリメートする方法
シングルモードファイバからの出射光をコリメートするとき、調整機能付き反射型コリメータを用いると、ビームウェスト径が大きく、発散の小さいコリメート光が得られます。右のグラフは、4種類のシングルモードファイバに結合したレーザ光(4波長)の出射光を、当社の調整機能付き反射型コリメータを使用してコリメートしたときの1/e2ビーム径(理論値)を、伝搬距離の関数として示しています。ファイバの種類または波長を変更したときの影響は、下に示す理論近似式によって概算できます。
出射ビームの広がり角の理論的近似値
ファイバからの出射光がガウス型の強度プロファイルを有する場合、広がり角の理論的近似値を下記の計算式で求めることができます。ガウス型の場合ということから、この式はシングルモード(SM)ファイバに有効です。
シングルモードファイバを使用したときの出射ビームの広がり角(全角、単位は°)は、近似的に次の式で与えられます。
ここでθSMはコリメート後のビーム広がり角、MFDはファイバのモードフィールド径、RFLは反射型コリメータの反射焦点距離です。この式では、MFDとRFLの単位は同じでなければなりません。
計算例
コリメータRCF15A-P01(RFL = 15 mm)をシングルモードファイバーパッチケーブルP3-630A-FC-1 (MFD = 4.3 µm)と組み合わせて用いたとき、広がり角は次のように得られます。
θSM ≈ (0.0043 mm / 15 mm) x (180 / 3.1416) ≈ 0.016° または 0.29 mrad
出射ビーム径の理論的近似値
出射ビームの1/e2径は、次の近似式を用いて求めることができます。
ここでλは使用している光の波長、MFDはファイバのモードフィールド径、RFLは反射型コリメータの反射焦点距離です。
計算例
コリメータRCF15A-P01 (RFL = 15 mm)をシングルモードファイバーパッチケーブル P3-630A-FC-1(MFD = 4.3 µm)と組み合わせ、λ = 633 nm = 0.633 µmの光を用いたときの出射ビーム径は次のように得られます。
d = 4 x 0.633 µm x [15 mm / (3.1416 x 4.3 µm)] = 2.8 mm
![RCF15x-P01 Adjustable Reflected Collimator Divergence with MM Fiber](https://www.thorlabs.co.jp/images/TabImages/RCF15x_MM_BeamDiameter_G1-325.gif)
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理論データはこちらからダウンロードいただけます。
このデータは、当社のマルチモードファイバFG010LDA、FG025LJA、FG105LVAと、調整機能付き反射型コリメータRCF15x-P01を用いてコリメートしたときのビーム径を計算したものです。
調整機能付き反射型コリメータを使用してマルチモードファイバからの出射光をコリメートする方法
マルチモード(MM)ファイバからの出射光のコリメーションは、光線モデルで記述することができます。マルチモードコア上の光軸から外れた点について考えてみましょう。この点からの光は、軸外放物面(OAP)ミラーの光軸に対してある角度を有するコリメートビームとなって出射します。マルチモードコア上のすべてのポイントからのビームを重ね合わせると、上記のシングルモードファイバからの出射光とは異なり、大きな発散を伴うビームが得られます。右のグラフは、3種類のマルチモードファイバを使用したときに得られるコリメート光のビーム径(計算値)を、調整機能付き反射型コリメータからの距離の関数として表しています。
出射ビームの広がり角の理論的近似値
マルチモードファイバからの光をコリメートしたときの出射ビームの広がり角(全角)は、反射型コリメータの反射焦点距離(RFL)とマルチモードファイバのコア径を用いて、次のような式で近似することができます。
ここでθMMはコリメート後のビームの発散角です(単位は°)。
計算例
コリメータRCF15S-P01(RFL = 15 mm)をマルチモードファイバーパッチケーブルM96L01(コア径 = 105 µm)と組み合わせて用いたとき、広がり角(全角)は次のように得られます。
θMM ≈ (0.105 mm / 15 mm) x (180 / 3.1416) ≈ 0.40° または 7.0 mrad
出射ビーム径の理論的近似値
光線モデルに基づいて、ビーム径は反射型コリメータからの距離とNAの関数として、次の式で近似できます。
上の式は、反射ミラーの近くにあるファイバの開口数(NA)がビーム径に強い影響を与えるのに対して、コア径はコリメータから離れたところのビーム径に強い影響を与えるということを示しています。
右のグラフは、NA=0.1の3種類のMMファイバ(FG010LDA、FG025LJA、FG105LVA)を使用したときのビーム径の近似値を、コリメータからの距離の関数として示しています。結果は波長やコネクタの種類に依存しませんが、コリメータの反射焦点距離には依存します。
RCF15x-P01にNA>0.30のマルチモードファイバ(例:NA = 0.39または0.50)をRCF15x-P01を使用すると、光はOAPミラーに到達する前にコリメータの筐体でケラレが生じます(下図参照)。したがって、マルチモードパッチケーブルからの光をコリメートする場合、筐体によるケラレが生じないようにNA≤0.30のファイバを使用してください。
単純な近軸光学に基づくこれらの考察とは別に、完全な軸外放物面ミラーはその焦点に置かれた点光源からの無収差の光しかコリメートできないことにご留意ください。点が光軸から離れるほど、あるいはマルチモードファイバのコアが大きいほど、広がった光源からの軸外光線には大きな収差が生じます。最後に、広がった光源の軸から外れた点からの光は、完全にコリメートすることはできません。しかし、反射型コリメータの反射焦点距離をより長くした場合や、より長い波長を使用した場合は、収差の影響はより小さくなります。
![collimator used with an NA below the limit](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/Adjustable_Reflective_Collimator_Low_NA_D2-300.jpg)
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低NAファイバ: 緑色の線は、ファイバからの入射光が発散し、次にOAPミラーによってコリメートされるまでのエンベロープを示しています。
![collimator used with high NA fiber](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/Adjustable_Reflective_Collimator_High_NA_D2-300.jpg)
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高NAファイバ: 赤色の線は、ファイバからの入射光がコリメータの筐体によるケラレの影響を受けるエンベロープを示しています。緑色の線は、OAPミラーによってコリメートされるビームの部分を示しています。
Insights:軸外放物面(OAP)ミラー
こちらのページでは軸外放物面(OAP)ミラーの利点や使用方法についてご覧いただけます。
- コリメート光の集光、点光源からの光のコリメート
- OAPミラーをペアで使用することの利点
- OAPミラーの取付けとアライメント
このほかにも実験・実習や機器に関するヒントをまとめて掲載しています。こちらからご覧ください。
コリメート光の集光、点光源からの光のコリメート
放物面ミラーや軸外放物面(OAP)ミラーでは、適切なビームが適切な軸に沿って入射された場合にのみ、期待するコリメートビームや回折限界集光スポットが得られます。
放物面ミラーとOAPミラーの比較
OAPミラーの反射面は親放物面(Parent Parabola)の一部であり、その中心位置は親放物面の光軸上にはありません(図1参照)。図2は標準的な放物面ミラーの図です。
OAPミラーの光軸は親放物面の光軸に対して平行ですが、互いに離れています。しかし、OAPミラーの焦点と親放物面の焦点とは一致しています。
OAPミラーの集光軸は焦点とOAPミラーの中心を通ります。OAPミラーの集光軸と光軸は平行ではありません。一方、反射面が親放物面の光軸の中心にある標準的な放物面ミラーでは、それらの軸は一致しています。
コリメート光の集光
放物面ミラーやOAPミラーを使用してコリメート光を回折限界スポットに集光する場合、光はミラーの光軸に沿って入射する必要があります(図1と図2を参照)。
入射するコリメート光が光軸に対して平行でない場合は、1点に集光されません(図3参照)。
OAPミラーの集光軸に沿ってコリメート光を入射したり、あるいは光軸に対して平行ではない光を入射したりすると、光を回折限界スポットに集光することはできないため、当社ではそのような使い方はお勧めしていません。
点光源からの光のコリメート
点光源から良好なコリメート光を得るには、点光源をミラーの焦点に置く必要があります。
点光源をOAPミラーの光軸上に置いたり、焦点ではない位置に置いたりした場合は、点光源からの光を良好にコリメートすることはできません。
OAPミラーは、その原点がミラーの焦点と一致するような球面波もコリメートすることができます。
![Parabolic mirror does not focus light to diffraction-limited spot when collimated beam not parallel to optical axis](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/Parabolic_Mirror_Beam_and_Axis_Not_Parallel_A1-300.gif)
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図 3:入射するコリメートビームがミラーの光軸に対して平行でない場合、回折限界スポットは得られません。集光する領域が広がってしまいます。
![Parabolic mirrors focus to diffraction-limited spot collimated light parallel to optical axis](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/Parabolic_Mirror_Beam_and_Axis_Parallel_A1-300.gif)
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図2:入射するコリメートビームが放物面ミラーやOAPミラーの光軸に対して平行な場合、光は回折限界スポットに集光されます。
![Focal and optical axes of off-axis parabolic (OAP) mirrors](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/OAP_Mirror_Focus_Collimate_A1-300.gif)
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図 1: OAPミラーの集光軸と光軸は一致せず、平行でもありません。
最終更新日:2019年12月4日
OAPミラーをペアで使用することの利点
![off-axis parabolic mirrors in-line with optical fiber](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/OAP_In_Line_Fiber_Optic_A1-300.gif)
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図5:OAPミラーのペアを用いると、1本のファイバから光を出射させ、他のファイバにその光を入射することができます。これにより、バルク光学素子を光路に挿入する必要があるときなどに、ビームにアクセスすることが可能になります。ファイバのコア径は小さいため、ファイバ端面から出射される光は点光源に近くなります。
![Two off-axis parabolic mirrors used to relay a beam.](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/OAP_Mirror_Pair_A1-300.gif)
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図4:OAPミラーのペアはイメージング用としてや、ビームのリレー用として使用することができます。
像のリレー
1つのOAPミラーを有限共役比のイメージング用としてお使いになるのは、どちら側の光もコリメートされていない場合にはお勧めいたしませんが、2つのOAPミラーをペアで使用した場合には適切な使い方ができます。図4はそのセットアップ例です。
2つのOAPミラーを使用した場合、ミラー間の距離の調整が容易になります。コリメート光の光路は、フィルタや他の光学素子を挿入するのにも便利です。もう1つの利点は、2つのミラー間の距離を調整することで、システムのアライメントを乱すことなく、ソース面上やターゲット面上の焦点位置を移動することができることです。
ファイバーネットワーク内のビームへのアクセス
OAPミラーのペアを用いて、光ファイバーシステム内の光にアクセスできる自由空間光の光路を作ることができます。図5はその構成例で、必要なフィルタや他のバルク光学素子をビーム光路に挿入するのに便利です。自由空間光の光路長はアライメントを乱すことなく調整することができます。
このシステムをセットアップするとき、ファイバ端面のコアがそれぞれソース側とターゲット側の焦点と一致するようにアライメントしなければなりません。また、両方のミラーでコリメートされた光の光路は同一線上にあり、完全にオーバーラップする必要があります。
この構成はファイバ用光学フィルタ/減衰器マウントの基本形です。
最終更新日:2019年12月4日
OAPミラーの取付けとアライメント
![Shear Plate to Align OAP Mirror](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/OAP_Mirror_Aligning_A1-300.gif)
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図7:OAPミラーを使用して点光源をコリメートするとき、出力ビームにシヤリング干渉計を置くと、アライメントが容易になります。
![Mounting an OAP Mirror](https://www.thorlabs.co.jp/images/tabimages/OAP_Mirror_Focus_Collimate_A1-300.gif)
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図6:OAPミラーの反射面の形状は、親放物面の焦点から離れた位置を中心とする親放物面の一部分に一致します。そのため、OAPミラーの反射面は回転対称ではありません。ミラーを取付けるときには、ミラーがその光軸周りに回転しないように注意しなければなりません。
OAPミラーは回転対称ではありません。これは、ミラーの反射面として親放物面の焦点から離れた一部分を用いているためです(図6参照)。
反射面のこの非対称性により、OAPミラーが回転すると焦点位置も回転します。そのようなことが生じれば光学システムの性能低下につながるため、ミラーは反射面が光軸周りに回転しないように固定する必要があります。
ミラーの光学性能は、他の5つの自由度のアライメントについても、そのドリフトの影響を受けます。アライメントのドリフトを防止する方法の1つは、キネマティックマウントではなく、固定マウントを使用することです。
シヤリング干渉計は、OAPミラーを点光源の入射光にアライメントするときに役立ちます。この干渉計はコリメート光の品質を評価するために出力ビーム上に置かれます(図7)。コリメートビームの品質が最適化させると、アライメントも最適化されています。
最終更新日:2019年12月4日
ファイバーコリメーターセレクションガイド
コリメータの種類または画像をクリックすると、各コリメータの詳細がご覧いただけます。
Type | Description | |
---|---|---|
焦点固定型FC、APC、SMAファイバーコリメータ | ![]() | こちらのファイバーコリメーターパッケージは、FC/PC、FC/APC、またはSMAコネクタ付きファイバからの出射光をコリメートするように、予めアライメントされています。各コリメーターパッケージは、405 nm~4.55 µmの波長で回折限界性能が得られるように工場で調整されています。設計波長以外でコリメータを使用することは可能ですが、色収差が生じるため最適な性能が得られるのは設計波長においてのみです。非球面レンズの実際の焦点距離は、色収差により波長に依存します。 |
エアスペース型複レンズ、大径ビームコリメータ | ![]() | 大径ビーム(Ø5.3 mm~Ø8.5 mm)用として、FC/PC、FC/APC、SMAコネクタ付きエアスペース型複レンズコリメータをご用意しています。こちらのコリメーターパッケージは、FCやSMAコネクタ付きファイバからの出射光をコリメートし、設計波長で回折限界性能が得られるように工場で予めアライメントされています。 |
トリプレットレンズコリメータ | ![]() | 高品質なトリプレットコリメーターパッケージは、エアスペース型トリプレットレンズを使用しており、非球面レンズを用いたコリメータよりも優れたビーム品質が得られます。収差の小さいトリプレットを用いることの利点は、M2値として1(ガウシアン)に近い値が得られ、広がり角や波面エラーが小さくなることなどです。 |
マルチモードファイバ用アクロマティックコリメータ | ![]() | 高NAアクロマティックコリメータは、メニスカスレンズとアクロマティック複レンズを組み合わせることで、可視~近赤外スペクトル域において球面収差の少ない優れた性能を発揮します。高NAのマルチモードファイバ用に設計されているため、オプトジェネティクスやファイバーフォトメトリの用途に適しています。 |
反射型コリメータ | ![]() | 金属コーティング反射型コリメータは、90°軸外放物面(OAP)ミラーをベースにしています。レンズと違い、ミラーは広い波長範囲にわたり焦点距離が変化しません。この特性により、軸外放物面(OAP)ミラーを用いたコリメータは広い波長範囲に対応させるための調整が不要となるため、多色光を用いる用途に適しています。当社の反射型コリメータはシングルモードファイバからの光のコリメートには適していますが、シングルモードファイバへの結合には適していません。これらのコリメータにはUV強化型アルミニウムコーティングと保護膜付き銀コーティングの製品をご用意しており、それらにはFC/PC、FC/APCまたはSMAコネクタが取り付けられています。 |
コンパクト反射型コリメータ | ![]() | このコンパクトな反射型コリメータには、保護膜付き銀コーティングが施された90°軸外放物面(OAP)ミラーが組み込まれています。OAPミラーの焦点距離は波長に依存しないため、多色光用として適しています。 この固定式の反射型コリメータは、シングルモードファイバやマルチモードファイバからの出射光のコリメート用、およびマルチモードファイバへの光結合用として推奨しています。 これらのコリメータは当社の16 mmケージシステムに直接取り付けられます。 光入射用として、FC/PC、FC/APCまたはSMAコネクタの取り付けられた製品をご用意しています。 |
調整機能付き反射型コリメータ | ![]() | 調整機能付き反射型コリメータは、保護膜付き銀コーティングが施された90°軸外放物面(OAP)ミラーをベースにしています。ファイバ-OAP間の距離が調整可能であり、またOAPミラーが波長によらず一定の焦点距離を有します。そのため、シングルモードまたはマルチモードファイバからの多色光をコリメートしたり、あるいは逆に多色光をそれらのファイバに結合したりすることができ、その際に最適化のための調整も可能です。これらの調整機能付きコリメータは15 mmの反射焦点距離を有し、FC/PC、FC/APC、またはSMAコネクタ付きの製品をご用意しています。 |
FiberPort | ![]() | こちらのコンパクトで極めて安定なFiberPortマイクロポジショナは、FC/PC、FC/APCまたはSMAコネクタ付き光ファイバとの光の入出射用として、安定で使いやすいプラットフォームです。シングルモード、マルチモードまたは偏波保持ファイバと組み合わせて使用することができ、ポスト、ステージ、プラットフォーム、レーザなどに取り付けることができます。組み込まれている非球面またはアクロマティックレンズのARコーティングは5種類から選択でき、また5軸のアライメント調整(3つの移動調整と2つの角度調整)が可能です。コンパクトでアライメントの長期安定性に優れたFiberPortは、ファイバへの光の結合、コリメート、組み込み用途(OEM用途)などに適しています。 |
調整可能型ファイバーコリメータ | ![]() | このコリメータは、FC/PC、FC/APCまたはSMAコネクタに接続するよう設計されており、内部にはARコーティング付き非球面レンズが取付けられています。非球面レンズとファイバ先端との距離は、焦点距離の変化を補正したり、波長や対象までの距離に合わせて再コリメートしたりするために調整することができます。 |
アクロマティックファイバーコリメータ、焦点調整可能 | ![]() | 焦点調整の可能な当社のアクロマティックファイバーコリメータは、20 mm、40 mmまたは80 mmの有効焦点距離(EFL) を有し、その光学素子のARコーティングは3種類の広帯域ARコーティングから選ぶことができます。また、接続用コネクタの種類としては、FC/PC、FC/APCまたはSMA905をご用意しています。4枚のレンズを使用したエアスペース型設計であるため、非球面レンズのコリメータに比べてビーム品質に優れ(1に近いM2)、波面誤差は小さくなっています。これらのコリメータは自由空間光のファイバへの結合や、ファイバからの出射光のコリメートなどにご使用いただけます。また、距離をとって配置した2つのコリメータを用いて光を結合させると、光が2番目のコリメータに入る前にそのビームを操作することが可能になります。 |
ズーム機能付きファイバーコリメータ | ![]() | こちらのコリメータは、ビームをコリメートしたまま、6~18 mmの範囲で焦点距離を変えることができます。そのため、コリメートした状態でビームサイズを変更できます。このデバイスは、用途に適した固定のファイバーコリメータを探す手間を省けるという利点に加え、1つで様々な幅広い用途に対応することができます。FC/PC、FC/APCまたはSMA905コネクタが付いており、反射防止コーティングは3種類からお選びいただけます。 |
シングルモードファイバーピグテール付きコリメータ | ![]() | シングルモードファイバーピグテール付きコリメータは、長さ1メートルのファイバとそれに対して予めアライメントされたARコーティング付き非球面レンズとで構成されており、532 nm、633 nm、780 nm、850 nm、1030 nm、1064 nm、1310 nm、1550 nmの8波長用の製品をご用意しています。コーティング波長域内のどの波長でもコリメートできますが、設計波長からずれると結合損失が増加します。 |
偏波保持ファイバーピグテール付きコリメータ | ![]() | 偏波保持ファイバーピグテール付きコリメータは、長さ1メートルのファイバとそれに対して予めアライメントされたARコーティング付き非球面レンズとで構成されており、633 nm、780 nm、980 nm、1064 nm、1550 nmの5波長用の製品をご用意しています。波長やコネクタについてはカスタム仕様も対応可能です。筐体の外側にはスロー軸と平行なラインが刻印されています。これは入射光の偏光面をアライメントする際の目安としてお使いいただけます。コーティング波長域内のどの波長でもコリメートできますが、設計波長からずれると結合損失が増加します。 |
GRINレンズコリメータ | ![]() | GRINレンズファイバーコリメータは、630~1550 nmの範囲内の様々な波長に対してアライメントされた製品をご用意しており、FCまたはAPCコネクタ付きもしくはコネクタ無しのタイプからお選びいただけます。この有効径Ø1.8 mmのGRINレンズコリメータは、ファイバへの後方反射光を抑えるためにARコーティングが施されており、標準のシングルモードファイバまたはグレーデッドインデックス(GI)マルチモードファイバに結合されています。 |
GRINレンズ | ![]() | この屈折率分布型(GRIN)レンズは630 nm、830 nm、1060 nm、1300 nm、または1560 nmの波長用にARコーティングが施されており、光ファイバから出射した光が自由空間の光学系を通過して再度別のファイバに入射するまでの各用途にご利用いただけます。また半導体レーザの出射光のファイバへの結合、ファイバからの出射光のディテクタへの集光、レーザ光のコリメートなどにも適しています。このGRINレンズは当社の ピグテール付きガラスフェルールやGRINレンズ/フェルール用スリーブと組み合わせてお使いいただくこともできます。 |
Posted Comments: | |
user
 (posted 2024-11-08 14:11:58.113) These are exciting additions to see, as we use a lot of your standard silver collimators in our lab. However, we are constrained to using the 7 mm version; are there plans to build an RFL=7 mm version of the adjustable collimator? Also, is there any measurement of the movable part/output beam stability? Thank you! srydberg
 (posted 2024-11-11 08:56:49.0) Thank you for the feedback! We have contacted you directly. |
![Back to Top Back to Top](https://www.thorlabs.co.jp/images/arrow_Vert.gif)
Item #a | RFLb | Connector | Max Fiber NAc | Typical Collimated Beam Diameter (1/e2)d | Full Angle Beam Divergencee |
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RCF15P-P01 | 15 mm | 2.2 mm Wide-Key FC/PC | 0.30 | Ø3.1 mm (SM400 at 450 nm) Ø2.8 mm (SM600 at 633 nm) Ø3.3 mm (780HP at 780 nm) Ø2.9 mm (SMF-28-J9 at 1550 nm) Ø4.7 mm (SM1950 at 2 µm) | 0.011° (SM400 at 450 nm) 0.016° (SM600 at 633 nm) 0.018° (780HP at 780 nm) 0.040° (SMF-28-J9 at 1550 nm) 0.031° (SM1950 at 2 µm) |
RCF15A-P01 | 2.2 mm Wide-Key FC/APC | ||||
RCF15S-P01 | SMA |