LBO結晶、第2および 第3高調波発生用


  • Nonlinear Crystals for Type-I and Non-Critical Phase Matching Second Harmonic Generation and Type-II Sum Frequency Generation
  • Crystal Lengths from 10 to 30 mm
  • Drop-In Compatibility with Nonlinear Crystal Ovens
  • Designed for Use with 1030 or 1064 nm Picosecond and Nanosecond Lasers

An NLCL8 non-critical phase matching crystal is mounted in an NLCH2 oven to maintain its temperature for phase matching.

NLCL1

Mounted LBO Crystal, Type-I SHG, 1064/532 nm, 10 mm Length

NLCL9

Mounted LBO Crystal, NCPM SHG, 1064/532 nm, 30 mm Length

NLCH1

Oven for Nonlinear Crystals up to 15 mm Long

Related Items


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Key Common Specificationsa
MaterialLithium Triborate (LiB3O5)
Crystal Face Dimensions3.0 mm x 3.0 mm
Clear Aperture> 80% of Crystal Face Area
Transmitted Wavefront Errorλ/3 @ 632.8 nm Over Clear Aperture
Surface Quality20-10 Scratch-Dig
Optic Axis Angleb Tolerance< 0.5°
  • 詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • 結晶の表面法線と光学軸の間の角度
An NLCL8 noncritcal phase matching crystal is shown mounted in an NLCH2 nonlinear crystal oven for temperature control.
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Figure 1.1  非臨界位相整合(NCPM)結晶NLCL8を、温度制御するために非線形光学結晶用オーブンNLCH2(/M)の中に取り付けています。

特長

  • 第2高調波発生(SHG)または和周波発生(SFG)用に調整されたLBO (LiB3O5)結晶
    • Type-I SHG: 基本波1030 nm/SHG 515 nm、または基本波1064 nm/SHG 532 nm
    • 非臨界位相整合(NCPM) SHG: 基本波1064 nm/SHG 532 nm
    • Type-II SFG: 基本波1064 nm + SHG 532 nm/第3高調波355 nm
  • パルス幅> 0.5 psのパルス光に適しています。
  • 結晶の表面を保護するための専用のホルダに取付け済み
  • 温度制御用に非線形光学結晶用オーブンをご用意(下記にて別売り)

ピコ秒およびナノ秒のパルスレーザを用いて第2高調波発生(SHG)や和周波発生(SFG)を行うための当社製LBO(三ホウ酸リチウム、リチウムトリボレート)結晶は、SHGおよびSFGの発生効率を温度で調整することができます。SHGは、基本波長と呼ばれる波長の2つの光子が、基本波長の半分の波長の1つのSHG光子に変換される非線形プロセスです。SFGは、波長の異なる2つの光子が、それらの周波数の和に等しい周波数の1つのSFG光子に変換される非線形プロセスです。これらの1軸非線形結晶は、ナノ秒、ピコ秒マイクロチップ、Nd:YAG、Nd:YLF、Yb:YAGなどの各レーザーシステムと組み合わせて使用していただくのに適しています。

推奨される最小パルス幅(持続時間)や集光スポットサイズなどのパルスパラメータ情報は、「性能のガイドライン」タブでご覧いただけます。すべての結晶には、基本波および第2高調波の波長範囲に対して反射防止(AR)コーティングが施されています。さらに、型番NLCL6およびNLCL7の反射防止(AR)コーティングでは、和周波の波長範囲も含まれています。これらの結晶は、パルスレーザを使用するアプリケーションをサポートするために、典型的なパルス持続時間とスポットサイズに適した長さ10.00 mm~30.00 mmの範囲からお選びいただけるようにご用意しています(下表参照)。ご提供している結晶の長さとアプリケーションのレーザーパルスパラメータが完全に一致しない場合は、適した長さより短い方の結晶を選ぶことをお勧めします。下記の非線形結晶の詳しい仕様は、「仕様」タブをご覧ください。

結晶が取り付けられているマウントの寸法は幅21.0 mm、高さ10.8 mmですが、長さは結晶の長さによって異なります。光が通過できる結晶の有効開口は2.7 mm × 2.7 mmです。Type-IまたはNCPMでSHGに使用する場合は、基本波長の入射光は垂直偏光、SHG光は水平偏光でなければなりません(Figure 1.2参照)。Type-IIでSFGに使用する場合は、355 nmの偏光方向は基本波と同じになります。位相整合した状態では、SHGおよびSFGの効率が向上するため、SHG光およびSFG光の強度が結晶内での伝搬距離に応じて指数関数的に増加します。励起光強度が適切(> 50 MW/cm2)で、かつ位相整合していれば、変換効率> 10%が得られます。

結晶からの出射光から基本波を分離して第2高調波や第3高調波を取り出すために、当社では高調波ビームスプリッタを使用することを推奨しています(「SHGおよびSFG実験セットアップ」タブの図参照)。

LBO Crystal Polarization Orientations
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Figure 1.2  当社のマウント付き非線形LBO結晶に対する光の偏光方向を、写真の結晶NLCL1の上側に示しています。SFG結晶NLCL6およびNLCL7の場合、355 nmの出力光の偏光方向は、532 nmのSHG光の偏光方向と直交します。

適切なSHGを得るためのアライメント方法
LBOにおけるSHGプロセスを最適化するために、Type-IおよびType-IIの位相整合では、まず入射する基本波の偏光方向を結晶の常光軸の1つに対して平行にアライメントします。次に、光学軸と伝搬方向の間の角度(Figure 1.2のθ)を調整して、基本波と第2高調波の両方の光が同じ屈折率になるようにします(このプロセスは「SHGのチュートリアル」タブで解説しています)。下記のType-IとType-IIの結晶では、光学軸と表面法線の間の角度θが、下の各表に記載されている基本波長の光を垂直入射したときに、位相整合が最適化されるように設定されています。適切な位相整合を得るためには、一般にまだ若干の角度調整が必要です。さまざまな基本波の波長に対して最適な位相整合角に調整する方法については、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。

Type-I vs. NCPM Acceptance AngleClick to Enlarge
Click Here for Raw Data
Figure 1.3  Type-Iの非線形結晶では慎重なアライメントが必要です。入射ビームの角度が1°の数分の1ずれるだけで、SHG効率は大幅に低下します。NCPM結晶は、わずかな角度偏差があっても高い効率を維持できるため、煩わしい角度調整を避けることができます。

これらの結晶は長いため、SHGとSFGの効率とアライメントには温度が重要な役割を果たします。当社では、これらのマウント付きLBO結晶をドロップインで容易に取り付けられるように設計されたオーブン(下記参照)をご用意しています(Figure 1.1参照)。これを用いて結晶の温度を一定に保つことで、一定の効率的な高調波変換を実現できます。当社のNCPM結晶(型番NLCL8およびNLCL9)は、150 °CでSHG用に調整されているため、使用するにはオーブンが必要です。位相整合の温度依存性についての詳細は「SHGチュートリアル」タブをご覧ください。その他のLBO結晶は室温で使用するように設計されていますが、温度が安定していないとSHGやSFGの効率が安定しません。当社のオーブンは、室温で使用する結晶の温度安定化にも使用することができます。当社のすべてのLBO結晶の温度依存性についての詳細は、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。

非臨界位相整合(NCPM)
当社のLBO結晶NLCL8およびNLCL9では、非臨界位相整合(NCPM)でSHG光の生成ができます。この方法は、基本波の伝搬方向とSHGの伝搬方向が結晶の主軸に対して平行になるように結晶をカットした場合に実現できます。Type-IやType-IIの位相整合のように光学軸の角度を調整するのではなく、結晶の温度を調整して基本波とSHGの位相速度を調整します。位相整合の調整を主軸に合わせることだけに絞った結果、Figure 1.3に示すように、位相整合の角度受容性が大幅に増加(逆に角度感度は減少)します。これにより、これらの結晶の光学的なアライメントが容易になり、結晶の温度による独立したチューニングが可能になります。基本波とSHG光の両方が主軸に沿って伝搬するもう1つの利点は、結晶全体でポインティングベクトルのウォークオフがなくなることです。非臨界位相整合(NCPM)の利点についての詳細は「SHGチュートリアル」タブをご参照ください。

使用および取扱い方法
結晶の取扱いは慎重に行い、常に手袋を装着してください。結晶は傷つきやすく、吸湿性があります。そのため、湿度の高い環境といった周囲の過剰な水分から保護する必要があります。クリーニングは、必要に応じて、清潔で乾燥した空気のみを軽く吹きかけることをお勧めします。手順については、光学素子の取扱いについてのチュートリアル内の「光学素子の表面から異物等を吹き飛ばす」のセクションで詳しく説明されています。

General Specifications
Item #NLCL4NLCL5NLCL1NLCL2NLCL3NLCL8NLCL9NLCL6NLCL7
ApplicationType-I SHGType-I SHGNon-Critical Phase Matched SHGType-II SFG
Fundamental Wavelength (1ω)1030 nm1064 nm1064 nm-
SHG Wavelength (2ω)515 nm532 nm532 nm-
SFG Wavelength (1ω + 2ω = 3ω) ---1064 nm + 532 nm : 355 nm
Crystal Length10.00 mm20.00 mm10.00 mm15.00 mm20.00 mm20.00 mm30.00 mm10.00 mm15.00 mm
Crystal Length Tolerance±0.05 mm±0.05 mm±0.05 mm±0.05 mm
Angle of Optic Axis (θ, Φ)a90°, 13.6°90°, 11.4°90°, 0°42.4°, 90°
Optic Axis Angle (θ, Φ)a Tolerance< 0.5°< 0.5°< 0.5°< 0.5°
AR Coating
(AOI = 0°)
R < 0.25% at 1030 nm and 515 nmR < 0.25% at 1064 nm and 532 nmR < 0.25% at 1064 nm and 532 nmR < 0.5% at 1064 nm, 532 nm,
and 355 nm
AR Coating CurvebIcon
Raw Data
Icon
Raw Data
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Raw Data
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Raw Data
Laser Induced Damage Thresholdc>25 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 100 Hz, Ø220 μm)>25 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 100 Hz, Ø220 μm)>25 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 100 Hz, Ø220 μm)>5 J/cm2 (532 nm, 5.5 ns, 100 Hz, Ø220 μm)
Crystal Face Dimensions
3.0 mm x 3.0 mm
Crystal Face Dimensional Tolerance±0.1 mm
Clear Aperture>80% of Crystal Face Area
Surface Quality20-10 Scratch-Dig
Transmitted Wavefront Errorλ/3 @ 632.8 nm Over Clear Aperture
  • 結晶の表面法線と光学軸の間の角度
  • データは特記のない限りすべて理論値です。
  • 超短パルスレーザ用光学素子のレーザ損傷閾値(LIDT)の値は、所定のパルス数で、視覚的に確認できる損傷を与える(パルスあたりの)エネルギーフルエンスで定義されています。しかし、損傷閾値は超短パルス領域では保証されておりません。ここに示す値は参考値としてご提供しております。

Physical and Optical Properties
MaterialLithium Triborate (LiB3O5)
Crystal StructureNegative Biaxial, Orthorhombic mm2
Transparency Range160 - 2600 nm
Second-Order Nonlinear Coefficientsad31 = 0.85 pm/V
d32 = -0.67 pm/V
d33 = 0.04 pm/V
Nonlinear Refractive Index (Kerr Index)b2.6 x 10−20 m2/W @ 780 nm
Sellmeier CoefficientscSellmeier LBO
Sellmeier LBO
Sellmeier LBO
Temperature Dependent Changes in the IndexcIndex Temp Dependence LBO
Index Temp Dependence LBO
Index Temp Dependence LBO
Thermal Conductivitydkx = 2.7 W / m ⋅ K
ky = 3.1 W / m ⋅ K
kz = 4.5 W / m ⋅ K
Mohs Hardness6 Mohs
Density2.474 g/cm3

表の値は非線形光学結晶の光学性能のガイドライン(参考値)です。

Implementation Guidelines
Item #NLCL4NLCL5NLCL1NLCL2NLCL3NLCL8NLCL9NLCL6NLCL7
ApplicationType-I SHGType-I SHGNon-Critical Phase Matched SHGType-II SFG
Fundamental Wavelength (1ω)1030 nm1064 nm1064 nm-
SHG Wavelength (2ω)515 nm532 nm532 nm-
SFG Wavelength (1ω + 2ω = 3ω) ---1064 nm + 532 nm : 355 nm
Recommended Operating Temperature< 60 °C< 60 °C150 °C< 60 °C
Temperature Stabilitya±2.6 °C±1.4 °C±2.6 °C±1.8 °C±1.4 °C±1.0 °C±0.8 °C±1.4 °C±1.0 °C
SHG Efficiency vs. Temperatureb,cIcon
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AOI vs. Temperatureb,cIcon
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AOI vs. Wavelengthb,dIcon
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Temperature vs. Wavelengthb,c,d--Icon
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Minimum Recommended Focal Spot Size (1/e2 Diameter)e200 µmf400 µmf175 µmf260 µmf350 µmf69 µmg85 µmg221 µmf,h330 µmf,h
Circularity vs. Fundamental Mode Field Diameter (MFD)b,eIcon
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Minimum Recommended Pulse Duration (FWHM)e0.50 ps1.00 ps0.42 ps0.65 ps0.88 ps0.88 ps1.30 ps2.05 ps3.10 ps
Phase Matching Bandwidth (FWHM)e3.0 nm1.5 nm3.8 nm2.5 nm1.9 nm1.9 nm1.3 nm0.8 nm0.5 nm
  • SHGとSFGでは、(動作範囲内のどの温度でも)温度変動がこれらより大きいと、高調波発生効率が10%以上低下します。
  • データは特記のない限りすべて理論値です。
  • 位相整合への環境温度の影響を低減するために、当社のオーブンNLCH1/MやNLCH2/Mを使用して、結晶の温度を周囲より上昇させて安定化することができます。それに伴って、位相整合させるために入射角度(AOI)を0度からある程度調整する必要があります。当社の臨界位相整合LBO結晶(型番NLCL1、NLCL2、NLCL3、NLCL4、NLCL5、NLCL6、NLCL7)では、基本波をAOI=0°で入射したとき、20℃近辺でSHG効率のピークが得られます。非臨界位相整合(NCPM)の結晶では、150℃近辺でSHG用に調整されます。
  • Type-IとType-IIの結晶では、外部からの励起レーザ光の入射角度を調整することで位相整合することができます。一方、NCPMの結晶(型番NLCL8とNLCL9)では、オーブンNLCH2/Mで結晶の温度を制御することで容易に位相整合できます。
  • 入射光として、波長1030 nm(型番NLCL4、NLCL5)または1064 nm(型番NLCL1、NLCL2、NLCL3、NLCL8、NLCL9、NLCL6、NLCL7)の基本波を想定しています。SFG用結晶の532 nm入射光についての情報は、532 nmの入射ビームを生成するために使用する当社製SHG結晶への、1064 nmの入射ビームに関する推奨事項です。
  • この最小集光スポットサイズの推奨値は、数値解析で決定されたSHG光の円形性を維持するためのBoyd-Kleinmanの最適比よりも大きくなっています。この推奨値以下では、SHG出力光の形状はより大きな離心率の楕円になります。
  • この最小集光スポットサイズの推奨値は、L/b=2.84のBoyd-Kleinman比を用いて計算されたSHGの最適集光条件によって決定しています。ここでLは結晶内の光路長、bはガウシアンビームの共焦点パラメータです。詳細は、 G.D. Boyd and D.A. Kleinman, "Parametric Interaction of Focused Gaussian Light Beams," Journal of Applied Physics 39, 3597 - 3639 (1968)をご参照ください。
  • 型番NLCL6 と NLCL7への 532 nmの入射光に対して推奨される最小集光スポットサイズは、1064 nm の推奨スポットサイズの1/√2倍です。このスポットサイズは、532 nmの入射光を生成する結晶からのSHG光に合致する共焦点パラメータから自然に得られます。このことは、「SHGおよびSFG実験セットアップ」タブのFigure 4.2に示すように、ビームをSFG結晶に入射する前に分離する必要がないことを意味します。 詳細は、 G.D. Boyd and D.A. Kleinman, "Parametric Interaction of Focused Gaussian Light Beams," Journal of Applied Physics 39, 3597 - 3639 (1968).をご参照ください。

第2高調波発生実験セットアップ

Second Harmonic Generation Setup
Figure 4.1  この図は、ピコ秒レーザQSL106Bの1064 nmの出力光から、周波数がその2倍の光を発生させるためのセットアップを示しています。レーザの出力光は、150 ℃に温度安定化した非線形結晶用オーブンNLCH2(/M)内に取り付けたNCPM結晶NLCL8を通過しています。 全てのアライメント調整ができるように、オーブンを5軸ステージPY005(/M)に取り付けることをお勧めします。ビームは、レンズLA1509-B-MLLA1484-B-MLを用いてそれぞれコリメートと集光を行い、結晶内で最適なビーム径になるようにしています。また、1/4波長板WPQ10ME-1064と1/2波長板WPH10ME-1064を使用して直線偏光にしています。SHG出力光はダイクロイックビームスプリッタUBS24で反射し、基本波はビームブロックで遮断しています。反射ビームに残った基本波は、ショートパスフィルタFESH0800でフィルタリングしています。

和周波発生実験セットアップ

Second Harmonic Generation Setup
Figure 4.2  この図は、ピコ秒レーザQSL106Bの1064 nmの出力光から、和周波光発生技術を用いて355 nmの光を発生させるセットアップを示しています。レーザの出力光は、150 °Cに温度安定化した非線形結晶用オーブンNLCH2(/M)に取り付けたNCPM結晶NLCL8と、20 °Cに温度安定化した非線形結晶用オーブンNLCH1(/M)に取り付けたType-II SFG結晶NLCL6を通過しています。 全てのアライメント調整ができるように、オーブンを5軸ステージPY005(/M)に取り付けることをお勧めします。ビームは、LA1509-B-MLLA1484-B-MLを用いてそれぞれコリメートと集光を行い、2つの結晶の間で最適なビーム径になるようにしています。また、1/4波長板WPQ10ME-1064と1/2波長板WPH10ME-1064を使用して直線偏光にしています。1番目の結晶で生成された532 nmのSHG光は、1064 nmの基本波の光とともに2番目の結晶に入射し、355 nmの和周波の光を生成します。355 nmの光はダイクロイック・ビームスプリッタHBSY13で反射し、基本波とSHG光はビームストップで遮断します。反射ビームに残った基本波とSHG光は、2番目のビームスプリッタHBSY13でフィルタリングし、反射された和周波の光を光パワーセンサS401Cで検出しています。

第2高調波および和周波発生と位相整合

非線形結晶によって発生する第2高調波および和周波の強度とビーム品質を最適化するには、入射するパルスレーザのパルス持続時間(パルス幅)に適した結晶の長さを選択し、集光スポットサイズを焦点領域における得失のバランスを考慮して決定し、位相整合を最適化する必要があります。これらについては、「性能のガイドライン」タブ内のグラフに簡潔に示されています。グラフ化されたデータの解釈の仕方や、第2高調波および和周波光を生成するうえでの結晶のより効果的な使用方法など、有用な補足情報や背景などについては以下の各セクションを展開してご覧ください。第2高調波発生(SHG)は和周波発生(SFG)の特殊な形態と言えます。このチュートリアルではSHGの特定のケースに焦点を当てますが、SFGおよびそのSHGとの相違についても触れます。

質問をクリックするとそのセクションが展開して説明が表示されます。元に戻すにはもう一度クリックしてください。各質問に対する回答では、前のセクションでの説明を参照しています。

Table 6.1  Damage Threshold Specificationsa
Item #Damage Threshold
NLCL4> 25 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 100 Hz, Ø220 μm)
NLCL5
NLCL1
NLCL2
NLCL3
NLCL8
NLCL9
NLCL6> 5 J/cm2 (532 nm, 5.5 ns, 100 Hz, Ø220 μm)
NLCL7
  • 超短パルスレーザ用光学素子のレーザ損傷閾値(LIDT)の値は、所定のパルス数で、視覚的に確認できる損傷を与える(パルスあたりの)エネルギーフルエンスで定義されています。しかし、損傷閾値は超短パルス領域では保証されておりません。ここに示す値は参考値としてご提供しております。

当社のLBO結晶の損傷閾値データ

Table 6.1の仕様は、第2高調波よび和周波発生用LBO結晶の測定値です。

 

レーザによる損傷閾値について

このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。

テスト方法

当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。

初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。

LIDT metallic mirror
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
LIDT BB1-E02
Example Test Data
Fluence# of Tested LocationsLocations with DamageLocations Without Damage
1.50 J/cm210010
1.75 J/cm210010
2.00 J/cm210010
2.25 J/cm21019
3.00 J/cm21019
5.00 J/cm21091

試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。

CWレーザと長パルスレーザ

光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。

パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。

Linear Power Density Scaling

線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

Intensity Distribution

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。

ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。

  1. レーザの波長
  2. ビーム径(1/e2)
  3. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
  4. レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)

ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。

ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。

次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。

CW Wavelength Scaling

この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。

パルスレーザ

先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。

パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。

Pulse Durationt < 10-9 s10-9 < t < 10-7 s10-7 < t < 10-4 st > 10-4 s
Damage MechanismAvalanche IonizationDielectric BreakdownDielectric Breakdown or ThermalThermal
Relevant Damage SpecificationNo Comparison (See Above)PulsedPulsed and CWCW

お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。

Energy Density Scaling

エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。

  1. レーザの波長
  2. ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
  3. レーザのパルス幅
  4. パルスの繰返周波数(prf)
  5. 実際に使用するビーム径(1/e2 )
  6. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)

ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。

次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。

Pulse Wavelength Scaling

 

波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。

ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。

次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。

Pulse Length Scaling

お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。


[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).

レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

Intensity Distribution
Figure 71A  ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。

CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。

CW Wavelength Scaling

しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(Figure 71A参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。

アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。

CW Wavelength Scaling

LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。

ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。

Pulse Energy Density

上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。

このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:

Pulse Length Scaling

この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。

ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。

Pulse Wavelength Scaling

スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。

マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。

この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。


Posted Comments:
Clémence Bonvin  (posted 2025-04-24 08:29:26.92)
Hello your Tutorial are very good! and easy to understand! Dou you also provide PDF of them? KR Clémence Bonvin
tdevkota  (posted 2025-04-28 01:42:48.0)
Thank you for contacting Thorlabs. We currently don’t have a PDF version of the tutorial available but adding that option is a great idea. I will make sure to pass your suggestion along to our internal forum, where we collect ideas for new products and product improvements.

LBO結晶、Type-I SHG用: 基本波 1030 nm、SHG 515 nm

Key Specificationsa
Item #NLCL4NLCL5
Crystal Length10.00 mm20.00 mm
Angle of Optic Axis (θ, Φ)b90°, 13.6°
ApplicationType-I SHG
AR Coating (AOI = 0°)cR < 0.25% at 1030 nm and 515 nm
Fundamental Wavelength (1ω)1030 nm
SHG Wavelength (2ω)515 nm
  • 詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • 結晶の表面法線と光学軸の間の角度
  • 性能グラフは「仕様」タブ内でご覧いただけます。
Implementation Guidelinesa
Item #NLCL4NLCL5
Recommended Operating Temperature< 60 °C
Temperature Stabilityb±2.6 °C±1.4 °C
Minimum Recommended Focal Spot Size (1/e2 Diameter)c,d200 µm400 µm
Minimum Recommended Pulse Duration (FWHM)c0.50 ps1.00 ps
Phase Matching Bandwidth (FWHM)c3.0 nm1.5 nm
Recommended Oven (Optional)eNLCH1(/M) or NLCH2(/M)NLCH2(/M)
  • 推奨値と性能データ(理論値)は、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。
  • SHGの場合、これ以上の温度変動は高調波発生効率を10%以上低下させます。
  • 入射光は1030 nmの基本波長を仮定
  • この最小集光スポットサイズの推奨値は、数値解析によって決定されたSHGの円形性を維持するためのBoyd-Kleinmanの最適比よりも大きくなっています。この推奨値以下では、SHG出力光の形状はより離心率の大きな楕円になります。
  • 別売り(下記参照)。この結晶を機能させるうえで温度制御用オーブンは必要ありませんが、安定なSHG出力光を得るためにオーブンの使用を推奨します。詳細は「性能のガイドライン」タブをご覧ください。
  • マウント付きLBO結晶、515 nmおよび1030 nm 用 AR コーティング付き
  • 1030 nmのナノ秒、ピコ秒、Nd:YAG、Nd:YLF、Yb:YAGの各レーザを用いたType-I SHG 用に設計
  • 結晶の温度安定化用オーブンを別途ご用意(下記参照)

これらのLBO結晶は、中心波長1030 nm の入射ビームからType-I SHGで515 nmの光を生成するように設計されています。長さは10.00 mmと20.00 mmがあり、何れにも基本波と第2高調波の表面反射を低減するためのARコーティングが施されています。結晶を取り付けた筐体の寸法は、幅21.0 mm、高さ10.8 mm、長さ11.0 mm(型番NLCL4)または21.0 mm(型番NLCL5)で、結晶の有効開口は2.7 mm x 2.7 mmです。これらのマウント付き結晶を使用すると、型番QSL103Aなどのナノ秒およびピコ秒レーザから出力される、1030 nmの光の周波数を2逓倍することができます。 SHG用の実験セットアップ例については、「SHGおよびSFG実験セットアップ」タブをご覧ください。

これらのLBO結晶は長いため、SHGの効率は温度と温度変動に非常に敏感です(詳細は「SHGチュートリアル」タブをご覧ください)。入射角0°では、これらの結晶のSHG効率は約20° Cでピークを示します。SHG出力光を安定化するために、当社では温度を上げて温度制御をする非線形結晶用オーブン(別売り、下記参照)の使用をお勧めしています。LBO結晶NLCL4とNLCL5の温度に関する要件の詳細は、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
NLCL4 Support Documentation
NLCL4Mounted LBO Crystal, 10 mm Length, Type-I SHG, 1030/515 nm
¥84,955
7-10 Days
NLCL5 Support Documentation
NLCL5Mounted LBO Crystal, 20 mm Length, Type-I SHG, 1030/515 nm
¥107,949
7-10 Days

LBO結晶、Type-I SHG用: 基本波1064 nm、SHG 532 nm

Key Specificationsa
Item #NLCL1NLCL2NLCL3
Crystal Length10.00 mm15.00 mm20.00 mm
Angle of Optic Axis (θ, Φ)b90°, 11.4°
ApplicationType-I SHG
AR Coating (AOI = 0°)cR < 0.25% at 1064 nm and 532 nm
Fundamental Wavelength (1ω)1064 nm
SHG Wavelength (2ω)532 nm
  • 詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • 結晶の表面法線と光学軸の間の角度
  • 性能グラフは「仕様」タブ内でご覧いただけます。
Implementation Guidelinesa
Item #NLCL1NLCL2NLCL3
Recommended Operating Temperature< 60 °C
Temperature Stabilityb±2.6 °C±1.8 °C±1.4 °C
Minimum Recommended Focal Spot Size (1/e2 Diameter)c,d175 µm260 µm350 µm
Minimum Recommended Pulse Duration (FWHM)c0.42 ps0.65 ps0.88 ps
Phase Matching Bandwidth (FWHM)c3.8 nm2.5 nm1.9 nm
Recommended Oven (Optional)eNLCH1(/M) or NLCH2(/M)NLCH2(/M)
  • 推奨値と性能データ(理論値)は、「性能ガイドライン」タブをご覧ください。
  • SHGの場合、これ以上の温度変動は高調波発生効率を10%以上低下させます。
  • 入射光は1064 nmの基本波長を仮定
  • この最小集光スポットサイズの推奨値は、数値解析によって決定されたSHGの円形性を維持するためのBoyd-Kleinmanの最適比よりも大きくなっています。この推奨値以下では、SHG出力光の形状はより離心率の大きな楕円になります。
  • 別売り(下記参照)。この結晶を機能させるうえで温度制御用オーブンは必要ありませんが、安定なSHG出力光を得るためにオーブンの使用を推奨します。詳細は「性能のガイドライン」タブをご覧ください。
  • マウント付きLBO結晶、532 nmおよび1064 nm用 AR コーティング付き
  • 1064 nmのナノ秒、ピコ秒、Nd:YAG、Nd:YLF、Yb:YAGの各レーザを用いたType-I SHG 用に設計
  • 結晶の温度安定化用オーブンを別途ご用意(下記参照)

これらのLBO結晶は、中心波長1064 nmの入射ビームからType-I SHGで532 nmの光を生成するように設計されています。長さは10.00 mm、15.00 mm、および20.00 mmがあり、何れにも基本波と第2高調波の表面反射を低減するためのARコーティングが施されています。結晶を取り付けた筐体の寸法は、何れも幅21.0 mm、高さ10.8 mmですが、長さは11.0 mm(型番 NLCL1)、16.0 mm (型番NLCL2)、または21.0 mm(型番NLCL3)です。また、結晶の有効開口は2.7 mm x 2.7 mmです。こちらのマウント付き結晶を使用すると、型番QSL106Bなどのナノ秒またはピコ秒レーザから出力される、1064 nmの光の周波数を2逓倍することができます。 SHG用の実験セットアップ例については、「SHGおよびSFG実験セットアップ」タブをご覧ください。

これらのLBO結晶は長いため、SHGの効率は温度と温度変動に非常に敏感です(詳細は「SHGチュートリアル」タブをご覧ください)。入射角0°では、結晶のSHG効率は約20° Cでピークを示します。SHG出力光を安定化するために、当社では温度を上げて温度制御をする非線形結晶用オーブン(別売り、下記参照)の使用をお勧めしています。LBO結晶NLCL1、NLCL2、NLCL3 の温度に関する要件の詳細は、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。

NLCL1、NLCL2、およびNLCL3は、1064 nmの入射光のType-I SHG用に調整されています。当社では、同じ波長での非臨界位相整合によるSHG用に設計されたLBO結晶もご用意しています(下記参照)。これを使用すると、ビームの円形性を低下させることなく、低出力レーザに対するSHG効率を向上させることができます。

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
NLCL1 Support Documentation
NLCL1Mounted LBO Crystal, 10 mm Length, Type-I SHG, 1064/532 nm
¥84,955
7-10 Days
NLCL2 Support Documentation
NLCL2Mounted LBO Crystal, 15 mm Length, Type-I SHG, 1064/532 nm
¥97,186
7-10 Days
NLCL3 Support Documentation
NLCL3Mounted LBO Crystal, 20 mm Length, Type-I SHG, 1064/532 nm
¥107,949
7-10 Days

LBO結晶、非臨界位相整合(NCPM)SHG用: 基本波1064 nm、SHG 532 nm

Key Specificationsa
Item #NLCL8NLCL9
Crystal Length20.00 mm30.00 mm
Angle of Optic Axis (θ, Φ)b90°, 0°
ApplicationNon-Critical Phase Matched SHG
AR Coating (AOI = 0°)cR < 0.25% at 1064 nm and 532 nm
Fundamental Wavelength (1ω)1064 nm
SHG Wavelength (2ω)532 nm
  • 詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • 結晶の表面法線と光学軸の間の角度
  • 性能グラフは「仕様」タブ内でご覧いただけます。
Implementation Guidelinesa
Item #NLCL8NLCL9
Recommended Operating Temperature150 °C
Temperature Stabilityb±1.0 °C±0.8 °C
Minimum Recommended Focal Spot Size (1/e2 Diameter)c,d69 µm85 µm
Minimum Recommended Pulse Duration (FWHM)c0.88 ps1.30 ps
Phase Matching Bandwidth (FWHM)c1.9 nm1.3 nm
Recommended OveneNLCH2(/M)
  • 推奨値と性能データ(理論値)は、「性能のガイドライン 」タブをご覧ください。
  • SHGの場合、これ以上の温度変動は高調波発生効率を10%以上低下させます。
  • 入射光は1064 nmの基本波長を仮定
  • この最小集光スポットサイズの推奨値は、L/b=2.84のBoyd-Kleinman比を用いて計算されたSHGの最適集光条件によって決定しています。ここでLは結晶内の光路長、bはガウシアンビームの共焦点パラメータです。詳細は、G.D. Boyd and D.A. Kleinman, "Parametric Interaction of Focused Gaussian Light Beams," Journal of Applied Physics 39, 3597 - 3639 (1968)をご参照ください。
  • 別売り(下記参照)。非臨界位相整合では、これらの結晶を約150 °Cの動作温度に安定化するためにオーブンが必要です。詳細は「性能のガイドライン」タブをご覧ください。
  • マウント付きLBO結晶、532 nmおよび1064 nm用 AR コーティング付き
  • 1064 nmのナノ秒、ピコ秒、Nd:YAG、Nd:YLF、Yb:YAGの各レーザを用いたNCPM SHG 用に設計
  • 位相整合には結晶用オーブンが必要です(別売り、下記参照)

これらのLBO結晶は、中心波長1064 nmの入射ビームからNCPM SHGで532 nmの光を生成するように設計されています。長さは20.00 mmと30.00 mmがあり、何れにも基本波と第2高調波の表面反射を低減するためのARコーティングが施されています。結晶を取り付けた筐体の寸法は、幅21.0 mm、高さ10.8 mm、長さ21.0 mm(型番NLCL8)または31.0 mm(型番NLCL9)で、結晶の有効開口は2.7 mm x 2.7 mmです。これらのマウント付き結晶を使用すると、型番QSL106Bなどのナノ秒またはピコ秒レーザから出力される、1064 nmの光の周波数を2逓倍することができます。SHG用の実験セットアップ例については、「SHGおよびSFG実験セットアップ」タブをご覧ください。

NCPM SHG結晶のNLCL8とNLCL9では、当社のType-I SHG結晶(上記参照)と比べて角度受容幅が広くなっています。これにより、円形性を低下させることなく強く集光することができ、それに伴う入射光強度の増大によりSHG変換効率が向上します。非臨界位相整合では、角度調整に代わって、結晶の温度調整で位相整合を実現します。励起波長が1064 nmの場合、位相整合するには結晶温度を150℃にする必要があります。当社ではLBO結晶の温度制御用として、非線形結晶用オーブンNLCH2/Mの使用をお勧めします。これは、LBO結晶用に設計されており、優れた温度安定性を得ることができます。LBO結晶NLCL8とNLCL9 の温度に関する要件の詳細は、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
NLCL8 Support Documentation
NLCL8Mounted LBO Crystal, 20 mm Length, NCPM SHG, 1064/532 nm
¥120,775
7-10 Days
NLCL9 Support Documentation
NLCL9Mounted LBO Crystal, 30 mm Length, NCPM SHG, 1064/532 nm
¥146,969
7-10 Days

LBO結晶、Type-II SFG用: 基本波1064 nm + 532 nm、SFG 355 nm

Key Specificationsa
Item #NLCL6NLCL7
Crystal Length10.00 mm15.00 mm
Angle of Optic Axis (θ, Φ)b42.4°, 90°
ApplicationType-II SFG
AR Coating (AOI = 0°)cR < 0.5% at 1064 nm, 532 nm, and 355 nm
Fundamental Wavelengths (1ω + 2ω)1064 nm + 532 nm
SFG Wavelength (3ω)355 nm
  • 詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • 結晶の表面法線と光学軸の間の角度
  • 性能グラフは「仕様」タブ内でご覧いただけます。
Implementation Guidelinesa
Item #NLCL6NLCL7
Recommended Operating Temperature< 60 °C
Temperature Stabilityb±1.4 °C±1.0 °C
Minimum Recommended Focal Spot Size (1/e2 Diameter)c,d221 µm330 µm
Minimum Recommended Pulse Duration (FWHM)c2.05 ps3.10 ps
Phase Matching Bandwidth (FWHM)c0.8 nm0.5 nm
Recommended OveneNLCH1(/M) or NLCH2(/M)
  • 推奨値と性能データ(理論値)は、「性能ガイドライン」タブをご覧ください。
  • SFGの場合、これ以上の温度変動は高調波発生効率を10%以上低下させます。
  • 入射光は1064 nmの基本波長を仮定。532 nmの入射光の場合、これらの情報は532 nmの入射ビームを生成するために使用する当社製SHG結晶への、1064 nmの入射ビームに関する推奨事項です。
  • この最小集光スポットサイズの推奨値は、数値解析によって決定されたSHGの円形性を維持するためのBoyd-Kleinmanの最適比よりも大きくなっています。この推奨値以下では、SHG出力光の形状はより離心率の大きな楕円になります。 532 nmの入射光に対して推奨される最小集光スポットサイズは、1064 nm の推奨スポットサイズの 1/√2 倍です。このスポットサイズは、532 nmの入射光を生成する結晶からのSHG光に合致する共焦点パラメータから自然に得られます。このことは、「SHGおよびSFG実験セットアップ 」タブのFigure 4.2に示すように、ビームをSFG結晶に入射する前に分離する必要がないことを意味します。 詳細は、G.D. Boyd and D.A. Kleinman, "Parametric Interaction of Focused Gaussian Light Beams," Journal of Applied Physics 39, 3597 - 3639 (1968)をご参照ください。
  • 別売り(下記参照)。この結晶を機能させるうえで温度制御用オーブンは必要ありませんが、安定なSFG出力光を得るためにオーブンの使用を推奨します。詳細は「性能のガイドライン」タブをご覧ください。
  • マウント付きLBO結晶、355 nm、532 nmおよび1064 nm用 AR コーティング付き
  • 1064 nmのナノ秒、ピコ秒、Nd:YAG、Nd:YLF、Yb:YAGレーザと上記のType-IまたはNCPM SHG結晶を組み合わせたType-II SFG用に設計
    • 1064 nmと532 nmのビームの偏光方向の再調整は不要
  • 結晶の温度安定化用オーブンを別途ご用意(下記参照)

これらのLBO結晶は、1064 nmとその第2高調波532 nmから、Type-II SFGで355 nmの第3高調波を生成するように設計されています。長さは10.00 mmと15.00 mmがあり、何れにも基本波、第2高調波、および和周波の波長で表面反射を低減するためのARコーティングが施されています。結晶を取り付けた筐体の寸法は、幅21.0 mm、高さ10.8 mm、長さ11.0 mm(型番NLCL6)または16.0mm(型番NLCL7)で、結晶の有効開口は2.7 mm x 2.7 mmです。これらのマウント付き結晶を上記のSHG結晶のいずれかと組み合わせて用いると、型番QSL106Bのような1064 nmのナノ秒またはピコ秒レーザの出力光とその第2高調波から、355 nmの和周波の光子を生成することができます。SFG用の実験セットアップ例については、「SHGおよびSFG実験セットアップ」タブをご覧ください。

これらのLBO結晶は長いため、SFGの効率は温度と温度変動に非常に敏感です(詳細は「SHGチュートリアル」タブをご覧ください)。入射角0°では、これらの結晶のSHG効率は約20° Cでピークを示します。SFG出力光を安定化するために、当社では温度を上げて温度制御をする非線形結晶用オーブン(別売り、下記参照)の使用をお勧めしています。LBO結晶NLCL6とNLCL7の温度に関する要件の詳細は、「性能のガイドライン」タブをご覧ください。

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
NLCL6 Support Documentation
NLCL6Mounted LBO Crystal, 10 mm Length, Type-II SFG, 1064/532/355 nm
¥88,620
7-10 Days
NLCL7 Support Documentation
NLCL7Mounted LBO Crystal, 15 mm Length, Type-II SFG, 1064/532/355 nm
¥100,851
7-10 Days

非線形光学結晶用オーブン

Specifications
Item #NLCH1(/M)NLCH2(/M)
Crystal LengthUp to 15.00 mmaUp to 30.00 mma,b
Max Operating Temperature200 °C
Clear ApertureØ0.18" (4.6 mm)c
Beam Height1.00" (25.4 mm)
Operating Voltage24 V
Electrical Connection6-Pin Female Hirosed
Dimensions (H x W x D) 1.87" x 2.51" x 1.95"
(47.4 mm x 63.8 mm x 49.5 mm)
1.87" x 2.51" x 2.50"
(47.4 mm x 63.8 mm x 63.5 mm)
Weight0.22 kg0.27 kg
Recommended ControllereTC300B
  • 型番NLCL4、NLCL1、NLCL2、NLCL6、NLCL7に対応
  • 型番NLCL5、NLCL3、NLCL8、NLCL9に対応
  • SM05ネジ付きプラグを取り外したときの開口径はØ12.7 mm(Ø1/2インチ)
  • 型番HR10CAB1(付属品)と型番HR10AD1の接続が可能
  • 別売り(下記参照)
  • 周囲温度~200 °Cまで加熱可能
  • このページでご紹介しているLBO結晶の取付けが可能
  • 最大長さ30.00 mmまでの結晶を取り付けられる製品をご用意
  • TC300B(別売り、下記参照)のような温度コントローラが別途必要
NLCH1 Oven Cover and Screws
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Figure G5.1  オーブン上面の4本のネジを外してカバーを開くと、ヒーターデッキにアクセスできます。
NLCH1 Interior Screws
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Figure G5.2  内部の2本のネジを外すと、オーブン内に非線形結晶を取り付けることができます。

非線形結晶用オーブンNLCLH1/MとNLCLH2/Mは、このページでご紹介している非線形LBO結晶の温度を制御し、安定化するための製品です。長さ15.00 mm以下のLBO結晶はどちらのオーブンにも取り付け可能ですが、長さ20.00~30.00 mmのLBO結晶はNLCH2/Mオーブンにのみ取り付け可能です。LBO結晶を取り付けるには、まずFigure G5.1に示す4本のM2.5 x 0.45キャップスクリュを外し、オーブンのカバーを取り外します。続いて、Figure G5.2に示すオーブン内の2本のネジも外します。次に、結晶をオーブン内に置き、オーブン内の2本のØ2.0 mm位置決めピンに合わせます。最後に、先にオーブン内部から外した2本のキャップスクリュを使って結晶を固定します。

各オーブンの前面と背面には4つの#4-40ネジ穴があります。これらを用いて当社の30 mmケージシステムに取り付けられるため、光路に簡単に組み込むことができます。オーブンは当社の5軸ステージPY005/Mに直接取り付けることもできます。その際は、オーブン底面の2つのØ3.2 mm位置決めピン用穴(位置決めピンは付属していません)とステージ中央のM4ザグリ穴を使用します。オーブンを使用するには、当社のTC300B(別売り、下記参照)などの温度コントローラと、それに付属する6ピンHiroseコネクタの付いた接続用ケーブルが必要です。非線形結晶用オーブンについての詳細は製品紹介ページをご参照ください。

+1 数量 資料 型番 - ミリ規格 定価(税抜) 出荷予定日
NLCH1/M Support Documentation
NLCH1/M非線形光学結晶用オーブン、長さ10 mmと15 mmの結晶用(ミリ規格)
¥219,885
7-10 Days
NLCH2/M Support Documentation
NLCH2/M非線形光学結晶用オーブン、長さ20 mmと30 mmの結晶用(ミリ規格)
¥227,215
7-10 Days
+1 数量 資料 型番 - インチ規格 定価(税抜) 出荷予定日
NLCH1 Support Documentation
NLCH1非線形光学結晶用オーブン、長さ10 mmと15 mmの結晶用(インチ規格)
¥219,885
7-10 Days
NLCH2 Support Documentation
NLCH2非線形光学結晶用オーブン、長さ20 mmと30 mmの結晶用(インチ規格)
¥227,215
7-10 Days

ヒーター温度コントローラ(温度調節器)

Key Specificationsa
Output Power per Channel48 W (Max)
Output Current per Channel2 A (Max)
Output Voltage per Channel24 V (Max)
Temperature Setting Range-200 to 400 °Cb
Set Point Resolution0.1 °C / 0.001 °Cc
Temperature Stability±0.1 °C
Output Connector TypeHirose HR10A-7R-6S(73)
USB InterfaceUSB 2.0 Type-B
Power Supply100 - 240 VAC, 50 - 60 Hz, 165 VA Max
Operating Temperature0 - 40 °C
Storage Temperature-15 - 65 °C
Dimensions (H x W x D) 86.6 mm x 154.3 mm x 327.8 mm
(3.41” x 6.07” x 12.91”)
Weight1.7 kg
  • 仕様の詳細は製品紹介ページをご覧ください。
  • センサに依存します。
  • 分解能0.001 °CはNTCサーミスタを必要とする高分解能モード時のみ
  • 温度制御の範囲:-200 °C~400 °C
  • 単独操作またはソフトウェアによるPC制御
  • プログラム可能なオートチューニング機能付きPID設定

ヒータ&TEC温度コントローラTC300Bは、48 Wまでの抵抗加熱素子および熱電冷却デバイス(TEC)を制御できる、2チャンネルのベンチトップ型コントローラです。上記の非線形結晶用オーブンに対しては、周囲温度から200 °Cまでの温度制御用にご使用いただけます。最高温度と電流/電圧リミット値はお客様ご自身で設定することができ、それにより接続した加熱素子のオーバーヒートやオーバードライブを防止できます。そのほかの安全機構として、温度センサが接続されていない時や断線している時にドライバをシャットダウンする、オープンセンサーアラームなどが付いています。

シンプルなキーパッドインターフェースを用いて単独で操作することが可能ですが、付属のUSB Type Bのケーブルを介してPCに接続し、TC300B用ソフトウェア、LabVIEW®*ドライバ、 LabWindowsドライバ、または簡単なコマンドラインインターフェイスを用いて制御することもできます。

コントローラTC300Bの機能についての詳細は、製品紹介ページをご覧ください。

*LabVIEW®はNational Instruments社の登録商標です。

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
TC300B Support Documentation
TC300Bヒータ&TEC温度コントローラ(温度調節器)
¥155,428
Today

Kinematic Mounts for Crystals and Crystal Ovens

Wavefront Sensor Kinematic Mount
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Figure  797B The NLCH2 Oven Mounted on a KM200HM Mount
Wavefront Sensor Kinematic Mount
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Figure  797A The NLCK4 Crystal Mounted on a KM100LM Mount
  • Two 80 TPI Adjusters for ±4° of Fine Tip and Tilt Control
  • Platform can be Removed and Secured to Either Arm Enabling a Horizontal or Vertical Configuration
  • Removable Knobs Expose Adjuster Screws with Hex Socket
  • #8 (M4) Through Holes in Back Plate of Mounts for Ø1/2" Post Mounting
  • Fabricated from Black Anodized Aluminum

Thorlabs offers mounts for kinematic control over the LBO and PPKTP Crystals, as well as our Crystal Ovens. The mounts feature a similar design to our KM100PM (above) with a modified mounting platform designed to accommodate the crystals and ovens. Please note that, when mounted, the crystal's axis will be laterally centered over the optical post.

The KM100LM(/M) mount features a modified mounting platform designed to mount the crystals using the two 3-48 (M2.5 x 0.45) tapped holes. The mounting platform also features two Ø2 mm dowel pin holes (dowel pins not included) to aid in alignment if desired. Additionally, the KM100LM(/M) features 6-32 (M4 x 0.7) taps to mount our PM3(/M) and PM4(/M) Clamping Arms. The KM200HM mounting plate has two #8 (M4) counterbored thru holes for mounting the crystal ovens, along with four optional Ø1/8" dowel pin holes (dowel pins not included) near the front of the plate.

The two-piece mounting platform assembly can be configured for either horizontal or vertical mounting via the four 4-40 (M3 x 0.5) tapped holes. The two pieces of the mounting platform assembly are held together with two 3-48 screws (5/64" [2.0 mm] hex). If desired, the mounting plate can also be removed and replaced with a user-supplied alternative, enabling custom mounting options. See the blue info icon () in the table below for more information.

Kinematic LBO and PPKTP Crystal and Crystal Oven Mount Specifications
Item # Mounting Platform Adjuster Thread Adjustment per Revolution Post Mounting Mechanical Drawing
Maximum Depth Tapped Holes Clearance Holes Dowel Pin Holesa
KM100LM(/M) 1.39"
(35.3 mm)
#3-48 (M2.5 x 0.45)
(2 Places)
#6-32 (M4 x 0.7)
(2 Places)
#8-32 (M4 x 0.7)
(1 Place)
 #8 (M4)
(1 Place)
Ø2 mm
(2 Places)
1/4"-80 8 mrad #8 (M4)
(2 Places)
KM200HM 2.00"
(50.8 mm)
- #8 (M4)
(2 Places)
Ø1/8"
(4 Places)
5 mrad #8 (M4) 
(6 Places)
  • Dowel pins are not included with these mounts and are not necessary to mount the compatible crystals and ovens.
+1 数量 資料 型番 - ミリ規格 定価(税抜) 出荷予定日
KM100LM/M Support Documentation
KM100LM/MNEW!Kinematic Mount for Thorlabs' LBO and PPKTP Crystals, Metric
¥16,440
7-10 Days
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
KM200HM Support Documentation
KM200HMNEW!Kinematic Mount for Thorlabs' Crystal Ovens
¥23,290
7-10 Days
+1 数量 資料 型番 - インチ規格 定価(税抜) 出荷予定日
KM100LM Support Documentation
KM100LMNEW!Kinematic Mount for Thorlabs' LBO and PPKTP Crystals
¥16,440
7-10 Days