小型マルチパスガスセル、吸収分光法用


  • 1 or 3.2 m Optical Path Length (OPL) in 0.14 m Long Cell
  • Small Volume (100 mL) with Advanced Gas Flow Design
  • Protected Silver Mirrors & CaF2 Windows
  • Angled Entry & Exit Ports for Ease of Alignment

Input

Output

Gas Ports with
Swagelok®
Tube Fittings

MGC3C-P01

Multipass White Cell, 3.2 m OPL

Calcium Fluoride
Wedged Windows

Angled Optical Ports
Compatible with
16 mm Cage System

Plano
Mirror

Window

Spherical
Mirrors

Window

Input

Output

A multipass cell increases the path length of a beam through the cell:

The MGC3C(/M)-P01 multipass White cell (above) has 31 internal reflections,
though only 7 are shown here for simplicity.

The MGC1C(/M)-P01 multipass cell (above) has 9 internal reflections.

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Multipass Cell Gas Flow
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ガス接続部には、ガスの層流化とガス交換時間の短縮化のために、ノズルアレイが用いられています。
(セルMGC1C(/M)-P01のレンダリング表示)

用途例

  • 吸収分光法
  • 呼気分析やプロセスガス分析
  • 環境モニタリング
  • 医療診断
  • 機器の校正
  • 燃焼プロセス
Multipass Cell Application
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光学ポートのインターフェイス面は、ビームを入射するのに必要な角度が付けられており、アライメントがしやすくなっています。詳細は「使用方法」タブをご覧ください(写真はセルMGC3C-P01)。

特長

  • マルチパス型のガスセルであるため、分光測定における吸収量が増加
    • セルMG1C/M-P01:平面ミラーを使用、光路長(OPL)1 m
    • ホワイトセルMG3C/M-P01:球面ミラーを使用、光路長3.2 m
  • 筐体がコンパクト(ガス容量100 mL)なため、高速ガス交換が可能
  • 動作波長範囲:450 nm~8 µm
    • Ø12.7 mm(Ø1/2インチ)フッ化カルシウム製ウェッジ付きウィンドウ(ご自身で交換可能)
    • 保護膜付き銀コーティングミラー
  • ガス接続部: Ø6 mm Swagelok®チューブ継手(付属)
  • ガスの圧力とリークレートは個別に検査済み
    • ガスの動作圧力範囲:<10-5 Torr~2 atm
    • ガスのリークレート:<10-6 Torr·L/s
  • 当社の16 mmケージシステムの取付けが可能
  • ウィンドウ、ミラーコーティング、ガスポート、およびOリング材質のカスタマイズについては、当社までお問い合わせください。

当社のマルチパスガスセルMGC1C/M-P01およびMGC3C/M-P01は、ガス吸収分光法用として、コンパクトながら長い光路長を得ることができる製品です。MGC1C/M-P01の光路長(OPL)は1 mで、平面ミラーを用いています。MGC3C/M-P01は球面ミラーを用いたホワイトセルで、その光路長は3.2 mです。どちらのセルも、使用可能な最大ビーム径(1/e2)は1 mmです。干渉を生じさせずに動作させるには、1 mのマルチパスセルの場合は、ビームウェストがセルの光学的な中心にくるように集光する必要があります。3.2 mのホワイトセルの場合は、コリメート光またはセルの物理的中心に集光するビームを使用することができます。

ホワイトセルでは、球面ミラーが焦点距離の2倍だけ離れて置かれたたレンズのように機能します。したがって、4f光学系のように、ビームは焦点距離の4倍の距離ごとに結像を繰り返します。そのため、ホワイトセルは特に小さな試料体積内で長い光路長を得る用途に適しています。

どちらのセルのミラーにも保護膜付き銀コーティングが施されており、450 nm~8 µmの波長範囲において優れた性能を発揮します。光学ポートには角度が付けられており、またその取付け面には#4-40ネジ穴が付いています。そのため、16 mmケージシステムを用いて容易にアライメント調整ができます。セルの側面には2つのガス接続ポートが付いており、定圧力セルとしてもフローセルとしてもご使用いただけます。すべてのマルチパスセルは、仕様を満たすことを保証するために、個別に真空およびリークテストを行っています。小型マルチパスガスセルのウィンドウ、ミラーコーティング、またはガスポートのカスタマイズについては、当社までお問い合わせください。

小型マルチパスガスセル
当社の長光路吸収セルは、主に環境モニタリング、燃焼過程、医療診断、基礎的な原子・分子物理学などで利用される微量ガス吸収分光法に用いられます。このガスセルのサンプル体積はわずか100 mLですが、比較的長い吸収光路が得られます。当社では光路長が10.5 mと31.2 mのヘリオットセルもご用意しております。

ガス接続部
このマルチパスセルにはガス接続ポートが2つ付いています。フローセルとしてお使いにならない場合は、2つ目のガスポートに圧力計やその他のデバイスを接続してご使用いただくこともできます。ガスポートには標準的なオス型のステンレススチール製Swagelok®チューブ継手が付いています。これらの継手は外径Ø6 mmのチューブ用です。

チューブ継手を取り外すと、セル筐体内のG1/8インチ平行メス型ネジコネクタを使用することができます。英国規格管用平行ネジ(British Standard Parallel Piping/BSPP)の付いたパイプであれば、このメス型ネジコネクタに直接接続できます。なお、チューブ継手をお客様が交換または調整された場合、リークレートは保証されませんのでご注意ください。お手持ちの真空システムやガス供給システムと当社セルの接続に関して、ご不明な点がございましたら当社までお問い合わせください。

これらの小型マルチパスセルでは、2つのノズルアレイを用いるユニークなガスフロー方式を採用しています。これによりガスの流れがセルの大部分において層流化され、広い流量範囲でご利用いただくことができます。この方式ではセル内のデッドボリュームと乱流が低減されるため、測定のためのガス交換を速くできます。各ガスポートは、インレット(入口)とアウトレット(出口)のどちらの用途にもご使用いただけます。

角度付き光学ポート
こちらのマルチパスセルには2つの光学ポートがついており、そこに当社の16 mmケージシステムを取付けることができます。各ポートの面はビーム経路に対して垂直になるように作られているため、アライメントが容易です。この取付け部の構造は、セルに直接取り付けられていない自由空間光学系と組み合わせる場合でも有用です。詳細は「使用方法」タブをご覧ください。このセルの入射ポートと出射ポートはセルの同じ側面に付けられており、また光学テーブルに平行な面内になるように設計されています。各ポートは、入射用と出射用のどちらの用途にもご使用いただけます。詳細は下の赤いアイコン()をクリックしてご覧ください。

Key Specsa
Item #Operating
Wavelength
Optical Path Length
(OPL)
Internal
Reflections
Max Beam
Diameter (1/e2)
Beam Angles
of Incidence
MirrorsSample
Volume
Swagelok® Gas InterfaceOperating
Temperature
MGC1C-P01450 nm to 8 µmb1028 ± 0.5 mm91 mmc±2.7° Horizontal,
0° Vertical
Plano,
Silver Coated
100 mL1/4" OD Tube Fittings-5 to 80 °C
(Non-Condensing)
MGC1C/M-P016 mm OD Tube Fittings
MGC3C-P013231 ± 0.5 mm311 mmd±7.8° Horizontal,
0° Vertical
Spherical,
Silver Coated
1/4" OD Tube Fittings
MGC3C/M-P016 mm OD Tube Fittings
  • 詳細は「仕様」タブをご覧ください。
  • このセルは波長8 µmまでは干渉が生じないように設計されています。450 nmより短波長側については、「グラフ」タブにおけるミラーコーティングの反射率曲線をご覧ください。 
  • 干渉を生じさせずに使用可能な入射ウィンドウ位置でのビーム径。ビームはビームウェストがセルの光学的な中心(入射ウィンドウから500 mmの位置)にくるように集光しなければなりません。
  • 干渉を生じさせずに使用可能な入射ウィンドウ位置でのビーム径。セルの中心、すなわち蓋の中央にあるネジの位置に合わせてビームを集光すれば、より大径のビームや発散光を使用することもできます。しかしその場合は、小さい方のミラーをオーバーフィルしないよう、焦点距離300 mm以上のレンズをご使用ください。
Item #MGC1C-P01MGC1C/M-P01MGC3C-P01MGC3C/M-P01
Optical Specifications
Operating Wavelength Range
450 nm to 8 µma
Optical Path Lengthb1028 ± 0.5 mm3231 ± 0.5 mm
Number of Internal Reflections931
Max Input Beam Diameter
(1/e2, Collimated)
1 mmc1 mmd
Beam Angles of Incidence
±2.7° Horizontal, 0° Vertical±7.8° Horizontal, 0° Vertical
Mirror CoatingProtected Silver (-P01) Coating
Mirror SubstrateUV Fused SilicaN-BK7
Mirror TypePlanoSpherical, White Configuration
WindowsWW50530 Uncoated Calcium Fluoride Wedged Windows
Gas Specifications
Supported Pressure< 10-5 Torr - 2 atm (1520 Torr)
Gas Leakage Rated< 10-6 Torr·L/s
Sample Volume100 mL
Swagelok® Gas Interface1/4" OD Tube6 mm OD Tube1/4" OD Tube6 mm OD Tube
Fitting Interface in HousingFemale G1/8" Straight Thread
Materials in Contact
with Gas Sample
Stainless Steel (1.4301, 17-7), FKM (Viton), Calcium Fluoride,
Silver with Protective Overcoat per MIL-C-48497A
UV Fused SilicaN-BK7
General Specifications
Bake-Out Temperature80 °C Max
Operating Temperature-5 to 80 °C (Non-Condensing)
Storage Temperature-20 to 80 °C
Dimensions (L x W x H)137.0 mm x 110.5 mm x 33.5 mm
(5.39" x 4.35" x 1.32")
137.0 mm x 110.5 mm x 36.0 mm
(5.39" x 4.35" x 1.42")
Mass (Weight)2.1 kg (4.6 lbs)
  • このセルは波長8 µmまでは干渉が生じないように設計されています。450 nmより短波長側については、「グラフ」タブにおけるミラーコーティングの反射率曲線をご覧ください。
  • 20 °Cかつ真空という条件下において有効です。
  • 干渉を生じさせずに使用可能な入射ウィンドウ位置でのビーム径。ビームはビームウェストがセルの光学的な中心(入射ウィンドウから500 mmの位置)にくるように集光しなければなりません。
  • 干渉を生じさせずに使用可能な入射ウィンドウ位置でのビーム径。セルの中心、すなわち蓋の中央にあるネジの位置に合わせてビームを集光すれば、より大径のビームや発散光を使用することもできます。しかしその場合は、小さい方のミラーをオーバーフィルしないよう、焦点距離300 mm以上のレンズをご使用ください。
  • ガスチューブ継手をお客様が交換または調整された場合は、リークレートは保証されません。
Mirror Specifications
CoatingSilver with Protective Overcoat (-P01)
Avg. Reflectance> 97% (450 nm - 2 µm)
> 95% (2 - 20 µm)
Reflectance Plots
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info
Damage
Threshold
Pulsed0.225 J/cm2
(800 nm, 99 fs, 1 kHz, Ø0.167 mm)
1 J/cm2
(1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.010 mm)
CWa500 W/cm (1.07 µm, Ø0.974 mm)
1500 W/cm (10.6 µm, Ø0.339 mm)
SubstrateMGC1C(/M)-P01UV Fused Silicab
MGC3C(/M)-P01N-BK7b
  • ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この単位(単位長さあたりのパワー)で表したパワー密度が長パルスおよびCW光源に対して最も適した測定量である理由についてはこちらをクリックしてご覧ください。 
  • リンクをクリックすると基板材料の仕様をご覧いただけます。
Window Specifications
Item #WW50530
Diameter 1/2" (12.7 mm)
Diameter Tolerance+0.0 / -0.2 mm
Thickness3.0 mm
Thickness Tolerance±0.1 mm
Clear Aperture≥Ø11.43 mm
Transmission Plot
(Click for Details)
Uncoated Transmission
Raw Data
Wedge Angle30 arcmin
Wedge Angle Tolerance±10 arcmin
Surface Flatnessa≤λ/16 Over Central Ø5 mm;
≤λ/8 Full Clear Aperture
Surface Quality40-20 Scratch-Dig
SubstrateCalcium Fluorideb
  • 633 nmで測定
  • リンクをクリックすると基板材料の仕様をご覧いただけます。
Multipass Cell Throughput
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生データはこちらからダウンロードいただけます。
このグラフは、フッ化カルシウム(CaF2)ウィンドウの透過率の測定値と保護膜付き銀コーティングミラーの反射率の測定値を用いて、小型マルチパスセルのスループットをシミュレーションした結果です。グラフの網掛け領域は推奨する波長範囲を示しています。詳細については上の「使用方法」タブのトラブルシューティングの段落をご覧になるか、または当社までお問い合わせください。
Transmission of Uncoated CaF2
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生データはこちらからダウンロードいただけます。
このグラフは、コーティング無しのフッ化カルシウム(CaF2)ウィンドウに、光を垂直に入射した時の透過率の測定値です。
Protected Gold Coating
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生データはこちらからダウンロードいただけます。
このグラフは、当社の保護膜付き銀ミラーに対して、光をほぼ垂直に入射したときの反射率の測定値を示しています。グラフの青い網掛け部分は、反射率を仕様として保証する波長範囲を示しています。この帯域外における反射率は典型値であり、ロット毎にバラつきがある可能性(特に変動や傾斜のある領域では顕著)があります。
Table Mounted Multipass Cell
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セルの筐体にはM6 x 1.0(1/4"-20)ネジ用のスロットが付いており、その間隔はミリ規格(25.0 mm)およびインチ規格(1インチ)の両方に適合します。
Aligning Beam Into Multipass Cell
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光学ポートの取付け面は、ビームを入射するのに必要な角度が付けられており、アライメントがしやすくなっています。 写真にはケージロッドSR4とアライメントプレートSCPA1も見えています。

準備

まず小型マルチパスガスセルを光学テーブルやブレッドボード上に置くか、またはポストに取り付けます。セルの取付け用スロットの間隔は、当社のほとんどの光学テーブルやブレッドボードの取付け穴(25.0 mm間隔のM6 x 1.0タップ穴や1インチ間隔の1/4"-20タップ穴など)に整合します。右の写真のようにキャップスクリュを使用してセルを固定します。最初にポスト(台座付きポストRS1P/Mなど)に取付け、そのポストを(例えばクランプCF175C/Mなどを使用して)光学テーブルに固定すれば、セルの高さを調整することもできます。次に、各光学ポートからキャップ(交換品型番SM05CP2)を取り外します。入射側と出射側の区別はなく、セルはどちらの方向からもご使用いただけます。

どちらの光学ポートのインターフェイス面にも、当社の16 mmケージシステムを取付けられます(右下の写真参照)。インターフェイス面はビーム経路に対して垂直であるため、アライメントが容易です。なおバックグラウンド光を低減させるため、セルのウィンドウは光路(の垂直面)に対してわずかに角度を付けて取り付けられています。

各ガスポートを封止しているエンドプラグは、チューブやガス管をポートに接続するときには取り外さなければなりません。各プラグは14 mmレンチで取り外すことができます。なお、Swagelok®プラグを取り外す際は、別の14 mmレンチを用いてガスポートアダプタがセル筐体にしっかり保持されていることを確認してください。ガスポートを封止する場合は、プラグを締め付けたままにしておいてください。

アライメント

自由空間光を入射するためのアライメントは、ケージロッドと当社のアライメントツールを使用して簡単に行えます。たとえば右の写真のように、1つの光学ポートに16 mmケージアセンブリーロッド(例:SR4)を取付け、ケージシステム用ターゲットプレート(SCPA1)を利用します(この例で必要なケージロッドは上側の2本のみです)。ターゲットプレートは、ロッドに対して垂直に置いてください。このインターフェイス面は水平面内でのみ角度が付いているため、接続されたケージシステムの光軸はテーブルの表面に対して平行になります。初期アライメントでは、取付け面によって決められた光軸に沿ってビームを調整します。なお、取付け面の角度には±0.3°の公差があることにご注意ください。セルウィンドウの位置ではビーム径を1 mm (1/e2)に制限することをお勧めします。また、以下の点についても推奨しています。

  • セルMGC1C/M-P01:ビームウェストが入射ウィンドウから0.5 m(セルの光学的な中心)の位置にくるように調整。
  • セルMGC3C(/M)-P01: 大きなミラーと1つ目の小さなミラーの間に(蓋の中央にあるネジの位置に合わせて)ビームを集光。その際は小さいミラーをオーバーフィルしないよう、焦点距離300 mm以上のレンズをご使用ください。

こうすることで、コリメート光をセルに入射したとき、バックグラウンド信号の原因となるミラーやセル本体に起因する光の漏洩をより確実に防止できます。

また、マルチパスセルの手前に2枚の折り返しミラーを置き、入射ビームの位置と角度の調整を行うことをお勧めします。初期アライメントを行った後、開口によるトランケート(truncate)と呼ばれるビームのケラレがないことを確認します。これは、セルの透過光強度を大口径のフォトディテクタでモニタ(すべての透過光を検出するため)しながら、ビームのアライメントを少しずつ崩してみることで確認できます。ビームがトランケートされていなければ、透過強度は小さなミスアライメントが生じても変化しないはずです。

なお、ビームが光路内のどの光学素子によってトランケートされても、それによる残留バックグラウンド信号がスペクトル信号に乗ってくるため、システム全体の性能が低下します。セルMGC1C/M-P01では、蓋を取り外し、セル全体のビーム経路を注意深くモニタすることをお勧めしています。不可視のレーザ光を用いる場合は、可視光でシステムの予備的なアライメント調整をすることで(例えば逆方向からのビームで)、不可視光のアライメントが容易になります。

セルMGC1C/M-P01の光路長の変更
入射角を変えることで、1 mよりも長いまたは短い光路長(約0.2 mの整数倍)に設定することができます。しかし1 m以外の光路長に設定したときには、開口部でビーム径がさらに制限されるため、有効径が小さくなることにご注意ください。お望みの光路長が得られたかどうかは、セルのカバーを開けてセル内のビームの経路をたどるか、またはミラー上での光の反射回数を数えることで確認できます。

トラブルシューティング

バックグラウンド信号
マルチパスセルを通った後に観測されるスペクトル信号は、干渉縞が生じるとその質が低下する可能性があります。干渉縞は様々な原因で生じますが(セルの前後の光学素子内での定在波、光学面間の定在波など)、入射ビームがトランケートされることで生じる場合もあります。そのため下記のことをご確認ください。

  1. ビームサイズがセルに許容される最大ビームサイズを超えていない。
  2. ビームがセルの入射窓および出射窓の中心を通り、ビームに欠けた部分が無い。

セルを扱うときは、ガスポート、ウィンドウ、およびミラーに損傷を与えないようにご注意ください。ご自身で保守点検可能な部品の交換方法については、以下の説明をご覧ください。また、ご質問などがありましたらお気軽に当社までご連絡ください。

ガスポート

Swagelok®継手は、オス型G1/8インチの英国規格管用平行ネジ(British Standard Parallel Piping/BSPP)の継手と交換可能です。標準品の継手は14 mmレンチを用いて取り外せます。ガスケットの交換品としてはSwagelok社のSS-2-RS-2Vをご使用ください。ガスケットを交換するときは、ご自身の防護と手指の皮脂等の封止面への付着防止のために、手袋を着用してください。新しいガスケットは、取り付ける前に封止面を適切にクリーニングしてください。当社ではイソプロパノール(50%)とエタノール(50%)の混合液のご使用をお勧めしています。ガスケットと封止面の埃や小さな残留粒子は、圧縮空気ダスターで除去してください。

ウィンドウの交換

各マルチパスセルに付属するフッ化カルシウム(CaF2)製のコーティングされていない2枚のウェッジ付きウィンドウWW50530は、取り外して同じ厚さと直径のウィンドウに交換することができます。各ウィンドウはSM05ネジ付き固定リングPOLARIS-SM05RRで固定されており、スパナレンチSPW603で取り外すことができます。ウィンドウは厚いエッジが内側を向くように取り付けてください。各ウィンドウとセルの間にはViton Oリング(内径9.25 mm x 厚さ1.78 mm)、ウィンドウと固定リングの間にはViton Xリング(内径9.25 mm x 厚さ1.78 mm)が入っています。なお、付属のウェッジ付きウィンドウを2面が平行なフラットウィンドウに交換すると、弱い干渉縞が生じる場合があります。それによってシステム全体の性能が著しく低下する場合は、ウェッジ付きウィンドウに戻してください。

ウィンドウの交換またはクリーニングを行ったときには、ビームアライメントの再調整を必要とする場合がありますのでご注意ください。

蓋のOリングの交換

セルの蓋を頻繁に取り外したりすると、Oリングの交換が必要になってくる場合があります。Oリングの寸法は内径106 mm x 厚さ2 mm、素材はViton (FKM80)です。

Multipass Cell with Temperature Control
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温度制御機能付きブレッドボードPTC1/Mに取り付けられたマルチパスガスセル

マルチパスセルについて

マルチパスセルは、光学システムと真空システムの両方の視点から、様々な構成の光学セットアップに使用することができます。セルを分光分析に用いる場合、基本的に異なる2つの方法があります。これらの違いは、システム内でのスペクトルの分解方法です。1つ目の方法は、狭帯域の波長可変光源(一般にレーザ)の光をセルに入射し、セルの反対側でフォトディテクタを用いて分析を行います。この場合は光源がスペクトル分解の機能を有します。ターゲットとする分析対象の特徴的なスペクトルが観測できる周波数範囲で光源の周波数を変化させ、関連する実験パラメータを把握することで定量的な分光分析を行うことができます。もう1つの方法は、広帯域光源(例:グローバー光源LED, 、スーパールミネッセント光源広帯域レーザなど)を用います。この場合は、セルからの光の出射部にフーリエ変換光スペクトラムアナライザ回折格子、チューナブル光学フィルタなどの分光装置を置きます。すべてのケースで重要なことは、システムが特定の波長においてターゲットの特徴を正確に抽出できることです。

ガス試料を分析するためには、マルチパスセル内にガスを充填しなければなりません。分光実験の要件を満たすシステム設計を行うには、多くのパラメータを決定する必要があります。下記の質問に答えることが、実験セットアップを決定する一助になります。

  • 実験はセル内の排気後に分析対象のガスを充填することで実施できるか(定圧力セル)、あるいはターゲットの特徴を連続的にモニタするために分析対象のガスを継続的に流入させる必要があるか(フローセル)?
  • 必要な時間分解能は? 定圧力での測定では、バックグラウンド信号を取得する必要性の有無、および取得する場合はその取得速度を決める必要があります。フローセルでの測定では、実験で要求される時間分解能を得るために、セル内のガス交換を十分な速さで行うことができる流量を決める必要があります。
  • 実験に適した圧力は? 大気圧の条件下で吸収特性が受ける影響を検討し、セルを大気圧で使用してもスペクトルを適切に検出できるか、あるいは大気圧以下にする必要があるかを決める必要があります。
  • マルチパスセルに試料を入れる前に、試料の前処理は必要か? 例えば、水分、油、あるいは個体粒子(埃やすすなど)を試料から取り除き、ターゲットの特性への影響やセル内の汚染を防止します。

実験の構成例

下記の3つの構成例では、プレッシャーゲージ、マスフローコントローラ、あるいはその両方が使用されています。バルブを追加すると圧力や流量の制御を改善できる場合があります。なお上の写真のように、マルチパスセルを温度制御機能付きブレッドボードPTC1/Mに取り付けて、加熱や冷却を行うこともできます。

Multipass Cell Applications
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図1:フローセルの構成(大気圧)

例1:フローセルの構成(大気圧)
右の図1のセットアップは、大気圧で行う場合の典型的なフローセル構成です。1つまたはそれ以上の試料(ガスシリンダ、パイプラインなど)を、セルに接続されたマスフローコントローラに接続します。マスフローコントローラは、セルを流れる質量流量を正確に設定することができます。それほど要件が厳しくない実験の場合は、厳密な流量制御はできなくなりますが、マスフローコントローラの代わりにニードルバルブを使用することもできます。

例2:フローセルの構成(大気圧以下)
この例では、試料ガスはセルに入る前にニードルバルブを通過します。セル内のガスはポンプで排気しますが、排気速度はセルの出口とポンプの間に置かれたもう一つのニードルバルブで調整します。2つのニードルバルブのバランスを調整することで、セル内の圧力と質量流量の両方を調整できます。セル内の圧力を正確に読み取るには、2つのニードルバルブの間にプレッシャーゲージを取り付ける必要があります。左下の図2のようにガスの流入経路にマスフローメータを設置すると、セル内の質量流量を測定できます。

例3:定圧力測定の構成(大気圧以下)
右下の図3は、大気圧以下での典型的な定圧力実験のセットアップを示しています。試料をマルチパスセルに入れる前に、フォアポンプ(バックポンプ)を付けたターボ分子ポンプなどのポンプシステムで、セル内のガスを排気します。セルに接続したプレッシャーゲージでセル内の圧力を測定できます。セル内のガスが排気されたら、ポンプシステムの直前にあるバルブを閉めて、ポンプシステムを切り離します。試料容器(例えば、ヒトの呼気やリモートテストサイトで収集されたガスなどが入ったガスシリンダやテドラーバッグ)に近いバルブを注意して徐々に開け、セル内に試料を充填します。要求された圧力に達したら入口側のバルブを閉め、測定を行います。

Multipass Cell Applications
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図2:フローセルの構成(大気圧以下)
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図3:定圧力測定の構成(大気圧以下)
Damage Threshold Specifications
Coating Designation
(Item # Suffix)
Damage Threshold
-P01Pulsed0.225 J/cm2 (800 nm, 99 fs, 1 kHz, Ø0.167 mm)
3 J/cm2 (1064 nm, 10 ns, 10 Hz, Ø1.000 mm)
CWa500 W/cm (1.07 µm, Ø0.974 mm)
1500 W/cm (10.6 µm, Ø0.339 mm)
  • ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算してください。このパワー密度の単位(単位長さあたりのパワー)が長パルスおよびCW光源に対して最も適した測定量である理由については、下記の「CWレーザと長パルスレーザ」をご覧ください。

当社の-P01コーティング付き保護膜付き銀ミラーの損傷閾値データ

右の仕様は当社の-P01コーティング付き保護膜付き銀ミラーの測定値です。損傷閾値の仕様はコーティングの種類が同じであればミラーのサイズや形状にかかわらずすべての保護膜付き銀ミラーで同じです。

 

レーザによる損傷閾値について

このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。

テスト方法

当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。

初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果は以下のようなヒストグラムになります。

LIDT metallic mirror
上の写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
LIDT BB1-E02
Example Test Data
Fluence# of Tested LocationsLocations with DamageLocations Without Damage
1.50 J/cm210010
1.75 J/cm210010
2.00 J/cm210010
2.25 J/cm21019
3.00 J/cm21019
5.00 J/cm21091

試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。

CWレーザと長パルスレーザ

光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。

パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。

Linear Power Density Scaling

線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

Intensity Distribution

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。

ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。

  1. レーザの波長
  2. ビーム径(1/e2)
  3. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
  4. レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)

ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(右グラフ参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。

ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(右下図参照)。

次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。

CW Wavelength Scaling

この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。

パルスレーザ

先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。以下の表中のハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。

パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。

Pulse Durationt < 10-9 s10-9 < t < 10-7 s10-7 < t < 10-4 st > 10-4 s
Damage MechanismAvalanche IonizationDielectric BreakdownDielectric Breakdown or ThermalThermal
Relevant Damage SpecificationNo Comparison (See Above)PulsedPulsed and CWCW

お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。

Energy Density Scaling

エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。

  1. レーザの波長
  2. ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
  3. レーザのパルス幅
  4. パルスの繰返周波数(prf)
  5. 実際に使用するビーム径(1/e2 )
  6. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)

ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。右のグラフは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。

次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。

Pulse Wavelength Scaling

 

波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。

ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。

次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。

Pulse Length Scaling

お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。


[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1997).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).


Posted Comments:
user  (posted 2024-03-14 05:56:40.927)
Hi i am looking for air pump to pump a MGC3C-P01 Are there any limitations to it not being plastic, can you recommend such a pump to me? Does it matter whether I pump the gas or compress it or do I need two pumps, one for compression and one for pumping
fnero  (posted 2024-03-14 09:07:23.0)
Thank you for your question. We have specifications on the supported pressure range for the gas cell, <10-5 Torr - 2 atm (1520 Torr). We have reached out to you to discuss your application in detail.
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マルチパスセル

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