白色光源をコリメートした時のビームスポット(ビームウェスト)について


白色光源をコリメートした時のビームスポット(ビームウェスト)について


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コリメートレンズから出射された光のビームスポットは、ランプまたはLED光源の像を形成するか

レンズがランプやLEDなどの光源から焦点距離の位置にあるとき、レンズは平行光線束のオーバーラップで構成された光を出射し、像は形成しませんがビームスポット(ビームウェスト)を形成する場合があります。光線束はそれぞれ異なる角度で出力するため、光軸と垂直面の強度は分布を持ちます。強度は光が集光しているように見えるビームスポット(ビームウェスト)位置で最も高くなります。しかし、各光線束は平行であるため、像は形成されません。ビームスポットの位置と径は、光源とコリメートレンズの光学特性に依存しますので、用途に適したビームスポットが得られるよう設計できます。

When light from each point on an incoherent source like a lamp or LED fills the clear aperture of a collimating lens, the waist of the output beam is at lens.
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図2:光源からの光が大角度で放射されるとき、各点光源からの光線は、レンズの全表面積に入射されます。レンズは平行光線の束(各点から1つの光線束)を出射しますが、ビームスポット(ビームウェスト)はレンズの焦点距離先ではなく、レンズの出射面の位置になります。

When the light from each point on an incoherent source like a lamp or LED does not fill the clear aperture of the lens, a beam spot or waist is formed one focal length away from the output side of the lens.
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図1:レンズから焦点距離(f )の位置にビームスポットが得られているには、いくつかの要因があります。Z軸周りの光線の対称性や、各点光源からの出力光がレンズ全体まで広がらないことなどがこれに含まれます。レンズは各点光源から1つの光線束を出射しますが、各束の直径はレンズ径よりも小さくなります。光線束がオーバーラップすることでビームスポットが形成されます。

Kohler illumination forms an image of the light source before the condenser lens, and the beam spot or waist is formed one focal length away from the output side of the lens.
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図3:複数のレンズを用いればどこにでもビームスポットを形成することができます。こちらのケースでは、ビームスポットはコンデンサーレンズの出射面から焦点距離(fCD )の位置にあります。各点光源から放射される光線はビームスポットでは平行であるため、ビームスポットでは像は形成されません。なお、各点光源の逆さ像は、フィールドレンズとコンデンサーレンズの間で、フィールドレンズ視野レンズから焦点距離(fFD )の位置に形成されます。この例において、光源はコンデンサーレンズから焦点距離(fCL )の位置にあります。

ビームスポットで像は形成されません
図1の左側の光源は、放射点が垂直方向に並んでいます。これは一般的な光源ではありませんが、後述のとおりレンズを複数用いることで、このような特性を持つ光源を作ることはできます。

各点からの光線は小さな角度()で広がっています。光は焦点距離(f )だけ離れた位置のレンズに入射されます。レンズは平行光線の束(各点光源につき1束)として光を出射します。

各光線束は光軸(Z軸)を交差します。特定の点光源から放射された光の角度を知るには、まず点光源からレンズまでZ軸に平行な線をトレースします。この線はレンズ位置から、光軸(Z軸)上でレンズから焦点距離だけ離れた点に向かいます。この図では、これらの光線は各群の中心にあり、太い線で描かれています。

すべての平行光線束が交差することで、レンズから焦点距離先の位置でビームスポット(ビームウェスト)が得られます。ここで、出射ビーム径は最も小さくなり、強度は最も高くなります。しかし、ビームスポットでは光源の像が形成されません。なぜなら各束の光線は互いに平行だからです。光源の像を形成するには、各束がそれぞれ1点に収束しなければなりません。

ビームスポット(ビームウェスト)は常に得られるわけではありません
図1ではレンズから焦点距離の位置にビームスポットが得られていますが、これにはいくつかの理由があります。1つには光源がレンズから焦点距離だけ離れた位置にあります。2つ目には、光源から放射される光線群はすべてZ軸周りに対称であることです。さらに、各点からの光線の円錐はレンズ全体まで広がっていないため、出射される光線束の径は比較的小さくなります。

図2ではより典型的な白色広帯域光源を表しています。各点からの光線は大きい角度で放射されているため、光線はレンズの全面積に入射されています。このとき、ビームウェストの位置はレンズの出射面になります。

ビームスポットの設計
ビームスポットでの強度が最も大きくなり、光源の像が形成されないため、ビームスポットは均一照射に有用となります。光源の各点からの光が幅広い角度で放射され、レンズから遠い位置で均一に照射される必要があるときには、複数のレンズを用いることがあります。

図3ではレンズ系の代表例を示しています。コレクターレンズが平行光線の束を出射し、ビームスポットは図3のとおりコンデンサーレンズの出射側にあります。フィールドレンズはコレクターレンズから出射された各光線束を集光します。光源の上下反転像が、フィールドレンズとコンデンサーレンズ両方からそれぞれの焦点距離だけ離れた位置に形成されています。この反転像からの光線は、コンデンサーレンズの入射面の一部に入射されているため、このレンズから出射された光は焦点距離だけ離れた位置にビームスポットを形成します。このビームスポットからの光は均一で、光源像は形成しません。

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最終更新日:2021年5月7日


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