球面ミラーと放物面ミラーの集光領域の比較


球面ミラーと放物面ミラーの集光領域の比較


Please Wait

 

なぜ球面ミラーの代わりに放物面ミラーを使うのか?

 

Spherical Mirror Ray Trace with Focus Indicated
Click to Enlarge

図2:球面ミラーでは、コリメート光のすべての光線が1つの点を通過するように反射することはできません。焦点体積内での光線同士の交差点を、いくつか選んで黒点で示しています。

Parabolic Mirror Ray Trace with Focus Indicated
Click to Enlarge

図1:放物面ミラーでは、コリメート光のすべての光線が1つの焦点に集められます。

放物面ミラーは、点光源からの光をコリメートしたりコリメート光を集光したりする場合には、球面ミラーよりも優れた性能を有します。

コリメート光の集光
放物面ミラー(図1)を用いると、コリメートされている入射光を回折限界スポットに集光することができます。 これに対して球面ミラー(図2)を用いた場合は、コリメートされている入射光を回折限界スポットよりも大きな体積のスポットにしか集光できません。球面ミラーのこの焦点体積(Focal Volume)の大きさは、コリメートされた入射ビームの径を小さくすることで小さくすることができます。

点光源からの光のコリメート
点光源からの光はすべての方向に放射されます。この発散光の光源を放物面ミラーの焦点に置くと、ミラーから出てくる光は非常に良くコリメートされています。理想的な点光源の場合、反射されたすべての光線は互いに完全に平行になります。

点光源を球面ミラーの焦点体積内に置いたときには、ミラーから出てくる光は放物面ミラーと比較してそれほど良くコリメートされません。点光源からの各光線は、球面ミラーで反射されたときには完全な平行にはなりませんが、球面ミラー表面上の近い点で反射された2本の光線は遠い点で反射された2本の光線よりも平行に近い状態になります。そのため、反射面積を小さくすればコリメート光としての品質は向上します。これは焦点体積内の光源から放射される光の角度範囲を制限することと等価です。

物面ミラーと球面ミラーの選択について
放物面ミラーを選択するのが常に良いとは限りません。アプリケーションにおいて要求されるビーム径、コスト面の制約、スペース上の制限、性能要件など、すべてが選択に影響します。ビーム径が影響するのは、ビーム径が小さいと放物面ミラーと球面ミラーの性能が近くなるためです。放物面ミラーは反射部分の加工がより難しいため、球面ミラーより高価になります。また放物面ミラーのサイズは一般に球面ミラーよりも大きくなります。コストや物理的なサイズの違いに比べて、向上する性能が重要な場合もあれば、重要でない場合もあります。

「Insights-ヒント集」は下記リンクからご覧いただけます。
一覧を見る

最終更新日:2019年12月4日


Posted Comments:
Andy Jiao  (posted 2023-11-30 18:57:07.497)
For the parabolic mirrors, there is an article explaining the difference between parabolic mirrors and spherical mirrors. Can there be an article also explaining the differences of using parabolic mirrors and spherical lenses for focusing?
cdolbashian  (posted 2023-12-15 09:33:05.0)
Thank you for reaching out to us with this request! We have added this to the list of future lab projects/articles. Perhaps in the near future, you will see this presented! In the meantime, I have contacted you directly to inquire about your specific curiosities.