広帯域ASE光源、2 µm
- High-Power ASE Source Based on Tm-Doped Fluoride Fiber
- 50 mW Output Power and 100 nm Spectral Width
- Single Mode Fiber Output
- Integrated Output Isolator for Added Stability
ASE1900
The typical power spectral density (PSD) of the ASE1900 has a 100 nm width measured 20 dB below the peak.
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緑色の曲線はASE1900の典型的なPSD(Power Spectral Density)です。カスタム仕様として、PSDの波長特性をシフトさせた製品もご提供可能です。青色および赤色の曲線(点線)は波長シフトのおおよその限界を示しています。カスタマイズをご希望の場合は、当社までお問い合わせください。カスタム品の納品には標準品よりもお時間をいただきます。また、標準品であるASE1900とはパワーおよびスペクトル幅が異なりますのでご了承ください。
特長
- ツリウム添加フッ化物ファイバをベースにしたターンキー式ASE光源
- 光出力:最大50 mW(典型値)まで調整可能
- 中心波長:1870 nm(公称値)
- 2 µm領域におけるファイバ部品の試験に使用可能
- 付属のドライバを使用すれば背面パネルにあるUSB B型ポートからリモート操作可能
- 2.0 mmナローキーFC/APCコネクタからの光出力
- 赤色側または青色側に僅かにシフトさせたスペクトルを有するカスタム仕様の光源については、当社までお問い合わせください。
当社のASE1900は、1900 nm周辺で動作する自然放射増幅光(ASE)光源です。ターンキーオペレーション(操作)およびシングルモードの光ファイバ出力が可能で、試験や測定の用途に適しています。大きなASE出力を得るためにツリウム(Tm)添加フッ化物ファイバをベースにしており、光出力は最大50 mW(典型値)です。内蔵のアイソレータで光源内の後方反射を最小限に抑え、光出力の安定性を高めています。出力光の中心波長は1870 nm(公称値)で無偏光です。スペクトル幅は広く、ピーク値の-20 dBで測定した値は100 nmです。詳細については「仕様」タブをご参照ください。当社では発光波長が900 nm、1950 nm、2000 nmのツリウム添加ファイバーレーザもご用意しております。
ASE1900のようなASE光源をグローバ光源のような熱輻射光源の代わりに使用する場合、いくつかの利点があります。例えば、ASE光源の出力光は回折限界スポットまで集光することができますが、これは顕微鏡や光コヒーレンストモグラフィ(OCT)などの用途には重要です。また、出力光を長距離にわたってコリメートできるため、高分解能のフーリエ変換赤外分光法(FTIR)などの用途にも適しています。ASE1900の発光帯域内に吸収線を有するトレースガスには、NO、H2O、NH3、CO2、HClなどがあります。
ASE1900の電子回路には、高精度・低ノイズの定電流電源および熱電冷却型の温度制御ユニットが内蔵されています。これらの部品はマイクロコントローラによって制御されています。またこのマイクロコントローラはシステムの故障の有無などもモニタします。システムの損傷を防ぐため、アナログ入力が限界値を超えるとマイクロコントローラは出力を無効にします。励起用半導体レーザを駆動する電流を調整して、ASEの光出力を変えることができます。ASE1900には、L-I曲線(励起電流に対する光出力のテストデータ)を添付しております。
遠隔制御
付属のドライバにより、背面パネルのUSB B型ポートからPC経由で光源のフル遠隔操作が可能です。ドライバは「ソフトウェア」タブからダウンロードすることもできます。コマンドラインインターフェイスやコマンド、およびシンタックスについての情報は、マニュアルをご覧ください。
背面パネルのリモートインターロックコネクタに遠隔駆動型のスイッチを接続すると、実験室のドアが開くなどの危険な状況が発生した場合に、ASE1900からの光出力を遠隔で停止できるようになります。
General Specifications | |
---|---|
AC Input | 100 - 240 VAC, 50 - 60 Hz |
Input Power | 20 VA (Max) |
Fuse Ratings | 500 mA |
Fuse Type | IEC60127-2/III (250 VA, Slow Blow Type "T") |
Fuse Size | 5 mm x 20 mm |
Dimensions (W x H x D) | 5.77" x 12.17" x 3.07" (146.5 mm x 309.1 mm x 77.9 mm) |
Weight | 1.96 kg (4.32 lbs) Unit Weight 4.13 kg (9.1 lbs) Shipping Weight |
Operating Temperature | 15 to 35 °C |
Storage Temperature | 0 to 50 °C |
Connections and Controls | |
Interface Control | Optical Encoder with Pushbutton |
Enable Select | Keypad Switch Enable with LED Indicator |
Power On | Key Switch |
Display | LCD, 16x2, Alphanumeric Characters |
Input Power Connection | IEC Connector |
Interlock | 2.5 mm Mono Phono Jack |
Communications | |
Communications Port | USB 2.0 Compatible |
Com Connection | USB Type B Connector |
Required Cable | 2 m USB Type A to Type B Cable (Replacement Item # USB-A-79) |
Item # | ASE1900 | ||
---|---|---|---|
Parameter | Min | Typical | Max |
Emission Center Wavelength | 1860 nm | 1870 nm | 1880 nm |
Emission Bandwidth (-20 dB) | 80 nm | 100 nm | - |
Drive Current | - | - | 450 mA |
Output Power at Maximum Drive Current | 40 mW | 50 mW | 70 mW |
Polarization | Unpolarized | ||
Power Stability (Ambient Temperature ±2 °C) | <±1% Over 24 Hours (After 15 minute Warm Up) | ||
Relative Intensity Noise (RMS, 10 Hz - 1 MHz) | 0.05% (Typical) | ||
Output Fiber Type | SMF-28 Ultra or Equivalent | ||
Output Fiber Mode Field Diameter (Estimated) | 11 µm @ 1900 nm | ||
Output Fiber NA | 0.14 | ||
Output Fiber Connector | 2.0 mm Narrow Key FC/APC |
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生データはこちらからご覧いただけます。
ASE1900の標準的なPSDの中心波長は1870 nm(典型値)です。中心波長をわずかに長波長側または短波長側にシフトさせたカスタムユニットをご希望の場合は、当社までお問い合わせください。
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生データはこちらからご覧いただけます。
ASE1900には、L-I曲線(励起電流に対する光出力のテストデータ)を添付しております。このグラフは、励起用半導体レーザの駆動電流(お客様側で調整可能)とASEの光出力との関係を示しています。
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図1: ASE1900の前面パネル
Front Panel of the ASE1900 | |
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Callout | Description |
F1 | Control Knob |
F2 | Key-Lock Power Switch |
F3 | ASE Enable / Disable Button |
F4 | LED Indicator |
F5 | Single Mode Fiber Output via FC/APC Connector |
F6 | LCD with Backlight |
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図2: ASE1900のディスプレイ
ASEの発生
ASE1900はツリウム(Tm)が添加されたフッ化物ファイバをベースに設計されています。ツリウムは希土類元素で、特定の波長帯の光を吸収して別の波長帯の光を放出(発光)します。発振波長がツリウムの光吸収帯の1つに一致する高出力半導体レーザをTm添加ファイバの入射端に結合すると、Tmイオンは励起光を吸収し、その後より長い波長の光を放出します。この光を放出する波長帯の幅は約100 nmです。光励起したTm添加ファイバを2つの波長選択リフレクタの間に設置した場合、それによる狭帯域の光フィードバックによってレーザ発振が生じます。このレーザ光のスペクトル幅はTmの発光帯の幅よりもかなり狭くなりますが、これはレーザの発振線幅より外側のASEが抑制されるためです。当社のTm添加ファイバーレーザ は、この手法を用いています。ASE1900の場合は、ファイバの出力端側に光アイソレータが設置されています。これにより、発振を誘発する可能性のある光源への後方反射が最小限に抑えられ、結果として広帯域で高強度の出力スペクトルが得られます。このASE発光は時間的コヒーレンスが低いため、レーザと比べてスペックルが小さいという利点があります。また、空間的コヒーレンスが高いため、ビームを回折限界のスポットサイズまで集光できます。
コネクタのクリーニング
機器の前面パネル(図1参照)に接続する光パッチケーブルは、新たに接続する度に端面をクリーニングする必要があります。機器内部のファイバーコネクタの端面は、端面の汚れたファイバを接続すると簡単に損傷する場合があります。損傷した場合は弊社での修理が必要となりますので、製品をご返送いただくことになります。 こちらのベンチトップ型光源には、パッチケーブルのコネクタのクリーニング用に、ファイバークリーニングカードが付属します。 追加のコネクタ用クリーナが必要な場合は、別売りのファイバークリーニング用クロススプールFCC-7020をお使いください。もしくは、イソプロピルアルコールまたはメタノールに浸したリントフリー布もご使用いただけます。アセトンは使用しないでください。前面パネルのコネクタは、FBC250のような2.5 mmバルクヘッド用のクリーナでクリーニングできます。こちらを使用することで、ファイバ端面を内部のバルクヘッドアダプタから取り外さずにクリーニングできます。
ASE1900からの光出力の有効化
光出力を有効にするには、ASE1900のキースイッチ、ENABLEボタンおよびインターロックが適切に設定されている必要があります。 これらの操作箇所については「前面&背面パネル」タブをご覧ください。まず、キーを時計回りに回してユニットの電源を入れます。次に、ENABLEボタンを押して光出力を有効にします。前面パネルのLEDインジケータにより、動作状態を簡単に確認できます。ユニットが動作していない時は、LEDは消灯しています。ENEABLボタンを押すと、警告のためにLEDが3秒間点滅した後にASE光源の電源がONになります。ASE光源からの光出力が完全に有効になると、LEDは点灯したままになります。安全性を高めるために背面パネルにインターロックが付いており、光出力を有効にするにはこれを短絡しておく必要があります。インターロックピンは予め取り付けられた状態で出荷されますが、ピンを取り外し、実験室のドアが開くなどの危険な状況が発生した場合に光源が停止するようにインターロックポートを設定することも可能です。
液晶ディスプレイ(LCD)
図2はASE1900の前面パネルのLCDです。ディスプレイは4分割されており、左上には光源の種類(ASE)、右上には中心波長(およその値)が表示されています。左下には励起用半導体レーザの駆動電流、右下にはその温度が表示されています。
表示モード(viewing mode)では、ディスプレイに連続的に更新された温度と電流値が表示されます。調整モード(adjustment mode)では、ディスプレイの左側にあるコントロールノブを使用して電流と温度の設定値を変更できます。 調整モードにはタイムアウト時間が設定されており、ディスプレイは一定時間が過ぎると表示モードに戻ります。これはパラメータに対する誤操作を防ぐためです。タイムアウトになると、選択されている設定値に固定されます。
コントロールノブ
励起用半導体レーザの駆動電流および熱電冷却器の設定温度は、ASE1900の前面パネルにあるコントロールノブを用いて設定できます。コントロールノブにはインテリジェントな速度制御機能があり、パラメータの微調整と粗調整の両方が可能です。ノブをゆっくり回転させると、値は最大分解能で増加します。この値を増加させるステップサイズを大きくするには、ノブを早く回転させます。
励起用半導体レーザの電流調整(ASEの光出力の調整)
電流を調整する前に、ASE1900に付属するデータシートのL-Iグラフをご覧ください。このデータは、ASEの光出力が励起用半導体レーザの駆動電流に対してどのように変化するかを示しています。
電流を調整するには、まずコントロールノブを1回押します。すると、ディスプレイの左下に表示されている電流値が点滅し始めます。設定したい電流値が表示されるまでコントロールノブを回します。電流は工場でプログラムされた上限を超えて設定することはできません。ノブをもう1回押して温度調整モードにするか、ノブを2回押してディスプレイを表示モードに戻します。電流が新しい設定値に調整されると、電流の表示値はリアルタイムで更新されます。システムをシャットダウンしても、設定された電流値は記憶されています。
励起用半導体レーザの温度調整
工場で予めプログラムされた設定温度の初期値は、ASE光源が最適に動作して最大の光出力が得られるように設定されていますので、ご注意ください。この初期設定値はASE1900に付属するテストデータシートに記載されています。励起用半導体レーザの温度をこの最適値から変更すると、光出力が仕様値から大幅に低下する可能性があります。
温度を調整するには、ディスプレイが表示モードになっている場合はコントロールノブを2回押します。電流調整モードになっている場合は、コントロールノブを1回押します。すると、ディスプレイ右下の温度設定値が点滅します。コントロールノブを回転させて、温度設定値を20°C~30°Cの範囲で0.01 °Cの分解能で増加または減少させます。設定したい温度を選択したら、ノブを1回押して、ディスプレイを表示モードに戻します。システムは、通常、1分以内に新しい動作温度に安定化されます。
スタンバイモード
スタンバイモードでは、ASE光源は有効な状態で、半導体レーザは最小駆動電流で動作しています。システムは定電流で制御されているため、電流制御ループを保持するための最小限の電流が常に流れています。通常、出力光は非常に小さいか、または出力していない状態です。
スタンバイモードにするには、まずノブを1回押してディスプレイを表示モードから電流調整モードに切り替えます。励起用半導体レーザの駆動電流の設定値が最小値になるまで、ノブを反時計周りに回します。ノブを2回押して表示モードに切り替えるか、タイムアウトとなってディスプレイが表示モードに戻るまで待ちます。
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ASE1900の前面パネル
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ASE1900の背面パネル
Front Panel of the ASE1900 | |
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Callout | Description |
F1a | Control Knob |
F2b | Key-Lock Power Switch |
F3 | ASE Enable / Disable Button |
F4c | LED Indicator |
F5 | Single Mode Fiber Output via FC/APC Connector |
F6 | LCD with Backlight |
Back Panel of the ASE1900 | |
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Callout | Description |
B1a | Cooling Fan |
B2 | USB Type B Connector for Remote Control Interface with PC |
B3b | 2.5 mm Phono Jack for Interlock Input Remote Interlock Interlock Pin |
B4 | Fuse Tray |
B5 | AC Power Cord Connector |
リモートインターロック用入力端子
2.5 mmモノラルジャック
レーザの「ON」を有効にするためには、端子間を付属のプラグまたは外部スイッチのようなデバイスで短絡する必要があります。
USB
USB B型
コンピューターインターフェイス
ASE1900
- ベンチトップ型ASE光源
- テストデータシート
- ドライバの入ったUSBメモリスティック
- ファイバーコネクタ用クリーニングカード
- ファイバーバルクヘッドおよびコネクタ用クリーナFBC250
- キー(2個)
- 国内対応AC電源ケーブル
- 取扱説明書
レーザの安全性とクラス分類
レーザを取り扱う際には、安全に関わる器具や装置を適切に取扱い、使用することが重要です。ヒトの目は損傷しやすく、レーザ光のパワーレベルが非常に低い場合でも障害を引き起こします。当社では豊富な種類の安全に関わるアクセサリをご提供しており、そのような事故や負傷のリスクの低減にお使いいただけます。可視域から近赤外域のスペクトルでのレーザ発光がヒトの網膜に損傷を与えうるリスクは極めて高くなります。これはその帯域の光が目の角膜やレンズを透過し、レンズがレーザーエネルギを、網膜上に集束してしまうことがあるためです。
安全な作業および安全に関わるアクセサリ
- クラス3または4のレーザを取り扱う場合は、必ずレーザ用保護メガネを装着してください。
- 当社では、レーザのクラスにかかわらず、安全上無視できないパワーレベルのレーザ光線を取り扱う場合は、ネジ回しなどの金属製の器具が偶然に光の方向を変えて再び目に入ってしまうこともあるので、レーザ用保護メガネを必ずご使用いただくようにお勧めしております。
- 特定の波長に対応するように設計されたレーザ保護眼鏡は、装着者を想定外のレーザ反射から保護するために、レーザ装置付近では常に装着してください。
- レーザ保護眼鏡には、保護機能が有効な波長範囲およびその帯域での最小光学濃度が刻印されています。
- レーザ保護カーテンやレーザー安全保護用布は実験室内での高エネルギーレーザの遮光にご使用いただけます。
- 遮光用マテリアルは、直接光と反射光の両方を実験装置の領域に封じ込めて外に逃しません。
- 当社の筺体システムは、その内部に光学セットアップを収納し、レーザ光を封じ込めて危険性を最小限に抑えます。
- ピグテール付き半導体レーザは、他のファイバに接続、もしくは他のファイバとの接続を外す際には、レーザ出力をOFFにしてください。パワーレベルが10 mW以上の場合には特にご注意ください。
- いかなるビーム光も、テーブルの範囲で終端させる必要があります。また、レーザ使用中には、研究室の扉は必ず閉じていなければなりません。
- レーザ光の高さは、目線の高さに設定しないでください。
- 実験は光学テーブル上で、全てのレーザービームが水平を保って直進するように設定してください。
- ビーム光路の近くで作業する人は、光を反射する不要な装飾品やアクセサリ(指輪、時計など)をはずしてください。
- レンズや他の光学装置が、入射光の一部を、前面や背面で反射する場合がありますのでご注意ください。
- あらゆる作業において、レーザは必要最小限のパワーで動作するようにご留意ください。
- アライメントは、可能な限りレーザの出力パワーを低減して作業を行ってください。
- ビームパワーを抑えるためにビームシャッタや フィルタをお使いください。
- レーザのセットアップの近くや実験室には、適切なレーザ標識やラベルを掲示してください。
- クラス3Rやクラス4のレーザ(安全確保用のインターロックが必要となるレーザーレベルの場合)で作業する場合は、警告灯をご用意ください。
- ビームトラップの代用品としてレーザービュワーカードを使用したりしないでください。
レーザ製品のクラス分け
レーザ製品は、目などの損傷を引き起こす可能性に基づいてクラス分けされています。国際電気標準会議(The International Electrotechnical Commission 「IEC」)は、電気、電子工学技術関連分野の国際規格の策定および普及を行う国際機関で、IEC60825-1は、レーザ製品の安全性を規定するIEC規格です。レーザ製品のクラス分けは下記の通りです
Class | Description | Warning Label |
---|---|---|
1 | ビーム内観察用の光学機器の使用を含む、通常の条件下での使用において、安全とみなされているクラス。このクラスのレーザ製品は、通常の使用範囲内では、人体被害を及ぼすエネルギーレベルのレーザを発光することがないので、最大許容露光量(MPE)を超えることはありません。このクラス1のレーザ製品には、筐体等を開かない限り、作業者がレーザに露光することがないような、完全に囲われた高出力レーザも含まれます。 | |
1M | クラス1Mのレーザは、安全であるが、望遠鏡や顕微鏡と併用した場合は危険な製品になり得ます。この分類に入る製品からのレーザ光は、直径の大きな光や拡散光を発光し、ビーム径を小さくするために光を集束する光学素子やイメージング用の光学素子を使わない限り、通常はMPEを超えることはありません。しかし、光を再び集光した場合は被害が増大する可能性があるので、このクラスの製品であっても、別の分類となる場合があります。 | |
2 | クラス2のレーザ製品は、その出力が最大1 mWの可視域での連続放射光に限定されます。瞬目反射によって露光が0.25秒までに制限されるので、安全と判断されるクラスです。このクラスの光は、可視域(400~700 nm)に限定されます。 | |
2M | このクラスのレーザ製品のビーム光は、瞬目反射があるので、光学機器を通して見ない限り安全であると分類されています。このクラスは、レーザ光の半径が大きい場合や拡散光にも適用されます。 | |
3R | クラス3Rのレーザ製品は、直接および鏡面反射の観察条件下で危険な可視光および不可視光を発生します。特にレンズ等の光学機器を使用しているときにビームを直接見ると、目が損傷を受ける可能性があります。ビーム内観察が行われなければ、このクラスのレーザ製品は安全とみなされます。このクラスでは、MPE値を超える場合がありますが、被害のリスクレベルが低いクラスです。可視域の連続光のレーザの出力パワーは、このレベルでは5 mWまでとされています。 | |
3B | クラス3Bのレーザは、直接ビームを見た場合に危険なクラスです。拡散反射は通常は有害になることはありませんが、高出力のクラス3Bレーザを使用した場合、有害となる場合もあります。このクラスで装置を安全に操作するには、ビームを直接見る可能性のあるときにレーザ保護眼鏡を装着してください。このクラスのレーザ機器にはキースイッチと安全保護装置を設け、さらにレーザ安全表示を使用し、安全照明がONにならない限りレーザがONにならないようにすることが求められます。Class 3Bの上限に近いパワーを出力するレーザ製品は、やけどを引き起こすおそれもあります。 | |
4 | このクラスのレーザは、皮膚と目の両方に損傷を与える場合があり、これは拡散反射光でも起こりうるとみなされています。このような被害は、ビームが間接的に当たった場合や非鏡面反射でも起こることがあり、艶消し面での反射でも発生することがあります。このレベルのレーザ機器は細心の注意を持って扱われる必要があります。さらに、可燃性の材質を発火させることもあるので、火災のリスクもあるレーザであるとみなされています。クラス4のレーザには、キースイッチと安全保護装置が必要です。 | |
全てのクラス2以上のレーザ機器には、上記が規定する標識以外に、この三角の警告標識が表示されていなければいけません。 |
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