液晶偏光ローテーター


  • Smooth and Continuous Rotation of Linear Input Polarization
  • Compact Design with >1000:1 Extinction Ratio
  • 532 or 633 nm Design Wavelength Available from Stock
  • Custom Versions with Design Wavelengths from 400 to 1700 nm

LCR1-633

633 nm Polarization Rotator

LCR1-532

532 nm Polarization Rotator

Input Polarization

Output Polarization

KLC101

K-Cube® LC Controller

LCC25D

2-Channel
Benchtop LC Controller

Related Items


Please Wait
Item #LCR1-532LCR1-633
Operating Wavelength532 nm633 nm
Clear Aperture10 mm
Thickness9.4 mm
AR
Coating
Input SideRavg < 0.5% from 350 to 700 nm
Output SideR < 0.25% at
532 nm (V-Coat)
R < 0.25% at
633 nm (V-Coat)
Extinction Ratioa,b>1000:1
TWEcλ/4 at 635 nm
Surface Quality40-20 Scratch Dig
Angle of Incidence<1.5°
Rotation Angle-90° to +90° (>180° of Rotation)
Damage Threshold1.0 J/cm2 (532 nm, 10 Hz, 8 ns, Ø200 µm)
0.01 J/cm2 (532 nm, 100 Hz, 76 fs, Ø162 µm)
  • 出射光の消光比は入射光の消光比に依存します。よって出射光の偏波消光比が入射光よりも高くなることはありません。
  • ここにおける消光比(ER)は任意の偏光状態における透過率と、その偏光状態に直交する偏光状態における透過率の比と定義されます。
  • 透過波面誤差

特長

  • 入射の直線偏光の角度を180°以上にわたり連続回転
  • 消光比 >1000:1
  • 空気とガラスの界面にARコーティング
  • 532 nmまたは633 nmの動作波長対応品を標準品としてご用意
  • その他の波長もご提供可能(当社までお問い合わせください)

当社の液晶(LC)偏光ローテータは、機械的動作なしで直線偏光の入射光の偏光状態を180°以上にわたって連続回転させることができます。全回転範囲において、1000:1以上の消光比が保証されています。

液晶偏光ローテータは液晶可変リターダゼロオーダ1/4石英波長板で構成されています。液晶リターダのファスト軸と波長板のファスト軸の間の角度は45°に設定されています(Figure 1.1参照)。直線偏光を液晶セル側から偏光ローテータに入射させて液晶リターダを調整すると、出射偏光が回転します。入射光は直線偏光であることが条件となります。また、偏光方向をローテータの入射軸(筐体前面に刻印)にアライメントする必要があります。

全ての液晶偏光ローテータについて、出荷前に設計波長での検査を実施しています。各デバイスには、-90°~+90°(180°以上の回転)の出射回転角と制御電圧の関係を示したデータが付属しています。


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Figure 1.1  液晶偏光リターダの動作原理

動作原理
Figure 1.1のように、入射偏光は軸1または軸2のどちらかにアライメントしてください。この入射軸は筐体前面に刻印されています。入射光の偏光状態は液晶リターダのファストおよびスロー軸に対して45°となります。液晶リターダのファスト軸とスロー軸の位相差により、入射光は液晶リターダの軸に対して45°の方向の軸を持つ楕円偏光に変換されます。楕円率はファスト軸とスロー軸の位相差によって変化します。

1/4波長板の光学軸が液晶リターダの光学軸に対して45°となるように設定すると、液晶リターダから出射する楕円偏光は直線偏光に戻ります。これに対し、出射光の直線偏光回転角は液晶リターダによって発生した楕円率に依存します。

電圧コントローラ
液晶コントローラLCC25、LCC25DとKLC101は、AC電圧(0~25 Vrms)を印加しながら、アクティブにDCオフセットを補償します。DCオフセット補償機能によって、LCデバイス全体のDCバイアス状態を自動的にゼロに調整し、電荷の蓄積が生じないようにしています。

性能

当社の液晶偏光ローテータは、仕様の波長範囲で駆動するよう設計されています。各偏光ローテータの入射時の回転を0°(水平)に設定した際の、設計波長における偏光の回転データをご提供しています。また、出射光の偏波消光比(ER)の波長特性グラフがFigure 2.3~2.6でご覧いただけます。入射波長が設計波長から変化すると、出力光の消光比は小さくなります。このデータはローテータの2つの光学軸の測定値を示していますが、動作時にはどちらか一方のみ使用します。全ての試験は、液晶コントローラLCC25を使用し、入射側に偏光子LPVISE100-Aを配置、そして設計波長において実施しました。

LCR1-532の回転角度、消光比、 制御電圧

Polarization Rotation Angle
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Figure 2.1  こちらのデータでは入射偏光は0°(水平)としました。縦方向の点線は、90°、0°、-90°の制御電圧を示しています。
Polarization Rotator Extinction Ratio
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Figure 2.2  こちらのグラフは測定した楕円率から算出した消光比(ER)を示しています。ここではER = [tan(ellipticity)]-2です。 データは、入射偏光を0°に正確にアライメントし、LCR1-532の動作制御電圧の範囲全体にわたり消光比 > 1000:1となるようにして取得しました。
Polarization Rotator Extinction Ratio
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Figure 2.3  入射光の波長が設計波長からずれると、出射光の消光比は小さくなります。こちらのグラフで使用している各波長ごとの消光比は、それぞれの波長において達成しうる最小値です。

LCR1-633の回転角度、消光比、制御電圧

Polarization Rotation Angle
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Figure 2.4  こちらのデータでは入射偏光は0°(水平)としました。縦方向の点線は、180°、90°、0°、-90°の制御電圧を示しています。
Polarization Rotator Extinction Ratio
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Figure 2.5  こちらのグラフは測定した楕円率から算出した消光比(ER)を示しています。ここではER = [tan(ellipticity)]-2です。データは、入射偏光を0°に正確にアライメントし、LCR1-633の動作制御電圧の範囲全体にわたり消光比 > 1000:1となるようにして取得しました。
Polarization Rotator Extinction Ratio
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Figure 2.6  入射光の波長が設計波長からずれると、出射光の消光比は小さくなります。こちらのグラフで使用している各波長ごとの消光比は、それぞれの波長において達成しうる最小値です。

 

入射角
こちらの液晶偏光ローテータは入射角(AOI)の変動に敏感です。Figure 2.7と2.8では、入射角が出力光の回転に与える影響を示しています:出力光の偏光回転角度の変化を3°以下に抑えるためには、AOI<±1°が必要になります。

Polarization Rotator Offset
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Figure 2.7  入射角が-8°~8°まで変化した際の偏光の回転角度の変化。ローテータは入射角が0°の時、入射偏光と平行な出射偏光を生成するように設定されています。
Polarization Rotator Offset
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Figure 2.8  入射角が-8°~8°まで変化した際の偏光の回転角度の変化。ローテータは入射角が0°の時、入射偏光と平行な出射偏光を生成するように設定されています。

 

透過率
デバイスの透過率向上のため、LCR1-532およびLCR1-633の片面(350~700 nmにおいてRavg<0.5%)に広帯域ARコーティング、もう一方の片面(設計波長範囲においてR<0.25%)に設計波長のVコーティングを施しています。Figure 2.9と2.10では2種類のローテータの透過率波長特性を示しています(典型値)。

Polarization Rotator Transmission
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Figure 2.9  偏光ローテータLCR1-532の透過率(典型値)
Polarization Rotator Transmission
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Figure 2.10  偏光ローテータLCR1-633の透過率(典型値)

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Figure 3.1  23°CにおけるLCR1-532の切り替え時間の測定値。90度から0度、90度から-90度、0度から-90度の切換え時間は、色を変えて表示しています。実線は立下り時間、点線は立ち上がり時間を示しています。

液晶偏光ローテータの切り替え時間

液晶偏光ローテータの特長は、メカニカルな可変波長板と比べて可動部がないため切り替え時間が短いことです。液晶偏光ローテータの切り替え時間はいくつかの要因に依存しますが、製造工程や使い方により制御できる場合があります。Figure 3.1では偏光ローテータの切り替え時間の例を示しています。

一般的に、液晶偏光ローテータを高い駆動電圧で使用した方が、低い駆動電圧で使用するよりも切り替え時間が早くなります。また、液晶偏光ローテータを2つの電圧値の間で切り替えた場合、立ち下がり時間(低電圧から高電圧へ)は、立ち上がり時間(高電圧から低電圧へ)よりも短くなります。

また、切り替え速度は材料の粘度にも影響を受けますが、その影響は液晶材料の温度に依存します。Table 3.2と3.3に示されているように、液晶偏光ローテータを加熱することで切り替え速度は約2倍速くなります。当社の標準的な液晶偏光ローテータは、最高温度45 °Cでも動作するように設計されており、この温度においてもリターダンスの仕様値は維持できます。高速な動作が必要な場合、偏光ローテータは70 °Cまで動作しますが、この温度ではリターダンスの最大値は低くなります。

切り替え速度は液晶偏光ローテータの厚さ、液晶材料の回転粘度、誘電異方性にも関連しています。これらの要因は液晶偏光ローテータの速度以外の動作パラメータに影響を与えます。当社の液晶偏光ローテータでは、切り替え時間に重点を置きながらも全体の性能を最適化しています。高速な液晶ローテータだけでなく、その他のパラメータを最適化したカスタム仕様やOEM用の液晶偏光ローテータもご提供しています。詳細は「カスタムローテータ」タブをご覧いただくか、当社までお問い合わせください。

切り替え時間
こちらでは、3種類の回転角度および4種類の温度におけるローテータの切り替え時間(典型値)を掲載しています。

Table 3.2  LCR1-532 Switching Times
Switching ModeV1V2TemperatureRise TimeaFall Timeb
90° and 0°0.99 V1.56 V23 °C85.00 ms73.75 ms
45 °C79.75 ms43.70 ms
60 °C77.25 ms33.25 ms
70 °C78.00 ms26.75 ms
90° and -90°0.99 V2.67 V23 °C81.75 ms21.25 ms
45 °C66.00 ms8.25 ms
60 °C65.75 ms8.25 ms
70 °C64.25 ms5.25 ms
0° and -90°1.56 V2.67 V23 °C37.25 ms15.00 ms
45 °C33.50 ms5.00 ms
60 °C25.25 ms5.50 ms
70 °C22.00 ms4.75 ms
  • 高電圧から低電圧へ変化するまでの時間
  • 低電圧から高電圧へ変化するまでの時間
Table 3.3  LCR1-633 Switching Times
Switching ModeV1V2TemperatureRise TimeaFall Timeb
90° and 0°1.28 V1.68 V23 °C122.00 ms103.00 ms
45 °C118.50 ms66.50 ms
60 °C108.25 ms51.50 ms
70 °C78.50 ms39.25 ms
90° and -90°1.28 V2.71 V23 °C130.75 ms31.75 ms
45 °C108.50 ms14.00 ms
60 °C88.00 ms8.75 ms
70 °C83.25 ms5.75 ms
0° and -90°1.58 V2.71 V23 °C75.25 ms25.25 ms
45 °C56.25 ms10.25 ms
60 °C42.75 ms4.75 ms
70 °C40.25 ms11.00 ms
  • 高電圧から低電圧へ変化するまでの時間
  • 低電圧から高電圧へ変化するまでの時間

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Figure 4.1  液晶偏光ローテータは、直交する偏光子を用いてこのタブ内に記載されている手順でアライメントしてください。

アライメント

液晶偏光ローテータの軸を正確にアライメントするために、ローテータを適切な回転マウント(RSP1/MまたはCRM1PT/Mをお勧めいたします)に取り付けます。次に、直交する1対の直線偏光子を透過するビームの透過率を測定するためのディテクタまたはパワーメータをセットします。入射偏光の偏波消光比は1000:1以上が必要です。以下の手順で液晶ローテータを精密にアライメントしてください。

  1. 液晶偏光ローテータを2つの直交する偏光子の間に設置し、入射偏光軸を前段の偏光子の透過軸におおよそ合わせます。
  2. LCC25またはKLC101(もしくは同等品)を用いて、電圧を印加し、液晶ローテータの回転が0°になるように調整します(各パッケージに付属するレポートをご参照ください)。
  3. 回転マウントを用いて、透過光の強度が最も低くなるまでゆっくりと液晶偏光ローテータを回転させます。制御電圧を微調整して透過光の強度をさらに減少させます。
  4. 液晶ローテータの光学軸が前段の直線偏光子に正しく確実にアライメンされるまで、手順3を最低3回は繰り返してください。
  5. 後段の直線偏光子とパワーメータを取り除きます。これで偏光ローテータを使用する準備が整いました。
LC Rolling
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Figure 5.1  液晶セルの封止
LC Filling
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Figure 5.2  真空チャンバ内でのカスタム液晶の注入
Liquid Crystal Cell Test Result
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Figure 5.4  カスタム液晶セルの試験結果

カスタム製造

当社では、連続回転角度>180°、開口Ø10 mmの標準的な液晶(LC)偏光ローテータ以外にも、カスタム仕様やOEM用のローテータもご提供しています。回転範囲、コーティング、温度安定化、サイズなど、多様な光学設計に対応するカスタマイズが可能です 空の液晶セル、液晶可変リターダ、ノイズ減衰器のような、ローテータ以外のカスタム液晶デバイスもご提供できます。カスタム液晶デバイスのご注文については、当社までお問い合わせください。

カスタム製品の場合、お客様から詳細を伺い、仕様や特性を設計します。その後、設計と実現性の両方を考慮し、カスタム製品を高い水準の品質を保ちながらタイムリに製造いたします。

液晶偏光ローテータの製造

  • ガラス基板に配向膜をコーティング:ガラス基板にポリイミド(PI)溶液をスピンコートします。そして、基板上のPI溶液が配向膜となるために、コーティングされた基板を250 °Cで加熱します。
  • ラビング: 配向膜に機械的なラビングを施します。ラビング布のマイクロファイバが配向膜の表面に微細な傷をつけ、アライメント方向および液晶分子のプレチルト角を決定づけます。
  • ガラス基板に封止枠を作成:スペーサ粒子と混合した熱硬化性封止剤を開口部の縁につけます。これにより、液晶(LC)セル間距離が決まります。
  • ガラス基板の接合および封止剤の硬化:2つのガラス基板によりセルを構成し、熱硬化性封止剤を熱硬化させます。
  • 液晶をセルに注入:真空チャンバ内で空のセルに液晶を注入します。その際、液晶内に気泡や埃が混入しないようにします。封止枠の開口部分を接着剤で封止します。
  • リターダンスvs.電圧の均一性試験:液晶の電圧-リターダンス(RV)特性の試験を実施します。
  • 1/4石英波長板を液晶セルに接着して偏光ローテータが完成します。補償板のファスト軸と液晶リターダのファスト軸の角度は45°となっています。
  • 回転vs.制御電圧ならびに消光比 vs.制御電圧の最終試験:各ローテータについて、電圧毎の回転および消光比(ER)特性の試験を実施します。テスト結果は記録されて製品に付属します。
  • 筐体内への取り付けと回路のキャリブレーション(回路がある場合):液晶偏光ローテータを筐体に取り付けます。このローテータは当社の25.4 mm(1インチ)または50.8 mm(2インチ)マウントに取り付け可能です。駆動回路の筐体内への取り付けてキャリブレーションすることも可能です。
Table 5.3  Polarization Rotator Customization Options
FeatureSpecification
Rotator Thickness
(without Mechanical Housing)
4 - 12 mm
Operating Wavelength400 - 2020 nm
Continuous Rotation Range0° - 1800°
AR CoatingWavelengths from 400 to 2020 nm
Clear Aperture≤Ø2"
Other FeaturesMechanical Housing
Phase Compensator
Temperature Control
Integrated Control Unit

カスタマイズについて
Table 5.3では、液晶偏光ローテータのカスタマイズ可能な特性について記載しています。表に記載されていない仕様項目のカスタマイズについては、当社までお問い合わせください。

薄いガラス基板を使用することで液晶セルをよりコンパクトにできますが、その場合、セルが曲がりやすくなってしまいます。従って、均一なリターダンスを安定的に得るためには、厚めのガラス基板をご使用いただくことをお勧めいたします。

液晶リターダのカスタマイズについてご希望がございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。

Table 6.1  Damage Threshold Specifications
Item #Laser TypeDamage Threshold
LCR1-532Pulsed (ns)1.0 J/cm2 (532 nm, 10 Hz, 8 ns, Ø200 µm)
Pulsed (fs)0.01 J/cm2 (532 nm, 100 Hz, 76 fs, Ø162 µm)
LCR1-633Pulsed (ns)1.0 J/cm2 (532 nm, 10 Hz, 8 ns, Ø200 µm)
Pulsed (fs)0.01 J/cm2 (532 nm, 100 Hz, 76 fs, Ø162 µm)

当社の液晶偏光ローテータの損傷閾値データ

Table 6.1の仕様は当社の液晶偏光ローテータの測定データです。

 

レーザによる損傷閾値について

このチュートリアルでは、レーザ損傷閾値がどのように測定され、使用する用途に適切な光学素子の決定にその値をどのようにご利用いただけるかを総括しています。お客様のアプリケーションにおいて、光学素子を選択する際、光学素子のレーザによる損傷閾値(Laser Induced Damage Threshold :LIDT)を知ることが重要です。光学素子のLIDTはお客様が使用するレーザの種類に大きく依存します。連続(CW)レーザは、通常、吸収(コーティングまたは基板における)によって発生する熱によって損傷を引き起こします。一方、パルスレーザは熱的損傷が起こる前に、光学素子の格子構造から電子が引き剥がされることによって損傷を受けます。ここで示すガイドラインは、室温で新品の光学素子を前提としています(つまり、スクラッチ&ディグ仕様内、表面の汚染がないなど)。光学素子の表面に塵などの粒子が付くと、低い閾値で損傷を受ける可能性があります。そのため、光学素子の表面をきれいで埃のない状態に保つことをお勧めします。光学素子のクリーニングについては「光学素子クリーニングチュートリアル」をご参照ください。

テスト方法

当社のLIDTテストは、ISO/DIS 11254およびISO 21254に準拠しています。

初めに、低パワー/エネルギのビームを光学素子に入射します。その光学素子の10ヶ所に1回ずつ、設定した時間(CW)またはパルス数(決められたprf)、レーザを照射します。レーザを照射した後、倍率約100倍の顕微鏡を用いた検査で確認し、すべての確認できる損傷を調べます。特定のパワー/エネルギで損傷のあった場所の数を記録します。次に、そのパワー/エネルギを増やすか減らすかして、光学素子にさらに10ヶ所レーザを照射します。このプロセスを損傷が観測されるまで繰返します。損傷閾値は、光学素子が損傷に耐える、損傷が起こらない最大のパワー/エネルギになります。1つのミラーBB1-E02の試験結果はFigure 37Bのようなヒストグラムになります。

LIDT metallic mirror
Figure 37A  写真はアルミニウムをコーティングしたミラーでLIDTテストを終えたものです。このテストは、損傷を受ける前のレーザのエネルギは0.43 J/cm2 (1064 nm、10 ns pulse、 10 Hz、Ø1.000 mm)でした。
LIDT BB1-E02
Figure 37B  ミラーBB1-E02のLIDTを決定するために使用した露光のヒストグラム(例)
Table 37C  Example Test Data
Fluence# of Tested LocationsLocations with DamageLocations Without Damage
1.50 J/cm210010
1.75 J/cm210010
2.00 J/cm210010
2.25 J/cm21019
3.00 J/cm21019
5.00 J/cm21091

試験結果によれば、ミラーの損傷閾値は 2.00 J/cm2 (532 nm、10 ns pulse、10 Hz、 Ø0.803 mm)でした。尚、汚れや汚染によって光学素子の損傷閾値は大幅に低減されるため、こちらの試験はクリーンな光学素子で行っています。また、特定のロットのコーティングに対してのみ試験を行った結果ではありますが、当社の損傷閾値の仕様は様々な因子を考慮して、実測した値よりも低めに設定されており、全てのコーティングロットに対して適用されています。

CWレーザと長パルスレーザ

光学素子がCWレーザによって損傷を受けるのは、通常バルク材料がレーザのエネルギを吸収することによって引き起こされる溶解、あるいはAR(反射防止)コーティングのダメージによるものです[1]。1 µsを超える長いパルスレーザについてLIDTを論じる時は、CWレーザと同様に扱うことができます。

パルス長が1 nsと1 µs の間のときは、損傷は吸収、もしくは絶縁破壊のどちらかで発生していると考えることができます(CWとパルスのLIDT両方を調べなければなりません)。吸収は光学素子の固有特性によるものか、表面の不均一性によるものかのどちらかによって起こります。従って、LIDTは製造元の仕様以上の表面の質を有する光学素子にのみ有効です。多くの光学素子は、ハイパワーCWレーザで扱うことができる一方、アクロマティック複レンズのような接合レンズやNDフィルタのような高吸収光学素子は低いCWレーザ損傷閾値になる傾向にあります。このような低い損傷閾値は接着剤や金属コーティングにおける吸収や散乱によるものです。

Linear Power Density Scaling

Figure 37D  線形パワー密度におけるLIDTに対するパルス長とスポットサイズ。長パルス~CWでは線形パワー密度はスポットサイズにかかわらず一定です。 このグラフの出典は[1]です。

Intensity Distribution
Figure 37E  均一ビームとガウシアンビームの強度分布プロファイル

繰返し周波数(prf)の高いパルスレーザは、光学素子に熱的損傷も引き起こします。この場合は吸収や熱拡散率のような因子が深く関係しており、残念ながらprfの高いレーザが熱的影響によって光学素子に損傷を引き起こす場合の信頼性のあるLIDTを求める方法は確立されておりません。prfの大きいビームでは、平均出力およびピークパワーの両方を等しいCW出力と比較する必要があります。また、非常に透過率の高い材料では、prfが上昇してもLIDTの減少は皆無かそれに近くなります。

ある光学素子の固有のCWレーザの損傷閾値を使う場合には、以下のことを知る必要があります。

  1. レーザの波長
  2. ビーム径(1/e2)
  3. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)
  4. レーザのパワー密度(トータルパワーをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)

ビームのパワー密度はW/cmの単位で計算します。この条件下では、出力密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません(Figure 37D参照)。平均線形パワー密度は、下の計算式で算出できます。

ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。次に、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときはビームの強度が1/e2の2倍のパワー密度を有します(Figure 37E参照)。

次に、光学素子のLIDTの仕様の最大パワー密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です。おおよその目安として参考にできるのは、損傷閾値は波長に対して比例関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(つまり、1310 nmで10 W/cmのLIDTならば、655 nmでは5 W/cmと見積もります)。

CW Wavelength Scaling

この目安は一般的な傾向ですが、LIDTと波長の関係を定量的に示すものではありません。例えば、CW用途では、損傷はコーティングや基板の吸収によってより大きく変化し、必ずしも一般的な傾向通りとはなりません。上記の傾向はLIDT値の目安として参考にしていただけますが、LIDTの仕様波長と異なる場合には当社までお問い合わせください。パワー密度が光学素子の補正済みLIDTよりも小さい場合、この光学素子は目的の用途にご使用いただけます。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社は個別の情報やテスト結果の証明書を発行することもできます。損傷解析は、類似した光学素子を用いて行います(お客様の光学素子には損傷は与えません)。試験の費用や所要時間などの詳細は、当社までお問い合わせください。

パルスレーザ

先に述べたように、通常、パルスレーザはCWレーザとは異なるタイプの損傷を光学素子に引き起こします。パルスレーザは損傷を与えるほど光学素子を加熱しませんが、光学素子から電子をひきはがします。残念ながら、お客様のレーザに対して光学素子のLIDTの仕様を照らし合わせることは非常に困難です。パルスレーザのパルス幅に起因する光学素子の損傷には、複数の形態があります。Table 37Fのハイライトされた列は当社の仕様のLIDT値が当てはまるパルス幅に対する概要です。

パルス幅が10-9 sより短いパルスについては、当社の仕様のLIDT値と比較することは困難です。この超短パルスでは、多光子アバランシェ電離などのさまざまなメカニクスが損傷機構の主流になります[2]。対照的に、パルス幅が10-7 sと10-4 sの間のパルスは絶縁破壊、または熱的影響により光学素子の損傷を引き起こすと考えられます。これは、光学素子がお客様の用途に適しているかどうかを決定するために、レーザービームに対してCWとパルス両方による損傷閾値を参照しなくてはならないということです。

Table 37F  Laser Induced Damage Regimes
Pulse Durationt < 10-9 s10-9 < t < 10-7 s10-7 < t < 10-4 st > 10-4 s
Damage MechanismAvalanche IonizationDielectric BreakdownDielectric Breakdown or ThermalThermal
Relevant Damage SpecificationNo Comparison (See Above)PulsedPulsed and CWCW

お客様のパルスレーザに対してLIDTを比較する際は、以下のことを確認いただくことが重要です。

Energy Density Scaling

Figure 37G  エネルギ密度におけるLIDTに対するパルス長&スポットサイズ。短パルスでは、エネルギ密度はスポットサイズにかかわらず一定です。このグラフの出典は[1]です。

  1. レーザの波長
  2. ビームのエネルギ密度(トータルエネルギをビームの強度が1/e2の範囲の面積で割ったもの)
  3. レーザのパルス幅
  4. パルスの繰返周波数(prf)
  5. 実際に使用するビーム径(1/e2 )
  6. ビームのおおよその強度プロファイル(ガウシアン型など)

ビームのエネルギ密度はJ/cm2の単位で計算します。Figure 37Gは、短パルス光源には、エネルギ密度が適した測定量であることを示しています。この条件下では、エネルギ密度はスポットサイズとは無関係になります。つまり、スポットサイズの変化に合わせてLIDTを計算し直す必要がありません。ここでは、ビーム強度プロファイルは一定であると仮定しています。ここで、ビームがホットスポット、または他の不均一な強度プロファイルの場合を考慮して、おおよその最大パワー密度を計算する必要があります。ご参考までに、ガウシアンビームのときは一般にビームの強度が1/e2のときの2倍のパワー密度を有します。

次に、光学素子のLIDTの仕様と最大エネルギ密度を比較しましょう。損傷閾値の測定波長が光学素子に使用する波長と異なっている場合には、その損傷閾値は適宜補正が必要です[3]。経験則から、損傷閾値は波長に対して以下のような平方根の関係であるということです。短い波長で使う場合、損傷閾値は低下します(例えば、1064 nmで 1 J/cm2のLIDTならば、532 nmでは0.7 J/cm2と計算されます)。

Pulse Wavelength Scaling

 

波長を補正したエネルギ密度を得ました。これを以下のステップで使用します。

ビーム径は損傷閾値を比較する時にも重要です。LIDTがJ/cm2の単位で表される場合、スポットサイズとは無関係になりますが、ビームサイズが大きい場合、LIDTの不一致を引き起こす原因でもある不具合が、より明らかになる傾向があります[4]。ここで示されているデータでは、LIDTの測定には<1 mmのビーム径が用いられています。ビーム径が5 mmよりも大きい場合、前述のようにビームのサイズが大きいほど不具合の影響が大きくなるため、LIDT (J/cm2)はビーム径とは無関係にはなりません。

次に、パルス幅について補正します。パルス幅が長くなるほど、より大きなエネルギに光学素子は耐えることができます。パルス幅が1~100 nsの場合の近似式は以下のようになります。

Pulse Length Scaling

お客様のレーザのパルス幅をもとに、光学素子の補正されたLIDTを計算するのにこの計算式を使います。お客様の最大エネルギ密度が、この補正したエネルギ密度よりも小さい場合、その光学素子はお客様の用途でご使用いただけます。ご注意いただきたい点は、10-9 s と10-7 sの間のパルスにのみこの計算が使えることです。パルス幅が10-7 sと10-4 sの間の場合には、CWのLIDTも調べなければなりません。

当社のウェブ上の損傷閾値の仕様と我々が行った実際の実験の値の間にはある程度の差があります。これはロット間の違いによって発生する誤差を許容するためです。ご要求に応じて、当社では個別のテスト情報やテスト結果の証明書を発行することも可能です。詳細は、当社までお問い合わせください。


[1] R. M. Wood, Optics and Laser Tech. 29, 517 (1998).
[2] Roger M. Wood, Laser-Induced Damage of Optical Materials (Institute of Physics Publishing, Philadelphia, PA, 2003).
[3] C. W. Carr et al., Phys. Rev. Lett. 91, 127402 (2003).
[4] N. Bloembergen, Appl. Opt. 12, 661 (1973).

レーザーシステムが光学素子に損傷を引き起こすかどうか判断するプロセスを説明するために、レーザによって引き起こされる損傷閾値(LIDT)の計算例をいくつかご紹介します。同様の計算を実行したい場合には、右のボタンをクリックしてください。計算ができるスプレッドシートをダウンロードいただけます。ご使用の際には光学素子のLIDTの値と、レーザーシステムの関連パラメータを緑の枠内に入力してください。スプレッドシートでCWならびにパルスの線形パワー密度、ならびにパルスのエネルギ密度を計算できます。これらの値はスケーリング則に基づいて、光学素子のLIDTの調整スケール値を計算するのに用いられます。計算式はガウシアンビームのプロファイルを想定しているため、ほかのビーム形状(均一ビームなど)には補正係数を導入する必要があります。 LIDTのスケーリング則は経験則に基づいていますので、確度は保証されません。なお、光学素子やコーティングに吸収があると、スペクトル領域によってLIDTが著しく低くなる場合があります。LIDTはパルス幅が1ナノ秒(ns)未満の超短パルスには有効ではありません。

Intensity Distribution
Figure 71A  ガウシアンビームの最大強度は均一ビームの約2倍です。

CWレーザの例
波長1319 nm、ビーム径(1/e2)10 mm、パワー0.5 Wのガウシアンビームを生成するCWレーザーシステム想定します。このビームの平均線形パワー密度は、全パワーをビーム径で単純に割ると0.5 W/cmとなります。

CW Wavelength Scaling

しかし、ガウシアンビームの最大パワー密度は均一ビームの約2倍です(Figure 71A参照)。従って、システムのより正確な最大線形パワー密度は1 W/cmとなります。

アクロマティック複レンズAC127-030-CのCW LIDTは、1550 nmでテストされて350 W/cmとされています。CWの損傷閾値は通常レーザ光源の波長に直接スケーリングするため、LIDTの調整値は以下のように求められます。

CW Wavelength Scaling

LIDTの調整値は350 W/cm x (1319 nm / 1550 nm) = 298 W/cmと得られ、計算したレーザーシステムのパワー密度よりも大幅に高いため、この複レンズをこの用途に使用しても安全です。

ナノ秒パルスレーザの例:パルス幅が異なる場合のスケーリング
出力が繰返し周波数10 Hz、波長355 nm、エネルギ1 J、パルス幅2 ns、ビーム径(1/e2)1.9 cmのガウシアンビームであるNd:YAGパルスレーザーシステムを想定します。各パルスの平均エネルギ密度は、パルスエネルギをビームの断面積で割って求めます。

Pulse Energy Density

上で説明したように、ガウシアンビームの最大エネルギ密度は平均エネルギ密度の約2倍です。よって、このビームの最大エネルギ密度は約0.7 J/cm2です。

このビームのエネルギ密度を、広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDT 1 J/cm2、そしてNd:YAGレーザーラインミラーNB1-K08のLIDT 3.5 J/cm2と比較します。LIDTの値は両方とも、波長355 nm、パルス幅10 ns、繰返し周波数10 Hzのレーザで計測しました。従って、より短いパルス幅に対する調整を行う必要があります。 1つ前のタブで説明したようにナノ秒パルスシステムのLIDTは、パルス幅の平方根にスケーリングします:

Pulse Length Scaling

この調整係数により広帯域誘電体ミラーBB1-E01のLIDTは0.45 J/cm2に、Nd:YAGレーザーラインミラーのLIDTは1.6 J/cm2になり、これらをビームの最大エネルギ密度0.7 J/cm2と比較します。広帯域ミラーはレーザによって損傷を受ける可能性があり、より特化されたレーザーラインミラーがこのシステムには適していることが分かります。

ナノ秒パルスレーザの例:波長が異なる場合のスケーリング
波長1064 nm、繰返し周波数2.5 Hz、パルスエネルギ100 mJ、パルス幅10 ns、ビーム径(1/e2)16 mmのレーザ光を、NDフィルタで減衰させるようなパルスレーザーシステムを想定します。これらの数値からガウシアン出力における最大エネルギ密度は0.1 J/cm2になります。Ø25 mm、OD 1.0の反射型NDフィルタ NDUV10Aの損傷閾値は355 nm、10 nsのパルスにおいて0.05 J/cm2で、同様の吸収型フィルタ NE10Aの損傷閾値は532 nm、10 nsのパルスにおいて10 J/cm2です。1つ前のタブで説明したように光学素子のLIDTは、ナノ秒パルス領域では波長の平方根にスケーリングします。

Pulse Wavelength Scaling

スケーリングによりLIDTの調整値は反射型フィルタでは0.08 J/cm2、吸収型フィルタでは14 J/cm2となります。このケースでは吸収型フィルタが光学損傷を防ぐには適した選択肢となります。

マイクロ秒パルスレーザの例
パルス幅1 µs、パルスエネルギ150 µJ、繰返し周波数50 kHzで、結果的にデューティーサイクルが5%になるレーザーシステムについて考えてみます。このシステムはCWとパルスレーザの間の領域にあり、どちらのメカニズムでも光学素子に損傷を招く可能性があります。レーザーシステムの安全な動作のためにはCWとパルス両方のLIDTをレーザーシステムの特性と比較する必要があります。

この比較的長いパルス幅のレーザが、波長980 nm、ビーム径(1/e2)12.7 mmのガウシアンビームであった場合、線形パワー密度は5.9 W/cm、1パルスのエネルギ密度は1.2 x 10-4 J/cm2となります。これをポリマーゼロオーダ1/4波長板WPQ10E-980のLIDTと比較してみます。CW放射に対するLIDTは810 nmで5 W/cm、10 nsパルスのLIDTは810 nmで5 J/cm2です。前述同様、光学素子のCW LIDTはレーザ波長と線形にスケーリングするので、CWの調整値は980 nmで6 W/cmとなります。一方でパルスのLIDTはレーザ波長の平方根とパルス幅の平方根にスケーリングしますので、1 µsパルスの980 nmでの調整値は55 J/cm2です。光学素子のパルスのLIDTはパルスレーザのエネルギ密度よりはるかに大きいので、個々のパルスが波長板を損傷することはありません。しかしレーザの平均線形パワー密度が大きいため、高出力CWビームのように光学素子に熱的損傷を引き起こす可能性があります。

KLC101ソフトウェア

バージョン1.0.0

PCを介して液晶コントローラKLC101を制御するためのGUIインターフェイス。ダウンロードするには下記のボタンをクリックしてください。

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LCC25Dソフトウェア

バージョン1.0.0

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LCC25ソフトウェア

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液晶偏光ローテータ

Polarization Rotator
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Figure G1.1  偏光ローテータを回転マウントRSP1(/M)に取り付けることでアライメントが容易になります。
  • 対応波長:532 nm、633 nm
  • 開口:Ø10 mm
  • 外径:Ø25.4 mm(Ø1インチ)

開口Ø10 mmの液晶(LC)偏光ローテータをご用意しています。対応する波長は532 nmおよび633 nmです。入射光の偏光軸はローテータ筐体の前面に刻印されている線に合わせてください。ローテータには長さ約930 mmのBNCケーブルが付いており、LCC25やLCC25D、KLC101(下記参照)などのドライバに接続できます。リターダの外径は25.4 mm(1インチ)で、ポスト取付け用回転マウントRSP1/M30 mmケージシステム用回転マウントCRM1PT/Mのような、厚さ9.4 mmの光学素子に対応したØ25 mm~Ø25.4 mm(Ø1インチ)光学マウントに取り付け可能です。

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
LCR1-532 Support Documentation
LCR1-532液晶偏光ローテータ、532 nm
¥187,795
Lead Time
LCR1-633 Support Documentation
LCR1-633液晶偏光ローテータ、633 nm
¥187,795
7-10 Days

液晶用コントローラ

  • 矩形波出力電圧:0~±25 VAC
    • LCC25: 2000 ± 5 Hz
    • LCC25D、KLC101: 500 Hz~10 kHzで調整可能
  • 矩形波の出力振幅の変調は内部および外部から制御可能
  • デバイスのパネルまたはPC制御により設定が編集可能

液晶コントローラLCC25、LCC25D、KLC101は当社の液晶セル、液晶ローテータ、液晶リターダ(コントローラ内蔵のLCC2415-VISを除く)への電圧供給用に設計されています。各コントローラは矩形波のAC電圧を出力し、振幅は0 VRMS~±25 VRMSで調整可能です。あらゆるDCオフセットを自動的に検出し、リアルタイムで±10 mV内に補正できるため、液晶デバイスの寿命の長期化に役立ちます。

ベンチトップ型コントローラLCC25
液晶コントローラLCC25は、2000 Hzの矩形波AC電圧を出力します。振幅は前面パネルの操作、0~5 VDC TTLの外部トリガ入力、またはUSBインターフェイスを介して設定可能です。LCC25を定電圧モードで動作させた場合、設定された振幅におけるコントローラの出力は、2000 Hzの矩形波となります。また、変調モードにおいて2000 Hz矩形波出力の振幅は、内部制御による周波数(0.5 Hz~150 Hz、Figure 1.2の下参照)、あるいは0~5 V TTLの外部入力信号 (0.5 Hz~500 Hz)のトリガで、電圧1と電圧2で切り替わります。変調モードでは、接続されたLCリターダの応答時間を測定することも可能です。コントローラLCC25のソフトウェアパッケージでは、ユーザが開始電圧、終了電圧、電圧ステップサイズ、そして滞在時間を指定することにより電圧シーケンスを定義することもできます。

ベンチトップ型コントローラLCC25D
液晶コントローラLCC25D LCは、矩形波AC電圧を出力します。振幅と周波数(500 Hz~10 kHz)は、前面パネルの操作、0~5 VDC TTLの外部トリガ入力、USBインターフェイスまたはイーサネットインターフェイスを介して設定可能です。「V1」または「V2」モードでの動作時、出力信号は定常RMS電圧振幅のAC矩形波となります。「スイッチ」モードでは、出力信号はAC矩形波となり、内部で設定された周波数(0.5 Hz~150 Hz)または0~5 V TTLの外部トリガ入力された周波数(0.1 Hz~150 Hz)により、電圧1と電圧2に現在設定されている値の間でRMS電圧レベルが切り替わります。「スイッチ」モードを使用して、接続されたLCリターダの応答時間を測定することもできます。

コントローラLCC25Dでは合計4つの電圧設定が可能で、4種類の出力電圧をサイクル内で切り替えることができます。また、温度安定化LCデバイス向けに、最大設定値である50 °C(分解能0.1°C)での加熱機能も有しています。

コントローラLCC25およびLCC25Dのソフトウェアパッケージでは、ユーザが開始電圧、終了電圧、電圧ステップサイズ、維持時間を指定することにより電圧シーケンスを定義することもできます。コントローラの機能について詳細はこちらのベンチトップ型液晶コントローラの製品ページをご覧ください。

K-Cube®コントローラKLC101
液晶コントローラK-Cube®KLC101は当社の小型コントローラのラインナップの1つです。ユーザ設定の周波数(500 Hz~10 kHz)の矩形波AC出力電圧を供給する、コンパクトサイズのコントローラです。また、コントローラの上面パネル、ソフトウェア、またはトリガーポートによりカスタマイズされた出力電圧や周波数シーケンスを作成することができます。プリセットされた2つの値の切り替え速度は、上面のコントロールパネルまたはソフトウェアを使用して、0.1~150 Hzで設定可能です。このモード時、トリガーポートの1つが5 Vロジック信号を出力し、電圧を切り替えるタイミングを示します。または、トリガーポートを5 Vロジック信号の入力に使用してプリセットされた電圧間で切り替えを行うことができます。ソフトウェアではシーケンス(Sequence)モードおよび掃引(Sweep)モードを使用して出力シーケンスのカスタマイズも可能です。

なお、コントローラKLC101には電源が付属しませんのでご注意ください。K-Cubeが1台必要な用途向けには、電源TPS002(下記)がご使用いただけます。複数のK-Cubeを使用する場合にはUSBコントローラハブをご用意しております。

こちらのコントローラの詳細と対応可能な電源については、コントローラKLC101の製品ページをご覧ください。

Item #Adjustable
Output Voltage
Voltage
Resolution
Adjustable
Output Frequencya
Internal
Modulationa
External
Modulation
Slew
Rate
DC
Offset
Warm Up
Time
Output Current
(Max)
External Input
Voltage (Max)
Temperature
Setting Range
LCC250 to ±25 V RMS1.0 mV2,000 ± 5 Hz0.5 to 150 Hz0.5 to 500 Hz10 V/µs±10 mV30 Minutes15 mA5 VDCN/A
LCC25D500 Hz to 10 kHz0.1 to 150 Hza50 mA10 to 50 °C,
Resolution 0.1 °C
KLC1010.1 to 150 Hz150 Hz (Max)N/A
  • 50%のデューティーサイクル
+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
LCC25 Support Documentation
LCC25シングルチャンネル液晶電圧コントローラ、0~25 V RMS、矩形波、デューティサイクル50%
¥153,920
Lead Time
LCC25D Support Documentation
LCC25DNEW!Customer Inspired! デュアルチャンネル液晶電圧&温度コントローラ、0~25 V RMS、矩形波、デューティサイクル50%
¥232,900
7-10 Days
KLC101 Support Documentation
KLC101K-Cube液晶コントローラ(電源は別売り)
¥128,739
Today
TPS002 Support Documentation
TPS002Mini-DIN入力端子付き±15 V/5 V電源、最大2台までのK-CubeまたはT-Cube用
¥18,806
Today