空間フィルターのチュートリアル


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空間フィルタの原理

ホログラムをはじめとする多くの用途において、空間的に強度が変化するビームでは役に立ちません。当社のKT311/M空間フィルタシステムをお使いいただくと、きれいなガウシアンビームを作り出すことができます。

Spatial Filter System Ray Diagram

図1: 空間フィルターシステム

入力ガウシアンビームは空間的に変化する強度雑音を有しています。ビームが非球面レンズによって集光される時、入力ビームは中心の(光軸上の)ガウシアンスポットと望ましくない雑音(図2参照)に対応する干渉縞に変換されます。干渉縞の径方向の位置は雑音の空間周波数に比例します。

Input Gaussian Beam

図2

ガウシアンスポットの中心にピンホールを配置することによって、ビームのきれいな部分が透過し、干渉縞は遮断されます(下記、図3参照)。

Clean Gaussian Beam

図3

ビームの出力の99%を含有する位置における回折限界スポットサイズは以下のように与えられます。

Diffraction-Limited Spot Size

ここで、λ は 波長、 f は 焦点距離、および r は 入力ビームの1/e2 半径です。

空間フィルターシステム用の正しい光学素子とピンホールの選択

用途に応じた正しい光学素子とピンホールの選択は、波長、光源のビーム径、およびご希望の出射ビーム径に依存します。

例えば、直径(1/e2) 1.2 mmの650 nmの半導体レーザ光源を用いて、希望する空間フィルターシステムの出射ビームの直径が4.4 mmであるとします。これらのパラメータの場合、レーザ光源の直径に十分対応する開口5.1 mmを有して650 nm用に設計されているマウント付き非球面レンズC560TME-Bを空間フィルターシステムの入力側に利用するのが適当と考えられます。

ビームの出力の99%を含有する位置における回折限界のスポットサイズの方程式は上に示しました。そして、この例ではλ = (650 x 10-9 m)、f = 13.86 mm(C560TM-B)、および r = 0.6 mmを代入すると以下のようになります。

Spot Size Example

回折限界スポットサイズ(光源波長:650 nm、ビーム径:Ø1.2 mm)

ピンホールはDよりもおよそ30%大きいものを選択します。ピンホールが小さすぎるとビームの一部はカットされてしまい、大きすぎるとTEM00以上の成分もピンホールを抜けてしまいます。それ故、この例では19.5 μmのピンホールが適しています。したがって、ピンホールサイズ20 μmのP20Kの利用をお勧めします。ビームウエスト径の変更、およびそれに伴うピンホールサイズ変更のために修正可能なパラメータには、入力ビーム径や集光レンズの焦点距離が含まれます。入力ビーム径が小さくなるとビームウエスト径は大きくなります。焦点距離の長い集光レンズを使用することでもビームウエスト径は大きくなります。

最後に、コリメートしたビーム径が希望の4.4 mmになるように空間フィルタの出力側の光学素子を選択します。レンズの正しい焦点距離を決定するのに、以下の図4を考えます(尺度は記入していません)。左側の三角形から角度はおおよそ2.48 o であると分かります。右側の三角形に同じ角度を使うと、平凸レンズの焦点距離はおよそ50 mmであることが分かります。

Spatial Filter Diagram

図4:
ビーム拡大の例

この焦点距離から、平凸レンズLA1131-B(設計波長633 nmにおいて、焦点距離が50 mm ですが光源の波長650 nm においても焦点距離はほぼ同じと考えられます)が推奨されます。

注: ビームの拡大率は、出射側の焦点距離を入射側の焦点距離で割ったものと同じです。

もし、出射側の焦点距離として20 mm(AL2520-AAL2520-BAL2520-C)が必要である場合には、適切な性能を得るために、大きな直径の非球面レンズを平凸レンズの代わりに使うことができます。これらのレンズは25 mm の直径で、固定リングSM1RRを使って固定できます。


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