光ファイバーとは


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ファイバに関する一般的な説明
光ファイバは、Video 1.1と概要図が示すように主に3つの部分で構成されます。 コアの材料はガラスまたはプラスチックで、光を伝搬する光路となります。コア径が大きいほど、そのファイバが伝搬できる光の量は大きくなり、大きなビーム径の光がファイバに入射できます。 ファイバが受容できる光の入射角の範囲は、コアの開口数(NA)によって決まります。 クラッド層は、光をコアに封じ込め、ケーブルの他の部分に吸収されることを防止します。 コーティングまたはバッファは、コアやクラッドを保護して、強度を向上させます。
ファイバがケーブルに加工されると、その外側にはケブラ繊維などでできた層があり、ケーブルを補強して応力による損傷を防ぎます。 さらに外側にはチューブがあります。 この1番外側にあるチューブは、ファイバを保護してさらに補強する役割を果たします。 このチューブは通常は色付きで、その色によってケーブル内の光ファイバの種類が分かるようになっています。
当社のケーブルのチューブ色は業界基準に準拠しています。 シングルモード(SM)ファイバは黄色、マルチモード(MM)ファイバはオレンジ色、そして偏波保持(PM)ファイバは青色です。カスタムパッチケーブル については、ご希望に合わせてチューブ色とファイバを組み合わせることができます。

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Figure 2.1 米国ニュージャージー州Newton工場におけるカスタムパッチケーブルの検査部門(日本では、日本国内で製造したカスタムパッチケーブルをご提供しております)
ファイバの選択
当社では大きく分類して4種類のファイバをご提供しております。シングルモード(SM)ファイバ、マルチモード(MM)ファイバ、偏波保持(PM)ファイ バ、そして希土類添加ファイバです。 それぞれの種類についての説明を下記に記載します。こちらをクリックしていただくと、当社が提供している全種類のファイバがご参照いただけます。 ファイバに関する詳細は当社にお問い合わせください。
Video 2.2 シングルモードファイバ中の光の伝搬
シングルモード(SM)ファイバ
SMファイバは、コア径が小さく、1本のファイバを伝搬するモードは1つとなります。 このモードによって、光がどのように空間を伝搬するかが決まります。 シングルモードでは、光はファイバ軸に沿って伝搬します(Video 2.2をご参照ください)。 SMファイバでは、光の波は同一モードとなりますが、周波数は異なります。このタイプのファイバは、入射パルスの波形が長距離にわたって維持される必要の ある用途に適します。SMファイバは広い帯域幅と低いモード分散が特長です。当社のシングルモード(SM)ファイバのラインナップはこちらよりご覧いただけます。
感光性SMファイバ
感光性シングルモードファイバはUV域で高い感光性を実現するために設計されました。 この種類のファイバは標準のSMファイバと比較して接続損失率が低く、広い用途にお使いいただけます。こちらをクリックしていただくと、このファイバに関する詳しい情報がご参照いただけます。
Video 2.3 ステップインデックスマルチモードファイバ中の光の伝搬
Video 2.4 グレーデッドインデックスマルチモードファイバ中の光の伝搬
マルチモード(MM)ファイバ
コア径が大きなマルチモード(MM)ファイバでは1つ以上のモードで光が伝搬します。 光はSMファイバのようにファイバ軸に沿って伝搬するだけではなく、軸から離れてクラッドに向けて伝搬する場合もあります(Video 2.3と2.4をご参照ください)。 コアとクラッドの境界面では全反射が起こるので、ファイバ軸に向けて光が反射します。 一般にMMファイバはSMファイバと比較して、高いNA値を有し、コア径が大きいので、大きな入射角度でより大きなビームを集めることができます。 またSMファイバよりも狭い帯域幅で、モード分散の影響を受けやすい特長があります。
モード分散は、モード間の伝搬速度の違いであり、入射光パルスの歪みを引き起こします。 このファイバでは各モードがジグザグに進みますが、ジグザグの回数が多いモードは、直進に近い状態で伝搬するモードに比べて、ファイバの終端部にたどり着くタイミングが遅くなります。 伝搬速度の異なるモードがファイバの終端部で重なる時、そのパルスは広がります。
MMファイバには主に2種類あり、それはステップインデックス型とグレーデッドインデックス型です。 ステップインデックスファイバのコアの屈折率は全体に渡って一定です。 一方で、クラッドの屈折率はコアのそれよりも低く、コアとクラッドの層間では屈折率は急激に低くなります。 その結果、一部のモードは何度も反射を繰り返して進むことになります(Video 2.3をご参照ください)。 ステップインデックスファイバは、通常は他の材料をファイバに添加して製造されます。
グレーデッドインデックスファイバでは、コア中心から 遠くなるにつれて屈折率が徐々に小さくなります。 その結果、コアとクラッドの境界における屈折率の変化ははるかに緩やかになります。 変化が滑らかになることで、各モードはファイバ中を正弦波を描きながら進むことになります(Video 2.4をご参照ください)。 グレーデッドインデックスファイバのモード分散は、ステップインデックスファイバと比較して非常に小さくなります。 各モードが放物波形を描くことで、光は繰り返し集光されます。 中心部の屈折率が大きいため、ファイバ中心をまっすぐに進むモードは、大きな正弦波を描きながら進むモードと比べて非常に遅く伝搬します。 その結果、終端部で得られるパルスはあまり分散せず、入射パルスに極めて近いプロファイルを有することになります。
当社のマルチモード(MM)ファイバのラインナップはこちらよりご覧いただけます。
耐ソラリゼーションMMファイバ
この耐ソラリゼーションマルチモードファイバは、UV域から近赤外域(180~1150 nm)の波長で優れた性能と透過特性を有します。 標準的なファイバと比較して極めて優れた紫外線への耐光性があるので、これらのマルチモードファイバは汚染分析や化学反応の分光分析、UVリソグラフィや 光線療法の用途に適します。 ポリミイドで被覆されたファイバであるために300 °Cの高温に耐えます。このファイバの詳細についてはこちらをご覧ください。

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Figure 2.5 偏波保持ファイバの種類
偏波保持(PM)ファイバ
偏波保持(PM)ファイバでは、入射光の一部の偏光状態が伝搬中も維持されます。 PMファイバには様々な種類がありますが、基本的には同じ原理です。クラッド内のロッドによって、コアに応力がかかる構造になっています。 この意図的な応力によってファイバ内の光の偏波が特定の状態で保持されます。 当社では2種類のPMファイバ、パンダ型とボウタイ型をご提供しております。 これらのファイバ型の名前は、ファイバ内のストレスロッドの形状によって名付けられています(Figure 2.5をご参照ください)。 PMファイバは、干渉分光法や量子暗号通信で使用されます。 また、レーザ光源と変調器を接続する通信用途でも一般的に使用されています。 PMファイバは、SMファイバやMMファイバと比較して挿入損失が高いファイバです。
特記すべきは、PMファイバが入射光を偏光するのでは なく、ストレスロッドを利用して入射光の偏波状態が維持される点です。 偏光消光比(PER)の数値に表されているような高品質の出力を維持するために、ファイバのキー方向は製造工程中にアライメントされています。 PER値が高いということは、ファイバへの入射光とファイバからの出射光の偏光状態がより一致している、ということを示しています。
偏波保持(PM)ファイバの詳細についてはこちらをご覧ください。
希土類添加ファイバ
エルビウム添加SMファイバ
当社では1530~1610 nm の波長域で動作するファイバーレーザや増幅器に適した多種類の高添加エルビウム添加ファイバをご提供しています。 これらのファイバは、通信用増幅器(EDFA)、高出力PON/CATVブースタ、さらに計測、工業、医療用途に使われる超短パルス用増幅器などの幅広い 用途でお使いいただけます。 こちらをクリックしていただくと、このファイバに関する詳しい情報がご参照いただけます。
イッテルビウム添加MMファイバ
当社では光増幅器、ASE光源、高出力パルスやCWファイバーレーザで使用できるイッテルビウム添加光ファイバをご提供しています。 これらのファイバは、最新の希土類添加ファイバ製造技術を用いて加工しています。 こちらをクリックしていただくとこのファイバに関する詳しい情報がご参照いただけます。
イッテルビウム添加PMファイバ
当社のイッテルビウム添加PMファイバは最新技術を用いて製造された製品です。 これらのファイバでは、高い複屈折性、低い非線形効果、そして低いフォトダークニングが特長です。 こちらをクリックしていただくと、このファイバに関する詳しい情報がご参照いただけます。
パッシブダブルクラッドファイバ
当社のパッシブラージモードエリア(LMA)ファイバは、アクティブファイバ側のコア径や開口数と整合するようになっており、ファイバーレーザや増幅システム全体を通して非常に優れたビーム品質が維持できます。 外側のクラッド径は、融着時にアクティブファイバを「丸く」変形させるように設計されており、パッシブファイバとアクティブファイバの接合部における励起 光の結合損失が低くなります。 パッシブファイバは屈折率の低いフルオロアクリル系の樹脂でコーティングされており、アクティブファイバへ励起光を導波します。 こちらをクリックしていただくと、このファイバに関する詳しい情報がご参照いただけます。
コネクタの選択
コネクタにより光ファイバは終端処理され、接続部の脱着が迅速かつ簡単に行えるようになります。 コネクタは、ファイバのコアを機械的に結合して、遮るものの無い状態で光を一方のコアからもう一方のコアに伝搬させます。
フラットクリーブ(コネクタ無し)
ファイバの終端処理でフラットなクリーブを形成するには、ファイバ軸に対してファイバの切断面が垂直かつフラットとなるように、加工条件を細かく管理して破断します。 この終端処理では、ファイバにはコネクタが付きません。 フラットなクリーブが形成されることで、ファイバ素線での接続が可能です。 フラットクリーブは、コネクタを利用しない機械的な接続や融着接続、または自由空間での用途に適しています。
ハサミによる切断
ハサミによる切断は、迅速に行えますが、ファイバ端は平坦にはならず、そのままスプライスすることはできません。 この切断方法は、ファイバのクリーブに熟練したお客様や、お手持ちのコネクタを用いて終端処理を行うお客様に適しています。 ハサミで切断したファイバは使用前にクリーブおよびコネクタ付けする必要があります。
FC/PCコネクタ
ネジ切り加工付きのFC/PCコネクタは、振動の多い環境で使用できる設計です。 コネクタ名称の「PC」は「physical contact(物理的接触)」の頭文字で、このコネクタでは接続部分でファイバが直接接触することを示します。 FC/PCの端部にあるフェルールはセラミックまたはステンレススチール製で、コネクタがポートにネジ締めされたときにファイバにかかる負荷をコントロールするためにバネが付いています。 当社のFC/PCコネクタでは後方反射が-40~-45 dBと小さく抑えられています。


このシングルモード(SM)FC/PCコネクタには、後方反射が最小に抑えられるように、球面加工(R20 mm)されたセラミック製フェルールが付いています。 SM FC/PCコネクタの穴寸法の公差は+1/-0 µmで、最大同心度は1 µmとなっています。
マルチモードFC/PCコネクタ(ステンレススチール製lまたはセラミック製フェルール)


当社のマルチモード(MM)FC/PCコネクタには、挿入されるファイバ径に合った精密内孔があり、最大同心度は3 µmとなっています。


偏波保持(PM)ファイバ用に連続的に調整可能なキーが付いたFCコネクタがあり、コネクタの背面部分が回転可能で、ファイバのスロー軸またはファスト軸に合わせることができます。 コネクタをアライメントした後に接着剤を塗布することで、位置固定できます。
FC/APCコネクタ(シングルモードまたはマルチモード)


このコネクタの基本設計は、FC/PCコネクタと同様ですが、ファイバの端部が角度付きで研磨されているのが特長です。 このコネクタ名称のAPCは「Angled Physical Contact(角度付きの物理的接触)」の頭文字で、2本のファイバが接触する境界面で反射された光が元のファイバに戻ることを防ぎます。 FC/APCコネクタは相手がAPCコネクタでなければ適切に接続できません。 FC/APCコネクタを他の種類のコネクタと接続すると挿入損失が高くなります。 このコネクタは後方反射を軽減しますが、FC/PCの同等品と比べて挿入損失が高くなります。
当社のFC/APCコネクタは後方反射を大きく抑制する設計で、-65 dBを実現します。 当社では識別用にAPCコネクタのブーツが緑色になっています。
SMAコネクタ


このコネクタ名称のSMAは「subminiature version A(サブミニチュアバージョンA)」に由来しますが、このコネクタはラージコアのマルチモードファイバに使われています。 これらのコネクタも当社のFC/PCやFC/APCコネクタと同様にネジ切り加工付きです。 当社は、クラッド径が125~1580 µmのファイバでは、SMAコネクタを標準品としてご提供しています。
ST®*コネクタ(シングルモードまたはマルチモード)
このコネクタ名称のSTは「Straight Tip(ストレートチップ)」に由来し、バヨネット型のマウントがついているので、脱着が簡単に行えますが、ファイバの固定度が他のコネクタに比べてやや劣ります。


このシングルモード(SM)STコネクタには、後方反射を最小に抑えるように球面加工(R20 mm)されたセラミック製フェルールが付いています。 STコネクタの最大同心度は1 µmです。
また当社ではマルチモード(MM)ファイバ用に設計されたSTコネクタもご提供しています。 当社の標準的なコネクタでは内孔寸法が140 µmとなっていますが、お客様のご要望にあった穴を加工したコネクタを製作することもできます。 これらのコネクタの最大同心度は1 µmです。
*ST®はLucent Technologies社の登録商標です。
SCコネクタ(シングルモードまたはマルチモード)


このコネクタの名称は「Subscriber Connector(サブスクライバーコネクタ)」に由来しますが、これらのコネクタはスナップイン式で素早くかつ簡単に脱着できます。 当社のSC型コネクタの内孔寸法はØ125 µmで、後方反射を最小に抑えるように球面加工(R20 mm)されたセラミック製フェルールが付いています。
LC®コネクタ


ルーセントコネクタ(LC)はSCコネクタと似ていますが、SCコネクタのフェルールよりも半分のサイズのフェルールが付いています。当社ではシングルモードファイバ用のLCコネクタを標準品としてご提供しています。ご要望に応じてクラッド径Ø127 µmまでのマルチモードLCコネクタもご提供可能です。このコネクタは小型なので、多数のコネクタを狭いスペースで使用する場合などに適します。 LC/PCとLC/APCの区別がつきやすいよう、それぞれ青色ブーツと緑色のブーツでご用意していますが、緑色のブーツ付きのフェルールは予め角度を付けておりません。
E-2000®* コネクタ


E-2000Cコネクタにはバネ式シャッタ機構が付いており、それによりフェルール端面を傷や埃から保護し、また目に有害なレーザ光を遮断します。コネクタはシングルモードファイバ用で、当社のE-2000/PCアダプタADAE1に取付け可能です。このコネクタにはØ2.5 mmの球面加工さたバネ付きセラミック製フェルールが使用されており、典型的な挿入損失は0.10 dBです。
*E-2000® はDiamond社の登録商標です。

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Figure 56B ナローキー用アダプタとコネクタの接続

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Figure 56A ワイドキー用アダプタとコネクタの接続
FC/PCおよびFC/APCパッチケーブルのキーアライメント
FC/PCおよびFC/APCパッチケーブルには、接続部品のスロット部に接続できるアライメント用の2.0 mmのナローキーまたは2.2 mmのワイドキーが付いています。 これらのキーとスロットは接続したファイバーパッチケーブルのコアに正しくアライメントし、接続時の挿入損失を最小限に抑えるために重要です。
例えば、当社ではFC/PCならびにFC/APCパッチケーブル用のアダプタは、適切に使用されたとき接続損失が最小となるよう精密な仕様で設計・製造されています。パッチケーブルのアライメントキーがアダプタのナローキーまたはワイドキースロットに挿入されたとき、最適なアライメント状態となります。
ワイドキー用スロット付きアダプタ
2.2 mmのワイドキー用スロット付きアダプタは、ワイドキーコネクタとナローキーコネクタのどちらにも対応しています。ただし、ナローキーコネクタをワイドキー用スロットに使用すると、コネクタはアダプタ内で僅かに回転します(Video 56C参照)。FC/PCコネクタ付きのパッチケーブルでは、この構成が可能ですが、FC/APCの用途において最適なアライメントを得るためにはナローキー用スロット付きアダプタのご使用をお勧めいたします。
ナローキー用スロット付きアダプタ
2.0 mmのナローキー用スロット付きアダプタは、角度付きナローキーFC/APCコネクタと接続した時に適切なアライメントができます(Video 56D参照)。したがって、2.2 mmワイドキー付きのコネクタには対応していません。なお、当社の全てのFC/PCおよびFC/APCパッチケーブルはナローキーコネクタをご使用いただけます。
ナローキー用スロット付きアダプタに挿入されたナローキーコネクタは回転しません。したがって、ナローキー付きのFC/PCまたはFC/APCコネクタとのご使用が適しています。
ナローキーコネクタをワイドキー用スロット付きアダプタに挿入すると、隙間ができてコネクタが回転してしまいます。ナローキーFC/PCコネクタはお使いいただけますが、ナローキーFC/APCコネクタをお使いになると著しい結合損失につながります。
| Posted Comments: | |
Davide Rizzotti
 (posted 2025-07-30 10:26:58.02) Let's suppose to work with single mode fibers at 1550nm. What is the power limit for FC-PC and FC-APC connectors? What does the limit depend from? Only from the dirt on the facet or also intrinsic properties (e.g. the design, material) of the connectors? Does it change significantly for continuous wave or pulsed lasers? EGies
 (posted 2025-07-31 09:14:45.0) Thank you for contacting Thorlabs. For connectorized fiber patch cables, the damage threshold is usually limited by the connector itself. Fiber is typically terminated using epoxy to bond the fiber to a ferrule. When light is coupled into the fiber through a connector, light that does not enter the core and propagate down the fiber is scattered into the outer layers of the fiber, into the ferrule, and the epoxy used to hold the fiber in the ferrule. If the light is intense enough, it can burn the epoxy, causing it to vaporize and deposit a residue on the face of the connector. For this reason, we recommend limiting our 1550nm single mode patch cables to 300mW of incident optical power. More details on fiber optic damage thresholds can be found in our tutorial here: https://www.thorlabs.com/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=10417&tabname=damagethreshold. I have reached out to you directly regarding this. |
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