固定型光減衰器、マルチモードファイバー用


  • Multimode Fixed Fiber Optic Attenuators
  • Gap Lengths from 0.20 mm to 5.80 mm
  • Wavelength-Independent Performance
  • Compatible with SMA905 or SMA906 Connectors

FA02M

0.20 mm Gap

FA04M

0.40 mm Gap

FA08M

0.80 mm Gap

FA14M

1.40 mm Gap

FA26M

2.60 mm Gap

FA58M

5.80 mm Gap

Two M38L01 Fiber Patch Cables Plugged into an FA58M Attenuator

Application Idea

Related Items


Please Wait
Selection Guide
Typical Attenuation Versus Gap Distance
Fiber NA0.100.220.2750.390.50
Attenuation Plot
(Click for Plot)a,b
Click for Raw Data
  • まずご希望する入射ファイバならびに出射ファイバのNA欄下のグラフをご覧ください。グラフ中でファイバのコア径の線を見つけてください。ご希望の減衰量に応じて、最も適したギャップ距離と減衰器を選んでください。
  • オーバーフィルの入射状態(詳細は「MMファイバーチュートリアル」タブ参照)で同じ種類のファイバを使用し測定しました。

Click to Enlarge
SMA906型のコネクターフェルールはステップの形状をしているため、SMA905型コネクタに接続する場合には付属のアライメントスリーブを使用する必要があります。

特長

  • マルチモード固定型光減衰器
  • 0.20 mm~5.80 mmのギャップ距離
  • 波長に無依存な性能
  • SMA905コネクタ(SMA906コネクタ用アライメントアダプタが付属)

当社のマルチモード固定型光減衰器は、マルチモードファイバまたはマルチモード用部品を直接光減衰器に取り付けることで、光信号を簡単に減衰させます。光減衰器は2つのコネクタのエアギャップ距離を増加させ、結合効率を減少させることにより減衰量の調整を行います。減衰器は0.20 mm~5.80 mmの固定のギャップ距離でご用意しております。

Item #Nominal Gap Distancea
ADASMA0.056 ± 0.046 mm
FA02M0.234 ± 0.046 mm
FA04M0.437 ± 0.046 mm
FA08M0.843 ± 0.046 mm
FA14M1.453 ± 0.046 mm
FA26M2.647 ± 0.046 mm
FA58M5.847 ± 0.046 mm
  • なお実際のギャップ距離はSMAコネクタの高さによります。

表内のグラフは、コア径10 µm~1500 µm、NAが0.10、0.22、0.275、0.39、0.50の当社のマルチモードパッチケーブルの典型的な減衰曲線を表しています。こちらの減衰器は同じ種類のSMAコネクタ付きマルチモードファイバを2本ご使用いただくことを想定した製品です。種類が異なるファイバ、もしくはシングルモードのファイバはご使用にならないでください。

なお、減衰量はファイバの同心度やSMAコネクタの高さにより異なります(右の表をご覧ください)。 SMA高さゲージ10125HGを使用するとSMA905フェルールの高さが測定できます。 ギャップ距離はSMAコネクタを減衰器に完全に締め付けない状態にすることで若干の調整が可能です。ただし、ギャップ距離を伸ばすことはできますが、短くすることはできません。

減衰器はSMA905型コネクタに直接接続可能です。SMA905型コネクタとSMA906型コネクタを接続するためのセラミック製のアライメントスリーブも1個付いています。SMA906型コネクタ同士の接続は意図しておりません。パネル取付け用のワッシャとナット、接続部の露出部分を保護するためのダストキャップ2個が付属しています。別売りで金属キャップCAPN1もご用意しています。これは、接続部の保護にも使用でき、L型ブラケットマウントにクリップで留めることもできます。

当社ではFC/PCマルチモードパッチケーブル用固定型光減衰器もご用意しています。また、マルチモードファイバーフィルタ/光減衰器用マウントはさまざまなフィルタやシャッタ式の光減衰器の保持が可能です。こちらもSMAパッチケーブル用をご用意しています。


Click to Enlarge
光ファイバ内の全反射

光ファイバ内の光の伝搬

光ファイバは光学製品を大分類すると光導波路の一部で、内部全反射(TIR)を利用して個体または液体構造内に光を閉じ込め、伝搬させます。その中でも光ファイバは数多くの用途に使用され、一般的な例としては光通信、分光、照明などがあげられます。

広く使用されているガラス(石英)ファイバの構造の1つに右の図で示しているステップインデックスファイバがあります。ステップインデックスファイバのコアは周りのクラッド層よりも屈折率の高い材料でできています。 光が周りの媒質により屈折するのではなく、コアとクラッドの界面で反射する入射角が存在します。ファイバ内で全反射する条件を満たすために、ファイバの入射角をある角度より低くしなければなりません。この角度は受光角度、θaccと定義されます。 角度を求めるにはスネルの法則が使用されます。

ここでncoreはファイバのコアの屈折率、ncladはファイバのクラッドの屈折率、nは外側の媒質の屈折率、θcritは臨界角、そしてθaccはファイバの受光角度の半角となります。開口数はファイバの製造メーカが使用する無次元数で、光ファイバの受光角度により規定されます。下記の式で表します。

大径コアのステップインデックスファイバ(マルチモード)では、この式を用いてNAが直接求められます。NAはファーフィールドビームのプロファイルをたどり、ビームの中心からビーム強度が最大の5%になる点までの角度を測ることによって、実験によっても求められます。しかし、計算式でNAを直接求めることが最も正確な値を得る方法になります。

 

光ファイバ内のモード数

光ファイバ内で光が伝搬する経路はファイバの導波モードとして知られています。コア・クラッド領域の物理的寸法、屈折率、そして波長により、1本の光ファイバ内では1から何千のモードが存在することになります。最も一般的に製造されているのは2種類で、シングルモードファイバ(単一導波モードが存在)とマルチモードファイバ(多数の導波モードが存在)があります。マルチモードファイバにおいては、低次モードではファイバのコア内に光を空間的に閉じ込める傾向があり、一方、高次モードではコアとクラッドの界面近くで光を空間的に閉じ込める傾向があります。

光ファイバのモード数(シングルモードまたはマルチモード)はいくつかのシンプルな計算により予測することができます。規格化された光の周波数(V-number)は自由空間光周波数に比例する無次元数ですが、光ファイバの導波特性を示します。V-numberは下の式で定義されます。

Vは規格化周波数(V-number)、aはファイバのコア半径、λは自由空間波長です。マルチモードファイバのV-numberは大きく、例えば、コアØ50 µm、NA0.39のマルチモードファイバのV-numberは波長1.5 µmにおいて40.8です。

V-numberが大きいマルチモードファイバにおけるモード数は下の関係式で概算します。

上記のコアØ50 µm、NA0.39のマルチモードファイバの例では、ファイバ内を同時期に伝搬するモード数は約832となります。

シングルモードファイバはV-numberが2.405未満あると定義されています。これは光がファイバの基本モードのみに結合することを表しています。この条件を満たすためにシングルモードファイバは同じ波長でのマルチモードファイバに比べてコアサイズとNAが大幅に小さくなります。1つの例として、SMF-28 Ultraのシングルモードファイバの公称NAは0.14、コアはØ8.2 µmで、1550 nmにおけるVナンバは2.404です。

 


Click to Enlarge
マクロベンドロスによる減衰

Click to Enlarge
マイクロベンドロスによる減衰

Click to Enlarge
マルチモードファイバFT200EMT透過後のビームプロファイル測定結果。旧製品LED M565F1(代替品 M565F3) の光がコアではなく、ファイバのクラッドに導かれていることが示されています。

減衰の要因

光ファイバ内の損失は減衰とも呼ばれ、ファイバの全伝送損失を予測するために特性化し、数値化されます。これらの損失の原因は通常波長に依存し、またファイバそのものに使用されている材料からファイバの曲げによるものなど様々です。減衰が生じる一般的な要因を下記に説明しております。

吸収
標準的な光ファイバ内の光はファイバ材料を介して導かれているため、光がファイバを伝搬するにつれて吸収による損失があります。標準的なファイバは溶融石英を使用して製造され、1300 nm~1550 nmで透過するよう最適化されています。これよりも長い波長(>2000 nm)だと、溶融石英内の多光子相互作用により、大幅な吸収につながります。フッ化ジルコニウム(ZrF4 )やフッ化インジウム(InF3)が主に中赤外域用ファイバの製造に使用されているのは、これらの波長で低損失だからです。ZrF4 ならびにInF3 の(多光子相互作用が起こらない)限界波長はそれぞれ約3.6 µmと4.6 µmです。

ファイバ内の異物も吸収損失の原因となります。 不純物質の1例は、1300 nmと2.94 µm付近の光を吸収する、ファイバのガラス内に閉じ込めれた水分子です。アプリケーションによっては(光通信など)はこの波長領域を利用するため、ファイバ内の水分子が信号を大幅に減衰します。

製造メーカではよくファイバーガラス内のイオンの密度を制御することでファイバの透過・減衰特性の調整を行っています。例えば、水酸化物イオン(OH-)はもともと石英に含まれていて、近赤外~赤外スペクトル域で光を吸収します。そのため、低OHのファイバは通信波長での透過に適しています。一方で高OHのファイバは通常、UV波長で透過率が増加するため、蛍光用途やUV~可視域での分光用途向けに適しています。

散乱
光ファイバの用途の多くでは、光散乱が損失の主な原因です。散乱は媒質の屈折率の変化が起きた場所で生じます。このような屈折率の変化には不純物、粒子、泡など外因的なものと、ガラスの密度、組成、相状態の変動による内因的なものがあります。散乱は光の波長に反比例しますので、UVや青色のスペクトル領域などの短い波長では大きな散乱損失が起こります。適切なファイバのクリーニング、処理、ならびに保管手順により、大きな散乱損失を招くファイバ先端の不純物を最小限に留めることができます。

曲げ損失 
光ファイバの外部ならびに内部形状の変化によって起こる損失は曲げ損失と呼ばれています。通常曲げ損失はマクロベンドロスとマイクロベンドロスの2つのカテゴリーに分けられます。

マクロベンドロスは一般的に光ファイバの物理的な曲げ、例えば細いコイルに巻くような場合に生じる損失です。右の画像のように、導波光はファイバのコアならびにクラッド領域内に空間的に分布されています。ファイバを曲げた場合、径の外側付近の光は速度を上げないことには同じ空間モードプロファイルを維持することはできません。維持できない場合、放射光として光エネルギが周囲に奪われます。曲げ半径が大きいと曲げに関わる損失は小さくなります。ただし、推奨するファイバの曲げ半径より小さい曲げ半径では大幅な曲げ損失となります。光ファイバは、短時間であれば小さい曲げ半径でも動作可能ですが、長期間保管する際の曲げ半径は推奨する値よりも大きくしてください。 適切な保管状態(温度と曲げ半径)でファイバの恒久的な損傷の可能性を下げることができます。ファイバ収納リールFSR1は高曲げ損失が最小に抑えられるよう設計されています。

マイクロベンドロスは、ファイバの内部形状、とりわけコアとクラッド層の変化により起こります。これらのファイバ構造内のランダムな変化(凹凸など)は、内部全反射に必要な条件を妨げ、伝搬する光がファイバの外に漏れる非伝搬モードに結合する原因となります(右の画像をご覧ください)。曲げ半径によるマクロベンドロスとは異なり、マイクロベンドロスはファイバの製造過程で起こるファイバの恒久的な欠陥によるものです。

クラッドモード
マルチモードファイバ内の光のほとんどはコア内の内部全反射により伝搬しますが、高次モードでは、クラッドとコーティング・バッファの界面での内部全反射によりコア層とクラッド層の両方で光を伝搬する場合があります。これはクラッドモードと呼ばれます。右のビームプロファイル測定はこの1例です。ファイバのコア内よりもクラッド内で高い強度のクラッドモードを示しています。これらは非伝搬モードの(つまり、内部全反射の条件を満たさない)場合と、ファイバをかなり長く伝搬する場合があります。クラッドモードは一般的に高次のため、ファイバの曲げや欠陥によるマイクロベンドは損失の原因となります。クラッドモードは、2本のファイバをコネクタで接続した場合、簡単に結合できないため消失します。

クラッドモードはそのビームの空間プロファイルへの影響により、用途(例:自由空間への入射)によっては望ましくない場合があります。ファイバ長が長くなると、このモードは自然に減衰します。ファイバ長が短い場合(<10 m)、希望する伝搬モードを維持しながらファイバからクラッドモードを除去する方法の1つとして、マンドレルラップを使用してクラッドモードが除去できる半径で曲げる方法があります。

 

入射状態

アンダーフィルの入射状態
幅広い開口で光を受容する大径マルチモードファイバの場合、ファイバに結合する光の状態(例:光源種類、ビーム径、NA)が透過性能に著しい影響を及ぼすことがあります。アンダーフィルの入射状態は、入射光の界面でのビーム径ならびにNAがファイバのコア径ならびにNAよりも小さいときに起こります。一般的な例としてレーザ光源を大径マルチモードファイバに入射する例があります。下の図ならびにビームプロファイル測定画面でご覧いただけるように、アンダーフィルの入射状態ではファイバの中心に光を空間的に集光する傾向があり、高次モードよりも低次モードが得やすくなります。その結果、マクロベンドの影響は少なく、クラッドモードもありません。アンダーフィルの入射状態における挿入損失の測定値は典型値よりも低い傾向にあり、またパワー密度はファイバのコアの方がより高くなります。 

アンダーフィルの入射状態を説明している図(左)とマルチモードファイバFT200EMTを透過後のビームプロファイル(右)

オーバーフィルの入射状態
オーバーフィルの入射状態は、入射光の界面でのビーム径ならびにNAがファイバのコア径ならびにNAよりも大きいときに起こる状態によって定義されます。この状態はLED光源の光を小径マルチモードファイバに入射する場合に得られます。オーバーフィルの入射状態ではファイバのコア全体とクラッドの一部に光があたり、低次モードと高次モードが均一に得られ(下の図参照)、そしてクラッドモードに結合する可能性が高くなります。高次モードの割合が高くなることにより、オーバーフィル状態のファイバは曲げにさらに敏感になります。オーバーフィルの入射状態における挿入損失の測定値は典型値よりも高い傾向にありますが、全体的な出力パワーはアンダーフィルの入射状態に比べて高くなります。 

オーバーフィルの入射状態を説明している図(左)とマルチモードファイバFT200EMTを透過後のビームプロファイル(右)

アンダーフィルとオーバーフィルの入射状態には、用途の要件によって長所や欠点があります。マルチモードファイバの基本性能を測定するには、ファイバのコア径に対して70~80%のビーム径の入射光を使用することをお勧めします。オーバーフィル状態のファイバは、短い距離では出力パワーが高くなります。しかし、長い距離(>10~ 20 m)では減衰の影響をより受けやすい高次モードが消失します。


Posted Comments:
user  (posted 2021-08-25 13:46:10.723)
These air gaps are very useful, but require the use of two fibers. It would be much nicer if a similar air-gap attenuator product was offered with a SMA male on one end and SMA female on the other, such that it can go between a piece of equipment and a single fiber.
YLohia  (posted 2021-08-27 03:10:29.0)
Hello, thank you for your feedback. We will consider offering such parts in the future.
Alexandre Tassé  (posted 2020-08-28 11:53:43.527)
I can't find the material in which the FA08M is manufactured. Can you please let me know? Thank you. Alexandre Tassé.
YLohia  (posted 2020-08-28 02:41:20.0)
Hello Alexandre, thank you for contacting Thorlabs. The attenuator body is made of 303 Stainless Steel. This information is given in the product drawing.
doyehw  (posted 2017-05-23 15:57:45.79)
The description states the attenuation is wavelength independent - are there any graphs showing this? Maybe I misunderstand how the gap works... It would be very useful to demonstrate the attenuation is wavelength independent!
nbayconich  (posted 2017-06-12 09:16:50.0)
Thank you for contacting Thorlabs. These fixed fiber optic attenuators control attenuation of a signal by increasing the air gap distance between two fiber ends. The dependence on wavelength for these attenuators is negligible since the light is only travelling through air. A Techsupport representative will contact you directly.
cbrideau  (posted 2016-09-02 16:28:13.1)
Would love to see an FC to SMA version of this for measuring spectra of FC sources with an SMA-fiber coupled spectrometer.
user  (posted 2016-09-02 15:06:26.747)
Interesting product. I am curious if cladding mode is well blocked the attenuators?
tfrisch  (posted 2016-09-07 01:04:54.0)
The attenuation is typical for an overfilled fiber, but the air gap does not block light from coupling into the cladding of the second fiber. For more details on mitigating cladding modes, please contact TechSupport@thorlabs.com
Back to Top

+1 数量 資料 型番 - ユニバーサル規格 定価(税抜) 出荷予定日
FA02M Support Documentation
FA02MFixed Fiber Optic Attenuator, Multimode, 0.20 mm Gap, SMA Connectors
¥3,987
Today
FA04M Support Documentation
FA04MFixed Fiber Optic Attenuator, Multimode, 0.40 mm Gap, SMA Connectors
¥3,987
Today
FA08M Support Documentation
FA08MFixed Fiber Optic Attenuator, Multimode, 0.80 mm Gap, SMA Connectors
¥3,987
Today
FA14M Support Documentation
FA14MFixed Fiber Optic Attenuator, Multimode, 1.40 mm Gap, SMA Connectors
¥3,987
7-10 Days
FA26M Support Documentation
FA26MFixed Fiber Optic Attenuator, Multimode, 2.60 mm Gap, SMA Connectors
¥3,987
Today
FA58M Support Documentation
FA58MFixed Fiber Optic Attenuator, Multimode, 5.80 mm Gap, SMA Connectors
¥3,987
Lead Time