コンパクト型半導体レーザードライバー、温度コントローラーおよびTO-Can型レーザー用マウント付き
- Compact, All-in-One Current Sources, Temperature Controllers, and Mounts
- Compatible with Thorlabs’ Pigtailed TO Can Lasers
- Touch Screen Controlled and Remotely Programmable
CLD1011LP
B, C, and H Pin Codes
CLD1010LP
A, D, E, and G Pin Codes
Shown with Pigtailed Laser Diode
(Not Included)
Main Operation Panel in Constant Power
Operating Mode
Please Wait
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ホーム画面
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メニュー画面
特長
- ピグテール付きTO-Can型半導体レーザ用マウント付き
- CLD1010LP: ピン配列A、D、E、Gに対応
- CLD1011LP: ピン配列B、C、Hに対応
- 定電流モードまたは定光出力モードで動作
- ローカル制御は抵抗膜方式のタッチパネル式GUIで、リモート制御はUSB経由
- 8.0 Vで、1.0 Aまでのレーザ駆動電流に対応
- 内蔵のTECによりレーザの温度を制御
- コンパクトサイズ: 111 mm x 73.5 mm x 169.9 mm
- 外部電源によるレーザ変調用RF入力
- 電源が付属
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熱保護カバーを取り付けたCLD1010LP
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ピグテール付き半導体レーザを取り付けたCLD1010LP
当社の半導体レーザ&温度コントローラはピグテール付きTO Can型半導体レーザを駆動および冷却するために設計されたドライバーパッケージです。コントローラCLD1010LPはピン配列A、D、E、Gに対応し、コントローラCLD1011LPは ピン配列B、C、Hに対応します(詳細は「ピン配列」 参照)。このコントローラの駆動電流は最大1.0 Aです。また、半導体レーザの温度を24時間にわたって0.005 °Cの安定性で維持するので、出力の安定性が高く、半導体レーザの寿命も長くなります。コントローラにはレーザーマウントが内蔵されているので、携帯性な らびに機械的安定性に優れています。また、ソフトスタートモード、電流/温度リミット値設定、および外部インターロック機構などの安全機能に加え、コントローラCLD1010LPおよびCLD1011LPには、切り替え可能なノイズ低減フィルタや変調入力端子も装備されています。またBIAS-TのRF入 力端子も付いているので外部のRF電源でレーザを200 kHz~1 GHzで変調することが可能です(ご使用の半導体レーザの仕様によります)。このコントローラは、定電流、もしくは定光出力モードで動作可能です。ただし、定光出力モードに対応するのは、モニタ用フォトダイオード(ピンコードA、B、C、D)を内蔵している半導体レーザのみとなります。
このデバイスは、内蔵型4.3インチの抵抗膜方式のカラータッチパネル画面から制御します。タップに即時に反応するので、レーザ出力のパラメータの調整、 微調整、ならびに最適化が容易です。動作パラメータは直感的なメニューシステムから設定します。ホーム画面から移動に際し、2回以上タップする必要はありません。抵抗膜方式のタッチパネルのため、手袋ほか防護具使用時にも画面の操作が可能です。「画面表示」のタブをご参照いただくと、インターフェイスのスクリーンショットがご覧いただけます。ユニットの背面には mini-USBコネクタがありますが、これを利用すると、LabVIEWやSCPI(Standard Commands for Programmable Instruments)コマンドを含む一般的なプログラミング言語でリモート制御が可能となります。選択可能なオプションについては「ソフトウェア」タブ内をご参照ください。CLD1010LPまたはCLD1011LPを用いてレーザを駆動する際は、すべてのパラメータが最大定格値の範囲内で設定されていることをご確認ください。
組立後のデバイスの寸法は111 mm x 73.5 mm x 169.9 mmとコンパクトで部品が密集したセットアップでの使用に適しています。ユニットの背面にあるポートはファイバの入出力に適しており、別売りのFC-FCアダプタに も接続できます。 2つの穴は角フランジ形アダプタに対応し、もう2つはD型穴付きFCアダプタに対応します。 磁力で閉じる蓋がレーザーパッケージをユニット内に密閉し、粒子状物質等研究室内の危険から守ります。小さなカバーが付属しているので、周囲の熱からレーザを保護し、磁性の蓋から独立して設置することができます(右の写真をご覧ください)。M6のボルトが使用可能な2個の取付け用クリップが付属しているの で、蓋をブレッドボードに固定するためにお使いください。
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ドライバには電源が付属
当社ではOEM用途向けにカスタム仕様のバタフライマウントも製造可能です。ご希望の方は当社までお問い合わせください。詳しくは「OEMモジュール」タブをご覧ください。
このコントローラで半導体レーザを駆動する際は、ご使用前 に必ず、半導体レーザの動作電圧がこのコントローラのコンプライアンス電圧を上回らないことをご確認ください。
ソフトウェア、ならびにSCPI、LabVIEW™、Visual C++、Visual C#そして Visual Basicの参照ガイドについては「ソフトウェア」のタブをご覧ください。
当社ではこれらのコントローラを24か月ごとに校正することをお勧めしております。当社では再校正サービスを提供しております。詳細は当社までお問い合わせください。
Compact LD Driver, TEC, and Mount Selection Guide | ||
---|---|---|
Item # | Accepted Package Configurations | Max Drive Current |
CLD1015 | Type 1 and Type 2 Butterfly Packages | 1.5 A (@ 4 V) |
CLD1010LP | Pigtailed TO Can Packages with an A, D, E, or G Pin Code | 1.0 A (@ 8 V) |
CLD1011LP | Pigtailed TO Can Packages with a B, C, or H Pin Code | 1.0 A (@ 8 V) |
注: 半導体レーザードライバは、ローカル制御はタッチパネル画面で、リモート制御はUSB経由で行うことができます。 タッチパネル画面からローカル制御した場合、半導体レーザードライバの分解能は画面ディスプレイの解像度によって制限されます。よって最大分解能は、リ モート制御により得ることができます。 USBを介してアクセスできるコマンドセット(例えばLabVIEWやSCPI(Standard Commands for Programmable Instruments)を利用すると、下表に記載されている分解能が実現できます。
CLD1010LPおよびCLD1011LP 半導体レーザードライバ仕様
Via Front Panela | Via Remote Controla | |
---|---|---|
Current Control (Constant Current Mode) | ||
Control Range | 0 to 1.0 A | |
Compliance Voltage | >8 V | |
Resolution | 100 µA | 50 µA |
Accuracy | ±(0.1% + 500 µA) | |
Noise and Ripple (Typical; 10 Hz to 10 MHz, RMS; @ 4.7 Ω Load ) | 10 µA without Noise Reduction Filter 5 µA with Noise Reduction Filter | |
Drift (24 Hours, Typical) | <50 µA @ 0 - 10 Hz in Constant Ambient Temperature | |
Temperature Coefficient | <50 ppm/°C | |
Current Limit | ||
Setting Range | 1 mA to 1.0 A | |
Resolution | 100 µA | 50 µA |
Accuracy | ±(0.12% + 800 µA) | |
Photodiode Input | ||
Photocurrent Rangesb | 0 to 2 mA (Low) 2 to 20 mA (High) | |
Photocurrent Resolutionb | 100 nA (Low) 1 µA (High) | 70 nA (Low) 700 nA (High) |
Photocurrent Accuracyb | ±(0.08% + 0.5 µA) (Low) ±(0.08% + 5 µA) (High) | |
Photodiode Reverse Bias Voltage | 0.1 to 6 V | |
Photodiode Input Impedance | ~0 Ω (Virtual Ground) | |
Power Control (Constant Power Mode) | ||
Photocurrent Control Rangesb | 0 to 2 mA (Low) 0 to 20 mA (High) | |
Laser Voltage Measurement | ||
Resolution | 1 mV | 400 µV |
Accuracy | ±(1% + 80 mV) | |
Laser Overvoltage Protection | ||
Trip Voltage (Typical) | 8.2 V | |
Modulation Input | ||
Input Voltage (Constant Current Mode) | ±7 V | |
Input Voltage (Constant Power Mode) | ±10 V | |
Input Impedance | 10 kΩ | |
3 dB Small Signal Bandwidth (Constant Current Mode) | DC to 300 kHz without Noise Reduction Filter DC to 9.0 kHz with Noise Reduction Filter | |
Modulation Coefficient (Constant Current Mode) | 150 mA/V ± 5% | |
Modulation Coefficient (Constant Power Mode)c | 200 µA/V ± 5% (Low) 2 mA/V ± 5% (High) | |
RF Input | ||
RF Input Impedance | 50 Ω | |
Small Signal 3 dB Bandwidth | 200 kHz to >1 GHz | |
Maximum RF Power | 500 mW |
CLD1010LPおよびCLD1011LP TEC仕様
Via Front Panela | Via Remote Controla | |
---|---|---|
TEC Current Output | ||
Control Range | -3.0 to +3.0 A | |
Compliance Voltage | >4.7 V | |
Maximum Output Power | >14.1 W | |
Resolution | 1 mA | 100 µA |
Accuracy | ±(0.2% + 20 mA) | |
TEC Current Limit | ||
Setting Range | 5 mA to 3.0 A | |
Resolution | 1 mA | 100 µA |
Accuracy | ±(0.2% + 20 mA) | |
NTC Thermistor Sensors | ||
Resistance Measurement Range | 300 Ω to 150 kΩ | |
Control Rangeb | -55 °C to +150 °C (Max) | |
Temperature Resolution | 0.01 °C | |
Resistance Resolution | 1 Ω | |
Accuracy | ±(0.1% + 1 Ω) | |
Temperature Stabilityb (24 Hours) | <0.005 °C (Typical) | |
Temperature Coefficient | <5 mK/°C | |
Temperature Window Protection | ||
Setting Range | 0.01 °C to 100.0 °C | |
Protection Reset Delay | 0 to 600 s |
CLD1010LPおよびCLD1011LP 一般的な仕様 | |
---|---|
Interface | |
USB 2.0 | Compliant with USBTMC/USBTMC USB488 Specification Rev. 1.0 |
Protocol | SCPI-Compliant Command Set |
Supplied Drivers | VISA VXI pnp™, MS Visual Studio™, MS Visual Studio.net™, LabVIEW™, LabWindows/CVI™ |
General Data | |
Safety Features | Interlock, Keylock Switch, Laser Current Limit, Soft Start, Short Circuit when Laser Off, Laser Overvoltage Protection, Over Temperature Protection, Temperature Window Protection |
Display | 4.3" LCD TFT, 480 x 272 Pixels |
Socket for Laser, Photodiode, NTC, TEC | Pigtailed TO-Can Laser Diodes with A, D, E, or G Pin Codes (Item # CLD1010LP) Pigtailed TO-Can Laser Diodes with B, C, or H Pin Codes (Item # CLD1011LP) |
Connector for DC Power Input | 2.0 mm Center Pin Connected to + |
Connector for Modulation Input | SMA |
Connector for Interlock & Laser On Signal | 2.5 mm Mono Phono Jack |
Connector for USB Interface | USB Type Mini-B |
Chassis Ground Connector | 4 mm Banana Jack |
Desktop Power Supply, Line Voltage, Line Frequency | AC: 100 to 240 V ± 10%, 47 to 63 Hz DC: 12 V ± 5% / 3.5 A |
Maximum Power Consumption | 40 VA |
Operating Temperature | 0 to +40 °C |
Storage Temperature | -40 to +70°C |
Warm-up Time for Rated Accuracy | 30 min |
Weight (with Power Supply) | 1.1 kg |
Weight (without Power Supply) | 0.75 kg |
Dimensions without Operating Elementsa (W x H x D) | 111 mm x 73.5 mm x 153.3 mm (4.37" x 2.9" x 6.04") |
Dimensions with Operating Elementsa (W x H x D) | 111 mm x 73.5 mm x 169.9 mm (4.37" x 2.9" x 6.69") |
コントローラーインターフェイス
このLDコントローラのインターフェイスは、フラットなメニュー階層のソフトであるため、調整が必要なパラメータを簡単に見つけることができます。
定電流モード ホーム画面 | 定光出力モード ホーム画面 | ||
Click to Enlarge | 定電流モードのホーム画面には、半導体レーザの電流値と温度が大きく表示され、その設定値が画面に表示されます。モニタ用PDが測定した光出力値も表示されます。メモリ内には、最大で4つの設定値の組み合わせが保存できます。 | Click to Enlarge | 定光出力モードのホーム画面には、レーザの光出力値と半導体レーザの温度が大きく表示されます。半導体レーザの電流値も表示されます。 |
設定値入力 | メニュー画面 | ||
Click to Enlarge | いずれの設定値も簡単に変更できます。 変更したい数値をタップするだけで、右側にボタンが表示されて数値の変更が可能になります。 調整中には、現在のパラメータが表示されます。 | Click to Enlarge | CLD1010LPおよびCLD1011LPのソフトウェアは、直観的に使える2階層のメニュー構造を持ちます。 このメニューでは、レーザと熱電冷却素子に関連した設定が全て実行できて、その他にもシステム関連の設定ができます。 |
CLD1010LPに取付け可能なTO-Can型半導体レーザ
半導体レーザードライバ&温度コントローラCLD1010LPは、ピンコードがA、D、E、Gのピグテール付きTO-Can型半導体レーザに対応 します。 使用したいレーザーパッケージとの接続性を確認するには、下のピン配列図をご参照ください。 各ピンコード設置の正しい向きなどの詳細についてはマニュアルをご覧ください。尚、定光出力モードで動作可能なのは、フォトダイオードを内蔵したピンコード付きの半導体レーザのみとなります。
Pin | Pin Code A | Pin Code D | Pin Code E | Pin Code G |
---|---|---|---|---|
1 | LD Cathode | LD Ground | No Connection | LD Cathode |
2 | Ground | PD Anode | LD Ground | Ground |
3 | PD Anode | LD Cathode | LD Cathode | LD Anode |
4 | N/A | PD Cathode | N/A | N/A |
CLD1011LPに取付け可能なTO-Can型半導体レーザ
半導体レーザードライバ&温度コントローラCLD1011LPは、ピンコードがB、C、Hのピグテール付きTO-Can型半導体レーザに対応 します。 使用したいレーザーパッケージとの接続性を確認するには、下のピン配列図をご参照ください。 各ピンコード設置の正しい向きなどの詳細についてはマニュアルをご覧ください。尚、定光出力モードで動作可能なのは、フォトダイオードを内蔵したピンコード付きの半導体レーザのみとなります。
Pin | Pin Code B | Pin Code C | Pin Code H |
---|---|---|---|
1 | LD Anode | LD Anode | LD Anode |
2 | Ground | Ground | Ground |
3 | PD Anode | PD Cathode | No Connection |
半導体レーザーコントローラ用ソフトウェア
下図のダウンロードボタンのリンク先には、VISA VXI pnp™、MS Visual Studio™、MS Visual Studio.net™、LabVIEW™および LabWindows/CVI™のドライバ、ファームウェア、ユーティリティ、そしてITC4000シリーズのレーザーコントローラと、LDC4000シリーズのレーザーコントローラ、CLD1000 シリーズの小型半導体レーザーコントローラ、TED4000シリーズのTECコントローラに関連したサポートドキュメントがあります。
ソフトウェアのダウンロードページには、SCPI、LabVIEW、Visual C++、Visual C#、Visual Basicを使用して様々なコントローラを結合させるリファレンスプログラミングノートもご用意しております。詳細やリンク先についてはソフトウェアダウンロードページの「Programming Reference」のタブをご覧ください。
これらのソフトウェアパッケージは、LabVIEWのバージョン8.5以降をサポートします。 お手元のLabVIEWがそれ以前のバージョンの場合は、当社までご相談ください。
PIDの基礎
PID回路は制御ループフィードバックコントローラとしてよく用いられており、さまざまなサーボ回路として広く使われています。 PIDとは、それぞれ比例(Proportional)、積分(Integral)、微分(Derivative)の頭文字で、PID回路の3つの制御設定を表しています。 サーボ回路の役割は、システムを長時間所定値(目標値)に保持することです。 PID回路は、出力を目標値に保持するため、主に目標値と出力値の差をエラー信号として発生させることにより、システムをアクティブ制御しています。 3つの制御は、時間依存型エラー信号に関連しています; 端的に言うと、次のように考えることができます。 比例は出力値のエラー、積分は過去の累積エラー、微分はエラーの予測によっています。 各制御の結果は、その後回路の電流を調整する加重和にフィードされます(u(t))。 この出力は制御デバイスへ送られ、その値は回路へとフィードバックされ、回路の出力を目標値に到達させ保持するようアクティブ安定化の処理が行われます。 以下のブロック図は、PID回路の動作を簡略化したものです。 システム要求や要件によって、サーボ回路に1つもしくは複数の制御を使用することができます(例: P、I、PI、PD、PID)。
PID回路の適正な制御設定によって、最小限のオーバーシュート(目標値超過)とリンギング(目標値振動)で、素早い応答速度を実現できます。 ここで半導体レーザの温度安定化に用いられる温度サーボを例にとってみましょう。 PID回路は、最終的には熱電冷却素子(TEC)への電流を自動制御します(多くの場合FET回路上のゲート電圧の制御を通して行われます)。 この例では、電流は操作変数(MV)とします。 サーミスタは半導体レーザの温度モニタとして用いられ、サーミスタにかかる電圧を処理変数(PV)とします。 目標値(SP)の電圧は指定の温度に対応して設定します。 エラー信号e(t)は、SPとPVの差分を表します。 PIDコントローラはエラー信号を発生し、目標値に到達するようMVを変更させます。 例えばもし、e(t)の状態が半導体レーザの過熱を示せば、回路はTECを通してさらに電流を流すよう促します(比例制御) 。 比例制御はe(t)に比例するので、半導体レーザを十分な速度で冷却できないかもしれません。 その場合、累積エラーから判断し、目標値へ到達させようと出力を調整し、回路はTECを介してさらに電流量を増加させます(積分制御)。 SPに到達すると[e(t)が0に近づくと]、回路はSPに達するのを見越してTECを通して電流を減少させます(微分制御)。
PID回路は適切な制御を保証するものではないことにご注意ください。 不適切なPID制御の設定は、回路を著しく振動させたり、制御の不安定を引き起こす可能性があります。 正しい動作は、PIDの適正な調整によって得られます。
PID理論
PID制御回路u(t)の出力を得る方程式は以下となります;
Kp= 比例利得
Ki = 積分利得
Kd =微分利得
e(t)=SP-PV(t)
ここから制御ユニットは数学的定義によって定義づけることができ、個々の制御についてもう少し詳しく考察することができます。 比例制御は、エラー信号に比例します。これは、回路が発生させたエラー信号に対する直接的な応答です:
より大きな比例利得は、より大きな変化をエラーへの応答にもたらし、コントローラがシステムの変化に応答できる速度に影響を与えます。 比例利得の値が高いと回路の応答を素早く行えますが、あまりに高い場合は、SP値に対して振動を引き起こしてしまいます。 値が低すぎる場合は、回路はシステム変更への応答性が悪くなります。
積分制御は、比例利得よりさらに1段階ステップが進み、エラー信号の大きさだけでなく、エラーの期間にも比例しています。
積分制御は、比例制御のみによる定常誤差を除去するとともに、回路の応答速度向上に非常に高い効果をもたらします。 積分制御は、未修正の過去のエラーを合計し、エラーにKiを乗算することで、積分応答を出します。 従ってわずかな継続エラーに対しても、大規模な集積積分応答を実現することが可能です。 しかしながら、積分制御の高速応答に起因して、高い利得値による目標値の著しい超過が生じ、振動と不安定性を引き起こします。 低すぎる場合、回路のシステム変更への応答速度が著しく低下します。
微分制御は、比例制御および積分制御から予測される目標値超過とリンギングを低減させます。 回路が時間の経過とともにどう変化しているか(エラー信号の微分から判断)素早く決定し、Kdを乗算することで微分応答を出します。
比例や積分制御と異なり、微分制御は回路の応答を減速させます。 そのため、積分制御や比例制御によって引き起こされた振動を抑制したり、超過を部分的に補うことができます。 高い利得値は回路の応答性にかなりの減速を生じさせ、ノイズや高周波振動が発生しやすくなります(回路が迅速に応答するには低速すぎるため)。 低すぎると、回路はSP値を超過する傾向にあります。しかしながら、SP値を著しく超過するケースは避けなければならず、そのためより高い微分利得(より低い比例利得とともに)が用いられます。 下記の図は、個々のパラメータの利得の増加による影響を示しています。
Parameter Increased | Rise Time | Overshoot | Settling Time | Steady-State Error | Stability |
---|---|---|---|---|---|
Kp | Decrease | Increase | Small Change | Decrease | Degrade |
Ki | Decrease | Increase | Increase | Decrease Significantly | Degrade |
Kd | Minor Decrease | Minor Decrease | Minor Decrease | No Effect | Improve (for small Kd) |
チューニング
通常、適切なサーボ制御を得るために、P、I、Dの利得値は個々で調整する必要があります。 どのシステムに対してもどの値にするべき、といった決まった一連のルールがあるわけではありませんが、基本手順に沿ったチューニングは各々のシステムや環境に合わせるのに役立ちます。 概して、PID回路はSP値の超過をわずかに起こし、その後SP値に到達させるため素早く減衰するようにします。
手動による利得設定のチューニングは、PID制御設定において最もシンプルな方法です。 しかしながらこの手順はアクティブで行われ(PIDコントローラがオンとなり、システムに正しく接続されている)、完全に設定するには多少の経験を要します。 PIDコントローラを手動で調整するには、まず始めに積分および微分利得を0に設定します。 出力に振動が現れるまで、比例利得を上げてください。 比例利得はこの値の約半分の値に設定します。 比例ゲイン利得設定後は、任意のオフセットがシステムに合わせた適切なタイムスケールに修正されるまで積分利得を上げてください。 上げすぎた場合は、SP値の著しい超過と回路の不安定性が引き起こされます。 積分利得が設定されたら、次に微分利得を上げてください。 微分利得はオーバーシュートを軽減し、システムを迅速にSP値へ収束させます。 微分利得を上げすぎると、大幅な超過が生じます(回路の応答が低速すぎるため)。利得設定を試行することにより、システムが変化へ素早く応答し、SP値の振動を効率よく減衰させるといった、PID回路の性能を最大限にすることができます。
Control Type | Kp | Ki | Kd |
---|---|---|---|
P | 0.50 Ku | - | - |
PI | 0.45 Ku | 1.2 Kp/Pu | - |
PID | 0.60 Ku | 2 Kp/Pu | KpPu/8 |
手動によるチューニングは非常に効果的なPID回路の設定方法ですが、ある程度の経験とPID回路および応答についての理解を必要とします。 PIDチューニングのためのZiegler-Nicholsメソッドは、もう少し体系的な手引きとなっています。 再び、積分利得と微分利得をゼロ値にセットしてください。 比例利得を回路が振動するまで上げます。 この利得をレベルKuと呼びます。 振動はPuの期間です。 個々の制御回路の各利得は右の表に示しています。
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14ピンバタフライパッケージ用カスタムモジュール
当社のOEM製造能力
当社では、アクティブ光デバイスを幅広いラインナップでご提供するだけではなく、半導体レーザ、スーパールミネッセントダイオード、半導体光増幅モジュールをOEM用の数量で量産製造する体制を整えております。 例えば、右の写真で示されるような、2個のスーパールミネッセントダイオード(SLD)の温度および電流を制御するカスタムモジュールもご提供できます。 このモジュールは標準の14ピンバタフライパッケージ用に設計されているので、光増幅器内蔵のピグテール付き半導体レーザなどの光デバイスを簡単に組み込むことができます。
III-V半導体デバイス、MEMS-VCSELレーザ、量子カスケードレーザ、ニオブ酸リチウム(LN)光変調器などのメーカとして、当社はレーザ駆動をはじめとした光デバイスのドライバ関連部品に対する要求にもお応えするバックグラウンド技術を保有しています。 半導体レーザの製造能力のページでは、当社のレーザ製造設備の概要をご覧いただけます。詳細につきましては、当社までお問い合わせください。
Video Insights(How-to動画集):TO-Can型半導体レーザのセットアップ
TO-Can型半導体レーザをマウント内に取り付けて、温度と電流の制御下で動作するように設定する際、誤ってレーザに損傷を与えたり破損したりする可能性が多くあります。動画では、人体と半導体レーザを損傷の危険から守る方法を順を追って説明しています。
そのほかにも実験室でお使いいただけるヒント、工夫や方法などの動画がこちらからご覧いただけます。ウェビナーでは、当社製品を実用的かつ理論的にご紹介しています。
Posted Comments: | |
user
 (posted 2024-03-18 10:47:14.093) Dear Sir or Madame,
I would like use CLD1011LP with LPS-660-FC as reliable pulsed light source to induce resonant effect of microsystem. However, I don't know exactly how to set the setup to generate pulses of light ranging repetition rate from 10kHz to 250 kHz. I assume, despite the two above elements I need the another external fiber to guide the light through to the setup. Do I need another instrument to obtain pulse generation. What type for instance?. What means external modulation in the manual?
Thank You in advance for Your help. dpossin
 (posted 2024-03-18 09:22:35.0) Dear Anna,
Thank you for your inquiry. I´ll reach out to you in order to provide detailed information. user
 (posted 2023-05-31 23:41:25.39) Can this device drive a 300mW laser diode (14 pin butterfly).
Does it need special thermal conducting mounting to manage the heat dissipation?
Thank you hchow
 (posted 2023-06-05 06:12:03.0) Dear User, thank you for your feedback. I believe the laser diode driver you are looking for is the CLD1015 instead. The CLD1015 has a current range of between 1 mA to 1.5 A with a compliance voltage of 4 V. Whether or not this device can drive your 300 mW laser diode, depends on its specified drive current. The butterfly mount on the CLD1015 can accommodate 14 pin butterfly laser diodes. Paweł Aleszkiewicz
 (posted 2021-03-26 08:40:46.117) Dear Sears,
Can you give me comparison of current drift (p-p) per 1-5h, for LDC202C, KLD101 and CLD1010LP? MKiess
 (posted 2021-04-07 05:35:25.0) Dear Pawel, thank you very much for your inquiry. You can find the current drift over 24h in the specification sheets of the individual laser diode drivers. These are available under the documents of the respective product on our website. I have contacted you directly to provide you with these documents as well. Ricardo Adão
 (posted 2021-02-25 11:59:57.323) I have the following two lasers (datasheets links below), and I would like to know if the compact Laser Diode Driver CLD1010LP is compatible/suitable to control them.
http://www.roithner-laser.com/datasheets/ld_fiber/spl830-5-4-pd.pdf
http://www.roithner-laser.com/datasheets/ld_fiber/spl635-5-4-pd.pdf
Many thanks! dpossin
 (posted 2021-03-01 11:04:12.0) Dear Ricardo,
Thank you for your feedback. With respect to the pin diagram, the two suggested lasers are compatible to the CLD1010LP lasercontroller. Please note that the maximum reverse bias the controller provides is 6V which is less than the indicated PD reverse bias voltage of 30V one can apply to the PD input of your lasers.
I am reaching out to you in order to further discuss this. user
 (posted 2019-03-27 09:39:52.957) Our lab has bought the CLD1010LP two years ago. Recently, the fiber was broken by mistake and we are wondering how to fix this problem. should we buy some module to replace the fiber or send the CLD1010LP back to thorlabs to fix it? Thanks! YLohia
 (posted 2019-04-08 11:05:03.0) Hello, thank you for contacting Thorlabs. What fiber are you referring to? Is it the fiber attached to the laser diode pigtail? If so, that is a separate issue and does not affect the CLD1010LP. If the laser diode was purchased from us, we are able to reterminate the fiber (assuming the break occurred 10cm or more away from the boot). We have reached out to you directly to discuss this. user
 (posted 2014-12-08 18:22:08.927) Is it a resistive or capacitive display? shallwig
 (posted 2014-12-09 02:53:49.0) This is a response from Stefan at Thorlabs. Thank you very much for your inquiry. These controllers have a resistive display built in. |
半導体レーザーコントローラーセレクションガイド
下の表は、当社の半導体レーザ用コントローラおよびデュアル半導体レーザ/温度コントローラの主な仕様の一覧です。詳しい内容や仕様について、またはご注文の際には表内の型番をクリックしてご確認ください。
Current Controllers | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
Item # | Drive Current | Compliance Voltage | Constant Current | Constant Power | Modulation | Package |
LDC200CV | 20 mA | 6 V | External | Benchtop | ||
VLDC002 | 25 mA | 5 V | - | Int/Ext | OEM | |
LDC201CU | 100 mA | 5 V | External | Benchtop | ||
LD2000R | 100 mA | 3.5 V | - | External | OEM | |
EK2000 | 100 mA | 3.5 V | - | External | OEM | |
LDC202C | 200 mA | 10 V | External | Benchtop | ||
KLD101 | 230 mA | ≤10 V | External | K-Cube™ | ||
IP250-BV | 250 mA | 8 Va | External | OEM | ||
LD1100 | 250 mA | 6.5 Va | - | -- | OEM | |
LD1101 | 250 mA | 6.5 Va | - | -- | OEM | |
EK1101 | 250 mA | 6.5 Va | - | -- | OEM | |
EK1102 | 250 mA | 6.5 Va | - | -- | OEM | |
LD1255R | 250 mA | 3.3 V | - | External | OEM | |
LDC205C | 500 mA | 10 V | External | Benchtop | ||
IP500 | 500 mA | 3 V | External | OEM | ||
LDC210C | 1 A | 10 V | External | Benchtop | ||
LDC220C | 2 A | 4 V | External | Benchtop | ||
LD3000R | 2.5 A | -- | - | External | OEM | |
LDC240C | 4 A | 5 V | External | Benchtop | ||
LDC4005 | 5 A | 12 V | Int/Ext | Benchtop | ||
LDC4020 | 20 A | 11 V | Int/Ext | Benchtop |
Dual Temperature and Current Controllers | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Item # | Drive Current | Compliance Voltage | TEC Power (Max) | Constant Current | Constant Power | Modulation | Package |
VITC002 | 25 mA | 5 V | > 2 W | - | Int/Ext | OEM | |
ITC102 | 200 mA | > 4 V | 12 W | Ext | OEM | ||
ITC110 | 1 A | > 4 V | 12 W | Ext | OEM | ||
ITC4001 | 1 A | 11 V | > 96 W | Int/Ext | Benchtop | ||
CLD1010LPa | 1.0 A | > 8 V | > 14.1 W | Ext | Benchtop | ||
CLD1011LPb | 1.0 A | > 8 V | > 14.1 W | Ext | Benchtop | ||
CLD1015c | 1.5 A | > 4 V | > 14.1 W | Ext | Benchtop | ||
ITC4002QCLd | 2 A | 17 V | > 225 W | Int/Ext | Benchtop | ||
ITC133 | 3 A | > 4 V | 18 W | Ext | OEM | ||
ITC4005 | 5 A | 12 V | > 225 W | Int/Ext | Benchtop | ||
ITC4005QCLd | 5 A | 20 V | > 225 W | Int/Ext | Benchtop | ||
ITC4020 | 20 A | 11 V | > 225 W | Int/Ext | Benchtop |
当社では製品組み込み用あるいはラックマウントの半導体レーザ電流&温度コントローラ(組み込み用モジュール、PRO8電流コントロールモジュール、PRO8電流&温度コントロールモジュール)もご用意しております。
- ピグテール付きTO-Can型半導体レーザ用マウントを搭載
- CLD1010LP: ピン配列A、D、E、Gに対応
- CLD1011LP: ピン配列B、C、Hに対応
- 定電流モードまたは定光出力モードで動作
- 内蔵のTECによりレーザの温度を制御
こちらのコンパクト型半導体レーザ&温度コントローラはTO can型ファイバ付き半導体レーザを駆動および冷却するために設計されたドライバーパッケージです。これらのコントローラの駆動電流は最大1 Aです。また、半導体レーザの温度を24時間にわたって0.005 °Cの安定性で維持するので、出力の安定性が高く、半導体レーザの寿命も長くなります。コントローラにはレーザーマウントが内蔵されているので、携帯性ならびに機械的安定性に優れています。また、ソフトスタートモード、電流/温度リミット値設定、外部インターロック機構などの安全機能に加え、コントローラCLD1010LPおよびCLD1011LPには切り替え可能なノイズ低減フィルタや変調入力端子も装備されています。
このデバイスは、内蔵型4.3インチのカラータッチパネル画面から制御するため、レーザ出力のパラメータの調整、最適化が容易です。動作パラメータは直感的なメニューシステムから設定します。ホーム画面から移動に際し、2回以上タップする必要はありません。抵抗膜方式(感圧式)のタッチパネルを使用しているため、手袋などの保護具を使用していても操作が可能です。タッチパネル画面からの制御に加え、ユニットの背面にはmini-USBコネクタがありますが、これを利用すると、LabVIEWやSCPI(Standard Commands for Programmable Instruments)コマンドを含む一般的なプログラミング言語でリモート制御が可能となります。CLD1010LPまたはCLD1011LPを用いてレーザを駆動する際は、すべてのパラメータが最大定格値の範囲内で設定されていることをご確認ください。 装置の寸法は111 mm x 73.5 mm x 169.9 mmとコンパクトで部品が密集したセットアップでの使用に適しています。
Calibration Service Item # | Compatible Controllers |
---|---|
CAL-CLD | CLD1010LP CLD1011LP |
Thorlabs offers a recalibration services for our Compact Laser Diode Driver/Temperature Controllers. To ensure accurate measurements, we recommend recalibrating the devices every 24 months.
The table to the right lists the controllers for which the CAL-CLD recalibration service is available. Please enter the Part # and Serial # of the controller that requires recalibration prior to selecting Add to Cart.